JP5803728B2 - 水性再剥離型粘着剤および再剥離型粘着シート - Google Patents

水性再剥離型粘着剤および再剥離型粘着シート Download PDF

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本発明は、水性再剥離型粘着剤および粘着シートに関する。
粘着シートは、さまざまな用途で使用されているが、その用途の一つに再剥離型粘着シートがある。この再剥離型粘着シートは、一旦被着体に貼付されて一定時間を経過した後にも容易に剥離できる性能が要求される(以下、再剥離性という)。
ところで、紙を基材としたラベルを製造する場合は、コストをできるだけ下げるため、溶剤型の粘着剤と比較して安価な水性の粘着剤を使用するのが一般的である。紙を基材とした再剥離型粘着シートは、塗工時に水性粘着剤が基材に含浸することで紙基材との密着性は確保される。
一方、ラベルの印刷後の見栄えが良いなど商品性向上の観点から、基材にオレフィン等の素材から構成される合成紙やプラスチックフィルムなどの合成樹脂フィルム基材を使用することが行われている。しかし、水性粘着剤は合成紙等の合成樹脂フィルム基材に含浸しないため、合成樹脂フィルム基材に対する粘着剤の密着性(以下、投錨性ともいう)が不足していた。そのため、例えば水性粘着剤を使用した合成紙のラベルを被着体に貼り付けた後、剥離したとき被着体に粘着剤が残るいわゆる糊残りが起こっていた。また、再剥離型粘着シートは枚葉にカットしてラベルとして使用されるのが一般的であるが、極性が高いステンレス、極性が低く密着し難いオレフィン系被着体及び表面に凹凸が多く浮きやすいいわゆる粗面のダンボール被着体など被着体の種類によらず、貼付中はラベルが浮き無く貼り付くが、時間が経過してもラベルの粘着力の変化が少なく、ラベルを剥離するときには容易に糊残り無く剥がれるという機能が要求されていた。
そこで、合成樹脂フィルム基材との密着性がよく、被着体から容易に剥離できる、強粘着型再剥離型の感圧性接着剤が開示されている(特許文献1参照)。
特開2008−266415号公報
しかし、特許文献1の粘着シートは、ポリマーの合成に水酸基含有モノマーを使用し、さらにエポキシ架橋剤を使用しているため、合成紙やプラスチックフィルムに対して投錨性が低い。またステンレスなどの極性被着体への粘着力が高すぎるため、ダンボールからラベルを剥離するときにダンボールが破れるなど被着体により再剥離性がばらつくという問題があった。
本発明は、合成紙やプラスチックフィルムなど合成樹脂フィルムに対する投錨性が良好で、スレンレス、オレフィンおよびダンボールなどの被着体に対して、高い粘着力を有する粘着シートであり、貼付後は浮きや剥がれがなく、経時後は、特に高温雰囲気下で長期間貼り付けた後(高温経時後ともいう)でも容易に再剥離が可能な粘着シートを構成できる水性再剥離型粘着剤の提供を目的とする。なお経時とは、粘着シートを被着体に貼り付けた後、時間が経過したことを意味する。
本発明は、ガラス転移温度を低く設定して合成したアクリル系ポリマー(A)と、粘着付与樹脂(B)と、架橋剤としてカルボジイミド基含有化合物(C)と、ポリオール(D)とを必須とする水性再剥離型粘着剤である。前記アクリル系ポリマー(A)の合成には、カルボキシル基含有モノマー(a−1)0.8〜7重量%と、ガラス転移温度が100〜110℃のモノマー(a−2)5〜15重量%を使用する。また、前記粘着付与樹脂の軟化点は120℃〜180℃である。
上記構成の本発明によれば、ガラス転移温度の低いアクリル系ポリマーの使用、およびそのアクリル系ポリマーのカルボキシル基と、カルボジイミド基含有化合物との架橋反応により、合成樹脂フィルムに対して良好な投錨性、かつ被着体を選ばない再剥離性を得ることができる。また、ホモポリマーのガラス転移温度が100℃のモノマーを使用したことで高温経時後にも再剥離性に優れ、さらに軟化点が120℃〜180℃の粘着付与樹脂を用いたことにより高い粘着力を得ることができる。
さらに、ポリオールの存在により粘着剤層が可塑化されて、基材への密着性(投錨性)が向上するとともに、粘着剤層の表面近傍に移行して偏在化することにより、通常、被着体に対する密着が過剰に進行することにより再剥離が困難になる経時後、特に高温経時後であっても、良好な再剥離性が得られる。
本発明の水性再剥離型粘着剤によって、合成樹脂フィルムに対する投錨性が良好で、スレンレス、オレフィンおよびダンボールなど異なる極性または表面状態の被着体に対して、高い粘着力を有し、貼付後は浮きや剥がれがなく、経時後は、容易に再剥離が可能な粘着シートを構成できた。
アクリル系ポリマー(A)は、カルボキシル基含有モノマー(a−1)と、ホモポリマーガラス転移温度(以下、Tgともいう)が100〜110℃のモノマー(a−2)(以下、モノマー(a−2)ともいう)と、その他のモノマーを共重合したポリマーである。その重合方法は、乳化重合が好ましい。乳化重合により凝集力と粘着力やタックのバランスを取ることができる。またアクリル系ポリマー(A)は、ガラス転移温度が−65℃〜−45℃であることが重要である。この温度に設定することで、合成樹脂フィルムに対する投錨性を向上できる。ここでモノマー(a−2)のガラス転移温度は、ホモポリマーのガラス転移温度である。
