JP4421039B2 - 粘着剤組成物および粘着テープ - Google Patents

粘着剤組成物および粘着テープ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル系粘着剤組成物および粘着テープに関し、より詳しくは表面保護フィルムやマスキングテープなどに用いられている再離用粘着剤および粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より再剥離用粘着剤は、表面保護フィルムやマスキングテープなどに広く用いられている。
表面保護フィルムは、金属製品やプラスチック製品の運搬、貯蔵、加工時の傷、汚染、腐食などを防止するために、一時的に表面を保護し、上記目的を達した後は容易にかつ一体的に剥離することができるものである。また、マスキングテープは、例えば自動車やオートバイ等の車輌塗装の見切り線出し用として広く用いられており、塗装完了後糊残りなく容易に剥離できなくてはならない。
従って、これらの再剥離用粘着テープ類は、貼付け時に剥れることがなく、また剥離時には容易に剥れなくてはならないため、適度な剥離力が要求される。また凝集力が弱いと加工時にも糊残りが発生し、大きな問題となる。
【0003】
一方、アクリル系粘着剤は、その優れた接着特性、耐候性などの点から従来のゴム系粘着剤に代わり広く普及してきた。さらに環境対策、省資源、安全性などの観点から、有機溶剤を使用しない水分散型アクリル系粘着剤の開発が進み、使用量も増えている。
【0004】
このため表面保護フィルムにこの水分散型アクリル系粘着剤を適用する例も見られるが、従来のものは凝集力が十分でなく、加工時に糊残りが発生することがあり、改良が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記の課題を解決しようとするものであり、適度な剥離力と加工性に優れた水分散型のアクリル系再離用粘着剤およびそれを用いた再離用粘着テープの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに特定の官能性モノマー、および水溶性架橋剤と油溶性架橋剤をそれぞれ少なくとも1種類以上併用することにより、適度な剥離力と加工性に優れた水分散型アクリル系粘着剤が得られることを知り、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
▲1▼アルキル基の炭素数が4から12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、官能性モノマーとしてアクリル酸およびメタクリル酸を含んだ水分散型粘着剤組成物に対し、水溶性架橋剤と油溶性架橋剤をそれぞれ少なくとも1種類以上用いることを特徴とする粘着剤組成物に係るものである。
【0008】
また、好適な実施態様は以下のとおりである。
▲2▼アクリル酸とメタクリル酸の合計量が全モノマー100重量部に対して0.5〜10.0重量部であり、それぞれのカルボキシル基の比率がアクリル酸/メタクリル酸=0.1〜9.0(モル比)であることを特徴とする▲1▼に記載の粘着剤組成物。
【0009】
▲3▼アクリル酸のカルボキシル基に対する水溶性架橋剤の官能基の比率が0.1〜5.0(モル比)であり、かつメタクリル酸のカルボキシル基に対する油溶性架橋剤の官能基の比率が0.1〜5.0(モル比)であることを特徴とする▲1▼または▲2▼に記載の粘着剤組成物。
【0010】
▲4▼水溶性架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤を用いることを特徴とする▲1▼〜▲3▼記載の粘着剤組成物。
【0011】
▲5▼油溶性架橋剤としてエポキシ系架橋剤を用いることを特徴とする▲1▼〜▲3▼記載の粘着剤組成物。
【0012】
▲6▼基材上に、▲1▼〜▲5▼記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されてなる粘着テープ、および、▲7▼それらを表面保護用途やマスキング用途に用いた再剥離用粘着テープ。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の水分散型粘着剤に用いる主モノマーであるアルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、具体的には(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどが挙げられ、これらのアルキルエステルの中から、その1種または2種以上が用いられる。
【0014】
これらのアルキルエステルは、 粘着テープとして必要な良好な剥離力および凝集力を得るために、モノマー混合物中、50重量%以上の割合で用いることが好ましい。
【0015】
