JP2013189645A - 粘着シート類 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着剤層の形成方法や架橋剤の種類に制限されず、発泡体製基材上に粘着剤層が優れた密着性で形成された粘着シート類を提供する。
【解決手段】粘着シート類は、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された構成を有しており、基材がオレフィン系樹脂製の発泡体製基材であるとともに、粘着剤層が、(a)アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とし、且つモノマー成分として官能基含有モノマーを含んでおり、さらに重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系水分散型共重合体と、(b)重量平均分子量が5000〜25万であるアクリル系水分散型低分子量成分とを含有するアクリル系水分散型粘着剤組成物により形成されていることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】粘着シート類は、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された構成を有しており、基材がオレフィン系樹脂製の発泡体製基材であるとともに、粘着剤層が、(a)アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とし、且つモノマー成分として官能基含有モノマーを含んでおり、さらに重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系水分散型共重合体と、(b)重量平均分子量が5000〜25万であるアクリル系水分散型低分子量成分とを含有するアクリル系水分散型粘着剤組成物により形成されていることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、粘着シート類に関し、さらに詳しくは、粘着剤層の形成方法に制限されず、発泡体製基材上に粘着剤層が優れた密着性で形成されている粘着シート類に関する。
溶剤型アクリル系粘着剤は、溶媒として有機溶剤が用いられているため、環境衛生上望ましくなく、特に近年では、シックハウス症候群を引き起こす原因物質としての見方も強まり、脱有機溶剤の重要性が高まっている。一方、水分散型アクリル系粘着剤は、溶媒として有機溶剤ではなく水を使用しているため、環境や人体への悪影響が少ない。このような背景から、水分散型アクリル系粘着剤を用いた開発が種々を行われている(特許文献1参照)。
このように、水分散型アクリル系粘着剤を用いた粘着シート類の需要が高まる中、基材に発泡体製基材を用いた粘着シート類が求められる用途もあり、粘着剤を発泡体製基材に密着させる技術が必要となった。しかし、水分散型粘着剤組成物は、一般に、発泡体製基材との密着性が劣るため、感圧接着テープ、感圧接着シートや感圧接着ラベルにおける粘着剤層を形成するための粘着剤組成物として用いた場合、極めて限定された用途に使用されているのが現状であった。
これを解決するため、カルボキシル基を有する不飽和単量体と、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートとを含む共重合体成分を乳化重合してなる重量平均分子量が20万〜80万の水分散型共重合体(I)と、付加重合性オキサゾリンを含む重量平均分子量が20万〜80万の(共)重合体(II)とからなる粘着剤組成物が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この発明は、水分散型共重合体の重量平均分子量を低下させたためか、付加重合性オキサゾリンを含む(共)重合体(II)の使用量を多くしなければ、十分な凝集力が得られず、生産性の低下や、コストアップなどの問題が生じていた。
また、重量平均分子量が100万以上の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体とともに、その100重量部あたり、重量平均分子量が1000〜10000の(メタ)アクリル酸エステル系オリゴマーを5〜1000重量部含有し、且つ2官能性架橋剤を含有する粘着剤組成物が提案されている(特許文献3)。しかしながら、この発明は、被着体との密着性に優れるというように記載されており、架橋反応終了後に貼り合わせられることを意味する被着体密着性と、架橋反応進行時に貼り合わせられることを意味する基材密着性とにおける現象は異なるため、これらの密着性には密接な関連性はない。しかも、水分散型アクリル系粘着剤組成物については言及されていない。
さらに、カルボキシル基を有する不飽和単量体とアルキル基の炭素数が4〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを含む共重合体成分を乳化重合してなる水分散型アクリル系粘着剤に、カルボジイミド系架橋剤およびエポキシ系架橋剤を添加して成る水分散型粘着剤組成物が提案されている(特許文献4参照)。他にも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするエチレン性不飽和単量体および粘着付与樹脂からなる油溶成分を乳化重合して得られる樹脂エマルジョン[I]に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするカルボキシル基含有のエチレン性不飽和単量体を重合し、架橋剤にカルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン系化合物、ヒドラジン系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を配合してなることを特徴とする水分散型粘着剤組成物が提案されている(特許文献5参照)。また、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、カルボキシル基含有モノマーを共重合した重量平均分子量が少なくとも100万のアクリル系粘着剤組成物の水分散型共重合体に、オキサゾリン基を含有する水分散型架橋剤を配合した一液タイプの水性エマルジョン型粘着剤組成物が提案されている(特許文献6参照)。
しかしながら、これらの粘着剤組成物は、すべて架橋反応進行時に基材と貼り合わせることで密着性を向上させているため、反応速度の遅い特定の架橋剤を用いた場合にのみ改善されるものであり、従来、架橋剤に限定されず、発泡体製基材への密着性を改善する水分散型粘着剤組成物については、何ら提案も開示もされていない。つまり、架橋反応完了後に転写で貼り合わせる生産方式では、発泡体製基材に対して十分な基材密着性が得られないという問題があった。また、前記粘着剤組成物では、基材とする発泡体製基材については、詳細な説明が記載も開示もされていなかった。
従って、本発明の目的は、粘着剤層の形成方法に制限されず、発泡体製基材上に粘着剤層が優れた密着性で形成されている粘着シート類を提供することにある。
本発明の他の目的は、架橋剤の種類に制限されずに、発泡体製基材上に粘着剤層が優れた密着性で形成されている粘着シート類を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、さらに、粗面に対する接着性が良好であるとともに、保持力が優れている粘着シート類を提供することにある。
本発明の他の目的は、架橋剤の種類に制限されずに、発泡体製基材上に粘着剤層が優れた密着性で形成されている粘着シート類を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、さらに、粗面に対する接着性が良好であるとともに、保持力が優れている粘着シート類を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の構成を有しているアクリル系水分散型共重合体を、特定の重量平均分子量を有するアクリル系水分散型低分子量成分と組み合わせられたアクリル系水分散型粘着剤組成物を用いると、粘着剤層の形成方法や架橋剤の種類に制限されず、発泡体製基材上に粘着剤層が優れた密着性で形成され、さらに粗面に対する接着性が良好であるとともに、保持力が優れている粘着シート類が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された構成を有している粘着シート類であって、基材がオレフィン系樹脂製の発泡体製基材であるとともに、粘着剤層が、(a)アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とし、且つモノマー成分として官能基含有モノマーを含んでおり、さらに重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系水分散型共重合体と、(b)重量平均分子量が5000〜25万であるアクリル系水分散型低分子量成分とを含有するアクリル系水分散型粘着剤組成物により形成されていることを特徴とする粘着シート類である。
前記アクリル系水分散型粘着剤組成物は、架橋剤を更に含有することが好ましい。
前記架橋剤の使用量は、前記アクリル系水分散型共重合体(a)100重量部に対して0.005〜10重量部であることが好ましい。
前記架橋剤は、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アミン系架橋剤、シランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1の架橋剤であることが好ましい。
前記アクリル系水分散型粘着剤組成物は、アクリル系水分散型低分子量成分(b)を、アクリル系水分散型共重合体(a)に対して10〜50重量%の割合で含有していることが好ましい。
前記粘着シート類は、両面粘着シートであることが好ましい。
本発明の粘着シート類によれば、前記構成を有しているので、粘着剤層の形成方法に制限されず、発泡体製基材上に粘着剤層が優れた密着性で形成されている。また、架橋剤の種類に制限されずに、発泡体製基材上に粘着剤層が優れた密着性で形成されている。さらに、粗面に対する接着性が良好であるとともに、保持力が優れている。
以下に、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の部材や部位などには同一の符号を付している場合がある。
