以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の断面図であり、本実施の形態では、画像形成装置としてカラー印刷を行う複写機に適用している。なお、画像形成装置としては、複写機以外に、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複写機能とファクシミリ通信機能等を備えた複合機等に適用しても良い。
図1において、画像形成装置100は、プリンタ部101、給紙部102、プリンタ部101の上部に固定されたスキャナ部103および原稿自動搬送部104、画像形成装置100内の各装置の動作を制御するコントローラ105等を備えている。コントローラ105は、例えばCPU等によって構成されている。
スキャナ部103は、コンタクトガラス106上に載置された原稿の画像情報を読み取るようになっており、コンタクトガラス106に載置された原稿に光を照射する光源や、結像レンズを通して原稿からの反射光をCCDイメージスキャナ等の光電変換素子に導く反射ミラー等を備えている。
プリンタ部101は、中間転写部107および露光装置、画像形成部、定着ユニット、トナー供給装置等を備えており、スキャナ部103で読み取った原稿の画像を記録紙などの記録シートに転写するようになっている。
給紙部102は、複数の給紙カセットや搬送経路等を備えており、給紙カセットに収納された記録シートを搬送経路を経由して中間転写部107に給紙するようになっている。
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の中間転写部の概略図である。作像ユニット1Y、作像ユニット1M、作像ユニット1C、および作像ユニット1BKは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を作像し、作像したカラーのトナー像を無端状の中間転写ベルト4に1次転写するようになっている。なお、本発明の画像形成手段は、作像ユニット1Y、作像ユニット1M、作像ユニット1C、および作像ユニット1BKなどからなり、画像を形成するものであればよい。
中間転写ベルト4は、ベルト駆動ローラ7、ベルト従動ローラ8、対向ローラ9、ベルト張架ローラ10などによって張架されており、ベルト駆動モータ5およびベルト駆動ギヤ6が内接するベルト駆動ローラ7を駆動することで、中間転写ベルト4が矢印の向きに周回移動される。なお、本発明の像担持体は、中間転写ベルト4または感光体ドラムなどからなり、記録シートの搬送方向に回転しながらトナー画像を担持するものであればよい。
一方、記録シートPは、用紙分離機構や搬送手段(例えば、給紙部102等)により送られて、所望のタイミングでレジストローラ対12より搬送されて記録シート搬送路13をたどり、記録シートPの先端が用紙レジストセンサ21を通過し、対向ローラ9と2次転写ローラ15との間で挟持されるニップ部に中間転写ベルト4と共に搬送される。なお、本発明の転写手段は、2次転写ローラ15などからなり、記録シートの搬送方向に回転しながら像担持体上のトナー画像を記録シートに転写する円筒形のものであればよい。
記録シートPがニップ部に搬送されたとき、中間転写ベルト4に転写されていたカラーのトナー像が、記録シートPに2次転写され、その後、定着ローラ対14で加熱定着されて出力される。
以下、2次転写ローラ15の周辺の部位について説明する。2次転写ローラ15の両端の2次転写ローラ軸15aは、2次転写ローラ軸受20で支持され、更にその外周をスライド軸受ホルダ19で支持されている。
スライド軸受ホルダ19の外側は、本体側板16に開口されたスライド穴部17を摺動し、2次転写ローラ15が対向ローラ9と接する法線方向に自由度を持たせ、スライド軸受ホルダ19と、ばね受部16aとの間に圧縮ばねの押圧ばね18を設けている。従って、記録シートPがニップ部に到達すると、その紙厚に応じて2次転写ローラ15は、図の下方側へ摺動し、つまり記録シートPの先端から後端が通過する際に上下動することになる。
図3、図4、および図5は、本発明の実施の形態に係る対向ローラおよび2次転写ローラの周辺の斜視図である。なお、本発明の実施の形態に係る対向ローラおよび2次転写ローラは、対向ローラ9の両端にあって対向ローラ軸9aと同じ軸で回転摺動する対向ローラ側環9bと、対向ローラ側環9bに対向して2次転写ローラ軸15aと同じ軸で回転摺動するカム環53とを備えている。カム環53は、記録シートPが接触しない2次転写ローラ15の両端に設けられている。本発明のカム部材は、カム環53などからなり、転写手段の回転と同じ軸でニップ部を離隔させるよう回転するものであればよい。
図3において、主走査方向幅Wrを有する対向ローラ9は、主走査幅Wb(ベルト幅)の中間転写ベルト4を張架し、対向ローラ9の両端にある図示していないベルトユニットフレームは、対向ローラ軸受11により両端の対向ローラ軸9aを支持している。
なお、中間転写ベルト4の面には、前述のようにトナー像が1次転写によって担持され、その主走査方向をWi(作図領域幅)とし、その両端外側の領域をWn(非作像領域)としている。
一方、主走査幅Wtを有する2次転写ローラ15の両端にはそれぞれ、本体側板16の開口部にある角穴状のスライド穴部17と、その淵を摺動するスライド軸受ホルダ19とがある。スライド軸受ホルダ19には、2次転写ローラ軸受20が取り付けられ、両端の2次転写ローラ軸15aが2次転写ローラ軸受20で支持されている。スライド軸受ホルダ19の底面と、ばね受部16aとの間には、押圧ばね18があり、押圧ばね18は対向ローラ9側に加圧している。
図3においては、本発明の実施の形態に係るカム部材の待機状態を示しており、以下、待機状態について説明する。2次転写ローラ軸15aには、それぞれ左右に独立してトルクリミッタ50が摺動し、トルクリミッタ50の外周にトルクリミッタホルダ51が圧入されている。トルクリミッタホルダ51と一体化したカム環53の外周には、カム傾斜部前54a、カム凸部55、後述するカム傾斜部後54bがあり、カム環53と、カム傾斜部前54a、カム凸部55、およびカム傾斜部後54bとは、回転方向の位相がずれないように、接着、溶着、融着等、圧入、二色成形、チュービング等の方法で接合されている。
図3で示す待機状態では、掛止板56の両端に突き出た掛止爪部57により、回転止爪部52がトルクリミッタホルダ51の外周に突起しているため、カム環53の回転が止められている。
図4においては、本発明の実施の形態に係るカム部材の動作状態を示しており、以下、動作状態について説明する。掛止板56は、左右2箇所に長穴部58を設け、掛止板56本体に固定されているピン59の規制により横方向に所定のストロークで可動し、その動力にはソレノイド60が用いられている。
掛止板56が通常は図3で示す通り右側に寄っているため、掛止板56の左右2箇所の掛止爪部57は、左右の回転止爪部52をトルクリミッタホルダ51の外周に掛止しているが、図4では、ソレノイド60は、通電し動作すると図4の通り左側に掛止板56とともに動くため、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放することにより、トルクリミッタ50の設定トルク以下で、トルクリミッタホルダ51とカム環53を回転させることができる。
ここで、回転止爪部52と、掛止爪部57の形状の工夫について述べると、図4に示した形状により2次転写ローラ15および2次転写ローラ軸15aとの上下動により、左右それぞれのトルクリミッタホルダ51および回転止爪部52も上下動するが、必ずしも左右の上下動の移動量は等しいとは限らず、左右同時にカム環53を回転させるためには、上下動位置に影響されない時点で左右の掛止爪部57がそれぞれの回転止爪部52を同時に解放する必要があり、図4の場合には、掛止板56を左側にずらすことにより、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放できる構造にしている。
図4では、カム環53が回転し、カム傾斜部前54aが対向ローラ側環9bに接触し始めることにより、対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aの軸間距離が徐々に広がり(2次転写ローラ15が押し下げられること)始めるが、未だ、記録シートPの先端がニップ部に到達していないことが表現されている。
図5では、図4の状態から更にカム環53が回転し、カム凸部55が対向ローラ9と接触していて、既に記録シートPの先端がニップ部を通過している。このように、記録シートの厚みが所定閾値を超えている場合には、カム環53がニップ部を離隔させるよう回転する。
図6(A)〜(G)は、本発明の実施の形態に係るカム部材の一連の回転動作を時系列で示している。画像形成装置100は、搬送される記録シートが挟持される前の所定位置に到着したとき、記録シートの厚みが所定閾値を超えたか否かを判定する判定手段を備えており、この判定手段で記録シートの厚みが所定閾値を超えた場合、本発明の実施の形態に係るカム部材が作動する。なお、本発明の判定手段は、例えばコントローラ105である。
記録シートPの厚みが所定閾値を超えていないと判定手段が判定した場合には、掛止爪部57は、掛止状態のままとなり、カム環53が回転しないため、転写圧を低減するモードは実行されない。記録シートの厚みは、例えば、使用者が手動で画像形成装置100に入力した値であるか、または、紙厚さ測定センサなどを用いて自動で取得された値などである。
図6(A)については、レジストローラが回転し始める状態で、中間転写ベルト4の搬送に伴い、対向ローラ9が回転し、更に2次転写ローラ15も連動して回転しているが、まだ、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止しているため、トルクリミッタ50がスリップし、カム凸部55が対向ローラ側環9bと接触していない状態でカム環53の回転が止まったまま待機状態となっている。
図6(B)については、用紙レジストセンサ21にて記録シートPの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが検知された場合、ソレノイド60の動作に伴って掛止爪部57が回転止爪部52を解放し、トルクリミッタ50の伝達トルクでトルクリミッタホルダ51、カム環53は、CCW(Counter Clock Wise)に回転し始めた状態となっている。なお、用紙レジストセンサ21は、記録シートPの後端も検知することができる。
図6(C)については、カム環53がさらに回転し、カム凸部55が対向ローラ側環9bと接触した状態を示している。この状態で対向ローラ9と2次転写ローラ15とが互いに離間し始める。
図6(D)については、カム環53がさらに回転すると共に記録シートPがさらに搬送され、記録シートPの先端が中間転写ベルト4と2次転写ローラ15とで挟持された状態を示している。この状態で対向ローラ9と2次転写ローラ15とが完全に離間している。
図6(E)については、カム傾斜部後54bがニップ部を通り抜けた状態を示している。従って、記録シートPは、本発明の実施の形態に係るカム部材の転写圧の影響を受けていない状態となる。