本発明において、上記主モノマーの他に必要に応じて共重合可能な他のモノマーを併用してもよい。この他のモノマーは、全モノマーの50重量%未満の範囲で、各モノマーの種類に応じて適宜その使用量を選択できるが、良好な感圧接着性を発現させるために、得られるポリマーのガラス転移点が通常−20℃以下となるように、使用量を決めるのが望ましい。
【0016】
他のモノマーとしては、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピルなどのアルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどのアルキル基の炭素数が13〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、2メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどの官能性モノマー、トリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官能性モノマー、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、n−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、 シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0017】
また、本発明においては、官能性モノマーとしてアクリル酸およびメタクリル酸が必須成分として必要である。アクリル酸およびメタクリル酸の合計量は、全モノマー100重量部に対して0.5〜10.0重量部、好ましくは1.0〜7.0重量部であり、それぞれのカルボキシル基の比率がアクリル酸/メタクリル酸=0.1〜9.0、好ましくは0.25〜4.0(モル比)の割合で用いられる。 アクリル酸およびメタクリル酸の割合が 0.5重量部未満の場合、十分な架橋ができないため本発明における良好な加工性が得にくく、好ましくない。また10.0重量部より多い場合、架橋剤量が少ないと剥離力が高くなりやすく、また架橋剤量が多いと適度な剥離力が得にくく、いずれも再剥離用として好ましくない。ここで、適度な剥離力とは、下記実施例に記載した評価方法において50〜300g/20mmの剥離力をいう。
【0018】
また、アクリル酸/メタクリル酸のカルボキシル基の割合が0.1より小さいとアクリル酸による粒子間架橋が不十分なため、凝集力不足となり加工性に劣り好ましくない。さらに、アクリル酸/メタクリル酸のカルボキシル基の割合が9.0より大きいとメタクリル酸による粒子内架橋が不十分となり、同じく凝集力不足となり加工性が劣り好ましくない。
【0019】
本発明において、本発明の必須成分であるアクリル酸は乳化重合などの場合、粒子表面に分布しやすく、メタクリル酸は比較的粒子内部にも取り込まれやすい。これらの官能基に対しアクリル酸には水溶性架橋剤を、メタクリル酸には油溶性架橋剤をそれぞれ適量用いることにより、粒子間と粒子内を適度に架橋することができ、剥離力および加工性に優れた粘着剤組成物になると考えられる。
【0020】
重合方法は通常の乳化重合法により行われ、重合条件など特に限定されるものではなく、一般的な一括仕込み法、モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法などを用いることができる。
【0021】
重合時の開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば水溶性開始剤として2,2´‐アゾビス(2‐アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´‐アゾビス(N,N´‐ジメチレンイソブチルアミジン)などのアゾ系、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩が、油溶性開始剤として2,2´‐アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系、ベンゾイルパーオキサイド、t‐ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系などが挙げられ、それぞれこれらの中から、1種または2種以上が用いられる。
【0022】
乳化剤としては、特に限定されるものではないが、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン系などが挙げられ、これらの中から、1種または2種以上が用いられる。アニオン系およびノニオン系のいずれの場合も、プロペニル基などを導入したラジカル重合性の乳化剤を用いてもよい。
【0023】
また、重合終了後、塗工前に架橋剤を添加し、粘着剤の凝集力を向上させることが必要である。ここで用いる架橋剤は、水溶性架橋剤と油溶性架橋剤をそれぞれ少なくとも1種類以上用いることが必要である。
【0024】
