JP5638891B2 - 再剥離性粘着シート - Google Patents
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Description
特許文献1および2においては、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体に粘着付与剤とポリグリシジル化合物を配合した粘着剤が使用されている。
飲料水、清涼飲料水、ジュース、茶、紅茶、日本酒、焼酎などの容器としてPETボトルが広く利用されている。このPETボトルに対し、近年、環境保護の観点からリサイクルの要請が著しく高まっている。PETボトルには、ほとんどの場合、商品名や内容物などを表示するための粘着ラベルが貼付されており、PETボトルをリサイクルする場合にはこの粘着ラベルを再生処理設備における再生処理工程(熱水処理等)において剥離、除去させる必要がある。また、再生処理を効率よく行うため、PETボトルを廃棄する前に各家庭で粘着ラベルを剥離することが望まれている。このため、前記粘着ラベルはPETボトルへの貼着性及び貼着操作性に優れるという特性とともに、PETボトル内容物が消費されるまではボトルに密着性よく貼着されて容易には剥離せず、内容物消費後には簡易に剥離できるという相反する特性が要求される。
また、空のボトルに粘着ラベルを貼付した後、内容物を充填する場合には、内容物充填前にボトル内を水や弱アルカリ性洗浄液などで洗浄することになる。この洗浄工程では、粘着ラベルは剥がれず、貼着された状態を保持している必要がある。
このような粘着ラベル用の粘着剤として、近年の環境衛生上の観点より、溶剤を用いない水分散型粘着剤への志向が強く、種々検討されている。
例えば、特許文献3にはアルカリ溶解性を有する高分子層からなる粘着剤より形成されてなる粘着シートが瓶類用のラベルとして用いられることが開示されているが、粘着性と再剥離性のバランスの点で改善の必要がある。
また、特許文献4には、アルカリ可溶性アクリル系のエマルジョン型粘着剤と、前記アルカリ可溶性アクリル系のエマルジョン型粘着剤100重量部に対し、架橋剤が1〜3重量部添加されたことを特徴とするラベルが開示されている。しかしながら、手剥がしによるラベル再剥離性や熱水剥離性が不十分であった。
さらに、特許文献5では、2−エチルヘキシルアクリレートを主たるモノマー成分とし、かつ窒素含有ビニル単量体を併用したアクリル系共重合体を粘着樹脂として使用することにより、粘着剤の好適な粘着性と優れた再剥離性を実現することが提案されているが、配合組成をさらに工夫することにより耐水性、粘着性、及び再剥離性のバランスのとれたものが得られることがわかった。
すなわち、本発明は、下記
(1)剥離シート、粘着剤層、表面基材を積層してなるポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベルにおいて、前記粘着剤層が、アクリル系共重合体と粘着付与剤を含む水性エマルションおよび架橋剤を含有する水分散型粘着剤組成物から形成され、前記アクリル系共重合体を構成するモノマー成分が2−エチルヘキシルアクリレート、アクリロニトリル、およびカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を含み、前記2−エチルヘキシルアクリレートの含有量が、前記モノマー成分中90質量%以上であり、前記アクリロニトリルの含有量が0.5〜5質量%であり、前記粘着剤層のゲル分率が40〜60質量%であることを特徴とするポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル、
(2)前記粘着付与剤の配合部数が、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分の合計量100質量部に対し、0.1〜2.5質量部である上記(1)に記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル、
(3)前記2−エチルヘキシルアクリレートの含有量が96質量%以上である上記(1)または(2)に記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル、
(4)前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の含有量が0.1〜5質量%である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル、
(5)前記アクリロニトリルの含有量が0.5〜3質量%である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル、
(6)前記粘着付与剤の軟化点が80〜160℃である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル、
(7)前記架橋剤が、分子中に2個以上のグリシジル基を有するポリグリシジル化合物、分子中に2個以上のオキサゾリン基を有するオキサゾリン系化合物、分子中に2個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド系化合物から選ばれる1種以上である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル、