カルボキシル基含有モノマー(a−1)は、カルボジイミド基含有化合物(C)との架
橋点となり、かつ乳化重合のときの重合安定性の面からも重要である。具体的には、例えばアクリル酸(Tg 106℃)、メタクリル酸(Tg 186℃)、イタコン酸(Tg
100℃)、マレイン酸(Tg 130℃)等が挙げられる。これらの中でアクリル酸
が好ましい。なおモノマーに記載したTgは、ホモポリマーのガラス転移温度である。
カルボキシル基含有モノマー(a−1)の使用量は、全モノマー中0.8〜7重量%が好ましく、2.5〜5.5重量%がより好ましい。ここで、カルボキシル基含有モノマー(a−1)が0.8重量%に満たない場合、再剥離時に被着体に糊残りの恐れがある。一方、7重量%を越えると、極性が高いステンレスへの濡れが進行し、高温経時後に再剥離性が低下する恐れがある。
ホモポリマーのガラス転移温度が100〜110℃のモノマー(a−2)は、具体的には、例えばスチレン(Tg 100℃)、フェニルメタクリレート(Tg 105℃)等の芳香族単量体;
メタクリル酸メチル(Tg 105℃)、メタクリル酸t-ブチル(Tg 107℃)、等のメタクリル酸エステル類;
およびアクリロニトリル(Tg 105℃)等が挙げられる。これらの中でも、共重合性の観点からメタクリル酸メチルが好ましい。
なお、本発明においては、カルボキシル基を含有するモノマーは、そのガラス転移温度が100〜110℃であったとしても、モノマー(a−2)には含まれないものとする。

モノマー(a−2)の使用量は、全モノマー中5〜15重量%が好ましく、7〜11重量%がより好ましい。特定のガラス転移温度を有するモノマー(a−2)を特定量使用することで粘着剤の合成樹脂フィルム基材に対する投錨性をより向上できる。ここで、使用量が5重量%に満たない場合、高温経時後の再剥離性が低下する恐れがある。一方、15重量%を越えると、極性が高いステンレスへの濡れが進行し、再剥離性が低下する恐れがある。
その他のモノマー(a−3)は、カルボキシル基含有モノマー(a−1)およびモノマー(a−2)以外のモノマーである。具体的には、アクリル酸メチル(Tg 8℃)、アクリル酸エチル(Tg −22℃)、アクリル酸ブチル(Tg −52℃)、アクリル酸−2−エチルヘキシル(Tg −70℃)等のアクリル酸エステル類;
メタクリル酸エチル(Tg 65℃)、メタクリル酸ブチル(Tg 20℃)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(Tg −10℃)、メタクリル酸シクロヘキシル(Tg 66℃)等のメタクリル酸エステル類;
α−メチルスチレン(Tg 168℃)、ベンジルメタクリレート(Tg 54℃)等の芳香族単量体;
酢酸ビニル(Tg 29℃)等のビニルエステル類;
ビニルピロリドン(Tg 180℃)の如き複素環式ビニル化合物;
グリシジルメタクリレート(Tg 41℃)等のグリシジル基含有単量体;
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(Tg 55℃)等の水酸基含有単量体;
ジメチルアミノエチルメタクリレート(Tg 18℃)等のアミノ基含有単量体;
アクリルアミド(Tg 153℃)等のカルボン酸アミド基含有単量体;
ジアリルフタレート(Tg 90℃)等の多官能ビニル単量体;などを挙げる事ができる。これらの中でもTgを低くできることからアクリル酸−2−エチルヘキシルが好ましい。
その他のモノマー(a−3)の使用量は、全モノマー100重量%中のカルボキシル基含有モノマー(a−1)およびモノマー(a−2)の合計量以外であれば良いが、78〜94.2重量%が好ましい。
アクリル系ポリマー(A)のガラス転移温度は−65〜−45℃が好ましく、−60〜−50℃がより好ましい。−65〜−45℃の範囲内であることで、合成樹脂フィルムに対する投錨性が得られる。ここで、ガラス転移温度が−45℃よりも高い場合、合成樹脂フィルムへの投錨性や粘着力が不足する恐れがある。一方、−65℃より低い場合、高温経時後の再剥離性が不足する恐れがある。
本発明においてアクリル系ポリマー(A)のガラス転移温度は、下記の式[1]により理論的に導かれる。
式[1]
1/Tg=[(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+・・・・(Wn/Tgn)]/100
ただし、
W1:単量体1の重量%、Tg1:単量体1のみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(°K)、
W2:単量体2の重量%、Tg2:単量体2のみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(°K)、
Wn:単量体nの重量%、Tgn:単量体nのみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(°K)、
(ここに、W1+W2+・・・・+Wn=100)
