JP6027856B2 - 水分散型粘着剤組成物、再剥離性粘着シートの製造方法、及び再剥離性粘着シート - Google Patents

水分散型粘着剤組成物、再剥離性粘着シートの製造方法、及び再剥離性粘着シート Download PDF

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Description

本発明は、水分散型粘着剤組成物、当該粘着剤組成物を用いた再剥離性粘着シートの製造方法、及び当該製造方法により得られる再剥離性粘着シートに関する。
従来、粘着ラベル、マスキングテープ又はシート、表面保護フィルム等の粘着剤層を有する粘着シートは、これらを被着体に貼り付けた後一定時間経過後、被着体から剥す場合が少なくない。このとき、粘着剤層の一部が被着体に残ることがしばしば起こる。また、被着体が紙の場合、被着体もしくは粘着シートの基材が破れてしまうことが多い。特に、被着体がアート紙、キャストコート紙等のコート紙である場合、コート紙の表面が平滑であるため、粘着剤層がコート紙表面に接着して、コート紙の表面層を破壊してしまうことが多い。
上記のような問題が生じることなく、粘着シートを被着体から容易に剥離できるように、粘着剤層を形成する粘着剤として、架橋剤を添加し、凝集力を高くして粘着力を低下させた再剥離型粘着剤が多く提案されている。特に、再剥離型粘着剤においても、近年の環境衛生上の観点から、溶剤を用いない水性型粘着剤への志向が強く、種々検討されている。
例えば、特許文献1には、特定のモノマー組成、分子量、ガラス転移温度,粒子径の水系共重合エマルジョンにポリグリシジル化合物を配合した水系感圧接着剤が開示されている。
特許文献2には、特定のアクリル系エマルション型粘着剤に多官能アジリジン化合物及び多官能カルボジイミド化合物から選ばれる1種以上の架橋剤が添加されたアクリル系エマルション型粘着剤が開示されている。
特許文献3には、特定のアクリル系エマルション型粘着剤に、オキサゾリン基を含有する水溶性架橋剤を特定量配合してなり、且つ、溶剤可溶分が40質量%以下、弾性率が2〜50kg/cm2で、再剥離力が500g/20mm幅以下である再剥離型感圧接着剤が開示されている。
特許文献4には、特定のアクリル系エマルション型粘着剤に、カルボジイミド基を含有する架橋剤を、上記アクリル系エマルション型粘着剤に含まれるカルボキシル基に対するカルボジイミド基の比率(カルボジイミド基/カルボキシル基)が0.1〜5.0となるように配合してなり、再剥離性が500g/20mm幅以下である水分散型再剥離用感圧接着剤が開示されている。
特許文献5には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、官能性モノマーとしてアクリル酸及びメタクリル酸を含み、さらに水溶性架橋剤及び油溶性架橋剤を配合した粘着剤が開示されている。
特許文献6には、アルキル基の炭素数4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を主成分として含むと共にカルボキシル基含有不飽和単量体単位を0.1〜2.0質量%含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルション[A]、カルボキシル基含有不飽和単量体単位を含むアルカリ可溶性又はアルカリ膨潤性(メタ)アクリル酸共重合体のエマルション[B]及び架橋剤[C]を必須成分として含有する水分散型粘着剤組成物を用いた再剥離性粘着シートが提案されている。
特公平5−075034号公報 特開平7−278233号公報 特開平10−114887号公報 特開2001−131512号公報 特開2001−152118号公報 特開2009−073920号公報
ところで、近年、再剥離性粘着シートには、被着体に貼付した際の粘着力が高いだけでなく、長時間の経時した場合でも、粘着力の上昇が抑制され、容易に剥離可能な優れた再剥離性も求められている。
また、粘着シートの生産性を考慮すると、塗布速度150m/分以上の高速塗布が可能な粘着剤組成物が求められている。ただ、一般的なアクリル系エマルション型粘着剤組成物は、基材への塗布速度を上げると、粘着剤にかかるせん断応力も高くなる。そのため、高速塗布を可能にするため、粘着剤組成物の粘度を下げる必要があるが、粘度を下げた塗布液を用いて高速で基材上に塗布すると、筋、ハジキ、又はチジミが発生し、形成される塗布膜の面状態が不良となる問題を有する。
さらに、高速塗布に対応可能なアクリル系エマルション型粘着剤組成物でも、当該粘着剤組成物を用いた粘着シートを被着体に貼付した後、剥離すると、被着体に粘着剤組成物の一部が付着する場合や被着体が汚染される場合があり、経時による粘着力の上昇及び再剥離性の低下という問題も有する。
特許文献1〜6に開示の粘着剤組成物及び粘着シートは、上述のすべての要求性能を満足できるものではなかった。
本発明は、優れた粘着力を有し、経時での粘着力の上昇を抑制し得、優れた再剥離性を有する再剥離性粘着シートを製造でき、且つ、高速塗布した場合でも面状態が良好な塗布膜を形成可能な水分散型粘着剤組成物、及び当該粘着剤組成物を用いた再剥離性粘着シートの製造方法、並びに当該製造方法により得られる再剥離性粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、カルボキシキル含有不飽和モノマー由来の構成単位を所定量含む2種の(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルションと、架橋剤とを含む粘着剤組成物であって、当該粘着剤組成物から形成される粘着剤層をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた際のゲル分率が63〜95質量%である、水分散型粘着剤組成物が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記〔1〕〜〔9〕を提供するものである。
〔1〕炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位(a1)を主成分として含むと共にカルボキシル基含有不飽和モノマー由来の構成単位(a2)を0.1〜2.0質量%含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルション[A]、炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位(b1)を主成分として含むと共にカルボキシル基含有不飽和モノマー由来の構成単位(b2)を25〜50質量%含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルション[B]、及び架橋剤[C]を含有する水分散型粘着剤組成物であって、当該水分散型粘着剤組成物から形成される粘着剤層をテトラヒドロフランに溶解させた際のゲル分率が63〜95質量%である、水分散型粘着剤組成物。
〔2〕前記水分散型粘着剤組成物の25℃における粘度が、500mPa・s以下である、上記〔1〕に記載の水分散型粘着剤組成物。
〔3〕エマルション[A]及び[B]の平均粒子径が、100〜900nmである、上記〔1〕又は〔2〕に記載の水分散型粘着剤組成物。
〔4〕構成単位(b1)を構成する前記炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
〔5〕(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルション[B]が、さらに多官能性モノマー由来の構成単位(b3)を含む、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