(8)前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体がアクリル酸とメタクリル酸を併用したものである上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル
および
(9)ポリエチレンテレフタレート製ボトルに貼付後、前記粘着剤層が80℃の熱水に浸漬した際に同ポリエチレンテレフタレート製ボトルから30分以内に剥離する請求項8に記載の再剥離性粘着シートを提供する。
本発明における再剥離性粘着シートは、PETボトルの洗浄工程において、熱水中にPETボトルを浸漬することによって、PETボトルから除去される。支持体となる基材シートは、特に限定されないが、熱水中でPETボトルと粘着ラベルの比重差を利用して剥離した粘着ラベルを容易に分離させるために、比重1未満の基材、例えば、上質紙、クレープ紙、耐水紙等の紙類や内部に空洞を有する合成紙、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、発泡ポリエチレンフィルムが好適に用いられ、延伸フィルムまたは無延伸フィルムでも好適に用いることができる。
これらの中でも、ラベル基材として印刷性、剛性、コスト、ラベリング適性などに優れていることから、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などからなるポリオレフィン系合成樹脂フィルム、これらのポリオレフィン系樹脂より製造される合成紙などを好適に用いることができる。
基材シートとしての合成樹脂フィルムは、未延伸でもよいし、縦又は横等の一軸方向又は二軸方向に延伸されていてもよい。
基材シートの厚みは、特に制限はないが、通常、10〜200μmの範囲であるが、取り扱い易さの面から、好ましくは25〜150μmである。
基材シートは、着色されていてもよいし、無色透明のものでもよい。また、基材シートの表面又は裏面には、印刷、印字等を施されていてもよい。
したがって、基材シートには、感熱記録層、熱転写、インクジェット、レーザー印字等が可能な印字受像層、印刷性向上層等が設けられていてもよい。
また、基材シートの反対面(粘着剤層形成面)には、粘着剤層と密着力(キーイング力)を向上させる目的で、プライマー処理やコロナ処理等が施されてもよい。
本発明においては、アクリロニトリルの含有量を0.5〜5質量%、好ましくは、0.5〜4質量%、より好ましくは0.5〜3質量%の範囲に調整することで本発明の効果を発現させることができる。アクリロニトリルの含有量を上記下限以上とすることで、粘着シートの粘着剤層を形成した際に粘着剤層の凝集力が良好となる。これにより粘着シートを被着体から剥離する際に、粘着剤の糊残りや剥離不良を抑制できるので好ましい。また、上記上限以下とすることで、初期タック性や接着性を損なうことなく、良好な接着性を保持できる。
架橋化起点をエマルション粒子の内部と外部に点在させることができるという観点からアクリル酸とメタクリル酸を併用することが望ましい。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の含有量は0.1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2質量%である。0.1質量%以上とすることにより、凝集力と機械安定性が向上し、5質量%以下とすることによりラベル加工前の再剥離性粘着シートでの経時安定性に優れ、再剥離性と粘着力のバランスが良好となる。
使用する粘着付与剤としては、ロジン、ロジンフェノール樹脂、及びそのエステル化合物、水添ロジンエステル等のロジン系樹脂、テルペン低重合体、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等のテルペン系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂等の粘着付与剤が例示できる。中でも、軟化点が80〜160℃の粘着付与剤が好ましく、又これらの粘着付与剤を2種以上併用しても良い。
配合部数は、使用するモノマーによって異なるが、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分の合計量100質量部に対し、通常0.1〜20質量部、好ましくは1〜15質量部添加される。粘着付与剤を0.1質量部以上とすることにより、実質的な効果として、優れた粘着力、基材密着性が得られる。20質量部以下とすることにより、粘着剤層の見かけのTgが高くなるのを防止し、粘着力、基材密着性が低下するのを防止する。
粘着剤層としてゲル分率が40質量%未満では、粘着剤層のはみ出しなどで粘着ラベルの裁断及び打ち抜き等の二次加工性が劣り、また、80質量%超では充分な粘着力が得られない。ゲル分率の好ましい範囲は40〜60質量%である。
本発明の再剥離性粘着シートにおけるアクリル系共重合体の水性エマルション粒子の平均粒子径は、80〜500nm、好ましくは150〜400nmである。
平均粒子径が上記範囲内であると、得られる粘着剤層の物性バランス、すなわち、粘着力や再剥離性、さらに機械安定性のバランスに優れた粘着剤層が得られる。
平均粒子径が80nm以上とすることにより、安定なエマルション粒子が得られ、界面活性剤の使用量が多くなるのを防止することができる。平均粒子径を400nm以下とすることにより、基材シートに対する密着性が得られ、得られる粘着剤層の耐水性が低下するのを防止することができる。