図6(F)については、カム環53が更にCCWに回転し、掛止爪部57が掛止状態で待ち構えている方へ回転止爪部52は接近している。
図6(G)については、掛止爪部57が回転止爪部52に接して掛止し、カム環53の位置が図6(A)に示した位置に戻った状態を示しており、カム環53の回転が止まり待機状態となる。
図7から図10は、WPmax(最大記録シート幅)を有する記録シートPが2次転写ローラ15を通過する周囲の状態を上流側から見た対向ローラおよび2次転写ローラの周辺の断面図である。また、図7から図10は、WPmax(最大記録シート幅)を有する記録シートP、カム傾斜部前54a、カム傾斜部後54b、Wr(対向ローラ幅)を有する対向ローラ9、Wb(ベルト幅)を有する中間転写ベルト4、Wt(2次転写ローラ幅)を有する2次転写ローラ15の関係を示す図である。
WPmax(最大記録シート幅)に対して、Wi(作像領域幅)は僅かに狭くなっており、Wn(非作像領域)の範囲内で中間転写ベルト4の外側のWc(転写圧調整域)にカム部材の作用する領域がある。また、対向ローラ9のWr(対向ローラ幅)と、2次転写ローラ15のWt(2次転写ローラ幅)は等しく描かれているが必ずしも等しくする必要はない。
図7は、本発明の実施の形態に係るカム部材の待機状態における対向ローラおよび2次転写ローラの周辺の断面図であり、図6(A)、(G)の状態を示し、図8は、記録シート突入直前における対向ローラおよび2次転写ローラの周辺の断面図であり、図6(B)の状態を示し、図9は、トナー像転写中の対向ローラおよび2次転写ローラの周辺の断面図であり、図6(D)の状態を示し、図10は、記録シートを挟持している最中の対向ローラおよび2次転写ローラの周辺の断面図であり、図6(E)の状態を夫々示しているが、個々の詳細は、図6でも示しているため、説明は省略する。
図11は、カム環53の回転時の位置に対する、対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aと間の軸間距離の関係を示している。図11では、カム環53の外周面が、図3、図4、および図5からみてもわかるように、カム凸部55の面と、カム環周囲53aの面と、カム凸部55の面の端とカム環周囲53aの面の端とを結ぶ傾斜面であるカム傾斜部前54aおよびカム傾斜部後54bからなる。図11に示したカム環53は、2次転写ローラ軸15aを中心とする半径よりも長く設定された第1半径で形成されるカム凸部55の外径と、2次転写ローラ軸15aを中心とする半径とよりも短い長さに設定された第2半径で形成されるカム環周囲53aとによって構成されている。
図11(A)は、記録シートPがニップ部に到達する前で、図6(A)と図7の状態に対応するが、対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aとの軸間距離が最短の状態になっている。このとき2次転写ローラ15は、図示していない中間転写ベルト4を挟持した対向ローラ9との摩擦力で従動回転している。
図11(B)もまた、記録シートPがニップ部に到達する前で、カム環周囲53aの一部に接合されたカム傾斜部前54aの傾斜面の最上位部がニップ部に到達しつつあり、対向ローラ側環9bがカム傾斜部前54aの傾斜面に接触することで対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aとの軸間距離が徐々に拡幅し始めている。
このとき、2次転写ローラ15の従動回転のトルク伝達においては、対向ローラ9の摩擦力伝達から、対向ローラ側環9bとカム傾斜部前54aとの摩擦力伝達に切り替わる。摩擦力を伝達するために、カム傾斜部前54aの材質を低反発性の弾性材で構成することで、トルク伝達経路の切り替えに関わるトルク変動などを吸収する効果が得られる。
また、低反発性の弾性材の具体的な材料としては、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)等の加硫ゴム材料や、ポリスチレン系、ポリオレフィン系(TPO、TPV)、ポリエステル系(TPEE)、ウレタン系(TPU)、ポリアミド系、塩ビ(TPVC)、フッ素系等のエラストマ材料のソリッド状の材料、または発泡材で、特には、ゲル状材料の場合には顕著に衝撃吸収(振動を短時間に減衰させる)効果の高い材料でもよい。
低反発性の弾性材の物性値としては、JISK6255に準拠する測定法による反発弾性率Rが90%以下であれば使用可能、好ましくは50%から0%、更に好ましくは20%から0%で、一般的には表1に含まれる材質が列挙されるが、これに限るものではなく、適宜高分子材料とのアロイ(重合)材料、発泡材料に加工したもの、または、表層に別の材質で被覆したものであってもかまわない。なお、反発弾性率Rとは、試験片上に鋼球または、ハンマーを一定の高さh1からから落下させ、跳ね返った高さh2を測定し、 R=(h2/h1)×100% より求める。
図11(C)でも、記録シートPがニップ部に到達する前で、カム環周囲53aの一部に接合されたカム傾斜部前54aの傾斜面の最上位部を通過して更に、カム凸部55がニップ部に到達して対向ローラ側環9bに接触した瞬間の状態である。対向ローラ側環9bがカム凸部55に接触することにより、対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aとの軸間距離がしばらく一定距離になる。
そして、カム凸部55の材質は、2次転写ローラ15にかかる転写圧相当の荷重を受け支えるため、カム傾斜部前54aの傾斜面の材質より、ヤング率(縦弾性率)が高い材質である構成を有していて、ナイロン6−6(PA)の3.0[GPa]、ポリアセタール(POM)ホモポリマーの3.2[GPa]などが適するが、更には、図34から図38で説明する転写定着手段の定着手段、即ち加熱手段がある場合には、定着対向ローラからの熱がカム凸部55へ伝播することにより、3次転写定着対向ローラ70と転写定着加圧ローラ73との軸間距離が熱量に応じて変動するため、表2に示すように、カム凸部の材質選定は極力線膨張係数の低い材質が好ましく、定着加熱温度と伝播される熱量に応じて適宜選択しなければならない。そのためには樹脂材料に限らず、鉄、ステンレス等の金属材料であってもかまわない。
また、クリープ変形の耐性が高い材質とすることで、対向ローラ軸9a、或いは3次転写定着対向ローラ軸70aと転写定着加圧ローラ73との軸間距離は、弾性変形による撓みや、経時的なクリープ変形、磨耗による変形などの影響を受けずに精度高く維持される。
図11(D)は、記録シートPの先端が到達した直後であり、カム凸部55がニップ部に到達してはいるが、記録シートPの厚さが厚いため、対向ローラ側環9bとカム凸部55とが離間した瞬間の状態である。対向ローラ側環9bが記録シートPに接触することにより、対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aとの軸間距離が、図11(C)に示した軸間距離よりも離れる。このとき、2次転写ローラ15は、図示していない中間転写ベルト4と記録シートPとを挟持しながら、対向ローラ9との摩擦力で従動回転している。
図12は、カム環周囲53bが、対向ローラ側環9bの外径部分に弱い圧力で接触するよう設定されている構造を示しており、図11とは異なった対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aとの軸間距離の関係を示している。
図12に示すカム環53の構造について、図11に示したカム環周囲53aを図12ではカム環周囲53bに替えており、図11に示したカム傾斜部前54aを図12ではカム傾斜部前54cに替えており、図11に示したカム傾斜部後54bを図12ではカム傾斜部後54dに替えている。図12に示したカム環53は、2次転写ローラ軸15aを中心とする半径よりも長く設定された第1半径で形成されるカム凸部55の外径と、2次転写ローラ軸15aを中心とする半径と同じ長さに設定された第2半径で形成されるカム環周囲53bとによって構成されている。
図12(A)は、記録シートPがニップ部に到達する前で、対向ローラ側環9bは待機状態で、既にカム環周囲53bと接触状態であるが、対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aとの軸間距離が最小の状態になっている。このとき2次転写ローラ15は、図示していない中間転写ベルト4を挟持した対向ローラ9との摩擦力で従動回転している。
図12(B)もまた、記録シートPがニップ部に到達する前で、カム環周囲53bの一部に接合されカム傾斜部前54cの傾斜面の最上位部がニップ部に到達しつつあり、対向ローラ側環9bがカム傾斜部前54cの傾斜面に接触することで、対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aとの軸間距離が徐々に拡幅し始めている。
このとき、2次転写ローラ15の従動回転のトルク伝達においては、対向ローラ9の摩擦力伝達から、対向ローラ側環9bとカム傾斜部前54cとの摩擦力伝達の経路に切り替わる。摩擦力を伝達するために、カム傾斜部前54cの材質を低反発性の弾性材で構成することで、トルク伝達経路の切り替えに関わるトルク変動などを吸収する効果が得られる。
図12(C)でも、記録シートPがニップ部に到達する前で、カム環周囲53bの一部に接合されたカム傾斜部前54cの傾斜面の最上位部を通過して更にカム凸部55がニップ部に到達した瞬間の状態である。対向ローラ側環9bがカム凸部55に接触することにより、対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aとの軸間距離がしばらく一定距離になる。
図12(D)は、記録シートPの先端が到達した直後であり、カム凸部55がニップ部に到達してはいるが、記録シートPの厚さが厚いため、対向ローラ側環9bとカム凸部55とが離間した瞬間の状態である。対向ローラ側環9bが記録シートPに接触することにより、対向ローラ軸9aと2次転写ローラ軸15aとの軸間距離が、図12(C)に示した軸間距離よりも離れる。このとき、2次転写ローラ15は、図示していない中間転写ベルト4と記録シートPとを挟持しながら、対向ローラ9との摩擦力で従動回転している。
図13および図14は、対向ローラ9の主走査方向圧力分布の関係を示したものである。図13および図14に示しているP1、P2、P3は、対向ローラ9にかかる圧力の値を示しており、それぞれP1<P2<P3の関係になっている。また、図13および図14に示しているS0、S1、S2、S3、S4、S5は、主走査位置を表しており、主走査位置について説明するための図を図15に示す。
図15は、記録シートの搬入方向に向かって対向ローラ9の左側の転写圧調整域Wcの両端をS0、S1とし、右側の転写圧調整域Wcの両端をS4、S5としている。また、対向ローラ9と記録シートPとが接する位置の両端をS2、S3としている。なお、対向ローラ幅Wrの両端は、S1、S4となる。
