JP2849407B2 - 再はく離型粘着剤組成物 - Google Patents

再はく離型粘着剤組成物

Info

Publication number
JP2849407B2
JP2849407B2 JP1187558A JP18755889A JP2849407B2 JP 2849407 B2 JP2849407 B2 JP 2849407B2 JP 1187558 A JP1187558 A JP 1187558A JP 18755889 A JP18755889 A JP 18755889A JP 2849407 B2 JP2849407 B2 JP 2849407B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensitive adhesive
pressure
weight
monomer
adhesive composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1187558A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0354285A (ja
Inventor
郁夫 森野
輝男 木村
宗昭 鶴ケ谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Kogyo KK filed Critical Asahi Kasei Kogyo KK
Priority to JP1187558A priority Critical patent/JP2849407B2/ja
Publication of JPH0354285A publication Critical patent/JPH0354285A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2849407B2 publication Critical patent/JP2849407B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な水系再はく離型粘着剤組成物、さらに
詳しくは、転写法によって製造される粘着シートに用い
られる再はく離型粘着剤組成物に関する。
ここで再はく離型粘着剤とは、紙やプラスチックフィ
ルムなどの基材に該粘着剤を塗工または転写した粘着シ
ートを、被着体に接着した後、その接着部をはく離する
際に該粘着剤が被着体に残留することなくはく離除去さ
れ得る機能を有する粘着剤をいう。
また、転写法とは以下に述べる粘着シートの製造法を
いう。すなわち、紙やプラスチックフィルムにシリコン
樹脂等で離型処理を施こした離型紙等の離型シートに粘
着剤を塗工し、乾燥した後、基材となる紙やプラスチッ
クフィルムをラミネートし、粘着剤層を離型シートから
基材へ転写させる粘着シートの製造法をいう。特に基材
が粘着剤溶液によって影響を受けない利点を有するた
め、広く粘着シートの製造法として採用されている。
(従来の技術) 再はく離型粘着剤は、その目的とする再はく離機能す
なわち、被着体に残留しないではく離除去可能な性能を
発現させるため、粘着剤ポリマーの凝集力は一般の粘着
剤に較べてかなり大きいものとして設定される。この結
果、粘着剤層の凝集破壊が防止され、同時に被着体と粘
着剤界面の界面接着力が押えられ、支持体の破壊も防止
される。
更に再はく離機能を有する粘着シートを得るために
は、粘着剤と基材である紙あるいはプラスチックフィル
ムとの間の接着力、すなわち基材密着性が大きい事が必
須要件になる。この基材密着性が小さい場合には、粘着
シートをはく離除去するに際し、粘着剤が基材よりとれ
て被着体に移行する事があり、被着体汚染をひき起す結
果となる。特に紙を基材とした再はく離型粘着シートに
ついては、塗工時の紙基材の変形を避けるため、転写法
による粘着シートの製造が広く行われているが、基材密
着性はこの転写工程における乾燥ポリマーと紙基材との
感圧接着性によって支配される。本来再はく離機能を有
する粘着剤は一般の粘着剤に較べ感圧接着性に劣る。そ
のため転写工程では凝集力が低く、感圧接着性の大きい
状態を保持して紙との優れた基材密着性を達成し、転写
した後に架橋反応によって凝集力を向上させ、再はく離
機能を発現させるシステムが紙基材再はく離粘着シート
の製造に用いられている。このシステムに適合する粘着