架橋剤としては、主に、アクリル系共重合体中のエチレン性不飽和単量体に由来するカルボキシル基と架橋するもので、基材シートに対する密着性や再剥離性、被着体に貼付後の経時な粘着力の上昇が少ないこと、耐汚染性に優れる点で、エポキシ系化合物、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物が主として用いられる。なお、これらの架橋剤は単独でも2種以上を併用しても良く、必要に応じてアジリジン系化合物、ポリイソシアネート化合物、メラミン系化合物、金属錯体系化合物、アミン系化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどのヒドラジン誘導体等の他の架橋剤を併用してもよい。
これらの架橋剤は水分散型粘着剤組成物中の主要な樹脂成分であるアクリル系共重合体中に含まれるカルボキシル基1当量に対して0.4〜1当量の割合で添加される。添加量が0.4当量以上とすることにより、ゲル分率が低過ぎて実質的な効果が得られなくなるのを防止し、基材密着性、凝集力が劣るのを防止する。1当量以下とすることにより、ゲル分率が高くなり過ぎて被着体や基材界面へ架橋剤がブリードするのを防止し、被着体汚染や基材密着性が低下するのを防止し、アルカリ可溶性が低下するのを防止する。
上記添加剤は、重合後の水性エマルションに添加されることが多いが、乳化重合前や乳化重合途中で添加することもできる。
本発明における水分散型粘着剤組成物(アクリル系共重合体と粘着付与剤を含む水性エマルション及び架橋剤)は、固形分が30〜65質量%、好ましくは40〜55質量%である。
さらに好ましくは、pHが6〜9の範囲である。水分散型粘着剤組成物の固形分、粘度及びpHが上記範囲内であると、乾燥性、塗工性、及び取り扱いの面から好ましい。
次いで、粘着剤を剥離シートへ塗布し、乾燥して粘着剤層を形成させた後に、基材シート表面と粘着剤層を貼り合わせる転写塗工法を採用することができる。さらに、先に基材シート表面へ粘着剤を直接塗布し、乾燥して粘着剤層を形成させた後に剥離シートと粘着剤層を貼り合わせる直接塗工法を採用することもできる。
剥離シートとしては、特に限定されるものではないが、支持基材としては、例えば、紙、合成紙、合成樹脂フィルム等が挙げられる。
紙としては、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙のような紙基材、及び上質紙、グラシン紙、コート紙等にセルロース、澱粉、ポリビニルアルコール、アクリル−スチレン樹脂などで目止め処理した紙基材等が挙げられ、プラスチック合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂からなるフィルム、及びこれらの合成樹脂フィルムにコロナ放電処理等の易接着処理を施したフィルムなどが挙げられ、これらに剥離処理を施したものであることが望ましい。
剥離処理剤の層の厚みは0.05〜2.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.1〜1.5μmである。
剥離シートの支持基材の厚みは、特に制限はないが、通常、30〜200μmである。
粘着剤層の厚みは、特に制限はないが、通常、10〜50μm、好ましくは12〜30μmである。なお、本発明の再剥離性粘着シートは、平面のシート状であってもよいし、ロール状に巻き取ったものであってもよい。
本発明の再剥離性粘着シートは、上記工程において、PET製ボトルから簡単に剥離、除去でき、且つ、手でも容易に剥離できるため、PET製ボトル貼付用ラベルとして特に好ましく用いられる。
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート(以下、2EHAと記載する)98.4部、アクリル酸(以下、AAと記載する)0.2部、メタクリル酸(以下、MAAと記載する)0.4部、アクリロニトリル(以下、ANと記載する)1.0部を仕込み、ポリオキシエチレンエーテル硫酸エステルナトリウム塩〔花王株式会社製の界面活性剤、商品名:ラテムルE−118B〕0.5部、ポリオキシエチレンアルキルアルキルエーテルサルフェートNH4塩〔第一工業製薬社製の界面活性剤、商品名:アクアロンKH−05〕0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔花王社製の界面活性剤、商品名:エマルゲン103〕1部、水添ロジンエステル〔イーストマンケミカル社製の粘着付与剤、商品名:フォーラル105〕2.0部、芳香族変性テルペン樹脂〔ヤスハラケミカル社製の粘着付与剤、商品名:YSレジンTO−125〕0.5部とイオン交換水80質量部を加え、攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入菅及び滴下ロートを備えた反応容器に投入して室温攪拌してモノマー成分の混合物の乳化物を予め調製した。
別途、攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入菅、及び滴下ロートを備えた反応装置にイオン交換水28質量部を仕込み、窒素を封入して内温80℃まで昇温し、その温度に保ちながら10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液0.5質量部を仕込んだ。次に、予め調製したモノマー成分の混合物の乳化物を滴下ロートに移し、4時間かけて滴下した。
これと併行して5質量%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を滴下して、反応容器内を80℃の温度に維持して乳化重合を行った。滴下終了後、80℃で4時間熟成し、アクリル系共重合体および粘着付与剤を含む水性エマルション(1)を得た。
