JP5496953B2 - 液晶配向剤及びこの液晶配向剤で製造された液晶配向膜、液晶表示素子 - Google Patents
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Description
ポリマーの合成方法については特に制限は無い。ポリマーは例えば、有機溶媒中でジアミン化合物とビスマレイミド化合物とを重合するといった一般的な合成方法により得られる。重合を促進するために、適当な量の触媒を用いることが好ましい。重合促進に適した触媒の例として、氷酢酸、酢酸、プロピオン酸などが挙げられる。
本発明に用いられるジアミン化合物は、脂肪族ジアミン化合物、脂環式ジアミン化合物、芳香族ジアミン化合物、又はその他のジアミン化合物を含む。
ビスマレイミド化合物の製造方法については特に限定は無い。ビスマレイミド化合物は通常、無水マレイン酸系誘導体とジアミン化合物を有機溶媒中で反応させ、更にイミド化処理を行うことによって合成される。
本発明の液晶配向剤に用いる有機溶媒の例として、N‐メチル‐2‐ピロリドン、γ‐ブチロラクトン、γ‐ブチロラクタム、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、4‐ヒドロキシ‐4‐メチル‐2‐ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノ‐n‐プロピルエーテル、エチレングリコールモノ‐i‐プロピルエーテル、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル(即ち、ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
本発明の液晶配向剤には、基板に対する接着度、また摩耗抵抗を改善するために、液晶配向剤の好ましい特性を損なわない範囲で、官能性シランを含む化合物やエポキシ基を含む化合物のような添加剤を加えてもよい。
本発明の液晶配向剤はポリマーと任意添加物を有機溶媒に溶解させることで得られる。
本発明の液晶配向剤は、透明導電膜が設けられている基板一面にロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法などの方法で塗布され、その後加熱して塗膜が形成される。
二枚の基板にそれぞれ形成された上述の液晶配向膜は、互いに所定の間隔(セルギャップ)をおいて向き合うように配置される。二枚の基板の周辺部はシール剤で張り合わせて、これら基板の表面とシール剤で区画されたセルギャップに液晶が充填された後、注入口が封止されて液晶セルが形成される。そして、この液晶セルの外表面(すなわち、液晶セルを形成している基板の他面)に偏光板が貼り付けられ、液晶表示素子を得る。
以下の実施例は本発明の好ましい実施形態を示すものであって、発明の範囲を限定するように解釈されるべきものではない。
[合成例1]
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、N,N’‐4,4’‐ジフェニルメタンビスマレイミド(以下、DPM−BMIと称する)を8.96g(0.025mol)とN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと称する)を50g加えた。DPM−BMIがNMPに溶解するまで室温(23〜25℃)で撹拌した。そして、p‐フェニレンジアミン(以下、PDAと称する)を2.57g(0.02375mol)、C7CDAを0.61g(0.00125mol)、氷酢酸を5g、NMPを27g加え、100℃で24時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液を1500mlのメタノールに注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−1−1)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、N,N’‐m‐フェニレンビスマレイミド(以下、P−BMIと称する)を6.71g(0.025mol)とNMPを50g加えた。P−BMIがNMPに溶解するまで室温で撹拌した。そして、4,4’‐ジアミノジフェニルメタン(以下、DDMと称する)を3.97g(0.02mol)、BCDAを2.26g(0.005mol)、氷酢酸を5g、NMPを27g加え、100℃で24時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液を1500mlのメタノールに注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−1−2)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、DPM−BMIを8.96g(0.025mol)とNMPを50g加えた。DPM−BMIがNMPに溶解するまで室温で撹拌した。そして、4,4’‐ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAと称する)を4.00g(0.02mol)、上述の化学式(16)で表される化合物(以下、VEDAと称する)を2.82g(0.005mol)、氷酢酸を5g、NMPを27g加え、100℃で24時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液を1500mlのメタノールに注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−1−3)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、DPM−BMIを13.62g(0.038mol)とNMPを50g加えた。DPM−BMIがNMPに溶解するまで室温で撹拌した。そして、PDAを2.57g(0.02375mol)、C7CDAを0.61g(0.00125mol)、氷酢酸を5g、NMPを27g加え、100℃で36時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液を1500mlのメタノールに注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−1−4)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、P−BMIを6.71g(0.025mol)とNMPを50g加えた。P−BMIがNMPに溶解するまで室温で撹拌した。そして、DDMを4.16g(0.021mol)、BCDAを2.49g(0.0055mol)、氷酢酸を5g、NMPを27g加え、100℃で24時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液を1500mlのメタノールに注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−1−5)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、DPM−BMIを8.96g(0.025mol)とNMPを50g加えた。DPM−BMIがNMPに溶解するまで室温で撹拌した。そして、ODAを4.00g(0.02mol)、VEDAを2.82g(0.005mol)、氷酢酸を5g、NMPを27g加え、100℃で6時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液を1500mlのメタノールに注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−1−6)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、DPM−BMIを8.96g(0.025mol)とNMPを50g加えた。DPM−BMIがNMPに溶解するまで室温で撹拌した。そして、PDAを5.14g(0.0475mol)、C7CDAを1.23g(0.0025mol)、氷酢酸を5g、NMPを27g加え、100℃で24時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液を1500mlのメタノールに注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−2−1)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、DPM−BMIを26.88g(0.075mol)とNMPを50g加えた。