JP5144953B2 - 再剥離性粘着シート - Google Patents
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Description
再剥離性粘着シートにおいては、粘着剤が被着体に残ってしまうことがしばしば起こる。また、基材が紙の場合、紙の強度が弱いため紙破れを起こして、剥離できなくなることも多い。
このようなことがなく、被着体から容易に剥離できる再剥離性の粘着剤や粘着シートが求められている。
なかでも、水を分散媒として用いるエマルション型粘着剤は、安全性も高く、コスト面でのメリットも出しやすいことなどから、多くの検討が行われている。
しかしながら、エマルション型粘着剤は、粘着剤の主成分である樹脂の製造に不可欠な界面活性剤が乾燥後も塗膜である粘着剤層中に残留してしまうことなどから、十分な粘着性能が得られにくい。
特に、エマルション型粘着剤を再剥離性粘着剤として使用する場合、基材との密着性が得られにくく、被着体からの再剥離性も経時的に低下しやすい。
更に、近年では、合成樹脂フィルムからなる基材用の再剥離性エマルション型粘着剤も多く検討されているが、合成樹脂フィルムからなる基材は従来用いられてきた紙製の基材などと比べ、平滑性が高く、アンカー効果が期待できないことや透明な合成樹脂フィルムを基材として用いた場合に、水分との接触により粘着剤層が白くなる白化現象が生じて、粘着シート全体の透明性が失われるなど課題も多い。
特許文献1及び2の粘着剤は、ビデオカセットやオーディオカセット、もしくはアート紙やキャストコート紙等の被着体に貼り付けるための紙基材(上質紙やコート紙)用粘着剤である。
このため、これらの粘着剤を合成樹脂フィルムからなる基材に適用した場合、基材に対する密着性が不十分となり再剥離性が得られないなどの問題を生じやすい。
特許文献3の組成物は、ヒドラジン誘導体を配合後も粘度変化が少なく、粘着剤塗液として一液化が可能であるが、該組成物を使用した粘着シートは貼付初期には再剥離性を有するが、貼付後長期間経過すると粘着力が増大し、再剥離性が低下する。
更に、合成樹脂フィルムからなる基材への適用を考慮した再剥離性エマルションについて多くの発明がなされているが、特に塗工作業の使い勝手を考慮して一液化された粘着剤の多くは、合成樹脂フィルムからなる基材に適用した際に、十分な基材に対する密着性が得られず、結果として被着体に糊残りを引き起こしやすいという問題があった(例えば、特許文献4〜6参照)。
1.基材シートの少なくとも一方の面に粘着剤層を有する粘着シートであって、当該粘着剤層が下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分
(a)アクリル酸−2−エチルヘキシル:60.0〜99.0質量%
(b)エチレン性不飽和カルボン酸:0.4〜4.0質量%
(c)水酸基含有不飽和単量体:0.1〜3.0質量%
(d)上記(a)成分、(b)成分及び(c)成分以外のその他の不飽和単量体:0〜39.0質量%
を含む不飽和単量体の混合物を乳化重合して得られる平均粒子径が100〜350nmである水分散型粘着剤組成物に架橋剤を添加した粘着剤からなり、該粘着剤から形成される乾燥被膜のゲル分率が70〜90質量%であることを特徴とする再剥離性粘着シート、
2.架橋剤がエポキシ系化合物である上記1に記載の再剥離性粘着シート、
3.不飽和単量体の混合物における、(b)エチレン性不飽和カルボン酸と(c)水酸基含有不飽和単量体の合計含有量が1.0〜5.0質量%である上記1又は2に記載の再剥離性粘着シート、
4.再剥離性粘着シートをJIS Z 0237に準拠し、23℃、50%RH環境下にてメラミン塗装板を被着体として貼付し、24時間後の粘着力(A)と、同条件にて貼付し、24時間後に、70℃乾燥下で3日間放置した後の粘着力(B)において、(B)/(A)が0.80〜1.60である上記1〜3のいずれかに記載の再剥離性粘着シート、
5.基材シートが合成樹脂フィルムである上記1〜4のいずれかに記載の再剥離性粘着シート
を提供するものである。
本発明において、支持体となる基材シートは、特に限定されるものではなく、公知の合成樹脂フィルムや上質紙、コート紙及び含浸紙等の紙あるいは内部に空洞を有する合成紙などが使用可能である。
なかでも、基材シートとしては合成樹脂フィルムが好ましい。
合成樹脂フィルムとしては、特に限定はされないが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、アセテート樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂フィルム、これらのフィルムにアルミニウムなどの金属蒸着を施したもの等が挙げられる。
