JP5064066B2 - マスキングシート - Google Patents

マスキングシート Download PDF

Info

Publication number
JP5064066B2
JP5064066B2 JP2007061949A JP2007061949A JP5064066B2 JP 5064066 B2 JP5064066 B2 JP 5064066B2 JP 2007061949 A JP2007061949 A JP 2007061949A JP 2007061949 A JP2007061949 A JP 2007061949A JP 5064066 B2 JP5064066 B2 JP 5064066B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensitive adhesive
parts
water
masking sheet
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007061949A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008222830A (ja
Inventor
淳 ▲高▼嶋
剛 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2007061949A priority Critical patent/JP5064066B2/ja
Publication of JP2008222830A publication Critical patent/JP2008222830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5064066B2 publication Critical patent/JP5064066B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、マスキングシート、詳しくは、アルカリ水溶液で処理される被着体を部分的に保護するためのマスキングシートに関する。
従来より、金属における脱脂、基板におけるレジストの除去、部分的なケン化などでは、金属、基板、ケン化対象物などの被着体を、アルカリ水溶液で処理している。このような処理において、被着体では、処理したくない部分をアルカリ水溶液と接触させないように、かかる部分をマスキングシートなどで予め被覆して保護している。
このようなマスキングシートとして、基材に、粘着剤からなる粘着剤層を積層したマスキングシートが知られている。
例えば、ポリプロピレン−ポリエチレンのブロック共重合体からなるポリオレフィン樹脂フィルムに、熱可塑性ブロックポリマーおよび粘着付与剤を含む合成ゴム系粘着剤からなる粘着剤層を設けた塗装マスキングテープが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ポリエチレンテレフタレートからなる耐熱性バッキングフィルム層に粘着剤層を設けた耐熱マスキングテープが提案されており、粘着剤層として、アルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリル酸を重合・架橋して得られるポリマーを含むことが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、近年、環境負荷の観点から、有機溶剤の使用を低減することが望まれており、溶媒として有機溶剤を使用する溶剤型粘着剤から、分散媒として水を使用する水分散型粘着剤への転換が望まれている。
特開平9−272849号公報 特開2005−53975号公報
しかるに、被着体を、加熱されたアルカリ水溶液で処理する場合がある。このような場合において、特許文献1に記載の塗装マスキングテープでは、基材がポリオレフィン樹脂フィルムからなるので、マスキングシートと被着体との間に隙間が生じ、処理したくない部分が、アルカリ水溶液と接触する(以下、「浮きが生じる」という場合がある。)という不具合がある。
また、水分散型粘着剤には、通常、水分散のために界面活性剤が配合されていることから、このような水分散型粘着剤から粘着剤層を形成する場合には、上記した処理において、浮きの発生が顕著となる。
また、特許文献2に記載の耐熱マスキングテープでは、基材がポリエチレンテレフタレートからなるので、その耐熱性が比較的高いものの、加熱されたアルカリ水溶液によって加水分解される場合があり、バッキングフィルム層が崩壊するおそれがある。
さらに、近年、被着体である基板が、フレキシビリティを有したり、薄型化されていることから、マスキングシートが過度に高い粘着力(重剥離性)を有する場合には、マスキングシートの剥離時に基板が折れ曲がるなどの不具合を生じるおそれがある。そのため、マスキングシートには、かかる不具合が生じにくい、つまり、剥離時に被着体を損傷させることのない適度な粘着力(軽剥離性)が要求されている。
本発明の目的は、加熱されたアルカリ水溶液による処理において浮きが生じることを防止できながら、軽剥離性であり、しかも、加熱されたアルカリ水溶液に対する耐久性を有するマスキングシートを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のマスキングシートは、アルカリ水溶液で処理される被着体を部分的に保護するためのマスキングシートであって、ポリオレフィンから形成される基材と、前記基材の少なくとも片面に積層され、水分散型粘着剤から形成される粘着剤層とを備え、前記水分散型粘着剤は、酢酸エチルに浸漬したときのゲル分率が90重量%以上であって、かつ、フォックスの式により求められるガラス転移温度が−35℃以上であり、前記水分散型粘着剤は、アルキル基の炭素数が8〜12のアクリル酸アルキルエステルと、アルキル基の炭素数が4〜7のメタクリル酸アルキルエステルとを含む原料モノマーを重合することにより得られていることを特徴としている。