〔6〕架橋剤[C]が、分子中に2個以上のグリシジル基を有するポリグリシジル化合物、分子中に2個以上のオキサゾリン基を有するオキサゾリン系化合物、及び分子中に2個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上である、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
〔7〕前記水分散型粘着剤組成物から形成される粘着剤層のテトラヒドロフラン可溶成分の重量平均分子量(Mw)が2万〜25万であり、分子量分布(Mw/Mn)(但し、Mnは数平均分子量)が2.0〜5.0である、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
〔8〕上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物を、塗布速度150m/分以上で塗布して塗布膜を形成し、当該塗布膜を乾燥し、粘着剤層を形成する工程を含む、再剥離性粘着シートの製造方法。
〔9〕上記〔8〕に記載の再剥離性粘着シートの製造方法により得られる、再剥離性粘着シート。
本発明の水分散性粘着剤組成物は、高速塗布した場合でも面状態が良好な塗布膜を形成可能であり、当該粘着剤組成物を用いた再剥離性粘着シートは、優れた粘着力を有し、経時での粘着力の上昇を抑制し得、優れた再剥離性を有する。
本発明の再剥離性粘着シートの構成の一例を示す、該粘着シートの断面図である。
以下の記載において、例えば「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
〔水分散型粘着剤組成物〕
本発明の水分散型粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」ともいう)は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(以下、「共重合体(A)」ともいう)のエマルション[A]、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(以下、「共重合体(B)」ともいう)のエマルション[B]、及び架橋剤[C]を含有する。
また、本発明の水分散型粘着剤組成物は、必要に応じて、上記[A]〜[C]成分以外のその他の添加剤を含有してもよい。
粘着剤組成物中の[B]成分の含有量(固形分比)は、[A]成分の固形分100質量部に対して、好ましくは0.6〜20質量部、より好ましくは0.7〜15質量部、更に好ましくは0.8〜10質量部、より更に好ましくは0.9〜5質量部である。
[B]成分の含有量が0.6質量部以上であれば、得られる粘着剤層のゲル分率を所定値以上に調製することが容易となり、当該粘着剤組成物を用いた再剥離性粘着シートの経時粘着力の上昇を抑え、再剥離性を良好とすることができる。また、[B]成分の含有量が20質量%以下であれば、粘着剤組成物中のカルボキシル基が過多になることなく、適度な粘度を有する本発明の粘着剤組成物を含む塗布液を得ることができる。
粘着剤組成物中の[C]成分の含有量(固形分比)は、[A]成分の固形分100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜6質量部、更に好ましくは0.2〜3質量部である。
<(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルション[A]>
[A]成分は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(共重合体(A))のエマルションである。
共重合体(A)は、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、「モノマー(a1)」ともいう)由来の構成単位(a1)を主成分として含むと共に、カルボキシル基含有不飽和モノマー(以下、「モノマー(a2)」ともいう)由来の構成単位(a2)を0.1〜2.0質量%含む。
また、共重合体(A)は、本発明の効果を損なわない範囲において、構成単位(a1)及び(a2)以外に、必要に応じて、多官能性モノマー(a3)由来の構成単位(a3)や、モノマー(a1)及び(a2)以外の不飽和モノマー(a4)由来の構成単位(a4)を有していてもよく、これら以外のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
なお、共重合体(A)のエマルション[A]は、上記モノマー(a1)及び(a2)、必要に応じて使用されるモノマー(a3)及び(a4)、並びにその他のモノマーを混合してなる単量体混合物を乳化重合させて得られるものである。
[構成単位(a1)]
共重合体(A)中の構成単位(a1)は、初期粘着力の向上の観点から、共重合体(A)中の主成分となり、構成単位(a1)の含有量は、共重合体(A)に含まれる全構成単位の中で最も多い成分である。
共重合体(A)中の構成単位(a1)の含有量は、好ましくは50〜99.9質量%、より好ましくは65〜99.6質量%、更に好ましくは75〜99.3質量%、より更に好ましくは85〜99.0質量%である。構成単位(a1)の含有量が50質量%以上であれば、初期粘着力を良好とすることができる。また、当該含有量が99.9質量%以下であれば、モノマー(a2)由来の構成単位(a2)の含有量を確保することができ、凝集力を向上させ、経時での再剥離性を良好とすることができる。
構成単位(a1)を構成するモノマー(a1)は、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
当該アルキル基の炭素数が4未満であるか、あるいは炭素数が12を超えると、ホモポリマーのガラス転移温度が高くなり、得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体のタックが乏しくなるため好ましくない。
当該アルキル基の炭素数は、4〜12であるが、上記観点から、好ましくは5〜10、より好ましくは6〜9、更に好ましくは6〜8である。
モノマー(a1)としては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのモノマー(a1)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、初期粘着力の向上の観点から、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、ブチル(メタ)アクリレート又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートがより好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
[構成単位(a2)]
本発明で用いる共重合体(A)は、カルボキシル基含有不飽和モノマー(a2)由来の構成単位(a2)を含むことで、後述の架橋剤[C]との架橋反応による凝集力を向上させ、再剥離性を向上させることができる。
共重合体(A)中の構成単位(a2)の含有量は、得られる再剥離性粘着シートの経時安定性向上の観点、及び再剥離性と粘着力のバランスを良好とする観点から、0.1〜2.0質量%であり、好ましくは0.3〜1.7質量%、より好ましくは0.5〜1.5質量%、更に好ましくは0.7〜1.2質量%である。
構成単位(a2)の含有量が0.1質量%未満であると、架橋剤[C]と十分に架橋結合を十分に形成されず、凝集力が向上させること難しく、その結果、経時粘着力が上昇し、再剥離性の低下の原因になる。また、当該含有量が2質量%を超えると、得られる粘着剤組成物の粘度が高くなり、高速塗布に対応することが難しくなる。