本発明の粘着シート類は、図1で示されるように、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された構成を有しており、且つ、基材が発泡体製基材であるとともに、粘着剤層が、(a)アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とし、且つモノマー成分として官能基含有モノマーを含んでおり、さらに重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系水分散型共重合体と、(b)重量平均分子量が5000〜25万であるアクリル系水分散型低分子量成分とを含有するアクリル系水分散型粘着剤組成物(「発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物」)により形成されている。このように、粘着シート類では、発泡体製基材を基材としていても、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物として、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物が用いられているので、粘着剤層の形成方法や架橋剤の種類に制限されず、粘着剤層が発泡体製基材上に優れた密着性で形成されており、また、粗面に対して優れた接着性を発揮することができるとともに、優れた保持力を発揮することができる。
本発明の粘着シート類は、図1で示されるように、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された構成を有しており、且つ、基材が発泡体製基材であるとともに、粘着剤層が、(a)アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とし、且つモノマー成分として官能基含有モノマーを含んでおり、さらに重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系水分散型共重合体と、(b)重量平均分子量が5000〜25万であるアクリル系水分散型低分子量成分とを含有するアクリル系水分散型粘着剤組成物(「発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物」)により形成されている。このように、粘着シート類では、発泡体製基材を基材としていても、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物として、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物が用いられているので、粘着剤層の形成方法や架橋剤の種類に制限されず、粘着剤層が発泡体製基材上に優れた密着性で形成されており、また、粗面に対して優れた接着性を発揮することができるとともに、優れた保持力を発揮することができる。
なお、図1(a)〜(d)は、それぞれ、本発明の粘着シート類の例を示す概略断面図である。図1において、11〜14は、それぞれ、粘着シート類、2は発泡体製基材、3は粘着剤層、4は剥離ライナーである。また、粘着剤層3は、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物[すなわち、(a)アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とし、且つモノマー成分として官能基含有モノマーを含んでおり、さらに重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系水分散型共重合体と、(b)重量平均分子量が5000〜25万であるアクリル系水分散型低分子量成分とを含有するアクリル系水分散型粘着剤組成物]により形成されている。
図1(a)で示される粘着シート類11は、発泡体製基材2の両面に粘着剤層3が形成された構成を有しており、且つ両面の粘着剤層3は、それぞれ、片面のみが剥離面となっている剥離ライナー4により保護された構成を有している。また、図1(b)で示される粘着シート類12は、発泡体製基材2の両面に粘着剤層3が形成された構成を有しており、且つ何れか一方の側の粘着剤層3が、両面が剥離面となっている剥離ライナー4により保護された構成を有しており、さらに、他方の側の粘着剤層3は、粘着シート類12をロール状に巻回することにより、前記剥離ライナー4の他方の剥離面により保護された構成とすることができる。
また、図1(c)で示される粘着シート類13は、発泡体製基材2の片面に粘着剤層3が形成された構成を有しており、且つ粘着剤層3は、片面のみが剥離面となっている剥離ライナー4により保護された構成を有している。図1(d)で示される粘着シート類14は、発泡体製基材2の片面に粘着剤層3が形成された構成を有しており、且つ基材2の背面は剥離面となっており、粘着剤層3は、粘着シート類14をロール状に巻回することにより、発泡体製基材2の背面に形成された剥離面により保護された構成とすることができる。
このように、本発明の粘着シート類は、発泡体製基材の少なくとも片面に、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物による粘着剤層が形成された構成(基材付き粘着シート類の構成)を有しており、両面が粘着面となっている基材付き両面粘着シート類、片面のみが粘着面となっている基材付き粘着シート類(基材付き片面粘着シート類)のいずれであってもよい。また、粘着シート類が基材付き両面粘着シート類である場合、両粘着面は、少なくとも一方の面が剥離面となっている2枚の剥離ライナーにより、それぞれ保護されていてもよく、両面が剥離面となっている1枚の剥離ライナーにより保護されていてもよい。一方、粘着シート類が基材付き片面粘着シート類である場合、少なくとも一方の面が剥離面となっている剥離ライナーにより保護されていてもよく、ロール状に巻回された形態で、発泡体製基材の背面に形成された離型処理層により保護されていてもよい。
[発泡体製基材]
本発明の粘着シート類において、発泡体製基材としては、プラスチック発泡体により形成された基材であれば特に制限されない。プラスチック発泡体を形成するためのプラスチック材(ゴム材も含む)としては、特に制限されず、公知のプラスチック材の中から適宜選択することができる。プラスチック材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の粘着シート類において、発泡体製基材としては、プラスチック発泡体により形成された基材であれば特に制限されない。プラスチック発泡体を形成するためのプラスチック材(ゴム材も含む)としては、特に制限されず、公知のプラスチック材の中から適宜選択することができる。プラスチック材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、プラスチック発泡体としては、例えば、ポリエチレン製発泡体、ポリプロピレン製発泡体等のオレフィン系樹脂製発泡体;ポリスチレン製発泡体等のスチレン系樹脂製発泡体;ポリウレタン製発泡体等のウレタン系樹脂製発泡体;ポリ塩化ビニル製発泡体等のポリ塩化ビニル系樹脂製発泡体などが挙げられる。また、プラスチック発泡体としては、合成ゴム系発泡体も用いることができる。
なお、プラスチック発泡体において、気泡の形態(連続気泡の形態、独立気泡の形態、またはこれらが混合された形態など)、発泡倍率、気泡のサイズ、気泡間の肉厚などの気泡に関係する特性は特に制限されず、公知のプラスチック発泡体における気泡に関する特性の中から適宜選択することができる。プラスチック発泡体は、公知乃至慣用の形成方法(例えば、発泡剤による形成方法など)を利用して形成することができる。
発泡体製基材の表面には、公知の表面処理が施されていてもよい。例えば、発泡体製基材における粘着剤層側の表面には、例えば、下塗り処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などの化学的又は物理的な表面処理が施されていてもよい。また、発泡体製基材における粘着剤層に対して反対側の面(基材付き片面粘着シート類の場合)には、背面処理などが施されていてもよい。なお、発泡体製基材は単層の形態を有していてもよく、積層された形態を有していてもよい。
発泡体製基材には、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤など)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料など)、界面活性剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。
本発明では、発泡体製基材の厚みとしては、特に制限されないが、一般的には0.1〜10mm程度である。
[粘着剤層]
本発明の粘着シート類では、発泡体製基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層は、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物により形成されている。発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物は、アクリル系水分散型共重合体(a)と、アクリル系水分散型低分子量成分(b)とが水に分散されている形態のアクリル系重合体組成物であり、例えば、エマルジョン形態のアクリル系重合体組成物である。発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の粘着シート類では、発泡体製基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層は、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物により形成されている。発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物は、アクリル系水分散型共重合体(a)と、アクリル系水分散型低分子量成分(b)とが水に分散されている形態のアクリル系重合体組成物であり、例えば、エマルジョン形態のアクリル系重合体組成物である。発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物において、アクリル系水分散型共重合体(a)と、アクリル系水分散型低分子量成分(b)との割合としては、特に制限されない。アクリル系水分散型低分子量成分(b)の割合としては、アクリル系水分散型共重合体(a)に対して10〜50重量%の割合であることが好ましく、さらに、アクリル系水分散型共重合体(a)に対して30〜50重量%の割合であることが好適である。アクリル系水分散型低分子量成分(b)の割合が、アクリル系水分散型共重合体(a)に対して10重量%未満であると、発泡体製基材に対する粘着剤層の密着性が低下し、一方、50重量%を超えていると、粘着剤全体としての凝集力が低下し、粘着剤として必要な凝集力が得られなくなる場合がある。