なお、本発明においては、ホモポリマーのガラス転移温度は、『北岡協三著、「塗料用合成樹脂入門」、高分子刊行会、昭和49年5月25日発行』によった。
なお、モノマーを乳化重合する際に、エチレン性不飽和基を有する界面活性剤を使用する場合もあるが、本発明では、かかる場合も界面活性剤はガラス転移温度の計算には含めないものとする。
乳化重合には、界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤は、エマルジョンの安定性の観点からアニオン系界面活性剤が好ましいが、必要とする物性によりノニオン系界面活性剤も併用できる。
また界面活性剤は、エチレン性不飽和基を有するいわゆる反応性界面活性剤と、有しない非反応性界面活性剤があるが、本発明では、非反応性界面活性剤が好ましい。反応性界面活性剤を使用すると粘着剤を合成樹脂フィルム基材への投錨性と、再剥離性が低下する恐れがある。
界面活性剤の使用量は、全モノマー100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。使用量が0.1重量部に満たない場合、重合安定性が低下しポリマー合成ができない恐れがある。一方、10重量部を超えると高温経時後の再剥離性が低下する恐れがある。なお、反応性界面活性剤を併用する場合でも1重量部以下に留めることが好ましい。
界面活性剤のうち、非反応性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルなどのポリオキシ多環フェニルエーテル類;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
本発明においてアニオン系非反応性界面活性剤として、投錨性の点でポリオキシエチレンラウリルエーテル系が好ましい。
本発明においてアニオン系反応性界面活性剤として、特に限定されるものではないが、アリルオキシメチルアルキルエーテル系が好ましい。
反応性界面活性剤は、上記のような非反応性界面活性剤にエチレン性不飽和基などのラジカル重合可能な官能基が付加した化合物が好ましい。
本発明において乳化重合に用いる重合開始剤は、ラジカル重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤は、過酸化物を用いることが好ましいが、過酸化物と還元剤を組み合わせて用いること(以下、レドックス開始剤ともいう)がより好ましい。レドックス開始剤を用いることで、アクリル系ポリマー(A)は分岐が少なく、線状の分子構造になると推測しているが、この線状の分子構造により再剥離性と粗面への粘着性の両立をより高レベルで達成できると推測している。
前記過酸化物としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル及びその塩酸塩、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開始剤、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサド等が挙げられる。
前記還元剤としては、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコルビン酸等が挙げられる。
レドックス開始剤の組合せとしては、例えば、過酸化物とアスコルビン酸との組み合わせ(過酸化水素水とアスコルビン酸との組み合わせ等)、過酸化物と鉄(II)塩との組み合わせ(過酸化水素水と鉄(II)塩との組み合わせ等)、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ等が挙げられる。そして本発明では再剥離性の面から、過硫酸アンモニウムとピロ亜硫酸ソーダとの組み合わせが好ましい。
重合開始剤の使用量は、全モノマー100重量部に対して0.3〜1重量部が好ましく、0.4〜0.8重量部がより好ましい。使用量が0.3重量部に満たない場合、重合安定性が低下する恐れがある。一方、1重量部よりも多い場合、高温経時後の再剥離性が不足する恐れがある。
本発明では、重合温度は80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましい。80℃を越えるとアクリル系ポリマー(A)が分岐しやすく、再剥離性が低下する恐れがある。また重合温度は常温以上で行うことが好ましい。
本発明においてアクリル系ポリマー(A)の分子量を調節するため、連鎖移動剤を使用してもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、チオール基や水酸基を有する化合物が一般に知られている。チオール基を有する化合物としては、例えば、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエチルアルコール、ドデシルメルカプタン、メルカプトコハク酸等のメルカプタン類や、メルカプトプロピオン酸n−ブチルやメルカプトプロピオン酸オクチル等のメルカプトプロピオン酸アルキルや、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル等のメルカプトプロピオン酸アルコキシアルキルが挙げられる。また、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール(IPA)、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類を使用することが好ましい。