図13(A)は、図11(A)に示したように記録シートPがニップ部に到達する前の時点の対向ローラ9の主走査方向圧力分布の関係を示したものである。図13(A)に示したように、主走査位置S0とS1との間、およびS4とS5との間には圧力がかからず、主走査位置S1とS4との間に圧力P2がかかっている。
図13(B)は、図11(B)に示したように記録シートPがニップ部に到達する前で、カム環周囲53aの一部に接合されたカム傾斜部前54aの傾斜面の最上位部がニップ部に到達しつつあり、対向ローラ側環9bがカム傾斜部前54aの傾斜面に接触している時点の対向ローラ9の主走査方向圧力分布の関係を示したものである。図13(B)に示したように、主走査位置S0とS1との間、およびS4とS5との間には圧力P2がかかり、主走査位置S1とS4との間には圧力がかからない。
図13(C)は、図11(C)に示したように記録シートPがニップ部に到達する前で、カム環周囲53aの一部に接合されたカム傾斜部前54aの傾斜面の最上位部を通過して更に、カム凸部55がニップ部に到達して対向ローラ側環9bに接触した時点の対向ローラ9の主走査方向圧力分布の関係を示したものである。図13(C)に示したように、主走査位置S0とS1との間、およびS4とS5との間には圧力P3がかかり、主走査位置S1とS4との間には圧力がかからない。
図13(D)は、図11(D)に示したように記録シートPの先端が到達した時点の対向ローラ9の主走査方向圧力分布の関係を示したものである。図13(D)に示したように、主走査位置S0とS2との間、およびS3とS5との間には圧力がかからず、主走査位置S2とS3との間には圧力P1がかかっている。
図14(A)は、図12(A)に示したように記録シートPがニップ部に到達する前の時点の対向ローラ9の主走査方向圧力分布の関係を示したものである。主走査位置S0、S1、S4、S5については、図15で説明したものと同様である。図14(A)に示したように、主走査位置S0とS1との間、およびS4とS5との間には圧力P1と圧力P2との中間程度の圧力がかかっており、主走査位置S1とS4との間に圧力P1がかかっている。
図14(B)は、図12(B)に示したように記録シートPがニップ部に到達する前で、カム環周囲53bの一部に接合されたカム傾斜部前54cの傾斜面の最上位部がニップ部に到達しつつあり、対向ローラ側環9bがカム傾斜部前54cの傾斜面に接触している時点の対向ローラ9の主走査方向圧力分布の関係を示したものである。図14(B)に示したように、主走査位置S0とS1との間、およびS4とS5との間には圧力P2がかかり、主走査位置S1とS4との間には圧力がかからない。
図14(C)は、図12(C)に示したように記録シートPがニップ部に到達する前で、カム環周囲53bの一部に接合されたカム傾斜部前54cの傾斜面の最上位部を通過して更に、カム凸部55がニップ部に到達して対向ローラ側環9bに接触した時点の対向ローラ9の主走査方向圧力分布の関係を示したものである。図14(C)に示したように、主走査位置S0とS1との間、およびS4とS5との間には圧力P3がかかり、主走査位置S1とS4との間には圧力がかからない。
図14(D)は、図12(D)に示したように記録シートPの先端が到達した時点の対向ローラ9の主走査方向圧力分布の関係を示したものである。図14(D)に示したように、主走査位置S0とS2との間、およびS3とS5との間には圧力がかからず、主走査位置S2とS3との間には圧力P1がかかっている。
図13と図14との相違点については、図13(A)および図14(A)の主走査方向圧力分布だけが異なっている。図13(A)では、S0〜S1、S4〜S5の圧力が0で、S1〜S4の圧力がP2であるのに対し、図14(A)では、S0〜S1、S4〜S5の圧力がP1とP2との中間で、S1〜S4の圧力がP1である点が異なる。
図13に示した圧力分布については、図11(A)の状態から図11(B)の状態に遷移する際に、主走査位置S0とS1との間、およびS4とS5との間には圧力が急に加圧されるため、圧力変化が大きい。これに対し、図14に示した圧力分布については、図12(A)の状態で、対向ローラ側環9bとカム環周囲53bとを接触した状態にすることで、主走査位置S1とS4との間に圧力がかかる分だけ主走査位置S0とS1との間、およびS4とS5との間には圧力が少なくなっており、図14(A)の状態から図14(B)の状態に遷移する際、主走査位置S0とS1との間、およびS4とS5との間の圧力分布は、図11に示した場合と比較して緩やかになり、圧力変化が少なくなる。
図16〜図27に示したものは、カム環53(カム部材)の回転動作と、記録シートPとの進入タイミングのタイミングチャートである。各タイミングチャートの横軸は時刻を示し、縦軸は、2次転写ローラ軸15aから対向ローラ軸9aに向かう距離を表している。以下、2次転写ローラ軸15aの中心と対向ローラ軸9aの中心とを結ぶ線分を軸間線分という。
図16〜図20のタイミングチャートでは、カム環53の回転動作を実線で表しており、記録シートの搬送の様子を破線で表している。また、実線は、2次転写ローラ軸15aの中心から軸間線分上のカム環53の外径までの距離(以下、カム半径という。)を表している。破線は、カム環53(カム部材)が無かった場合おいて2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離を表している。図16〜図20は、2次転写ローラ15の両端にあるカム環53として同じ形状のものが使用された場合であって両端にあるカム環53の回転の角度位相も共に同じにしたものを示したタイミングチャートである。
図16は、最厚手の記録シートを印刷する際のカム環53の回転動作を表したタイミングチャートである。
図16(A)は、記録シートの先端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部を離隔させるよう回転し、再度、記録シートの後端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部を離隔させるよう回転する場合のタイミングチャートである。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっており、カム半径がd−c0になっている。d−c0は、2次転写ローラ軸15aを中心としたカム傾斜部前54aからカム傾斜部後54bに対応する半径であり、d−c0を第2半径という。時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t1は、図11(A)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、図11(C)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、カム半径がd−c1になっている。d−c1は、2次転写ローラ軸15aを中心としたカム凸部55に対応する半径であり、以下、d−c1を第1半径という。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態、すなわち、図11(D)の状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。d−pmaxは、2次転写ローラ軸15aから最厚手の記録シートの転写面までの高さである。なお、d−0は、記録シートが無かった場合における2次転写ローラ軸15aから対向ローラ9の表面までの距離である。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t3からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4ではニップ部の離隔が閉じており、カム半径がd−c0になっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t5は、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5からカム環53の回転が進んだときの時刻t6は、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t6からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−c1になる。時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t7からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
図16(B)は、記録シートの先端がニップ部に搬入される時点でカム環53が回転すると共にニップ部を離隔させた状態で、記録シートの後端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部の離隔を解除するように回転する場合のタイミングチャートである。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっており、カム半径がd−c0になっている。時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t1は、図11(A)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、図11(C)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、カム半径がd−c1になっている。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態、すなわち、図11(D)の状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。時刻tf1でカム環53の回転動作が一時的に停止され、ニップ部が離隔されたままの状態となる。
次に、時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−c1になり、カム環53の回転動作が開始される。時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t7からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8ではニップ部の離隔が閉じており、カム半径がd−c0になっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
図17は、最厚手の記録シートを複数頁(2頁以上)に亘って印刷する際のカム環53の回転動作を表したタイミングチャートである。