剤として一般に用いられているのは、イソシアネート架
橋剤を組み合わせた有機溶剤系アクリル粘着剤であり、
再はく離機能を有しない永久接着型粘着剤として用いら
れるものと較べ、架橋度はより高く設定されている。こ
の様な粘着剤はイソシアネートと主剤ポリマーに共重合
されたヒドロキシル基やカルボキシル基の低温反応性を
利用して、室温で静置養生する事によって転写後の架橋
反応が進行し、1週間程度で目的の架橋度、凝集力に到
達して、再はく離機能が発現する。
ところがこの様な機能溶剤系の粘着剤については、火
災の危険性や労働環境上の問題があり、その恐れのない
水系粘着剤の使用が望まれている。一般の粘着剤用とし
てのアクリルラテックスにイソシアネート化合物を添加
した水性エマルジョン型粘着剤は、たとえば特開昭51−
93936号公報により知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の水系粘着剤では、現行の紙基材
再はく離型粘着シートの製造システムに適合できた上
で、再はく離性が充分満足されているとは言い難い。例
えば特開昭49−96063号公報には、相互に熱反応し得る
官能基を有する単量体を共重合したアクリル系ラテック
スを用い、転写工程の後に100℃から180℃の温度と100
〜1000g/cm2の平面プレス圧で加熱、加圧処理する方法
が開示されている。しかしこの方法は、現行の再はく離
粘着シートの製造システムに較べ工程が繁雑になる欠点
がある。また特開昭57−31972号公報には、特定の二種
類の架橋反応を組み込んで得られた架橋ポリマーにより
目的を達する方法が、さらに特開昭57−87481号公報に
は両性界面活性剤を添加する事により紙基材との密着性
を改良して目的を達する方法が開示されている。しか
し、この様な方法によっても、再はく離機能の点から見
てその効果は充分なものとはいいにくい。
以上の事から、本発明は、転写法を用い、転写後室温
で静置養生する事により架橋を完結させる、紙を基材と
する再はく離型粘着シートの従来の製造方法にそのまま
適合できる水系粘着剤を提供する事を目的とする。すな
わち、紙基材に転写されても大きい基材密着性を有し、
その後に室温養生をする事によって、充分にポリマー凝
集力が向上し、その結果として優れた再はく離性を発現
する水系粘着剤を提供する事を目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、この様な目的を達成するために鋭意検
討した結果、特定のゲル分率と膨潤度を有し、特定の官
能基を有する単量体の共重合された重合体により構成さ
れた粒子よりなる水性分散体と、特定の組成を有する自
己乳化性多官能イソシアネート溶液よりなる水分散型粘
着剤組成物を用いる事により、所期の目的を達成し得る
事を見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、ヒドロキシル基含有単量体および
α、β不飽和カルボン酸単量体から選ばれる少くとも1
種とその他の共重合性単量体との共重合体であって、そ
のゲル分率が15%から50%、かつ重量膨潤度が10ないし
50の範囲にある共重合体粒子を含む水性分散体(A)
と、イソシアネート基を化合物中に2個以上含む多官能
イソシアネート化合物、該イソシアネート基と実質的に
反応性を有さない難水溶性有機溶剤、および界面活性剤
を混合してなる自己乳化性多官能イソシアネート溶液
(B)との混合物であって、(A)と(B)の合計固形
分に対するイソシアネート基含有量が0.3%から1.5%で
ある水分散型粘着剤組成物に関する。
(発明の構成・作用) この発明における水分散性再はく離型粘着剤組成物の
構成成分である水性分散体(A)としては、0.5ないし1
0重量%のヒドロキシル基含有単量体および/または
α、β不飽和カルボン酸単量体と、90ないし99.5重量%
の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、脂肪族
ジエン単量体、エチレン、その他のビニル単量体類より
選ばれた単量体が共重合されてなり、好ましくはガラス
転移温度が−35℃以下である共重合体を粒子として含む
水性分散体が用いられる。
ここにおいて、ヒドロキシル基含有単量体としては、
ヒドロキシル基を分子中に1個以上有するラジカル共重