その後、室温まで冷却し、25%のアンモニア水で中和した後に水を加えて、固形分50質量%、pH8.0の水性エマルション(2)を得た。ついで、可塑剤としてポリオキシエチレンアルキルアミン0.5部〔ライオン・アクゾ社製、商品名:エソミンC/25〕を添加して水性エマルション(3)を得た。
次に、該水性エマルション(3)の100質量部にポリアクリル酸系増粘剤〔ロームアンドハース社製、ASE−60〕を添加して、25℃での粘度8000mPa・sに増粘させた。
さらに、上記水性エマルション(3)中のアクリル系共重合体の100質量部に対して、架橋剤〔ナガセケムテックス社製のグリセロールポリグリシジルエーテル、商品名:デナコールEX−313(有効成分99%以上)〕を0.9質量部添加して得られた水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤の粘度を測定した。
同粘着剤を剥離シート〔リンテック社製、シリコーン樹脂で剥離処理したグラシン紙、商品名:SP−8Kアオ〕の剥離剤処理面上にロールナイフコーターを用いて、乾燥後の塗布厚みが15μmになるように塗工し、90℃にて2分間乾燥し、粘着剤層を形成させた。
ついで、片面に印刷受容層を備えた表面基材合成紙〔ユポコーポレーション製、商品名:ユポSGS80〕の印刷受容層を備えていない面と貼り合わせて、23℃、相対湿度50%の雰囲気で7日間放置することにより再剥離性粘着シートを作製した。
また、上記合成紙の代わりに剥離シート〔リンテック社製、シリコーン樹脂で剥離処理したポリエステルフィルム、商品名:SP−PET3811〕の剥離処理面と貼り合わせて、23℃、相対湿度50%の雰囲気で7日間放置して作製した粘着シートを用いてゲル分率を測定した。
同再剥離性粘着シートをSUS板、ポリエステル板にそれぞれ貼り付け、粘着力を測定し、次いで、同再剥離性粘着シートを粘着ラベルに加工して耐水性および再剥離性を測定した。
2−EHAおよびANを表1に示す量に変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
AAとMAAの含有量を表1に示すように変える以外は実施例1と同様に行ない、再剥離性粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
架橋剤として日清紡(株)製のカルボジイミド〔商品名:カルボジライトV−04〕を1.0部使用した以外は実施例1と同様に行ない、再剥離性粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
架橋剤としてアクリル主鎖を有するオキサゾリン基含有水溶性ポリマー〔日本触媒社製、商品名:エポクロスWS−700、固形分25%〕を2.0部使用した以外は実施例1と同様に行ない、再剥離性粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
ANの量を0.4部とするか、または使用せず、2−EHAを表1に示す量に変更した以外は実施例1と同様に行ない、比較用の再剥離性粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
ANを8.0部使用し、2−EHAを表1に示す量に変更した以外は実施例1と同様に行ない、比較用の再剥離性粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
デナコールEX−313を使用しないか、または0.3部使用した以外は実施例1と同様に行ない、比較用の再剥離性粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
デナコールEX−313を3.0部使用した以外は実施例1と同様に行ない、比較用の再剥離性粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
フォーラル105とYSレジンTO−125を添加しない以外は実施例1と同様に行ない、比較用の再剥離性粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
2−EHAとn-ブチルアクリレートを表1に示す量使用した以外は、実施例1と同様に行ない、再剥離性粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
市販のアルカリ可溶型ラベル用粘着剤〔東亜合成社製のANを含まない粘着剤、商品名:RP−275、固形分52〜54%、粘度8000〜18000mPa・s/25℃、pH6.5〜7.5〕100質量部に対し、架橋剤〔ナガセケムテックス社製のポリグリセロールポリグリシジルエーテル、商品名:デナコールEX−521(有効成分99%以上)〕を1.0部または3.0部それぞれ添加して得られた粘着剤を用いた以外は実施例1と同様に行ない、参考用の再剥離性粘着シートを作製した。結果を表1に示す。
<各物性値の測定>
(1)粘度
JISK−6833に準じて25℃の環境下、BM型粘度計〔東京計器社製〕を用い、No.4ローターを用いて12回転/分で粘着剤組成物の粘度を測定した(単位:mPa・s)。
(2)ゲル分率
粘着剤層約500mgを#300のSUS製メッシュに包み、テトラヒドロフラン中に72時間浸漬後、SUSメッシュごと取り出し120℃で3時間乾燥後、浸漬前との質量比より粘着剤層のゲル分率を算出した(単位:質量%)。