図17(A)は、1頁目の記録シートの先端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部を離隔させるよう回転し、再度、1頁目の記録シートの後端および2頁目の記録シートの先端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部を離隔させるよう回転する場合のタイミングチャートである。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっており、カム半径がd−c0になっている。時刻t1の直前で、1頁目の記録シートの先端が到達し、1頁目の記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t1は、図11(A)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、図11(C)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、カム半径がd−c1になっている。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、1頁目の記録シートの先端がニップ部に到達した状態、すなわち、図11(D)の状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t3からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4ではニップ部の離隔が閉じており、カム半径がd−c0になっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、1頁目の記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t5は、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5からカム環53の回転が進んだときの時刻t6は、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t6からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、1頁目の記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−c1になる。時刻tf2は、2頁目の記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。
時刻tf2からカム環53の回転が進んだときの時刻t9は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t9からカム環53の回転が進んだときの時刻t10は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t11の直前で、2頁目の記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t11は、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t11からカム環53の回転が進んだときの時刻t12は、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t12ではニップ部が離隔される。時刻t12からカム環53の回転が進んだときの時刻te2は、2頁目の記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−c1になる。
時刻te2からカム環53の回転が進んだときの時刻t13は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t13からカム環53の回転が進んだときの時刻t14は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
図17(B)は、1頁目の記録シートの先端がニップ部に搬入される時点でカム環53が回転すると共にニップ部を離隔させたまま2頁目の記録シートが搬入され、2頁目の記録シートの後端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部の離隔を解除するように回転する場合のタイミングチャートである。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっており、カム半径がd−c0になっている。時刻t1は、1頁目の記録シートの先端が到達し、1頁目の記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t1は、図11(A)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、図11(C)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、カム半径がd−c1になっている。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、1頁目の記録シートの先端がニップ部に到達した状態、すなわち、図11(D)の状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。時刻tf1でカム環53の回転動作が一時的に停止され、ニップ部が離隔されたままの状態となる。
次に、時刻te1は、1頁目の記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−c1になる。時刻tf2は、2頁目の記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。
次に、時刻te2は、2頁目の記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−c1になる。時刻te2からカム環53の回転が進んだときの時刻t13は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t13からカム環53の回転が進んだときの時刻t14は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t14ではニップ部の離隔が閉じており、カム半径がd−c0になっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
図18は、中厚手の記録シートを印刷する際のカム環53の回転動作を表したタイミングチャートである。
図18(A)は、記録シートの先端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部を離隔させるよう回転し、再度、記録シートの後端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部を離隔させるよう回転する場合のタイミングチャートである。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっており、カム半径がd−c0になっている。時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t1は、図11(A)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、図11(C)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、カム半径がd−c1になっている。d−c1は、2次転写ローラ軸15aを中心としたカム凸部55に対応する半径(第1半径)である。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態、すなわち、図11(D)の状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmidになる。d−pmidは、2次転写ローラ軸15aから中厚手の記録シートの転写面までの高さであり、d−c1とほぼ等しい。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t3からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4ではニップ部の離隔が閉じており、カム半径がd−c0になっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t5は、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5からカム環53の回転が進んだときの時刻t6は、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t6からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときである。時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t7からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
図18(B)は、記録シートの先端がニップ部に搬入される時点でカム環53が回転すると共にニップ部を離隔させた状態で、記録シートの後端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部の離隔を解除するように回転する場合のタイミングチャートである。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっており、カム半径がd−c0になっている。時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t1は、図11(A)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、図11(C)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、カム半径がd−c1になっている。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態、すなわち、図11(D)の状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmidになる。時刻tf1でカム環53の回転動作が一時的に停止され、ニップ部が離隔されたままの状態となる。
次に、時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、カム環53の回転動作が開始される。時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t7からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8ではニップ部の離隔が閉じており、カム半径がd−c0になっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
図19は、中厚手の記録シートを複数頁(2頁以上)に亘って印刷する際のカム環53の回転動作を表したタイミングチャートである。
