JP5497258B2 - 再剥離性粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、再剥離性粘着シートに関するものである。さらに詳しくは、難接着性基材の一つである合成樹脂等のフィルムに適用することも可能な粘着剤層を有し、同粘着剤層は粘着力、保持力に優れ、同粘着剤層の被着体に対する粘着力が経時的に上昇しにくいため、貼付から長期間経過後に剥離しても被着体に糊残りを引き起こすことなく、容易に剥離することが可能な再剥離性粘着シートに関する。本発明の再剥離性粘着シートは曲面形状を有する被着体に対する貼付性(以下、単に曲面貼付性と称する)にも優れている。
粘着シートはさまざまな分野で使用されているが、その用途の一つに再剥離性粘着シートがある。
この再剥離性粘着シートにおいては、それを被着体に貼付して一定期間経過した後にシートを剥離した場合、粘着剤の粘着力が経時的に上昇して粘着剤の一部が被着体側に剥ぎ取られてしまうことがしばしば起こる。また、基材が紙の場合、紙の強度が弱いため紙破れを起こして剥離できないこともある。このようなことがなく、被着体から容易に剥離できる再剥離性を有する粘着剤や粘着シートが求められている。
近年、環境問題などの観点から、一般的に材料分野において、溶剤型樹脂から水性樹脂への移行が進んでいるが、粘着剤分野においても、従来使用していた溶剤型粘着剤を無溶剤型粘着剤へ置換していく取り組みが盛んに行われている。
中でも、水を分散媒として用いるエマルション型粘着剤は、安全性も高く、コスト面でのメリットも出しやすいことなどから、多くの検討が行われている。
しかしながら、エマルション型粘着剤においては、粘着剤の主成分である樹脂の製造に不可欠な乳化剤が乾燥後も基材上に形成されている粘着剤層中に残留してしまうことなどから、十分な粘着性能が得られにくい。
特に、エマルション型粘着剤を再剥離性粘着剤として使用する場合、基材との密着性が得られにくく、被着体からの再剥離性も経時的に低下しやすい(粘着力が経時的に上昇することがある)。
更に、近年では、合成樹脂フィルムからなる基材用の再剥離性エマルション型粘着剤も多く検討されているが、合成樹脂フィルムからなる基材は従来用いられてきた不織布や紙製の基材などと比べ、平滑性が高く、アンカー効果が期待できないなど課題も多い。
そのため、エマルション型粘着剤を使用した再剥離性粘着シートは、溶剤系粘着剤を使用した再剥離性粘着シートよりも粘着力を低く抑える、つまり基材と粘着剤の界面よりも粘着剤と被着体の界面における接着強度を低くすることによって再剥離性を得ていたが、このような再剥離性粘着シートでは凹凸を持つ粗面被着体や、曲面形状を有する被着体への適用が困難であった。
分子内にラジカル重合性不飽和基を有する重合性界面活性剤の存在下に、カルボキシル基またはスルホン酸基を有するラジカル重合性不飽和単量体およびこれと共重合可能なその他の単量体を乳化重合して得られた共重合体(A)に、一定の質量比でTgが−20℃以下の共重合体(B)を加え、(A)と(B)の合計量100質量部に対して軟化点が80〜180℃の粘着付与剤を2〜50質量部配合してなる再剥離性粘着剤組成物および再剥離性粘着シート(例えば、特許文献1参照)が公知である。
特許文献1の粘着剤は、常温では粘着性を示さないが、一定温度以上に加熱することによって粘着性を発現する感熱性粘着シートである。
このため、粘着シートとして使用する際には、熱源が必要となり汎用性にかける。
また、アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと同(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なカルボキシル基含有不飽和単量体とを共重合して得られるアクリル系ポリマー、架橋剤、および少なくとも4種の粘着付与樹脂を含む再剥離性粘着剤組成物および再剥離性粘着テープ(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特許文献2の組成物は、4種の粘着付与樹脂を含むため、製造工程が煩雑であり、コスト的にも不利である。また、特許文献2においては、基材として不織布を使用することを想定しており、かつ、曲面形状を有する被着体への貼付という課題に着目したものではない。さらに、使用されている粘着剤は溶液重合で製造されたものを主としているため粒子径による粘着性の違いに着目したものでもない。
特開2001−200235公報 特許3765497号公報
本発明は、このような状況下でなされたものであり、合成樹脂フィルムからなる基材との密着性に優れ、貼付後の粘着力上昇が少ないため、長時間経過後も被着体から容易に剥離することが可能な粘着剤層を有する強粘着力型再剥離性粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、粘着剤層がアクリル酸ブチルおよびエチレン性不飽和カルボン酸からなる混合物を反応性乳化剤の存在下に乳化重合して得られ、エマルション粒子の平均粒子径が所定の範囲の水分散型粘着剤組成物に粘着付与剤および架橋剤を添加した粘着剤を用いて作製された再剥離性粘着シートが上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記
(1)基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有する粘着シートであって、当該粘着剤層が、下記(a)成分および(b)成分
(a)アクリル酸ブチル50.0〜99.5質量%
(b)エチレン性不飽和カルボン酸0.5〜5.0質量%