また、本発明のマスキングシートでは、マスキングシートを、ヘアライン仕上げのステンレスに圧力2.6kg/cm、速度0.3m/分で貼り合わせ、次いで、20分放置した後において、そのステンレスに対する23℃、60%RHにおける剥離力が、剥離速度10m/分、剥離角度180°で3.5(N/25mm)以下であることが好適である。
また、本発明のマスキングシートでは、前記ポリオレフィンが、ポリエチレンであることが好適である。
また、本発明のマスキングシートでは、前記原料モノマーは、原料モノマーの総量100重量部に対して、アクリル酸0.5〜7.0重量部を含有していることが好適である。
本発明のマスキングシートは、特定のゲル分率およびガラス転移温度を有する水分散型粘着剤から形成される粘着剤層を備えている。そのため、水分散型でありながら、加熱されたアルカリ水溶液による処理において、浮きの発生を防止することができる。しかも、本発明のマスキングシートは、軽剥離性を確保することができる。
その結果、本発明のマスキングシートによれば、アルカリ水溶液の処理時には、アルカリ水溶液で処理したくない部分を、確実に被覆して、アルカリ水溶液から保護することができる。しかも、アルカリ水溶液の処理後には、被着体の損傷を防止しながら、被着体からマスキングシートを剥離することができる。
また、本発明のマスキングシートでは、基材がポリオレフィンから形成されるので、加熱されたアルカリ水溶液に対する耐久性を有している。そのため、加熱されたアルカリ水溶液の処理において、処理したくない部分を、確実に被覆して、アルカリ水溶液から保護することができる。
本発明のマスキングシートは、アルカリ水溶液で処理される被着体を部分的に保護するためのマスキングシートであって、基材と、基材の片面に積層され、水分散型粘着剤から形成される粘着剤層とを備えている。
本発明において、粘着剤層を形成する水分散型粘着剤は、例えば、水分散型アクリル系粘着剤であって、主成分として、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、それ以外の成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性ビニルモノマーとを含有する原料モノマーを重合することにより得ることができる。
アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、メタクリル酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸アルキルエステルであって、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)などの(メタ)アクリル酸の直鎖または分岐アルキルエステルなどが挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独使用または併用することができる。好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを併用する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの併用としては、例えば、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの組合せなどが挙げられる。好ましくは、アルキル基の炭素数が8〜12のアクリル酸アルキルエステルとアルキル基の炭素数が4〜7のメタクリル酸アルキルエステルとの組合せ、アルキル基の炭素数が4〜7のアクリル酸アルキルエステルとアルキル基の炭素数が4〜7のメタクリル酸アルキルエステルとの組合せなどが挙げられる。さらに好ましくは、アクリル酸2−エチルヘキシルとメタクリル酸ブチルとの組合せ、アクリル酸ブチルとメタクリル酸ブチルとの組合せなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合は、マスキングシートとして要求される剥離力および凝集力を得るために、原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、50重量部以上、好ましくは、60〜100重量部、さらに好ましくは、70〜100重量部に設定される。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが併用される場合、例えば、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの組合せの場合には、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの配合割合は、アクリル酸アルキルエステルが、メタクリル酸アルキルエステル100重量部に対して、例えば、5〜400重量部、好ましくは、20〜350重量部である。
好ましくは、アルキル基の炭素数が8〜12のアクリル酸アルキルエステルとアルキル基の炭素数が4〜7のメタクリル酸アルキルエステルとの配合割合は、アルキル基の炭素数が8〜12のアクリル酸アルキルエステルが、アルキル基の炭素数が4〜7のメタクリル酸アルキルエステル100重量部に対して、例えば、10〜170重量部、好ましくは、30〜120重量部である。また、好ましくは、アルキル基の炭素数が4〜7のアクリル酸アルキルエステルとアルキル基の炭素数が4〜7のメタクリル酸アルキルエステルとの配合割合は、アルキル基の炭素数が4〜7のアクリル酸アルキルエステルが、アルキル基の炭素数が4〜7のメタクリル酸アルキルエステル100重量部に対して、例えば、25〜350重量部、好ましくは、50〜300重量部である。
さらに好ましくは、アクリル酸2−エチルヘキシルとメタクリル酸ブチルとの配合割合は、アクリル酸2−エチルヘキシルが、メタクリル酸ブチル100重量部に対して、例えば、35〜120重量部、好ましくは、60〜110重量部である。また、さらに好ましくは、アクリル酸ブチルとメタクリル酸ブチルとの配合割合は、アクリル酸ブチルが、メタクリル酸ブチル100重量部に対して、例えば、50〜300重量部、好ましくは、85〜230重量部である。
