JP5521720B2 - 接合部の制振構造 - Google Patents

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Description

本発明は、相対変位可能な2つの部材の接合部の制振構造に関する。
相対変位可能な2つの部材としては、例えば建物の上下に位置し互いに相対移動する階層が挙げられる。このような、建物の一部の階層には、揺れ等に対する補強部としてトラス構造部が設けられており、トラス構造部の、例えば下弦材の一部に摩擦力を発生させて建物の制振を行う摩擦ダンパーが設けられているものがある。摩擦ダンパーは、層間などにおいて、互いに相対移動する一方の部材に設けられた滑り材と、他方の部材に設けられた相手板とが、互いに所定の圧接力で圧接された状態で2つの部材が接合されており、2つの部材が相対移動して滑り材と相手板とが摺動する際に、建物の層間変位の振幅によらずほぼ一定の摩擦力を生じる。そして、この摩擦力を減衰力としてエネルギーを吸収して建物の揺れを低減する接合部の制振構造が知られている(特許文献1参照)。
特開2009−002118号公報
しかしながら、このような従来型の摩擦ダンパーには、次のような問題がある。
大地震時の最大層間変位時には、建物等の構造体自身が大きく変形していることから、建物には大きな内力が生じている。このような時に、更に大きな外力が変形方向と逆向きに付与されると、その分だけ、更に内力が拡大して構造体の破壊限界強度に至り易くなる。上記摩擦ダンパーの減衰力は、変形方向と逆向きの外力として作用し、また、層間変位の大きさによらず常にほぼ一定の減衰力を発生する。つまり、上述の摩擦ダンパーを備えた構造体は、最大層間変位時の厳しい内力下においても、大きな減衰力が加えられることになり、その場合、構造体の破壊限界強度の大きさによっては建物が破損してしまう虞があるという課題がある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、構造体が損傷することを回避することが可能な接合部の制振構造を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明の接合部の制振構造は、柱梁架構の対角方向を架け渡し方向として配置され、互いに間隔を隔てて分断れたブレースと、
分断された端部に設けられた第1端部ブロック及び第2端部ブロックと、
前記第1端部ブロックから、前記掛け渡し方向に沿って前記第2端部ブロック側に突出させて設けられた第1突出板部材、前記第2端部ブロックから、前記掛け渡し方向に沿って前記第1端部ブロック側に突出させて設けられた第2突出板部材、及び、前記第1突出板部材と前記第2突出板部材とが重ね合わせられた部位を圧接する圧接力を付勢する圧接力付勢部材を有し、前記第1突出板部材と前記第2突出板部材が相対移動するときに発生する第1の減衰力により前記相対移動を抑制する相対移動抑制機構と、
前記相対移動に係る直線移動動作を、回転動作に変換して前記第1の減衰力を打ち消す方向に力を付与する運動変換機構と、を有し、
前記運動変換機構は、前記相対移動抑制機構と並列に設けられており、
前記運動変換機構は、
前記第1端部ブロックの、前記第2端部ブロックと対向する平面の中央部から、前記第2端部ブロックに向かって突出して設けられたねじシャフトと、
前記第2端部ブロックの、前記第1端部ブロックと対向する平面の中央部から、前記第1端部ブロックに向かって突出して設けられた慣性体支持部と、
前記慣性体支持部に支持され、前記ねじシャフトと螺合され、前記相対移動に伴って前記ねじシャフトのねじ溝に沿って回動し、当該ねじシャフトの軸方向に移動するボールねじナットと、
前記ボールねじナットと一体に設けられた慣性質量体と、
を有し、
前記相対移動抑制機構は、前記第1端部ブロック及び第2端部ブロックが相対移動する相対移動方向と交差する方向において、前記運動変換機構を挟んで両側に設けられていることを特徴とする接合部の制振構造である。