を含み、多官能性不飽和単量体を含有しない不飽和単量体の混合物を、反応性乳化剤の存在下に乳化重合して得られた平均粒子径が100〜350nmである水分散型粘着剤組成物(A)、同組成物(A)中の固形分100質量部に対して0.1〜20質量部の粘着付与剤(B)、同組成物(A)中のカルボキシル基1当量に対して0.1〜1当量のエポキシ系、オキサゾリン系およびカルボジイミド系化合物から選ばれた1種以上の架橋剤(C)を必須成分として含む粘着剤で形成されたものであり、曲面貼付性を有することを特徴とする再剥離性粘着シート、
(2)前記粘着付与剤(B)の軟化点が100℃以上である上記(1)に記載の再剥離性粘着シート、
(3)JIS Z0237に準拠し、23℃、50%RH環境下にてステンレス板に貼付した際の80℃環境下での保持力が24時間以上である上記(1)または(2)に記載の再剥離性粘着シート、
(4)JIS Z0237に準拠し、23℃、50%RH環境下にてステンレス板に貼付した際の24時間後の常態粘着力(α)に対する、同条件にて貼付し、80℃環境下で7日間放置後、23℃、50%RH環境下で24時間放置した後の粘着力(β)の比(β)/(α)が0.80〜1.50である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の再剥離性粘着シート、
(5)前記基材が合成樹脂フィルムである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の再剥離性粘着シート、
(6)前記架橋剤(C)がエポキシ系架橋剤である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の再剥離性粘着シート、
(7)前記反応性乳化剤に加えて非反応性乳化剤を併用する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の再剥離性粘着シートを提供するものである。
本発明によれば、合成樹脂フィルムのような基材とも密着性が良く、且つ粘着性、保持力、曲面貼付性に優れ、被着体に対する粘着力が経時的に上昇しにくいため、貼付から長期間経過後も被着体に糊残りを引き起こすことなく、容易に剥離することが可能な強粘着型再剥離性粘着シートが提供される。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
本発明において、支持体となる基材は、特に限定されるものではなく、公知の合成樹脂フィルムや上質紙、コート紙及び含浸紙等の紙あるいは内部に空洞を有する合成紙、不織布などが使用可能である。中でも、合成樹脂フィルムが好ましい。
合成樹脂フィルムとしては、特に限定はされず、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、アセテート樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂フィルム、これらのフィルムにアルミニウムなどの金属蒸着を施したもの等が挙げられる。
これらの中で、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂が好ましい。
基材として用いられる合成樹脂フィルムは、未延伸でもよいし、縦又は横等の一軸方向又は二軸方向に延伸されていてもよい。
基材の厚みは、特に制限はないが、通常、10〜200μmの範囲であり、取り扱い易さの面から、好ましくは25〜150μmである。
基材は、着色されていてもよいし、無色透明のものでもよい。また、基材の表面又は裏面には、印刷、印字等を施してもよい。
従って、基材には、感熱記録層、熱転写、インクジェット、レーザー印字等が可能な印字受像層、印刷性向上層等が設けられていてもよい。
また、基材の粘着剤層形成面には、粘着剤層との密着力(キーイング力)を向上させる目的で、プライマー処理やコロナ処理等の易接着処理が施されてもよい。
本発明の再剥離性粘着シートの粘着剤層を形成させるためには、
(a)アクリル酸ブチル:50.0〜99.5質量%
(b)エチレン性不飽和カルボン酸:0.5〜5.0質量%
を含む不飽和単量体の混合物を、反応性乳化剤の存在下に乳化重合して得られた平均粒子径が100〜350nmである水分散型粘着剤組成物(A)、同組成物(A)の固形分100質量部に対して有効成分で0.1〜20質量部の粘着付与剤(B)、水分散型粘着剤組成物(A)中のエチレン性不飽和カルボン酸に含まれるカルボキシル基1当量に対して0.1〜1当量のエポキシ系、オキサゾリン系、カルボジイミド系化合物から選ばれた1種以上の架橋剤(C)を必須成分として含む粘着剤が用いられる。
(b)成分のエチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸等が用いられる。中でも、粘着性や再剥離性とのバランスの取り扱い易さ、入手の容易さという観点から、アクリル酸、メタクリル酸を用いることが好ましい。
また、上記(a)成分および(b)成分の他に、必要に応じて(c)成分としてその他の不飽和単量体を0〜49.5質量%含んでいても良い。(c)成分は、通常、形成される粘着層のTgをコントロールするため等に使用される。