水溶性架橋剤としてはポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルなどのエポキシ系、エラストロンBN−69(第一工業製薬(株)製)などの水分散型イソシアネート系、エポクロスWS−500((株)日本触媒製)などのオキサゾリン系、ケミタイトPZ−33((株)日本触媒製)などのアジリジン系、カルボジライトV−02(日清紡(株)製)などの親水化処理カルボジイミド系、ヘキサメチロールメラミンなどの活性メチロール、ヘキサメトキシメチルメラミンなどの活性アルコキシメチル、オルガチックスAl135(松本製薬工業(株)製)などの金属キレートなどが挙げられ、特に架橋効率の点でオキサゾリン系架橋剤が好ましい。
【0025】
また、油溶性架橋剤としてはN,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなどのエポキシ系、トリレンジイソシアネート(ブロック)などのブロックイソシアネート系、カルボジライトV−01(日清紡(株)製)などの油溶性カルボジイミド系などが挙げられ、特に架橋効率の点でエポキシ系架橋剤が好ましい。
【0026】
ここで使用する架橋剤の量としては、アクリル酸のカルボキシル基に対する水溶性架橋剤の官能基の比率が0.1〜5.0、好ましくは0.2〜3.0(モル比)であり、かつメタクリル酸のカルボキシル基に対する油溶性架橋剤の官能基の比率が0.1〜5.0、好ましくは0.2〜3.0(モル比)の割合で用いられる。親水性、油溶性いずれの架橋剤もカルボキシル基に対する架橋剤の官能基のモル比が0.1より小さいと架橋反応不足となり、良好な加工性が得られないおそれがあり、好ましくない。また、5.0より大きいと実質上未反応の架橋剤が粘着剤層に残存し、凝集力を低下させやすく、またテープ化した後にテープ表面へ移行することにより被着体の汚染の原因となるおそれがあり、好ましくない。
【0027】
また、上記粘着剤には、必要に応じて各種添加剤、たとえば、剥離調整剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、老化防止剤などを配合することができる。
【0028】
本発明の粘着剤組成物は、基材上に塗布後加熱乾燥することで、粘着テープが作製される。基材上に粘着剤組成物を塗布するには、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工などの塗工方式を用いて行えばよい。また、表面に剥離処理を行った剥離紙に粘着剤組成物を塗布し加熱乾燥させた後、基材に転写することにより粘着剤層を形成することもできる。組成物の乾燥後の厚みは、用途目的に必要とされる特性との兼ね合いで適宜決定されるが、通常は1.0〜50μm、好ましくは3.0〜30μm程度である。
【0029】
また、ここで使用される基材フィルムは、特に限定されるものでなく、例えば紙類(和紙、クラフト紙等)、布類(綿、スフ、化繊、不織布等)、プラスチック類(セロハン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、アセテート、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル等)、金属箔、あるいはこれらのプラスチックラミネート体等を用いることができる。また、ゴム状の弾性を示すポリマーからなるフィルムや発泡体を用いることもできる。その厚さも、用いる基材の種類や用途、目的に応じて適宜決定できる。さらに、基材には下塗り処理、目止め処理、コロナ処理、背面処理など、公知の処理を行ったものを使用することができる。
【0030】
【実施例】
次に本発明をさらに具体的に説明するため、実施例および比較例を示す。本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、以下において部とあるのは、重量部を意味するものとする。
【0031】
[粘着剤A]
温度計、撹拌機、窒素導入管および還流冷却管を備えた反応器に水50部および過硫酸カリウム0.2部を仕込み、撹拌下1時間窒素置換した。ここに、アクリル酸ブチル50 部、メタクリル酸メチル49部 、アクリル酸0.5部、メタクリル酸0.5部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1部を水50部で乳化したものを70℃で3時間かけて滴下し、70℃で2時間熟成を行なった。その後、室温まで冷却し10%のアンモニア水で中和して粘着剤Aを作製した。
この場合、 アクリル酸とメタクリル酸の合計量は全モノマー100重量部に対して1.0重量部であり、カルボキシル基の比率はアクリル酸/メタクリル酸=1.2(モル比)であった。
【0032】
[粘着剤B]
モノマーをアクリル酸ブチル50部、メタクリル酸メチル49部 、アクリル酸1部とした以外は、粘着剤Aと同様の処方にて粘着剤Bを作製した。
【0033】
[粘着剤C]
モノマーをアクリル酸ブチル50部、メタクリル酸メチル49部 、メタクリル酸1部とした以外は、粘着剤Aと同様の処方にて粘着剤Cを作製した。
【0034】
[粘着剤D]