共重合性ビニルモノマーとしては、例えば、反応性官能基含有ビニルモノマーが挙げられ、このような反応性官能基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和カルボン酸や、無水フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物などのカルボキシル基含有ビニルモノマー、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチルなどのヒドロキシル基含有ビニルモノマー((メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル)、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル、グリセリンジ(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニルモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基含有ビニルモノマー、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有ビニルモノマー、例えば、(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有ビニルモノマー、例えば、(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニルモノマー、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミドなどのマレイミド系のイミド基含有ビニルモノマーなどが挙げられる。
また、共重合性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルなどのアルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキル(直鎖または分岐アルキル)エステル、例えば、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリル)などのアルキル基の炭素数が13〜18の(メタ)アクリル酸アルキル(直鎖または分岐アルキル)エステル、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、例えば、スチレンなどの芳香族系ビニルモノマー、例えば、(メタ)アクリロイルモルホリンなどの窒素原子含有ビニルモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有ビニルモノマー、例えば、N−ビニルピロリドンなどのビニル基含有複素環化合物などが挙げられる。
さらに、共重合性ビニルモノマーとしては、多官能性モノマーが挙げられる。
多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)アルキレンポリオールポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これら共重合性ビニルモノマーは、単独使用または併用することができる。
これら共重合性ビニルモノマーのうち、好ましくは、反応性官能基含有ビニルモノマーが挙げられ、さらに好ましくは、カルボキシル基含有ビニルモノマーが挙げられ、とりわけ好ましくは、(メタ)アクリル酸が挙げられ、最も好ましくは、アクリル酸が挙げられる。
共重合性ビニルモノマーの配合割合は、使用される原料モノマーの種類によるが、後述する水分散型粘着剤のガラス転移温度が−35℃以上となり、粘着剤層としたときに、軽剥離性を確保できるように選択され、原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、50重量部未満、好ましくは、40重量部以下、さらに好ましくは、30重量部以下である。
とりわけ、共重合性ビニルモノマーがアクリル酸である場合には、アクリル酸の配合割合は、原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、0.5〜7.0重量部、好ましくは、1.0〜5.0重量部である。アクリル酸の配合割合が上記した範囲に満たないと、得られる水分散型粘着剤の安定性が低下する場合がある。アクリル酸の配合割合が上記した範囲を超えると、剥離力が過度に高くなる場合があり、また、マスキングシートを被着体に貼着して保存したときには剥離力がさらに高くなる場合がある。
また、これら原料モノマーを重合して得られる水分散型粘着剤のフォックスの式により求められるガラス転移温度が、−35℃以上、好ましくは、−31℃以上、通常、0℃以下となるように、原料モノマーが選択される。ガラス転移温度が上記した範囲に満たないと、この水分散型粘着剤を粘着剤層としたときに、剥離速度が高い場合における剥離力が過度に高くなる(すなわち、剥離が重くなる)。さらに、剥離速度が低い場合における剥離力が低くなり(すなわち、剥離が軽くなり)、アルカリ水溶液による処理で浮きが生じ易くなる。
なお、フォックス(Fox)の式により求められるガラス転移温度は、下記式(1)から求められる計算上のガラス転移温度である。
1/T=Σ(W/Tgn) ・・・(1)
(式(1)中、Tは水分散型粘着剤(共重合体)のガラス転移温度[K]、Wは各モノマーの重量分率、Tgnは各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度[K]、nは各モノマーの種類を示す。)
水分散型粘着剤は、上記した原料モノマーを重合することにより、得ることができる。
上記した原料モノマーを重合するには、例えば、乳化重合などの公知の重合方法が用いられる。
乳化重合では、例えば、上記した原料モノマーとともに、重合開始剤、乳化剤などを、水中において適宜配合して共重合する。より具体的には、例えば、一括仕込み法(一括重合法)、モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法またはこれらを併用するなど、公知の乳化重合法を採用することができる。なお、モノマー滴下法やモノマーエマルション滴下法では、連続滴下または分割滴下が適宜選択される。反応条件などは、重合開始剤の種類などに応じて適宜選択されるが、重合温度は、例えば、20〜90℃である。