このような接合部の制振構造によれば、2つの部材の間で相対移動が生じると、2つの部材が取り付けられている構造物の各部位には内力が生じる。このような内力は、2つの部材が取り付けられている部位にも作用しており、相対移動量が大きな場合ほど大きな内力が作用する。また、2つの部材が相対移動するときに発生する減衰力(上記では第1減衰力)により、相対移動を抑制する相対移動抑制機構が設けられていると、2つの部材の間で相対移動し、減衰力が生じると、2つの部材が取り付けられている部位には、減衰力が外力として作用する。特に、大きな振動のエネルギーを吸収すべく相対移動抑制機構が設定されている場合には、より大きな外力が作用する。上記接合部の制振構造は、相対移動抑制機構とともに減衰力を打ち消す方向に力を付与する運動変換機構が設けられているので、2つの部材が相対移動したときに相対移動による減衰力を打ち消す方向に力が付与されるので、相対移動抑制機構による減衰力の発生を抑えることが可能である。このため、相対移動量が大きいときには、相対移動により内力が生じている、2つの部材が取り付けられている部位に作用する外力を小さく抑えることにより、2つの部材が取り付けられている構造体が損傷を受けることを回避することが可能である。
かかる接合部の制振構造であって、前記第1の減衰力は、前記2つの部材の前記相対移動にて発生する摩擦力であることが望ましい。
このような接合部の制振構造によれば、2つの部材の相対移動にて発生する摩擦力により相対移動を抑制させ、振動を減衰させることが可能である。また、減衰力が摩擦力による場合には相対移動量に拘わらずほぼ一定に減衰力が発生するので、相対変位量が大きく、より大きな外力が作用するときに、運動変換機構の慣性力にて第1の減衰力を打ち消す方向に力を付与させることにより、更に効果的に構造体が損傷を受けることを回避することが可能である。
かかる接合部の制振構造であって、前記慣性質量体の外周面に圧接する摺接部材を有し、前記慣性質量体の回転により第2の減衰力が発生し、前記摺接部材をガイドするガイド部材が、前記第1突出板部材に設けられていることが望ましい。

本発明によれば、構造体が損傷を受けることを回避することが可能な接合部の制振構造を提供することにある。
本発明に係る接合部の制振構造を建物の柱梁架構のブレースに組み込んだ状態を示す正面図である。 ブレースの分断端部間の接合部における制振構造を示す縦断面図である。 図3Aは、柱梁架構において従来の摩擦ダンパーにより減衰力Fが付与される力点部位の水平方向の変位と、力点部位に生じる内力の関係を示すグラフである。図3Bは、従来の摩擦ダンパーの振動エネルギー吸収履歴特性のグラフである。図3Cは、相対移動により減衰力が付与される力点部位の水平方向の変位と、運動変換機構により力点部位に作用する付勢力の関係を示すグラフである。図3Dは、本実施形態の摩擦ダンパー機構により減衰力Fが付与される力点部位の水平方向の変位と、力点部位に生じる内力、摩擦ダンパーによる減衰力F、及び、運動変換機構による付勢力との合力の関係を示すグラフである。 本発明に係る接合部の制振構造の変形例を説明するための縦断面図である。 本発明に係る接合部の制振構造の変形例の作用を説明するための図である。
以下、本実施形態の接合部の制振構造の一例について図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る接合部の制振構造を建物の柱梁架構のブレースに組み込んだ状態を示す正面図である。図2は、ブレースの分断端部に介装された摩擦ダンパーの正面図である。
本発明の接合部の制振構造は、柱梁架構3において柱や梁およびブレース10などの部材同士をボルトで接合し、接合された端部同士の相対移動を抑制する相対移動抑制機構としての摩擦ダンパー機構20と、前記相対移動に係る直線動作を回転動作に変換する運動変換機構21と、を有している。
本実施形態では、図1に示すように、摩擦ダンパー機構20及び運動変換機構21をブレース10に組み込んだ形態を例に挙げて説明する。