(c)成分であるその他の不飽和単量体としては、アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(但し、アクリル酸ブチルは除く)、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等の水酸基含有不飽和単量体、アクリル酸アセトアセトキシメチル、メタクリル酸アセトアセトキシメチル等のアセトアセトキシ基含有不飽和単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有不飽和単量体、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有不飽和単量体、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有不飽和単量体、γ − ( メタ) アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、( メタ) アクリロキシブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有不飽和単量体、メチロールアクリルアミド、ブトキシN − メチロールアクリルアミド等のメチロール基含有不飽和単量体、2 − メトキシエチル( メタ) アクリレート、ブトキシエチル( メタ) アクリレート、メトキシトリエチレングリコール( メタ) アクリレート等のアルコキシ基含有不飽和単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能性不飽和単量体、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミドー2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有不飽和単量体、2 , 2 , 2 − トリフルオロエチル( メタ) アクリレート、2 , 2 , 3 , 3 − ペンタフルオロプロピル( メタ) アクリレート、β − ( パーフルオロオクチル) エチル( メタ) アクリレート等のフッ素含有不飽和単量体、N− ビニルピロリドン、N − ビニル− ε − カプロラクタム、シクロヘキシルマレイミド等の窒素含有不飽和単量体、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類、塩化ビニル、クロロプレン等のハロゲン化オレフィン類、スチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン類、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、(メタ)アクリロニトリル、クロロアクリロニトリル等のニトリル類不飽和単量体等が用いられる。
本発明の不飽和単量体の混合物の組成としては、(a)成分のアクリル酸ブチルが50.0〜99.5質量%、好ましくは70.0〜99.5質量%、(b)成分のエチレン性不飽和カルボン酸が0.5〜5.0質量%、好ましくは1.0〜3.0質量%である。必要とする物性を得るためには、不飽和単量体の混合物中には(a)成分のアクリル酸ブチルを50.0質量%以上含むことが必要である。
アクリル酸ブチルの含有量を50.0質量%以上とすることにより、必要とする粘着力や曲面貼付性が得られ、99.5質量%以下とすることにより、(b)エチレン性不飽和カルボン酸の含有量が少量になりすぎて、十分な凝集力と乳化重合安定性が得られなくなるのを防止する。
また、(b)エチレン性不飽和カルボン酸の含有量を0.5質量%以上とすることにより、凝集力と乳化重合安定性が向上し、5.0質量%以下とすることにより再剥離性と粘着力のバランスが良好となる。
本発明の再剥離性粘着シートにおいて、粘着剤層を形成させるための成分の一つである水分散型粘着剤組成物(A)は、反応性乳化剤の存在下に乳化重合して得られる。このような反応性乳化剤には、反応性を有する乳化剤であれば特に限定されないが、例えば、アニオン型、ノニオン型の反応性乳化剤が使用される。具体的には、「アデカリアソープSE−20N」、「アデカリアソープSE−10N」、「アデカリアソープPP−70」、「アデカリアソープPP−710」、「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」〔以上、旭電化工業社製〕、「エレミノールJS−2」、「エレミノールRS−30」〔以上、三洋化成工業社製〕、「ラテムルE−118B」、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」〔以上、花王社製〕、「アクアロンBC−05」、「アクアロンBC−10」、「アクアロンBC−20」、「アクアロンHS−05」、「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−20」、「ニューフロンティアS−510」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」〔以上、第一工業製薬社製〕、「フォスフィノ−ルTX」〔東邦化学工業社製〕、「アデカリアソープNE−10」、「アデカリアソープNE−20」、「アデカリアソープNE−30」、「アデカリアソープNE−40」、「アデカリアソープER−10」、「アデカリアソープER−20」、「アデカリアソープER−30」、「アデカリアソープER−40」〔以上、旭電化工業社製〕、「アクアロンRN−10」、「アクアロンRN−20」、「アクアロンRN−30」、「アクアロンRN−50」〔以上、第一工業製薬社製〕等の市販品が挙げられる。
これら乳化剤の使用量は単量体混合物100質量部に対して有効成分(溶媒や各種添加剤を除いた成分)で0.1〜8.0質量部が好ましく、0.5〜5.0質量部がさらに好ましい。使用量を0.1質量部以上とすることにより、乳化重合安定性を確保し、8.0質量部以下とすることにより、親水性が高くなり過ぎて耐水性が低下するのを防止する。乳化重合安定性、エマルションの機械安定性を得るため、必要に応じて非反応性乳化剤を併用しても良い。
このような非反応性乳化剤としては、特に制限されず、乳化重合に通常使用されている公知の乳化剤が用いられる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。