モノマー(a2)は、1分子中にカルボキシル基を有し、且つ炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーであり、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸;2−カルボキシルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのモノマー(a2)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、汎用性の観点から、エチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、カルボキシル基が架橋点としての役割を担うことも考慮した場合、当該架橋点となるカルボキシル基がエマルション粒子表層に配向しやすいとの観点から、アクリル酸が更に好ましい。
[構成単位(a3)]
共重合体(A)中には、粘着剤組成物の凝集力を向上させる目的で、内部架橋剤として、さらに多官能性モノマー(a3)由来の構成単位(a3)を含有していてもよい。
モノマー(a3)としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
これらのモノマー(a3)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合体(A)中に構成単位(a3)の含有量は、好ましくは0〜2質量%、より好ましくは0〜1.5質量%である。構成単位(a3)の含有量が2質量%以下であれば、基材との密着性及び再剥離性が低下する現象を防止することができる。
[構成単位(a4)]
共重合体(A)中には、上記モノマー(a1)と共重合可能で、モノマー(a1)及び(a2)以外の不飽和モノマー(a4)由来の構成単位(a4)を含有していてもよい。
モノマー(a1)以外の不飽和モノマー(a4)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数13〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
また、モノマー(a2)以外の不飽和モノマー(a4)としては、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基含有モノマー;(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン等の窒素原子含有環を有するモノマー;酢酸ビニル、スチレン等のビニル基含有モノマー;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレイン酸ジ−n−オクチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジ−n−ブチル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジ−n−オクチル等のマレイン酸又はフマル酸エステル等が挙げられる。
共重合体(A)中に構成単位(a4)の含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下である。構成単位(a4)の含有量が40質量%以下であれば、基材との密着性が低下する現象を防止することができる。
<(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルション[B]>
[B]成分は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(共重合体(B))のエマルションである。
共重合体(B)は、炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、「モノマー(b1)」ともいう)由来の構成単位(b1)を主成分として含むと共に、カルボキシル基含有不飽和モノマー(以下、「モノマー(b2)」ともいう)由来の構成単位(b2)を25〜50質量%含む。
また、共重合体(B)は、本発明の効果を損なわない範囲において、構成単位(b1)及び(b2)以外に、必要に応じて、モノマー(b1)及び(b2)以外の不飽和モノマー(b3)由来の構成単位(b3)や、多官能性モノマー(b4)由来の構成単位(b4)を有していてもよく、これら以外のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
共重合体(B)のエマルション[B]についても、[A]成分と同様に、上記モノマー(b1)及び(b2)、必要に応じて使用されるモノマー(b3)及び(b4)、並びにその他のモノマーを混合してなる単量体混合物を乳化重合させて得られるものである。
なお、共重合体(B)は、粘着剤組成物の著しい増粘を防ぐ観点から、アルカリ共存下で膨潤や溶解しない、アルカリ非膨潤性(非溶解性)の共重合体であることが好ましい。
[構成単位(b1)]
共重合体(B)中の構成単位(b1)は、アルカリ非膨潤性(非溶解性)の共重合体とする観点から、共重合体(B)中の主成分となり、構成単位(b1)の含有量は、共重合体(B)に含まれる全構成単位の中で最も多くする必要がある。
共重合体(B)中の構成単位(b1)の含有量は、好ましくは50〜75質量%、より好ましくは53〜72質量%、更に好ましくは56〜70質量%、より更に好ましくは60〜67質量%である。構成単位(b1)の含有量が50質量%以上であれば、得られる共重合体をアルカリ非膨潤性(非溶解性)とすることができるため好ましい。また、当該含有量が75質量%以下であれば、モノマー(b2)由来の構成単位(b2)の含有量を確保することができ、粘着剤組成物の経時による粘着力の上昇を抑え、再剥離性を良好とすることができる。
構成単位(b1)を構成するモノマー(b1)は、粘着剤組成物の粘度の上昇を抑え、高速塗布に対応し得る粘着剤組成物を得る観点から、炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
当該アルキル基の炭素数は、8〜18であるが、上記観点から、好ましくは8〜14、より好ましくは8〜12、更に好ましくは8〜10である。
モノマー(b1)としては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのモノマー(b1)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、粘着剤組成物の粘度を適度な範囲とし、高速塗布に対応し得る粘着剤組成物を得る観点、並びに、溶解又は膨潤して、得られる粘着剤組成物が著しく増粘することを防ぐ観点から、水への溶解度が0.1以下の(メタ)アクリレートが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートがより好ましい。
[構成単位(b2)]
本発明で用いる共重合体(B)は、カルボキシル基含有不飽和モノマー(b2)由来の構成単位(b2)を含むことで、後述の架橋剤[C]との架橋反応による凝集力を向上させ、再剥離性を向上させることができる。
共重合体(B)中の構成単位(b2)の含有量は、25〜50質量%であり、好ましくは28〜47質量%、より好ましくは30〜44質量%、更に好ましくは32〜40質量%である。
構成単位(b2)の含有量が25質量%未満であると、架橋剤[C]と十分な架橋結合が形成されず、凝集力を向上させることが難しくなる。その結果、経時粘着力が上昇し、再剥離性の低下の原因になる。また、当該含有量が50質量%を超えると、得られる粘着剤組成物の粘度が高くなり、高速塗布に対応することが難しくなる。
モノマー(b2)は、1分子中にカルボキシル基を有し、且つ炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーであり、上述のモノマー(a2)と同じものを使用することができる。