連鎖移動剤の使用量は、全モノマー100重量部に対して0.01〜0.1重量部が好ましく、0.03〜0.07重量部がより好ましい。即ち、使用量が0.01重量部に満たない場合、所望の効果が得られない恐れがある。一方、0.1重量部を超えると高温経時後の再剥離性が低下する恐れがある。
本発明において乳化重合は、水を溶媒として行うことが好ましいが、本発明の目的や効果を損なわない範囲で親水性の有機溶剤も使用することができる。
本発明においてアクリル系ポリマー(A)は、塩基性化合物で中和して使用することが好ましい。具体的には、例えばアンモニアや、アミン類として、モノエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルプロパノールアミンなどが挙げられる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においてアクリル系ポリマー(A)の平均粒子径は、150〜1000nmが好ましく、200〜800nmがより好ましい。平均粒子径が150nmに満たない場合、粘度が高すぎて、粘着剤の塗工性が低下する恐れがある。一方、1000nmを超えると、粘着剤の耐水性が低下し、また被着体に対する粘着力が低下するおそれがある。なお、本発明において平均粒子径は、動的光散乱法(Microtrac社製 Nanotrac NPA150)を用いて求めた数値である。
粘着付与樹脂(B)は、粘着テープの粘着力を高めるために使用される。粘着付与樹脂(B)は、主に天然樹脂系と合成樹脂系に大別できる。天然樹脂系は、ロジン樹脂(ロジン、ロジンエステル、ロジンフェノール、無色ロジン誘導体等が挙げられる)、テルペン樹脂(テルペン、芳香族変性テルペン、テルペンフェノール等が挙げられる)が好ましい。合成樹脂系としては、石油樹脂系(C5系、C9系、C5/C9系、脂肪族系等が挙げられる)、その他(フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂等が挙げられる)が好ましい。その中でもロジン樹脂、テルペン樹脂、石油系樹脂が好ましく、ロジン樹脂がより好ましい。ロジン樹脂を用いると、タック、再剥離性および粘着力の経時安定性をより高めることができる。また、粘着付与樹脂(B)は、水分散タイプを用いることが好ましい。
粘着付与樹脂(B)の使用量は、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して5〜15重量部が好ましく、7〜10重量部がより好ましい。通常、粘着剤に粘着付与樹脂を配合すると粘着力が過剰になり再剥離性が得られないが、本発明ではアクリル系ポリマー(A)とカルボジイミド基含有化合物との組み合わせ効果により良好な再剥離性が得られる。ここで粘着付与樹脂を使用量が5重量部に満たない場合、所望の効果が得られない恐れがある。一方、15重量部を超える場合、高温経時後の粘着力上昇が著しく、再剥離性へ悪影響を与える恐れがある。
粘着付与樹脂(B)は、軟化点が120〜180℃であることが好ましい。軟化点が120℃に満たない場合、所望の粘着力が得にくい傾向にある。一方、180℃を越える粘着付与樹脂は、市場で入手しにくいことに加え、投錨性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
カルボジイミド基含有化合物(C)は、架橋剤であり、粘着テープの再剥離性のために重要である。ここでカルボジイミド基含有化合物(C)は、カルボジイミド基を2個以上含有するものが好ましい。市販品では、例えば日清紡社製の「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」、「カルボジライトV−04」、「カルボジライトV−06」の水溶性タイプおよび「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」、「カルボジライトE−04」のエマルジョンタイプが挙げられる。
カルボジイミド基含有化合物(C)の使用量は、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して0.5〜3.5重量部が好ましい。また、前記範囲外であっても水性再剥離型粘着剤の、酢酸エチル抽出によるゲル分率が45〜75重量%になるように使用すれば良い。
本発明では、架橋剤として他の架橋剤を併用してもよい。例えば、オキサゾリン系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、金属錯体等の金属系化合物、アミン系化合物等が挙げられる。これらの架橋剤は、物性バランスの面から1重量部以下が好ましい。
