JP5502912B2 - 工作機械の熱変位補正装置 - Google Patents
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Description
本発明は、工作機械における熱変位補正装置に関し、特に補正誤差に基づく熱変位補正量の調整を熱変位の変化状態に対応して行い、精度良く熱変位を補正する装置に関する。
工作機械において、送りねじや主軸はモータによって駆動されることから、モータの発熱、軸受の回転による摩擦熱、送りねじのボールねじとボールナットの係合部の摩擦熱によって、主軸や送りねじは膨張し機械位置が変位する。すなわち、位置決めすべきワークと工具の相対位置関係にずれが生じる。この熱による機械位置の変位は、精度の高い加工を行う場合に問題となる。
この熱による機械位置の変位を除去するため、従来、温度センサを用いず簡易で低コストで熱変位を補正する技術、変位センサや温度センサを用い検出変位や検出温度に基いて指令位置を補正する技術、あるいは、送りねじに初期張力を与え、熱による膨張の影響を受けない構造が用いられている。
この熱による機械位置の変位を除去するため、従来、温度センサを用いず簡易で低コストで熱変位を補正する技術、変位センサや温度センサを用い検出変位や検出温度に基いて指令位置を補正する技術、あるいは、送りねじに初期張力を与え、熱による膨張の影響を受けない構造が用いられている。
特許文献1に開示される技術は、センサを必要とせず、簡易で低コストで熱変位を補正することができるという特徴がある。送り軸の位置を検出し、検出した位置から平均移動速度を求め、それに基づいて、送り軸の全ストロークを分割した各区間について、発熱、放熱、及び隣接する区間から熱伝導で伝わる発熱による熱変位量を区間毎に推定し、各区間の熱変位量を基準点から補正位置まで加算するため、送りねじの各位置における熱変位の分布を推定することができ、どの位置においても精度良く補正を行うことができる。また、送りねじだけではなく、主軸や主軸モータの発熱による熱変位も加味して精度良く熱変位を補正することができる。さらに、推定した熱変位量(補正量)と実際の機械位置とのずれ量(補正誤差)に基づいて、熱変位量計算式における発熱係数を修正して、より正確な補正を行うことができる。
また、特許文献2には、温度センサを使用し、温度センサで検出した温度に基づいて、温度が飽和した定常状態と、主軸の回転数が変化した後の過渡状態とで、主軸の熱変位の推定方法を変更する技術が開示されている。
工作機械を駆動すると、主軸や送り軸は発熱による温度上昇のため急激に伸び、その後発熱と放熱のバランスがとれるにつれて伸びの増加量は鈍化し、ほぼ一定となる。一方、駆動を停止したり速度を低下したりすると、放熱によって縮む。このように、工作機械の熱変位量の変化は、<1>発熱により熱変位量が増加する状態(発熱状態)、<2>発熱と放熱とが釣り合ってほぼ一定となる状態(定常状態)、<3>放熱により熱変位量が減少する状態(放熱状態)、という3つの状態に分けることができる。(図1参照)
特許文献1には、補正誤差を用いて熱変位量計算式の発熱係数を修正する方法が記載されているが、計算式には他にも係数(放熱係数や隣接区間からの熱伝導を算出する熱伝導係数)が含まれるため、補正の精度をさらに向上させるには、発熱係数を修正しただけでは不十分な場合がある。また、前記の状態(発熱状態、定常状態、放熱状態)の区別なしに係数の修正が行われるが、補正誤差はこれらの状態ですべて同程度であるとは限らない。例えば図2のように、定常状態では実際の熱変位量と算出した熱変位量がほぼ一致しているものの、発熱状態や放熱状態では実際の熱変位量と算出した熱変位量とにある程度の差がある場合がある。このような場合、特許文献1では、補正誤差が発生した状態と異なる状態においては、必ずしも適切な補正を行うことはできない。
特許文献1には、補正誤差を用いて熱変位量計算式の発熱係数を修正する方法が記載されているが、計算式には他にも係数(放熱係数や隣接区間からの熱伝導を算出する熱伝導係数)が含まれるため、補正の精度をさらに向上させるには、発熱係数を修正しただけでは不十分な場合がある。また、前記の状態(発熱状態、定常状態、放熱状態)の区別なしに係数の修正が行われるが、補正誤差はこれらの状態ですべて同程度であるとは限らない。例えば図2のように、定常状態では実際の熱変位量と算出した熱変位量がほぼ一致しているものの、発熱状態や放熱状態では実際の熱変位量と算出した熱変位量とにある程度の差がある場合がある。このような場合、特許文献1では、補正誤差が発生した状態と異なる状態においては、必ずしも適切な補正を行うことはできない。
