JP5983105B2 - 制振構造 - Google Patents
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Description
前記摩擦ダンパーユニットは、
前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
前記第1圧接板及び前記第2圧接板に圧接される第3圧接板と、
前記第1圧接板と前記第3圧接板に圧接力を付勢する第1圧接力付勢部材により接合された第1接合部と、
前記第2圧接板と前記第3圧接板に圧接力を付勢する第2圧接力付勢部材により接合された第2接合部と、
を備え、
前記第1圧接板は、前記所定方向に長い第1貫通孔を備えて第1移動量を摺動可能とし、
前記第2圧接板は、前記第1貫通孔より前記所定方向に長い第2貫通孔を備えて第2移動量を摺動可能とし、
前記第3圧接板は、第3貫通孔及び第4貫通孔を備え、
前記第1貫通孔と前記第3貫通孔とを挿通して設けられる第1ボルト部材と、
前記第2貫通孔と前記第4貫通孔とを挿通して設けられる第2ボルト部材と、
を有し、複数の前記摩擦ダンパーユニットは、前記第1貫通孔の前記所定方向の長さを段階的にして前記第1移動量を段階的にし、複数の前記摩擦ダンパーユニットが段階的に摺動することを特徴とする制振構造である。
このような制振構造によれば、第1接合部における第1圧接板と第3圧接板との間に生ずる摩擦力と、第2接合部における第2圧接板と第3圧接板との間に生ずる摩擦力とを異ならせることができるので、荷重が大きくなるほど摩擦力が高くなるように段階的に摩擦力を変化させることができる。
このような制振構造によっても、第1接合部における第1圧接板と第3圧接板との間に生ずる摩擦力と、第2接合部における第2圧接板と第3圧接板との間に生ずる摩擦力を異ならせることができるので、荷重が大きくなるほど摩擦力が高くなるように段階的に摩擦力を変化させることができる。
前記第3圧接板の傾きを規制する傾き規制部材を備えることを特徴とする制振構造であることが望ましい。
このような制振構造によれば、第1ボルト部材が第1貫通孔に当接係合した後に、さらに所定方向に移動する力が加わると、第1ボルト部材を軸に第3圧接板が傾こうとするが、傾き規制部材を備えるので、第3圧接板の傾きを抑制することができる。
このような制振構造によれば、第3圧接板は、端部同士が互いに間隔を隔てて対向している第1圧接板と第2圧接板との間に掛け渡されているので、第1圧接板と第3圧接板とが相対移動して摩擦力が発生する部位と、第2圧接板と第3圧接板とが相対移動して摩擦力が発生する部位とを同一平面上にて配置することができる。このため、摩擦力が作用したときに、第1圧接板、第2圧接板、及び、第3圧接板にねじれが生じにくいので、より効率よく振動を抑制することができる。
このような制振構造によれば、第2圧接板と第3圧接板とが相対移動する力は、パイプ部材を介して第1圧接板から第3圧接板へと伝達されるので、第1ボルト部材をパイプ部材により保護するとともに、第1ボルト部材を圧接力の付与のみに特化させて使用でき、その健全性を高く維持することができる。
このような制振構造によれば、第2圧接板と第3圧接板とが相対移動する力がパイプ部材と第1貫通孔との係合を介して第2圧接板に伝達されるので、ボルトに剪断力を作用させることがほとんどなく、第1ボルト部材を圧接力の付与のみに特化させて使用でき、その健全性をより高く維持することができる。
このような制振構造によれば、第1圧接板と第3圧接板とのうちの一方、及び、第2圧接板と第3圧接板とのうちの一方に設けられた滑り板と、第1圧接板と第3圧接板とのうちの他方、及び、第2圧接板と第3圧接板とのうちの他方に設けられ、第1圧接板と第3圧接板、及び、第2圧接板と第3圧接板が相対移動したときに滑り板と摺動して摩擦力が生じる摩擦板と、を有しているので、第1接合部及び第2接合部がそれぞれ相対移動した際に安定した摩擦力を生じさせて制振することができる。
このような制振構造によれば、第1圧接力付勢部材と第2圧接力付勢部材は、圧力方向の変形量に対して、荷重の変動が小さい非線形ばね領域を備えた皿ばねなので、安定した圧接力を発生させることができる。特に、本接合部の制振構造では、第1圧接力付勢部材と第2圧接力付勢部材とにより付勢する圧接力を違えるために、安定した付勢力が得られる皿ばねを使用している。また、皿ばねは複数枚を重ねて使用することが可能であるので、重ねる皿ばねの数を相違させることにより、圧接力を容易に調整することができる。
このような制振構造によれば、第1圧接板及び第2圧接板を第3圧接板にて両側から挟むことにより、第3圧接板を第1圧接板及び第2圧接板に対して安定した状態にて相対移動させて安定した摩擦力を発生させることができる。
図1は、本実施形態に係る接合部の制振構造を建物の間柱に組み込んだ状態の一例を示す斜視図である。図2は、本実施形態の摩擦ダンパーユニットを正面から見た模式図である。図3は、図2におけるA−A断面図であり、図4は、図2におけるB−B断面図であり、図5Aは、図2におけるC−C断面の第1の図であり、図5Bは、図2におけるC−C断面の第2の図である。
間柱10は、上階層3と下階層5との間にて上下を架け渡し方向として配置されている。また、間柱10は、その長手方向たる前記架け渡し方向の略中央の位置において分断されており、分断された端部を利用して摩擦ダンパー20、30を形成しつつ接合されている。