なかでも極性が低く、粘着剤層と密着性が得られにくいポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などからなるポリオレフィン系合成樹脂フィルム、これらのポリオレフィン系樹脂より製造される合成紙などに好適に用いることができる。
基材シートとしての合成樹脂フィルムは、未延伸でもよいし、縦又は横等の一軸方向又は二軸方向に延伸されていてもよい。
基材シートの厚みは、特に制限はないが、通常、10〜200μmの範囲であるが、取り扱い易さの面から、好ましくは25〜150μmである。
基材シートは、着色されていてもよいし、無色透明のものでもよい。また、基材シートの表面又は裏面には、印刷、印字等を施してもよい。
従って、基材シートには、感熱記録層、熱転写、インクジェット、レーザー印字等が可能な印字受像層、印刷性向上層等が設けられていてもよい。
また、基材シートの反対面(粘着剤層形成面)には、粘着剤層と密着力(キーイング力)を向上させる目的で、プライマー処理やコロナ処理等が施されてもよい。
(b)エチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が用いられる。
なかでも、粘着性や再剥離性とのバランスの取り易さ、入手の容易さという観点から、アクリル酸、メタクリル酸を用いることが好ましい。
また、(c)水酸基含有不飽和単量体としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類が用いられる。
なかでも、粘着性や基材との密着性の観点から、アクリル酸ヒドロキシエチル及びメタクリル酸ヒドロキシエチルを用いることが好ましい。
必要に応じて、不飽和単量体の混合物に含まれていてもよい、(d)(a)成分、(b)成分及び(c)成分以外のその他の不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(但し、アクリル酸−2−エチルヘキシルは除く)、アクリル酸アセトアセトキシメチル、メタクリル酸アセトアセトキシメチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアマイド等の官能性単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、エチレン、プロピレンイソブチレンなどのオレフィン類、ハロゲン化オレフィン類、スチレン系単量体、ジエン系単量体、ニトリル系単量体等が用いられる。
必要とする再剥離性や物性を得るためには、不飽和単量体の混合物中には(a)アクリル酸−2−エチルヘキシルを60.0質量%以上含むことが必要である。
60.0質量%未満では必要とする粘着力やタック、再剥離性のバランスに劣り、99.0質量%を越えると、(b)エチレン性不飽和カルボン酸や(c)水酸基含有不飽和単量体の含有量が少量となり、十分な凝集力と再剥離性が得られない。
また、(b)エチレン性不飽和カルボン酸の含有量を0.4質量%以上とすることにより、粘着力と凝集力が向上し、4.0質量%以下とすることにより再剥離性と粘着力のバランスが良好となる。
更に、(c)水酸基含有不飽和単量体の含有量を0.1質量%以上とすることにより、基材シートに対する密着性や粘着剤の凝集力が向上し、3.0質量%以下とすることにより被着体に対する再剥離性と基材シートに対する密着性のバランスが良好となる。
特に、本発明の再剥離性粘着シートの粘着剤には、(b)エチレン性不飽和カルボン酸と(c)水酸基含有不飽和単量体を同時に含むことが必要であり、エチレン性不飽和カルボン酸と水酸基含有不飽和単量体の合計含有量は1.0〜5.0質量%、好ましくは1.5〜4.5質量%である。
エチレン性不飽和カルボン酸と水酸基含有不飽和単量体の合計含有量を1.0質量%以上とすることにより、粘着シートを保持するために必要な凝集力、基材シートに対する密着性が得られる。
また、エチレン性不飽和カルボン酸と水酸基含有不飽和単量体の合計含有量を5.0質量%以下とすることにより、被着体に対する良好な粘着性と再剥離性が得られる。
エチレン性不飽和カルボン酸と水酸基含有不飽和単量体のいずれかを含まない場合、基材シートに対する密着性や凝集力、もしくは被着体からの再剥離性などが不十分となるため好ましくない。
平均粒子径が上記範囲内であると、得られる粘着剤の物性バランス、すなわち粘着物性や再剥離性、更に耐水性等のバランスに優れた粘着剤が得られる。
平均粒子径が100nm未満であると、安定なエマルション粒子が得られにくく、界面活性剤の使用量も多くなるため好ましくない。