本発明の粘着シートにおける水分散型粘着剤組成物中のエマルション粒子の平均粒子径は、100〜350nm、好ましくは100〜300nmである。平均粒子径が上記範囲内であると、得られる粘着剤の物性バランス、すなわち粘着力や再剥離性、更に乳化重合安定性のバランスに優れた粘着剤が得られる。
平均粒子径が100nm以上であると、安定なエマルション粒子が得られ、乳化剤の使用量が多くなるのを防止することができる。平均粒子径が350nm以下であると、基材に対する密着性や得られる粘着剤層の耐水性が確保される。
エマルション粒子の平均粒子径は重合時に添加する乳化剤の濃度、重合開始剤濃度、攪拌方法等でコントロールすることができる。
ここで、エマルション粒子の平均粒子径とは、後述のレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置により測定して得られる体積基準のメジアン径の数値に基づくものである。
本発明の再剥離性粘着シートにおける粘着剤層は、(A)成分の水分散型粘着剤組成物中の固形分100質量部に対して(B)成分として有効成分(溶媒や各種添加剤を除いた成分)で0.1〜20質量部の粘着付与剤を必須成分として含む。このような粘着付与剤としては、ロジン系、テルペン系の天然樹脂系、石油樹脂系等の合成樹脂系が挙げられる。中でも、軟化点が100℃以上の粘着付与剤が好ましく、具体的には、市販品として「ハリエスターSK−508」、「ハリエスターSK−508H」、「ハリエスターSK−532D」、ハリエスターSK−816E」、「ハリエスターSK−822E」、「ハリエスターSK−218NS」[以上、ハリマ化成株式会社製、商品名]、「スーパーエステルE−720」、「スーパーエステルE−730−55」、「スーパーエステルE−650」、「スーパーエステルE−865」、「タマノルE−100」、「タマノルE−200」、「エマルジョンAM−1002」、「スーパーエステルNS−100H」、「スーパーエステルNS−125A」、「スーパーエステルNS−100A」、「スーパーエステルNS−120B」、「スーパーエステルE−625−NT」、「スーパーエステルE−865−NT」、「タマノルE−200−NT」[以上、荒川化学工業株式会社製、商品名]、「YSレジンTO125」、「YSレジンTO115」、「YSレジンTO105」、「YSレジンTR105」、「YSポリスターU115」、「YSポリスター2130」、「YSポリスター2115」、「YSポリスター2100」、「YSポリスターT145」、「YSポリスターT130」、「YSポリスターT115」、「YSポリスターT100」、「YSポリスターS145」、「マイティーエースG150」、「マイティーエースG125」、「YSポリスターTH130」、「ナノレットR−1050」、「ナノレットG−1250」[以上、ヤスハラケミカル株式会社製、商品名]等が挙げられる。
また、必要に応じて、軟化点が100℃未満の粘着付与剤も使用することが出来る。具体的には、「ハリエスターSK−70D」、「ハリエスターSK−501」、「ハリエスターSK−501NS」、「ハリエスターSK−385NS」、「ハリエスターSK−370N」[以上、ハリマ化成株式会社製、商品名]、「YSレジンTO85」、「YSポリスターT80」、「YSポリスターT50」、「YSポリスターT30」[以上、ヤスハラケミカル株式会社製、商品名]などが挙げられる。
粘着付与剤が0.1質量部以上であれば、実質的な効果が得られ、粘着力、基材密着性に優れる。20質量部以下であれば、粘着剤層の見かけのTgが高くなって粘着力、基材密着性が得られにくくなるのを防止する。これらの粘着付与剤は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
本発明の再剥離性粘着シートの粘着剤層は、更に(C)成分の架橋剤を含む粘着剤を用いて形成される。
架橋剤としては、主に、(b)エチレン性不飽和カルボン酸由来のカルボキシル基と架橋するもので、基材に対する密着性や再剥離性、被着体に貼付後の経時的な粘着力の上昇が少ない点および耐汚染性に優れる点で、エポキシ系、オキサゾリン系、カルボジイミド系化合物が主として用いられる。
なお、これらの架橋剤は単独でも2種以上を併用しても良く、必要に応じてアジリジン系化合物、ポリイソシアネート化合物、メラミン系化合物、金属錯体系化合物、アミン系化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどのヒドラジン誘導体等の他の架橋剤を併用してもよい。
これらの架橋剤は水分散型粘着剤組成物中のエチレン性不飽和カルボン酸に由来するカルボキシル基1当量に対して0.1〜1当量を用いる。添加量を0.1当量以上とすることにより、実質的な効果が発揮され、基材密着性、凝集力が確保される。1当量以下とすることにより、被着体や基材層と粘着剤層の界面へブリードし、被着体汚染や基材への密着性の低下の原因となるのを防止する。
エポキシ系化合物としては、分子中に2個以上のエポキシ基又はグリシジル基を有するものであればよく、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、ソルビトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製、「デナコールEX−611」、「デナコールEX−612」、「デナコールEX−614」、「デナコールEX−614B」、「デナコールEX−622」等)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製、「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」等)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−411」等)