図19(A)は、1頁目の記録シートの先端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部を離隔させるよう回転し、再度、1頁目の記録シートの後端および2頁目の記録シートの先端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部を離隔させるよう回転する場合のタイミングチャートである。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっており、カム半径がd−c0になっている。時刻t1の直前で、1頁目の記録シートの先端が到達し、1頁目の記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t1は、図11(A)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、図11(C)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、カム半径がd−c1になっている。時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、1頁目の記録シートの先端がニップ部に到達した状態、すなわち、図11(D)の状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmidになる。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t3からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4ではニップ部の離隔が閉じており、カム半径がd−c0になっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、1頁目の記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t5は、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5からカム環53の回転が進んだときの時刻t6は、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t6からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、1頁目の記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、時刻tf2は、2頁目の記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときである。
時刻tf2からカム環53の回転が進んだときの時刻t9は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t9からカム環53の回転が進んだときの時刻t10は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t11の直前で、2頁目の記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t11は、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t11からカム環53の回転が進んだときの時刻t12は、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t12ではニップ部が離隔される。時刻t12からカム環53の回転が進んだときの時刻te2は、2頁目の記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときである。
時刻te2からカム環53の回転が進んだときの時刻t13は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t13からカム環53の回転が進んだときの時刻t14は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
図19(B)は、1頁目の記録シートの先端がニップ部に搬入される時点でカム環53が回転すると共にニップ部を離隔させたまま2頁目の記録シートが搬入され、2頁目の記録シートの後端がニップ部に搬入される時点でカム環53がニップ部の離隔を解除するように回転する場合のタイミングチャートである。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっており、カム半径がd−c0になっている。時刻t1は、1頁目の記録シートの先端が到達し、1頁目の記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t1は、図11(A)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、図11(C)の状態のときであり、カム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、カム半径がd−c1になっている。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、1頁目の記録シートの先端がニップ部に到達した状態、すなわち、図11(D)の状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmidになる。時刻tf1でカム環53の回転動作が一時的に停止され、ニップ部が離隔されたままの状態となる。
次に、時刻te1は、1頁目の記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、時刻tf2は、2頁目の記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときである。
次に、時刻te2は、2頁目の記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときである。時刻te2からカム環53の回転が進んだときの時刻t13は、カム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t13からカム環53の回転が進んだときの時刻t14は、カム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t14ではニップ部の離隔が閉じており、カム半径がd−c0になっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
図20は、薄手の記録シートを印刷する際のタイミングチャートである。
図20(A)は、記録シートの厚みが所定閾値を超えていないため、カム環53の回転動作が休止している場合のタイミングチャートである。時刻tf1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっている。時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pminになる。d−pminは、2次転写ローラ軸15aから薄手の記録シートの転写面までの高さである。時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−0になる。
図20(B)は、1頁目および2頁目の記録シートの厚みが所定閾値を超えていないため、カム環53の回転動作が休止している場合のタイミングチャートである。時刻tf1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっている。時刻tf1は、1頁目の記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pminになる。時刻te1は、1頁目の記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−0になる。時刻tf2は、2頁目の記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pminになる。時刻te2は、2頁目の記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−0になる。
以上、最厚手、中厚手、および薄手の記録シートを印刷する際のタイミングチャートについて説明したが、図21〜図27のタイミングチャートには、2次転写ローラ15の両端にあるカム環53として同じ形状のものまたは異なる形状のものが使用された場合であって両端にあるカム環53の回転の角度位相も共に同じまたは異なるタイミングチャートを示しており、それぞれのタイミングチャートについて説明する。
以下、2次転写ローラ15の両端にあるカム環53のうち、記録シートの搬入方向に向かって左にあるカム環53を前カム環53といい、右にあるカム環53を後カム環53という。前カム環53および後カム環53の回転速度は同じである。
また、図21〜図27は、前カム環53の第1半径がd−cf1と表され、後カム環53の第1半径がd−cr1と表され、前カム環53の第2半径がd−cf0と表され、後カム環53の2半径がd−cr0と表された場合のタイミングチャートであり、最厚手の記録シートを印刷する際のカム環53の回転動作を表したタイミングチャートである。図21〜図27のタイミングチャートでは、前カム環53の回転動作を実線で表しており、後カム環53の回転動作を一点鎖線で表しており、記録シートの搬送の様子を破線で表している。また、実線および一点鎖線は、カム半径を表している。
以下、前カム環53、後カム環53のそれぞれが、同一の第1半径、同一の第2半径、同一の第1外径、かつ同一の第2外径で形成され、第1外径の回転時の位相がそれぞれ同じになるように回転する場合のタイミングチャートを図21に示し、このタイミングチャートについて説明する。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっている。待機状態の前カム環53および後カム環53を表す側面図を図28に示す。前カム環53の状態を図28(A)に示しており、後カム環53の状態を図28(B)に示している。図28(A)に示した前カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度θおよび第1半径d−cf1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度αおよび第2半径d−cf0からなる。図28(B)に示した後カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度θおよび第1半径d−cr1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度αおよび第2半径d−cr0からなる。前カム環53および後カム環53は、第1外径の回転時の位相がそれぞれ同じに回転するように待機している。待機状態では、前カム環53のカム半径がd−cf0となっており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。