また、特許文献2に開示された技術は、定常状態と過渡状態とで熱変位の推定方法を変えることにより、運転条件が変化した場合でも正確に熱変位を補正することを目的としている。しかし、過渡状態には熱変位が増加する場合(発熱状態)と減少する場合(放熱状態)があり、この両者で熱変位の変化の程度が同じであるとは限らない。そのような場合は補正誤差が発生することになる。補正誤差が発生した場合の対処方法については開示されていない。また、センサを用いているため、コストが嵩む、センサをクーラントや切粉から保護し信頼性を確保する必要がある、などの問題がある。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、熱変位補正量の調整を、発熱状態、定常状態、あるいは放熱状態のいずれの状態においても適切に行い、精度良く熱変位を補正することが可能な工作機械の熱変位補正装置を目的とする。
本願の請求項1に係る発明は、工作機械の駆動または停止に伴う発熱または放熱により発生し時間と共に変化する熱変位量を演算する熱変位量演算部と、前記熱変位量演算部によって演算した熱変位量に係数を乗算して熱変位補正量を演算する熱変位補正量演算部と、送り軸の位置指令に対して該熱変位補正量を加えることによって補正を行う補正部とを有する工作機械の熱変位補正装置において、前記熱変位量演算部によって第1の所定時間毎に、前回演算した熱変位量と現在の熱変位量との変化量を求め、該変化量および変化量の閾値に基づいて複数の熱変位量変化状態を識別する熱変位状態識別部と、前記熱変位状態識別部によって識別した状態に基づいて前記係数を演算する係数演算部とを有することを特徴とする工作機械の熱変位補正装置である。
なお、後述するステップSA01は、「工作機械の駆動または停止に伴う発熱または放熱により発生し時間と共に変化する熱変位量を演算する熱変位量演算部」に対応し、ステップSA04は、「前記熱変位量演算部によって演算した熱変位量に係数を乗算して熱変位補正量を演算する熱変位補正量演算部」に対応し、ステップSA03は、「前記熱変位量演算部によって第1の所定時間毎に、前回演算した熱変位量と現在の熱変位量との変化量を求め、該変化量および変化量の閾値に基づいて複数の熱変位量変化状態を識別する熱変位状態識別部」に対応し、ステップSA05は、「送り軸の位置指令に対して該熱変位補正量を加えることによって補正を行う補正部」に対応する。ステップSD04は、「前記熱変位状態識別部によって識別した状態に基づいて前記係数を演算する係数演算部」に対応する。
なお、後述するステップSA01は、「工作機械の駆動または停止に伴う発熱または放熱により発生し時間と共に変化する熱変位量を演算する熱変位量演算部」に対応し、ステップSA04は、「前記熱変位量演算部によって演算した熱変位量に係数を乗算して熱変位補正量を演算する熱変位補正量演算部」に対応し、ステップSA03は、「前記熱変位量演算部によって第1の所定時間毎に、前回演算した熱変位量と現在の熱変位量との変化量を求め、該変化量および変化量の閾値に基づいて複数の熱変位量変化状態を識別する熱変位状態識別部」に対応し、ステップSA05は、「送り軸の位置指令に対して該熱変位補正量を加えることによって補正を行う補正部」に対応する。ステップSD04は、「前記熱変位状態識別部によって識別した状態に基づいて前記係数を演算する係数演算部」に対応する。
請求項2に係る発明は、前記熱変位補正量演算部により算出した熱変位補正量と、該熱変位補正量を算出した時刻と、前記熱変位状態識別部により識別した状態を第2の所定時間毎にメモリに保存する熱変位補正量履歴部と、前記熱変位補正量履歴部によりメモリに保存された熱変位補正量と該熱変位補正量を算出した時刻とから熱変位補正量の時間変化を工作機械の画面にグラフ表示する熱変位補正量時間変化表示部と、前記熱変位補正量履歴部によりメモリに保存された熱変位補正量に前記係数演算部により求めた係数を適用して演算した予測熱変位補正量を該熱変位補正量時間変化表示部により表示したグラフ上に表示する予測熱変位補正量表示部を有することを特徴とする請求項1に記載の工作機械の熱変位補正装置である。
ステップSC05は、「前記熱変位補正量演算部により算出した熱変位補正量と、該熱変位補正量を算出した時刻と、前記熱変位状態識別部により識別した状態を第2の所定時間毎にメモリに保存する熱変位補正量履歴部」に対応する。
ステップSC05は、「前記熱変位補正量演算部により算出した熱変位補正量と、該熱変位補正量を算出した時刻と、前記熱変位状態識別部により識別した状態を第2の所定時間毎にメモリに保存する熱変位補正量履歴部」に対応する。