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−421」等)、グリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−313」、「デナコールEX−314」等)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−321」等)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−211」等)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−212」等)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−810」、「デナコールEX−811」等)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−850」、「デナコールEX−851」等)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−821」、「デナコールEX−830」、「デナコールEX−832」、「デナコールEX−841」、「デナコールEX−861」等)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−911」等)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−941」、「デナコールEX−920」、「デナコールEX−931」等)、ジグリシジルアニリン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N′−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
中でも、水性タイプの架橋剤が好適である。
オキサゾリン系化合物としては、2位の炭素位置に不飽和炭素−炭素結合をもつ置換基を有する付加重合性2−オキサゾリン(例えば2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)と他の不飽和単量体との共重合体等が挙げられ、市販品として、日本触媒社製の「エポクロスWS−500」、「エポクロスWS−700」、「エポクロスK−2010E」、「エポクロスK−2020E」、「エポクロスK−2030E」等が挙げられる。
カルボジイミド系化合物としては、カルボジイミド基を少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば日清紡社製の「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」、「カルボジライトV−04」、「カルボジライトV−06」、「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」、「カルボジライトE−0 4」等が挙げられる
また、本発明の粘着シートにおける粘着剤層には、必要に応じて、可塑剤(例えば、液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソプレン、液状ポリアクリレート、フタル酸ジオクチル、グリセリン、エタノールアミン等)、防腐剤、防錆剤、凍結溶融安定剤、顔料、着色剤、充填剤(亜鉛華、チタン白、炭酸カルシウム、クレー等)、金属粉末、中和剤(アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、濡れ剤、消泡剤、増粘剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を適宜添加することができる。
上記添加剤は、重合後の水分散型粘着剤組成物に添加されることが多いが、乳化重合前や乳化重合途中で添加することもできる。
また、本発明の粘着シートに用いる粘着剤は、樹脂固形分濃度が、通常30〜65質量%程度、好ましくは40〜55質量%である。
また、粘度が50〜12,000mPa・s程度(BM型粘度計、60回転、25℃)、好ましくは100〜10,000mPa・sである。
更に、pHは、通常6〜9の範囲にある。
粘着剤の樹脂固形分濃度、粘度及びpHが上記範囲内であると、乾燥性、塗工性、塗工液の分散安定性、及び取り扱いの面から好ましい。
本発明の再剥離性粘着シートを製造する方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、粘着剤層は、上記水分散型粘着剤組成物、架橋剤等を混合し、必要に応じてポリアクリル酸などの増粘剤又は希釈剤等を添加混合して適当な粘度に調整した混合物から成る粘着剤を剥離シートへ塗布し、乾燥した後に、基材表面と貼り合わせる転写塗工法、先に基材表面へ粘着剤を直接塗布し、乾燥後に剥離シートと貼り合わせる直接塗工法を採用することもできる。
剥離シートとしては、特に限定されるものではないが、剥離シート用の基材としては、例えば、紙、合成紙、合成樹脂フィルム等が挙げられる。
紙としては、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙のような紙基材、及び上質紙、グラシン紙、コート紙等にセルロース、澱粉、ポリビニルアルコール、アクリル−スチレン樹脂などで目止め処理した紙基材等が挙げられ、プラスチック合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂からなるフィルム、及びこれらの合成樹脂フィルムに易接着処理を施したフィルムなどが挙げられ、これらに剥離処理を施したものであることが望ましい。