合単量体が用いられ、その例としてはアクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、メタアクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシ
ブチル、メタアクリル酸4−ヒドロキシブチルなどが挙
げられる。またα、β不飽和カルボン酸単量体として
は、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、
フマール酸などが用いられる。その他の単量体としての
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体として用い
られるのは、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸ブ
チル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸シ
クロエキシルなどがある。脂肪族ジエン単量体としては
ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。その他のビ
ニル単量体類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;(メ
タ)アクリルニトリル等のシアン化ビニル類、スチレン
等の芳香族ビニル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の
ハロゲン化ビニル類がある。
この様な共重合体の単量体組成のうち、ヒドロキシル
基含有単量体およびα、β不飽和カルボン酸単量体から
選ばれる少くとも1種の単量体の量は0.5ないし10重量
%、好ましくは2ないし6重量%の範囲から選ばれる。
0.5重量%を下廻ると、多官能イソシアネート化合物が
適量混合されても得られる粘着剤の凝集力は低いものに
留まり、粘着シートの再はく離性の劣ったものしか得ら
れない。逆に10重量%を越えると、粘着剤の耐湿性が低
下し、接着後高湿度下で放置された粘着シートを再はく
離する際の再はく離性などの点で充分な性能を発揮し得
ない。
また粘着剤の検圧接着性、すなわちタックやはく離接
着強さを充分なものとするためには、共重合体のガラス
転移温度は−35℃以下のものが好ましい。
本発明において、紙基材に転写する方法により作製し
ても、優れた再はく離性を発現する粘着シートが得られ
る粘着剤となし得るためには、そのゲル分率が15から50
%であり、かつ重量膨潤度が10ないし50の範囲にある共
重合体を粒子として含む水性分散体を用いる必要があ
る。ここにおいてゲル分率とは、トルエンを溶媒にし
て、ほぼ50μの厚みを有する乾燥塗膜を20℃で1週間浸
漬し、その不溶解分を濾過分離した後、その乾燥重量を
測定する事により次式で求められるものをいう。
P;テストに供した重合体塗膜の乾燥総重量 Q;重合体のトルエン不溶解部分の乾燥重量 また重量膨潤度とは、トルエンを溶媒にして、重合体
乾燥塗膜を20℃で1週間浸漬した後、不溶解部分を濾過
分離し、直後にその重量を測定する事により、次式で求
められるものをいう。
R;重合体のトルエン不溶解分に吸収されたトルエンの重
量 共重合体のゲル分率が15%を下廻る場合には、多官能
イソシアネート化合物が適量混合された組成物を用いて
も、架橋完結後の粘着剤の凝集力が不足する結果得られ
た粘着シートの再はく離性は充分でない。また共重合体
のゲル分率が50%を越えるものを用いると、はく離紙上
で乾燥された粘着剤組成物を紙基材に転写する工程で粘
着剤の流動性が低くなり、得られた粘着シートの粘着剤
基材間の基材密着性が不足する結果、再はく離時に粘着
剤の被着体への移行などが起こり、再はく離型粘着シー
トとしては不充分な性能のものしか有しないものにな
る。
共重合体の重量膨潤度が10を下廻る場合にも、転写工
程における粘着剤組成物乾燥塗膜の流動性が低くなり、
得られた粘着シートの粘着剤基材間の基材密着性が不足
する結果、再はく離性の劣った粘着シートしか得られな
い。また共重合体の重量膨潤度50を上廻る場合には、多
官能イソシアネート化合物が適量混合された組成物を用
いて、架橋反応が終結するまで充分静置養生された粘着
シートにおいても、粘着剤の凝集力が充分に向上できな
い結果として、劣った再はく離性しか示さない。
この様な特定のゲル分率と重量膨潤度を有する共重合
体を粒子として含む水性分散体はいくつかの公知の方法