[アクリル系水分散型共重合体(a)]
アクリル系水分散型共重合体(a)は、粘着剤のベースポリマー(粘着剤の基本成分)として用いられている。アクリル系水分散型共重合体(a)は、重量平均分子量が40万〜90万(40万以上且つ90万以下)であることが重要である。アクリル系水分散型共重合体(a)としては、重量平均分子量が50万〜80万であることが好ましく、特に、重量平均分子量が50万〜70万であることが好適である。アクリル系水分散型共重合体(a)の重量平均分子量が40万未満であると、粘着剤として必要な十分な粘着力が得られず、一方、90万を超えると、粘着剤のタック性や初期接着性が低下する。アクリル系水分散型共重合体(a)の重量平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度などによりコントロールすることができる。
アクリル系水分散型共重合体(a)は、粘着剤のベースポリマー(粘着剤の基本成分)として用いられている。アクリル系水分散型共重合体(a)は、重量平均分子量が40万〜90万(40万以上且つ90万以下)であることが重要である。アクリル系水分散型共重合体(a)としては、重量平均分子量が50万〜80万であることが好ましく、特に、重量平均分子量が50万〜70万であることが好適である。アクリル系水分散型共重合体(a)の重量平均分子量が40万未満であると、粘着剤として必要な十分な粘着力が得られず、一方、90万を超えると、粘着剤のタック性や初期接着性が低下する。アクリル系水分散型共重合体(a)の重量平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度などによりコントロールすることができる。
なお、アクリル系水分散型共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。より具体的には、GPC測定装置として、商品名「HLC−8220GPC」(東ソー株式会社製)を用いて、ポリスチレン換算値により、次のGPCの測定条件で測定して求めることができる。
GPCの測定条件
・サンプル濃度:0.2重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:10μl
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流量(流速):0.6mL/min
・カラム温度(測定温度):40℃
・カラム:サンプルカラム:商品名「TSKguardcolumn SuperHZ−H」(1本)+商品名「TSKgel SuperHZM−H」(2本)(以上、東ソー株式会社製)
リファレンスカラム:商品名「TSKgel SuperH−RC」(1本)(東ソー株式会社製)
・検出器:示差屈折計(RI)
GPCの測定条件
・サンプル濃度:0.2重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:10μl
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流量(流速):0.6mL/min
・カラム温度(測定温度):40℃
・カラム:サンプルカラム:商品名「TSKguardcolumn SuperHZ−H」(1本)+商品名「TSKgel SuperHZM−H」(2本)(以上、東ソー株式会社製)
リファレンスカラム:商品名「TSKgel SuperH−RC」(1本)(東ソー株式会社製)
・検出器:示差屈折計(RI)
アクリル系水分散型共重合体(a)は、アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とし、且つモノマー成分として官能基含有モノマーを含んでいる。なお、アクリル系水分散型共重合体(a)は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル]としては、例えば、下記式(1)で表されるアクリル系化合物などが挙げられる。
(式(1)において、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数が2〜14のアルキル基を示す。)
前記式(1)において、R1は水素原子又はメチル基である。また、R2は炭素数が2〜14のアルキル基であり、具体的には、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基などが挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、特に、アルキル基がブチル基または2−エチルヘキシル基である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(中でも、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)が好適である。
なお、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸ブチルを単独で用いてもよく、アクリル酸ブチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとを組み合わせて用いてもよい。なお、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステルとして、アクリル酸ブチルを単独で用いるか、アクリル酸ブチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとを組み合わせて用いる場合、アクリル酸ブチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとの割合としては、特に制限されないが、例えば、アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸ブチル(重量比)=0/100〜55/45(好ましくは5/95〜60/40)程度の範囲から選択することができる。
アクリル系水分散型共重合体(a)を構成するモノマー成分としては、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステルをモノマー主成分として含有しており、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステルと共重合が可能な他のモノマー成分(「共重合性モノマー成分」と称する場合がある)として、官能基含有モノマーが少なくとも用いられている。なお、アクリル系水分散型共重合体(a)を構成するモノマー成分全量に対する(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステルの割合としては、80重量%以上(例えば、80〜99.8重量%)、好ましくは85重量%以上(例えば、85〜99.5重量%)、さらに好ましくは90重量以上(90〜99重量%)であることが望ましい。
官能基含有モノマーは、アクリル系水分散型共重合体(a)に架橋点を導入させることなどを目的として用いられている。官能基含有モノマーを用いることにより、被着体に対する接着力を向上させることができる。このような官能基含有モノマー成分としては、特に、アクリル系水分散型共重合体(a)に熱架橋する架橋点を導入させるための熱架橋性官能基含有モノマーを用いることができる。官能基含有モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
官能基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステルと共重合が可能であり、且つ架橋点となる官能基を有しているモノマー成分であれば特に制限されず、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその酸無水物(無水マレイン酸、無水イコタン酸など);(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルの他、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリンなどの窒素原子含有環を有するモノマーなどが挙げられる。官能基含有モノマーとしては、アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその酸無水物を好適に用いることができる。
官能基含有モノマーの使用量としては、例えば、モノマー主成分としての(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル:100重量部に対して0.5〜12重量部(好ましくは1〜8重量部)の範囲から選択することができる。
なお、共重合性モノマー成分としては、アクリル系水分散型共重合体(a)の凝集力を高めるために、他の共重合性モノマー成分を用いることができる。他の共重合性モノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルや、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどの他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;スチレン、置換スチレン(α−メチルスチレン等)、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、シクロペンチルジ(メタ)アクリレートなど]や、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステル[(メタ)アクリル酸フェノキシエチルなど]や、(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルエステル]などの芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマーの他、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー等が挙げられる。これらの他の共重合性モノマー成分は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル系水分散型共重合体(a)の重合方法としては、公知乃至慣用の重合方法(乳化重合方法、溶液重合方法など)を採用することができ、乳化重合方法が好適である。なお、重合の際には、一般的な一括仕込み方法(一括重合方法)、モノマー滴下方法(連続滴下方法、分割滴下方法など)などの各種重合方法を採用することができる。重合温度は、モノマー成分の種類や、重合開始剤の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、20〜100℃の範囲から選択できる。