剥離処理剤としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂などのゴム系エラストマー、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、長鎖アルキル含有樹脂など公知の処理剤を使用することが可能である。
剥離処理剤の層の厚みは0.05〜2.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.1〜1.5μmである。
剥離シート用の基材の厚みは、特に制限はなく、通常、30〜200μmである。
粘着剤の塗工方法としては、特に制限はなく、従来公知の塗布方法が使用可能であり、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、グラビアコーター、バリオグラビアコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター等の塗布装置による方法が挙げられる。
粘着剤層の厚みは、特に制限はないが、通常、10〜50μm、好ましくは15〜35μmである。
基材、粘着剤層及び剥離シートを積層した再剥離性粘着シートの厚みは、プリンター等に導入できる厚さが好ましく、通常、50〜300μm、好ましくは60〜250μmである。
本発明の再剥離性粘着シートは、JIS Z0237に準拠し、23℃、50%RH環境下にてステンレス板を被着体として貼付し、80℃環境下での保持力が24時間以上である。
また、JIS Z0237に準拠し、23℃、50%RH環境下にてステンレス板を被着体として貼付し、24時間後の180°引き剥がし法による引張り速度300mm/分の粘着力(α)と、同条件にて貼付し、80℃乾燥下で7日間放置後、23℃、50%RH環境下で24時間放置した後の粘着力(β)において、(B)/(β)が0.80〜1.50である。
当該比率が0.80未満であると再剥離性粘着シートしての安定性に欠け、1.50を越えると再剥離性が大きく低下し好ましくない。
なお、本発明の再剥離性粘着シートは、平面のシート状であってもよいし、ロール状に巻き取ったものであってもよい。
本発明の再剥離性粘着シートが貼付される被着体としては、平板状のものでもよいが、同再剥離性粘着シートは特に曲面貼付性に優れているので、例えば、Rの小さい曲面を有するボールペン等の筆記用具の軸等のプラスチック製品などにも適用することができる。また、同再剥離性粘着シートは自動車の車体等の比較的Rの大きい曲面を有する塗装された金属板などにもステッカー、マーキングシート、保護シート等として適用することができる。
次に、本発明を実施例および比較例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
<実施例1>
攪拌機、温度計、及び滴下ロートを備えた容器にアクリル酸ブチル(BA)60.0質量部、メタクリル酸(m−AAC)2.0質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)40.0質量部を仕込み、これにポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(花王株式会社製、商品名:ラテムルE−118B)0.5質量部、アリルアルキルスルホコハク酸エステル塩(三洋化成株式会社製、商品名:エレミノールJS−2)1.5質量部とイオン交換水56質量部を加え、室温下撹拌して不飽和単量体の混合物の乳化物を予め調製した。
別途、攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管、及び滴下ロートを備えた反応装置にイオン交換水28質量部を仕込み、窒素を封入して内温80℃まで昇温し、その温度に保ちながら、10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液2質量部を仕込んだ。
次に、予め調製した不飽和単量体の混合物の乳化物を滴下ロートに移し、4時間かけて滴下した。
これと併行して5質量%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を滴下して内温80℃で乳化重合を行った。
滴下終了後、80℃で4時間熟成し、平均粒子径200nmを有するアクリル系共重合体エマルションを得た。
その後、室温まで冷却し、アンモニア水で中和した後に水を加えて固形分50質量%、pH8.0の水分散型粘着剤組成物を得た。
次いで、該水分散型粘着剤組成物1質量部中にポリアクリル酸系増粘剤(ロームアンドハース社製、商品名:ASE−60)を添加して粘度8,000mPa・sに増粘させた。
更に、上記水分散型粘着剤組成物中の固形分100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製、商品名「スーパーエステルE−650」)を8質量部、エポキシ系架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「デナコールEX−313」)を1.0質量部添加し、得られた粘着剤を剥離シート(リンテック社製、シリコーン樹脂で剥離処理したグラシン紙、商品名:SP−8Kアオ)の剥離処理面上に、ロールナイフコーターを用いて、乾燥後の塗布厚みが20μmになるように塗工し、90℃にて2分間乾燥し、粘着剤層を形成させた。次いで、片面に印刷受容層を備えたポリプロピレン系合成紙〔チッソ株式会社株製、商品名:カルレTNR70、厚み:70μm)の印刷受容層を備えていない面と貼り合わせて再剥離性粘着シートを作製した。
上記のようにして得られた再剥離性粘着シートを用いて、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<実施例2>