具体的なモノマー(b2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸;2−カルボキシルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのモノマー(b2)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、汎用性の観点から、エチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、エマルション粒子内部に配向しやすく、アルカリ膨潤(溶解)による粘度の上昇を防ぐ観点から、メタクリル酸が更に好ましい。
[構成単位(b3)]
共重合体(B)中には、得られる粘着剤組成物の増粘を防ぎ、経時での粘着力の上昇を抑制し、再剥離性を向上させる目的で、内部架橋剤として、多官能性モノマー(b3)由来の構成単位(b3)を含有することが好ましい。
モノマー(b3)は、モノマー(a3)と同じものを使用することができる。
具体的なモノマー(b3)としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
これらのモノマー(b3)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、上記観点から、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
共重合体(B)中に構成単位(b3)の含有量は、好ましくは0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.5〜4.0質量%、更に好ましくは1.0〜3.0質量%である。構成単位(b3)の含有量が0.1質量%以上であれば、経時での粘着力の上昇を効果的に抑制し、再剥離性を向上させることができる。また、当該含有量が5.0質量%以下であれば、基材との密着性及び再剥離性が低下する現象を防止することができる。
[構成単位(b4)]
共重合体(B)中には、上記モノマー(b1)と共重合可能で、モノマー(b1)及び(b2)以外の不飽和モノマー(b4)由来の構成単位(b4)を含有していてもよい。
モノマー(b1)以外の不飽和モノマー(b4)としては、炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素数19以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
また、モノマー(b2)以外の不飽和モノマー(b4)としては、上述のモノマー(a4)として例示のモノマー等が挙げられる。
共重合体(B)中に構成単位(b4)の含有量は、好ましくは25質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下である。構成単位(b4)の含有量が25質量%以下であれば、基材との密着性が低下する現象を防止することができる。
<共重合体[A]及び[B]のエマルションの製造方法>
上記の[A]成分及び[B]成分の(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルションは、上述のモノマー(a1)〜(a4)、又はモノマー(b1)〜(b4)、並びに、その他のモノマーの混合物(以下、「単量体混合物」ともいう)に、乳化剤及び重合開始剤を添加し、乳化重合することで製造することができる。
使用する乳化剤としては、エマルションの安定性を向上させ、粘着剤組成物の機械安定性を良好にする観点から、アニオン系乳化剤又はノニオン系乳化剤が好ましく、アニオン系乳化剤がより好ましい。
アニオン系乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。
また、プロペニル基、アクリロイル基等を導入したラジカル重合性の反応性乳化剤も使用することができる。
これらの乳化剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
乳化剤の添加量は、単量体混合物100質量部に対して、好ましくは0.5〜12質量部、より好ましくは0.8〜8質量部、更に好ましくは1〜6質量部である。乳化剤の添加量が0.5質量部以上であれば、安定して乳化重合を進行させることができる。一方、12質量部以下であれば、未反応の乳化剤が残存することによる基材密着性や耐水白化性、及び再剥離性の低下といった弊害を防ぐことができる。
なお、乳化剤は、単量体混合物に水を加えた溶液に直接添加してもよく、予め重合容器に添加しておいてもよく、又はそれらを併用してもよい。
使用する重合開始剤としては、特に限定されずに、水溶性、油溶性のいずれであってもよい。
具体的な重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等のアゾ系化合物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物等が挙げられる。また、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせや、過酸物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせ等からなるレドックス開始剤を用いてもよい。
これらの重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、重合安定性に優れているという観点から、過硫酸塩又はレドックス開始剤が好ましい。
重合開始剤の添加量は、重合速度を速める観点から、単量体混合物100質量部に対して、好ましくは0.01〜6質量部、より好ましくは0.03〜4質量部、更に好ましくは0.1〜2質量部である。
重合開始剤は、予め重合容器内に加えておいてもよく、重合開始直前に加えてもよく、重合開始後に複数回に分けて加えてもよい。また、単量体混合物中に、予め加えておいてもよく、該単量体混合物からなる乳化液を調整後、当該乳化液に加えてもよい。
添加に当たっては、重合開始剤を別途溶媒や単量体混合物に溶解して添加してもよく、溶解した重合開始剤を更に乳化状にして、添加してもよい。
また、乳化重合時に、さらに連鎖移動剤やpH緩衝剤を添加してもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール等が挙げられる。
pH緩衝剤としては、pH緩衝作用を有する化合物であれば特に制限されないが、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。
乳化重合に際し、用いる水としては、イオン交換水が好ましい。
水の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは30〜400質量部、より好ましくは35〜200質量部、更に好ましくは40〜150質量部である。水の使用量が30質量部以上であれば、得られる共重合体のエマルションの粘度を適切な範囲とすることができる。また、得られる共重合体の重合安定性も良好となる。一方、400質量部以下であれば、得られる共重合体のエマルションの固形分濃度が適切な範囲とすることができ、基材や剥離シート上に塗布して塗布膜を形成する際の塗布膜の形成性が良好となる。
[A]成分及び[B]成分の(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルションは、上記の単量体混合物を乳化剤の存在下、重合開始剤を添加することで、乳化重合が進行させることにより合成することができる。
その乳化重合を行う際の手順としては、以下の(1)〜(3)の方法が挙げられ、重合温度の制御が容易であるとの観点から、(2)又は(3)の方法が好ましく、(3)の方法がより好ましい。
(1)単量体混合物、乳化剤、水等の全量を仕込み、昇温し、水に溶かした重合開始剤を全量滴下又は分割添加して、重合する。
(2)反応容器内に水、乳化剤、単量体混合物の一部を仕込み、昇温した後、水に溶かした重合開始剤を滴下又は分割添加して重合反応を進行させた後、残りの単量体混合物を全量滴下又は分割添加して重合を継続する。
(3)反応容器内に水に溶かした重合開始剤を仕込んでおき昇温した後、単量体混合物、乳化剤、及び水からなる乳化液を全量滴下又は分割添加して重合する。