本発明の水性再剥離型粘着剤は、ポリオール(D)を含む。これにより合成樹脂フィルム基材への投錨性がより向上し、再剥離性もより向上できる。ポリオール(D)は、多価アルコール類が好ましい。特に、多価アルコール類のうち、具体的には、グリコール類等の、常温で液状である多価のアルコール類、ポリオキシアルキレン類、及びポリオキシアルキレンのグリコールエーテル類、アルキルアミンのポリオキシアルキレン付加物等を使用することが好ましい。例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、数平均分子量が2000以下のポリアルキレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン(例えばジグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘキサグセリン、デカグリセリン)、グリセリンエチレンオキサイド付加物、グリセリンプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物、ソルビトールプロピレンオキサイド付加物、エチレンジアミンプロピレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドブロック体、アルキルアミンエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらの中でもエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、数平均分子量が2000以下のポリエチレングリコール、などのジオールが好ましい。
ポリオール(D)の使用量は、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して0.2〜10重量部が好ましい。使用量が0.2重量部より少ない場合は、所望の効果が得られない恐れがある。一方、10重量部を超える場合は、凝集力が低下し再剥離性が低下する恐れがある。
本発明の水性再剥離型粘着剤には、必要に応じて、一般の水性粘着剤に使用される種々の添加剤、例えば消泡剤、湿潤剤、着色顔料、増粘剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤などを配合することができる。
本発明において水性再剥離型粘着剤の架橋後のゲル分率は、45〜75重量%が好まく、55〜70重量%であることがより好ましい。ゲル分率が45重量%に満たない場合、高温経時後における再剥離性が低下する恐れがある。一方、75重量%を超えると、合成樹脂フィルムへの投錨性や各被着体に対する粘着性のバランスが取りにくい恐れがある。
本発明においてゲル分率の測定方法は、次の通りである。すなわち、水性再剥離型粘着剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに乾燥膜厚が約200μmとなるように塗工後、23℃で7日間乾燥させる。次に200メッシュ金網の重量を測定する(その重量をMとする)。粘着シートを5cm×5cmの大きさに切断し、200メッシュ金網に貼り合わせた試験片の重量を測定する(その重量をAとする)。
その試験片を50mlの酢酸エチル中に50℃で1日放置する。その後取り出し、100℃にて20分間乾燥させた後、重量を測定する(その重量をTとする)。
続いて試験片からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを取り出し、酢酸エチルを用い、粘着剤層を除去し、PETフィルムの重量を測定する(その重量をKとする)。
その後(T-M-K)×100/(A-M-K)[単位:重量%]により算出する。
本発明の再剥離型粘着シートについて説明する。本発明の再剥離型粘着シートは水性再剥離型粘着剤から形成した粘着剤層を有するものである。なお、本発明において粘着シートは粘着フィルムまたは粘着テープともいい、これらを切り分けたものを粘着ラベルともいう。
再剥離型粘着シートは、水性再剥離型粘着剤を剥離シートへ塗工し、乾燥した後に、基材と貼り合わせる転写塗工法、先に基材へ粘着剤を直接塗工し、乾燥後に剥離シートと貼り合わせる直接塗工法等により製造することができる。
本発明において基材は、公知の合成樹脂フィルムや上質紙、コート紙及び含浸紙等の紙あるいは内部に空洞を有する合成紙、不織布などが使用可能である。これらの中でも、合成樹脂フィルムが好ましい。合成樹脂フィルムは、未延伸でもよいし、縦又は横等の一軸方向又は二軸方向に延伸されていてもよい。
合成樹脂フィルムとしては、特に限定はされず、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、アセテート樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂フィルム、これらのフィルムにアルミニウムなどの金属蒸着を施したもの等が挙げられる。これらの中で、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂などが好ましい。
基材の厚みは、特に制限はないが、通常、10〜200μmの範囲であり、取り扱い易さの面から、好ましくは25〜150μmである。基材は、着色されていてもよいし、無色透明のものでもよい。また、基材の表面又は裏面には、印刷、印字等を施してもよい。
塗工方法は、例えばコンマコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等のロールコーター、スロットダイコーター、リップコーター、カーテンコーター等のコーティング装置を用いることができる。粘着剤層の厚みは、0.1〜200μmが好ましい。
本発明の再剥離型粘着シートは、配送の荷札ラベル、伝票ラベルなど産業用、家庭用 に広くに使用できる。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の みに限定されるものではない。なお、以下の「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」 及び「重量%」に基づく値である。
[実施例1]
還流冷却器、攪拌機、温度計、窒素導入管、原料投入口を具備する容積2Lの4つ口 フラスコに、イオン交換水46部を入れ、窒素を導入しつつ攪拌しながら、内温を70℃に加温した。
別途モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート(以後、「2EHA」と略す )89部、メタクリル酸メチル(以後、「MMA」と略す)7部、アクリル酸(以後、 「AA」と略す)4部、界面活性剤としてハイテノールLA−10〔第一工業製薬製( 株)製のアニオン型非反応性界面活性剤〕2.0部、イオン交換水27部の混合物をホモミキサーで乳化し、モノマーエマルジョンを作製した。
上記のフラスコ中に、得られたモノマーエマルジョンのうち5%を添加し、同時に重 合開始剤として濃度5%の過硫酸アンモニウム(以後、「APS」と略す)水溶液0. 8部及び濃度2%のピロ亜硫酸ナトリウム(以後、「SMBS」と略す)水溶液1部を 添加して乳化重合を開始した。
フラスコに5%APS水溶液及び2%SMBS水溶液を添加してから3分後に、上記 単量体エマルジョン及び5%APS水溶液7.2部及び2%SMBS水溶液9部を同時 に5時間かけて滴下した。この間フラスコ内は70℃に保った。
滴下終了後、3時間70℃に保ち、反応を継続した。その後冷却を開始し、30℃ま で冷却し、アンモニア水を添加し中和することで、不揮発分55.0%、pH7.0、 粘度250mPa・sのアクリル系ポリマーエマルジョンを得た。
尚、モノマー組成から算出されるガラス転移温度(以下、「理論Tg」ないしは「計 算Tg」という)は−59.1℃であった。
ここで得られたアクリル系ポリマーエマルジョンの、不揮発分換算での100部に対 し、防腐剤:0.3部、濡れ剤:0.7部、消泡剤:1.0部、ポリオールとしてプロ ピレングリコール2部、粘着付与樹脂:スーパーエステルE−788NT[荒川化学製 の水分散型ロジン系粘着付与剤(軟化点160℃、不揮発分50%)]を、不揮発分換 算で9部を用いて、ホモミキサーにて増粘剤で粘度が3000mPa・s(BL型粘度 計、25℃で#4ロータ/60rpmにて測定)になるように調製した組成物を得た。
さらに、当該組成物中のアクリル系ポリマー分の100重量部に対して、カルボジイ ミド系架橋剤(日清紡ケミカル株式会社製、商品名「カルボジライトV−04」不揮発 分40%)を不揮発分換算で1.5重量部添加し、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例2]
MMAの使用量を14部へ、2EHAの使用量を82部へ変更したこと以外は実施例 1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例3]
MMAをスチレン(St)に変更したこと以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離 型粘着剤を得た。
[実施例4]
MMAをメタクリル酸ターシャリーブチル(t−BMA)に変更したこと以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例5]
MMAをアクリロニトリル(AN)に変更したこと以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例6]
AAを5.5部に増量し、2EHAを87.5部に減量した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例7]
AAを2.5部に減量し、MMAを8.5部に増量した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例8]
界面活性剤として、反応性界面活性剤アクアロンKH−10(第一工業製薬製)を0.5部併用した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例9]
界面活性剤として、ノニオン系非反応性界面活性剤ノイゲンSD-110(第一工業製薬製)を1部併用した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例10]