ブレース10は、柱梁架構3の対角方向を架け渡し方向として配置された板状の部材にて構成されている。また、ブレース10は、その長手方向たる架け渡し方向の略中央の位置において互いに間隔を隔てて分断されており、分断された端部(以下、分断端部という)12、14には、端部ブロック12a、14aが設けられている。端部ブロック12a、14aは、ほぼ正方形状をなす平面12d、14dが、間隔を隔てて対向するように、上側のブレース部分と下側のブレース部分とに、それぞれ一体に設けられている。以下の説明においては、上側の端部ブロック12aを含むブレースの上側の分断端部を上分断端部12とし、下側の端部ブロック14aを含むブレースの下側の分断端部を下分断端部14として説明する。
図2に示すように、上分断端部12側の端部ブロック12aには、正方形状をなす平面12dの2対の対辺のうちの一方の対辺をなす部位から掛け渡し方向に沿って下分断端部14側に突出させて突出板部材12bがそれぞれ設けられている。突出板部材12bは、下分断端部14側が2枚の板部12cに分かれており、互いに間隔を隔てて対面させて設けられている。
下分断端部14の下側の端部ブロック14aには、正方形状をなす対向面の2対の対辺のうちの一方の対辺をなす部位から掛け渡し方向に沿って上分断端部12側に突出させて1枚の板部材14bがそれぞれ設けられている。板部材14bには、架け渡し方向に沿って、長孔でなるボルト挿通孔14cが形成されている。
板部材14bは、突出板部材12bの2枚の板部12c間に挿入されている。すなわち、上分断端部12と下分断端部14との間では2カ所にて、上側の突出板部材12bが有する2枚の板部12cが下側の板部材14bを挟む状態で重ね合わされている。突出板部材12bの2枚の板部12cには、2枚の板部12cと下側の板部材14bとが重ね合わされた状態にて、下側の板部材14bに設けられたボルト挿通孔14cと重なる位置にボルト径に相応した円形のボルト挿通孔12eが設けられている。
上分断端部12と下分断端部14との間の2カ所にて、重ね合わせられた下分断端部14の板部材14bと、上分断端部12の2枚の板部12cとに設けられたボルト挿通孔12e、14cには、ボルト18が貫通されている。貫通されたボルト18は、貫通して突出した一方の部位にて圧接力付勢部材としての皿ばね積層体30が貫通され、ワッシャを介してナット19が螺合されており、突出した他方の部位にはワッシャを介してナット19が螺合されている。そして、ナット19を締め込むことにより皿ばね積層体30が圧縮されて、下分断端部14の板部材14bと、上分断端部12の2枚の板部12cとに圧接力が付勢されている。
このため、分断されたブレース10の接合部は、柱梁架構3に振動が入力されて上分断端部12と下分断端部14とに架け渡し方向の相対移動が生じると、下分断端部14の板部材14bと、上分断端部12の2枚の板部12cとの間にて生じる摩擦力にて相対移動が抑制される摩擦ダンパー機構20をなしている。
本実施形態においては、上分断端部12の2枚の板部12cと下分断端部14の板部材14bとを圧接する圧接力を付勢する圧接力付勢部材として皿ばね積層体30を用いており、圧縮された状態で非線形ばね領域にて使用されるように設定されている。
運動変換機構21は、上分断端部12の端部ブロック12aの、下側の端部ブロック14aと対向する平面12dの中央から下側の端部ブロック14a側に向かって突出されているねじシャフト22と、下分断端部14の端部ブロック14aの、上側の端部ブロック12aと対向する平面14dの中央から上側端部ブロック12a側に向かって突出されている慣性体支持部24とを有している。