重合開始剤としては、乳化重合に通常使用される重合開始剤が挙げられ、例えば、水溶性開始剤や油溶性開始剤などが挙げられる。水溶性開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]などの水溶性アゾ系開始剤、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤、例えば、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組合せ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組合せなどのレドックス系開始剤(過酸化物と還元剤との組合せ)などが挙げられる。油溶性開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどの油溶性アゾ系開始剤、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤などが挙げられる。
重合開始剤は、水溶性または油溶性のどちらであってもよく、好ましくは、過硫酸塩系開始剤などが挙げられる。また、これら重合開始剤は、単独使用または併用することができる。
重合開始剤の配合割合は、原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、0.005〜1重量部である。
乳化剤としては、乳化重合に通常使用される公知の乳化剤が挙げられる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硫酸エステル塩などのアニオン系乳化剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。
また、これらアニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤に、プロペニル基やアリルエーテル基などのラジカル重合性官能基(ラジカル反応性基)が導入されたラジカル重合性(反応性)乳化剤(例えば、アクアロンBC−2020(第一工業(株)製))なども挙げられる。
これら乳化剤は、単独使用または併用することができる。
乳化剤の配合割合は、原料モノマーの総量100重量部に対して、例えば、0.2〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部程度である。
このような乳化重合によって、得られた水分散型粘着剤を、エマルション(水分散液)として調製することができる。
調製されたエマルションの固形分(すなわち水分散型粘着剤)濃度は、例えば、10〜80重量%、好ましくは、20〜60重量%である。なお、重合後のエマルションに水をさらに添加することにより、エマルションの固形分を上記した範囲に調整することができる。
なお、水分散型粘着剤を、例えば、上記した原料モノマーを、乳化重合以外の重合方法であって、有機溶剤を使用しない方法(例えば、懸濁重合など)によって重合した後に、必要に応じて上記した乳化剤により、エマルションとして、調製することができる。
また、水分散型粘着剤のエマルション粒子の平均粒子径は、例えば、0.05〜10μm、好ましくは、0.1〜1μm程度である。
また、この水分散型粘着剤(エマルションの固形分)のゲル分率は、85重量%以上、好ましくは、90重量%以上、通常、100重量%以下に設定される。ゲル分率が上記した範囲に満たないと、この水分散型粘着剤を粘着剤層としたときに、浮きが生じ易くなる。
なお、ゲル分率は、酢酸エチルに浸漬したときのゲル分率であって、より具体的には、エマルションを130℃で1時間乾燥させることにより得られた水分散型粘着剤(エマルションの固形分)から、約0.1gをサンプリングし、これを秤量し、50mlの酢酸エチル中に室温(20〜25℃)で1週間浸漬する。その後、不溶分を取り出し、これを130℃で1時間乾燥させる。乾燥後、秤量して、下記式(2)で算出することにより、ゲル分率を求めることができる。
ゲル分率(重量%)=(乾燥後の不溶分の重量/浸漬前の水分散型粘着剤(エマルションの固形分)の重量)×100 ・・・(2)
なお、上記のように調製される水分散型粘着剤のエマルションを、そのままマスキングシートの粘着剤として使用することができ、また、水分散型粘着剤の凝集力を向上させる目的で、さらに、架橋剤を配合することもできる。
架橋剤としては、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルなどのエポキシ系架橋剤、例えば、イソシアネート系架橋剤(市販品としては、エラストロンBN−69、水分散型、第1工業製薬(株)製)、例えば、オキサゾリン系架橋剤(市販品としては、エポクロスWS−500、水分散型、(株)日本触媒製)、例えば、アジリジン系架橋剤(市販品としては、ケミタイトPZ−33、(株)日本触媒製)、例えば、カルボジイミド系架橋剤(市販品としては、カルボジライトV−02、親水化処理、日清紡(株)製)、例えば、ヘキサメチロールメラミンなどの活性メチロール系架橋剤、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミンなどの活性アルコキシメチル系架橋剤、例えば、金属キレート系架橋剤(市販品として、オルガチックスl135、松本製薬工業(株)製)などが挙げられる。これら架橋剤は、単独使用または併用することができる。
これら架橋剤のうち、架橋効率の観点から、好ましくは、オキサゾリン系架橋剤が挙げられる。
架橋剤の配合割合は、水分散型粘着剤(エマルションの固形分)100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部である。
また、水分散型粘着剤のエマルションは、エマルションの安定性を向上する目的で、例えば、アンモニア水などにより、例えば、pH7〜9、好ましくは、pH7〜8に調整される。
