JP2000045559A - 鉄骨部材のピン接合構造 - Google Patents

鉄骨部材のピン接合構造

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JP2000045559A
JP2000045559A JP10217956A JP21795698A JP2000045559A JP 2000045559 A JP2000045559 A JP 2000045559A JP 10217956 A JP10217956 A JP 10217956A JP 21795698 A JP21795698 A JP 21795698A JP 2000045559 A JP2000045559 A JP 2000045559A
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plate
force
plates
bolt
friction material
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JP10217956A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Takahashi
泰彦 高橋
Yasumasa Suzui
康正 鈴井
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転力が入力されるピン接合部に、滑りが繰
り返されて摩耗を生じた場合にも、常にほぼ一定した摩
擦抵抗モーメントを発生させて、安定した減衰力特性を
得ることができる鉄骨部材のピン接合構造を提供する。 【解決手段】 一対の外板10,12と、これら外板間
に挟み込まれる中板14とを備える。外板および中板
は、建物架構にあって、互いに接合される鉄骨部材の一
方および他方からそれぞれ一体に突設する。外板10,
12および中板14を互いに重合して、それぞれの間に
複合摩擦材料で形成した摩擦材16を介在する。外板1
0,12および上記中板14に高力ボルト18を貫通
し、これにナット20を締め付けて所定の軸力Nを付加
する。外板10,12と中板14とは高力ボルト18を
中心として相対回転を許容する。さらに、外板10,1
2と摩擦材16と中板とを押圧する付勢手段として皿ば
ね30を設け、摩擦力の安定を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物架構を構成す
る各鉄骨部材のピン接合部分に適用して、地震や強風等
により発生する建物架構の振動を該接合部で吸収するこ
とにより効果的に制振するようにした鉄骨部材のピン接
合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】建物架構は、柱,梁およびブレース、更
には床スラブのデッキプレートなどの各種鉄骨部材を接
合して構築される。これら鉄骨部材は溶接やボルトを介
して接合されるが、特にボルト接合の場合は、接合しよ
うとする2つの鉄骨部材を締付け力により圧着するよう
になっているが、地震や風などによって上記ボルト接合
部に水平力や回転力などの変位力が作用する。この変位
力が過大である場合は、接合した2部材の接合部分にズ
レを生ずる。すると、このズレによって大きな摩擦抵抗
力が発生され、この摩擦抵抗力によって上記地震や風に
よる振動エネルギーが消耗されて、建物が制振される。
【0003】図6(a),(b)は回転方向の変位力が
入力されるピン接合部の一例を示し、互いに接合しよう
とする一方の部材から一体に一対の外板1,1aが突設
されるとともに、他方の部材から一体に中板2が突設さ
れ、一対の外板1,1a間に中板2を挟み込み、これら
外板1,1aと中板2とをボルト3で貫通してナット3
a締めされる。そして、過大な回転モーメントMが入力
された場合に、上記ボルト3がピンとして機能し、この
ボルト3を中心に外板1,1aと中板2とは相対回転さ
れる。
【0004】この相対回転時に発生される摩擦抵抗モー
メントMは、ボルト3の軸力Nと、外板1,1aと中板
2との接触面の摩擦係数μおよび回転中心からの距離l
との積によって決定される。尚、軸力Nはナット3aの
締付け力によって調節され、また、摩擦係数μは外板
1,1aと中板2との接触面の表面粗さによって調節さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のボ
ルトを用いた接合部にあっては、ボルト3の軸力Nは、
単にナット3aの締付け力により発生され、この軸力N
が直接外板1,1a間の締付け力として作用するように
なっている。このため、所定の摩擦抵抗モーメントMを
発生させるためにはナット3aの締付け力調整が難しく
なり、また、一旦締付け力を付加した場合にあっても、
外板1,1aと中板2とが幾度と無く滑りを生ずると、
双方の滑動面が摩耗して摩擦係数μが徐々に小さくなっ
てしまうとともに、摩耗された分だけ上記ナット3aに
よる締付け力が減少し、延いては、ボルト3の軸力Nが