時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t1は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、前カム環53のカム半径がd−cf1となっており、後カム環53のカム半径がd−cr1となっており、d−cf1とd−cr1とが同じ長さである。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t3からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4ではニップ部の離隔が閉じており、前カム環53のカム半径がd−cf0となっており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t5は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5からカム環53の回転が進んだときの時刻t6は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。
時刻t6からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−cf1になる。時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t7からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8ではニップ部の離隔が閉じており、前カム環53のカム半径がd−cf0となっており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
以下、前カム環53、後カム環53のそれぞれが、同一の第1半径、同一の第2半径、同一の第1外径、かつ同一の第2外径で形成され、第1外径の回転時の位相がそれぞれ異なるように回転する場合のタイミングチャートを図22に示し、このタイミングチャートについて説明する。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっている。待機状態の前カム環53および後カム環53を表す側面図を図29に示す。前カム環53の状態を図29(A)に示しており、後カム環53の状態を図29(B)に示している。図29(A)に示した前カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度θおよび第1半径d−cf1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度αおよび第2半径d−cf0からなる。図29(B)に示した後カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度θおよび第1半径d−cr1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度αおよび第2半径d−cr0からなる。前カム環53および後カム環53は、第1外径の回転時の位相がそれぞれ異なって回転するように待機している。待機状態では、前カム環53のカム半径がd−cf0となっており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。
時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t1は、前カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1´は、後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1から前カム環53の回転が進んだときの時刻t2は、前カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2では前カム環53のカム半径がd−cf1となっている。時刻t1´から後カム環53の回転が進んだときの時刻t2´は、後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2´では、後カム環53のカム半径がd−cr1となっている。
時刻t2´からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、前カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t3´は、後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t3からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、前カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4では前カム環53のカム半径がd−cf0となっている。時刻t3´からカム環53の回転が進んだときの時刻t4´は、後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4´ではニップ部の離隔が閉じており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t5は、前カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5´は、後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5から前カム環53の回転が進んだときの時刻t6は、前カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t6では前カム環53のカム半径がd−cf1となっている。時刻t5´から後カム環53の回転が進んだときの時刻t6´は、後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t6´では、後カム環53のカム半径がd−cr1となっている。
時刻t6´からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−cf1になる。
時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、前カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t7´は、後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t7からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、前カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8では前カム環53のカム半径がd−cf0となっている。時刻t7´からカム環53の回転が進んだときの時刻t8´は、後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8´ではニップ部の離隔が閉じており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
以下、前カム環53、後カム環53のそれぞれが、同一の第1半径、同一の第2半径、同一の第1外径、かつ異なる長さの第2外径で形成され、第1外径の回転時の位相がそれぞれ同じになるように回転する場合のタイミングチャートを図23に示し、このタイミングチャートについて説明する。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっている。待機状態の前カム環53および後カム環53を表す側面図を図30に示す。前カム環53の状態を図30(A)に示しており、後カム環53の状態を図30(B)に示している。図30(A)に示した前カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度θおよび第1半径d−cf1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度αおよび第2半径d−cf0からなる。図30(B)に示した後カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度θおよび第1半径d−cr1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度βおよび第2半径d−cr0からなる。前カム環53および後カム環53は、第1外径の回転時の位相がそれぞれ同じに回転するように待機している。待機状態では、前カム環53のカム半径がd−cf0となっており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。
時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t1は、前カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1´は、後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1から前カム環53の回転が進んだときの時刻t2は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2では前カム環53のカム半径がd−cf1となっており、後カム環53のカム半径がd−cr1となっている。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t3からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、前カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4では前カム環53のカム半径がd−cf0となっている。時刻t4´は、後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4´ではニップ部の離隔が閉じており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t5は、前カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5´は、後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5から前カム環53の回転が進んだときの時刻t6は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t6では前カム環53のカム半径がd−cf1となっており、後カム環53のカム半径がd−cr1となっている。
時刻t6からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−cf1になる。