さらに、水分散型粘着剤のエマルションには、必要に応じて、剥離調整剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、老化防止剤など、水分散型粘着剤に通常添加される添加剤を、適宜、添加することもできる。これら添加剤の配合割合は、特に制限されず、適宜、選択することができる。
本発明のマスキングシートにおいて、基材を形成する材料としては、ポリオレフィンであって、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体などが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンが挙げられる。
基材は、例えば、シート(フィルム)状やテープ状に形成されている。
次に、本発明のマスキングシートの製造方法について、説明する。
本発明のマスキングシートを得るには、まず、基材を用意する。
基材には、例えば、必要により、下塗り処理、目止め処理、コロナ処理、背面処理など、公知の処理を施すことができる。
基材の厚みは、その用途および目的に応じて適宜選択され、例えば、20〜150μm、好ましくは、30〜100μmである。
次いで、基材の片面に、粘着剤層を積層する。
粘着剤層を設けるには、例えば、基材の片面に水分散型粘着剤のエマルションを、ロール塗布、スクリーン塗布、グラビア塗布などの公知の塗布方法により、直接塗布し、その後、例えば、50〜180℃で加熱して乾燥する。
また、粘着剤層が積層された離型シートから、粘着剤層を基材に転写することもできる。
粘着剤層が積層された離型シートは、例えば、公知の離型シートに水分散型粘着剤のエマルションを、公知の塗布方法により、直接塗布し、これを加熱により乾燥して粘着剤層を形成することにより、形成される。また、粘着剤層を転写するには、基材の片面と粘着剤層とが接触するように、粘着剤層が積層された離型シートを、基材に貼り合わせた後、粘着剤層から離型シートを引き剥がす。
このようにして形成される粘着剤層の厚み(乾燥後厚み)は、その用途および目的に応じて適宜選択され、例えば、1.0〜50μm、好ましくは、3.0〜30μm程度の範囲に設定される。
このようにして得られるマスキングシートにおいて、マスキングシートを、25mm×100mmの大きさに裁断して、これをヘアライン仕上げのステンレスにシリンダー圧力2.6kg/cm、速度0.3m/分のラミネーターで貼り合わせ、次いで、20分放置した後において、そのステンレスに対する23℃、60%RHにおける剥離力は、剥離速度10m/分、剥離角度180°で、例えば、3.5(N/25mm)以下、好ましくは、0.1〜3.0(N/25mm)、さらに好ましくは、0.5〜2.0(N/25mm)である。剥離力が上記した範囲を超えると、剥離力が過度に高くなり、被着体からの剥離時に、被着体を損傷させる場合がある。剥離力が上記した範囲に満たないと、アルカリ水溶液による処理で浮きが生じる場合がある。
このようにして得られるマスキングシートを用いて、アルカリ水溶液で処理される被着体を部分的に保護することができる。
アルカリ水溶液を形成するアルカリとしては、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ、例えば、アンモニア、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンなどの有機アルカリなどが挙げられる。
また、アルカリ水溶液のpHは、特に限定されず、例えば、9以上、好ましくは、11以上である。
また、アルカリ水溶液は、通常加熱されており、その温度が、例えば、20〜100℃、好ましくは、40〜80℃に設定されている。
また、被着体としては、特に限定されず、例えば、金属、基板、ケン化対象物などが挙げられる。
そして、これら被着体を部分的に保護するには、処理したくない部分(非処理面)に、マスキングシートを予め貼着する。
次いで、マスキングシートで部分的に保護された被着体を、アルカリ水溶液により処理する。このような処理としては、例えば、金属における脱脂処理、基板におけるレジストの除去処理、部分的なケン化処理などが挙げられる。
次いで、上記したアルカリ水溶液の処理の後に、被着体からマスキングシートを剥離する。
そして、本発明のマスキングシートは、上記した特定のゲル分率およびガラス転移温度を有する水分散型粘着剤から形成される粘着剤層を備えている。そのため、水分散型でありながら、加熱されたアルカリ水溶液による処理において、浮きの発生を防止することができる。しかも、本発明のマスキングシートは、軽剥離性を確保することができる。
その結果、本発明のマスキングシートによれば、アルカリ水溶液の処理時には、アルカリ水溶液で処理したくない部分、すなわち、非処理面を、確実に被覆して、アルカリ水溶液から保護することができる。しかも、アルカリ水溶液の処理後には、金属、基板、ケン化対象物などの被着体の損傷を防止しながら、被着体からマスキングシートを剥離することができる。とりわけ、フレキシビリティを有し、薄型化されている基板(例えば、フレキシブル配線回路基板)をマスキングしても、剥離時には、このような基板の損傷を防止することができる。
また、本発明のマスキングシートでは、基材がポリオレフィンから形成されるので、加熱されたアルカリ水溶液に対する耐久性を有している。そのため、加熱されたアルカリ水溶液の処理において、処理したくない部分(非処理面)を、確実に被覆して、アルカリ水溶液から保護することができる。
なお、上記した説明において、粘着剤層を、基材の片面に設けたが、例えば、基材の両面に設けることもできる。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例および比較例に何ら制限されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、重量基準である。
(水分散型粘着剤のエマルションの調製)
合成例1