小さくなってしまう。このことにより、予め設定した摩
擦抵抗モーメントMが、μとNとの双方の減少により大
きく変動して不安定な減衰力特性を示し、当初の制振効
果が得られなくなってしまうという課題があった。
【0006】そこで、本発明は回転力が入力されるピン
接合部に、滑りが繰り返されて摩耗を生じた場合にも、
常にほぼ一定した摩擦抵抗モーメントMを発生させて、
安定した減衰力特性を得ることができる鉄骨部材のピン
接合構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1に示す鉄骨部材のピン接合構造に
あっては、2つの鉄骨部材を互いにピン接合する構造に
あって、一方の鉄骨部材から突設した第1圧着板と、他
方の鉄骨部材から突設した第2圧着板とを、これら両者
間に挿通したピンを中心に相対回転可能に重合するとと
もに、これら第1圧着板と第2圧着板との重合部分間に
複合摩擦材料で形成される摩擦材を介在し、かつ、第
1,第2圧着板の重合部分の外側間に、これら両圧着板
を互いに圧接する方向に押圧力を付加する加圧機構を設
ける。
【0008】また、本発明の請求項2に示す鉄骨部材の
ピン接合構造にあっては、上記摩擦材を、熱硬化型樹脂
を結合材として、アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロン
繊維,カーボンファイバー,アスベストなどの繊維材料
と、カシューダスト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バリ
ュームなどの充填剤とからなる複合摩擦材料で形成する
ことが望ましい。
【0009】更に、本発明の請求項3に示す鉄骨部材の
ピン接合構造にあっては、上記第1圧着板を加圧機構の
押圧力作用方向に対峙する複数枚の外板で形成するとと
もに、上記第2圧着板を上記複数枚の外板間にそれぞれ
挟み込まれる中板で形成し、各外板と各中板との間にそ
れぞれ上記摩擦材を介在するとともに、複数枚の外板の
うち最外側に位置する外板間に上記加圧機構の押圧力を
作用させる。
【0010】更にまた、本発明の請求項4に示す鉄骨部
材のピン接合構造にあっては、上記加圧機構を、第1圧
着板と第2圧着板との重合部分を貫通するボルトと、こ
のボルトに螺合されるナットとで構成し、ナットの締付
けにより上記重合部分に軸力を付加する。
【0011】また、本発明の請求項5に示す鉄骨部材の
ピン接合構造にあっては、上記加圧機構を、上記第1圧
着板と上記第2圧着板との重合部分を貫通し、ナットの
締付けによりこの重合部分に軸力を付加するボルトと、
このボルトの軸力を重合部分に付加する経路に介在さ
れ、ボルトの軸方向変位に対して弾発力の変動が略一定
となる非線形ばね領域を備えた付勢手段とによって構成
し、該ボルトに所定の軸力を発生させた状態で、該付勢
手段が上記非線形ばね領域内でたわみ変形するように設
定する。
【0012】更に、本発明の請求項6に示すボルト接合
部の制振構造にあっては、上記加圧機構を、第1圧着板
と第2圧着板との重合部分の外側間に跨って配置され、
かつ、一定圧に保持される液圧によって押圧力を発生す
るキャリパで構成する。
【0013】以上の構成により本発明の鉄骨部材のピン
接合構造の作用を以下述べると、請求項1では、一方の
鉄骨部材から突設した第1圧着板と、他方の鉄骨部材か
ら突設した第2圧着板とが摩擦材を介して互いに重合さ
れており、この重合部分には外側間に設けた加圧機構の
押圧力が付加されるので、この押圧力によって該重合部
分が圧着されることにより2つの鉄骨部材が接合され
る。
【0014】この状態で地震や風により2つの鉄骨部材
間に回転方向の振動変位力(モーメント)が入力され、
この変位力が所定値以上になると上記第1圧着板と上記
第2圧着板とはピンを中心に相対回転し、上記摩擦材と
の間で大きな摩擦抵抗モーメントが発生される。この摩
擦抵抗モーメントは上記加圧機構による押圧力と、第
1,第2圧着板と摩擦材との間の摩擦係数および回転中
心からの距離との積によって決定され、この摩擦抵抗モ
ーメントによって上記2つの鉄骨部材間を制振すること
ができる。
【0015】ここで、上記第1圧着板と上記第2圧着板
との間には、複合摩擦材料で形成される上記摩擦材が介
在されるので、これら第1,第2圧着板は直接接触する
ことなく、それぞれが摩擦材と接触されることになる。
このため、2つの鉄骨部材が相対回転する際の滑動部分
の摩擦係数を安定させて、常時ほぼ一定した摩擦抵抗モ
ーメントを発生させることができる。
【0016】また、請求項2では、上記摩擦材を、熱硬
化型樹脂を結合材として、アラミド繊維,ガラス繊維,
ビニロン繊維,カーボンファイバー,アスベストなどの
繊維材料と、カシューダスト,鉛などの摩擦調整材と、
硫酸バリュームなどの充填剤とからなる複合摩擦材料で
形成したので、該摩擦材が一定の摩擦係数を有する摩耗
の著しく少ない部材として形成される。従って、第1圧
着板と第2圧着板とが相対回転する際に、これら第1,
第2圧着板と摩擦材との間の摩擦係数は常時ほぼ一定に