上記重合方法における重合条件としては、特に限定されないが、以下の条件で行うことが好ましい。
(1)の方法では、温度範囲としては40〜100℃が好ましく、昇温開始後1〜8時間程度で重合反応を行うことが好ましい。
(2)の方法では、単量体混合物の1〜50質量%を40〜90℃で0.1〜4時間で重合した後、残りの単量体混合物を1〜5時間程度かけて全量滴下又は分割添加して、その後、同温度で1〜3時間程度熟成することが好ましい。
(3)の方法では、水に溶かした重合開始剤を、好ましくは40〜90℃まで昇温し、単量体混合物、乳化剤、及び水からなる乳化液を2〜5時間程度かけて全量滴下又は分割添加することが好ましい。また、その後、同温度で1〜5時間熟成することが好ましい。
上記重合方法において、重合安定性の観点から、単量体混合物は、乳化剤(又は乳化剤の一部)を、単量体混合物に溶解しておくか、又は、予めO/W型の乳化液の状態としておくことが好ましい。
上記重合方法により得られた共重合体のエマルションに、さらに、アンモニア水、各種水溶性アミン、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液を添加して、pH5〜9、好ましくはpH6〜8.5に調整してもよい。
共重合体[A]のエマルションについては、上記アルカリ水溶液を添加して、pHを上記範囲に調整することが好ましい。
一方、共重合体[B]のエマルションについては、共重合体[A]のエマルションとの混合前に膨潤してしまう事を防ぐ観点から、上記アルカリ水溶液を添加せずに、pHを2〜5に調整することが好ましい。
上記アルカリ水溶液は、重合中又は重合終了後に添加することができるが、重合安定性及び得られるエマルジョンの経時粘度安定性の観点から、重合中の熟成段階で、室温まで冷却後、一部又は全量を添加することが好ましい。
以上のようにして得られる共重合体[A]及び[B]の物性値の好適な範囲は以下のとおりである。なお、以下の各物性値は、実施例に記載の方法により測定された値を意味する。
共重合体[A]のエマルションの固形分濃度は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは45〜65質量%である。
共重合体[B]のエマルションの固形分濃度は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは15〜60質量%、更に好ましくは20〜40質量%である。
共重合体[A]のエマルションの25℃における粘度は、好ましくは30〜400mPa・s、より好ましくは50〜300mPa・s、更に好ましくは75〜200mPa・sである。
共重合体[B]のエマルションの25℃における粘度は、好ましくは1〜100mPa・s、より好ましくは3〜50mPa・s、更に好ましくは5〜20mPa・sである。
共重合体[A]のエマルションの平均粒子径は、好ましくは100〜900nm、より好ましくは200〜600nm、更に好ましくは300〜500nmである。
共重合体[B]のエマルションの平均粒子径は、好ましくは100〜900nm、より好ましくは150〜500nm、更に好ましくは200〜350nmである。
<架橋剤[C]>
本発明の粘着剤組成物に含まれる架橋剤[C]は、水分散型(メタ)アクリル酸エステル共重合体[A]及び水分散型(メタ)アクリル酸エステル共重合体[B]のカルボキシル基と架橋する化合物である。
架橋剤[C]としては、例えば、エポキシ系化合物、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物、ポリイソシアネート化合物、メラミン系化合物、金属錯体系化合物、アミン系化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン誘導体等が挙げられる。
これらの架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の架橋剤[C]の中でも、基材と粘着剤層との密着性、被着体との再剥離性、被着体に貼付後の経時粘着力の上昇の抑制効果、及び耐汚染性の向上の観点から、エポキシ系化合物、オキサゾリン系化合物、及びカルボジイミド系化合物のいずれか1つ以上が好ましく、エポキシ系化合物がより好ましい。
エポキシ系化合物としては、分子中に2個以上のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物が好ましい。
このようなエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、ソルビトールポリグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−611」、「デナコールEX−612」、「デナコールEX−614」、「デナコールEX−614B」、「デナコールEX−622」等)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(市販品としては、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」等)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−411」等)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−421」等)、グリセロールポリグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−313」、「デナコールEX−314」等)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−321」等)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−211」等)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−212」等)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−810」、「デナコールEX−811」等)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−850」、「デナコールEX−851」等)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−821」、「デナコールEX−830」、「デナコールEX−832」、「デナコールEX−841」、「デナコールEX−861」等)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−911」等)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−941」、「デナコールEX−920」、「デナコールEX−931」等)、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
これらの中でも、水性タイプの架橋剤が好ましく、グリセロールポリグリシジルエーテルがより好ましい。
オキサゾリン系化合物としては、分子中に2個以上のオキサゾリン基を有する化合物が好ましい。
このようなオキサゾリン系化合物としては、例えば、2位の炭素位置に不飽和炭素−炭素結合をもつ置換基を有する付加重合性2−オキサゾリン(例えば2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)と他の不飽和モノマーとの共重合体等が挙げられる。
上記共重合体としては、例えば、「エポクロスWS−500」、「エポクロスWS−700」、「エポクロスK−2010E」、「エポクロスK−2020E」、「エポクロスK−2030E」(いずれも商品名、日本触媒社製)等が挙げられる。