モノマーをアクリル酸ブチル50部、メタクリル酸t-ブチル47.8部 、アクリル酸1.7部、メタクリル酸0.5部とした以外は、粘着剤Aと同様の処方にて粘着剤Dを作製した。
この場合、 アクリル酸とメタクリル酸の合計量は全モノマー100重量部に対して2.2重量部であり、カルボキシル基の比率はアクリル酸/メタクリル酸=4.0(モル比)であった。
【0035】
[粘着剤E]
モノマーをアクリル酸ブチル50部、メタクリル酸t-ブチル47.7部 、アクリル酸0.4部、メタクリル酸1.9部とした以外は、粘着剤Aと同様の処方にて粘着剤Eを作製した。
この場合、 アクリル酸とメタクリル酸の合計量は全モノマー100重量部に対して2.3重量部であり、カルボキシル基の比率はアクリル酸/メタクリル酸=0.25(モル比)であった。
【0036】
[実施例1]
上記粘着剤Aに油溶性エポキシ系架橋剤としてN,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製「テトラッドX」)を0.5部(対粘着剤固形分100部)、および水溶性オキサゾリン系架橋剤として((株)日本触媒製「エポクロスWS−500」)を1.5部添加し、60μmのポリエチレン基材に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布乾燥し、粘着テープを得た。
この場合、アクリル酸のカルボキシル基に対する水溶性架橋剤の官能基の比率が1.0(モル比)であり、またメタクリル酸のカルボキシル基に対する油溶性架橋剤の官能基の比率が0.9(モル比)であった。
【0037】
[実施例2]
上記粘着剤Aに油溶性エポキシ系架橋剤として三菱瓦斯化学(株)製「テトラッドX」を1.0部(対粘着剤固形分100部)および水溶性オキサゾリン系架橋剤として(株)日本触媒製「エポクロスWS−500」を3.0部添加し、60μmのポリエチレン基材に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布乾燥し、粘着テープを得た。
この場合、アクリル酸のカルボキシル基に対する水溶性架橋剤の官能基の比率が2.0(モル比)であり、またメタクリル酸のカルボキシル基に対する油溶性架橋剤の官能基の比率が1.9(モル比)であった。
【0038】
[実施例3]
上記粘着剤Aに油溶性ブロックイソシアネート系架橋剤としてトリレンジイソシアネート(ブロック)(日本ポリウレタン工業(株)製「コロネートAPステーブル」)を6.0部(対粘着剤固形分100部)および水溶性エポキシ系架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製「デナコールEX−810」)を2.4部添加し、60μmのポリエチレン基材に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布乾燥し、粘着テープを得た。
この場合、アクリル酸のカルボキシル基に対する水溶性架橋剤の官能基の比率が2.0(モル比)であり、またメタクリル酸のカルボキシル基に対する油溶性架橋剤の官能基の比率が3.0(モル比)であった。
【0039】
[比較例1]
上記粘着剤Aに油溶性エポキシ系架橋剤として三菱瓦斯化学(株)製「テトラッドX」を0.5部(対粘着剤固形分100部)添加し、60μmのポリエチレン基材に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布乾燥し、粘着テープを得た。
【0040】
[比較例2]
上記粘着剤Aに水溶性オキサゾリン系架橋剤として(株)日本触媒製「エポクロスWS−500」を1.5部(対粘着剤固形分100部)添加し、60μmのポリエチレン基材に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布乾燥し、粘着テープを得た。
【0041】
[比較例3]
上記粘着剤Bに油溶性エポキシ系架橋剤として三菱瓦斯化学(株)製「テトラッドX」を0.5部(対粘着剤固形分100部)および水溶性オキサゾリン系架橋剤として(株)日本触媒製「エポクロスWS−500」を3.0部添加し、60μmのポリエチレン基材に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布乾燥し、粘着テープを得た。
【0042】
[比較例4]
上記粘着剤Cに油溶性エポキシ系架橋剤として三菱瓦斯化学(株)製「テトラッドX」を0.5部(対粘着剤固形分100部)および水溶性オキサゾリン系架橋剤として(株)日本触媒製「エポクロスWS−500」を3.0部添加し、60μmのポリエチレン基材に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布乾燥し、粘着テープを得た。
【0043】
[実施例4]
上記粘着剤Dに油溶性エポキシ系架橋剤としてN,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製「テトラッドX」)を0.5部(対粘着剤固形分100部)、および水溶性オキサゾリン系架橋剤として((株)日本触媒製「エポクロスWS−500」)を5.1部添加し、60μmのポリエチレン基材に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布乾燥し、粘着テープを得た。