維持され、かつ、滑動部分の摩耗がほとんどないため加
圧機構の押圧力もほぼ一定に維持され、音の発生もなく
滑らかにすべる。
【0017】このため、上記第1,第2圧着板間の相対
回転部分に発生する、摩擦係数と加圧機構の押圧力およ
び回転中心からの距離との積として得られる摩擦抵抗モ
ーメントをほぼ一定に維持することができる。従って、
2つの部材間の減衰力特性が安定化され、延いては、当
初設定した制振機能を長期に亘って維持することができ
る。
【0018】更に、請求項3では、上記第1圧着板を加
圧機構の押圧力作用方向に対峙する複数枚の外板で形成
するとともに、上記第2圧着板を上記複数枚の外板間に
それぞれ挟み込まれる中板で形成し、各外板と各中板と
の間にそれぞれ上記摩擦材を介在させたので、外板と中
板との相対回転時の摩擦抵抗モーメント発生箇所を増加
して、小さな押圧力によってもより大きな摩擦抵抗モー
メントを発生させることができる。また、複数枚の外板
のうち最外側に位置する外板間に上記加圧機構の押圧力
を作用させたので、外板と中板とが相対回転する際に、
これら外板と中板とはこじれを生ずることなくスムーズ
に滑動されることになる。
【0019】更にまた、本発明の請求項4に示す鉄骨部
材のピン接合構造にあっては、上記加圧機構は、第1圧
着板と第2圧着板との重合部分を貫通するボルトと、こ
のボルトに螺合されるナットとで構成し、ナットの締付
けにより上記重合部分に軸力を付加するようにしたの
で、上記ボルトを第1圧着板と第2圧着板との回転中心
部に配置することにより、該ボルトをピンとして兼用す
ることができ、ピン接合部分の構造を簡単にすることが
できる。
【0020】また、請求項5では、上記加圧機構を、上
記第1圧着板と上記第2圧着板との重合部分を貫通し、
ナットの締付けによりこの重合部分に軸力を付加するボ
ルトと、このボルトの軸力を重合部分に付加する経路に
介在され、ボルトの軸方向変位に対して弾発力の変動が
略一定となる非線形ばね領域を備えた付勢手段とによっ
て構成し、該ボルトに所定の軸力を発生させた状態で、
該付勢手段が上記非線形ばね領域内でたわみ変形するよ
うに設定したので、第1,第2圧着板間の隙間の変動を
上記付勢手段によって吸収することができ、このときの
変動吸収によって付勢手段のたわみ量が変化した場合に
あっても、該付勢手段が非線形ばね領域内に設定されて
いるため、弾発力つまりボルトの軸力をほぼ一定に維持
することができる。
【0021】従って、振動入力が無い状態では上記第1
圧着板と第2圧着板とは大きな静摩擦力をもって固定状
態が維持されるが、所定値以上の振動変位力の入力によ
りこの固定状態から小さな動摩擦抵抗モーメントを伴う
相対回転状態に移行する際に、それぞれの接触面間に大
きな反発力が発生し、これが大きな音や衝撃として現れ
るが、このときの反発力を上記付勢手段によりボルト軸
力を変化することなく吸収できる。このため、過大振動
力が入力された場合にも、音や衝撃の発生を抑制しつつ
制振機能を十分に発揮することができる。
【0022】また、上記付勢手段の弾発力は、第1,第
2圧着板が相対回転する際の滑動面が摩耗された場合に
も弾発力をほぼ一定に維持できるため、摩擦抵抗モーメ
ントが低下するのを防止して当初の制振機能が永続して
発揮されることになる。
【0023】更に、請求項6では、上記加圧機構を、第
1圧着板と第2圧着板との重合部分の外側間に跨って配
置され、かつ、一定圧に保持される液圧によって押圧力
を発生するキャリパで構成したので、押圧力を発生させ
たときに反作用でキャリパが第1,第2圧着板の積層方
向に移動して、これら第1,第2圧着板の重合部分の外
側間に等しい押圧力を作用させることができる。このと
き、押圧力は一定圧に保持される液圧によって発生され
るため、摩擦材と第1圧着板または第2圧着板との間の
摺動部分が摩耗した場合にも、一定の押圧力を常時作用
させることができ、延いては、これによって発生する摩
擦抵抗モーメントが一定となって、接合した2つの鉄骨
部材間の減衰力特性が安定化され、延いては、当初の制
振能力を長期に亘って維持することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明にかかる
鉄骨部材のピン接合構造の一実施形態を示し、図1はピ
ン接合部分の要部で、(a)は断面側面図,(b)は平
面図である。
【0025】即ち、本実施形態の鉄骨部材のピン接合構
造は、図1に示すように第1圧着板としての一対の外板
10,12と、該一対の外板10,12間に挟み込まれ
る第2圧着板としての中板14とを備える。上記外板1
0,12および上記中板14は、建物架構にあって、互
いに接合される鉄骨部材の一方および他方からそれぞれ
一体に突設される。
【0026】本実施形態のピン接合構造が適用される上
記鉄骨部材としては、鉄骨柱,鉄骨小梁およびブレー
ス、更には床スラブのデッキプレートや複数の建物架構
を連結する渡し部材などがある。そして、上記外板1
0,12および上記中板14は、互いに接合しようとす