カルボジイミド系化合物としては、分子中に2個以上のカルボジイミド基を有する化合物が好ましい。
このようなカルボジイミド化合物としては、例えば、「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」、「カルボジライトV−04」、「カルボジライトV−06」、「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」、「カルボジライトE−04」(いずれも商品名、日清紡社製)等が挙げられる
<その他の添加剤>
本発明の水分散型粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤を含有してもよい。
その他の添加剤としては、例えば、(重合)ロジン系樹脂、(重合)ロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂等の粘着付与樹脂、アジピン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、セバシン酸ジエステル類等の可塑剤、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレンジオール系界面活性剤等の濡れ剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、老化防止剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤等が挙げられる。
<水分散型粘着剤組成物の物性>
本発明の水分散型粘着剤組成物は、上記[A]〜[C]成分及び必要に応じて含有するその他の添加剤を混合して得られる。
以下、本発明の水分散型粘着剤組成物の物性値の好適な範囲は以下のとおりである。なお、以下の物性値は、実施例に記載の方法により測定された値を意味する。
本発明の水分散型粘着剤組成物から形成される粘着剤層をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた際のゲル分率は、63〜95質量%であり、好ましくは65〜90質量%、より好ましくは67〜85質量%、更に好ましくは70〜80質量%、より更に好ましくは71〜77質量%である。
当該ゲル分率が63質量%未満であると、得られた粘着剤組成物から形成した粘着剤層が凝集力不足により、経時粘着力が上昇し、再剥離性が劣る傾向にある。また、粘着剤層のはみ出し等が見られ、粘着シートの裁断及び抜き打ち等の二次加工性が劣る。一方、当該ゲル分率が95質量%を越えると、得られた粘着剤組成物を用いた粘着シートは、例えば、段ボール等の比較的表面の粗い被着体への接着性に乏しく、粘着力が劣る傾向にある。
本発明の水分散型粘着剤組成物の25℃における粘度は、高速塗布に対応する観点から、好ましくは500mPa・s以下、より好ましくは100〜500mPa・s、より好ましくは130〜400mPa・s、更に好ましくは160〜350mPa・s、より更に好ましくは180〜320mPa・sである。
当該粘度が500mPa・s以下であれば、高速塗布に対応することができる。また、当該粘度が100mPa・s以下であると、塗布膜にはじきが発生する可能性がある。
本発明の水分散型粘着剤組成物から形成される粘着剤層のテトラヒドロフラン可溶成分(以下、「THF可溶成分」ともいう)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2万〜25万、より好ましくは10万〜22万、更に好ましくは12万〜20万である。当該THF可溶成分のMwが2万以上であれば、得られる粘着剤組成物の初期粘着力を良好とすることができる。また、当該THF可溶成分のMwが25万以下であれば、外圧による変形を抑制し得る。
また、当該THF可溶成分の分子量分布(Mw/Mn)(但し、Mnは数平均分子量)は、好ましくは2.0〜5.0、より好ましくは2.3〜4.3、更に好ましくは2.5〜4.0、より更に好ましくは2.7〜3.8である。当該THF可溶成分の分子量分布の値が2.0以上であれば、得られる粘着剤組成物の初期粘着力を良好とすることができる。また、当該THF可溶成分の分子量分布の値が5.0以下であれば、経時による粘着力の上昇が抑えられ、再剥離性を良好とすることができる。
〔再剥離性粘着シート〕
本発明の再剥離型粘着シート(以下、単に「粘着シート」ともいう)は、上述の本発明の水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤層を有するものであり、該粘着層を基材上に設けてなる粘着シートが好ましい。
粘着シートの乾燥後の粘着剤層の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜60μm、更に好ましくは15〜40μmである。粘着剤層の厚みが5μm以上であれば、十分な粘着性能が得られ、100μm以下であれば、粘着剤層のはみ出しを防止できる。
本発明の粘着シートの構成は、特に限定されないが、例えば、図1の態様の粘着シートが挙げられる。図1は、本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材上に設けてなる粘着シートの断面図である。
本発明の粘着シートの具体的な構成としては、図1(a)のように、基材12の一方の面上に粘着剤層11が設けられた基材付き粘着シート1aや、図1(b)のように、粘着剤層11上に、さらに剥離シート13を設けた粘着シート1b等が挙げられる。
粘着シートの基材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルフィド、ポリ(4−メチルペンテン−1)ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、トリアセチルセルロース等の樹脂フィルム及びその積層体や発泡体、ポリオレフィン系樹脂等により製造される合成紙、金属蒸着体、上質紙、コート紙、グラシン紙等の紙基材、及びこれらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙等が挙げられる。
基材の厚さは、用いる基材の種類によって適宜選択されるが、好ましくは5〜300μm、より好ましくは10〜120μmである。
図1(b)に示された剥離シート13は、剥離シート用基材の片面又は両面に剥離剤を塗布して得られる。
剥離シート用基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、トリアセチルセルロース等の樹脂フィルムや、上質紙、コート紙、グラシン紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙等が挙げられる。
用いる剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、イソプレン系樹脂やブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー等が挙げられる。
剥離シートの厚さは、特に制限は無いが、好ましくは5〜300μm、より好ましくは10〜200μmである。なお、剥離シート用基材としてポリエチレンテレフタレート系フィルムを用いる場合は、好ましくは10〜100μmである。
[再剥離型粘着シートの製造方法]
本発明の水分散型粘着剤組成物は、塗布速度150m/分以上の高速塗布においても優れた塗布性を有する。そのため、基材又は剥離シート上に、本発明の水分散型粘着剤組成物を高速塗布しても、はじきの発生を抑制し、形成される塗布層の面状態を良好とすることができる。
本発明の再剥離型粘着シートの製造方法は、本発明の水分散型粘着剤組成物を、塗布速度150m/分以上で塗布して塗布膜を形成し、当該塗布膜を乾燥し、粘着剤層を形成する工程を含む。
本発明の製造方法では、粘着剤組成物を基材又は剥離シート上に塗布し塗布膜を形成することが好ましい。