アクリル系水分散型共重合体(a)の重合に際しては、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、重合方法の種類に応じて、公知の重合開始剤から適宜選択することができる。重合開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート等のアゾ系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、過酸化水素等の過酸化物系重合開始剤;フェニル置換エタン等の置換エタン系重合開始剤;芳香族カルボニル化合物;過酸化物と還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤[例えば、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせ(過酸化水素水とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせ等)、過酸化物と鉄(II)塩との組み合わせ(過酸化水素水と鉄(II)塩との組み合わせ等)、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ等によるレドックス系重合開始剤など]が挙げられる。これらの中でもアゾ系重合開始剤が特に好ましい。重合開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、全モノマー成分:100重量部に対して0.005〜1重量部程度の範囲から選択することができる。
また、重合の際には、分子量を調整するために、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、公知の連鎖移動剤を用いることができ、例えば、ドデカンチオール(ラウリルメルカプタン)、グリシジルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノール等のメルカプタン類の他、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。連鎖移動剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、全モノマー成分100重量部に対して0.001〜0.5重量部程度の範囲から選択することができる。
アクリル系水分散型共重合体(a)は、アクリル系共重合体が水に分散されたエマルジョンの形態を有しているので、乳化重合方法を利用して調製されたエマルジョン形態の重合物をそのまま用いて、アクリル系水分散型共重合体(a)を調製してもよく、または、乳化重合方法以外の重合方法を利用して調製された重合物(アクリル系共重合体)を水に分散させて、アクリル系水分散型共重合体(a)を調製してもよい。なお、乳化重合の際や、アクリル系共重合体を水に分散させる際には、乳化剤を用いることができる。乳化剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、乳化剤としては、例えば、何れの形態の乳化剤であってもよいが、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤を好適に用いることができる。アニオン系乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸塩型アニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩型アニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩型アニオン系乳化剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩型アニオン系乳化剤;スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等のスルホコハク酸型アニオン系乳化剤などが挙げられる。また、ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型ノニオン系乳化剤;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。乳化剤の使用量としては、アクリル系共重合体をエマルジョンの形態に調製することが可能な使用量であれば特に制限されず、例えば、アクリル系共重合体又はモノマー成分全量に対して0.2〜10重量%(好ましくは0.5〜5重量%)程度の範囲から選択することができる。
[アクリル系水分散型低分子量成分(b)]
アクリル系水分散型低分子量成分(b)は、重量平均分子量が5000〜25万であることが重要である。アクリル系水分散型低分子量成分(b)としては、重量平均分子量が1万〜25万であることが好ましく、特に、重量平均分子量が4万〜25万であることが好適である。アクリル系水分散型低分子量成分(b)の重量平均分子量が5000未満であると、粘着剤全体としての凝集力が低下し、粘着特性が低下する。一方、アクリル系水分散型低分子量成分(b)の重量平均分子量が25万を超えていると、発泡体製基材に対するアンカー効果(投錨効果)が小さくなり、十分な密着性が得られない。アクリル系水分散型低分子量成分(b)の重量平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度などによりコントロールすることができる。
アクリル系水分散型低分子量成分(b)は、重量平均分子量が5000〜25万であることが重要である。アクリル系水分散型低分子量成分(b)としては、重量平均分子量が1万〜25万であることが好ましく、特に、重量平均分子量が4万〜25万であることが好適である。アクリル系水分散型低分子量成分(b)の重量平均分子量が5000未満であると、粘着剤全体としての凝集力が低下し、粘着特性が低下する。一方、アクリル系水分散型低分子量成分(b)の重量平均分子量が25万を超えていると、発泡体製基材に対するアンカー効果(投錨効果)が小さくなり、十分な密着性が得られない。アクリル系水分散型低分子量成分(b)の重量平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度などによりコントロールすることができる。
なお、アクリル系水分散型低分子量成分(b)の重量平均分子量は、前記アクリル系水分散型共重合体(a)の重量平均分子量を測定する場合と同様の測定方法及び測定条件により測定することができる。
アクリル系水分散型低分子量成分(b)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分としていることが重要である。すなわち、アクリル系水分散型低分子量成分(b)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系水分散型低分子量成分であることが重要である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル系水分散型共重合体(a)においてモノマー主成分として用いられている(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステルを好適に用いることができる。アクリル系水分散型低分子量成分(b)において、モノマー主成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、特に、アルキル基がブチル基または2−エチルヘキシル基である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(中でも、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)が好適である。
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸ブチルを単独で用いてもよく、アクリル酸ブチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとを組み合わせて用いてもよい。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、アクリル酸ブチルを単独で用いるか、アクリル酸ブチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとを組み合わせて用いる場合、アクリル酸ブチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとの割合としては、特に制限されないが、例えば、アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸ブチル(重量比)=0/100〜55/45(好ましくは5/95〜60/40)程度の範囲から選択することができる。
アクリル系水分散型低分子量成分(b)を構成するモノマー成分としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分としていれば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合が可能な他のモノマー成分(「共重合性モノマー成分」と称する場合がある)が用いられていてもよい。なお、アクリル系重合体を構成するモノマー成分全量に対する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合としては、80重量%以上(例えば、80〜99.8重量%)、好ましくは85重量%以上(例えば、85〜99.5重量%)、さらに好ましくは90重量以上(90〜99重量%)であることが望ましい。