(1)粘着力
再剥離性粘着シートを幅25mmに切断し、SUS板、ポリエステル板(PET板)にそれぞれ貼り付けて質量2kg(19.6N)のローラーで1往復させて圧着し、相対湿度50%で24時間放置した後に剥離速度300mm/分、剥離角度180°にて剥離した際の測定値であり、単位はN/25mmである。
(2)耐水性
再剥離性粘着シートを幅25mm×長さ50mm、の粘着ラベルとし、この粘着ラベルをPETボトルに貼り付け、23℃の水に72時間浸潰させた時のラベルの浮き剥がれを目視にて観察した。
○:浮き剥がれなし
×:浮き剥がれあり
(3)再剥離性
[手剥離性]
耐水性試験に用いたものと同じ粘着ラベルをPETボトルに貼り付け、40℃、80%条件下で1週間放置後の再剥離性を手で剥離することにより確認した。
○:再剥離性良好、糊残りなし
×:再剥離せず、糊残りあり
[熱水剥離性]
耐水性試験に用いたものと同じ粘着ラベルをPETボトルに貼り付け、80℃の熱水に30分間浸潰させた時点でラベルが自然に剥離するか否かを目視にて観察した。
○:ラベルは完全に剥離した。
△:ラベルの一部が剥離した。
×:ラベルは全く剥離しなかった。
表1中のモノマー成分および架橋剤における数値は、モノマー成分の合計量100質量部に対する有効成分の量を示す。使用した原材料の略号等は下記の通りである。
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
n-BA:n-ブチルアクリレート
AA:アクリル酸
MMA:メタクリル酸
AN:アクリロニトリル
EX−313:ナガセケムテックス社製のグリセロールポリグリシジルエーテル〔商品名:デナコールEX−313(有効成分99%以上)〕
V−04:日清紡社製のカルボジイミド〔商品名:カルボジライトV−04(有効成分含有率40%)〕
WS−700:日本触媒社製のアクリル主鎖を有するオキサゾリン基含有水溶性ポリマー〔商品名:エポクロスWS−700(有効成分25%)〕
EX−521:ナガセケムテックス社製のポリグリセロールポリグリシジルエーテル〔商品名:デナコールEX−521(有効成分99%以上)〕
Claims (9)
- 剥離シート、粘着剤層、表面基材を積層してなるポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベルにおいて、前記粘着剤層が、アクリル系共重合体と粘着付与剤を含む水性エマルションおよび架橋剤を含有する水分散型粘着剤組成物から形成され、前記アクリル系共重合体を構成するモノマー成分が2−エチルヘキシルアクリレート、アクリロニトリル、およびカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を含み、前記2−エチルヘキシルアクリレートの含有量が、前記モノマー成分中90質量%以上であり、前記アクリロニトリルの含有量が0.5〜5質量%であり、前記粘着剤層のゲル分率が40〜60質量%であることを特徴とするポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル。
- 前記粘着付与剤の配合部数が、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分の合計量100質量部に対し、0.1〜2.5質量部である請求項1に記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル。
- 前記2−エチルヘキシルアクリレートの含有量が96質量%以上である請求項1または2に記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル。
- 前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の含有量が0.1〜5質量%である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル。
- 前記アクリロニトリルの含有量が0.5〜3質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル。
- 前記粘着付与剤の軟化点が80〜160℃である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル。
- 前記架橋剤が、分子中に2個以上のグリシジル基を有するポリグリシジル化合物、分子中に2個以上のオキサゾリン基を有するオキサゾリン系化合物、分子中に2個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド系化合物から選ばれる1種以上である請求項1〜6のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル。
- 前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体がアクリル酸とメタクリル酸を併用したものである請求項1〜7のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル。
- ポリエチレンテレフタレート製ボトルに貼付後、前記粘着剤層が80℃の熱水に浸漬した際に同ポリエチレンテレフタレート製ボトルから30分以内に剥離する請求項8に記載のポリエチレンテレフタレート製ボトル貼付用ラベル。
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