用いた不飽和単量体をアクリル酸ブチル(BA)99.0質量部、アクリル酸(AAC)1.0質量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)1.0質量部、架橋剤の添加量を0.5質量部とした以外は実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製し、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<実施例3>
用いた不飽和単量体をアクリル酸ブチル(BA)74.0質量部、メタクリル酸(m−AAC)2.0質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)25.0質量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)1.0質量部とした以外は実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製し、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<実施例4〜6>
用いた粘着付与樹脂の種類を石油樹脂系粘着付与剤「エマルジョンAM−1002」(実施例4)、芳香族変性テルペン系粘着付与剤「ナノレットR−1050」(実施例5)、ロジンフェノール系粘着付与剤「タマノルE−200」(実施例6)とした以外は、実施例2と同様にして水分散型粘着剤組成物を調製後、再剥離性粘着シートを作製して、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<実施例7、8>
用いた不飽和単量体をアクリル酸ブチル(BA)74.0質量部、メタクリル酸(m−AAC)2.0質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)25.0質量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)1.0質量部、とし、用いた架橋剤の種類、添加量をオキサゾリン系架橋剤「エポクロスWS−700」5.0質量部(実施例7)、カルボジイミド系架橋剤「カルボジライトV−04」5.0質量部(実施例8)に変更した以外は、実施例3と同様にして水分散型粘着剤組成物を調製後、再剥離性粘着シートを作製して、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<実施例9>
用いた粘着付与樹脂をロジン系粘着付与剤「SK−70D」とした以外は実施例3と同様にして再剥離性粘着シートを作製し、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<比較例1(粘着付与樹脂を添加していない例)>
粘着付与樹脂を添加しなかった以外は、実施例3と同様にして水分散型粘着剤組成物を調製後、比較用の再剥離性粘着シートを作製して、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<比較例2(粘着付与樹脂の添加量が多すぎる例)>
用いた粘着付与樹脂を25質量部とした以外は実施例3と同様にして比較用の再剥離性粘着シートを作製し、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<比較例3(アクリル酸ブチルを使用していない例)>
用いた不飽和単量体をアクリル酸(AAC)1.0質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)99.0質量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)1.0質量部とした以外は実施例2と同様にして比較用の再剥離性粘着シートを作製し、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<比較例4(エチレン性不飽和カルボン酸の使用量が少なすぎる例)>
用いたメタクリル酸を0.3質量部とし、架橋剤の添加量を0.15質量部とした以外は実施例3と同様にして比較用の再剥離性粘着シートを作製し、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<比較例5(エチレン性不飽和カルボン酸の使用量が多すぎる例)>
用いたメタクリル酸を8質量部とし、架橋剤の添加量を4質量部とした以外は実施例3と同様にして比較用の再剥離性粘着シートを作製し、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<比較例6(架橋剤を使用していない例)>
架橋剤を使用しなかった以外は実施例3と同様にして比較用の再剥離性粘着シートを作製し、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<比較例7(平均粒子径が小さすぎる例)>
用いたポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(花王株式会社製、商品名:ラテムルE−118B)の使用量を0.7質量部とし、水分散型粘着剤組成物の粒子径を80nmに仕上げた以外は実施例3と同様にして比較用の再剥離性粘着シートを作製し、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
<比較例8(平均粒子径が大きすぎる例)>
用いたポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(花王株式会社製、商品名:ラテムルE−118B)の使用量を0.4質量部とし、水分散型粘着剤組成物の粒子径を400nmに仕上げた以外は実施例3と同様にして比較用の再剥離性粘着シートを作製し、粘着力、保持力、曲面貼付性及び再剥離性の評価を行った。
