JP4760091B2 - 工作機械及び工作機械の変位補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加工データに基づいて、ワークに対し工具を相対的に移動させながら加工を行う工作機械、及び、工作機械の各構成部位の温度変化に起因する熱的な変位を補正するための工作機械の変位補正方法に関する。
例えば、金属材からなるワークに対して穴あけや切削等の加工を行う工作機械(マシニングセンタ)にあっては、加工データに基づいて、ワークに対し工具を相対的に移動させながら加工を行うように構成されている。図20は、この種の工作機械の本体1の構成を概略的に示す側面図である。
即ち、ベース2上の前部側(図で左側)には、ワークWが支持されるテーブル3が設けられ、ベース2上の後部側(図で右側)には、上方に延びるコラム4が設けられている。
このコラム4は、XY移動機構(図示せず)により、左右(X軸)及び前後(Y軸)方向に移動されるようになっている。また、コラム4の前面側には、下向きの主軸5を有する
主軸ヘッド6が上下(Z軸)方向に移動可能に設けられている。図示はしないが、前記主軸5の先端には、工具が交換可能に取付けられるようになっており、また、コラム4にはその工具を自動で交換する工具交換装置も設けられている。
そして、図示はしないが、本体1に添設される制御装置は、加工データに基づいて、XY移動機構のX軸及びY軸サーボモータを制御してコラム4を水平方向に移動させると共に、Z軸サーボモータを制御して主軸ヘッド6をZ軸方向に移動させ、さらに、主軸モータを制御して主軸を回転させるようになっており、もって、加工を自動で実行するようになっている。
さらに、これも図示はしないが、前記本体1には、工具部分の冷却を図ると共に、加工時に発生する切削屑を洗い流すために、切削水循環機構が設けられる。この切削水循環機構は、切削水が収容されるタンク及びポンプ等を有し、タンクから汲み出した切削水を、例えば切削加工箇所に向けて吐出し、切削水をベースの上面部分を流してタンクに戻し、そのタンク部分にて切削屑を捕獲するといった循環を行うように構成されている。
ところで、上記のような工作機械の本体1においては、切削水循環機構のタンク構造の密閉化、ポンプの大容量化、高圧化、高速切削による切削水の温度上昇、また、主軸の回転速度の高速化や各部の送り速度の高速化による雰囲気温度の上昇といった様々な発熱環境により、切削水がかなり高温となる事情がある。そして、例えば鋳鉄(鋳物)製のベース2の上面をその切削水が流れることにより、熱膨張によるベース2のY軸方向の伸び変形が生じ、ひいては、主軸5とテーブル3との間の距離が変化し、加工誤差を発生させる不具合がある。
このような不具合を防止するために、従来では、強制的にベース2の温度を均一化するために、切削水をベース2の内部に循環させるような構造としたり、ベース2全体を断熱カバーや板金カバーで覆ったりする物理的な処置方法が行われていた。ところが、ベース2全体をいくらカバーで覆ったとしても、切削水の流れる面や、周囲の機構部分からの熱の出入りにより、ベース2全体の温度分布を一様とすることはかなり困難であり、例えベース2全体の温度分布を均一にできたとしても、雰囲気温度の上昇によりベース2の熱膨張は避けられないものであった。また、このような物理的な方法では、コストがかかる不具合もあった。
そこで、近年では、例えば特許文献1に示されるように、工作機械の要所に温度センサを設け、それら温度センサの検出に基づいて熱変位量を推測し、その熱変位を打消すように各軸の移動量(主軸の位置)を補正することが考えられている。この発明では、温度変化の比較的小さい部位に基準温度を検出する熱電対等の温度センサを設けると共に、温度変化の比較的大きい部位に鋳物温度を検出する温度センサを設け、さらに、機械上部の気温を検出する温度センサを設けるようにしている。そして、所定時間間隔で各温度センサにより温度を検出し、鋳物温度及び気温の夫々について、前回(n−1回目)検出した温度の基準温度との温度差、今回(n回目)検出した基準温度との温度差を算出し、それらの値と、予め実験により求められた熱時定数及び熱変位係数とを用いた演算により、各軸の補正量を求めるようになっている。
特開2003−94290号公報
上記特許文献1に示された技術では、熱変位が、熱膨張、熱収縮による素直な(直線的な)伸びであることを前提として、温度情報をボールネジの伸びに代用して位置補正を行うようになっている。ところが、現実の工作機械を構成する構成部位は、ベース2、コラム4、主軸ヘッド6など様々な温度変化が存在しており、温度のむらや部分拘束などにより、反り変形が少なからず発生する。特に、上記したような切削水を流すようにしたものにおいては、高温となった切削水が流れるベース2上面部分が、下面部分に比べて温度上昇が激しくなり、それに起因したベース2の反りが、熱的な変位量として無視できない程度にまで生ずるものとなる。このような反り変形による変位は、特にY軸方向について問題となる。
尚、上記特許文献1に示された技術では、温度変化の比較的小さい部位、及び、温度変化の比較的大きい部位の夫々一箇所についての温度を検出しているが、2箇所(気温を含めば3箇所)の温度検出だけでは、夫々の構成部位に関してどの軸方向にどれだけの熱変位が起こっているかを推定することは困難である。さらには、所定時間間隔で温度を検出し、補正の対象となるn回目と、その前回(n−1回目)のみの温度検出によって、微小な補正を繰返していくため、例えば温度測定値に誤差が含まれるものである場合に、その誤差が蓄積されていき、時間が経つにつれて誤差が拡大すると共に、最初の状態に戻ったにもかかわらず、ヒステリシスが残ってしまう虞もある。
このように、上記特許文献1に示された従来技術では、的確な熱変位量を推定することは難しく、補正によって加工精度を高めるには未だ不十分であった。