共重合性モノマー成分としては、アクリル系水分散型低分子量成分(b)に架橋点を導入させるためや、アクリル系水分散型低分子量成分(b)の凝集力を高めるために用いることができる。共重合性モノマー成分は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的には、共重合性モノマー成分としては、アクリル系水分散型低分子量成分(b)に架橋点を導入させるために、官能基含有モノマー成分[特に、アクリル系水分散型低分子量成分(b)に熱架橋する架橋点を導入させるための熱架橋性官能基含有モノマー成分]を用いることができる。官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル系水分散型共重合体(a)に係る官能基含有モノマーとして例示されているモノマー成分[例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその酸無水物など]などが挙げられる。
また、共重合性モノマー成分としては、アクリル系水分散型低分子量成分(b)の凝集力を高めるために、他の共重合性モノマー成分を用いることができる。他の共重合性モノマー成分としては、例えば、アクリル系水分散型共重合体(a)において、凝集力を高めるために用いられている他の共重合性モノマー成分として例示されているモノマー成分などが挙げられる。
アクリル系水分散型低分子量成分(b)の重合方法としては、アクリル系水分散型共重合体(a)と同様の重合方法(乳化重合方法、溶液重合方法など)を採用することができ、乳化重合方法が好適である。なお、重合の際には、一般的な一括仕込み方法(一括重合方法)、モノマー滴下方法(連続滴下方法、分割滴下方法など)などの各種重合方法を採用することができる。重合温度は、モノマー成分の種類や、重合開始剤の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、20〜100℃の範囲から選択できる。
また、アクリル系水分散型低分子量成分(b)の重合に際しては、アクリル系水分散型共重合体(a)の場合と同様に、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などを用いることができる。これらの具体例や使用量なども、アクリル系水分散型共重合体(a)の場合と同様である。
アクリル系水分散型低分子量成分(b)も、アクリル系水分散型共重合体(a)と同様に、アクリル系の重合体が水に分散されたエマルジョンの形態を有しているので、乳化重合方法を利用して調製されたエマルジョン形態の重合物をそのまま用いて、アクリル系水分散型低分子量成分(b)を調製してもよく、または、乳化重合方法以外の重合方法を利用して調製された重合物を水に分散させて、アクリル系水分散型低分子量成分(b)を調製してもよい。
発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物には、必要に応じて、架橋剤が用いられていてもよい。架橋剤としては、特に制限されず、公知乃至慣用の架橋剤(例えば、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アミン系架橋剤、シランカップリング剤など)の中から適宜選択して用いることができる。なお、架橋剤は、油溶性の架橋剤、水溶性の架橋剤の何れであってもよい。架橋剤は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。架橋剤の好適な組み合わせとしては、例えば、エポキシ系架橋剤とカルボジイミド系架橋剤との組み合わせ、エポキシ系架橋剤とシランカップリング剤との組み合わせ、エポキシ系架橋剤とオキサゾリン系架橋剤との組み合わせ、オキサゾリン系架橋剤とシランカップリング剤との組み合わせ、カルボジイミド系架橋剤とシランカップリング剤との組み合わせ、カルボジイミド系架橋剤とオキサゾリン系架橋剤との組み合わせなどが挙げられ、より好ましい組み合わせとしては、オキサゾリン系架橋剤とシランカップリング剤との組み合わせである。
架橋剤の使用量としては、特に制限されず、例えば、アクリル系水分散型共重合体(a)及び/又はアクリル系水分散型低分子量成分(b):100重量部に対して10重量部以下(例えば、0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部)の範囲から選択することができる。
また、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物中には、必要に応じて、その他の添加剤(例えば、粘着付与剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、界面活性剤、帯電防止剤など)が含まれていてもよく、また、pHを調整するための塩基(アンモニア水など)や酸などが含まれていてもよい。粘着付与剤としては、特に制限されないが、粘着付与樹脂を含有するエマルジョン(粘着付与樹脂エマルジョン)を好適に用いることができる。粘着付与樹脂エマルジョンとしては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、キシレン樹脂、エラストマーなどの公知の粘着付与樹脂を、必要に応じて乳化剤や界面活性剤を用いて水に分散させた組成物などが挙げられる。
発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物は、前記成分(アクリル系水分散型共重合体(a)、アクリル系水分散型低分子量成分(b)の他、必要に応じて架橋剤、粘着付与剤や各種添加剤など)を、それぞれ所定量で混合又は混練することにより調製することができる。
また、粘着剤層は、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物を用いて、公知の粘着剤層の形成方法を利用して作製することができる。なお、粘着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。粘着剤層の厚みとしては、特に制限されず、例えば、2〜200μm(好ましくは5〜120μm)の範囲から適宜選択することができる。
[剥離ライナー]
本発明では、必要に応じて、粘着剤層を保護するために剥離ライナーを用いることができる。剥離ライナーとしては、特に制限されず、公知の剥離ライナーから適宜選択して用いることができる。剥離ライナーとしては、剥離処理剤による剥離処理層を少なくとも一方の表面(両面又は片面)に有する基材を好適に用いることができ、また、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等)からなる低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材なども用いることができる。
本発明では、必要に応じて、粘着剤層を保護するために剥離ライナーを用いることができる。剥離ライナーとしては、特に制限されず、公知の剥離ライナーから適宜選択して用いることができる。剥離ライナーとしては、剥離処理剤による剥離処理層を少なくとも一方の表面(両面又は片面)に有する基材を好適に用いることができ、また、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等)からなる低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材なども用いることができる。
剥離ライナーの基材としては、プラスチックシート又はフィルム類が好適に用いられるが、支持体としての基材として例示の紙類、布類、ゴムシート類、発泡体シート類、金属箔なども用いることができる。前記剥離ライナーの基材のプラスチックシート又はフィルムとしては、特に制限されず、例えば、公知のプラスチックシート又はフィルムの中から適宜選択することができる。また、剥離処理層を形成する剥離処理剤としては、公知乃至慣用の剥離処理剤(シリコーン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤など)を用いることができる。
剥離ライナーにおける基材や剥離処理層の厚みなどは、特に制限されず、目的などに応じて適宜選択することができる。剥離ライナーの総厚みとしては、例えば、15μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは25〜500μmである。
[粘着シート類]
本発明において、粘着シート類は、発泡体製基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有するシート状物の形態を有している又は有することができるシート状粘着性物を意味している。具体的には、粘着シート類には、粘着テープ、粘着シート、粘着フィルム、粘着ラベルなどが含まれる。
本発明において、粘着シート類は、発泡体製基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有するシート状物の形態を有している又は有することができるシート状粘着性物を意味している。具体的には、粘着シート類には、粘着テープ、粘着シート、粘着フィルム、粘着ラベルなどが含まれる。
なお、前記粘着シート類としては、発泡体製基材上に、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物による粘着剤層が形成された構成を有していれば、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
このような粘着シート類は、粘着シート類の種類に応じて、通常の粘着テープや粘着シートの製造方法に従って製造することができる。具体的には、粘着シート類としては、例えば、(1)発泡体製基材の少なくとも一方の面(片面又は両面)に、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物を、乾燥乃至硬化後の厚さが所定の厚さとなるように塗布し乾燥乃至硬化させて粘着剤層を形成し、必要に応じてロール状に巻回することにより作製する方法、(2)セパレータ上に、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物を、乾燥乃至硬化後の厚さが所定の厚さとなるように塗布し乾燥乃至硬化させて粘着剤層を形成した後、該粘着剤層を、発泡体製基材の少なくとも一方の面(片面又は両面)に転写させ、必要に応じてロール状に巻回することにより作製する方法などにより、作製することができる。なお、図1(b)や(d)で示されている粘着シート類では、粘着シート類の一方の側の粘着面(粘着剤層の表面)と、他方の側の剥離面(基材の背面処理層表面や、剥離ライナーの剥離処理層表面など)とを重ね合わせてロール状に巻回することにより、ロール状に巻回した形態の粘着シート類を作製することができる。