る2つの鉄骨部材から溶接や高力ボルト接合により、ま
たは一体として突設される。
【0027】上記外板10,12および上記中板14は
互いに重合した状態で、一対の外板10,12と中板1
4の両面との間に、複合摩擦材料で形成される摩擦材1
6をそれぞれ介在する。この摩擦材16は、熱硬化型樹
脂を結合材として、アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロ
ン繊維,カーボンファイバー,アスベストなどの繊維材
料と、カシューダスト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バ
リュームなどの充填剤とからなる複合摩擦材料で形成さ
れる。上記熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂,メ
ラミン樹脂,フラン樹脂,ポリイミド樹脂,DFK樹
脂,グアナミン樹脂,エポキシ樹脂,キシレン樹脂,シ
リコーン樹脂,ジアリルフタレーン樹脂,不飽和ポリエ
ステル樹脂などがある。
【0028】上記外板10,12および上記中板14に
はボルト挿通穴10a,12a,14aが形成され、こ
のボルト挿通穴10a,12a,14aに高力ボルト1
8が貫通され、これにナット20を螺合して所定のトル
クをもって締め付けることにより、外板10,12間に
ワッシャ19,19を介して所定の軸力Nを付加するよ
うになっている。そして、外板10,12と中板14と
は上記高力ボルト18を中心として相対回転が許容さ
れ、この高力ボルト18をピンとして兼用するようにな
っている。上記外板10,12および上記中板14の重
合部分は、上記高力ボルト18を中心として円形状に拡
径形成して受圧面積を確保するとともに、上記摩擦材1
6は高力ボルト18を中心とする環状に形成される。
【0029】上記摩擦材16は上記外板10,12およ
び中板14両者に当接するが、本実施形態では中板14
の両面を適切に磨き仕上げして円滑面14bとし、この
円滑面14bに上記摩擦材16を摺接させることによ
り、中板14と摩擦材16との間で所定の摩擦係数μを
もって滑動するようになっている。
【0030】以上の構成により本実施形態の鉄骨部材の
ピン接合構造にあっては、一対の外板10,12間に中
板14を挟み込んで、これらに貫通した高力ボルト18
をナット20締めするにあたって、これら外板10,1
2と中板14との間に摩擦材16を介在させてあるの
で、地震や風などの外力によって建物架構が振動する際
に、この振動によりピン接合した2つの鉄骨部材間に発
生した回転モーメントMが所定値を越えると、外板1
0,12と中板14とは中板14両面の円滑面14bと
上記摩擦材16との滑動を伴って、高力ボルト18を中
心として相対回転する。
【0031】このとき、中板14と摩擦材16との間は
高力ボルト18の軸力Nをもって圧接されるとともに、
所定の摩擦係数μが作用しており、これら中板14と摩
擦材16とが滑動される際には、振動エネルギーが摩擦
抵抗モーメントMに変換されて振動減衰され、建物架構
の制振に寄与するようになっている。
【0032】このとき、上記摩擦材16は、フェノール
樹脂,メラミン樹脂,フラン樹脂,ポリイミド樹脂,D
FK樹脂,グアナミン樹脂,エポキシ樹脂,キシレン樹
脂,シリコーン樹脂,ジアリルフタレーン樹脂,不飽和
ポリエステル樹脂などの熱硬化型樹脂を結合材として、
アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロン繊維,カーボンフ
ァイバー,アスベストなどの繊維材料と、カシューダス
ト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バリュームなどの充填
剤とからなる複合摩擦材料で形成されるので、該摩擦材
16は硬度が高く、かつ、強度に富む材質となって、一
定の摩擦係数を有する摩耗の著しく少ない部材として形
成することができる。
【0033】従って、外板10,12と中板14とが相
対回転された際にも、中板14と摩擦材16との間の摩
擦係数μは常時ほぼ一定に維持され、かつ、滑動部分の
摩耗がほとんどないため高力ボルト18の軸力Nもほぼ
一定に維持される。このため、上記外板10,12と中
板14との間の相対回転時に、上記摩擦係数μと上記軸
力Nおよび回転中心からの距離lとの積として発生する
摩擦抵抗モーメントMをほぼ一定に維持することができ
る。このため、上記外板10,12および上記中板14
とそれぞれ一体の2つの鉄骨部材間、延いては、建物架
構の振動に対する減衰力特性が安定化され、当初設定し
た制振機能を長期に亘って維持することができる。
【0034】また、本実施形態では第1圧着板を一対の
外板10,12で形成するとともに、第2圧着板を中板
14で形成したので、2つの鉄骨部材間に回転モーメン
トMが入力された際に、一対の外板10,12間に中板
14が挟まれた状態で相対回転するため、一対の外板1
0,12間にボルト18の軸力N、つまり締付け力を付