本発明により、熱変位補正量の調整を、発熱状態、定常状態、あるいは放熱状態のいずれの状態においても適切に行い、精度良く熱変位を補正することが可能な工作機械の熱変位補正装置を提供できる。
そして、請求項1に係る発明によって、熱変位状態識別部により熱変位量変化状態を識別し、係数演算部と熱変位補正量演算部によりその状態に応じて熱変位補正量を調整することができるため、それぞれの状態に応じた適切な補正を行うことができる効果を持つ。また、熱変位状態識別部は、熱変位量演算部によって演算した熱変位量の変化量を求め、それに基づいて複数の熱変位量変化状態を識別するようにしたため、熱変位量変化状態を識別するためのセンサを必要とせず、そのためセンサを付加するためのコストが掛からず、センサをクーラントや切粉から保護し信頼性を確保する必要もなく、安価に信頼性を損なわずに熱変位補正の高精度化を実現できる効果を持つ。
また、請求項2に係る発明は、熱変位補正量時間変化表示部と予測熱変位補正量表示部とにより、係数更新後の熱変位補正量の目安を容易に把握することができる効果を持つ。
そして、請求項1に係る発明によって、熱変位状態識別部により熱変位量変化状態を識別し、係数演算部と熱変位補正量演算部によりその状態に応じて熱変位補正量を調整することができるため、それぞれの状態に応じた適切な補正を行うことができる効果を持つ。また、熱変位状態識別部は、熱変位量演算部によって演算した熱変位量の変化量を求め、それに基づいて複数の熱変位量変化状態を識別するようにしたため、熱変位量変化状態を識別するためのセンサを必要とせず、そのためセンサを付加するためのコストが掛からず、センサをクーラントや切粉から保護し信頼性を確保する必要もなく、安価に信頼性を損なわずに熱変位補正の高精度化を実現できる効果を持つ。
また、請求項2に係る発明は、熱変位補正量時間変化表示部と予測熱変位補正量表示部とにより、係数更新後の熱変位補正量の目安を容易に把握することができる効果を持つ。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図3は工作機械の数値制御装置の要部を示す機能ブロック図である。数値制御装置10のプロセッサ(CPU)11は、数値制御装置10を全体的に制御するプロセッサである。プロセッサ11は、ROM12に格納されたシステムプログラムをバス21を介して読み出し、このシステムプログラムに従って数値制御装置10を全体的に制御する。RAM13には一時的な計算データや表示データ及びLCD/MDIユニット70を介してオペレータが入力した各種データ等が格納される。
図3は工作機械の数値制御装置の要部を示す機能ブロック図である。数値制御装置10のプロセッサ(CPU)11は、数値制御装置10を全体的に制御するプロセッサである。プロセッサ11は、ROM12に格納されたシステムプログラムをバス21を介して読み出し、このシステムプログラムに従って数値制御装置10を全体的に制御する。RAM13には一時的な計算データや表示データ及びLCD/MDIユニット70を介してオペレータが入力した各種データ等が格納される。
SRAM14は図示しないバッテリでバックアップされ、数値制御装置10の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成され、初期位置を測定するプログラムや工作機械の熱変位補正を行うプログラム、インタフェース15を介して読み込まれた後述する加工プログラム、LCD/MDIユニット70を介して入力された加工プログラム等が記憶されるようになっている。また、ROM12には、加工プログラムの作成及び編集のために必要とされる編集モードの処理や自動運転のための処理を実施するための各種のシステムプログラムがあらかじめ書き込まれている。
インタフェース15は数値制御装置10に接続可能な外部機器のためのインタフェースであり、外部記憶装置などの外部機器72が接続される。外部記憶装置からは加工プログラム、熱変位測定プログラムなどが読み込まれる。PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)16は、数値制御装置10に内蔵されたシーケンスプログラムで工作機械側の補助装置等を制御する。すなわち、加工プログラムで指令されたM機能、S機能及びT機能に従って、これらシーケンスプログラムで補助装置側で必要な信号を変換し、I/Oユニット17から補助装置側に出力する。この出力信号により各種アクチュエータ等の補助装置が作動する。また、工作機械の本体に配備された操作盤の各種スイッチ等の信号を受け、必要な処理をしてプロセッサ11に渡す。