この場合、アクリル酸のカルボキシル基に対する水溶性架橋剤の官能基の比率が1.0(モル比)であり、またメタクリル酸のカルボキシル基に対する油溶性架橋剤の官能基の比率が0.9(モル比)であった。
【0044】
[実施例5]
上記粘着剤Eに油溶性エポキシ系架橋剤としてN,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製「テトラッドX」)を4.1部(対粘着剤固形分100部)、および水溶性オキサゾリン系架橋剤として((株)日本触媒製「エポクロスWS−500」)を1.2部添加し、60μmのポリエチレン基材に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布乾燥し、粘着テープを得た。
この場合、アクリル酸のカルボキシル基に対する水溶性架橋剤の官能基の比率が1.0(モル比)であり、またメタクリル酸のカルボキシル基に対する油溶性架橋剤の官能基の比率が2.0(モル比)であった。
【0045】
(粘着テープの評価方法)
「剥離性評価」
20mm×100mmの粘着テープを被着体に2kgのローラーで一往復させる方法で圧着し、その剥離に要する力を測定し剥離性評価とした(180度剥離、引張り速度300mm/min、23℃、65%RH)。
被着体:ステンレス鋼板(SUS430BA) 放置条件:23℃×20分。
【0046】
「加工性評価」
幅30mm、長さ100mm、厚さ1.0mmのステンレス鋼板(SUS430BA)に粘着テープを5kgのローラーで一往復させる方法で圧着し、その後23℃、65%RHの状態で24時間放置して試験片とした。この試験片を幅8.0mm、R=1.0mmの断面逆三角形の凹部を有する金型に、試験片の粘着テープが金型側に来るように設置し、プレス機にて90度曲げ試験を行なった。その後試験片から粘着テープを剥離した時の被着体への糊残りを観察した。
○:糊残りがない。
△:糊残りがわずかにある。
×:糊残りがかなりある。
【0047】
【表1】
Figure 0004421039
【0048】
上表の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜5の各粘着テープは、いずれも適度な剥離力および加工性を有していることがわかる。これに対し、水溶性架橋剤あるいは油溶性架橋剤のどちらか一方しか含まない場合(比較例1,2)や、アクリル酸あるいはメタクリル酸のどちらか一方しか含まない場合(比較例3,4)では、適度な剥離力と加工性を得ることができない。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、適度な剥離力を有し、かつ加工性にも優れた再剥離用粘着テープを提供することができるので、貼付け時に剥れることがなく、剥離時には容易に剥すことができ、さらに加工時に糊残りが発生することなどもない。

Claims (7)

  1. アルキル基の炭素数が4から12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、官能性モノマーとしてアクリル酸およびメタクリル酸を含んだアクリル系粘着剤組成物に対し、水溶性架橋剤と油溶性架橋剤をそれぞれ少なくとも1種類以上用いることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. アクリル酸とメタクリル酸の合計量が全モノマー100重量部に対して0.5〜10.0重量部であり、それぞれのカルボキシル基の比率がアクリル酸/メタクリル酸=0.1〜9.0(モル比)であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. アクリル酸のカルボキシル基に対する水溶性架橋剤の官能基の比率が0.1〜5.0(モル比)であり、かつメタクリル酸のカルボキシル基に対する油溶性架橋剤の官能基の比率が0.1〜5.0(モル比)であることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
  4. 水溶性架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤を用いることを特徴とする請求項1〜3記載の粘着剤組成物。
  5. 油溶性架橋剤としてエポキシ系架橋剤を用いることを特徴とする請求項1〜3記載の粘着剤組成物。
  6. 基材上に、請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されてなる粘着テープ。
  7. 表面保護用途やマスキング用途に用いられる、請求項6記載の再剥離用粘着テープ。
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