重合開始剤として、濃度5%の過硫酸アンモニウム水溶液のみを用い、反応容器内温 度を85℃に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例11]
スーパーエステルE−788NTを不揮発分換算で6部に減量した以外は実施例1と 同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例12]
スーパーエステルE−788NTを「ハリエスターSK−822E(軟化点170℃、不揮発分50%)」[ハリマ化成製の水分散型ロジン系粘着付与剤]に変更した以外 は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例13]
スーパーエステルE−788NTを「スーパーエステルE−730−55(軟化点1 25℃、不揮発分55%)」に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘 着剤を得た。
[実施例14]
プロピレングリコールを10部に増量した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離 型粘着剤を得た。
[実施例15]
プロピレングリコールをジプロピレングリコールに変更した以外は実施例1と同様に 行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例16]
カルボジライトV−04を不揮発分換算で0.5部に減量した以外は実施例1と同様 に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例17]
カルボジライトV−04を不揮発分換算で3.4部に増量した以外は実施例1と同様 に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例18]
カルボジライトV−04(水溶性タイプ)をカルボジライトE−04(エマルジョン タイプ、不揮発分40%)に変更した以外は実施例1と同様に行い、粘着剤を得た。
[比較例1]
MMAを3部に減量し、2EHAを93部に増量した以外は実施例1と同様に行い、 水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例2]
MMAを30部に増量し、2EHAを66部に減量した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例3]
MMAを4部に減量し、2EHAを92部に増量した以外は実施例1と同様に行い、 水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例4]
MMAを18部に増量し、2EHAを78部に減量した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例5]
AAを0.5部に減量し、MMAを10.5部に増量した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例6]
2EHAを96部に増量し、MMAを用いなかった以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例7]
スーパーエステルE−788NTを未使用にした以外は実施例1と同様に行い、水性 再剥離型粘着剤を得た。
[比較例8]
スーパーエステルE−788NTを「ハリエスターSK−70E(軟化点75℃、不揮発分49%)」[ハリマ化成製の水分散型ロジン系粘着付与剤]に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例9]
プロピレングリコールを未使用にした以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例10]
カルボジライトV−04(水溶性タイプ)を未使用にした以外は実施例1と同様に行い、粘着剤を得た。
[比較例11]
カルボジライトV−04(水溶性タイプ)をエポキシ系架橋剤(ナガセケムテックス株 式会社製、商品名「デナコールEX−614B」)0.5部に変更した以外は実施例1 と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
実施例および比較例で得られた粘着剤をアプリケーターで剥離シート上に乾燥膜厚20μmとなるように塗工し、100℃の乾燥オーブンで3分間乾燥させ、粘着剤層を形成した。
次いで、剥離シート上に設けられた粘着剤層に、厚み80μmの合成樹脂フィルム(ユ
ポ(登録商標) ユポ・コーポレーション製)を貼り合わせ、粘着シートを作成した。
[物性評価]
<粘着力>
(初期粘着力)
得られた粘着シートを23℃、50%RH環境下で、25mm×100mmにカットし試験片を作成した。試験片をSUS板(SUS304BA)、ダンボール(Kライナー)
、PE(ポリエチレン)に対してそれぞれ貼付して試験サンプルとした。その試験サンプルを30分間静置した。その試験サンプルをJIS Z0237に基づき、180°引き剥がし法による引張り速度300mm/分での粘着力を測定した。