加した状態で両者が滑動する際に、ボルト18が傾斜さ
れるなどしてこじれを生ずることなく、スムーズに相対
回転することができる。
【0035】図2,図3は本発明の他の実施形態を示
し、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重
複する説明を省略して述べる。尚、図2はピン接合部分
の要部で、(a)は断面側面図,(b)は平面図、図3
はこの実施形態で用いられる付勢手段のばね特性図であ
る。
【0036】この実施形態が上記実施形態と主に異なる
点は、高力ボルト18の軸力Nを外板10,12に付加
する経路に、ボルトの軸方向変位に対して弾発力の変動
が略一定となる非線形ばね領域を備えた付勢手段を介装
したものである。
【0037】即ち、この実施形態のボルト接合部の制振
構造は、上記実施形態と同様に一対の外板10,12間
に中板14を挟み込むとともに、これら外板10,12
と中板14との間に摩擦材16を介在して、これらの重
合部分を高力ボルト18を介してナット20締めするよ
うになっており、このように構成されたボルト接合部に
あって、高力ボルト18の頭部18aと一方の外板10
との間には付勢手段としての皿ばね30を大径ワッシャ
32を介して介装するようになっている。
【0038】上記皿ばね30のばね特性Aは、図3に示
すように高力ボルト18の中心軸方向の変形量(見込み
変化量)σに対して、荷重(弾発力)wの変動がほぼ一
定となる非線形ばね領域Pを備えており、該皿ばね30
は上記高力ボルト18に所定の軸力Nを付加した状態で
上記非線形ばね領域P内に設定される。また、本実施形
態では上記皿ばね30は、複数枚の皿ばね単体を同一方
向に積層して構成したものが用いられる。
【0039】従って、この実施形態では高力ボルト18
の軸力Nを外板10,12に付加する経路に皿ばね30
を設けたので、外板10,12と中板14との間の隙間
の変動を該皿ばね30によって吸収することができる。
そして、このときの変動吸収によって皿ばね30のたわ
み量が変化した場合にあっても、該皿ばね30が非線形
ばね領域P内に設定されているため、弾発力つまり高力
ボルト18の軸力Nをほぼ一定に維持することができ
る。
【0040】つまり、振動入力が無い状態では上記外板
10,12と上記中板14とは、大きな静摩擦力をもっ
て固定状態が維持されるが、振動入力によりこの固定状
態から小さな動摩擦抵抗モーメントを伴う相対回転状態
に移行する際に、それぞれの接触面間に大きな反発力が
発生し、これが大きな音や衝撃として現れる。しかし、
上記皿ばね30を設けたことにより、このときの反発力
を上記皿ばね30の緩衝作用により高力ボルト18の軸
力Nを変化することなく吸収できる。従って、過大振動
力が入力された場合にも、音や衝撃の発生を抑制しつつ
建物架構の制振機能を十分に発揮することができる。
【0041】また、上記皿ばね30は非線形ばね領域P
に設定されていることにより、該皿ばね30の弾発力は
外板10,12と中板14とが相対移動する際の滑動
面、つまり、摩擦材16と中板14との間の接触面が摩
耗された場合にも、弾発力をほぼ一定に維持して摩擦抵
抗モーメントMが低下するのを防止できる。従って、外
板10,12と中板14との接合部における当初の制振
機能を永続して発揮することができる。
【0042】また、この実施形態では上記皿ばね30
を、一方の外板10と高力ボルト18の頭部18a側の
大径ワッシャ32との間に皿ばね30を介装させた場合
を開示したが、これに限ることなく他方の外板12とナ
ット20側の大径ワッシャ32aとの間のいずれかに、
またはその双方に介在させることもできる。
【0043】更に、皿ばね30を構成する皿ばね単体の
組み合わせ配置構成は、本実施形態に示したように同一
方向に複数枚を積層したものに限ることなく、これ以外
にも本発明の皿ばね30に求められる設定が可能である
限り種々に変更して組み合わせて構成することができ、
例えば、皿ばね単体を単数で用いたり、複数枚を並列に
積層したり、その積層方向を正逆交互に向けたりするこ
とができる。
【0044】更にまた、この実施形態では付勢手段とし
て皿ばね30を用いた場合を開示したが、これに限るこ
となくボルトの軸方向変位に対して弾発力の変動が略一
定となる非線形ばね領域を備えたばねであればよい。
【0045】図4は他の実施形態を示し、上記実施形態
と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略
して述べる。尚、同図はピン接合部分の要部を示す断面
側面図である。
【0046】即ち、上記実施形態では一対の外板10,
12間に1枚の中板14を挟み込んだ構造を示したが、
本実施形態では図4に示すように3枚以上(この実施形
態では4枚)の外板34,34a,34b,34cを用
い、これら外板34,34a,34b,34c間にそれ
ぞれ中板36,36a,36bを挟み込むようにして積
層することもできる。勿論、それぞれの外板34,34
a,34b,34cと中板36,36a,36bとの間