特に、本発明では、発泡体製基材上に形成される粘着剤層が、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物により形成されているので、予め形成された粘着剤層を発泡体製基材の表面に転写させる方法であっても、粘着剤層を発泡体製基材上に優れた密着性で形成することができる。
なお、発泡体用アクリル系水分散型粘着剤組成物の塗布に際しては、公知乃至慣用の塗工機(例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなど)を用いることができる。
以下に、この発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を、%とあるのは重量%を、それぞれ意味する。
アクリル系共重合体などのポリマーの重量平均分子量は、東ソー株式会社製のGPC装置(商品名「HLC−8220GPC」を用いて測定を行い、ポリスチレン換算値にて求めた。測定条件は下記の通りである。
・サンプル濃度:0.2重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:10μl
・溶離液:テトラヒドロフラン
・流速:0.6ml/min
・測定温度:40℃
・カラム:サンプルカラム:商品名「TSKguardcolumn SuperHZ−H」(1本)+商品名「TSKgel SuperHZM−H」(2本)(以上、東ソー株式会社製);リファレンスカラム:商品名「TSKgel SuperH−RC」(1本)(東ソー株式会社製)
・検出器:示差屈折計(RI)
・サンプル濃度:0.2重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:10μl
・溶離液:テトラヒドロフラン
・流速:0.6ml/min
・測定温度:40℃
・カラム:サンプルカラム:商品名「TSKguardcolumn SuperHZ−H」(1本)+商品名「TSKgel SuperHZM−H」(2本)(以上、東ソー株式会社製);リファレンスカラム:商品名「TSKgel SuperH−RC」(1本)(東ソー株式会社製)
・検出器:示差屈折計(RI)
(実施例1)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器を用い、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(商品名「VA−057」和光純薬工業株式会社製):0.1部と、イオン交換水:33部とを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。それを60℃に保ち、その中に、アクリル酸2−エチルヘキシル:98部、アクリル酸:2部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):0.06部、およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤):2部をイオン交換水:33部に添加して乳化したものを、3時間かけて滴下して乳化重合反応を行った後、さらに、3時間熟成して、重量平均分子量が55万のアクリル系水分散型共重合体(「アクリル系水分散型共重合体A」と称する場合がある)を得た。このアクリル系水分散型共重合体Aを含む反応混合液に、10%のアンモニア水を添加し、pHを8に調整して、アクリル系水分散型共重合体Aが水に分散した形態のアクリル系水分散型共重合体の水分散液(「アクリル系共重合体水分散液A」と称する場合がある)を得た。
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器を用い、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(商品名「VA−057」和光純薬工業株式会社製):0.1部と、イオン交換水:33部とを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。それを60℃に保ち、その中に、アクリル酸2−エチルヘキシル:98部、アクリル酸:2部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):0.06部、およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤):2部をイオン交換水:33部に添加して乳化したものを、3時間かけて滴下して乳化重合反応を行った後、さらに、3時間熟成して、重量平均分子量が55万のアクリル系水分散型共重合体(「アクリル系水分散型共重合体A」と称する場合がある)を得た。このアクリル系水分散型共重合体Aを含む反応混合液に、10%のアンモニア水を添加し、pHを8に調整して、アクリル系水分散型共重合体Aが水に分散した形態のアクリル系水分散型共重合体の水分散液(「アクリル系共重合体水分散液A」と称する場合がある)を得た。
次に、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器を用い、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(商品名「VA−057」和光純薬工業株式会社製):0.1部と、イオン交換水:33部とを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。それを60℃に保ち、その中に、アクリル酸2−エチルヘキシル:95部、アクリル酸:5部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):1部、およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤):2部をイオン交換水:33部に添加して乳化したものを、3時間かけて滴下して乳化重合反応を行った後、さらに、3時間熟成して、重量平均分子量が4.3万のアクリル系水分散型低分子量成分(「アクリル系水分散型低分子量成分A」と称する場合がある)を得た。このアクリル系水分散型低分子量成分Aを含む反応混合液に、10%のアンモニア水を添加し、pHを8に調整して、アクリル系水分散型低分子量成分Aが水に分散した形態のアクリル系水分散型低分子量成分の水分散液(「アクリル系低分子量成分水分散液A」と称する場合がある)を得た。
アクリル系共重合体水分散液A:100部(固形分)に対して、アクリル系低分子量成分水分散液Aを50部(固形分)配合し、さらに、アクリル系共重合体水分散液A:100部(固形分)に対して、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」三菱ガス化学株式会社製)を0.15部添加して、アクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液A」と称する場合がある)を得た。
上質紙の両面がラミネートされた構成の基材の片面にシリコーン系剥離剤を塗布して形成された剥離ライナーにおけるシリコーン系剥離剤塗布面に、アクリル系粘着剤水分散液Aを塗布し、100℃で3分間乾燥して、厚さが100μmの粘着剤層を形成し、この粘着剤層を、ポリエチレンフォーム製基材[商品名「PEライトLS−10(両面コロナ処理;ぬれ指数34dyne/cm)株式会社イノアックコーポレーション製]の両面に貼り合わせて、粘着シートを作製した。なお、粘着シートを作製した後、50℃の環境下で3日間放置したものを評価サンプルとした。
(実施例2)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器を用い、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(商品名「VA−057」和光純薬工業株式会社製):0.1部と、イオン交換水:33部とを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。それを60℃に保ち、その中に、アクリル酸2−エチルヘキシル:98部、アクリル酸:2部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):0.06部、シランカップリング剤(商品名「KBM−503」信越化学工業株式会社製):0.07部、およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤):2部をイオン交換水:33部に添加して乳化したものを、3時間かけて滴下して乳化重合反応を行った後、さらに、3時間熟成して、重量平均分子量が50万のアクリル系水分散型共重合体(「アクリル系水分散型共重合体B」と称する場合がある)を得た。このアクリル系水分散型共重合体Bを含む反応混合液に、10%のアンモニア水を添加し、pHを8に調整して、アクリル系水分散型共重合体Bが水に分散した形態のアクリル系水分散型共重合体の水分散液(「アクリル系共重合体水分散液B」と称する場合がある)を得た。
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器を用い、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(商品名「VA−057」和光純薬工業株式会社製):0.1部と、イオン交換水:33部とを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。それを60℃に保ち、その中に、アクリル酸2−エチルヘキシル:98部、アクリル酸:2部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):0.06部、シランカップリング剤(商品名「KBM−503」信越化学工業株式会社製):0.07部、およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤):2部をイオン交換水:33部に添加して乳化したものを、3時間かけて滴下して乳化重合反応を行った後、さらに、3時間熟成して、重量平均分子量が50万のアクリル系水分散型共重合体(「アクリル系水分散型共重合体B」と称する場合がある)を得た。このアクリル系水分散型共重合体Bを含む反応混合液に、10%のアンモニア水を添加し、pHを8に調整して、アクリル系水分散型共重合体Bが水に分散した形態のアクリル系水分散型共重合体の水分散液(「アクリル系共重合体水分散液B」と称する場合がある)を得た。