時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t7からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、前カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8では前カム環53のカム半径がd−cf0となっている。時刻t8´は、後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8´ではニップ部の離隔が閉じており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
以下、前カム環53、後カム環53のそれぞれが、同一の第1半径、同一の第2半径、異なる長さの第1外径、かつ同一の第2外径で形成され、第2外径の回転時の位相がそれぞれ同じになるように回転する場合のタイミングチャートを図24に示し、このタイミングチャートについて説明する。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっている。待機状態の前カム環53および後カム環53を表す側面図を図31に示す。前カム環53の状態を図31(A)に示しており、後カム環53の状態を図31(B)に示している。図31(A)に示した前カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度αおよび第1半径d−cf1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度θおよび第2半径d−cf0からなる。図31(B)に示した後カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度βおよび第1半径d−cr1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度θおよび第2半径d−cr0からなる。前カム環53および後カム環53は、第2外径の回転時の位相がそれぞれ同じに回転するように待機している。待機状態では、前カム環53のカム半径がd−cf0となっており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。
時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t1は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1から前カム環53の回転が進んだときの時刻t2は、前カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2´は、後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2では前カム環53のカム半径がd−cf1となっており、時刻t2´では後カム環53のカム半径がd−cr1となっている。
時刻t2´からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、前カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t3´は、後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t3´からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4ではニップ部の離隔が閉じており、前カム環53のカム半径がd−cf0となり、同時に後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t5は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5から前カム環53の回転が進んだときの時刻t6は、前カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t6´は、後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t6では前カム環53のカム半径がd−cf1となっており、時刻t6´では後カム環53のカム半径がd−cr1となっている。
時刻t6´からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−cf1になる。
時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、前カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t7´は、後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t7´からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8ではニップ部の離隔が閉じており、前カム環53のカム半径がd−cf0となり、同時に後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
以下、転写圧調整域Wcの片側だけにカム環53を1つ設けた場合のタイミングチャートを図25に示し、このタイミングチャートについて説明する。時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっており、カム環53のカム半径がd−cf0となっている。片側だけに設けられた待機状態のカム環53は、図28(A)と同様である。
時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が回転し始める。
時刻t1は、カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、カム環53のカム半径がd−cf1となっている。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t3からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4ではニップ部の離隔が閉じており、カム環53のカム半径がd−cf0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、カム環53が同時に回転し始める。
時刻t5は、カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5からカム環53の回転が進んだときの時刻t6は、カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。
時刻t6からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−cf1になる。時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t7からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8ではニップ部の離隔が閉じており、カム環53のカム半径がd−cf0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
以下、前カム環53、後カム環53のそれぞれが、異なる第1半径、同一の第2半径、異なる第1外径、かつ同一の第2外径で形成され、第1外径の回転時の位相がそれぞれ同じになるように回転する場合のタイミングチャートを図26に示し、このタイミングチャートについて説明する。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっている。待機状態の前カム環53および後カム環53を表す側面図を図32に示す。前カム環53の状態を図32(A)に示しており、後カム環53の状態を図32(B)に示している。図32(A)に示した前カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度θおよび第1半径d−cf1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度αおよび第2半径d−cf0からなる。図32(B)に示した後カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度θおよび第1半径d−cr1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度αおよび第2半径d−cr0からなる。前カム環53および後カム環53は、第1外径の回転時の位相がそれぞれ同じに回転するように待機している。待機状態では、前カム環53のカム半径がd−cf0となっており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。
時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t1は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1からカム環53の回転が進んだときの時刻t2は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2ではニップ部が離隔され、前カム環53のカム半径がd−cf1となっており、後カム環53のカム半径がd−cr1となっている。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t3からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4ではニップ部の離隔が閉じており、前カム環53のカム半径がd−cf0となっており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t5は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5からカム環53の回転が進んだときの時刻t6は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。
時刻t6からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−cf1になる。時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点であり、時刻t7からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8ではニップ部の離隔が閉じており、前カム環53のカム半径がd−cf0となっており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
以下、前カム環53、後カム環53のそれぞれが、異なる長さの第1半径、同一の第2半径、同一の第1外径、かつ異なる長さの第2外径で形成され、第1外径の回転時の位相がそれぞれ同じになるように回転する場合のタイミングチャートを図27に示し、このタイミングチャートについて説明する。
時刻t1よりも前の時点では、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となっている。待機状態の前カム環53および後カム環53を表す側面図を図33に示す。前カム環53の状態を図33(A)に示しており、後カム環53の状態を図33(B)に示している。図33(A)に示した前カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度θおよび第1半径d−cf1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度αおよび第2半径d−cf0からなる。図33(B)に示した後カム環53の第1外径は、第1中心角としての角度θおよび第1半径d−cr1からなり、第2外径は、第2中心角としての角度βおよび第2半径d−cr0からなる。前カム環53および後カム環53は、第1外径の回転時の位相がそれぞれ同じに回転するように待機している。待機状態では、前カム環53のカム半径がd−cf0となっており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。
時刻t1の直前で、記録シートの先端が到達し、記録シートの厚みが所定閾値を超えたことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t1は、前カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1´は、後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t1から前カム環53の回転が進んだときの時刻t2は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t2では前カム環53のカム半径がd−cf1となっており、後カム環53のカム半径がd−cr1となっている。
時刻t2からカム環53の回転が進んだときの時刻tf1は、記録シートの先端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−pmaxになる。
時刻tf1からカム環53の回転が進んだときの時刻t3は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t3からカム環53の回転が進んだときの時刻t4は、前カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4では前カム環53のカム半径がd−cf0となっている。時刻t4´は、後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t4´ではニップ部の離隔が閉じており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
次に、時刻t5の直前で、記録シートの後端が到達したことが用紙レジストセンサ21にて検知されたことで、掛止爪部57が左右の回転止爪部52を同時に解放し、前カム環53および後カム環53が同時に回転し始める。
時刻t5は、前カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5´は、後カム環53のカム傾斜部前54aの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t5から前カム環53の回転が進んだときの時刻t6は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部前54aの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t6では前カム環53のカム半径がd−cf1となっており、後カム環53のカム半径がd−cr1となっている。
時刻t6からカム環53の回転が進んだときの時刻te1は、記録シートの後端がニップ部に到達した状態のときであり、2次転写ローラ軸15aの中心から対向ローラ9の表面までの距離がd−cf1になる。
時刻te1からカム環53の回転が進んだときの時刻t7は、前カム環53および後カム環53のカム傾斜部後54bの後端が軸間線分上にある時点である。時刻t7からカム環53の回転が進んだときの時刻t8は、前カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8では前カム環53のカム半径がd−cf0となっている。時刻t8´は、後カム環53のカム傾斜部後54bの先端が軸間線分上にある時点である。時刻t8´ではニップ部の離隔が閉じており、後カム環53のカム半径がd−cr0となっている。その後、掛止爪部57が回転止爪部52を掛止し、カム環53の回転が止まったまま待機状態となる。
以上、図2に示した実施例では、記録シートPへトナー画像を2次転写した後、搬送方向下流側の別の定着ローラ対14にて加熱定着していた。これに対して、以下に説明する図34、図35、図36、図37、および図38は、他の実施例を示すものであり、記録シートに、トナー画像を転写と同時に定着を行ういわゆる転写定着手段を用いた場合を説明する図である。ここで、転写定着手段は、像担持体の表面に形成された画像を記録シートに転写し、且つ定着するものであり、カム部材は、転写定着手段の回転軸と同軸上で回転し、その回転位置に応じてニップ部を離隔かつ接触させるものである。
図34は、図2に示した中間転写部の転写手段を転写定着手段に替えた場合の中間転写部の概略図である。
図34に示した中間転写部107は、ヒータ65と、その熱を記録シートPの転写面に接触させながら熱を伝播させる伝熱シート66とからなる加熱手段を具備している。加熱手段は、レジストローラ対12と対向ローラ9との中間に配備されている。ここでは、転写定着手段は、加熱手段と2次転写ローラ15とによって構成される。
加熱された状態の記録シートPが、対向ローラ9と2次転写ローラ15とのニップ位置にてトナー像を転写しつつ、同時に加熱手段で定着を行うようになっている。なお、ヒータ65の温度設定と発熱量は、過熱される記録シートPに、トナー画像が軟化し、且つ記録シートPへ定着できる様に設定される。
2次転写ローラ15の材質と物性は、転写と定着が同一のニップ位置で行えるにふさわしい材料を用いるため、図2で示した2次転写ローラ15の材質と異なってもかまわない。伝熱シート66の材質は、熱伝導率の高い金属が好ましく、銅、アルミニウムでもかまわないが、耐腐食性、耐摩耗性、などの観点からステンレスが特に好ましく、また記録シートに密着させるために柔軟性を確保するために板厚は0.2Mm程度のものが好ましい。
なお、図34に示した対向ローラ9および2次転写ローラ15は、対向ローラ9の両端にあって対向ローラ軸9aと同じ軸で回転摺動する対向ローラ側環9bと、対向ローラ側環9bに対向して2次転写ローラ軸15aと同じ軸で回転摺動するカム環53とを備えている。カム環53は、記録シートPが接触しない2次転写ローラ15の両端に設けられている。本発明のカム部材は、カム環53などからなり、2次転写ローラ15などによって構成される転写定着手段の回転と同じ軸でニップ部を離隔させるよう回転するものであればよい。また、図34には、記録シートPを排出する排紙ローラ対80を図示している。
図35は、図2に示した中間転写部の転写手段を転写定着手段に替えた場合の中間転写部の概略図である。図35は、対向ローラ9と、2次転写ローラ15に相当する転写定着加圧ローラ73との中間に3次転写定着ローラ70を介在させた場合の実施例を示すものである。
3次転写定着ローラ70は、図2で示したものと同様の対向ローラ9により張架された中間転写ベルト4表面に担持されたトナー画像を3次転写し、なおかつ内蔵する定着ヒータ71によりトナーを軟化させ、更に回転方向での下流側の位置に転写定着加圧ローラ73と接触し、レジストローラ対12にから搬送される記録シートPへはこのニップ位置にてトナー像を転写しつつ、同時に定着を行うようになっている。ここでは、転写定着手段は、定着ヒータ71と転写定着加圧ローラ73とによって構成される。
図36は、図35に示した対向ローラ、転写定着加圧ローラ、および3次転写ローラの周辺の斜視図である。
なお、3次転写定着ローラ70は、3次転写定着ローラ70の両端にあって3次転写定着ローラ軸70aと同じ軸で回転摺動する3次転写定着ローラ側環70bを備え、転写定着加圧ローラ73は、3次転写定着ローラ側環70bに対向して転写定着加圧ローラ軸73aと同じ軸で回転摺動するカム環53を備えている。
カム環53は、記録シートPが接触しない転写定着加圧ローラ73の両端に設けられている。本発明のカム部材は、カム環53などからなり、転写定着加圧ローラ73などによって構成される転写定着手段の回転と同じ軸でニップ部を離隔させるよう回転するものであればよい。
図37は、図2で示した対向ローラ9の代わりに、定着ヒータ76を内蔵する転写定着対向ローラ75を配置した図である。定着ヒータ76は、トナーを軟化させ、転写定着対向ローラ75と2次転写定着ローラ78とが接したニップ位置にて、転写定着対向ローラ75は、レジストローラ対12から搬送される記録シートPへこのトナー像を転写しつつ、同時に定着を行うようになっている。ここでは、転写定着手段は、定着ヒータ76と2次転写定着ローラ78とによって構成される。
図38は、図37の転写定着対向ローラ75および2次転写定着ローラ78の周辺の斜視図である。
なお、転写定着対向ローラ75は、転写定着対向ローラ75の両端にあって2次転写定着対向ローラ軸75aと同じ軸で回転摺動する転写定着対向ローラ側環75bを備え、2次転写定着ローラ78は、転写定着ローラ側環75bに対向して2次転写定着ローラ軸78aと同じ軸で回転摺動するカム環53とを備えている。カム環53は、記録シートPが接触しない2次転写定着ローラ78の両端に設けられている。本発明のカム部材は、カム環53などからなり、2次転写定着ローラ78などによって構成される転写定着手段の回転と同じ軸でニップ部を離隔させるよう回転するものであればよい。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る画像形成装置は、搬送される記録シートの厚みが所定閾値を超えた場合、回転止爪部52の運動抑制を解除することで、回転止爪部52およびカム環53が駆動し、カム環53がニップ部を離隔させるよう回転するため、ニップ部の離間を形成する構造が簡便でかつ安価になる。また、記録シートの先端が突入するときや記録シートの後端が通過するときに生じる衝撃を緩衝することができ、円滑に記録紙などの記録シートを搬送することができ、良好な画像を形成することができる。
また、本発明の実施の形態に係る画像形成装置は、カム環53がニップ部を離隔させる際に、その駆動源を中間転写ベルト4あるいは2次転写ローラ15からとっており、別途駆動源を設ける必要がない。駆動源からの伝達機構としてトルクリミッタ50を用いているので、駆動対象となるカム環53と一体化したトルクリミッタホルダ51を支持する回転止爪部52の運動を掛止爪部57などで抑制していても中間転写ベルト4と2次転写ローラ15の回転運動に影響を及ぼすことはない。