平均粒子径が350nmを越えると、基材シートに対する密着性や得られる粘着剤層の耐水性が低下するため好ましくない。
ここで、エマルション粒子の平均粒子径とは、後述の動的光散乱法により測定して得られる値に基づくものである。
Tgが上記範囲内であると、粘着剤としての物性、すなわち粘着力や保持力等の物性バランスに優れる。
Tgが−25℃を越えると、常温での粘着力が低下し、−75℃未満では粘着剤の凝集力が低下するため粘着シートを剥離した後、被着体に糊残りが発生しやすくなると共に粘着シート端部からの粘着剤のはみ出し(ウーズ)の問題が発生しやすくなる。
架橋剤としては、主に、(b)エチレン性不飽和カルボン酸と架橋するもので、基材シートに対する密着性や再剥離性、被着体に貼付後の経時な粘着力の上昇が少ないこと、耐汚染性に優れる点で、エポキシ系化合物が主として用いられる。
なお、架橋剤としてエポキシ系化合物を単独で用いても良いが、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物、ポリイソシアネート化合物、メラミン系化合物、金属錯体系化合物、アミン系化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどのヒドラジン誘導体等の他の架橋剤を併用してもよい。
なかでも、水性タイプの架橋剤が好適である。
ゲル分率を70質量%以上とすることにより、再剥離性を保持するために必要な凝集力が高められるだけでなく、支持体である基材シートとの密着性も向上する。
また、ゲル分率を90質量%以下とすることにより、粘着剤層のフレキシブル性や粘着力が向上すると共に被着体汚染が生じがたくなる。
ゲル分率とは、粘着剤の乾燥被膜のトルエンに対する不溶解分の比率を意味し、後述する測定方法及び式により求めることができる。
上記添加剤は、重合後の水分散型粘着剤組成物に添加されることが多いが、乳化重合前や乳化重合途中で添加することもできる。
また、粘度が50〜12,000mPa・s(BM型粘度計、60回転、25℃)、好ましくは100〜10,000mPa・sである。
更に、pHが6〜9の範囲にある。
粘着剤の樹脂固形分濃度、粘度及びpHが上記範囲内であると、乾燥性、塗工性、及び取り扱いの面から好ましい。
なお、本発明の粘着シートにおける粘着剤は、通常、2液架橋型粘着剤であるが、1液型粘着剤であってもよい。
また、先に基材シート表面へ粘着剤を直接塗布し、乾燥後に剥離シートと貼り合わせる直接塗工法を採用することもできる。
剥離シートとしては、特に限定されるものではないが、支持基材としては、例えば、紙、合成紙、合成樹脂フィルム等が挙げられる。
紙としては、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙のような紙基材、及び上質紙、グラシン紙、コート紙等にセルロース、澱粉、ポリビニルアルコール、アクリル−スチレン樹脂などで目止め処理した紙基材等が挙げられ、プラスチック合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂からなるフィルム、及びこれらの合成樹脂フィルムに易接着処理を施したフィルムなどが挙げられ、これらに剥離処理を施したものであることが望ましい。
剥離処理剤としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂などのゴム系エラストマー、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、長鎖アルキル含有樹脂など公知の処理剤を使用することが可能である。
剥離処理剤の層の厚みは0.05〜2.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.1〜1.5μmである。
剥離シートの支持基材の厚みは、特に制限はないが、通常、30〜200μmである。
粘着剤の塗工方法としては、特に制限はないが、従来公知の塗布方法が使用可能であり、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、グラビアコーター、バリオグラビアコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター等の塗布装置による方法が挙げられる。
基材シート、粘着剤層及び剥離シートを積層した再剥離性粘着シートの厚みは、プリンター等に導入できる厚さが好ましく、通常、50〜300μm、好ましくは60〜250μmである。