また、実施例1と同様にして、アクリル系水分散型低分子量成分Aを得るとともに、アクリル系低分子量成分水分散液Aを得た。
アクリル系共重合体水分散液B:100部(固形分)に対して、アクリル系低分子量成分水分散液Aを50部(固形分)配合して、アクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液B」と称する場合がある)を得た。
アクリル系粘着剤水分散液Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを作製し、また、評価サンプルを作製した。
(実施例3)
実施例2と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Bを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Bを得た。
実施例2と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Bを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Bを得た。
次に、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器を用い、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(商品名「VA−057」和光純薬工業株式会社製):0.1部と、イオン交換水:33部とを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。それを60℃に保ち、その中に、アクリル酸2−エチルヘキシル:98部、アクリル酸:2部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):0.13部、およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤):2部をイオン交換水:33部に添加して乳化したものを、3時間かけて滴下して乳化重合反応を行った後、さらに、3時間熟成して、重量平均分子量が25万のアクリル系水分散型低分子量成分(「アクリル系水分散型低分子量成分B」と称する場合がある)を得た。このアクリル系水分散型低分子量成分Bを含む反応混合液に、10%のアンモニア水を添加し、pHを8に調整して、アクリル系水分散型低分子量成分Bが水に分散した形態のアクリル系水分散型低分子量成分の水分散液(「アクリル系低分子量成分水分散液B」と称する場合がある)を得た。
アクリル系共重合体水分散液B:100部(固形分)に対して、アクリル系低分子量成分水分散液Bを50部(固形分)配合し、さらに、アクリル系共重合体水分散液B:100部(固形分)に対して、架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤(商品名「WS−700」日本触媒科学工業株式会社製)を3部添加して、アクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液C」と称する場合がある)を得た。
アクリル系粘着剤水分散液Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを作製し、また、評価サンプルを作製した。
(実施例4)
実施例2と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Bを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Bを得た。
実施例2と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Bを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Bを得た。
次に、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器を用い、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(商品名「VA−057」和光純薬工業株式会社製):0.1部と、イオン交換水:33部とを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。それを60℃に保ち、その中に、アクリル酸2−エチルヘキシル:98部、アクリル酸:2部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):0.8部、およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤):2部をイオン交換水:33部に添加して乳化したものを、3時間かけて滴下して乳化重合反応を行った後、さらに、3時間熟成して、重量平均分子量が4.9万のアクリル系水分散型低分子量成分(「アクリル系水分散型低分子量成分C」と称する場合がある)を得た。このアクリル系水分散型低分子量成分Cを含む反応混合液に、10%のアンモニア水を添加し、pHを8に調整して、アクリル系水分散型低分子量成分Cが水に分散した形態のアクリル系水分散型低分子量成分の水分散液(「アクリル系低分子量成分水分散液C」と称する場合がある)を得た。
アクリル系共重合体水分散液B:100部(固形分)に対して、アクリル系低分子量成分水分散液Cを30部(固形分)配合し、さらに、アクリル系共重合体水分散液B:100部(固形分)に対して、架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤(商品名「WS−700」日本触媒科学工業株式会社製)を4部添加して、アクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液D」と称する場合がある)を得た。
アクリル系粘着剤水分散液Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを作製し、また、評価サンプルを作製した。
(実施例5)
実施例2と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Bを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Bを得た。また、実施例4と同様にして、アクリル系水分散型低分子量成分Cを得るとともに、アクリル系低分子量成分水分散液Cを得た。
実施例2と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Bを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Bを得た。また、実施例4と同様にして、アクリル系水分散型低分子量成分Cを得るとともに、アクリル系低分子量成分水分散液Cを得た。
アクリル系共重合体水分散液B:100部(固形分)に対して、アクリル系低分子量成分水分散液Cを50部(固形分)配合し、さらに、アクリル系共重合体水分散液B:100部(固形分)に対して、架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤(商品名「WS−700」日本触媒科学工業株式会社製)を4部添加して、アクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液E」と称する場合がある)を得た。
アクリル系粘着剤水分散液Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを作製し、また、評価サンプルを作製した。
(実施例6)
実施例2と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Bを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Bを得た。
実施例2と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Bを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Bを得た。
次に、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器を用い、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(商品名「VA−057」和光純薬工業株式会社製):0.1部と、イオン交換水:33部とを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。それを60℃に保ち、その中に、アクリル酸2−エチルヘキシル:98部、アクリル酸:2部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):1.2部、およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤):2部をイオン交換水:33部に添加して乳化したものを、3時間かけて滴下して乳化重合反応を行った後、さらに、3時間熟成して、重量平均分子量が1万のアクリル系水分散型低分子量成分(「アクリル系水分散型低分子量成分D」と称する場合がある)を得た。このアクリル系水分散型低分子量成分Dを含む反応混合液に、10%のアンモニア水を添加し、pHを8に調整して、アクリル系水分散型低分子量成分Dが水に分散した形態のアクリル系水分散型低分子量成分の水分散液(「アクリル系低分子量成分水分散液D」と称する場合がある)を得た。
アクリル系共重合体水分散液B:100部(固形分)に対して、アクリル系低分子量成分水分散液Dを30部(固形分)配合し、さらに、アクリル系共重合体水分散液B:100部(固形分)に対して、架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤(商品名「WS−700」日本触媒科学工業株式会社製)を4部添加して、アクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液F」と称する場合がある)を得た。
アクリル系粘着剤水分散液Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを作製、また、評価サンプルを作製した。
(比較例1)