工作機械の各軸の現在位置、アラーム、パラメータ、画像データ等の画像信号はLCD/MDIユニット70に送られ、そのディスプレイに表示される。LCD/MDIユニット70はディスプレイやキーボード等を備えた手動データ入力装置であり、インタフェース18はLCD/MDIユニット70のキーボードからデータを受けてプロセッサ11に渡す。
インタフェース19は手動パルス発生器71に接続され、手動パルス発生器71は工作機械の操作盤に実装され、手動操作に基づく分配パルスによる各軸制御で工作機械の可動部を精密に位置決めするために使用される。
インタフェース19は手動パルス発生器71に接続され、手動パルス発生器71は工作機械の操作盤に実装され、手動操作に基づく分配パルスによる各軸制御で工作機械の可動部を精密に位置決めするために使用される。
工作機械のテーブルTを移動させるX,Y軸の軸制御回路及びZ軸の制御回路30〜32はプロセッサ11からの各軸の移動指令を受けて、各軸の指令をサーボアンプ40〜42に出力する。サーボアンプ40〜42はこの指令を受けて工作機械の各軸のサーボモータ50〜52を駆動する。各軸のサーボモータ50〜52には位置検出用のパルスコーダが内蔵されており、このパルスコーダからの位置信号がパルス列としてフィードバックされる。
スピンドル制御回路60は、工作機械への主軸回転指令を受け、スピンドルアンプ61にスピンドル速度信号を出力する。スピンドルアンプ61はこのスピンドル速度信号を受けて、工作機械の主軸モータ62を指令された回転速度で回転させ、工具を駆動する。
主軸モータ62には歯車あるいはベルト等でポジションコーダ63が結合され、ポジションコーダ63が主軸の回転に同期して帰還パルスを出力し、その帰還パルスはインタフェース20を経由してプロセッサ11によって読み取られる。65は現在時刻に同期するように調整された時計回路である。
2.<熱変位量の推定と補正>
まず、熱変位量の算出と補正について説明する(図4参照)。
2.1<熱変位量の算出>(図4のステップSA01を参照)
例えば特許文献1に開示された方法と同様にして、送り軸の熱変位量Dを算出する。なお、熱変位量Dの算出方法はこれに限らず、送り軸の各部の温度や位置の測定から求める方法などでもよい。
まず、熱変位量の算出と補正について説明する(図4参照)。
2.1<熱変位量の算出>(図4のステップSA01を参照)
例えば特許文献1に開示された方法と同様にして、送り軸の熱変位量Dを算出する。なお、熱変位量Dの算出方法はこれに限らず、送り軸の各部の温度や位置の測定から求める方法などでもよい。
2.2<熱変位量変化状態の識別>(図4のステップSA03、図5を参照)
第1の所定時間毎(図4のステップSA02を参照)に、前記算出した各軸の熱変位量Dに基づいて、熱変位量変化状態nを識別する。まず、熱変位量Dの変化量ΔD(前回算出した熱変位量と今回算出した熱変位量との差)を軸毎に算出する。前記熱変位量の変化量ΔDが予め定めた閾値以下であれば定常状態と判断し、予め定めた閾値より大きくかつ熱変位量Dが増加していれば発熱状態と判断し、それ以外の場合は放熱状態と判断する。前記熱変位量変化状態nを、各軸の熱変位量Dおよびそれを算出した時刻と共にメモリに保存する。なお、各軸の熱変位量の変化量ΔDを算出する代わりに、いずれかの軸の熱変位量Dの変化量ΔDを算出し、それを全軸共通に使用してもよい。
第1の所定時間毎(図4のステップSA02を参照)に、前記算出した各軸の熱変位量Dに基づいて、熱変位量変化状態nを識別する。まず、熱変位量Dの変化量ΔD(前回算出した熱変位量と今回算出した熱変位量との差)を軸毎に算出する。前記熱変位量の変化量ΔDが予め定めた閾値以下であれば定常状態と判断し、予め定めた閾値より大きくかつ熱変位量Dが増加していれば発熱状態と判断し、それ以外の場合は放熱状態と判断する。前記熱変位量変化状態nを、各軸の熱変位量Dおよびそれを算出した時刻と共にメモリに保存する。なお、各軸の熱変位量の変化量ΔDを算出する代わりに、いずれかの軸の熱変位量Dの変化量ΔDを算出し、それを全軸共通に使用してもよい。
2.3<熱変位補正量の算出>(図4のステップSA04、図6を参照)
前記算出した熱変位量Dに前記熱変位量変化状態nに応じた後述の係数En(3.2参照)を乗算し、それを打ち消す量を熱変位補正量δとして軸毎に算出する。前記算出した各軸の熱変位補正量δを、算出した時刻および熱変位量変化状態nと共に所定時間毎にメモリに保存する。
前記算出した熱変位量Dに前記熱変位量変化状態nに応じた後述の係数En(3.2参照)を乗算し、それを打ち消す量を熱変位補正量δとして軸毎に算出する。前記算出した各軸の熱変位補正量δを、算出した時刻および熱変位量変化状態nと共に所定時間毎にメモリに保存する。
2.4<熱変位の補正>(図4のステップSA05を参照)