に摩擦材16が介在される。
【0047】また、この実施形態にあっても上記外板3
4,34a,34b,34cと上記中板36,36a,
36bとの積層部分に加圧機構としての高力ボルト18
が貫通され、ナット20の締付けにより所定の軸力Nが
付加されるとともに、この軸力Nを付加する経路に上記
実施形態と同様に皿ばね30が介在される。
【0048】従って、この実施形態では上記実施形態と
同様の機能を発揮できるのは勿論のこと、外板34,3
4a,34b,34cと中板36,36a,36bとの
相対移動時の摩擦抵抗モーメント発生箇所が増加される
ため、小さな押圧力Nによっても、より大きな摩擦抵抗
モーメントMを発生させることができる。このため、加
圧機構の小型化を図りつつ、必要な制振効果を十分に得
ることができる。
【0049】図5は他の実施形態を示し、上記実施形態
と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略
して述べる。尚、同図はピン接合部分の要部を示す断面
側面図である。
【0050】即ち、この実施形態では加圧機構として油
圧キャリパ40を用いたもので、この油圧キャリパ40
は図5に示すように外板10,12に跨って配置される
コ字状のキャリパ本体42を備え、このキャリパ本体4
2の一端側(図中上側)には油圧シリンダー44が一体
に組み込まれる。そして、該油圧シリンダー44のピス
トン46は一方の外板10に当接されるとともに、キャ
リパ本体42の他端側(図中下側)は他方の外板12に
当接される。
【0051】上記油圧シリンダー44のシリンダー室4
8には、タンク50に溜められた油圧が供給されるよう
になっており、この供給される油圧は調圧弁52によっ
て一定圧に調圧されたタンク50内油圧がシリンダー室
48に導入される。尚、タンク50には油圧ポンプ54
から油圧が補充されるとともに、シリンダー室48への
油圧供給路には油圧変動を吸収するアキュムレータ56
が設けられる。
【0052】また、この実施形態では上記油圧キャリパ
40が取り付けられる外板10,12と中板14との積
層部分に、相対回転の中心となるピン58が取り付けら
れる。
【0053】従って、この実施形態にあっては、一対の
外板10,12間に中板14を挟み込んで、それぞれの
間に摩擦材16が介在されており、この状態で油圧キャ
リパ40のシリンダー室48に油圧を導入すると、ピス
トン46は一方の外板10に押圧力Nを作用する。この
押圧力Nはキャリパ本体42が浮動状態であるため、反
作用により図中上下方向に移動して他方の外板12に等
しい押圧力Nが作用する。このときの押圧力Nによって
外板10,12と中板14とは摩擦材16を介して互い
に圧着され、このときの圧着力により外板10,12と
中板14、延いては、接続しようとする2つの鉄骨部材
を接合することができる。
【0054】そして、このように接合された2つの鉄骨
部材は、地震や風などの外力によって建物架構が振動す
る際に、この振動による変位力が所定値を超えると、外
板10,12と中板14とは中板14両面の円滑面14
bと上記摩擦材16との滑動を伴って相対回転する。こ
のとき、中板14と摩擦材16との間は油圧キャリパ4
0の押圧力Nによって圧着されているため、これら両者
間に所定の摩擦係数μが作用しており、これら中板14
と摩擦材16とが滑動される際に、押圧力Nと摩擦係数
μおよび回転中心からの距離lとの積として得られる摩
擦抵抗モーメントMが発生する。この摩擦抵抗モーメン
トMによって上記接合された2つの鉄骨部材間が振動減
衰され、延いては、建物架構を制振することができる。
【0055】ここで、上記油圧キャリパ40の作動油圧
は調圧弁52によって一定圧に保持されるため、摩擦材
16と外板10,12および中板14との間の滑動部分
が摩耗した場合にも、常時一定した押圧力Nを外板1
0,12間に作用させることができ、これによって発生
する摩擦抵抗モーメントが一定となって接合した2つの
鉄骨部材間の減衰力特性が安定化され、延いては、当初
の制振能力を長期に亘って維持することができる。
【0056】また、この実施形態にあっても上記図4に
示したように上記外板34,34a,34b,34cを
3枚以上の複数枚で構成し、これら複数枚の外板34,
34a,34b,34c間にそれぞれ中板36,36
a,36bを介装することもできる。勿論、この場合に
あっても各外板34,34a,34b,34cと各中板
36,36a,36bとの間に摩擦材が介装される。
【0057】ところで、上記各実施形態では中板14の
両面を円滑面14bとして、これに摩擦材16を摺接さ
せたが、このように円滑面14bを形成することなく、
表面が滑らかなステンレス板などの図外の滑動板を取り
付けて、この滑動板と上記摩擦材16との間で滑動させ
ても良い。また、摩擦材16と中板14との間で滑動さ
せるようにした場合を開示したが、これに限ることなく
摩擦材16と外板10,12との間、若しくは、これら
摩擦材16と中板14との間および摩擦材16と外板1
0,12との間の両方で滑動させることもできる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す鉄骨部材のピン接合構造にあっては、一方の鉄骨部
材から突設した第1圧着板と、他方の鉄骨部材から突設
した第2圧着板とが摩擦材を介して互いに重合し、この
重合部分の外側間に設けた加圧機構の押圧力を付加する
ことにより、この押圧力によって該重合部分を圧着して
2つの鉄骨部材を接合するようにしたので、地震や風に
より2つの鉄骨部材間に回転方向の振動変位力が入力さ
れ、この変位力が所定値以上になると上記第1圧着板と
上記第2圧着板とはピンを中心に相対回転する。
【0059】このとき、上記摩擦材との間に、上記加圧
機構による押圧力と、第1,第2圧着板と摩擦材との間
の摩擦係数および回転中心からの距離との積によって決
定される大きな摩擦抵抗モーメントが発生され、この摩
擦抵抗モーメントによって上記2つの鉄骨部材間を制振
することができる。ここで、上記第1圧着板と上記第2
圧着板との間に、複合摩擦材料で形成された上記摩擦材
を介在したので、これら第1,第2圧着板の滑動部分の
摩擦係数を安定させて、常時ほぼ一定した摩擦抵抗モー
メントを発生させることができ、延いては、鉄骨部材間
の制振機能を向上させることができる。
【0060】また、本発明の請求項2に示す鉄骨部材の
ピン接合構造にあっては、上記摩擦材を、熱硬化型樹脂
を結合材として、アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロン
繊維,カーボンファイバー,アスベストなどの繊維材料
と、カシューダスト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バリ
ュームなどの充填剤とからなる複合摩擦材料で形成した
ので、該摩擦材が一定の摩擦係数を有する摩耗の著しく
少ない部材として形成することができる。
【0061】従って、第1圧着板と第2圧着板と摩擦材
との間の摩擦係数を常時ほぼ一定に維持し、かつ、滑動
部分の摩耗がほとんどないため加圧機構の押圧力もほぼ
一定に維持することができる。このため、上記第1,第
2圧着板間の摩擦抵抗モーメントをほぼ一定に維持でき
るため、2つの部材間の減衰力特性を安定化し、延いて
は、当初設定した制振機能を長期に亘って維持すること
ができる。
【0062】更に、本発明の請求項3に示す鉄骨部材の
ピン接合構造にあっては、上記第1圧着板を加圧機構の
押圧力作用方向に対峙する複数枚の外板で形成するとと
もに、上記第2圧着板を上記複数枚の外板間にそれぞれ
挟み込まれる中板で形成し、各外板と各中板との間にそ
れぞれ上記摩擦材を介在させたので、外板と中板との相
対回転時の摩擦抵抗モーメント発生箇所を増加して、小
さな押圧力によってもより大きな摩擦抵抗モーメントを
発生させることができる。
【0063】また、複数枚の外板のうち最外側に位置す
る外板間に上記加圧機構の押圧力を作用させたので、外
板と中板とが相対回転する際に、これら外板と中板と
を、こじれを生ずることなくスムーズに滑動させること
ができる。
【0064】更にまた、本発明の請求項4に示す鉄骨部
材のピン接合構造にあっては、上記加圧機構は、第1圧
着板と第2圧着板との重合部分を貫通するボルトと、こ
のボルトに螺合されるナットとで構成し、ナットの締付
けにより上記重合部分に軸力を付加するようにしたの
で、上記ボルトを第1圧着板と第2圧着板との回転中心
部に配置することにより、該ボルトをピンとして兼用す
ることができ、ピン接合部分の構造を簡単にすることが
できる。
【0065】また、請求項5では、上記加圧機構を、上
記第1圧着板と上記第2圧着板との重合部分を貫通し、
ナットの締付けによりこの重合部分に軸力を付加するボ
ルトと、このボルトの軸力を重合部分に付加する経路に
介在され、ボルトの軸方向変位に対して弾発力の変動が
略一定となる非線形ばね領域を備えた付勢手段とによっ
て構成し、該ボルトに所定の軸力を発生させた状態で、
該付勢手段が上記非線形ばね領域内でたわみ変形するよ
うに設定したので、第1,第2圧着板間の隙間の変動を
上記付勢手段によって吸収することができ、このときの
変動吸収によって付勢手段のたわみ量が変化した場合に
あっても、該付勢手段が非線形ばね領域内に設定されて
いるため、弾発力つまりボルトの軸力をほぼ一定に維持
することができる。
【0066】従って、回転方向の変位力が入力された際
のピン接合部に発生する反発力を、上記付勢手段により
ボルト軸力を変化することなく吸収して、音や衝撃の発
生を抑制しつつ制振機能を十分に発揮することができ
る。また、上記付勢手段の弾発力は、第1,第2圧着板
が相対回転する際の滑動面が摩耗された場合にも弾発力
をほぼ一定に維持できるため、摩擦抵抗モーメントが低
下するのを防止して当初の制振機能を永続して発揮する
ことができる。
【0067】更に、請求項6では、上記加圧機構を、第
1圧着板と第2圧着板との重合部分の外側間に跨って配
置され、かつ、一定圧に保持される液圧によって押圧力
を発生するキャリパで構成したので、押圧力を発生させ
たときに反作用でキャリパが第1,第2圧着板の積層方
向に移動して、これら第1,第2圧着板の重合部分の外
側間に等しい押圧力を作用させることができる。
【0068】また、上記押圧力は一定圧に保持される液
圧によって発生されるため、摩擦材と第1圧着板または
第2圧着板との間の摺動部分が摩耗した場合にも、一定
の押圧力を常時作用させることができる。従って、第
1,第2圧着板間の摩擦抵抗モーメントを一定にして、
接合した2つの鉄骨部材間の減衰力特性を安定化させ
て、当初の制振能力を長期に亘って維持することができ
るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すピン接合部分の要部
で、(a)は断面側面図,(b)は平面図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示すピン接合部分の要
部で、(a)は断面側面図,(b)は平面図である。
【図3】本発明の他の実施形態で用いられる付勢手段の
ばね特性図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示すピン接合部分の要
部を示す断面側面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示すピン接合部分の要
部を示す断面側面図である。
【図6】従来の鉄骨部材の接合構造を示す要部の断面図
である。
【符号の説明】
10,12,34,34a,34b,34c 外板(第
1圧着板) 14,36,36a,36b 中板(第2圧着板) 16 摩擦材 18 高力ボルト(加圧機構) 20 ナット(加圧機構) 30 皿ばね(付勢手段) 40 油圧キャリパ(加圧機構)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの鉄骨部材を互いにピン接合する構
    造にあって、一方の鉄骨部材から突設した第1圧着板
    と、他方の鉄骨部材から突設した第2圧着板とを、これ
    ら両者間に挿通したピンを中心に相対回転可能に重合す
    るとともに、これら第1圧着板と第2圧着板との重合部
    分間に複合摩擦材料で形成される摩擦材を介在し、か
    つ、第1,第2圧着板の重合部分の外側間に、これら両
    圧着板を互いに圧接する方向に押圧力を付加する加圧機
    構を設けたことを特徴とする鉄骨部材のピン接合構造。
  2. 【請求項2】 上記摩擦材は、熱硬化型樹脂を結合材と
    して、アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロン繊維,カー
    ボンファイバー,アスベストなどの繊維材料と、カシュ
    ーダスト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バリュームなど
    の充填剤とからなる複合摩擦材料で形成することを特徴
    とする請求項1に記載の鉄骨部材のピン接合構造。
  3. 【請求項3】 上記第1圧着板を加圧機構の押圧力作用
    方向に対峙する複数枚の外板で形成するとともに、上記
    第2圧着板を上記複数枚の外板間にそれぞれ挟み込まれ
    る中板で形成し、各外板と各中板との間にそれぞれ上記
    摩擦材を介在するとともに、複数枚の外板のうち最外側
    に位置する外板間に上記加圧機構の押圧力を作用させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨部材のピン接合
    構造。
  4. 【請求項4】 上記加圧機構は、第1圧着板と第2圧着
    板との重合部分を貫通するボルトと、このボルトに螺合
    されるナットとで構成し、ナットの締付けにより上記重
    合部分に軸力を付加することを特徴とする請求項1また
    は3に記載の鉄骨部材のピン接合構造。
  5. 【請求項5】 上記加圧機構は、上記第1圧着板と上記
    第2圧着板との重合部分を貫通し、ナットの締付けによ
    りこの重合部分に軸力を付加するボルトと、このボルト
    の軸力を重合部分に付加する経路に介在され、ボルトの
    軸方向変位に対して弾発力の変動が略一定となる非線形
    ばね領域を備えた付勢手段とによって構成し、該ボルト
    に所定の軸力を発生させた状態で、該付勢手段が上記非
    線形ばね領域内でたわみ変形するように設定したことを
    特徴とする請求項1または3に記載のボルト接合部の制
    振構造。
  6. 【請求項6】 上記加圧機構は、第1圧着板と第2圧着
    板との重合部分の外側間に跨って配置され、かつ、一定
    圧に保持される液圧によって押圧力を発生するキャリパ
    で構成したことを特徴とする請求項1または3に記載の
    鉄骨部材のピン接合構造。
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