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応器に、アクリル酸2−エチルヘキシル49部、メタクリル酸ブチル49部、アクリル酸2部、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド0.03部、乳化剤(反応性乳化剤、ポリオキシエチレン硫酸塩、「アクアロンBC−2020」、第一工業製薬(株)製)2部および水80部を加えて、攪拌して窒素を導入しながら、75℃で8時間、乳化重合した。その後、アンモニア水および水を添加して、固形分を40%、pHを8.0に調整することにより、水分散型粘着剤のエマルションを調製した。
合成例2
アクリル酸2−エチルヘキシル49部に代えて、アクリル酸2−エチルヘキシル53部を用い、メタクリル酸ブチル49部に代えて、メタクリル酸ブチル44部を用い、アクリル酸2部に代えて、アクリル酸4部を用い、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド0.03部に代えて、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]0.04部を用い、水80部に代えて、水130部を用いた以外は、合成例1と同様にして、乳化重合した後、固形分およびpHを調整することにより、水分散型粘着剤のエマルションを調製した。
合成例3
アクリル酸2−エチルヘキシル49部に代えて、アクリル酸ブチル36部を用い、メタクリル酸ブチル49部に代えて、メタクリル酸ブチル61部を用い、アクリル酸2部に代えて、アクリル酸3部を用い、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド0.03部に代えて、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]0.04部を用いた以外は、合成例1と同様にして、乳化重合した後、固形分およびpHを調整することにより、水分散型粘着剤のエマルションを調製した。
比較合成例1
アクリル酸2−エチルヘキシル49部に代えて、アクリル酸2−エチルヘキシル85部を用い、メタクリル酸ブチル49部に代えて、メタクリル酸ブチル11部を用い、アクリル酸2部に代えて、アクリル酸4部を用い、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド0.03部に代えて、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]0.04部を用いた以外は、合成例1と同様にして、乳化重合した後、固形分およびpHを調整することにより、水分散型粘着剤のエマルションを調製した。
比較合成例2
アクリル酸2−エチルヘキシル49部に代えて、アクリル酸2−エチルヘキシル85部を用い、メタクリル酸ブチル49部に代えて、メタクリル酸ブチル11部を用い、アクリル酸2部に代えて、アクリル酸4部を用い、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド0.03部に代えて、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]0.04部を用い、さらに、ラウリルメルカプタン(連鎖移動剤)0.05部を用いた以外は、合成例1と同様にして、乳化重合した後、固形分およびpHを調整することにより、水分散型粘着剤のエマルションを調製した。
比較合成例3
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応器に、水50部および過硫酸カリウム0.2部を投入して、過硫酸カリウムを溶解させた後、これを攪拌して窒素を導入しながら、アクリル酸ブチル58部、メタクリル酸ブチル40部、乳化剤(反応性乳化剤、ポリオキシエチレン硫酸塩、「アクアロンBC−2020」、第一工業製薬(株)製)2部、水50部からなる原料モノマーのエマルションを、55℃で3時間かけて滴下して重合した。滴下後、さらに、70℃で3時間熟成した。その後、アンモニア水および水を添加して、固形分を40%、pHを8.0に調整することにより、水分散型粘着剤のエマルションを調製した。
(マスキングシートの作製)
実施例1
合成例1で調製した水分散型粘着剤のエマルションに、水分散型粘着剤(エマルションの固形分)100重量部に対して、オキサゾリン系架橋剤(エポクロスWS−500、水分散型、(株)日本触媒製)を、固形分換算で4部、配合した。
次いで、架橋剤が配合されたエマルションを、厚み50μmのポリエチレンフィルムの片面に、乾燥後厚みが5μmとなるように塗布した。次いで、90℃で3分間、乾燥することにより、水分散型粘着剤からなる粘着剤層を形成してマスキングシートを作製した。
参考例2
合成例2で調製した水分散型粘着剤のエマルションに、水分散型粘着剤(エマルションの固形分)100重量部に対して、オキサゾリン系架橋剤(エポクロスWS−500、水分散型、(株)日本触媒製)を、固形分換算で2部、配合した。
次いで、架橋剤が配合されたエマルションを、厚み50μmのポリエチレンフィルムの片面に、乾燥後厚みが5μmとなるように塗布した。次いで、90℃で3分間、乾燥することにより、水分散型粘着剤からなる粘着剤層を形成してマスキングシートを作製した。
参考例3
合成例3で調製した水分散型粘着剤のエマルションに、水分散型粘着剤(エマルションの固形分)100重量部に対して、オキサゾリン系架橋剤(エポクロスWS−500、水分散型、(株)日本触媒製)を、固形分換算で2部、配合した。
次いで、架橋剤が配合されたエマルションを、厚み50μmのポリエチレンフィルムの片面に、乾燥後厚みが10μmとなるように塗布した。次いで、90℃で3分間、乾燥することにより、水分散型粘着剤からなる粘着剤層を形成してマスキングシートを作製した。
比較例1
比較合成例1で調製した水分散型粘着剤のエマルションに、水分散型粘着剤(エマルションの固形分)100重量部に対して、オキサゾリン系架橋剤(エポクロスWS−500、水分散型、(株)日本触媒製)を、固形分換算で2部、配合した。
次いで、架橋剤が配合されたエマルションを、厚み50μmのポリエチレンフィルムの片面に、乾燥後厚みが10μmとなるように塗布した。次いで、90℃で3分間、乾燥することにより、水分散型粘着剤からなる粘着剤層を形成してマスキングシートを作製した。