公知の方法により、熱変位Ldを補正する。例えば、特許文献1に示されるように、送り軸の位置指令に対して熱変位補正量δを加えることによって補正を行う。その他、座標系をシフトするなど他の方法でもよい。
公知の方法により、熱変位Ldを補正する。例えば、特許文献1に示されるように、送り軸の位置指令に対して熱変位補正量δを加えることによって補正を行う。その他、座標系をシフトするなど他の方法でもよい。
3.熱変位量変化状態に応じた係数の算出(図7参照)
熱変位補正量を算出する際に用いる係数の算出方法を説明する。
3.1<補正誤差の測定>
熱変位Ldの補正を行った状態で機械上の所定の箇所を測定するか、または熱変位Ldの補正を行った状態で加工した工作物の所定位置を測定することにより、各軸方向の補正誤差εを求める。機械上の所定の箇所を測定する場合は、測定結果から求められる各軸方向の補正誤差ε、測定した時刻をメモリに保存する。加工済みの工作物の所定位置を測定する場合は、測定結果から求められる各軸方向の補正誤差ε、工作物を加工した時刻をメモリに保存する。また、機械上の所定の箇所を測定した場合の測定時刻または加工済みの工作物の所定位置を測定した場合の工作物を加工した時刻(以降、補正誤差εに対応する時刻とする)と前記メモリに保存した熱変位量変化状態nと時刻(図5のステップSB10を参照))から、求めた補正誤差εが発生した時の熱変位量変化状態nを識別し、同じくメモリに保存する。なお、加工済みの工作物の所定位置は現在加工している部位とは異なる部位を測定し、その部位を加工しているときの熱変位の評価を行うことに用いることができる。
熱変位補正量を算出する際に用いる係数の算出方法を説明する。
3.1<補正誤差の測定>
熱変位Ldの補正を行った状態で機械上の所定の箇所を測定するか、または熱変位Ldの補正を行った状態で加工した工作物の所定位置を測定することにより、各軸方向の補正誤差εを求める。機械上の所定の箇所を測定する場合は、測定結果から求められる各軸方向の補正誤差ε、測定した時刻をメモリに保存する。加工済みの工作物の所定位置を測定する場合は、測定結果から求められる各軸方向の補正誤差ε、工作物を加工した時刻をメモリに保存する。また、機械上の所定の箇所を測定した場合の測定時刻または加工済みの工作物の所定位置を測定した場合の工作物を加工した時刻(以降、補正誤差εに対応する時刻とする)と前記メモリに保存した熱変位量変化状態nと時刻(図5のステップSB10を参照))から、求めた補正誤差εが発生した時の熱変位量変化状態nを識別し、同じくメモリに保存する。なお、加工済みの工作物の所定位置は現在加工している部位とは異なる部位を測定し、その部位を加工しているときの熱変位の評価を行うことに用いることができる。
3.2<係数(En)の算出>
補正誤差εに対応する時刻における熱変位補正量δを求める。前記メモリ(図6のステップSC05を参照)から熱変位補正量δを算出した時刻を読み出し、補正誤差εに対応する時刻と一致した時刻があれば、それに対応する熱変位補正量δを読み出す。補正誤差εに対応する時刻と一致した時刻がない場合は、前記メモリから補正誤差εに対応する時刻の直前の時刻と直後の時刻を読み出し、それぞれの時刻に対応する熱変位補正量δを読み出し、それぞれの時刻の間では熱変位補正量δは直線的に変化していたと近似して、補正誤差εに対応する時刻における熱変位補正量δを求める。これを各軸について求める。
補正誤差εに対応する時刻における熱変位補正量δを求める。前記メモリ(図6のステップSC05を参照)から熱変位補正量δを算出した時刻を読み出し、補正誤差εに対応する時刻と一致した時刻があれば、それに対応する熱変位補正量δを読み出す。補正誤差εに対応する時刻と一致した時刻がない場合は、前記メモリから補正誤差εに対応する時刻の直前の時刻と直後の時刻を読み出し、それぞれの時刻に対応する熱変位補正量δを読み出し、それぞれの時刻の間では熱変位補正量δは直線的に変化していたと近似して、補正誤差εに対応する時刻における熱変位補正量δを求める。これを各軸について求める。
補正誤差εに対応する時刻における熱変位補正量δに対する補正誤差εの割合、および補正誤差発生時の熱変位量変化状態nから、係数Enを更新する(En´=En×(1+(ε/δ)))。この係数En’を各軸について求める。また、各係数について、更新後と更新前の係数の比をメモリに保存する。前記更新後の係数を新たな係数とし(En=En´)、メモリに保存する。これにより、次回の熱変位補正量の算出から新しい係数が反映される。なお、nは熱変位量変化状態を表す。たとえば、n=1で発熱状態、n=2で定常状態、n=3で放熱状態を意味するように割り当てる。なお、係数Enの初期値が熱変位量変化状態nのそれぞれに対応して予めメモリに記憶される。