尚、本出願人は、主として、主軸ヘッドを上下動させるためのボールネジの熱膨張、収縮に起因するZ軸(上下)方向の熱変位を補正する熱変位補正方法を発明し、先に出願している(特開2000−135653号公報)。この発明によれば、ボールネジの伸びに起因する主軸ひいては工具の上下方向の熱変位量を適切に推定することができ、補正することができる。しかし、より高精度な加工を行うためには、工作機械本体の各構成部位における前後(Y軸)方向の熱的な変位を無視することはできず、前後方向の熱的な変位量を正しく推定することが重要となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、加工点における熱的な変位量を推定し、その変位を打消すように各軸の移動量を補正するようにしたものにあって、熱的な変位量の推定を的確に行うことができ、補正によって加工精度を十分に高めることができる工作機械及び工作機械の変位補正方法を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の工作機械は、工作機械本体の複数箇所に設けられ該部位の温度を測定する温度センサと、これら温度センサの測定に基づいて前記工作機械本体を構成する各構成部位の熱的な変位量を求める変位量検出手段と、この変位量検出手段の検出した各構成部位の熱的な変位量を、加工点における各軸方向の変位量に換算する換算手段と、この換算手段の換算に応じて各軸に関する相対移動量を補正する補正手段とを具備すると共に、前記工作機械本体を構成する各構成部位には、ベース、このベース上に設けられ前記ワークを支持するテーブル、前記ベース上に前記テーブルの後部に位置して設けられたコラム、このコラムに設けられ前記工具を備える主軸ヘッド、が含まれており、前記工作機械本体には、切削水を加工箇所に向けて吐出し、該切削水を前記ベースの上面を流すことにより、加工時に発生する切削屑を洗い流す切削水循環機構が設けられ、前記温度センサは、前記各構成部位に関して、少なくとも、温度変化の大きい面と、その反対側に位置する面との双方に設けられており、前記変位量検出手段は、前記各構成部位の熱膨張・熱収縮に加えて、前記温度変化の大きい面とその反対側に位置する面との温度上昇度合の相違に起因する反りを考慮して変位量を求めるように構成されており、前記温度センサは、前記ベースに関して、前側上面、前側底面、後側上面、後側底面の温度を夫々測定するように設けられていると共に、前記変位量検出手段は、前記ベースに関して、前後方向の伸びに加えて、前後方向に関する反りによる傾き変位量を考慮して変位量を求めるように構成されていると共に、前記各温度センサにより同一時刻に測定された初期の温度を基準温度として記憶する基準温度記憶手段と、前記各温度センサの測定温度を前記基準温度と比較して各測定箇所における温度変化を求める温度差検出手段とを備え、前記変位量検出手段は、前記温度差検出手段の検出に基づいて前記各構成部位の熱的な変位量を求めるように構成されているところに特徴を有する(請求項1の発明)。
また、本発明の工作機械の熱的変位補正方法は、工作機械の各構成部位の温度変化に起因する熱的な変位を補正するための方法にあって、前記各構成部位に関して、少なくとも、温度変化の大きい面と、その反対側に位置する面との双方に該部位の温度を測定する温度センサを夫々設け、これら温度センサの測定に基づいて、前記各構成部位の熱的な変位量を、各構成部位の熱膨張・熱収縮に加えて、前記温度変化の大きい面とその反対側に位置する面との温度上昇度合の相違に起因する反りを考慮して求め、その変位量を加工点における各軸方向の変位量に換算し、その換算された変位量に応じて各軸の移動量を補正すると共に、前記工作機械本体を構成する各構成部位には、ベース、このベース上に設けられ前記ワークを支持するテーブル、前記ベース上に前記テーブルの後部に位置して設けられたコラム、このコラムに設けられ前記工具を備える主軸ヘッド、が含まれ、前記工作機械本体には、切削水を加工箇所に向けて吐出し、該切削水を前記ベースの上面を流すことにより、加工時に発生する切削屑を洗い流す切削水循環機構が設けられており、前記ベースに関して、前記温度センサは、前側上面、前側底面、後側上面、後側底面の温度を夫々測定するように設けられていると共に、それら温度センサの測定に基づいて、該ベースの上下両面の温度上昇度合の相違に起因する、前後方向に関する反りによる傾き変位量を考慮して変位量を求めると共に、前記各温度センサにより同一時刻に測定された初期の温度を基準温度として記憶し、任意の時点における前記各温度センサの測定温度を前記基準温度と比較して各測定箇所における温度変化を求め、その検出に基づいて前記各構成部位の熱的な変位量を求めるところに特徴を有する(請求項6の発明)。
本発明においては、工作機械本体の各構成部位について温度センサにより複数箇所の温度を測定するようにしており、しかも、各構成部位に対して、少なくとも、温度変化の大きい面と、その反対側に位置する面との双方の温度を温度センサにより測定することができる。従って、各構成部位の温度変化度合をより緻密に検出することができると共に、温度変化の大きい面とその反対側に位置する面との間での温度上昇度合の差、つまり熱膨張差による反り等の変位をも推定することができ、各構成部位の各軸方向に関する熱的な変位量を、反りを含めて十分な確かさで推定することが可能となる。
そして、各構成部位に関して求められた反りを含んだ変位量から、加工点における全体としての各軸方向の変位量に換算されて、その変位量を打消すように各軸の移動量を補正することができる。従って、本発明によれば、熱的な変位量の推定を的確に行うことができ、補正によって加工精度を十分に高めることができる。
特に、工作機械本体に、切削水を加工箇所に向けて吐出し、該切削水をベースの上面を流すことにより、加工時に発生する切削屑を洗い流す切削水循環機構を設けた構成では、切削水が流れるベースの上面部分の熱膨張が大きくなって、ベースの前後方向の延び、ベースの前後方向に関する反りの変位量が大きくなるが、それら変位を補正することが可能となり、前後方向に関する十分に高い加工精度を得ることができる。
しかも、本発明においては、各温度センサにより同一時刻に測定された初期の温度を基準温度として記憶し、任意の時点における前記各温度センサの測定温度を前記基準温度と比較して各測定箇所における温度変化を求め、その温度変化に基づいて各構成部位の熱的な変位量を求める。各温度センサにより同一時刻に測定された初期の温度を基準温度として、任意の時点での温度変化に基づいて前記各構成部位の熱的な変位量を求めるようにしているので、仮に温度センサの温度測定値に誤差があったとしてもその誤差が蓄積されることはなく、ヒステリシスが残ることもない。
このとき、上記基準温度を、加工開始前の工作機械本体に対する治具等のセッティング完了時に測定された値とすることができる(請求項2請求項7の発明)。これにより、未だ温度変化による熱膨張、熱収縮や、雰囲気温度の影響のない状態で、適切な基準温度をとることができることが確認されている。
上記ベース以外にも、熱的な変位が、加工点における特に前後方向に関するずれとなって影響する対象としては、コラムの上下方向に関する反り、主軸ヘッドの上下方向に関する反り、コラム、主軸ヘッド及びテーブルの前後方向の伸びある。
従って、変位量検出手段により、コラムに関して、前後方向の伸びに加えて、上下方向に関する反りによる傾き変位量を考慮して変位量を求めたり(請求項3の発明)、変位量検出手段により、主軸ヘッドに関して、前後方向の伸びに加えて、上下方向に関する反りによる傾き変位量を考慮して変位量を求めたり(請求項4の発明)、変位量検出手段により、テーブルに関して、前後方向の伸びによる変位量を求めたり(請求項5の発明)することができる。加工点における前後方向に関する変位を補正することができ、前後方向に関するより高い加工精度を得ることができる。
上記のように、本発明の工作機械及び工作機械の変位補正方法によれば、加工点における熱的な変位量を推定し、その変位を打消すように各軸の移動量を補正するようにしたものにあって、工作機械本体の各構成部位の反りを含んだ熱的な変位量の推定を的確に行うことができ、補正によって加工精度を十分に高めることができるという優れた効果を奏するものである。
以下、本発明の第1の実施形態について、図1ないし図18を参照しながら説明する。本実施形態に係る工作機械は、工作機械本体(マシニングセンタ)11と、後述する制御装置とを備えて構成される。まず、図1は、工作機械の本体11の外観構成を概略的に示している。尚、この実施形態では、本体11の左右方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向としている。各軸の制御は、装置固有の三次元(XYZ)座標系に基づいて行われるようになっている。
工作機械の本体11は、図4,図6にも示すように、構成部位としての、例えば工場の床部に設置されるベース12、このベース12上の前側に設けられワークW(図4参照)を支持するテーブル13、前記ベース12上の後側に位置して上方に延びて設けられるコラム14、このコラム14の前面側に設けられた主軸ヘッド15を備えて構成される。前記コラム14は、ベース12に対し、周知のXY移動機構16を介して設けられ、共にサーボモータからなるX軸モータ17及びY軸モータ18(図2にのみ図示)の駆動により、左右(X軸)及び前後(Y軸)方向に自在に移動されるようになっている。
前記主軸ヘッド15は、前記コラム14に上下動可能に設けられており、コラム14内には、主軸ヘッド15を上下(Z軸)方向に自在に移動させるための、サーボモータからなるZ軸モータ19(図2にのみ図示)及び周知のボールネジ機構(図示せず)等からなる上下移動機構が設けられている。そして、主軸ヘッド15には、下向きの主軸20が設けられていると共に、その主軸20を回転させるための、サーボモータからなる主軸モータ21(図2にのみ図示)が設けられている。前記主軸20の先端(下端)には、ドリルやタップなどの工具22が交換可能に取付けられている。図示は省略しているが、コラム14にはその工具22を自動で交換する工具交換装置も設けられている。
前記ベース12は、例えば鋳鉄(鋳物)製とされており、その左右方向中間部の上面は、後方に向かうに従い下降傾斜する形態とされている。また、前記テーブル13上には、前記ワークWを支持するための治具23がセットされるようになっている。加工時においては、ワークWは、テーブル13上の後部側に配置されるようになっている。さらに、これも図示はしないが、この工作機械の本体11はスプラッシュカバーにより囲まれるようになっている。
また、詳しく図示はしないが、この本体11には、工具22(加工点P)部分の冷却を図ると共に、加工時に発生する切削屑を洗い流すために、切削水循環機構が設けられる。この切削水循環機構は、切削水が収容されるタンク及び切削水循環ポンプ24(図2にのみ図示)、配管やバルブ等を有し、タンクから汲み出した切削水を、例えば切削加工箇所に向けて吐出し、切削水をベース12の上面部分を流してタンクに戻し、そのタンク部分にて切削屑を捕獲するといった循環を行うように構成されている。
そして、上記工作機械の本体11には、図2に示すように、該本体11を制御するための制御装置(NC装置)25が添設される(あるいは一体的に設けられる)ようになっている。この制御装置25は、マイクロコンピュータを主体として構成され、記憶装置26を備えている。この記憶装置26には、後述する熱的変位補正のプログラムを含む全体の制御用のプログラムが記憶されると共に、加工データ(NCプログラム)、後述する基準温度のデータを含む各種のデータ等が記憶されるようになっている。
この制御装置25は、図示しない駆動回路(サーボアンプ)を介して、前記X軸モータ17、Y軸モータ18、Z軸モータ19、及び主軸モータ21を制御し、これと共に、工具交換装置や切削水循環機構(切削水循環ポンプ24)も制御するようになっている。また、この制御回路25には、操作パネル27からの操作信号が入力されるようになっている。
これにて、制御装置25は、予め入力された加工データ(NCプログラム)に基づいて、主軸20に必要な工具22を取付け、テーブル13上に支持されたワークWに対し、XY移動機構16によりコラム14を水平方向(X軸及びY軸方向)に自在に位置決めすると共に、主軸ヘッド15をZ軸方向に上下動させながら、工具22(主軸20)を回転させてワークWの所定位置(加工点P)に作用させることにより、ワークWに対する穴あけ、切削等の加工作業を自動で実行するようになっているのである。また、このとき、制御装置25は、切削水循環機構(切削水循環ポンプ24)を制御し、工具22(加工点P)部分の冷却を図ると共に、加工時に発生する切削屑をテーブル13更にはベース12の上面から洗い流すようになっている。
さて、前記制御装置25は、そのソフトウエア的構成(熱的変位補正のプログラムの実行)により、上記加工作業を行うにあたって、本体11の各構成部位の熱膨張などの熱的変位に起因する加工点Pにおける変位量(本来の加工点からのずれ量)を推定し、その変位を打消すように各軸(X軸モータ17、Y軸モータ18、Z軸モータ19)の移動量(X軸モータ17、Y軸モータ18、Z軸モータ19の目標位置)を補正するようになっている。これにて、本実施形態に係る熱的変位補正方法が実行されるようになっている。
この熱的変位補正のために、本実施形態では、本体11を構成する各構成部位に関して、夫々温度変化度合の相違する複数の温度測定箇所に位置して、温度センサ28〜36が設けられる。これら温度センサ28〜36からの温度測定信号は、前記制御装置25に入力されるようになっている。このとき、各温度センサ28〜36は、各構成部位この場合ベース12、コラム14、主軸ヘッド15に関しては、温度変化の大きい面と、その反対側に位置する温度変化の比較的小さい面との双方に設けられるようになっている。
具体的には、図1に示すように、前記ベース12には、該ベース12の前側(テーブル
13側)の上面の温度(TB-UF)を測定する温度センサ28、前側の底面の温度(TB-BF
)を測定する温度センサ29、後側(コラム14側)の上面の温度(TB-UR)を測定する温度センサ30、後側の底面の温度(TB-BR)を測定する温度センサ31が設けられている。この場合、ベース12の上面側が温度変化の大きい面となっている。
前記コラム14には、該コラム14の前面側の温度(TC-F )を測定する温度センサ32、及び、後面側の温度(TC-B )を測定する温度センサ33が設けられている。この場合、コラム14の前面側が温度変化の大きい面となっている。また、前記主軸ヘッド15には、該主軸ヘッド15の上面側の温度(TSP-U)を測定する温度センサ34、及び、下面側の温度(TSP-D)を測定する温度センサ35が設けられている。この場合、主軸ヘッド15の上面側が温度変化の大きい面となっている。さらに、前記テーブル13には、該テーブル13の温度(TT )を測定する温度センサ36が設けられている。
詳しくは後の作用説明でも述べるように、前記制御装置25は、前記各温度センサ28〜36により同一時刻に測定された初期の温度を基準温度(T0 )として記憶装置26に記憶するようになっている。従って、記憶装置26が基準温度記憶手段として機能する。このとき、本実施形態では、加工作業開始前の工作機械本体11に対する治具23のセッティング完了時に測定された値を基準温度(T0 )とするようになっている。
そして、制御装置25は、任意の時点(加工データ(NCプログラム)中に補正指令信
号があった時点)における前記各温度センサ28〜36の現在の測定温度(T)を取込み、各測定温度(T)を前記各基準温度(T0 )と比較して各温度測定箇所における温度変化(ΔT)を求め、その温度変化(ΔT)に基づいて前記各構成部位(ベース12、テーブル13、コラム14、主軸ヘッド15)の熱的な変位量を求めて加工点Pにおける各軸方向の変位量に換算し、その換算された変位量に応じて各軸の移動量(主軸20の位置)を補正するようになっている。従って、制御装置25が、温度差検出手段、変位量検出手段、換算手段、補正手段として機能するのである。
またこのとき、本実施形態では、制御装置25は、各構成部位の熱的な変位量を求める(推定する)にあたり、各構成部位の熱的な変位量を、各構成部位の熱膨張・熱収縮と、温度上昇度合の相違に起因する反りとの双方を考慮して求めるようになっている。具体的には、ベース12の前後方向の伸びによる変位量、ベース12の前後方向に関する反りによる傾き変位量、コラム14の上下方向に関する反りによる傾き変位量、主軸ヘッド15の上下方向に関する反りによる傾き変位量、コラム14、主軸ヘッド15及びテーブル13の前後方向の伸びによる変位量、を夫々求めることにより、それらの総和から加工点Pにおける各軸方向、特にY軸方向の加工点P(主軸20)の熱的な変位量を推定するようになっている。
次に、上記構成の作用について、図3ないし図6も参照して述べる。上記した工作機械の本体11においては、加工作業を行うに伴い、各モータ17、18、19、21の発熱、駆動機構部分の摩擦熱、工具22とワークWとの間の摩擦による発熱といった様々な発熱環境により、各構成部位の熱膨張が生ずる。これと共に、切削水がかなり高温となる事情があり、切削水が流れるベース12の上面部分の温度上昇による熱膨張も大きくなる。このような各構成部位の熱的な変位が、加工点Pにおける加工誤差を発生させることになり、それを防止するため、制御装置25は、加工点Pにおける熱的な変位量を、後述する計算式により推定し、その変位を打消すように各軸の移動量(主軸20の位置)を補正する。
この場合、熱的な変位は、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向に生ずるが、そのうちX軸方向の熱的変位については、各部の熱膨張等が加工点Pに対し左右対称的に生ずるため、加工点Pでは加工精度上ほとんど影響がないものとなっている。また、Z軸方向の熱的変位に関しては、主軸ヘッド15を上下動させるためのボールネジ機構の摩擦熱によるボールネジ軸の熱膨張、収縮が最も大きくなる。ところが、このボールネジの熱膨張、収縮に起因するZ軸方向の熱変位を補正する熱変位補正方法については、本出願人の先の出願(例えば特開2000−135653号公報など)にて周知であるため、ここでは、詳しい説明を省略する。
そこで、本実施形態では、各構成部位の熱的な変位が最も問題となるY軸方向の熱的な変位について述べる。図4は、上記工作機械本体11の各構成部位の熱的な変位の様子を誇大的に示すものである。尚、この図4中、丸の中に「高」の文字は、温度変化の大きい面を示し、丸の中に「低」の文字は、それとは反対側の温度変化の比較的小さい面を示している。また、図5は、各構成部位のY軸方向の熱膨張、収縮による変位、及び反りによる変位の有無、並びに、その変位の方向を一覧で示したものである。尚、この図5では、主軸20とテーブル13との間隔が広がる方向(主軸20については後方側、テーブル13については前方側)をプラス(+)方向としており、以下の説明でもその方向を採用している。
図4(a)は、ベース12の熱膨張によるY軸方向の伸びの様子を示している。この膨張変位は、ベース12の前後方向中心Ob に対して、前側(テーブル13側)と後側(コラム14側)との双方が互いに前後に離れる方向に生ずる。図4(b)は、ベース12の反り変形の様子を示している。この場合、温度変化の大きいベース12の上面側の方が、底面側に比べて熱膨張がより大きくなるため、ベース12の上面側において中央側が上方に膨らむ(ひいてはテーブル13及び主軸20が傾く)ような反り変形が生ずる。
図4(c)は、コラム14の反り変形の様子を示している。この場合、温度変化の大きいコラム14の前面側の方が、後面側に比べて熱膨張がより大きくなるため、コラム14の上部側が後方に傾く(ひいては主軸20が傾く)ような反り変形が生ずる。図4(d)は、主軸ヘッド15の反り変形の様子を示している。この場合、温度変化の大きい主軸ヘッド15の上面側の方が、下面側に比べて熱膨張がより大きくなるため、主軸ヘッド15の上面側において中央側が上方に膨らむ(主軸20が傾く)ような反り変形が生ずる。
図4(e)は、コラム14及び主軸ヘッド15、並びにテーブル13の熱膨張によるY軸方向の伸びの様子を示している。コラム14及び主軸ヘッド15の膨張変位は、主軸20が前方に変位するように生じ、テーブル13の後端側(ワークWの配置側)が後方に変位するように生ずる。尚、テーブル13の反りによる変位はきわめて小さく、無視できる程度である。
加工点P(主軸20)におけるY軸方向に関する熱的な変位量δは、上記各構成部位のY軸方向の変位量の総和となり、次の式により求めることができる。
変位量δ=Σ(各部位の伸び+そりによる傾き変位)
=(ベース12のテーブル13側膨張変位+コラム14側膨張変位)
+(ベース12のテーブル13側傾きY軸換算変位+コラム14側側傾きY軸換算変位)
+(コラム14の傾きY軸換算変位)
+(主軸ヘッド15の傾きY軸換算変位)
−(コラム14の膨張変位+主軸ヘッド15の膨張変位+テーブル13の膨張変位)
従って、上記式の各項を夫々求める(推定する)ことによって、変位量δを算出することができる。各項については、各温度測定箇所における基準温度からの温度変化、線膨張係数や各部の寸法等の定数(一部可変)、予め実験等により求められるパラメータ(補正係数)を用いることにより算出することが可能となる。
この場合、膨張変位については、各温度測定箇所における測定温度(T)とその箇所の基準温度(T0 )との差ΔTと、線膨張係数λとから求めることが可能となる。また、傾きのY軸方向換算変位については、傾き角度θの正弦から求めることが可能となり、その傾きは、温度変化の大きい側および小さい側の膨張変位の差から求めることができる。具体的な計算例について、図6及び図7も参照して以下述べる。
ここで、図6は、この計算に用いられる工作機械本体11の各部の寸法を示している。ベース12のY軸方向全長をL、ベース12のY軸方向中心Ob からテーブル13のY軸方向中心Ot までの長さをS-table、ベース12のY軸方向中心Ob からコラム14のY軸方向中心Oc までの長さをS-column としている。ベース12の前端部の高さ寸法をH-base-F 、後端部の高さ寸法をH-base-R としている。テーブル13の高さをH-table、ワークWの高さ(テーブル13上面から加工点Pまでの高さ)をH-work (変動する値)としている。
コラム14(XY移動機構16を含む)のテーブル13上面までの高さをH-column3、テーブル13上面からコラム14の本体部の下端部までの高さをH-column2、コラム14の本体部の高さをH-column1、主軸ヘッド15の現在のZ軸の位置をZ-center (変動する値)、コラム14のY軸方向中心Oc からコラム14の前面までの長さをL-column としている。コラム14の前面から主軸20の中心Os までの長さをL-SP 、主軸20の中心Os からテーブル13の中心Ot までの長さをL-tableとしている。
主軸ヘッド15の基部の高さをH-SP-1 、主軸ヘッド15の下面部からZ軸の位置までの高さをH-SP-2 、工具22の高さをH-tool としている。このとき、H-work +H-tool +H-SP-2 =Z-center +H-column2の関係があり、H-work 及びZ-center が可変の値であってその他は固定された値となる。現在のZ-center の値とH-tool の値とからH-work の値を求めることができる。
また、図7は、この計算に用いられる工作機械本体11の各部の反りによる傾き角度を示している。ここでは、ベース12のY軸方向中心Ob 線を基準線とし、ベース12の前端面の傾き角度をθ-base-F 、ベース12の後端面の傾き角度をθ-base-R としている。また、テーブル13の中心Ot での傾き角度をθ-table、コラム14の中心Oc での傾き角度をθ-column としている。
さて、計算例について以下順に説明する。尚、以下の説明では、各温度センサ28〜36により測定されて記憶される基準温度を、夫々、TB-UF-0、TB-BF-0、TB-UR-0、TB-BR-0、TC-F-0 、TC-B-0 、TSP-U-0、TSP-D-0、TT-0 で表す。つまり、各温度センサ28〜36の測定温度(Tプラス添字)の後にさらに添字「-0」を付したものとする。
(a)ベース12の伸びによる変位量
ベース12のテーブル13側膨張変位による伸び[δb1-table]は、
[δb1-table]=λ×ΔTBF×(S-table)
となる。但し、ΔTBF=(TB-BF)−(TB-BF-0)である。
同様に、ベース12のコラム14側膨張変位による伸び[δb1-column ]は、
[δb1-column ]=λ×ΔTBR×(S-column )
となる。但し、ΔTBR(TB-BR)(TB-BR-0)である。
ベース12の伸びによる変位量は、それらの和であるから、[δb1-table]+[δb1-column ]となる。
(b)ベース12の反りによる傾き変位量
まず、ベース12のテーブル13側の傾きによる加工点Pでの変位量[δb2-table]を次のようにして求める。
(b−1)ベース12の前端部の傾き[θ-base-F ]は次の式で求められる。
Figure 0004760091
(b−2)テーブル13の中心Ot での傾き[θ-table]は、比例配分により次のようになる。
Figure 0004760091
(b−3)テーブル13の中心Ot と加工点Pとの間で変位量の相違は極く僅か(誤差程度)であるため、[δb2-table]は次のように近似できる。
Figure 0004760091
同様に、ベース12のコラム14側の傾きによる加工点Pでの変位量[δb2-column ]を次のようにして求める。
(b−4)ベース12の後端部の傾き[θ-base-R ]は次の式で求められる。
Figure 0004760091
(b−5)コラム14の中心Oc での傾き[θ-column ]は、比例配分により次のようになる。
Figure 0004760091
(b−6)加工点Pでの変位量[δb2-column ]は次のように近似できる。
Figure 0004760091
ベース12の反りによる傾き変位量は、[δb2-table]+[δb2-column ]で求めることができる。
(c)コラム14の反りによる傾き変位量[δc]
コラム14の前端面での傾き[θ-column-U ]は、次の式で求めることができる。
Figure 0004760091
主軸ヘッド15中心での傾き[θ-sp ]は、Z軸高さに応じて次のようになる。
Figure 0004760091
これらから、コラム14の反りによる加工点Pでの変位量[δc]は、次のように求めることができる。
Figure 0004760091
(d)主軸ヘッド15の反りによる傾き変位量[δsp]
主軸20の中心Osの傾き[θ-SP-U ]は、次の式で求めることができる。
Figure 0004760091
従って、主軸ヘッド15の反りによる加工点Pでの変位量[δsp]は、次のように求めることができる。
Figure 0004760091
(e)コラム14,主軸ヘッド15,テーブル13の伸びによる変位量
コラム14,主軸ヘッド15,テーブル13の伸びによる加工点Pでの変位量[δ-other]は、次の式で求めることができる。
[δ-other]=λ×[(ΔTSP)×(L-SP )+(ΔTC-F )×(L-column)
+(ΔTT )×(L-table)]
上記(a)〜(e)から、加工点Pにおける全体としてのY軸方向変位量δは、
変位量δ=[δb1-table]+[δb1-column ]+[δb2-table]
+[δb2-column ]+[δc]+[δsp]−[δ-other] ‥(1)
となる。
但し、上記はいわば理論値であるため、機械の構造によって若干の補正を加えることがより望ましい。即ち、次のように各項に補正係数(パラメータ)を掛合わせることが有効である。
変位量δ=α1×[δb1-table]+β1×[δb2-table]+
α2×[δb1-column ]+β2×[δb2-column ]+
γ×([δc]+[δsp]−[δ-other]) ‥(2)
尚、この際のパラメータα1、β1、α2、β2、γの決定については、数理工学でいう周知の線形計画法を利用することにより、比較的簡単に最適化することができる。
さて、図3のフローチャートは、制御装置25が実行する、上記熱変位の補正を含んだ加工作業の処理手順を示している。即ち、まず、ステップS1では、例えばオペレータの操作パネル27の操作に基づき、各温度センサ28〜36により、同一時刻に各温度測定箇所の初期の温度が測定される。このとき、例えば加工作業開始前の工作機械本体11に対する治具23のセッティング完了時(加工作業開始前)の初期状態の温度が測定される。ステップS2では、それら測定された温度が基準温度TB-UF-0、TB-BF-0、TB-UR-0、TB-BR-0、TC-F-0 、TC-B-0 、TSP-U-0、TSP-D-0、TT-0として記憶装置26に記憶(登録)される。
ステップS3では、加工プログラムが起動され、次のステップS4では、加工プログラムのブロック毎の解釈が行われる。ここで、加工プログラムの適宜の位置に熱的変位の補正指令が挿入されており、ステップS5にて、補正指令信号の有無が判断される。補正指令信号がない場合には(ステップS5にてNo)、ステップS6にて、プログラムエンドコードかどうかが判断される。プログラムエンドコードでない場合には(ステップS6にてNo)、ステップS7に進み、加工作業が実行される。1ブロックの加工作業が行われると、ステップS4に戻って次のブロックの解釈が行われる、また、プログラムエンドコードである場合には(ステップS6にてYes)、処理を終了する。
そして、加工プログラムのブロック中に、補正指令信号があった場合には(ステップS5にてYes)、まず、ステップS8にて、各温度センサ28〜36により、各温度測定箇所の現在の温度TB-UF、TB-BF、TB-UR、TB-BR、TC-F 、TC-B 、TSP-U、TSP-D、TTが測定される。次のステップS9では、各温度測定箇所において、夫々測定温度と記憶されている基準温度との温度差が算出される。
次のステップS10では、現在の位置決め機械座標(Z-center の値を含む)が読取られ、ステップS11では、工具長(H-tool )のデータが読取られる。ステップS12では、上記した計算式((1)式又は(2)式)を用いて加工点Pの変位量δひいては補正量が算出される。次いで、ステップS13にて、その変位量δを打消すように各軸方向の位置がシフトされ、以て、熱的な変位の補正が行われる。尚、このとき、Y軸方向の補正が上記のように行われるのであるが、これと共に、主としてボールネジの熱膨張、収縮に起因するZ軸方向の熱変位の補正が併せて行われる。そして、ステップS7にて加工作業が実行される。
このように本実施形態によれば、次のような効果を奏する。即ち、本実施形態では、工作機械本体11の各構成部位について複数個の温度センサ28〜36により温度を測定するようにしており、しかも、ベース12、コラム14、主軸ヘッド15に関しては、温度変化度合の相違する複数箇所(温度変化の大きい面と、その反対側に位置する面との双方)に温度センサ28〜35を設けるようにした。これにより、各構成部位の温度変化度合をより緻密に検出することができ、各構成部位の各軸方向特にY軸方向に関する熱的な変位量を、十分な確かさで推定(計算)することが可能となった。
このとき、各構成部位の熱的な変位量を、各構成部位の熱膨張・熱収縮と、温度上昇度合の相違に起因する反りとの双方を考慮して求めるようにしているので、熱膨張・熱収縮による変位及び反りによる変位の双方を対象とすることにより、熱的な変位量の推定をより的確に行うことができ、補正によって加工精度を十分に高めることができる。
そして、本実施形態においては、各温度センサ28〜36により同一時刻に測定された初期の温度を基準温度として、任意の時点での温度変化に基づいて前記各構成部位の熱的な変位量を求めるようにしているので、仮に温度センサ28〜36の温度測定値に多少の誤差があったとしてもその誤差が蓄積されることはなく、ヒステリシスが残るといったこともない。
ちなみに、本発明者は、本実施形態の効果を確認するために、いくつかの試験を行った。その試験結果について、図8〜図18を参照して述べる。即ち、図8〜図12は第1の試験における結果を示している。図8(a),(b)は、ベース12上面に切削水を流しながら、その切削水をヒータにより加熱してその温度を次第に上昇させ、5時間後に切削水を停止して放置冷却した際の、各部の温度変化の様子を時間経過と共に示したものである(便宜上、2つの図に分けている)。そして、図9は、その際の、各構成部位の変位量(Y軸方向)の実測値を示している。
尚、この変位量の測定には、例えば渦電流型近接センサが用いられる。図10は、図9の試験における測定用センサによる測定位置を示しており、図中の丸数字は、図9の丸数字と対応している。測定用センサは、床面上に設置されて、ベース12の前側の上下部の距離の変化をそれぞれ測定すると共に、テーブル13上に設置されて、主軸20の前側の上下部の距離の変化をそれぞれ測定するように設けられている。図9における変位量は、測定用センサからの距離が大きくなる(離れる)方向が「+」、小さくなる(近づく)方向が「−」となっている。
図11は、その際の時間経過に伴うベース12前端面における上面側の変位量(傾き)の実測値と、理論値(上記した計算式により求められる値)とを示している。実際の変位量と、計算により求められた値とがほぼ一致していることが理解できる。更に、図12(a),(b)は、夫々主軸20の上部及び下部における、変位量(傾き)の実測値と、理論値(上記した計算式により求められる値)とを示している。また、この図12では、実測値と理論値との誤差も併せて示している。これらから、変位量の実測値と、計算により求められた理論値(推定値)とが極めて近似し、それらの間の誤差が0に近い値となっていることが理解できる。
図13〜図15は、第2の試験における結果を示している。この試験は、ベース12上面に切削水を流しながら、その切削水をヒータにより加熱してその温度を次第に上昇させ、5時間後に切削水を停止して放置冷却することに加えて、工作機械が設置されている室の室温を、5時間で5度上昇させてその後初めに戻すといった操作を加えたものである。図13は、その際の、時間経過に伴う、室温、切削水の水温、機内(スプラッシュカバー内)の温度の変化の様子を示している。
そして、図14(a),(b)は、夫々、その際の主軸20の上部及び下部における、Y軸方向の変位量の実測値と、上記(1)式により算出されたY軸方向の変位量にて主軸20の位置の補正を実行した場合のずれ量とを示している。補正を行うことによって、Y軸方向の変位をほぼ正確に打消すことができることが理解できる。更に、図15(a),(b)は、夫々、その際の主軸20の上部及び下部における、Y軸方向の変位量の実測値と、上記(2)式により算出されたY軸方向の変位量にて主軸20の位置の補正を実行した場合のY軸方向のずれ量とを示している。より一層正確な補正が行われることが理解できる。
図16〜図18は、第3の試験における結果を示している。この試験は、ベース12上面に切削水を流しながら、その切削水をヒータにより加熱してその温度を次第に上昇させ、5時間後に切削水を停止して放置冷却することに加えて、工作機械が設置されている室の室温を、プラスマイナス2度の範囲で上下動させるといった操作を加えたものである。図16は、その際の、時間経過に伴う、室温、切削水の水温、機内(スプラッシュカバー内)の温度の変化の様子を示している。
そして、上記第2の試験と同様に、図17(a),(b)は、夫々、その際の主軸20の上部及び下部における、Y軸方向の変位量の実測値と、上記(1)式に基づいて主軸20の位置の補正を実行した場合のずれ量とを示している。補正を行うことによって、Y軸方向の変位量をほぼ正確に打消すことができることが理解できる。更に、図18(a),(b)は、夫々、その際の主軸20の上部及び下部における、Y軸方向の変位量の実測値と、上記(2)式に基づいて主軸20の位置の補正を実行した場合のずれ量とを示している。より一層正確な補正が行われることが理解できる。
図19は、本発明の第2の実施形態を示しており、以下、上記第1の実施形態と異なる点についてのみ述べる。本実施形態に係る工作機械の本体41は、いわゆる横型のものであり、コラム14の前面部には、水平方向前方に延びる主軸42を有する主軸ヘッド43が設けられている。この工作機械では、本体41の左右方向をX軸方向、前後方向をZ軸方向、上下方向をY軸方向としている。
従って、上記第1の実施形態のXY移動機構16は、XZ移動機構16となり、また、コラム14内には、主軸ヘッド43を上下(Y軸)方向に自在に移動させるための、モータ及びボールネジ機構からなる上下移動機構が設けられている。主軸ヘッド43には、主軸42を回転させるための主軸モータ21が設けられ、主軸42の先端(前端)には、ドリルやタップなどの工具22が交換可能に取付けられている。この場合、テーブル13上に支持されたワークWの後面側に対して加工が行われるようになっている。
かかる工作機械本体41においても、上記第1の実施形態と同様の考え方で、熱的な変位に対する補正が行われる。この場合、計算式が上記第1の実施形態とは異なってくる。ここでは、主軸ヘッド43の現在のY軸の位置(コラム14の本体の底面からの上下方向高さ)をY-center (現在位置によって変動する値)としており、コラム14の前面から主軸ヘッド43の前面までの長さをL-SP としている。さらに、テーブル13のZ軸方向中心Ot から工具22先端(加工点P)までの長さをL-work 、テーブル13の上面から工具22(加工点P)までの高さをH-work (共に現在位置によって変動する値)としている。
本実施形態においては、加工点PにおけるZ軸方向に関する熱的な変位量δは、各構成部位のZ軸方向の変位量の総和となるのであるが、ここでは、主軸ヘッド43の反りによるZ軸方向の変位は、極めて小さく無視できる程度である。従って、変位量δは、次の式により求めることができる。
変位量δ=(ベース12のテーブル13側膨張変位+コラム14側膨張変位)
+(ベース12のテーブル13側傾きZ軸換算変位+コラム14側側傾きZ軸換算変位)
+(コラム14の傾きZ軸換算変位)
−(コラム14の膨張変位+主軸ヘッド43の膨張変位+テーブル13の膨張変位)
上記式の各項を求める具体的計算例は、次の通りである。
(a)ベース12の伸びによる変位量
これは、上記第1の実施形態と同様に求めることができ、ベース12の伸びによる変位量は、[δb1-table]+[δb1-column ]となる。
(b)ベース12の反りによる傾き変位量
これも、上記第1の実施形態と同様に求めることができ、ベース12の反りによる傾き変位量は、[δb2-table]+[δb2-column ]となる。
(c´)コラム14の反りによる傾き変位量[δc]
コラム14の上端面での傾き[θ-column-U ]は、次の式で求めることができる。
Figure 0004760091
主軸42中心位置での傾き[θ-sp ]は、Y軸高さに応じて次のようになる。
Figure 0004760091
これらから、主軸42中心位置でのZ軸方向の変位量[δc]は、次のように求めることができる。
Figure 0004760091
(e´)コラム14,主軸ヘッド43,テーブル13の伸びによるZ軸変位量
コラム14,主軸ヘッド43,テーブル13のZ軸方向の伸びによる変位量[δ-other]は、次の式で求めることができる。
[δ-other]=λ×[(ΔTSP)×(L-SP )+(ΔTC-F )×(L-column)
+(ΔTT )×(L-work )]
以上から、主軸42中心(加工点P)における全体としてのZ軸方向変位量δは、
変位量δ=[δb1-table]+[δb1-column ]+[δb2-table]
+[δb2-column ]+[δc]−[δ-other] ‥(3)
により求めることができる。この場合も、各項に補正係数(パラメータ)を掛合わせるようにしても良い。
このような第2の実施形態によっても、いわゆる横型の工作機械本体41において、加工点Pにおける熱的な変位量を推定し、その変位を打消すように各軸の移動量を補正するようにしたものにおいて、各構成部位の反りを含んだ熱的な変位量の推定を的確に行うことができ、補正によって加工精度を十分に高めることができるという同様の効果を得ることができる。
尚、上記した各実施形態においては、各構成部位の熱的な反り変形を、工作機械本体の前後方向の変位の補正に反映させるようにしたが、これと併せて、上下方向の変位の補正(変位量の推定)に各構成部位の反りを考慮するようにしても良い。また、上記した基準温度(初期温度)を測定する時期についても、例えば工作機械の電源オン時等の変更が可能である。
このとき、記憶される基準温度については、さほど頻繁に更新する必要はないが、例えば季節の移り変りにより室温が大きく変動してきたような場合など、それまでの基準温度をそのまま用いることは望ましくないケースがある。そこで、記憶装置26に記憶(登録)される基準温度を新たに測定するか、前回に記憶されている基準温度をそのまま使用するかを、ユーザが選択手段としての操作パネル27を操作することにより選択できるように構成しても良く、より適切な基準温度を採用することができるようになる。
その他、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
本発明の第1の実施形態を示すもので、工作機械の本体の構成を概略的に示す斜視図 工作機械の電気的構成を概略的に示すブロック図 制御装置が実行する熱変位の補正を含んだ加工作業の処理手順を示すフローチャート 工作機械本体の各構成部位の熱的な変位の様子を誇大的に示す側面図 各構成部位のY軸方向の熱膨張、収縮による変位、及び反りによる変位の有無、並びに、その変位の方向を示す図 変位量の推定に用いられる工作機械本体の各部の寸法を示す側面図 工作機械本体の各部の反りによる傾き角度を示す側面図 第1の試験における各部の温度変化の様子を時間経過と共に示す図 各構成部位の変位量の実測値を示す図 測定用センサによる測定位置を示す側面図 ベース前端面における上面側の変位量の実測値と計算値とを示す図 主軸の上部(a)及び下部(b)における変位量の実測値と計算値とを示す図 第2の試験における時間経過に伴う室温、切削水の水温、機内の温度の変化の様子を示す図 主軸の上部(a)及び下部(b)におけるY軸方向の変位量の実測値と、(1)式に基づく補正を実行した場合のずれ量とを示す図 主軸の上部(a)及び下部(b)におけるY軸方向の変位量の実測値と、(2)式に基づく補正を実行した場合のずれ量とを示す図 第3の試験における図13相当図 図14相当図 図15相当図 本発明の第2の実施形態を示す図6相当図 従来例を示すもので、工作機械本体の構成を概略的に示す側面図
図面中、11,41は工作機械本体、12はベース、13はテーブル、14はコラム、15,43は主軸ヘッド、16はXY移動機構、20,42は主軸、22は工具、23は治具、25は制御装置(温度差検出手段,変位量検出手段,換算手段,補正手段)、26は記憶装置(基準温度記憶手段)、27は操作パネル(選択手段)、28〜36は温度センサ、Wはワーク、Pは加工点を示す。

Claims (7)

  1. 加工データに基づいて、ワークに対し工具を相対的に移動させながら加工を行う工作機械において、
    工作機械本体の複数箇所に設けられ該部位の温度を測定する温度センサと、
    これら温度センサの測定に基づいて前記工作機械本体を構成する各構成部位の熱的な変位量を求める変位量検出手段と、
    この変位量検出手段の検出した各構成部位の熱的な変位量を、加工点における各軸方向の変位量に換算する換算手段と、
    この換算手段の換算に応じて各軸に関する相対移動量を補正する補正手段とを具備すると共に、
    前記工作機械本体を構成する各構成部位には、ベース、このベース上に設けられ前記ワークを支持するテーブル、前記ベース上に前記テーブルの後部に位置して設けられたコラム、このコラムに設けられ前記工具を備える主軸ヘッド、が含まれており、
    前記工作機械本体には、切削水を加工箇所に向けて吐出し、該切削水を前記ベースの上面を流すことにより、加工時に発生する切削屑を洗い流す切削水循環機構が設けられ、
    前記温度センサは、前記各構成部位に関して、少なくとも、温度変化の大きい面と、その反対側に位置する面との双方に設けられており、
    前記変位量検出手段は、前記各構成部位の熱膨張・熱収縮に加えて、前記温度変化の大きい面とその反対側に位置する面との温度上昇度合の相違に起因する反りを考慮して変位量を求めるように構成されており、
    前記温度センサは、前記ベースに関して、前側上面、前側底面、後側上面、後側底面の温度を夫々測定するように設けられていると共に、前記変位量検出手段は、前記ベースに関して、前後方向の伸びに加えて、前後方向に関する反りによる傾き変位量を考慮して変位量を求めるように構成されていると共に、
    前記各温度センサにより同一時刻に測定された初期の温度を基準温度として記憶する基準温度記憶手段と、
    前記各温度センサの測定温度を前記基準温度と比較して各測定箇所における温度変化を求める温度差検出手段とを備え、
    前記変位量検出手段は、前記温度差検出手段の検出に基づいて前記各構成部位の熱的な変位量を求めるように構成されていることを特徴とする工作機械。
  2. 前記基準温度は、加工開始前の前記工作機械本体に対する治具等のセッティング完了時に測定された値とされることを特徴とする請求項1記載の工作機械。
  3. 前記変位量検出手段は、前記コラムに関して、前後方向の伸びに加えて、上下方向に関する反りによる傾き変位量を考慮して変位量を求めることを特徴とする請求項1又は2記載の工作機械。
  4. 前記変位量検出手段は、前記主軸ヘッドに関して、前後方向の伸びに加えて、上下方向に関する反りによる傾き変位量を考慮して変位量を求めることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の工作機械。
  5. 前記変位量検出手段は、前記テーブルに関しては、前後方向の伸びによる変位量を求めることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の工作機械。
  6. 加工データに基づいて、ワークに対し工具を相対的に移動させながら加工を行う工作機械における、工作機械の各構成部位の温度変化に起因する熱的な変位を補正するための方法であって、
    前記各構成部位に関して、少なくとも、温度変化の大きい面と、その反対側に位置する面との双方に該部位の温度を測定する温度センサを夫々設け、
    これら温度センサの測定に基づいて、前記各構成部位の熱的な変位量を、各構成部位の熱膨張・熱収縮に加えて、前記温度変化の大きい面とその反対側に位置する面との温度上昇度合の相違に起因する反りを考慮して求め、その変位量を加工点における各軸方向の変位量に換算し、
    その換算された変位量に応じて各軸の移動量を補正すると共に、
    前記工作機械本体を構成する各構成部位には、ベース、このベース上に設けられ前記ワークを支持するテーブル、前記ベース上に前記テーブルの後部に位置して設けられたコラム、このコラムに設けられ前記工具を備える主軸ヘッド、が含まれ、
    前記工作機械本体には、切削水を加工箇所に向けて吐出し、該切削水を前記ベースの上面を流すことにより、加工時に発生する切削屑を洗い流す切削水循環機構が設けられており、
    前記ベースに関して、前記温度センサは、前側上面、前側底面、後側上面、後側底面の温度を夫々測定するように設けられていると共に、それら温度センサの測定に基づいて、該ベースの上下両面の温度上昇度合の相違に起因する、前後方向に関する反りによる傾き変位量を考慮して変位量を求めると共に、
    前記各温度センサにより同一時刻に測定された初期の温度を基準温度として記憶し、
    任意の時点における前記各温度センサの測定温度を前記基準温度と比較して各測定箇所における温度変化を求め、
    その検出に基づいて前記各構成部位の熱的な変位量を求めることを特徴とする工作機械の熱的変位補正方法。
  7. 前記基準温度は、加工開始前の工作機械本体に対する治具等のセッティング完了時に測定され、記憶されることを特徴とする請求項6記載の工作機械の熱的変位補正方法。
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