JP5509985B2 - 接合部の制振構造 - Google Patents

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Description

本発明は、相対変位可能な2つの部材の接合部の制振構造に関する。
相対変位可能な2つの部材としては、例えば建物の上下に位置し互いに相対移動する階層を有する建物が挙げられる。このような、建物の一部の階層には、揺れ等に対する補強部としてトラス構造部が設けられており、トラス構造部の、例えば下弦材の一部に摩擦力を発生させて建物の制振を行う摩擦ダンパーが設けられているものがある。摩擦ダンパーは、層間などにおいて、互いに相対移動する一方の部材に設けられた滑り材と、他方の部材に設けられた相手板とが、互いに所定の圧接力で圧接された状態で2つの部材が接合されており、2つの部材が相対移動して滑り材と相手板とが摺動する際に、建物の層間変位の振幅によらずほぼ一定の摩擦力を生じる。そして、この摩擦力を減衰力としてエネルギーを吸収して建物の揺れを低減する接合部の制振構造が知られている(特許文献1参照)。
特開2009−002118号公報
しかしながら、このような従来型の摩擦ダンパーには、次のような問題がある。
大地震時の最大層間変位時には、建物等の構造体自身が大きく変形していることから、建物には大きな内力が生じている。このような時に、更に大きな外力が変形方向と逆向きに付与されると、その分だけ、更に内力が拡大して構造体の破壊限界強度に至り易くなる。上記摩擦ダンパーの減衰力は、変形方向と逆向きの外力として作用し、また、層間変位の大きさによらず常にほぼ一定の減衰力を発生する。つまり、上述の摩擦ダンパーによれば、構造体は、最大層間変位時の厳しい内力下においても、大きな減衰力が加えられることになり、その場合、構造体の破壊限界強度の大きさによっては建物が破損してしまう虞があるという課題がある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、構造体が損傷することを回避することが可能な接合部の制振構造を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明の接合部の制振構造は、相対移動自在に重ねられた2つの部材と、前記2つの部材に圧接力を付勢する圧接力付勢部材と、を有し、前記2つの部材が振動により相対移動するときに発生する摩擦力により、前記振動のエネルギーが吸収され、初期状態から前記2つの部材が移動して当該2つの部材の相対移動量が所定の値を超えたときに前記圧接力が低下することを特徴とする接合部の制振構造である。
2つの部材が相対移動自在に接合された接合部を有する構造物が振動して、2つの部材の間で相対移動が生じると、2つの部材の間で生じた相対移動により摩擦力を発生させて振動のエネルギーを吸収するのが一般的な摩擦ダンパーである。この摩擦力は、圧接力付勢部材にて2つの部材が圧接される圧接力により発生する摩擦力の大きさが相違する。そして、大きな振動のエネルギーを吸収させる場合には、圧接力付勢部材による圧接力を大きくする。圧接力が大きい場合には、小さな振動では2つの部材の間で相対移動は生じ難い。
一方、2つの部材の間で相対移動が生じると、2つの部材が取り付けられている構造物の各部位には内力が生じる。このような内力は、2つの部材が接合されている部位にも作用しており、相対移動量が大きな場合ほど大きな内力が作用する。さらに、大きな振動のエネルギーを吸収すべく設けられた摩擦ダンパーの2つの部材が相対移動した際には、2つの部材が接合されている部位にも、変形方向と逆の方向に構造体を変形させる外力が作用する。このため、2つの部材が取り付けられている部位には、既に生じている内力に加えて外力も作用するため、より大きな力が作用する。すなわち、2つの部材が取り付けられている部位には、振動が大きいほど、また、圧接力が大きいほど大きな力が作用する。
上記接合部材の制振構造は、初期状態から前記2つの部材が移動して当該2つの部材の相対移動量が所定の値を超えたときに圧接力が低下するので、2つの部材の相対移動量が所定の値を超えて大きな内力が生じるときに圧接力が低下する。このため、2つの部材が取り付けられている部位に作用する力を低下させて、2つの部材が取り付けられている構造体が損傷を受けることを回避することが可能である。
かかる接合部の制振構造であって、前記2つの部材の一方は、互いの間隔を変更自在に隔てて対向する一対の第1板部材であり、前記2つの部材の他方は、前記一対の板部材間に介在された第2板部材であり、前記圧接力付勢部材は、前記2つの部材が重ねられた重なり方向に重ねられて設けられ、当該重なり方向に圧縮されて前記2つの部材に圧接力を付勢し、前記圧接力付勢部材が圧縮された状態にて、前記第2板部材が介在された前記一対の第1板部材と前記圧接力付勢部材との重なり高さを一定に規制する重なり高さ規制部材を有し、前記一対の第1板部材のうちの一方の第1板部材と前記第2板部材との間にて前記摩擦力が発生され、前記一対の第1板部材のうちの他方の第1板部材と前記一方の第1板部材との間隔が近づくことにより前記圧接力が低下することが望ましい。