実施例1と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Aを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Aを得た。アクリル系共重合体水分散液A:100部(固形分)に対して、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」三菱ガス化学株式会社製)を0.15部添加して、アクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液G」と称する場合がある)を得た。
実施例1と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Aを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Aを得た。アクリル系共重合体水分散液A:100部(固形分)に対して、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」三菱ガス化学株式会社製)を0.15部添加して、アクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液G」と称する場合がある)を得た。
アクリル系粘着剤水分散液Gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを作製し、また、評価サンプルを作製した。
(比較例2)
実施例2と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Bを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Bを得た。アクリル系粘着剤水分散液として、アクリル系低分子量成分水分散液Aを使用しない以外は、実施例2と同様にしてアクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液H」と称する場合がある)を得た。アクリル系粘着剤水分散液として、このアクリル系粘着剤水分散液Hを用いたこと(すなわち、アクリル系粘着剤水分散液としてアクリル系共重合体水分散液Bをそのまま用いたこと)以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを作製し、また、評価サンプルを作製した。
実施例2と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Bを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Bを得た。アクリル系粘着剤水分散液として、アクリル系低分子量成分水分散液Aを使用しない以外は、実施例2と同様にしてアクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液H」と称する場合がある)を得た。アクリル系粘着剤水分散液として、このアクリル系粘着剤水分散液Hを用いたこと(すなわち、アクリル系粘着剤水分散液としてアクリル系共重合体水分散液Bをそのまま用いたこと)以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを作製し、また、評価サンプルを作製した。
(比較例3)
実施例1と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Aを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Aを得た。アクリル系共重合体水分散液A:100部(固形分)に対して、架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤(商品名「エポクロスWS−700」日本触媒株式会社製)を5部添加して、アクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液I」と称する場合がある)を得た。
実施例1と同様にして、アクリル系水分散型共重合体Aを得るとともに、アクリル系共重合体水分散液Aを得た。アクリル系共重合体水分散液A:100部(固形分)に対して、架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤(商品名「エポクロスWS−700」日本触媒株式会社製)を5部添加して、アクリル系粘着剤水分散液(「アクリル系粘着剤水分散液I」と称する場合がある)を得た。
アクリル系粘着剤水分散液Iを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを作製し、また、評価サンプルを作製した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた評価サンプルについて、基材密着性、保持力、粘着力を、下記の方法(基材密着性の評価方法、保持力の測定方法、粘着力の測定方法)により測定又は評価した。その結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた評価サンプルについて、基材密着性、保持力、粘着力を、下記の方法(基材密着性の評価方法、保持力の測定方法、粘着力の測定方法)により測定又は評価した。その結果を表1に示す。
(基材密着性の評価方法)
評価サンプルにおいて、発泡体製基材(ポリエチレンフォーム製基材)上に転写された粘着剤層を、指で10往復擦り、その際の粘着剤の脱落具合を目視で観察して、基材密着性を下記の評価基準により評価する。
(基材密着性の評価基準)
○:粘着剤が発泡体製基材から脱落していない。
△:粘着剤が発泡体製基材から少々脱落しているが、実用上問題ないレベルである。
×:粘着剤が脱落している。
評価サンプルにおいて、発泡体製基材(ポリエチレンフォーム製基材)上に転写された粘着剤層を、指で10往復擦り、その際の粘着剤の脱落具合を目視で観察して、基材密着性を下記の評価基準により評価する。
(基材密着性の評価基準)
○:粘着剤が発泡体製基材から脱落していない。
△:粘着剤が発泡体製基材から少々脱落しているが、実用上問題ないレベルである。
×:粘着剤が脱落している。
(保持力の測定方法)
評価サンプルを、10mm幅で100mm長さのサイズにカットした。10mm幅×100mmの評価サンプルを、被着体としてのベニヤ板に10mm幅×20mmの接着面積で2kgのローラーを1往復させる方法で圧着し、40℃で1時間放置した後、端部に200gの荷重をかけ、JIS Z 0237に準じて、40℃1時間後における圧着時からのずれを測定し、40℃1時間後のずれの大きさ(距離)で保持力を評価した。
評価サンプルを、10mm幅で100mm長さのサイズにカットした。10mm幅×100mmの評価サンプルを、被着体としてのベニヤ板に10mm幅×20mmの接着面積で2kgのローラーを1往復させる方法で圧着し、40℃で1時間放置した後、端部に200gの荷重をかけ、JIS Z 0237に準じて、40℃1時間後における圧着時からのずれを測定し、40℃1時間後のずれの大きさ(距離)で保持力を評価した。
(粘着力の測定方法)
評価サンプルを、20mm幅で100mm長さのサイズにカットした。20mm幅×100mmの評価サンプルを、下記被着体に2kgのローラーを1往復させる方法で圧着し、下記の放置条件で放置させた後、JIS Z 0237法に準じ、引張試験機を使用して、引張り速度:300mm/分、剥離角度:180°で(測定環境:23℃、50%RH)、引き剥がして、その剥離に要する力(180°剥離力)(N/20mm)を測定して、粘着力を評価した。
被着体:石膏ボード(日本テストパネル株式会社製)
放置条件:23℃×20分
評価サンプルを、20mm幅で100mm長さのサイズにカットした。20mm幅×100mmの評価サンプルを、下記被着体に2kgのローラーを1往復させる方法で圧着し、下記の放置条件で放置させた後、JIS Z 0237法に準じ、引張試験機を使用して、引張り速度:300mm/分、剥離角度:180°で(測定環境:23℃、50%RH)、引き剥がして、その剥離に要する力(180°剥離力)(N/20mm)を測定して、粘着力を評価した。
被着体:石膏ボード(日本テストパネル株式会社製)
放置条件:23℃×20分
表1より明らかなように、実施例では、架橋剤の種類を限定しなくても、転写塗工する場合でも、発泡体製基材への密着性に優れ、且つ良好な粗面接着性と、保持力とを有する粘着シートが作製されていることが確認された。
なお、実用上、保持力は落下がないことが好ましく、一方、粘着力は7N/20mm以上であることが好ましい。
11〜14 粘着シート類
2 発泡体製基材
3 粘着剤層
4 剥離ライナー
2 発泡体製基材
3 粘着剤層
4 剥離ライナー
Claims (6)
- 基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された構成を有している粘着シート類であって、基材がオレフィン系樹脂製の発泡体製基材であるとともに、粘着剤層が、(a)アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とし、且つモノマー成分として官能基含有モノマーを含んでおり、さらに重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系水分散型共重合体と、(b)重量平均分子量が5000〜25万であるアクリル系水分散型低分子量成分とを含有するアクリル系水分散型粘着剤組成物により形成されていることを特徴とする粘着シート類。
- 前記アクリル系水分散型粘着剤組成物が、架橋剤を更に含有する請求項1記載の粘着シート類。
- 前記架橋剤の使用量が、前記アクリル系水分散型共重合体(a)100重量部に対して0.005〜10重量部である請求項2記載の粘着シート類。
- 前記架橋剤が、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アミン系架橋剤、シランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1の架橋剤である請求項2または3記載の粘着シート類。
- アクリル系水分散型粘着剤組成物が、アクリル系水分散型低分子量成分(b)を、アクリル系水分散型共重合体(a)に対して10〜50重量%の割合で含有している請求項1〜4の何れか1項記載の粘着シート類。
- 両面粘着シートである請求項1〜5の何れか1項記載の粘着シート類。
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