例えば、図1の(a)に示された粘着シート1aの製造方法としては、基材12上に本発明の粘着剤組成物を塗布して粘着剤層11を形成して製造する方法や、剥離シート上に本発明の粘着剤組成物を塗布して粘着剤層11を形成した後、当該粘着剤層11と基材12とを貼り合わせ、一旦、図1の(b)に示された粘着シート1bを作製してから、剥離シートを除去して製造する方法等が挙げられる。
また、図1の(b)に示された粘着シート1bの製造方法としては、基材12上に本発明の粘着剤組成物を塗布して粘着剤層11を形成し、更に粘着剤層11上に剥離シート13を積層して製造する方法や、剥離シート13上に本発明の粘着剤組成物を塗布して粘着剤層11を形成した後、当該粘着剤層11と基材12とを貼り合わせて製造する方法等が挙げられる。
本発明の製造方法において、粘着剤組成物の塗布速度は150m/分以上であるが、粘着シートの生産性向上の観点、並びにはじきの発生を抑制し、形成される塗布層の面状態を良好とする観点から、好ましくは200〜500m/分、より好ましくは250〜500m/分、更に好ましくは300〜500m/分、である。
本発明の粘着剤組成物を基材又は剥離シート上に塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ダイコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、リップコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
形成した塗布膜の乾燥条件としては、塗工機の乾燥能力によるが、80℃〜150℃程度の温度で、3秒〜1分間程度加熱し乾燥させることが好ましい。この乾燥工程を経て、粘着剤層を形成することができる。
本発明について、以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
また、以下の合成例で得られたエマルション、実施例及び比較例で得た水分散型粘着剤組成物及び再剥離性粘着シートの各物性は、以下に示す方法に基づいて測定及び評価した。
(1)エマルション及び水分散型粘着剤組成物の固形分濃度
JIS K−6833に準じて、エマルション又は水分散型粘着剤組成物を107℃、3時間乾燥させた後、残渣を秤量し、下記式より固形分濃度を算出した。
・固形分濃度(質量%)=(残渣の質量)/(乾燥前のエマルション又は水分散型粘着剤組成物の質量)×100
(2)粘度
JIS K−6833に準じて、25℃の環境下で、BM型粘度計(東京計器社製)を用い、No.2ローターを用いて、60回転/分で、エマルション又は水分散型粘着剤組成物の粘度を測定した。
(3)エマルションの平均粒子径
動的光散乱方式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、製品名「LB−550」)を使用し、25℃で体積基準のメジアン径を測定して得た値を用いた(単位:nm)。
(3)粘着剤層のゲル分率
得られたゲル分率測定用の粘着シートから約500mgの粘着剤層を取り出し、当該粘着剤層の正確な質量を予め測定し、浸漬前の粘着剤層の質量を求めた。次に、当該粘着剤層をステンレス鋼(SUS)メッシュ#300に包み、試験サンプルを作製した。
そして、当該試験サンプルを23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、テトラヒドロフラン100mL中に72時間浸漬した後、試験サンプルを取り出し、120℃で3時間乾燥後、試験サンプルの質量を測定し、浸漬後の粘着剤層の質量を求めた。下記式より粘着剤層のゲル分率を算出した。
・ゲル分率(質量%)=(浸漬後の粘着剤層の質量)/(浸漬前の粘着剤層の質量)×100
(なお、「浸漬後の粘着剤層の質量」は、「(浸漬後の試験サンプルの質量)−(SUSメッシュの質量)」から算出される。)
(4)テトラヒドロフラン可溶成分の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
上記(3)の測定にて得られた再剥離性粘着シートから粘着剤層を取り出し、テトラヒドロフラン100mL中に72時間浸漬した際に、テトラヒドロフラン可溶の成分について、ゲル浸透クロマトグラフ装置(東ソー株式会社製、製品名「CCP8000」)を用いて、下記の条件下で測定し、標準ポリスチレン換算にて測定した値を用いた。
(測定条件)
・カラム:「TSK guard column HXL−H」「TSK gel GMHXL(×2)」「TSK gel G2000HXL」(いずれも東ソー株式会社製)
・カラム温度:40℃
・展開溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:1.0mL/min
(5)初期粘着力、経時粘着力
JIS Z−0237の180°引き剥がし粘着力測定に準じて測定した。
具体的には、再剥離用粘着シートを幅25mmに切断し、ステンレス鋼(SUS)板、ポリスチレン(PS)板、Kライナー紙にそれぞれ貼り付け、貼付した再剥離用粘着シート上を2kgのローラーで1往復圧着した。
初期粘着力は、上記のローラーで圧着した直後に、引き剥がし速度300mm/分にて、再剥離用粘着シートを引き剥がして測定した。
また、経時粘着力は、上記のローラーで圧着した後、23℃、50%RH(相対湿度)で24時間放置した後、引き剥がし速度300mm/分にて、再剥離用粘着シートを引き剥がして測定した。
(6)再剥離性
再剥離性粘着シートを幅25mmに切断し、ステンレス鋼(SUS)板、ポリスチレン(PS)板、Kライナー紙にそれぞれ貼り付け、40℃の環境下で、7日間放置した後、23℃、50%RH(相対湿度)に戻し、10m/分の速度で、120°方向に手で剥離して、剥離状態を目視にて、以下の基準により評価した。
A:糊残りや紙破れなくきれいに剥離できる。
B:端部に紙破れが若干あるが、実用上問題ないレベル。
C:糊残りや紙破れが部分的にある。
D:全面に糊残りや紙破れがある。
(7)塗布膜の面状態
実施例及び比較例において調製した水分散型粘着剤組成物を、剥離シート(リンテック社製、商品名「SP−8Kアオ」、シリコーン樹脂で剥離処理したグラシン紙)の剥離処理面に、リップコーターを用いて、塗布速度300m/分で、乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmになるように塗布し、形成した塗布膜の面状態を目視により、以下の基準により評価した。
A:筋、ハジキ及びチジミがなく、平滑で良好な面状態である。
F:筋、ハジキ及びチジミのいずれかが見られ、面状態が劣る。
合成例1〜3([A]成分)
表1に示す種類及び配合量のモノマー成分からなる単量体混合物の合計100質量部に、アニオン系乳化剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩(花王株式会社製、商品名「ラテムルE−118B」)を4質量部、及びイオン交換水を56質量部加えて、混合し、乳化させて、乳化液を調製した。
次に、温度計、攪拌機、滴下装置、還流冷却管及び窒素導入管を備えた反応装置内に、イオン交換水を28質量部加え、窒素を封入して反応装置内の温度を80℃まで昇温させ、80℃に保ちながら、重合開始剤として、濃度10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を2質量部添加した後、直ちに、上記の調製した乳化液を連続的に4時間かけて滴下して乳化重合した。また、並行して濃度5質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を4質量部滴下した。
滴下終了後、80℃で4時間熟成し、その後、室温(25℃)まで冷却し、アンモニア水を添加して中和した後、イオン交換水を更に加えて、固形分濃度56.5質量%、粘度120mPa・s、pH8.0のアクリル酸エステル共重合体エマルション(A−1)〜(A−3)の溶液を得た。