図21は、間柱に適用した摩擦ダンパーユニットの別の実施形態における正面図である。図21では、上記実施形態における図2と比べると、間柱上部からの部材と間柱下部からの部材とが相対移動方向において重ならない配置となっている。そして、スプライスプレート21’’が相対移動方向に掛け渡されている。言うまでもなく、このような摩擦ダンパーユニットは、長孔の長さが符号11b1’’及び11b2’’のように異ならされて相対移動方向に複数設けられる。
11 間柱下部(第1圧接板)、
11b1 長孔(第1貫通孔)、11b2 長孔(第1貫通孔)、11c 上端部、
11d 傾き規制部材、
12 間柱上部(第2圧接板)、12a 長孔(第2貫通孔)、12c 下端部、
16 ボルト、16a 頭部、17 丸パイプ、 18 ナット、
20 上摩擦ダンパー(第2接合部)、21 スプライスプレート(第3圧接板)、
21a 丸孔、21b 丸孔、25 摩擦ダンパーユニット、26 滑動板、
28 摩擦板、30 下摩擦ダンパー(第1接合部)、45 座金、
46 ブッシュ
Claims (10)
- 建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーユニットを複数設け、該摩擦ダンパーユニットが連動して制振する制振構造であって、
前記摩擦ダンパーユニットは、
前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
前記第1圧接板及び前記第2圧接板に圧接される第3圧接板と、
前記第1圧接板と前記第3圧接板に圧接力を付勢する第1圧接力付勢部材により接合された第1接合部と、
前記第2圧接板と前記第3圧接板に圧接力を付勢する第2圧接力付勢部材により接合された第2接合部と、
を備え、
前記第1圧接板は、前記所定方向に長い第1貫通孔を備えて第1移動量を摺動可能とし、
前記第2圧接板は、前記第1貫通孔より前記所定方向に長い第2貫通孔を備えて第2移動量を摺動可能とし、
前記第3圧接板は、第3貫通孔及び第4貫通孔を備え、
前記第1貫通孔と前記第3貫通孔とを挿通して設けられる第1ボルト部材と、
前記第2貫通孔と前記第4貫通孔とを挿通して設けられる第2ボルト部材と、
を有し、複数の前記摩擦ダンパーユニットは、前記第1貫通孔の前記所定方向の長さを段階的にして前記第1移動量を段階的にし、複数の前記摩擦ダンパーユニットが段階的に摺動することを特徴とする制振構造。 - 請求項1に記載の制振構造であって、
前記第2圧接板と前記第3圧接板との間に生ずる摩擦力は、前記第1圧接板と前記第3圧接板との間に生ずる摩擦力よりも高いことを特徴とする制振構造。 - 請求項1又は請求項2に記載の制振構造であって、
前記第2接合部における付勢力は前記第1接合部における付勢力よりも高いことを特徴とする制振構造。 - 請求項1乃至請求項3に記載の制振構造であって、
前記第3圧接板の傾きを規制する傾き規制部材を備えることを特徴とする制振構造。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の制振構造であって、
前記第1圧接板と前記第2圧接板は、端部同士が互いに間隔を隔てて対向しており、
前記第3圧接板は、前記第1圧接板と前記第2圧接板との間に掛け渡されていることを特徴とする制振構造。 - 請求項1乃至請求項5に記載のいずれかに記載の制振構造であって、
前記第1ボルト部材は、パイプ部材に挿通して設けられ、
前記第2圧接板と前記第3圧接板とが相対移動する力は、前記パイプ部材を介して前記第2接合部に伝達されることを特徴とする制振構造。 - 請求項6に記載の制振構造であって、
前記第1接合部にて前記パイプ部材が前記第1貫通孔と係合することにより、前記第2圧接板と前記第3圧接板とが相対移動する力が前記第3圧接板に伝達されることを特徴とする制振構造。 - 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の制振構造であって、
前記第1圧接板と前記第3圧接板とのうちの一方、及び、前記第2圧接板と前記第3圧接板とのうちの一方に設けられた滑り板と、
前記第1圧接板と前記第3圧接板とのうちの他方、及び、前記第2圧接板と前記第3圧接板とのうちの他方に設けられ、前記第1圧接板と前記第3圧接板、及び、前記第2圧接板と前記第3圧接板が相対移動したときに前記滑り板と摺動して前記摩擦力が生じる摩擦板と、
を有していることを特徴とする制振構造。 - 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の制振構造であって、
前記第1圧接力付勢部材及び前記第2圧接力付勢部材は皿ばねであり、
前記第1接合部にて付勢する前記圧接力、及び、前記第2接合部にて付勢する前記圧接力は、前記皿ばねにより調整されることを特徴とする制振構造。 - 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の制振構造であって、
前記第3圧接板は、前記第1圧接板及び前記第2圧接板を挟んで両側に設けられていることを特徴とする制振構造。
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