慣性体支持部24は、下側の端部ブロック14aの中央から上側端部ブロック12a側に向かって突出された筒状体25と、筒状体25の先端に外輪が固定されたベアリング26と、ベアリング26の内輪に固定されねじシャフト22にボール状の転動体(不図示)を介して螺合されたボールねじナット27と、ボールねじナット27の外周に固定された環状の慣性質量体28と、を有している。すなわち、慣性体支持部24は、ボールねじナット27と一体に形成された慣性質量体28が、ベアリング26を介して下分断端部14に設けられた筒状体25に回動自在に取り付けられている。そして、下分断端部14側に設けられたボールねじナット27は、上分断端部12側に設けられたねじシャフト22に螺合されて架け渡し方向、すなわち、上分断端部12と下分断端部14との相対移動方向に回転しつつ移動可能に構成されている。このため、上分断端部12と下分断端部14とが相対移動すると、相対移動の往復する直線動作が、慣性質量体28を回転させる回転動作に変換される。すなわち、本実施形態の運動変換機構21は、慣性質量体28を備えたボールねじ機構である。
本実施形態の接合部の制振構造は、運動変換機構21の両側に2つの摩擦ダンパー機構20と運動変換機構21とが、ねじシャフト22の軸と交差する方向に並べて、並列に設けられている。
図3は、本接合部の制振構造の作用を説明するための図である。
図3Aは、柱梁架構において従来の摩擦ダンパーにより減衰力Fが付与される力点部位の水平方向の変位と、力点部位に生じる内力の関係を示すグラフである。図3Bは、従来の摩擦ダンパーの振動エネルギー吸収履歴特性のグラフである。図3Cは、運動変換機構により付勢力が付与される力点部位の水平方向の変位と、力点部位に作用する付勢力の関係を示すグラフである。図3Dは、本実施形態の摩擦ダンパー機構により減衰力Fが付与される力点部位の水平方向の変位と、力点部位に生じる内力、摩擦ダンパーによる減衰力F、及び、運動変換機構による付勢力との合力の関係を示すグラフである。
本接合部の制振構造を備えたブレース10を有する柱梁架構に振動が入力されると、上分断端部12と下分断端部14とが相対移動して、2つの摩擦ダンパー機構20の2枚の板部12cと板部材14bとの間にて動摩擦力を伴う相対移動状態に移行する際に大きな反発力が発生する。このとき、摩擦ダンパー機構20では、皿ばね積層体30によるボルト18の軸力により2枚の板部12cと板部材14bとの間にて摩擦力が発生し、摩擦力による振動減衰機能が発揮される。また、このとき柱梁架構3の各部位には変形による内力が生じる。このような内力は、上分断端部12と下分断端部14が取り付けられている部位にも作用しており、相対移動量が大きな場合ほど大きな内力が作用する。
一方、運動変換機構21は、上分断端部12と下分断端部14との相対移動により、ねじシャフト22に螺合されているボールねじナット27及び慣性質量体28が回転し始める。このとき、ボールねじナット27には慣性質量体28が固定されているので、慣性力が発生する。この慣性力によりボールねじナット27及び慣性質量体28の回転動作が助長される。慣性質量体28の回転動作では、相対移動量が大きな場合ほど大きな慣性力が発生する。発生する慣性力は、摩擦ダンパー機構20により発生する振動の減衰力Fを打ち消す方向に作用する付勢力となる。
詳述すると、図3A中、一点鎖線で示すように、振動の最大変位時には、柱梁架構3を有する建物自身が大きく変形していることから、建物の各部位には大きな内力が生じている。このような状態にて、更に外力を変形方向と逆の方向に付与すると、外力が付与される前記力点部位では、その内力が、付与された外力の分だけ更に拡大する。すなわち、前記力点部位の内力は、図3A中の一点鎖線で示す力点部位自身の変形による内力に、外力により生じる内力を足し合わせたものとなる。
ここで、2つの摩擦ダンパー機構20の減衰力Fも、変形方向と逆向きの外力として作用する。また、従来の摩擦ダンパーの場合には、図3Bに示すように、その摩擦力たる減衰力Fの大きさは、振動に係る変位量によらず略一定である。よって、従来の摩擦ダンパーでは、図3Aの一点鎖線で示す内力に対して図3Bの減衰力Fにより生じる内力を加算してなる前記力点部位の実際の内力は、図3Aの実線のようになる。つまり、従来の摩擦ダンパー場合には、柱梁架構の前記力点部位に、振動の最大変位時の厳しい内力下においても、大きな減衰力Fによる大きな内力が更に追加で生じることになり、この場合には、内力が拡大して当該力点部位の破壊限界強度Xに至り易くなる。