比較例2
比較合成例2で調製した水分散型粘着剤のエマルションに、水分散型粘着剤(エマルションの固形分)100重量部に対して、オキサゾリン系架橋剤(エポクロスWS−500、水分散型、(株)日本触媒製)を、固形分換算で4部、配合した。
次いで、架橋剤が配合されたエマルションを、厚み50μmのポリエチレンフィルムの片面に、乾燥後厚みが10μmとなるように塗布した。次いで、90℃で3分間、乾燥することにより、水分散型粘着剤からなる粘着剤層を形成してマスキングシートを作製した。
比較例3
比較合成例3で調製した水分散型粘着剤のエマルションに、水分散型粘着剤(エマルションの固形分)100重量部に対して、オキサゾリン系架橋剤(エポクロスWS−500、水分散型、(株)日本触媒製)を、固形分換算で2部、配合した。
次いで、架橋剤が配合されたエマルションを、厚み50μmのポリエチレンフィルムの片面に、乾燥後厚みが5μmとなるように塗布した。次いで、90℃で3分間、乾燥することにより、水分散型粘着剤からなる粘着剤層を形成してマスキングシートを作製した。
(評価)
(1) 水分散型粘着剤のゲル分率
各合成例および各合成比較例で調製した水分散型粘着剤(エマルションの固形分)のゲル分率を測定した。その結果を表1に示す。
(2)水分散型粘着剤のガラス転移温度
各合成例および各合成比較例で調製した水分散型粘着剤(エマルションの固形分)について、フォックスの式により計算し、ガラス転移温度を求めた。その結果を表1に示す。
なお、計算で用いた各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(Tgn[K])を、以下に示す。
アクリル酸2−エチルヘキシル 203[K](−70[℃])
アクリル酸ブチル 219[K](−54[℃])
メタクリル酸ブチル 293[K](20[℃]
アクリル酸 379[K](106[℃])
(3) マスキングシートの剥離力
実施例、各参考例および各比較例により得られたマスキングシートを、25mm×100mmの大きさに裁断して、試験片を作製した。作製した試験片をヘアライン仕上げのステンレス板に、シリンダー圧力2.6kg/cm、速度0.3m/分のラミネーターで貼り合わせた。その後、20分放置し、次いで、23℃、60%RHの環境下で、剥離速度が10m/分、剥離角度が180°で、剥離力を測定した。その結果を表1に示す。
(4) マスキングシートの浮き
実施例、各参考例および各比較例により得られたマスキングシートを、50mm×50mmの大きさに裁断して、試験片を作製した。作製した試験片をヘアライン仕上げのステンレス板に、シリンダー圧力2.6kg/cm、速度0.3m/分のラミネーターで貼り合わせた。その後、65℃に加熱した10%水酸化ナトリウム水溶液に、1分間浸漬させた。その後、次いで、試験片を取り出し、乾燥させて、浮きの程度を目視により観察した。なお、浮きの程度は、以下の基準で評価した。
◎ 浮きが全く生じない
○ マスキングシートの端部に浮きが生じる
△ マスキングシートの半分に浮きが生じる
× マスキングシートの全体に浮きが生じ、マスキングシートがステンレス板から剥がれる
Figure 0005064066
(結果)
表1に示すように、本発明の実施例1および参考例2〜3のマスキングシートは、水酸化ナトリウム水溶液による処理により、浮きが全く生じず、しかも、剥離速度が10m/分という実用的な高速での剥離力が小さく、すなわち、軽剥離性を有している。
一方、比較例1〜3のマスキングシートでは、浮きが生じ、さらに、比較例1および2のマスキングシートでは、軽剥離性を有さないことが分かる。

Claims (4)

  1. アルカリ水溶液で処理される被着体を部分的に保護するためのマスキングシートであって、
    ポリオレフィンから形成される基材と、前記基材の少なくとも片面に積層され、水分散型粘着剤から形成される粘着剤層とを備え、
    前記水分散型粘着剤は、酢酸エチルに浸漬したときのゲル分率が90重量%以上であって、かつ、フォックスの式により求められるガラス転移温度が−35℃以上であり、
    前記水分散型粘着剤は、アルキル基の炭素数が8〜12のアクリル酸アルキルエステルと、アルキル基の炭素数が4〜7のメタクリル酸アルキルエステルとを含む原料モノマーを重合することにより得られている
    ことを特徴とする、マスキングシート。
  2. マスキングシートを、ヘアライン仕上げのステンレスに圧力2.6kg/cm、速度0.3m/分で貼り合わせ、次いで、20分放置した後において、そのステンレスに対する23℃、60%RHにおける剥離力が、剥離速度10m/分、剥離角度180°で3.5(N/25mm)以下であることを特徴とする、請求項1に記載のマスキングシート。
  3. 前記ポリオレフィンが、ポリエチレンであることを特徴とする、請求項1または2に記載のマスキングシート。
  4. 前記原料モノマーは、原料モノマーの総量100重量部に対して、アクリル酸0.5〜7.0重量部を含有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のマスキングシート。
JP2007061949A 2007-03-12 2007-03-12 マスキングシート Expired - Fee Related JP5064066B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007061949A JP5064066B2 (ja) 2007-03-12 2007-03-12 マスキングシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007061949A JP5064066B2 (ja) 2007-03-12 2007-03-12 マスキングシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008222830A JP2008222830A (ja) 2008-09-25