このような接合部の制振構造によれば、第2板部材が介在された一対の第1板部材と、重なり方向に重ねられた圧接力付勢部材との重なり高さを一定に規制する重なり高さ規制部材を有しているので、一方の第1板部材と第2板部材との間に安定した圧接力を付勢することが可能である。このため、一方の第1板部材と第2板部材との間にて適切な摩擦力を発生させることが可能である。
また、重なり高さ規制部材により第2板部材が介在された一対の第1板部材と、重なり方向に重ねられた圧接力付勢部材との重なり高さが一定に規制された状態にて、他方の第1板部材と一方の第1板部材との間隔が近づくと、圧縮された状態の圧接力付勢部材の圧縮が緩和される。このため、他方の第1板部材と一方の第1板部材との間隔を近づけることにより、圧接力を確実に低下させることが可能である。そして、一対の第1板部材と第2板部材との相対移動量が所定の値を超えたときには、他方の第1板部材と一方の第1板部材との間隔を近づけて圧接力付勢部材の付勢力を低下させ、相対移動が大きいときに作用する外力を小さく抑えることが可能である。
かかる接合部の制振構造であって、前記他方の第1板部材は、前記第2板部材側に突出する第1突部を有し、前記第2板部材は、前記第1板部材側に突出する第2突部を有し、前記第1板部材と前記第2板部材との前記相対移動量が所定の値以下のときには、前記第1突部と前記第2突部とが対向しており、前記第1板部材と前記第2板部材との相対移動量が所定の値を超えたときに、前記第1突部は前記第2突部より前記重なり方向の厚みが薄い第2基板部と対向し、前記第2突部は前記第1突部より前記重なり方向の厚みが薄い第1基板部と対向することが望ましい。
このような接合部の制振構造によれば、第1板部材と第2板部材との相対移動量が所定の値以下のときには、第1突部と第2突部とが対向しているので、重なり高さ規制部材により規制されて、より圧縮された状態にて第1板部材と第2板部材とを大きな圧接力にて圧接することが可能である。すなわち、小さな振動のエネルギーにより相対移動することを抑えることが可能である。
また、第1板部材と第2板部材との相対移動量が所定の値を超えたときには、第1突部が第2突部より重なり方向の厚みが薄い第2基板部と対向し、第2突部が第1突部より重なり方向の厚みが薄い第1基板部と対向することにより、一方の第1板部材と他方の第1板部材との間隔が近づくので、圧接力付勢部材の圧縮が緩和されて圧接力が低下する。このため、第1板部材と第2板部材との圧接力を小さくして、大きな力が作用することを回避させることが可能である。すなわち、第1板部材と第2板部材とが相対移動するだけで、第1突部と第2突部とが対向している状態から第1突部と第2基板部とが対向し、第2突部と第1基板部とが対向する状態にすることが可能である。
かかる接合部の制振構造であって、前記他方の第1板部材は、前記一方の第1板部材に対し、相対移動方向の移動が規制されていることが望ましい。
このような接合部の制振構造によれば、他方の第1板部材は、一方の第1板部材に対し、相対移動方向の移動が規制されているので、第1板部材と第2板部材とが相対移動する際には、一方の第1板部材と他方の第1板部材とを、第2板部材に対して相対移動させることが可能である。このため、2つの部材の相対移動量が所定の値を超えたときには、確実に圧接力が低下させることが可能である。
かかる接合部の制振構造であって、前記他方の第1板部材は、前記第1基板部から前記第1突部の頂部に向かって順次前記重なり方向の厚みが厚くなる傾斜部を有しており、前記第2板部材は、前記第2基板部から前記第2突部の頂部に向かって順次前記重なり方向の厚みが厚くなる傾斜部を有していることが望ましい。
このような接合部の制振構造によれば、第1突部と第2突部とが対向している状態から、第1板部材と第2板部材とが所定量以上相対移動して、第1突部と第2基板部とが対向し、第2突部と第1基板部とが対向する際に、第1板部材と第2板部材との傾斜部同士が摺動しつつ第1突部と第2基板部とが、また、第2突部と第1基板部とが近接するので、圧接力が低下する際の衝撃を小さく抑えることが可能である。
かかる接合部の制振構造であって、前記第1板部材と前記第2板部材との前記相対移動量が所定の値を超えて、前記第1突部の前記頂部と対向する前記第2板部材の前記第2基板部は、前記第1突部における前記頂部の相対移動方向の幅以上の幅を有し、前記第1板部材と前記第2板部材との前記相対移動量が所定の値を超えて、前記第2突部の前記頂部と対向する前記第1板部材の前記第1基板部は、前記第2突部における前記頂部の相対移動方向の幅以上の幅を有することが望ましい。
このような接合部の制振構造によれば、第2基板部は、第1板部材と第2板部材との相対移動量が所定の値を超えて第2基板部と対向する第1突部の頂部の幅以上の幅を有している。このため、所定量以上相対移動した際に、第1突部の頂部と第2基板部とを確実に当接させることにより、一方の第1板部材と他方の第1板部材との間隔が近づき圧接力付勢部材の圧縮が緩和されるので、圧接力を確実に低下させることが可能である。
また、第1基板部は、第1板部材と前記第2板部材との相対移動量が所定の値を超えて第1基板部と対向する第2突部の頂部の幅以上の幅を有している。このため、所定量以上相対移動した際に、第2突部の頂部と第1基板部とを確実に当接させることにより、一方の第1板部材と他方の第1板部材との間隔が近づき圧接力付勢部材の圧縮が緩和されるので、圧接力を確実に低下させることが可能である。
かかる接合部の制振構造であって、前記一対の第1板部材のうちの他方の第1板部材と前記第2板部材とが対向する部位には、摩擦低減処理が施されていることが望ましい。
このような接合部の制振構造によれば、一対の第1板部材と第2板部材とが相対移動するときには、一方の第1板部材と第2板部材とが対向する部位とともに、他方の第1板部材と第2板部材とが対向する部位にも摩擦力が発生する。本接合部の制振構造は、他方の第1板部材と第2板部材とが対向する部位に摩擦低減処理が施されているので、他方の第1板部材と第2板部材とが対向する部位に発生する摩擦力を小さく抑えることが可能である。
かかる接合部の制振構造であって、前記他方の第1板部材と前記第2板部材との間に生じる摩擦力は、前記一方の第1板部材と前記第2板部材との間に生じる摩擦力および前記圧接力からなる前記相対移動方向の合力より小さいことが望ましい。
このような接合部の制振構造によれば、相対移動により発生する摩擦力により振動の減衰力に対する、他方の第1板部材と第2板部材との間に生じる摩擦力および前記圧接力からなる前記相対移動方向の合力の影響を小さく抑えることが可能である。このため、一方の第1板部材と第2板部材との間に適切な摩擦力を発生させることが可能である。
本発明によれば、構造体が損傷を受けることを回避することが可能な接合部の制振構造を提供することにある。
本発明に係る接合部の制振構造を建物の柱梁架構のブレースに組み込んだ状態を示す正面図である。 ブレースの分断端部に摩擦ダンパーが介装された接合部の制振構造の断面図である。 摩擦ダンパーに用いられる皿ばねの特性図である。 図4Aは、柱梁架構において従来の摩擦ダンパーにより減衰力Fが付与される力点部位の水平方向の変位と、力点部位に生じる内力との関係を示すグラフである。図4Bは、従来の摩擦ダンパーの振動エネルギー吸収履歴特性のグラフである。図4Cは、本実施形態の摩擦ダンパーの振動エネルギー吸収履歴特性のグラフである。図4Dは、本実施形態の摩擦ダンパーにより減衰力が付与される力点部位の水平方向の変位と、力点部位に生じる内力との関係を示すグラフである。
以下、本実施形態の接合部の制振構造の一例について図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る接合部の制振構造を建物の柱梁架構のブレースに組み込んだ状態を示す正面図である。図2は、ブレースの分断端部に摩擦ダンパーが介装された接合部の制振構造の断面図である。
本発明の接合部の制振構造は、鉄骨柱と鉄骨梁とを結合して、多層階ビルディング等に適用される鉄骨構造の柱梁架構3において鉄骨柱や鉄骨梁およびブレースなどの鉄骨部材同士の間をボルトで接合し、当該ボルト接合部を摩擦ダンパーとして機能させるものである。
本実施形態では、図1に示すように、摩擦ダンパー20をブレース10に組み込んだ形態を例に挙げて説明する。
ブレース10は、柱梁架構3の対角方向を架け渡し方向として配置されている。また、ブレース10は、その長手方向たる前記架け渡し方向の略中央の位置において分断されており、分断された端部(以下、分断端部という)10a、10b間の隙間Gに摩擦ダンパー20が介装されて接合されている。
具体的には、一方の分断端部10aには、対向する一対の第1板部材としての外板12、14がブレース10の架け渡し方向に突出されており、他方の分断端部10bには、一対の外板12、14に挟み込まれる第2板部材としての中板16がブレース10の架け渡し方向に突出されて設けられている。対をなす外板12、14のうちの一方の外板12は一方の分断端部10aに、また、中板16は他方の分断端部10bに、それぞれ一体に設けられている。ここで、対向する一対の外板12、14と中板16とが、相対移動自在に重ねられた2つの部材に相当する。
外板12、14及び中板16は互いに重なり合わされた状態で、各々に形成したボルト挿通孔12a、14a、16aにボルト18が貫通されている。貫通されたボルト18は、外板12、14より外側に突出され、外板14の外側に設けられ、皿ばねが積層された皿ばね積層体30も貫通し、皿ばね積層体30を圧縮するようにボルト18の先端がナット19にて締付けられている。ここで、中板16に設けられたボルト挿通孔16aは、一対の外板12との相対移動を許容するために架け渡し方向に沿って形成されたボルト挿通用の長孔である。
他方の外板14は、一方の外板12に対し、互いに対向して重ねられた重なり方向に近接又は離間可能に構成され、他方の外板14の分断端部10a側の端部が、一方の外板12に設けられた案内部12bに案内されている。具体的には、他方の外板14の分断端部10a側に一方の外板12側に突出させて設けられた突片14gが、架け渡し方向に間隔を隔てて一方の外板12に設けられ、外板14側に突出する2つの案内片12gの間に挿入されている。このため、突片14gが案内片12gに規制されて、外板14は、外板12に対し架け渡し方向への相対移動が規制され、突片14gが案内片12gの間で挿抜方向に移動することにより、外板14の外板12と重なり方向への相対移動が許容されるように構成されている。
長孔でなるボルト挿通孔16aを有する中板16と外板12との間には、ステンレス製の滑り板としての滑動板23と、複合摩擦材料からなる摩擦板22とが重ね合わされて配置されている。滑動板23と摩擦板22は、薄板状をなしている。
また、外板12、14、及び、滑動板23には、外板12、14と中板16とが接合された初期状態にて中板16及び摩擦板22のボルト挿通孔16a、22aの中央部に対応してボルト径に相応した円形のボルト挿通孔12a、14a、23aが形成されている。ここで、摩擦板22には、有機系摩擦材や無機系摩擦材を使用し得る。有機系摩擦材は、熱硬化型樹脂を結合材として、アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロン繊維,カーボンファイバー,アスベストなどの繊維材料と、カシューダスト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バリュームなどの充填剤とからなる複合摩擦材料で形成される。上記熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂,メラミン樹脂,フラン樹脂,ポリイミド樹脂,DFK樹脂,グアナミン樹脂,エポキシ樹脂,キシレン樹脂,シリコーン樹脂,ジアリルフタレーン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂などがある。一方、滑動板23は上述したステンレスやチタンなどの耐食性を有する材料によって形成される。
他方の外板14と中板16とが対向する部位には、架け渡し方向に互いに間隔を隔てて2つの突部14c、16cがそれぞれ設けられている。外板14と中板16とに設けられた突部14c、16cは、互いに対向する基板部14d、16dから突出されて設けられ、突部14c、16cの頂部14e、16eが基板部14d、16dと平行な平面をなしている。外板14の頂部14e及び中板16の頂部16eは、架け渡し方向の間隔がほぼ等しく形成されている。また、頂部14e、16eの架け渡し方向の幅、及び、頂部14e、16eの突出量もほぼ等しく形成されている。ここで、外板14に設けられた突部14cが第1突部に相当し、外板14の基板部14dが第1基板部に相当する。また、中板16に設けられた突部16cが第2突部に相当し、中板16の基板部16dが第2基板部に相当する。
外板14には、基板部14dから頂部14eに向かって順次重なり方向の厚みが厚くなる傾斜部14fが設けられており、中板16には、基板部16dから頂部16eに向かって順次重なり方向の厚みが厚くなる傾斜部16fが設けられている。そして、外板14の基板部14dの架け渡し方向の幅は、何れも中板16の頂部16eの架け渡し方向の幅より広く形成されており、中板16の基板部16dの架け渡し方向の幅は、何れも外板14の頂部14eの架け渡し方向の幅より広く形成されている。
外板14の、中板16側の面をなす、基板部14d、傾斜部14f、頂部14eと、中板16の、外板14側の面をなす、基板部16d、傾斜部16f、頂部16eとには、摩擦低減処理が施され、一対の外板12、14と中板16とが架け渡し方向に相対移動した際に、外板14と中板16との間にて発生する摩擦力および圧接力からなる相対移動方向の合力が、外板12と中板16との間に設けられた滑動板23と摩擦板22との間にて発生する摩擦力より小さくなるように構成されている。
そして、摩擦ダンパー20は、外板12と中板16との間に滑動板23及び摩擦板22を介在させるとともに、外板14の突部14cと中板16の突部16cとが対向するように重なり合わされた状態で、それぞれに形成したボルト挿通孔12a、14a、16aにボルト18が貫通されている。貫通したボルト18には、外板12の外側に円盤状の補助プレート29が介在されてナット19が螺合されている。また、ボルト18の、外板14の外側に皿ばね積層体30とワッシャ32とが介在されてナット19が螺合されている。このため、ブレース10の分断端部10bは、摩擦板22と滑動板23とを介して、一対の外板12、14に対し相対移動自在に取り付けられている。また、外板12、14と滑動板23とは同径のボルト挿通孔12a、14a、23aにボルト18が挿通されて、滑動板23、外板12、14及びボルト18の相対移動が拘束されて締結固定されている。すなわち、円形のボルト挿通孔12a、14a、23aが設けられた一対の外板12、14及び滑動板23と、長孔のボルト挿通孔16a、22aが設けられた中板16及び摩擦板22とにボルト18が貫通されてナット19が締め付けられた構成が、一対の第1板部材と第2板部材との相対移動をガイドするガイド機構に相当する。
摩擦ダンパー20には、ナット19の締付けによりボルトの軸力Nが発生し、この軸力Nが一対の外板12、14間に伝達されて、中板16の挟み込み力として作用することとなり、中板16と一対の外板12、14とは、当該挟み込み力の作用の下、両者の相対移動が許容される。ここで、補助プレート29は、皿ばね積層体30の直径とほぼ同じ直径を有しており、ボルトの軸力Nを外板12側のより広い領域に作用させている。また、ボルトの軸力Nは、摩擦板22と滑動板23とを圧接する圧接力であり、皿ばね積層体30は当該圧接力を付勢する圧接力付勢部材に相当し、ボルト18とナット19とが、皿ばね積層体30が圧縮された状態にて中板16が介在された外板12、14と皿ばね積層体30との重なり高さを一定に規制する重なり高さ規制部材に相当する。ここで、重なり高さには、ボルト18及びナット19により圧縮された皿ばね積層体30の高さと、中板16が介在された外板12、14が皿ばね積層体30により締め付けられている締め付け高さとが含まれる。そして、重なり高さが一定に規制された状態では、締め付け高さが低くなると皿ばね積層体30の圧縮が緩和されボルトの軸力Nが低下する。
図3は、摩擦ダンパーに用いられる皿ばねの特性図である。本摩擦ダンパー20においては、ボルト18の軸力Nを一対の外板12、14間に付勢する経路に皿ばね積層体30が介装されており、一対の外板12、14のボルト18の軸方向への変位に対して弾発力がほぼ一定に変動するような線形ばね特性を発揮するように設定されている。皿ばね積層体30のばね特性は、図3に示すようにボルト18の中心軸方向の変形量(見込み変化量)σに対して、荷重(弾発力)wの変動がほぼ一定となる非線形ばね領域Sを備えているが、本摩擦ダンパー20においては、皿ばね積層体30はボルト18に所定の軸力Nを付加した状態で当該非線形ばね領域Sにて使用せずに、荷重に対する皿ばね変形量が比較的リニアに変化するほぼ線形のばね領域R内に設定されている。本実施形態では皿ばね積層体30は、複数枚の皿ばね単体を同一方向に積層して構成したものを用いている。
本接合部の制振構造をなす摩擦ダンパー20は、柱梁架構に振動入力が無い状態では一対の外板12、14と中板16とが、大きな静摩擦力をもって固定状態が維持されている。このとき、外板14の突部14cと中板16の突部16cとが対向するように設定されてブレース10に介装されている。このとき、外板14の突部14cと中板16の突部16cとが突き合わされているので、外板12と外板14との重なり方向の厚みが厚い状態、すなわち締め付け高さが高い状態にてボルト18及びナット19により規制されている。このため、ボルト18及びナット19により規制された重なり高さにおける皿ばね積層体30が占める割合が小さく設定されて、皿ばね積層体30はより圧縮された状態が維持されている。
そして、振動入力によりこの固定状態から小さな動摩擦力を伴う相対移動状態に移行する際に大きな反発力が発生する。このとき、皿ばね積層体30を設けたことにより、皿ばね積層体30によるボルト18の軸力Nにより摩擦板22と滑動板23との間にて摩擦力が発生し、摩擦力による振動減衰機能が発揮される。また、このとき柱梁架構の各部位には変形による内力が生じる。このような内力は、一対の外板12、14及び中板16が取り付けられている部位にも作用しており、相対移動量が大きな場合ほど大きな内力が作用する。
そして、柱梁架構に入力された振動が更に大きく、外板12、14と中板16との相対移動量が所定の値を超えたとき、すなわち、対向していた外板14の突部14cと中板16の突部16cとが対向する範囲を超えて相対移動したとき、まず外板14の傾斜部14fと中板16の傾斜部16fとが当接し始め、最終的に外板14の突部14cが中板16の基板部16dと対向し、中板16の突部16cと外板14の基板部14dとが対向する。このとき、中板16、摩擦板22、滑動板23が介在された対をなす外板12、14の締め付け高さが低くなるので、ボルト18及びナット19により規制された重なり高さにおける皿ばね積層体30が占める割合が大きくなる。これにより、ボルトの軸力Nが低下することにより、摩擦板22と滑動板23とを圧接する圧接力が低下する。このため、振動による移動方向が反転した際に、柱梁架構の各部位、例えば、一対の外板12、14及び中板16が取り付けられている部位に作用する外力が小さくなる。すなわち、大きな相対変位により柱梁架構の各部位に生じた内力と、振動による相対移動方向の反転により作用する外力との合力が低下される。
詳しくは、次の通りである。
図4Aは、柱梁架構において従来の摩擦ダンパーにより減衰力Fが付与される力点部位の水平方向の変位と、力点部位に生じる内力との関係を示すグラフである。図4Bは、従来の摩擦ダンパーの振動エネルギー吸収履歴特性のグラフである。図4Cは、本実施形態の摩擦ダンパーの振動エネルギー吸収履歴特性のグラフである。図4Dは、本実施形態の摩擦ダンパーにより減衰力が付与される力点部位の水平方向の変位と、力点部位に生じる内力との関係を示すグラフである。
図4A中、一点鎖線で示すように、振動の最大変位時には、建物自身が大きく変形していることから、建物の各部位には大きな内力が生じている。このような状態にて、更に外力を変形方向と逆の方向に付与すると、外力が付与される部位(以下、力点部位という)では、その内力が、付与された外力の分だけ更に拡大する。すなわち、前記力点部位の内力は、図4A中一点鎖線で示す力点部位自身の変形による内力に、外力により生じる内力を足し合わせたものとなる。
ここで、摩擦ダンパー20の減衰力Fも、変形方向と逆向きの外力として作用する。また、従来の摩擦ダンパーの場合には、図4Bに示すように、その摩擦力たる減衰力Fの大きさは、振動に係る変位量によらず略一定である。よって、従来の摩擦ダンパーでは、図4A一点鎖線で示す内力に対して図4Bの減衰力Fにより生じる内力を加算してなる前記力点部位の実際の内力は、図4Aの実線のようになる。つまり、従来の摩擦ダンパー場合には、柱梁架構の前記力点部位に、振動の最大変位時の厳しい内力下においても、大きな減衰力Fによる大きな内力が更に追加で生じることになり、この場合には、内力が拡大して当該力点部位の破壊限界強度Xに至り易くなる。
これに対して、上記実施形態の摩擦ダンパー20によれば、図4Cに示すように、相対移動により変位量が所定量を超えると、ボルトの軸力Nが低下することにより、摩擦板22と滑動板23との圧接力が低下して減衰力Fが低下する。すなわち、減衰力Fは外板12、14と中板16との相対変位量が所定の値を超えると低下する。このとき、外板12、14と中板16との相対変位量が所定の値以下の場合には、外板14の突部14cと中板16の突部16cとが対向しているが、相対変位量が所定の値を超えると外板14の傾斜部14fと中板16の傾斜部16fとが対向し、相対移動量が大きくなるに従って傾斜部14f、16fの対向する量が大きくなり、ボルト18及びナット19により規制された重なり高さにおける皿ばね積層体30が占める割合が大きくなる。このため、振動の最大変位に向かうに従って減衰力Fは小さくなる。すなわち、ボルトの軸力Nが低下した分だけ、力点部位に実際に付与される減衰力Fは小さくなる。
よって、図4Dに一点鎖線で示す内力に対して図4Cの減衰力Fにより生じる内力を加算してなる実際の内力は、図4Dの実線のようになる。つまり、上記実施形態の摩擦ダンパー20によれば、外板12、14と中板16との相対変位量が所定の値を超えた場合には、振動の最大変位に近づくに従って減衰力Fが小さくなるので、外板12、14と中板16との相対変位量が所定の値以下の場合には、減衰力Fを有効に発生させ、外板12、14と中板16との相対変位量が所定の値を超えると、減衰力Fの入力に伴う前記力点部位の内力の拡大を、特に厳しい内力状態の最大変位時において有効に抑制できる。すなわち、振動により外板12、14と中板16とが大きく相対変位しても、力点部位の破壊限界強度Xに至ることを回避することが可能である。
ここで、本実施形態において外板12、14と中板16との圧接力が低下される、外板12、14と中板16との相対移動量は、外板14の頂部14eと中板16の頂部16eとが対向しない位置まで移動する移動量である。具体的には、摩擦ダンパー20の設置時に外板14の頂部14eにおける相対移動方向の中央と中板16の頂部16eにおける相対移動方向の中央とを対向させているので、外板12、14と中板16との相対移動量の所定の値とは、頂部14e、16eの相対移動方向、すなわち架け渡し方向における幅の半分の距離である。
本実施形態の接合部の制振構造をなす摩擦ダンパー20によれば、外板12、14と中板16とが相対移動し、その相対移動量が、外板14の頂部14eと中板16の頂部16eとが対向しない位置まで移動する移動量以上のときに圧接力が低下する。すなわち、外板12、14と中板16とが相対移動し、外板14の頂部14eと中板16の頂部16eとが対向しない位置以上に大きく相対移動して柱梁架構3に大きな内力が生じる場合には、圧接力が低下する。このため、外板12、14及び中板16が取り付けられている部位に作用する力が低下して、外板12、14及び中板16が取り付けられている柱梁架構3が損傷を受けることを回避することが可能である。
また、中板16が介在された外板12、14と、重なり方向に重ねられた皿ばね積層体30との重なり高さは、ボルト18及びナット19により一定の高さに規制されているので、摩擦板22と滑動板23との間に安定した圧接力を付勢することが可能である。このため、摩擦板22と滑動板23との間にて安定した摩擦力を発生させることが可能である。また、重なり高さ規制部材としてのボルト18及びナット19により一定の高さに規制されることにより、中板16が介在された外板12、14の締め付け高さが変化することにより皿ばね積層体30による摩擦板22と滑動板23との圧接力を変化させることが可能である。
そして、一対の外板12、14と中板16との相対移動量が所定の値以下のときには、外板14の頂部14eと中板16の頂部16eとが対向しているので、ボルト18及びナット19により規制された、中板16等が介在された一対の外板12、14と皿ばね積層体30とが重ねられた重なり方向の重なり高さにおける皿ばね積層体30が占める割合が小さく、摩擦板22と滑動板23とを大きな圧接力にて圧接することが可能である。このため、小さな振動エネルギーにより相対移動することを抑えることが可能である。
また、ボルト18及びナット19により中板16が介在された一対の外板12、14と、重なり方向に重ねられた皿ばね積層体30との重なり高さが一定に規制された状態にて、一方の外板12と他方の外板14との間隔が近づくと、圧縮された状態の皿ばね積層体30の圧縮が緩和される。このため、一方の外板12と他方の外板14との間隔を近づけることにより、圧接力を確実に低下させることが可能である。そして、一対の外板12、14と中板16とが外板14の頂部14eと中板16の頂部16eとが対向しない位置まで移動したときには、外板12と外板14との間隔を近づくので、皿ばね積層体30の付勢力を低下させて、相対移動が大きいときに作用する外力を小さく抑えることが可能である。
すなわち、一対の外板12、14と中板16との相対移動量が所定の値を超え、外板14の頂部14eと中板16の頂部16eとが対向していた状態から、外板14の頂部14eと中板16の頂部16eとが対向しなくなる位置まで移動すると、ボルト18及びナット19により規制されていた重なり高さにおける皿ばね積層体30が占める割合が大きくなり始める。このとき、皿ばね積層体30により付勢される圧接力が低下し始める。このため、一対の外板12、14と中板16とが、外板14の頂部14eと中板16の頂部16eとが対向しなくなる位置まで移動した際には、摩擦ダンパー20の減衰力F、すなわち、相対移動が大きいときに作用する外力を小さく抑えることが可能である。
このとき、外板14は、基板部14dから突部14cが有する頂部14eに向かって順次重なり方向の厚みが厚くなる傾斜部14fを有しており、中板16は、基板部16dから突部16cが有する頂部16eに向かって順次重なり方向の厚みが厚くなる傾斜部16fを有している。このため、一対の外板12、14と中板16とが所定量以上相対移動して、突部14cと基板部16dとが対向し、突部16cと基板部14dとが対向する際に、外板14と中板16とが互いに傾斜部14f、16fを摺動しつつ近接していくので衝撃を小さく抑えることが可能である。
そして、外板14の頂部14eと中板16の基板部16dとが対向し、外板14の基板部14dと中板16の頂部16eとが対向すると、ボルト18及びナット19により規制された、中板16等が介在された一対の外板12、14と皿ばね積層体30とが重ねられた重なり方向の重なり高さにおける皿ばね積層体30が占める割合が大きくなり皿ばね積層体30の圧縮が緩和される。このため、摩擦板22と滑動板23との圧接力が低下して、柱梁架構3に大きな力が作用することを回避させることが可能である。
このとき、他方の外板14は、当該外板14に設けられた突片14gが、一方の外板12に設けられた2つの案内片12gの間に挿入されて、外板12に対する相対移動方向の移動が規制されているので、一対の外板12、14と中板16とが相対移動する際には、一方の外板12と他方の外板14とを一体として、中板16に対して相対移動させることが可能である。このため、一対の外板12、14と中板16とが、外板14の頂部14eと中板16の頂部16eとが対向しない位置まで移動したときには、外板12と外板14との間隔を確実に近づけることが可能であり、圧接力を確実に低下させることが可能である。
また、摩擦ダンパー20は、摩擦板22と滑動板23とが設けられている、外板12と中板16とが対向する部位とともに、外板14と中板16とが対向する部位にも摩擦力が発生する。本実施形態の摩擦ダンパー20は、外板14と中板16とが対向する部位に摩擦低減処理が施されているので、外板14と中板16とが対向する部位に発生する摩擦力が抑えられて、摩擦板22と滑動板23とによる摩擦力にて振動を減衰させることが可能である。すなわち、外板14と中板16との間に生じる摩擦力が、外板12と中板16との間に介在された摩擦板22と滑動板23との間にて生じ、振動を減衰させる摩擦力に及ぼす影響が小さくなるので、外板12と中板16との間に適切な摩擦力を作用させることが可能である。
また、外板14に2つ設けられた突部14cは相対移動方向に間隔を隔てて設けられており、中板16に2つ設けられた突部16cは相対移動方向に間隔を隔てて設けられている。このため、外板14と中板16とが相対移動するだけで、外板14の突部14cと中板16の突部16cとが対向している状態から突部14cと基板部16dとが対向し、突部16cと基板部14dとが対向する状態にさせることが可能である。
さらに、中板16の基板部16dの相対移動方向の幅は、外板14と中板16とが相対移動して基板部16dと対向する外板14の突部14cが有する頂部14eの幅より広く形成されている。このため、外板14と中板16とが所定量以上相対移動した際に、突部14cと基板部16dとを確実に当接させて、皿ばね積層体30による圧接力を低下させることが可能である。また、外板14の基板部14dの相対移動方向の幅は、外板14と中板16とが相対移動して基板部14dと対向する中板16の突部16cが有する頂部16eの幅より広く形成されている。このため、外板14と中板16とが所定量以上相対移動した際に、突部16cと基板部14dとを確実に当接させて、皿ばね積層体30による圧接力を低下させることが可能である。このため、外板14と中板16との相対移動量が所定の値を超えたときに、摩擦板22と滑動板23との圧接力を確実に低下させることが可能である。ここで、中板16の基板部16dの相対移動方向の幅は、頂部14eの幅より広くなくとも、同じ幅であっても構わない。また、他方の外板14の基板部14dの相対移動方向の幅は、頂部16eの幅より広くなくとも、同じ幅であっても構わない。
上記実施形態においては、他方の外板14及び中板16にそれぞれ2つの突部14c、16cが設けられている例について説明したが、他方の外板14及び中板16に設けられる突部14c、16cの数は、それぞれ1つであっても、また、3つ以上であっても構わない。
上記実施形態においては、外板14と中板16とが対向する面に摩擦低減処理を施して摺動させる例について説明したが、例えば、フラットローラー、鋼球、等を介在させて外板14と中板16とを転がり接触させても良く、グリース等を塗布しても良い。
また、上記実施形態においては、外板14及び中板16に設けた突部14c、16cを、基板部14d、16dと頂部14e、16eとをテーパー状に平面にて繋いで形成した例について説明したが、突部は基板部14d及び基板部16dから曲面にて突出させて形成しても良い。また、突部14c、16cは3つ以上備えていても構わない。
また、上記実施形態においては、圧接力付勢部材として皿ばね積層体30を用いた例について説明したが、これに限るものではなく、例えばコイルバネや板バネ等、圧縮されて圧接力を付勢可能な部材であれば構わない。
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
3 柱梁架構、10 ブレース、10a 分断端部、10b 分断端部、
12 外板、12a 挿通孔、12b 案内部、12g 案内片、
14 外板、14a ボルト挿通孔、14c 突部、14d 基板部、
14e 頂部、14f 傾斜部、14g 突片、16 中板、
16a ボルト挿通孔、16c 突部、16d 基板部、
16e 頂部、16f 傾斜部、18 ボルト、19 ナット、
20 摩擦ダンパー、22 摩擦板、22a ボルト挿通孔、
23 滑動板、23a ボルト挿通孔、29 補助プレート、
30 皿ばね積層体、32 ワッシャ、
F 減衰力、G 隙間、R ほぼ線形のばね領域、
S 非線形ばね領域、X 破壊限界強度

Claims (8)

  1. 相対移動自在に重ねられた2つの部材と、
    前記2つの部材に圧接力を付勢する圧接力付勢部材と、
    を有し、
    前記2つの部材が振動により相対移動するときに発生する摩擦力により、前記振動のエネルギーが吸収され、
    初期状態から前記2つの部材が移動して当該2つの部材の相対移動量が所定の値を超えたときに前記圧接力が低下することを特徴とする接合部の制振構造。
  2. 請求項1に記載の接合部の制振構造であって、
    前記2つの部材の一方は、互いの間隔を変更自在に隔てて対向する一対の第1板部材であり、
    前記2つの部材の他方は、前記一対の板部材間に介在された第2板部材であり、
    前記圧接力付勢部材は、前記2つの部材が重ねられた重なり方向に重ねられて設けられ、当該重なり方向に圧縮されて前記2つの部材に圧接力を付勢し、
    前記圧接力付勢部材が圧縮された状態にて、前記第2板部材が介在された前記一対の第1板部材と前記圧接力付勢部材との重なり高さを一定に規制する重なり高さ規制部材を有し、
    前記一対の第1板部材のうちの一方の第1板部材と前記第2板部材との間にて前記摩擦力が発生され、
    前記一対の第1板部材のうちの他方の第1板部材と前記一方の第1板部材との間隔が近づくことにより前記圧接力が低下することを特徴とする接合部の制振構造。
  3. 請求項2に記載の接合部の制振構造であって、
    前記他方の第1板部材は、前記第2板部材側に突出する第1突部を有し、
    前記第2板部材は、前記第1板部材側に突出する第2突部を有し、
    前記第1板部材と前記第2板部材との前記相対移動量が所定の値以下のときには、前記第1突部と前記第2突部とが対向しており、
    前記第1板部材と前記第2板部材との相対移動量が所定の値を超えたときに、前記第1突部は前記第2突部より前記重なり方向の厚みが薄い第2基板部と対向し、前記第2突部は前記第1突部より前記重なり方向の厚みが薄い第1基板部と対向することを特徴とする接合部の制振構造。
  4. 請求項2または請求項3に記載の接合部の制振構造であって、
    前記他方の第1板部材は、前記一方の第1板部材に対し、相対移動方向の移動が規制されていることを特徴とする接合部の制振構造。
  5. 請求項3または請求項4に記載の接合部の制振構造であって、
    前記他方の第1板部材は、前記第1基板部から前記第1突部の頂部に向かって順次前記重なり方向の厚みが厚くなる傾斜部を有しており、
    前記第2板部材は、前記第2基板部から前記第2突部の頂部に向かって順次前記重なり方向の厚みが厚くなる傾斜部を有していることを特徴とする接合部の制振構造。
  6. 請求項5に記載の接合部の制振構造であって、
    前記第1板部材と前記第2板部材との前記相対移動量が所定の値を超えて、前記第1突部の前記頂部と対向する前記第2板部材の前記第2基板部は、前記第1突部における前記頂部の相対移動方向の幅以上の幅を有し、
    前記第1板部材と前記第2板部材との前記相対移動量が所定の値を超えて、前記第2突部の前記頂部と対向する前記第1板部材の前記第1基板部は、前記第2突部における前記頂部の相対移動方向の幅以上の幅を有することを特徴とする接合部の制振構造。
  7. 請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の接合部の制振構造であって、
    前記一対の第1板部材のうちの他方の第1板部材と前記第2板部材とが対向する部位には、摩擦低減処理が施されていることを特徴とする接合部の制振構造。
  8. 請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の接合部の制振構造であって、
    前記他方の第1板部材と前記第2板部材との間に生じる摩擦力および前記圧接力からなる前記相対移動方向の合力は、前記一方の第1板部材と前記第2板部材との間に生じる摩擦力より小さいことを特徴とする接合部の制振構造。
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