DPM−BMIがNMPに溶解するまで室温で撹拌した。そして、PDAを2.16g(0.02mol)、BCDAを2.26g(0.005mol)、氷酢酸を5g、NMPを27g加え、100℃で48時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液をメタノールに注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−2−2)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、DPM−BMIを26.88g(0.075mol)とm‐クレゾールを167g加えた。DPM−BMIがm‐クレゾールに溶解するまで室温で撹拌した。そして、DDMを14.87g(0.075mol)、酢酸を0.75ml加え、100℃で48時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液をメタノールに注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(P−A−1)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、2,2‐ビス[4‐(4‐マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを28.53g(0.05mol)とm‐クレゾールを150g加えた。2,2‐ビス[4‐(4‐マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンがm‐クレゾールに溶解するまで室温で撹拌した。そして、オクチルアミンを6.46g(0.05mol)、酢酸を0.7g加え、100℃で30時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液をメタノールに注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−2−4)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、VEDAを2.82g(0.005mol)、PDAを4.87g(0.045mol)、NMPを80g加えた。VEDAとPDAがNMPに溶解するまで室温で撹拌した。そして、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAと称する)を10.91g(0.05mol)、NMPを20g加え、室温で2時間反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液を1500mlの水に注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−2−5)を得た。
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、撹拌器、加熱器、冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、VEDAを5.64g(0.01mol)、PDAを4.33g(0.04mol)、NMPを68g加えた。VEDAとPDAがNMPに溶解するまで60℃で撹拌した。そして、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−コハク酸二無水物(以下、TDAと称する)を15.01g(0.05mol)、NMPを30g加え、室温で6時間反応を行わせた。更に、NMPを97g、無水酢酸を5.61g、ピリジンを19.75g加えた。60℃で2時間撹拌し、イミド化反応を行わせた。その後、ポリマーを沈殿させるため、反応溶液を1500mlの水に注いだ。ろ過後に得られたポリマーを真空オーブンで60℃の温度で乾燥させ、ポリマー(A−2−6)を得た。
以下の実施例と比較例において、液晶配向剤と液晶表示素子を調製し、次の評価方法によって評価した。
1.粘度:
以下の実施例と比較例においてそれぞれ調製済みの液晶配向剤の粘度をE型回転粘度計(東機産業株式会社製、TV−22型粘度計)を用いて25℃で6rpmの条件で測定した。結果を表1に示す。なお、単位はcpsである。
各調製済み液晶配向剤を印刷法によって基板上に塗布するとともに、プレベーク処理とポストベーク処理を行った。ピンホールやその他の欠陥(例えば不均一な膜厚など)といった何らかの塗布欠陥の有無について、塗膜の表面を顕微鏡を用いて確認した。
○ :塗膜の表面が滑らかで、塗布欠陥も無い。
△ :塗膜の表面に少数のピンホール欠陥及び/又は軽微な塗布欠陥がある。
× :塗膜の表面に多数のピンホール欠陥及び/又は大きな塗布欠陥がある。
××:塗膜を形成できない、又は非常に多くのピンホール欠陥及び/又は極度に大きな塗布欠陥がある。
「T.J.Scheffer,et.al.,J.Appl.Phys.,vol.19,2013(1980)」に記載の方法に基づき、He−Neレーザー光を用いた結晶回転法で液晶配向膜のプレチルト角を測定した。該測定には、中央精機株式会社製、型番はOMS−CM4RDを使用した。
○:プレチルト角変動 < 5%
△:プレチルト角変動が5〜10%
×:プレチルト角変動 > 10%
「T.J.Scheffer,et.al.,J.Appl.Phys.,vol.19,2013(1980)」に記載の方法に基づき、He−Neレーザー光を用いた結晶回転法で液晶配向膜のプレチルト角を測定した。該測定には、中央精機株式会社製、型番はOMS−CM4RDを使用した。
○:プレチルト角変動 < 5%
×:プレチルト角変動 ≧ 5%
10.0V直流電圧を、製造した液晶セルに対し48時間印加した後、電圧を切り、残像が生じるか否か目視を行った。表1中の各記号の意味は以下の通りである。
○:残像現象が発生しなかった
×:残像現象が発生した
合成例1で得られた100重量部のポリマー(A−1−1)を785重量部のNMPと785重量部のエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(以下、BCと称する)の共溶媒に室温で溶解させ、配向剤溶液を得た。
実施例2〜6は、実施例1と同一の方法により、表1に示すポリマー、有機溶媒、及び/又は添加剤を用いて行われた。実施例2〜6によって得られた液晶配向剤と液晶表示素子を上述の評価方法に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。なお、実施例2、3、5、6においてはMVA型の液晶配向剤を使用しており配向処理は省略されている。
比較例1〜6は、実施例1と同一の方法により、表1に示すポリマー、及び有機溶媒を用いて行われた。比較例1〜6によって得られた液晶配向剤と液晶表示素子を上述の評価方法に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。なお、比較例2と比較例6においては、MVA型の液晶配向剤を使用しており配向処理は省略されている。
Claims (6)
- 式(I)で表される繰り返し単位を有するポリマーと、
有機溶媒と、
を含み、
前記ポリマーは、ジアミン化合物とビスマレイミド化合物とを重合させて得られ、
前記ジアミン化合物は、式(I−1)〜(I−5)で表される化合物および式(1)〜(7)で表される化合物からなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物を含み、
25℃において5〜40cpsの範囲の粘度を有することを特徴とする液晶配向剤。
- 25℃において8〜35cpsの範囲の粘度を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶配向剤。
- 前記有機溶媒は、100重量部の前記ポリマーに対して、400〜10000重量部用いることを特徴とする請求項1に記載の液晶配向剤。
- 前記有機溶媒は、100重量部の前記ポリマーに対して、500〜5000重量部用いることを特徴とする請求項3に記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤によって製造されたことを特徴とする液晶配向膜。
- 請求項5に記載の液晶配向膜を備えることを特徴とする液晶表示素子。
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