JP5064066B2 true JP5064066B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=39841822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007061949A Expired - Fee Related JP5064066B2 (ja) 2007-03-12 2007-03-12 マスキングシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5064066B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5955579B2 (ja) * 2011-07-21 2016-07-20 日東電工株式会社 ガラスエッチング用保護シート
KR101349910B1 (ko) 2012-04-26 2014-01-23 조영곤 스마트 유리 박막용 보호필름 및 그의 제조방법
JP6027856B2 (ja) * 2012-11-12 2016-11-16 リンテック株式会社 水分散型粘着剤組成物、再剥離性粘着シートの製造方法、及び再剥離性粘着シート
CN105705603A (zh) * 2013-10-29 2016-06-22 日东电工株式会社 表面保护片
CN105683325B (zh) * 2013-10-29 2018-10-26 日东电工株式会社 表面保护片及表面保护片用水分散型粘合剂组合物

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH073222A (ja) * 1993-06-16 1995-01-06 Dainippon Ink & Chem Inc 感圧接着テープまたはシート
JPH0748549A (ja) * 1993-08-05 1995-02-21 Dainippon Ink & Chem Inc 感圧接着テープ、シート又はラベル並びにそれに使用する活性エネルギー線硬化性組成物
JP3908929B2 (ja) * 2001-06-25 2007-04-25 日東電工株式会社 半導体ウエハ加工用粘着シート及びそれに用いる粘着剤組成物
JP2003141988A (ja) * 2001-10-31 2003-05-16 Sekisui Chem Co Ltd シャドウマスク板の製造方法及びシャドウマスク板用保護フィルム
JP4048776B2 (ja) * 2001-12-26 2008-02-20 大日本インキ化学工業株式会社 リサイクル部品用両面粘着テープ
JP2003213485A (ja) * 2002-01-15 2003-07-30 Nitto Denko Corp 金属メッキ用マスキングテープ
JP4063614B2 (ja) * 2002-08-30 2008-03-19 日東電工株式会社 再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物及び粘着シート
JP4514429B2 (ja) * 2003-10-07 2010-07-28 日東電工株式会社 粘着テープおよび水分散型粘着剤組成物
JP2006348212A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Sekisui Chem Co Ltd マスキング用粘着テープ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008222830A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6022884B2 (ja) 両面粘着テープ
JP5351400B2 (ja) 再剥離性粘着シート
JP4572007B2 (ja) 水分散型再剥離用感圧接着剤とその接着シ―ト類
US7115682B2 (en) Removable, water-whitening resistant pressure sensitive adhesives
JP5719194B2 (ja) 再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物及び粘着シート
JP5403865B2 (ja) 粘着シート類
JP5064066B2 (ja) マスキングシート
JP2011231203A (ja) 表面保護フィルム用アクリル系粘着剤
JP5518370B2 (ja) 再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物の製造方法、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物、粘着剤層及び粘着シート
JP4421039B2 (ja) 粘着剤組成物および粘着テープ
JP2013189645A (ja) 粘着シート類
JP4174974B2 (ja) 粘着剤組成物および粘着ラベル又はテープ
JP4151811B2 (ja) 粘着剤組成物及び粘着シート
JP2009138152A (ja) 剥離型水性粘着剤組成物、剥離型粘着剤及びそれを用いた養生用粘着シートまたはテープ
JP2017132937A (ja) 水性粘着剤および粘着シート
JP6217506B2 (ja) 粘着剤層形成用塗剤
JP2005179412A (ja) テープ状絶縁材、絶縁物品および感圧性接着テープ
JP7070182B2 (ja) 水性再剥離粘着剤および粘着シート
JP4394877B2 (ja) 接着テープ
JP2006241388A (ja) 粘着剤組成物及び粘着部材
JP2005089573A (ja) 粘着剤組成物
JP2010174260A (ja) 感圧性接着テープ
WO2024004812A1 (ja) 両面粘着シート
JP4744568B2 (ja) 水分散型粘着シート
JP2004231676A (ja) テープ状絶縁材、絶縁物品、絶縁材用水分散型アクリル系粘着剤、水分散型アクリル系粘着剤および当該粘着剤を用いた感圧性接着テープ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees