JP5494197B2 - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付転がり軸受ユニット Download PDF

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この発明は、自動車の車輪(駆動輪)を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する為の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの改良に関する。具体的には、カバーに形成した水抜き孔を通じてエンコーダ及びセンサの検出部を設置した空間内に泥水等の異物が浸入する事を抑制できると共に、この空間内に浸入した異物を外部空間に効率良く排出できる構造を実現するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するのに、転がり軸受ユニットを使用する。又、アンチロックブレーキシステム(ABS)或いはトラクションコントロールシステム(TCS)を制御する為には、車輪の回転速度を検出する必要がある。この為、上記転がり軸受ユニットに回転速度検出装置を組み込んだ回転速度検出装置付転がり軸受ユニットにより、上記車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する事が、近年広く行われる様になっている。
この様な目的で使用される回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの1例として、特許文献1には、図10に示す様な構造が記載されている。この従来構造の第1例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1は、転がり軸受ユニット2と、回転速度検出装置3とを組み合わせて成る。このうちの転がり軸受ユニット2は、外輪4とハブ5と複数個の転動体6、6とを備える。
このうちの外輪4は、内周面に複列の外輪軌道7、7を、外周面に静止側フランジ8を、それぞれ有する。そして、使用状態で上記外輪4は、懸架装置を構成する図示しないナックルに支持されて回転しない。又、上記ハブ5は、ハブ本体9と内輪10とを組み合わせて成るもので、外周面に複列の内輪軌道11、11を有し、上記外輪4の内径側にこの外輪4と同心に支持されている。又、上記ハブ本体9の軸方向外端部(軸方向に関して外とは、懸架装置に組み付けた状態で車体の幅方向外寄りとなる側を言い、反対に軸方向に関して内とは、車体の幅方向中央寄りとなる側を言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)で、上記外輪4の軸方向外端開口部よりも軸方向外方に突出した部分には、車輪を支持する為の回転側フランジ12を設けている。又、上記ハブ本体9の中心部には、等速ジョイント用外輪13の軸方向外端面に固設した駆動軸をスプライン係合する為の、スプライン孔14を設けている。又、上記各転動体6、6は、上記両外輪軌道7、7と上記両内輪軌道11、11との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられている。
又、上記外輪4の軸方向外端開口部と上記ハブ本体9の軸方向中間部外周面との間に、シールリング15を設けている。このシールリング15は、上記各転動体6、6を設置した転動体設置空間16の軸方向外端開口を塞ぎ、この空間16内のグリースが外部空間に漏洩したり、或いは外部空間に存在する異物がこの空間16内に浸入する事を防止する。一方、上記内輪10の軸方向内端部外周面で、この内輪10に形成した軸方向内側の内輪軌道11から軸方向内側に外れた部分と、上記外輪4の軸方向内端部内周面との間に、組み合わせシールリング17を設けて、上記空間16の軸方向内端開口を塞いでいる。
又、上記外輪4の軸方向内端部には、カバー18を外嵌固定している。このカバー18は、金属板をプレス成形する事により全体を円環状に構成したもので、その軸方向内端部内周縁部に弾性材製のシール材19を添設している。そして、このシール材19に形成した複数のシールリップの先端縁を、上記等速ジョイント用外輪13の軸方向外端部外周面及び段差面に、それぞれ全周に亙り摺接させている。
一方、前記回転速度検出装置3は、エンコーダ20とセンサ21とにより構成している。このうちのエンコーダ20は、被検出面である軸方向内側面の特性を、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させたもので、上記ハブ5と同心に支持固定されて、このハブ5と共に回転する。図示の例では、永久磁石製で、軸方向内側面にS極とN極とを交互に配置したエンコーダ20を、上記組み合わせシールリング17を構成するスリンガ22の軸方向内側面に添着固定している。又、上記センサ21は、ホール素子、磁気抵抗素子等の磁気検出素子を検出部に設置したもので、上記カバー18に支持固定している。そして、この状態で上記センサ21の検出部を、上記エンコーダ20の軸方向内側面に対向させている。又、これらエンコーダ20及びセンサ21の検出部を設置したセンシング空間23のうち、軸方向内端開口は上記シール材19により塞いでおり、軸方向外端開口は上記組み合わせシールリング17により塞いでいる。