一方、本実施形態の接合部に設けられている運動変換機構21は、上分断端部12と下分断端部14との相対移動たる直線動作を回転動作に変換し、慣性質量体28を回転させることにより、図3Cの一点鎖線で示す内力に対して負剛性効果が生じる。ここで、負剛性効果とは、変位するに従って、その変位方向と逆向きに付勢する力が大きくなることを言う。この運動変換機構21による負剛性効果は、慣性質量体28の質量及び外径、厚さ等の形状及び材質を変更することにより調整可能である。
そして、2つの摩擦ダンパー機構20と運動変換機構21とを備えた本実施形態における接合部の制振構造の作用は、2つの摩擦ダンパー機構20により作用する減衰力F、運動変換機構21により作用する付勢力、及び、相対移動による内力の合力で表される。
すなわち、上記実施形態の接合部の制振構造は、摩擦ダンパー機構20とともに減衰力Fを打ち消す方向に力を付与する運動変換機構21が設けられているので、上分断端部12と下分断端部14とが相対移動したときに、慣性力が相対移動による減衰力Fを打ち消す方向の付勢力として付与されるので、摩擦ダンパー機構20による減衰力Fの発生を抑えることが可能である。このため、相対移動により内力が生じている、上分断端部12と下分断端部14とが取り付けられている部位に作用する外力を小さく抑えることにより、上分断端部12と下分断端部14とが取り付けられている構造体が損傷を受けることを回避することが可能である。
また、上分断端部12と下分断端部14とが相対移動する際には、ねじシャフト22が、ねじシャフト22に螺合されたボールねじナット27に対して挿抜方向に移動しようとする。このとき、ボールねじナット27はねじシャフト22のねじ溝に沿って回動するので、ボールねじナット27と一体に設けられた慣性質量体28が回転する。このため、上分断端部12と下分断端部14との相対移動により慣性質量体28を回転させて発生される慣性力により摩擦ダンパー機構20により作用する減衰力Fが低下させることが可能である。
このとき、運動変換機構21と2つの摩擦ダンパー機構20とが並列に設けられているので、上分断端部12と下分断端部14とが相対移動することにより、運動変換機構21と2つの摩擦ダンパー機構20とを同時に作用させることが可能である。
また、接合されている上分断端部12と下分断端部14との間には、運動変換機構21により、ねじれモーメントが発生するが、本実施形態の接合部の制振構造によれば、上分断端部12と下分断端部14とを重ね合わせた部位を圧接する摩擦ダンパー機構20がねじシャフト22の軸方向と交差する方向において、運動変換機構21を挟んで両側に設けられているので、摩擦ダンパー機構20が運動変換機構21の両側にてねじれモーメントを抑制する。このため、運動変換機構21を備えたとしても上分断端部12と下分断端部14との接合部や建物等にねじれモーメントの影響が及ぶことを抑えることが可能である。
図4は、本発明に係る接合部の制振構造の変形例を説明するための縦断面図である。
図4に示すように、上記実施形態の摩擦ダンパー機構20と運動変換機構21との間に、摩擦ダンパー機構20側に固定するようにして、第2の摩擦ダンパー機構35を備えていても良い。
第2の摩擦ダンパー機構35は、上記実施形態の上分断端部12が備える2つの突出板部材12bの対向する側にそれぞれ、弾性部材36を介して運動変換機構21が有する慣性質量体28に押圧される摺接部材37と、摺接部材37をガイドするガイド部材12fと、を備えている。
弾性部材36は、たとえば圧縮コイルばねであり、摺接部材37は運動変換機構21の慣性質量体28の外周面に圧縮コイルばねにて押圧されている。このとき、上分断端部12と下分断端部14とが相対移動により、また、慣性質量体28の回転により摺接部材37が傾くことなく慣性質量体28に押圧されるようにガイド部材12fが設けられている。