また、本発明の再剥離性粘着シートは、再剥離性粘着シートをJIS Z 0237に準拠し、23℃、50%RH環境下にてメラミン塗装板を被着体として貼付し、24時間後に測定する180°引き剥がし法による引張り速度300mm/分の粘着力(A)と、同条件にて貼付し、24時間後に、70℃乾燥環境下に3日間放置した後、23℃、50%RH環境下で24時間経過した後の180°引き剥がし法による引張り速度300mm/分の粘着力(B)において、(B)/(A)が0.80〜1.60、好ましくは0.95〜1.55である。
当該比率が0.80未満であると再剥離性粘着シートしての安定性に欠け、1.60を越えると再剥離性が大きく低下し好ましくない。
なお、本発明の再剥離性粘着シートは、平面のシート状であってもよいし、ロール状に巻き取ったものであってもよい。
(粘着力試験)
前記した方法により測定した。
(再剥離性試験)
得られた再剥離性粘着シートを23℃、50%RHの環境下において、25mm×50mmとなるように被着体〔ステンレス板(SUS)とメラミン塗装板〕に貼り付け、貼り付け24時間後に促進条件(80℃ドライ、及び60℃、95%RH)下に7日間放置した。
次いで、常温にて調湿した後に粘着シートを剥離して、剥離後の被着体の表面状態を目視によって観察し、以下の基準で評価した。
○:被着体に糊残りがなく、かつ基材シートの破壊がなく、きれいに剥離できる。
△:部分的に糊残りやクモリ(被着体が汚染される)がある。
×:貼付面積の50%以上で基材シートが破壊するか又は被着体に糊残りがある。
(粘着剤から形成される乾燥被膜のゲル分率の測定)
粘着剤を乾燥後の膜厚が0.3mmとなるようにガラス板上に塗工し、25℃で24時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に100℃で5分間乾燥したものを50mm角に切り取り、試料とした。
先ず、上記試料のトルエン浸漬前の重量(G1)を予め測定した。
次に、上記試料をトルエン溶液中に常温で24時間浸漬し、不溶解分を300メッシュ金網を用いて濾過して分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の重量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
(平均粒子径の測定法)
(株)堀場製作所製の動的光散乱方式粒度分布装置(製品名:LB−550)を使用し、体積基準のメジアン径を測定した。
攪拌機、温度計、及び滴下ロートを備えた容器にアクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)97.2質量部、アクリル酸(AAC)2.0質量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル(2HEMA)0.8質量部を仕込み、これにポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(花王株式会社製、商品名:ラテムルE−118B)1.5質量部、アリルアルキルスルホコハク酸エステル塩(三洋化成株式会社製、商品名:エレミノールJS−2)2.5質量部とイオン交換水56質量部を加え、室温下撹拌して不飽和単量体の混合物の乳化物を予め調製した。
別途、攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管、及び滴下ロートを備えた反応装置にイオン交換水28質量部を仕込み、窒素を封入して内温80℃まで昇温し、その温度に保ちながら、10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液2質量部を仕込んだ。
次に、予め調製した不飽和単量体の混合物の乳化物を滴下ロートに移し、4時間かけて滴下した。
これと併行して5質量%過硫酸アンモニウム水溶液4質量部を滴下して内温80℃で乳化重合を行った。
滴下終了後、80℃で4時間熟成し、平均粒子径250nmを有するアクリル系共重合体エマルションを得た。
その後、室温まで冷却し、アンモニア水で中和した後に水を加えて固形分50質量%、pH8.0の水分散型粘着剤組成物を得た。
次いで、該水分散型粘着剤組成物100質量部中にポリアクリル酸系増粘剤(ロームアンドハース社製、商品名:ASE−60)を添加して粘度8,000mPa・sに増粘させた。
更に、上記水分散型粘着剤組成物100質量部に対して、架橋剤(ナガセケムテックス社製エポキシ化合物、系商品名:デナコールEX−313)を1.0質量部添加し、得られた粘着剤を剥離シート(リンテック社製、シリコーン樹脂で剥離処理したグラシン紙、商品名:SP−8Kアオ)の剥離処理面上に、ロールナイフコーターを用いて、乾燥後の塗布厚みが20μmになるように塗工し、90℃にて2分間乾燥し、粘着剤層を形成した。