で製造可能であり、その製造方法は問わない。その代表
的な製造方法としては、ゲル分率と重量膨潤度を調節す
るために、特定の架橋性単量体による架橋と連鎖移動剤
による分子量コントロールを併用した乳化重合法があげ
られる。又架橋性モノマーを用いず、特定のラジカル発
生剤を用い、特定の組成の単量体の生長反応と分岐ある
いは架橋反応を同時に起こさせる様な乳化重合方法によ
っても目的の重合体を得る事が可能である。本発明の粘
着剤組成物には、水性分散体(A)の固形分濃度が40〜
65重量%のものが好ましく用いられる。
本発明の水分散性はく離型粘着剤組成物の構成成分で
あるイソシアネート溶液(B)としては、イソシアネー
ト基を化合物中に2個以上含む多官能イソシアネート化
合物と、該イソシアネート基と実質的に反応性を有しな
い難水溶性有機溶剤、および界面活性剤を混合してなる
自己乳化性多官能イソシアネート溶液が用いられる。
イソシアネート基を化合物中に2個以上含む多官能イ
ソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシ
アネートのような脂肪族イソシアネート、m−及びp−
フェニレンジイソシアネート、トリレン、2,4−および
2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジ
イソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネー
ト、クロルフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ジフ
ェニレン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジイソシ
アネート−3,3′−ジメチルジフェニル、3−メチル−
ジフェニルメチン−4,4′−ジイソシアネート、ポリメ
チレンポリフェニルイソシアネートおよびジフェニルエ
ーテルジイソシアネートのような芳香族イソシアネー
ト、およびシクロヘキサン−2,4−および−2,3−ジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネートのような脂環
族イソシアネートが用いられる。またこの様な多官能イ
ソシアネート類を水酸基含有化合物や水などの第三成分
との反応により多量体化した多官能イソシアネートアダ
クト類も用いる事ができる。これらの多官能イソシアネ
ート化合物の中では、水との反応速度が相対的に遅い脂
肪族および脂環族イソシアネート類またはそのアダクト
類が特に好適に用いられる。
また難水溶性有機溶剤は、イソシアネート基と実質的
に反応性を有しないものであり、好ましくは多官能イソ
シアネート化合物を完全に溶解し得るものが用いられ
る。これらの難水溶性有機溶剤の代表例としては、トル
エン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、シクロヘ
キサンなどの芳香族および脂環族炭化水素が挙げられ
る。難水溶性有機溶剤の添加量は多官能イソシアネート
化合物を100重量部として20重量部ないし300重量部が好
ましい。添加量が20重量部以下では、該有機溶剤の添加
目的である分散媒としての水と多官能イソシアネートの
反応を遅延させて、水分散性粘着剤組成物のポットライ
フを延長する効果が不充分となり、ポットライフの短い
ものしか得られにくい。300重量部を越すと水分散性粘
着剤組成物の分散安定性が低下し好ましくない。
また、自己乳化性を付与する界面活性剤としては、そ
の親水基がイソシアネート基との反応でその機能を失わ
ないポリエチレングリコール基を親水基として含有する
各種の界面活性剤が好適に使用される。この界面活性剤
の添加量は多官能イソシアネート化合物と難水溶性有機
溶剤を合わせた量100重量部に対して3重量%ないし15
重量%の添加が好ましい。これらの界面活性剤は多官能
イソシアネート化合物の難水溶性有機溶剤溶液にあらか
じめ添加しておいてもよく、前記(A)と(B)との混
合直前に、該多官能イソシアネート化合物の難水溶性有
機溶剤溶液に対して添加する事もできる。
本発明において規定する水分散性再はく離型粘着剤組
成物を構成する(A)としての特定の共重合体を粒子と
して含む水性分散体と、(B)としての自己乳化性多官
能イソシアネート溶液は、粘着剤組成物として塗工され
る直前に混合されて用いられるが、その混合比は該粘着