第2の摩擦ダンパー機構35は、上分断端部12と下分断端部14とが相対移動して、運動変換機構21の慣性質量体28が回転すると、慣性質量体28の外周面に押圧されている摺接部材37と慣性質量体28の外周面との間にて発生する。この摩擦力が第2の減衰力Fとして付与される。
図5は、第2の摩擦ダンパー機構35が付加された接合部の制振構造の作用を説明する図である。図5に示すように、第2の摩擦ダンパー機構35を備えた場合(図5において実線にて示す)には、上記実施形態の接合部の制振構造である第2の摩擦ダンパー機構35を備えない場合(図5において破線にて示す)より、減衰力Fを増加させることが可能である。このため、振動を更に減衰させることが可能である。
上記実施形態においては、相対移動抑制機構を摩擦ダンパーにて構成した例について説明したが、摩擦ダンパーに限らず、粘弾性ダンパー等であっても構わない。
上記実施形態においては、摩擦ダンパー機構20を、2枚の板部12cと板部材14bとが圧接されて構成されている例について説明したが、1枚の板材同士が圧接されて構成されていても構わない。
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
3 柱梁架構、10 ブレース、12 上分断端部、12b 突出板部材、
12c 2枚の板部、14 下分断端部、14b 板部材、20 摩擦ダンパー機構、
21 運動変換機構、22 ねじシャフト、27 ボールねじナット、
28 慣性質量体、30 皿ばね積層体、35 摩擦ダンパー機構、36 弾性部材、
37 摺接部材、F 減衰力、X 破壊限界強度

Claims (3)

  1. 柱梁架構の対角方向を架け渡し方向として配置され、互いに間隔を隔てて分断れたブレースと、
    分断された端部に設けられた第1端部ブロック及び第2端部ブロックと、
    前記第1端部ブロックから、前記掛け渡し方向に沿って前記第2端部ブロック側に突出させて設けられた第1突出板部材、前記第2端部ブロックから、前記掛け渡し方向に沿って前記第1端部ブロック側に突出させて設けられた第2突出板部材、及び、前記第1突出板部材と前記第2突出板部材とが重ね合わせられた部位を圧接する圧接力を付勢する圧接力付勢部材を有し、前記第1突出板部材と前記第2突出板部材が相対移動するときに発生する第1の減衰力により前記相対移動を抑制する相対移動抑制機構と、
    前記相対移動に係る直線移動動作を、回転動作に変換して前記第1の減衰力を打ち消す方向に力を付与する運動変換機構と、を有し、
    前記運動変換機構は、前記相対移動抑制機構と並列に設けられており、
    前記運動変換機構は、
    前記第1端部ブロックの、前記第2端部ブロックと対向する平面の中央部から、前記第2端部ブロックに向かって突出して設けられたねじシャフトと、
    前記第2端部ブロックの、前記第1端部ブロックと対向する平面の中央部から、前記第1端部ブロックに向かって突出して設けられた慣性体支持部と、
    前記慣性体支持部に支持され、前記ねじシャフトと螺合され、前記相対移動に伴って前記ねじシャフトのねじ溝に沿って回動し、当該ねじシャフトの軸方向に移動するボールねじナットと、
    前記ボールねじナットと一体に設けられた慣性質量体と、
    を有し、
    前記相対移動抑制機構は、前記第1端部ブロック及び第2端部ブロックが相対移動する相対移動方向と交差する方向において、前記運動変換機構を挟んで両側に設けられていることを特徴とする接合部の制振構造。
  2. 請求項1に記載の接合部の制振構造であって、
    前記第1の減衰力は、前記第1突出板部材と前記第2突出板部材の前記相対移動にて発生する摩擦力であることを特徴とする接合部の制振構造。
  3. 請求項1又は2に記載の接合部の制振構造であって、
    前記慣性質量体の外周面に圧接する摺接部材を有し、前記慣性質量体の回転により第2の減衰力が発生し、
    前記摺接部材をガイドするガイド部材が、前記第1突出板部材に設けられていることを特徴とする接合部の制振構造。
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