合成例4〜9([B]成分)
表1に示す種類及び配合量のモノマー成分からなる単量体混合物の合計100質量部に、アニオン系乳化剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩(花王株式会社製、商品名「ラテムルE−118B」)を4質量部、及びイオン交換水を56質量部加えて、混合し、乳化させて、乳化液を調製した。
次に、温度計、攪拌機、滴下装置、還流冷却管及び窒素導入管を備えた反応装置内に、イオン交換水を28質量部加え、窒素を封入して反応装置内の温度を80℃まで昇温させ、80℃に保ちながら、重合開始剤として、濃度10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を2質量部添加した後、直ちに、上記の調製した乳化液を連続的に4時間かけて滴下して乳化重合した。
滴下終了後、80℃で4時間熟成し、その後、室温(25℃)まで冷却し、固形分濃度25.0質量%、粘度10mPa・s、pH3.5のアクリル酸エステル共重合体エマルション(B−1)〜(B−6)の溶液を得た。
実施例1〜6、比較例1〜7
表3に示す種類及び配合量(固形分比)の各成分に、濡れ剤として「エアロゾルOT−75」:花王株式会社製アニオン性界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム含有、固形分75質量%)を[A−1]〜[A−3]成分100質量部(固形分)に対して、0.3質量部(固形分比)混合して、水分散型粘着剤組成物を調製した。
調製した水分散型粘着剤組成物を、剥離シート(リンテック社製、商品名「SP−8Kアオ」、シリコーン樹脂で剥離処理したグラシン紙、厚さ:66μm)の剥離処理面に、リップコーターを用いて、塗布速度300m/分で、乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmになるように塗布し、乾燥させて、粘着剤層を形成した。そして、当該粘着剤層上に、上質紙(日本製紙、商品名「ニューNPi上質」、64g/m2、厚さ:73μm)と貼り合わせ、粘着シートを作製した。
また、ゲル分率測定用として、上記粘着シートの作製において、上質紙「ニューNPi上質」の代わりに剥離シート「SP−8Kアオ」と貼り合わせたゲル分率測定用粘着シートも作製した。得られた粘着シートを用いた各物性試験は23℃で7日以上放置した後に行った。
調製した水分散型粘着剤組成物について、粘度、ゲル分率、テトラヒドロフラン可溶成分の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)、及び作製した粘着シートの初期粘着力、経時粘着力、再剥離性、並びに塗布膜の面状態は、上述の方法及び基準により評価した。結果を表3に示す。
なお、表3に記載の粘着剤組成物中の成分の略称は、以下の成分を示す。
・A−1〜3:上述の合成例1〜3で得たアクリル酸エステル共重合体のエマルション。
・B−1〜6:上述の合成例4〜9で得たアクリル酸エステル共重合体のエマルション。
・EX−313:ナガセケムテックス社製、商品名「デナコールEX−313」、エポキシ系架橋剤(グリセロールポリグリシジルエーテル)。
・V−04:日清紡社製、商品名「カルボジライトV−04」、カルボジイミド系架橋剤。
・WS−700:日本触媒社製、商品名「エポクロスWS−700」、オキサゾリン系架橋剤。
実施例1〜6の再剥離性粘着シートは、いずれの被着体に対しても、初期粘着力及び経時粘着力ともに優れており、再剥離性も良好であった。また、実施例1〜6で調製した粘着剤組成物を塗布した際の塗布面は、筋、ハジキ及びチジミが無く、面状態も良好であった。
一方、比較例1〜3では、粘着剤組成物から形成される粘着剤層のTHFに溶解させた際のゲル分率が低いため、得られた再剥離性粘着シートの再剥離性が劣る結果となった。
また、比較例4〜7では、特定の[A]成分又は[B]成分を含有していないため、得られた粘着剤組成物の粘度が高く、塗布膜の面状態が明らかに劣る結果であった。そのため、粘度及び塗布膜の面状態以外の項目の評価をせずに終了した。
本発明の水分散性粘着剤組成物は、高速塗布した場合でも面状態が良好な塗布膜を形成可能であり、当該粘着剤組成物を用いた再剥離性粘着シートは、優れた粘着力を有し、経時での粘着力の上昇を抑制し得、優れた再剥離性を有する。
そのため、本発明の水分散型粘着剤組成物は、長期間使用後に剥離することが想定される、粘着ラベル、マスキングテープ又はシート、表面保護フィルム等の粘着剤層を有する粘着シート等の粘着製品の高速塗布による製造に適用することができる。
1a、1b、2a、2b 再剥離性粘着シート
11、11a、11b 粘着剤層
12 基材
13、13a、13b 剥離シート

Claims (9)

  1. 炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位(a1)を主成分として含むと共にカルボキシル基含有不飽和モノマー由来の構成単位(a2)を0.1〜2.0質量%含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルション[A]、炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位(b1)を主成分として含むと共にカルボキシル基含有不飽和モノマー由来の構成単位(b2)を25〜50質量%含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルション[B]、及び架橋剤[C]を含有する水分散型粘着剤組成物であって、当該水分散型粘着剤組成物から形成される粘着剤層をテトラヒドロフランに溶解させた際のゲル分率が63〜95質量%であり、前記[B]成分の含有量(固形分比)は、前記[A]成分の固形分100質量部に対して、0.6〜20質量部である、水分散型粘着剤組成物。
  2. 前記水分散型粘着剤組成物の25℃における粘度が、500mPa・s以下である、請求項1に記載の水分散型粘着剤組成物。
  3. エマルション[A]及び[B]の平均粒子径が、100〜900nmである、請求項1又は2に記載の水分散型粘着剤組成物。
  4. 構成単位(b1)を構成する前記炭素数8〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである、請求項1〜3のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
  5. (メタ)アクリル酸エステル共重合体のエマルション[B]が、さらに多官能性モノマー由来の構成単位(b3)を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
  6. 架橋剤[C]が、分子中に2個以上のグリシジル基を有するポリグリシジル化合物、分子中に2個以上のオキサゾリン基を有するオキサゾリン系化合物、及び分子中に2個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
  7. 前記水分散型粘着剤組成物から形成される粘着剤層のテトラヒドロフラン可溶成分の重量平均分子量(Mw)が2万〜25万であり、分子量分布(Mw/Mn)(但し、Mnは数平均分子量)が2.0〜5.0である、請求項1〜6のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物を、塗布速度150m/分以上で塗布して塗布膜を形成し、当該塗布膜を乾燥し、粘着剤層を形成する工程を含む、再剥離性粘着シートの製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する、再剥離性粘着シート。
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