剤組成物の固形分中のイソシアネート基含有量が0.3重
量%から1.5重量%の範囲である事が必要である。ここ
において粘着剤組成物固形分中のイソシアネート基含有
量とは、粘着剤組成物において水、難水溶性有機溶剤等
の揮散成分を除き、最終的に固形皮膜を形成する固形分
中において、分子量42のイソシアネート基が占める重量
%をいい、次式で表わされる。
H:多官能イソシアネート添加量 I:多官能イソシアネート中のNCO含有量(%) J:粘着剤組成物中の全固形分量 該粘着剤組成物中において、イソシアネート基含有量
が0.3重量%を切れば、得られる粘着剤の凝集力は低い
ものに留まり、粘着シートの再はく離性は劣ったものし
か得られない。逆に1.5重量%を越えると、得られた粘
着剤はタックやはく離接着強さの劣ったものとなり、好
ましくない。
この様な水分散性粘着剤組成物を紙基材再はく離型粘
着シートに用いる場合は、ドライ25μ程度の膜厚で離型
紙上に塗工し、乾燥した後、乾燥直後に紙基材とラミネ
ートする。離型紙に適性に塗工するために必要であれ
ば、各種増粘剤や湿潤剤および消泡剤などを添加し得
る。また粘着性能のコントロールの目的で、各種可塑剤
や粘着付与剤樹脂も添加する事ができる。
この様にして得られた、離型紙により被覆された紙基
材再はく離型粘着シートは、転写後20℃〜40℃程度の温
度で静置養生することにより架橋を完結させ得ることが
でき、たとえば20℃の温度条件下では1週間程度の養生
によって最終的性能に到達し、良好な再はく離性を発揮
する様になる。また本発明によって得られる再はく離型
粘着剤組成物は、基材に直接塗工する方法によって得ら
れる粘着シートにおいても良好な再はく離性を発揮し、
好適に用いる事ができる。
(実施例) 以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明がこれらの実施例に限定されない事はいうまでもな
い。また文中で部とあるのはすべて重量部を意味する。
なおタック、はく離接着強さ、再はく離性の測定は以
下の方法によった。
粘着シート試験片の作製 粘着剤組成物を離型紙に乾燥膜厚25μになる量塗工
し、105℃のオーブン中で2分間乾燥させた。得られた
乾燥粘着剤層と基材となる上質紙を合せ、80℃の加熱ロ
ールにより、線圧1kg/cmの条件でラミネートした。転写
により得られた紙を基材とする粘着シートを20℃、65%
相対湿度の条件下で1週間養生しテストに用いた。
タック(初期粘着性) 上記の方法で得られた粘着シートを25mm巾、250mm長
さに切断し、得られた試験片を用いて、JIS Z−0237に
定めるボールタック測定装置を用い、かつ測定方法も同
規格に定められた方法に従って球転法によるタックを測
定した。なお傾斜板の角度は30度とし、試験環境は20
℃、相対湿度70%であった。
はく離接着強さ 25mm巾、250mm長さの試験片を用い、20℃、相対湿度7
0%の条件下で、これを各種の被着体に2Kgローラーを1
往復させる荷重で圧着した。接着後、同じく20℃、相対
湿度70%の条件下に30分および4週間放置した後、同じ
環境条件下でテンシロン型定速引張り試験機を用い、30
0mm/分の引張り速度で接着部を引きはがし、この時のは
く離接着強さを測定した。被着体はSUS 430 BA、HIPS
板、硬質PVC板を用い、いずれもエタノールで脱脂処理
した後試験に供した。
再はく離性 はく離接着強さ測定後の被着体と粘着シート試験片の
はく離面を観察し、被着体表面の粘着剤残留状況、およ
び粘着シートの試験片の紙基材と粘着剤層の接着状態か
ら再はく離性を判定した。その際の判定基準は以下の通
りであった。
◎;被着体に粘着剤の残留なし、基材からの粘着剤の浮
きなし。
○;被着体に粘着剤の残留なし。基材からの粘着剤の浮
きが点状に認められる。
△;被着体に粘着剤の残留なし。基材からの粘着剤の浮
きが著しい。
×;被着体に粘着剤が残る。
××;基材破壊 参考例1 アクリル酸2−エチルヘキシル520部、メタアクリル
酸6部、メタアクリル酸グリシジル3部、メタアクリル
酸2−ヒドロキシエチル11部、n−ドデシルメルカプタ
ン0.55部、ラウリル硫酸ナトリウム4部、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム系界面
活性剤(レベノールWZ−花王株式会社製、固形分26%)
15部、過硫酸アンモニウム2部、イオン交換水240部を