実施例1〜9における各成分の配合組成等およびその評価結果をまとめて表1に、比較例1〜8におけるそれらをまとめて表2に示す。
Figure 0005497258
Figure 0005497258
性能評価は、下記の測定方法に従って行なった。
(1)保持力
粘着シート作製後、23℃、50%RH環境下で、25mm×100mmにカットした粘着シート試験片を貼付面積が25mm×25mmとなるように被着体(SUS420)に貼付して試験サンプルとした。貼付後にJIS Z0237に基づき、80℃環境下、1kgの錘で荷重をかけて試験を行った。なお、比較例6以外の試験時間は24時間とし、表中○は24時間を超えても錘が落下しなかったことを示す。
(2)常態粘着力(α)
粘着シート作製後、23℃、50%RH環境下で、25mm×300mmにカットした粘着シート試験片を被着体(SUS420)に貼付して試験サンプルとした。JIS Z0237に基づき、貼付24時間後の粘着力を180°引き剥がし法による引張り速度300mm/分にて測定した。
(3)貼付経時粘着力(β)
粘着シート作製後、23℃、50%RH環境下で、25mm×300mmにカットした粘着シート試験片を被着体(SUS420)に貼付した。23℃、50%RH環境下で1日静置後、80℃環境下で7日間静置したのちに23℃、50%RH環境下へと戻し、1日静置後試験サンプルとした。JIS Z0237に基づき、180°引き剥がし法による引張り速度300mm/分での粘着力を測定した。
(4)対常態粘着力比
貼付経時粘着力(β)/常態粘着力(α)として算出した。
(5)曲面貼付性
粘着シート作製後、23℃、50%RH環境下で、25mm×40mmにカットした粘着シート試験片を、直径19mmφの丸棒被着体(SUS420、メラミン焼付け塗装板)に対し、長辺方向が外周上に巻きつくように貼付した。貼付7日後、長辺方向の剥がれ具合を測定し、剥がれ長さが3mm未満を○とし、3〜10mmを△、10mmより大きい場合を×とした。
(6)再剥離性
粘着シート作製後、23℃、50%RH環境下で、30mm×50mmにカットした粘着シート試験片を被着体(SUS420、メラミン焼付け塗装板)に貼付した。23℃、50%RH環境下で1日静置後、80℃環境下(条件1)または60℃、95%RH環境下(条件2)で7日間静置したのちに23℃、50%RH環境下へと戻し、1日静置後試験サンプルとした。0.3m/分の速度にて手で剥がし、剥離状態を観察した。
○:被着体に粘着剤が残らない。
×a:被着体に汚染または曇りがある
×b:基材と粘着剤層の界面が破壊される。
×c:粘着剤層の凝集破壊がある。
(7)平均粒子径の測定法
(株)堀場製作所製のレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(製品名:LA−920)を使用し、体積基準のメジアン径を測定した。
表1及び2から、実施例の再剥離性粘着シートは、比較例の再剥離性粘着シート(請求項に規定されている要件のいずれかひとつが範囲外)に比べて、粘着性、保持力、曲面貼付性に優れ、被着体に対する粘着力が経時的に上昇しにくいため、合成樹脂フィルムを基材としても貼り付けから長期間経過後も被着体に糊残りを引き起こすことなく、容易に剥離することが可能な再剥離性粘着シートであることがわかる。
本発明の再剥離性粘着シートは、広告ステッカー類や表示用ステッカー類、看板、ウインド・ディスプレイ、車両、配管、プラント機器等に用いられるマーキングフィルム、自動車や各種機器類の塗装時に非塗装領域に貼着されるマスキングテープ及び各種被着体の表面保護フィルムなどに有利に用いることができる。

Claims (7)

  1. 基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有する粘着シートであって、当該粘着剤層が、下記(a)成分および(b)成分
    (a)アクリル酸ブチル50.0〜99.5質量%
    (b)エチレン性不飽和カルボン酸0.5〜5.0質量%
    を含み、多官能性不飽和単量体を含有しない不飽和単量体の混合物を、反応性乳化剤の存在下に乳化重合して得られた平均粒子径が100〜350nmである水分散型粘着剤組成物(A)、同組成物(A)中の固形分100質量部に対して0.1〜20質量部の粘着付与剤(B)、同組成物(A)中のカルボキシル基1当量に対して0.1〜1当量のエポキシ系、オキサゾリン系およびカルボジイミド系化合物から選ばれた1種以上の架橋剤(C)を必須成分として含む粘着剤で形成されたものであり、曲面貼付性を有することを特徴とする再剥離性粘着シート。
  2. 前記粘着付与剤(B)の軟化点が100℃以上である請求項1に記載の再剥離性粘着シート。
  3. JIS Z0237に準拠し、23℃、50%RH環境下にてステンレス板に貼付した際の80℃環境下での保持力が24時間以上である請求項1または2に記載の再剥離性粘着シート。
  4. JIS Z0237に準拠し、23℃、50%RH環境下にてステンレス板に貼付した際の24時間後の常態粘着力(α)に対する、同条件にて貼付し、80℃環境下で7日間放置後、23℃、50%RH環境下で24時間放置した後の粘着力(β)の比(β)/(α)が0.80〜1.50である請求項1〜3のいずれかに記載の再剥離性粘着シート。
  5. 前記基材が合成樹脂フィルムである請求項1〜4のいずれかに記載の再剥離性粘着シート。
  6. 前記架橋剤(C)がエポキシ系架橋剤である請求項1〜5のいずれかに記載の再剥離性粘着シート。
  7. 前記反応性乳化剤に加えて非反応性乳化剤を併用する請求項1〜6のいずれかに記載の再剥離性粘着シート。
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