図4は熱変位量の算出と補正の処理を説明するフローチャートである。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSA01]熱変位量Dを算出する。
●[ステップSA02]第1の所定時間が経過したか否か判断し、経過した場合にはステップSA03へ移行し、経過していない場合にはステップSA04へ移行する。なお、第1の所定時間は任意に設定してよい。
●[ステップSA03]熱変位量変化状態nの識別を行う。
●[ステップSA04]熱変位補正量δを算出する。
●[ステップSA05]熱変位Ldの補正を行い、処理を終了する。
●[ステップSA01]熱変位量Dを算出する。
●[ステップSA02]第1の所定時間が経過したか否か判断し、経過した場合にはステップSA03へ移行し、経過していない場合にはステップSA04へ移行する。なお、第1の所定時間は任意に設定してよい。
●[ステップSA03]熱変位量変化状態nの識別を行う。
●[ステップSA04]熱変位補正量δを算出する。
●[ステップSA05]熱変位Ldの補正を行い、処理を終了する。
図5は熱変位量変化状態の識別のフローチャートである。図4に示したフローチャートの処理により、所定の時間毎に算出した各軸の熱変位量とその熱変位量を算出した時刻に基づいて熱変位量変化状態を識別する。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSB01]前回算出した各軸の熱変位量D0をメモリから読み出す。
●[ステップSB02]今回算出した各軸の熱変位量Dをメモリから読み出す。
●[ステップSB03]今回算出した各軸の熱変位量Dと前回算出した各軸の熱変位量D0との差(ΔD=D−D0)を算出する。
●[ステップSB04]ステップSB03で算出した各軸の熱変位量の差ΔDが予め設定された第1の閾値(ThrA)以下であるか否か判断し、各軸の熱変位量が予め定めた第1の閾値以下であればステップSB05へ移行し、以下でなければステップSB06へ移行する。
●[ステップSB05]定常状態と判断する。
●[ステップSB06]各軸の熱変位量の差(ΔD)が0より大きいか否か判断し、0より大きい場合にはステップSB07へ移行し、0より大きくなければステップSB08へ移行する。
●[ステップSB07]発熱状態と判断する。
●[ステップSB08]放熱状態と判断する。
●[ステップSB09]前回算出した各軸の熱変位量(D0)を今回算出した各軸の熱変位量(D)に置き換える。
●[ステップSB10]各軸の熱変位量、熱変位量を算出した時刻、熱変位量変化状態をメモリに保存して、処理を終了する。
●[ステップSB01]前回算出した各軸の熱変位量D0をメモリから読み出す。
●[ステップSB02]今回算出した各軸の熱変位量Dをメモリから読み出す。
●[ステップSB03]今回算出した各軸の熱変位量Dと前回算出した各軸の熱変位量D0との差(ΔD=D−D0)を算出する。
●[ステップSB04]ステップSB03で算出した各軸の熱変位量の差ΔDが予め設定された第1の閾値(ThrA)以下であるか否か判断し、各軸の熱変位量が予め定めた第1の閾値以下であればステップSB05へ移行し、以下でなければステップSB06へ移行する。
●[ステップSB05]定常状態と判断する。
●[ステップSB06]各軸の熱変位量の差(ΔD)が0より大きいか否か判断し、0より大きい場合にはステップSB07へ移行し、0より大きくなければステップSB08へ移行する。
●[ステップSB07]発熱状態と判断する。
●[ステップSB08]放熱状態と判断する。
●[ステップSB09]前回算出した各軸の熱変位量(D0)を今回算出した各軸の熱変位量(D)に置き換える。
●[ステップSB10]各軸の熱変位量、熱変位量を算出した時刻、熱変位量変化状態をメモリに保存して、処理を終了する。
ここで、図5のフローチャートを補足して説明する。
ステップSB03では、各軸の熱変位量の変化量ΔDを算出したが、各軸の熱変位量の変化量を算出する代わりに、いずれかの軸の熱変位量の変化量を算出し、それを全軸共通に使用してもよい。
ステップSB03では、各軸の熱変位量の変化量ΔDを算出したが、各軸の熱変位量の変化量を算出する代わりに、いずれかの軸の熱変位量の変化量を算出し、それを全軸共通に使用してもよい。