乳化槽に仕込み、ホモジナイザーで撹拌乳化して均質な
乳化液を得た。続いて撹拌機、コンデンサー、温度計お
よび温度制御装置を備えた反応器に、あらかじめイオン
交換水140部と過硫酸アンモニウム1部を入れ、80℃に
昇温した。この反応槽中に、充分な撹拌のもとで反応槽
温度を80℃に保持しつつ前記乳化液を4時間かけて滴下
した。滴下終了後、内温を80℃に保って1時間撹拌を継
続し、反応を完結させ安定なラテックスA(固形分55.1
重量%)を得た。このラテックスのポリマー成分のゲル
分率と重量膨潤度は表1に示す通りであった。
参考例2 n−ドデシルメルカプタンの量を0.2部とした以外は
参考例1と同じ方法を用いて乳化重合を行い、安定なラ
テックスB(固形分55.0重量%)を得た。同じくn−ド
デシルメルカプタンの量を 0.4部としてラテックスC(固形分55.1重量%) 0.8部としてラテックスD(固形分55.1重量%) 1.1部としてラテックスE(固形分55.0重量%) を得た。これらのラテックスのポリマー成分のゲル分率
と重量膨潤度は表1に示す通りであった。
参考例3 メタアクリル酸グリンジルの量を2部および6部に変
えた以外は参考例1と同じ方法を用いて乳化重合を行
い、安定なラテックスF(固形分5.9重量%)とラテッ
クスG(固形分55.5重量%)を得た。これらのラテック
スのポリマー成分のゲル分率と重量膨潤度は表1に示す
通りであった。
実施例1 多官能イソシアネート化合物としてヘキサメチレンジ
イソシアネートアダクトであるデュラネート24A−100
(旭化成製)を50部と、難水溶性有機溶剤としてトルエ
ンを50部、さらに界面活性剤としてソルビタン系界面活
性剤であるニューコール85(日本乳化剤製)を10部混合
して、再はく離型粘着剤組成物のB液である自己乳化性
多官能イソシアネート溶液を得た。次に参考例1で得ら
れたラテックスA100部に対し、サンノプコ社製のポリエ
ーテル系増粘剤SNシックナーA806を1.5部添加して、再
はく離型粘着剤組成物のA液を得た。このA液を100部
とB液を3.4部混合し、プロペラ型撹拌機で10分間撹拌
して再はく離型粘着剤組成物を得た。この組成物を用
い、前記の粘着シート試験片の作製方法に従って、粘着
シート試験片を得て、同じく前記の方法により、タッ
ク、はく離接着強さ、再はく離性を測定し、表2に示し
た。またこの組成物固形分中のイソシアネート基含有量
は0.65重量%であった。
実施例2、比較例1 再はく離型粘着剤組成物のA液として、ラテックス
B、ラテックスC、ラテックスD、ラテックスE、ラテ
ックスF、ラテックスGをそれぞれ実施例1と同量のSN
シックナーA806で増粘したものを用いた以外は、実施例
1と同じB液を用い、A液とB液の混合比も同じとして
6種の再はく離型粘着剤組成物を得た。この組成物を用
いた粘着シートのタック、はく離接着強さ、再はく離性
の測定を行い、表2に示した。
実施例3、比較例2 再はく離型粘着剤組成物のA液とB液は実施例1と同
じものを用い、両者の混合比を変えることによって、組
成物固形分中イソシアネート基含有量が変なる組成物を
作製した。これらの組成物の混合比は、A液100部に対
してB液は1.0部、2.0部、5.0部、7.0部、9.0部であ
り、これらの混合比に対応する組成物固形分中のイソシ
アネート基含有量はそれぞれ、0.19重量%、0.39重量
%、0.94重量%、1.30重量%、1.64重量%であった。こ
れらの組成物を用いた粘着シートのタック、はく離接着
強さ、再はく離性を測定し、表3に示した。
以上表2、表3に示された結果から明らかな様に、本
発明で規定する再はく離型粘着剤組成物は、紙基材に転
写する工程で製造される再はく離性粘着シートにおい
て、タック(初期粘着性)と再はく離性の両面で優れた
性能を発揮し、かつはく離接着強さの経時変化も少ない
特徴を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−93936(JP,A) 特開 昭62−138572(JP,A) 特開 昭57−177078(JP,A) 特開 昭61−258854(JP,A) 特開 昭62−297372(JP,A) 特開 昭55−5937(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 175/00 - 175/16 C08G 18/00 - 18/87