次いで、片面に印刷受容層を備えたポリプロピレン系合成紙〔チッソ株式会社株製、商品名:カルレMSBR85、厚み:85μm)の印刷受容層を備えていない面と貼り合わせて再剥離性粘着シートを作製した。
上記のようにして得られた再剥離性粘着シートを用いて、粘着力及び再剥離性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
実施例1と同様にして得られた水分散型粘着剤組成物100質量部に対して、架橋剤(ナガセケムテックス社製エポキシ化合物、商品名:デナコールEX−421)を1.0質量部添加した以外は、実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製し、粘着力及び再剥離性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
実施例1に使用したアクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)のうち、0.6質量部をジアセトンアクリルアミド(DAAM)に変更した以外は、実施例1と同様にして水分散型粘着剤組成物を得た。
この水分散型粘着剤組成物100質量部に対して、エポキシ系架橋剤(ナガセケムテックス社製エポキシ化合物、商品名:デナコールEX−313)を1.0質量部、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)水溶液を0.3質量部添加した以外は、実施例1と同様にして再剥離性粘着シートを作製し、粘着力及び再剥離性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)、アクリル酸(AAC)、メタアクリル酸(MAAC)、メタクリル酸ヒドロキシエチル(2HEMA)の仕込み量、エポキシ系架橋剤(ナガセケムテックス社製エポキシ化合物、商品名:デナコールEX−313、デナコールEX−421)の使用量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして水分散型粘着剤組成物を調製後、再剥離性粘着シートを作製して、粘着力及び再剥離性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)、アクリル酸(AAC)、メタアクリル酸(MAAC)及びメタクリル酸ヒドロキシエチル(2HEMA)の仕込み量、エポキシ系架橋剤(ナガセケムテックス社製エポキシ化合物、商品名:デナコールEX−313)の使用量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして水分散型粘着剤組成物を調製後、再剥離性粘着シートを作製して、粘着力及び再剥離性の評価を行った。
その結果を表2に示す。
Claims (5)
- 基材シートの少なくとも一方の面に粘着剤層を有する粘着シートであって、当該粘着剤層が下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分
(a)アクリル酸−2−エチルヘキシル:60.0〜99.0質量%
(b)エチレン性不飽和カルボン酸:0.4〜4.0質量%
(c)水酸基含有不飽和単量体:0.1〜3.0質量%
(d)上記(a)成分、(b)成分及び(c)成分以外のその他の不飽和単量体:0〜39.0質量%
を含む不飽和単量体の混合物を乳化重合して得られる平均粒子径が100〜350nmである水分散型粘着剤組成物に架橋剤を添加した粘着剤からなり、該不飽和単量体の混合物における、(b)エチレン性不飽和カルボン酸と(c)水酸基含有不飽和単量体の合計含有量が1.0〜5.0質量%であり、該粘着剤から形成される乾燥被膜のゲル分率が70〜90質量%であることを特徴とする再剥離性粘着シート。 - 架橋剤がエポキシ系化合物である請求項1に記載の再剥離性粘着シート。
- 再剥離性粘着シートをJIS Z 0237に準拠し、23℃、50%RH環境下にてメラミン塗装板を被着体として貼付し、24時間後の粘着力(A)と、同条件にて貼付し、24時間後に、70℃乾燥下で3日間放置した後の粘着力(B)において、(B)/(A)が0.80〜1.60である請求項1又は2に記載の再剥離性粘着シート。
- 基材シートが合成樹脂フィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の再剥離性粘着シート。
- 基材シートがポリオレフィン系合成樹脂フィルム、又はポリオレフィン系樹脂より製造される合成紙である請求項1〜3のいずれかに記載の再剥離性粘着シート。
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