(加熱経時後粘着力)
得られた粘着シートを23℃、50%RH環境下で、25mm×100mmにカットし試験片を作成した。試験片をSUS板(SUS304BA)、ダンボール(Kライナー)
、PE(ポリエチレン)に対してそれぞれ貼付して試験サンプルとした。その試験サンプルを40℃環境下で7日間静置したのちに23℃、50%RH環境下へと戻し、2時間静置した。その試験サンプルをJIS Z0237に基づき、180°引き剥がし法による引張り速度300mm/分での粘着力を測定した。
<再剥離性>
(加熱経時後機械剥離)
得られた粘着シートを23℃、50%RH環境下で、25mm×100mmにカットし試験片を作成した。試験片をSUS板(SUS304BA)、ダンボール(Kライナー)、PE(ポリエチレン)に対してそれぞれ貼付して試験サンプルとした。その試験サンプルを40℃環境下で7日間静置したのちに23℃、50%RH環境下へと戻し、2時間静置した。その試験サンプルをJIS Z0237に基づき、180°引き剥がし法による引張り速度300mm/分での剥離状態を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:被着体に粘着剤が残らず、曇りがない。
○:被着体が、かすかに曇る
×AT:被着体全面に粘着剤層が転着する
×CL:被着体に汚染または曇りが残る
×CF:粘着剤層が凝集破壊し糊残りが発生する
(加熱経時後官能評価)
得られた粘着シートを23℃、50%RH環境下で、50mm×50mmにカットし試験片を作成した。試験片をSUS板(SUS304BA)、ダンボール(Kライナー)、
PE(ポリエチレン)に対してそれぞれ貼付して試験サンプルとした。その試験サンプルを40℃環境下で7日間静置したのちに23℃、50%RH環境下へと戻し、2時間静置した。その試験サンプルを実際に使用される状況に即して、手で剥離を行い剥離状態を観察した。評価基準は加熱経時後機械剥離と同様である。
(投錨性評価)
得られた粘着シートの粘着剤層を指でこすり基材からの剥がれ程度を評価した。
◎:粘着剤層を強くこすっても全く剥がれない
○:粘着剤層を強くこするとかすかに剥がれるが、軽くこすっても剥がれない。
△:粘着剤層を軽くこするとかすかに剥がれる
×:粘着剤層を軽くこすっても剥がれる
以上の評価結果を表1および表2に示す。
Figure 0005803728
Figure 0005803728
表1および表2中、乳化剤および開始剤の使用量は、モノマーの合計100部に対する、それぞれの有効成分量で表示。
また、粘着付与樹脂、ポリオールおよび硬化剤量は、アクリル系ポリマー(すなわちアクリル系ポリマーエマルジョンの不揮発分)100部に対する、それぞれの有効成分量で表示した。
表1および2の結果から、本発明の水性再剥離型粘着剤を用いた実施例は、合成樹脂フィルム基材への投錨性が良好であり、各被着体に対して高い粘着力を保持しつつ、高温経時後にも良好な再剥離が実現できた。一方、比較例は、上記の課題のいずれかを解決することができなかった。

Claims (6)

  1. ガラス転移温度−65℃〜−45℃のアクリル系ポリマー(A)と、粘着付与樹脂(B)と、カルボジイミド基含有化合物(C)と、グリコール類と、界面活性剤とを含む水性再剥離型粘着剤であって、
    前記アクリル系ポリマー(A)が、少なくともカルボキシル基含有モノマー(a−1)0.8〜7重量%と、ガラス転移温度が100〜110℃のホモポリマーを形成できるモノマー(a−2)を5〜15重量%とを含むモノマーの共重合体であり、
    前記粘着付与樹脂(B)の軟化点が120〜180℃であり、
    前記界面活性剤が非反応性界面活性剤であることを特徴とする水性再剥離型粘着剤。
  2. アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、粘着付与樹脂(B)を5〜15重量部、カルボジイミド基含有化合物(C)を0.5〜3.5重量部含むことを特徴とする請求項記載の水性再剥離型粘着剤。
  3. 粘着付与樹脂(B)が、ロジン樹脂、テルペン樹脂および石油系樹脂から群より選択される1種類以上の樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性再剥離型粘着剤
  4. 水性再剥離型粘着剤から形成した乾燥皮膜の、酢酸エチル抽出によるゲル分率が45〜75重量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の水性再剥離型粘着剤。
  5. 前記界面活性剤が、非反応性界面活性剤のみからなることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の水性再剥離型粘着剤。
  6. 基材と、請求項1〜5いずれか1項に記載の水性再剥離型粘着剤から形成されてなる粘着剤層とを有することを特徴とする再剥離型粘着シート。
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