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシル基含有単量体およびα、β不
    飽和カルボン酸単量体から選ばれる少なくとも1種とそ
    の他の共重合性単量体との共重合体であって、そのゲル
    分率が15%から50%、かつ重量膨潤度が10〜50の範囲に
    ある共重合体粒子を含む水性分散体(A)と、 イソシアネート基を化合物中に2個以上含む多官能イソ
    シアネート化合物、該イソシアネート基と実質的に反応
    性を有さない難水溶性有機溶剤、および界面活性剤を混
    合してなる自己乳化性多官能イソシアネート溶液(B)
    との混合物であって、(A)と(B)の合計固形分に対
    するイソシアネート基含有量が0.3重量%から1.5重量%
    である水分散性再はく離型粘着剤組成物。
JP1187558A 1989-07-21 1989-07-21 再はく離型粘着剤組成物 Expired - Lifetime JP2849407B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1187558A JP2849407B2 (ja) 1989-07-21 1989-07-21 再はく離型粘着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1187558A JP2849407B2 (ja) 1989-07-21 1989-07-21 再はく離型粘着剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0354285A JPH0354285A (ja) 1991-03-08
JP2849407B2 true JP2849407B2 (ja) 1999-01-20

Family

ID=16208182

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1187558A Expired - Lifetime JP2849407B2 (ja) 1989-07-21 1989-07-21 再はく離型粘着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2849407B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001303007A (ja) * 2000-04-21 2001-10-31 Chuo Rika Kogyo Corp 感圧型再剥離性接着剤用アクリル樹脂エマルジョン
JP2001335757A (ja) * 2000-05-29 2001-12-04 Sekisui Chem Co Ltd 粘着テープ
JP4716604B2 (ja) 2001-05-30 2011-07-06 日東電工株式会社 強接着性粘着剤組成物及び強接着用粘着シート
JP4716603B2 (ja) * 2001-05-30 2011-07-06 日東電工株式会社 再剥離性粘着剤組成物及び再剥離用粘着シート
KR20040000855A (ko) * 2002-06-26 2004-01-07 심재홍 슬리퍼 거치대
JP4684686B2 (ja) * 2005-03-07 2011-05-18 日本合成化学工業株式会社 再剥離型水性粘着剤組成物および化粧シート
JP5144953B2 (ja) * 2007-04-18 2013-02-13 リンテック株式会社 再剥離性粘着シート
JP2010099332A (ja) * 2008-10-24 2010-05-06 Sankoo:Kk 履物用パッド及びパッド保持具
JP5522438B2 (ja) * 2009-03-26 2014-06-18 Dic株式会社 水分散型アクリル系粘着剤組成物及び粘着テープ
US9540513B2 (en) 2012-11-21 2017-01-10 Basf Se Lignocellulosic article and method of producing same
WO2019230575A1 (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 デンカ株式会社 粘着テープ及びそれを用いた半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0354285A (ja) 1991-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4825992B2 (ja) アクリル系粘着剤組成物、該組成物を用いた粘着テープの製造方法および粘着テープ
JP3382638B2 (ja) 粘着テープ
EP2439246B1 (en) Photocurable adhesive composition, photocurable adhesive layer, and photocurable adhesive sheet
JP2849407B2 (ja) 再はく離型粘着剤組成物
WO2001046328A1 (fr) Compositions de polymeres acryliques, rubans adhesifs acryliques et leurs procedes de production
JP2013001762A (ja) 再剥離用粘着テープおよびその製造方法
US5128412A (en) Removable adhesive comprising acrylic microballs, acrylic copolymer and cross-linker
JP4067173B2 (ja) 粘着剤組成物
TW201934709A (zh) 樹脂組合物、樹脂層及積層片材
JP4600727B2 (ja) 粘着シート
JP4112880B2 (ja) 粘着剤組成物および粘着製品
JP3974684B2 (ja) 加熱剥離性粘着剤組成物、加熱剥離性粘着製品およびその使用方法
JPH05132657A (ja) 粘着剤組成物の製造方法
JP4763379B2 (ja) 感圧接着性樹脂組成物
US6376633B1 (en) Acrylic pressure-sensitive adhesive composition and process for producing the same
JPS61261383A (ja) 再剥離性粘着剤組成物
JP2008179683A (ja) 水性粘着剤組成物および粘着シート
WO2019130822A1 (ja) 樹脂組成物、樹脂層、および積層シート
JPH08199148A (ja) アクリル系粘着剤組成物
JP2001089730A (ja) 感圧性接着剤組成物およびそれを用いた感圧性接着シート
JP2001247832A (ja) 粘着剤組成物及び粘着テープ
TW202223048A (zh) 黏著帶
JPS5933602B2 (ja) 感圧接着剤の製造方法
JPH0776672A (ja) 熱硬化性粘着剤組成物
JPH05271634A (ja) 水分散型粘着剤組成物、粘着テープ又はシート及び貼付構造体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081106

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081106

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091106

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091106

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091106

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091106

Year of fee payment: 11