熱変位量変化状態を定常状態(ステップSB05)、発熱状態(ステップSB07)、放熱状態(ステップSB08)の3つの状態に識別したが、熱変位量変化状態を識別するための閾値を複数設けて、さらに多くの状態に区分することもできる。例えば、閾値を2つ設けることにより、発熱状態および放熱状態をそれぞれ2つに区分することができる。まず、第1の閾値(ThrA)より第2の閾値(ThrB)の方が大きいとし、第1の閾値(ThrA)を用いて、上記のように熱変位量変化状態を発熱状態、定常状態、放熱状態の3つの状態に識別する。第2の閾値(ThrB)を用いて、熱変位量の変化量が第1の閾値(ThrA)より大きく第2の閾値(ThrB)以下でかつ熱変位量が増加していれば発熱状態AA、熱変位量の変化量が第2の閾値(ThrB)より大きくかつ熱変位量が増加していれば発熱状態BBというように、発熱状態を2つに区分する。放熱状態も同様に2つに区分することができる。
図6は熱変位補正量算出のフローチャートである。図4のフローチャートの処理により算出した熱変位量Dに、図5のフローチャートの処理により判別された熱変位量変化状態nに応じた係数Enを乗算し、それを打ち消す量を熱変位補正量δとして各軸算出する。前記算出した各軸の熱変位補正量δを、算出した時刻および熱変位量変化状態nと共に所定時間毎にメモリに保存する。
以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSC01]現在の熱変位量変化状態nをメモリから読み出す。
●[ステップSC02]熱変位量変化状態nに対応する係数Enをメモリから読み出す。
●[ステップSC03]熱変位量Dに係数Enを乗算し、それを打ち消す量を熱変位補正量δとする。
●[ステップSC04]第2の所定時間が経過したか否か判断し、所定時間が経過した場合にはステップSC05へ移行し、所定時間が経過していない場合には処理を終了する。なお、第2の所定時間は任意に設定してよい。
●[ステップSC05]熱変位補正量δとその算出時刻、熱変位量変化状態nをメモリに保存し、処理を終了する。
●[ステップSC01]現在の熱変位量変化状態nをメモリから読み出す。
●[ステップSC02]熱変位量変化状態nに対応する係数Enをメモリから読み出す。
●[ステップSC03]熱変位量Dに係数Enを乗算し、それを打ち消す量を熱変位補正量δとする。
●[ステップSC04]第2の所定時間が経過したか否か判断し、所定時間が経過した場合にはステップSC05へ移行し、所定時間が経過していない場合には処理を終了する。なお、第2の所定時間は任意に設定してよい。
●[ステップSC05]熱変位補正量δとその算出時刻、熱変位量変化状態nをメモリに保存し、処理を終了する。
次に、図7を用いて、熱変位量変化状態に応じた係数の算出を説明する。図7は係数(En)算出のフローチャートである。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSD01]補正誤差εを求め、メモリに保存する。
●[ステップSD02]補正誤差εに対応する時刻、熱変位量変化状態nをメモリに保存する。
●[ステップSD03]補正誤差εに対応する時刻における熱変位補正量δを求める。
●[ステップSD04]熱変位補正量δ、補正誤差ε、熱変位量変化状態nから、係数Enを更新する。
●[ステップSD05]更新前後の係数の比(En’/En)をメモリに保存する。
●[ステップSD06]更新後の係数を新たな係数とし(En=En’)、メモリに保存する。
●[ステップSD01]補正誤差εを求め、メモリに保存する。
●[ステップSD02]補正誤差εに対応する時刻、熱変位量変化状態nをメモリに保存する。
●[ステップSD03]補正誤差εに対応する時刻における熱変位補正量δを求める。
●[ステップSD04]熱変位補正量δ、補正誤差ε、熱変位量変化状態nから、係数Enを更新する。
●[ステップSD05]更新前後の係数の比(En’/En)をメモリに保存する。
●[ステップSD06]更新後の係数を新たな係数とし(En=En’)、メモリに保存する。
図8は熱変位補正量の時間変化表示と係数更新後の予測表示を説明する図である。図8には、LCD/MDIユニット70の表示画面に、係数更新前の熱変位補正量の時間変化表示と、係数更新後の熱変位補正量の時間変化が表示されるとともに、グラフ更新などの入力指示を行うタッチスイッチが表示されている。
本発明の実施形態において、図6のフローチャートのステップSC05の処理(熱変位補正量履歴部)でメモリに保存された熱変位補正量と該熱変位補正量を算出した時刻とから熱変位補正量の時間変化を工作機械の画面にグラフ表示する熱変位補正量時間変化表示部と、前記熱変位補正量履歴部によりメモリに保存された熱変位補正量に前記係数演算部により求めた係数を適用して演算した予測熱変位補正量を該熱変位補正量時間変化表示部により表示したグラフ上に表示する予測熱変位補正量表示部の機能を備えるようにしてもよい。
<熱変位補正量のグラフ表示>
<1> 熱変位補正量の時間変化表示
前記メモリに保存した各軸の熱変位補正量δをメモリから読み出し、画面に時刻対熱変位補正量δのグラフとして表示する(熱変位補正量の時間変化表示)。また、発熱状態、定常状態、放熱状態がそれぞれ視覚的に識別できるように色を変えて、または線種を変えて表示するとよい。
<1> 熱変位補正量の時間変化表示
前記メモリに保存した各軸の熱変位補正量δをメモリから読み出し、画面に時刻対熱変位補正量δのグラフとして表示する(熱変位補正量の時間変化表示)。また、発熱状態、定常状態、放熱状態がそれぞれ視覚的に識別できるように色を変えて、または線種を変えて表示するとよい。
<2> 係数更新後の熱変位補正量の予測表示
熱変位補正量δの時間変化表示において、係数Enを更新した際に、各軸の各熱変位量変化状態n毎に求めた係数Enの更新前後の比(En’/En)と熱変位補正量δを乗算することにより、係数Enの更新後の熱変位補正量の予測値を求め、熱変位補正量の時間変化表示に予測熱変位補正量を重ね合わせて表示する。これにより、係数更新後の熱変位補正量の目安を容易に把握することができる。
熱変位補正量δの時間変化表示において、係数Enを更新した際に、各軸の各熱変位量変化状態n毎に求めた係数Enの更新前後の比(En’/En)と熱変位補正量δを乗算することにより、係数Enの更新後の熱変位補正量の予測値を求め、熱変位補正量の時間変化表示に予測熱変位補正量を重ね合わせて表示する。これにより、係数更新後の熱変位補正量の目安を容易に把握することができる。
上述したように、本発明の実施形態により、熱変位を補正して補正誤差が生じた場合の熱変位補正量の調整において、熱変位量変化状態を識別して、その状態に応じて熱変位補正量を調整することができるため、いずれの状態においてもより正確な熱変位補正が可能となる。
また、センサを付加することなく熱変位量変化状態の識別を行うため、センサを付加するためのコストが掛からず、センサをクーラントや切粉から保護し信頼性を確保する必要もなく、安価に信頼性を損なわずに熱変位補正の高精度化を実現できる。
さらに、熱変位補正量の時間変化と、熱変位量変化状態毎に求めた係数による予測熱変位補正量を工作機械の画面に表示できるため、係数更新後の熱変位補正量の目安を容易に把握することができる。
また、センサを付加することなく熱変位量変化状態の識別を行うため、センサを付加するためのコストが掛からず、センサをクーラントや切粉から保護し信頼性を確保する必要もなく、安価に信頼性を損なわずに熱変位補正の高精度化を実現できる。
さらに、熱変位補正量の時間変化と、熱変位量変化状態毎に求めた係数による予測熱変位補正量を工作機械の画面に表示できるため、係数更新後の熱変位補正量の目安を容易に把握することができる。
n 熱変位量変化状態
Ld 熱変位
D 熱変位量
ε 補正誤差
δ 熱変位補正量
En 熱変位量変化状態に対応する係数
En’ 更新後の熱変位量変化状態に対応する係数
Ld 熱変位
D 熱変位量
ε 補正誤差
δ 熱変位補正量
En 熱変位量変化状態に対応する係数
En’ 更新後の熱変位量変化状態に対応する係数
Claims (2)
- 工作機械の駆動または停止に伴う発熱または放熱により発生し時間と共に変化する熱変位量を演算する熱変位量演算部と、
前記熱変位量演算部によって演算した熱変位量に係数を乗算して熱変位補正量を演算する熱変位補正量演算部と、
送り軸の位置指令に対して該熱変位補正量を加えることによって補正を行う補正部とを有する工作機械の熱変位補正装置において、
前記熱変位量演算部によって第1の所定時間毎に、前回演算した熱変位量と現在の熱変位量との変化量を求め、該変化量および変化量の閾値に基づいて複数の熱変位量変化状態を識別する熱変位状態識別部と、
前記熱変位状態識別部によって識別した状態に基づいて前記係数を演算する係数演算部とを有することを特徴とする工作機械の熱変位補正装置。 - 前記熱変位補正量演算部により算出した熱変位補正量と、該熱変位補正量を算出した時刻と、前記熱変位状態識別部により識別した状態を第2の所定時間毎にメモリに保存する熱変位補正量履歴部と、
前記熱変位補正量履歴部によりメモリに保存された熱変位補正量と該熱変位補正量を算出した時刻とから熱変位補正量の時間変化を工作機械の画面にグラフ表示する熱変位補正量時間変化表示部と、
前記熱変位補正量履歴部によりメモリに保存された熱変位補正量に前記係数演算部により求めた係数を適用して演算した予測熱変位補正量を該熱変位補正量時間変化表示部により表示したグラフ上に表示する予測熱変位補正量表示部を有することを特徴とする請求項1に記載の工作機械の熱変位補正装置。
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