上述の様に構成する従来構造の第1例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1によれば、上記ハブ5に固定した車輪を、前記外輪4を支持した懸架装置に対し回転自在に支持できる。又、車輪の回転に伴って上記ハブ5と共に上記エンコーダ20が回転すると、上記センサ21の検出部の近傍を、このエンコーダ20の被検出面に存在するN極とS極とが交互に通過する。この結果、上記センサ21を構成する磁気検出素子内を流れる磁束の方向が交互に変化し、この磁気検出素子の特性が交互に変化する。この様に磁気検出素子の特性が変化する周波数は、上記ハブ5の回転速度に比例するので、上記センサ21の検出信号を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。更に、上記従来構造の第1例の場合には、上記カバー18に添設したシール材19により、上記センシング空間23を外部空間から遮断できる。この為、上記エンコーダ20の軸方向内側面と上記センサ21の検出部との間に、砂や小石等の異物が噛み込まれる事を防止できて、上記エンコーダ20及び上記センサ21が損傷する事を防止できる。従って、回転速度検出の信頼性を確保できて、ABSやTCSを適切に制御できる。
但し、上述した様な従来構造の第1例の場合にも、上記シール材19と前記等速ジョイント用外輪13との間の微小隙間、或いは、上記カバー18と上記外輪4との間の微小隙間を通じて、上記センシング空間23に水分や微細粒子等の異物が浸入する可能性がある。この為、長期間に亙る使用に伴って、上記センシング空間23に異物が堆積する可能性があり、回転速度検出の信頼性を低下させる可能性がある。
これに対して、特許文献2〜4には、この様な問題を解決できる回転速度検出装置付転がり軸受ユニットが開示されている。図11は、このうちの特許文献2に記載された、従来構造の第2例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1aを示している。この従来構造の第2例の場合、外輪4の軸方向内端部に固定したカバー18aの一部で、使用状態で下端に位置する部分に、水抜き孔24を設けている。具体的には、上記カバー18aを、上記外輪4の軸方向内端部に外嵌固定する為の大径筒部25と、この大径筒部25の軸方向内端部から径方向内方に向け直角に折れ曲がった円輪状の側壁部26と、この側壁部26の径方向内端部から軸方向内方に向け直角に折れ曲がった小径筒部27とから構成している。そして、このうちの大径筒部25の軸方向内半部に、この大径筒部25の内外両周面同士を連通する状態で、上記水抜き孔24を形成している。
この様な構成を有する従来構造の第2例の場合、センシング空間23に浸入した水分や微細粒子等の異物を、上記水抜き孔24を通じて外部空間に排出できる。従って、上記センシング空間23内に異物が堆積する事を防止できて、回転速度検出の信頼性が低下する事を防止できる。尚、図示は省略するが、上記特許文献3、4に記載された発明の構造の場合にも、カバーのうちで、使用状態でこのカバーの下端に位置する部分に、水抜き孔を設けている。この為、上記従来構造の第2例の場合と同様に、センシング空間内に浸入した異物を外部空間に排出できる。
ところが、上記従来構造の第2例の構造を含め、上記特許文献2〜4に記載された何れの構造も、水抜き孔を通じて異物を外部空間に排出する事のみを意図しており、この水抜き孔を通じて外部空間から異物が浸入する事に就いては、特段考慮していない。即ち、車両の走行時に跳ね上げられる泥水等の異物のうち、カバーに向けて飛散する異物の多くは、このカバーに対して下方から接近するが、例えば上記従来構造の第2例の場合には、図11からも明らかな通り、カバー18aを車両の下方から見た場合に、水抜き孔24の開口部全体が露出する。この為、車両の走行時に跳ね上げられた泥水等の異物が、この水抜き孔24を通じてセンシング空間23内に浸入し易くなる。従って、エンコーダ20の軸方向内側面及びセンサ21の検出部に異物が付着する可能性があり、回転速度検出の信頼性低下を招く可能性がある。又、上記特許文献3、4に記載された何れの構造の場合にも、カバーを車両の下方から見た場合に、水抜き孔の開口部全体が露出する為、上記従来構造の第2例の場合と同様の問題を生じる。
この様な事情に鑑みて、本発明者等は、先ず図12〜17に示した様な、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1bを発明した。以下、この先発明に係る回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1bを構成するカバー18bの構造、及び、このカバー18bに形成した水抜き孔24aの構造を中心に説明する。その他の部分の構造に就いては、前述した従来構造の第1例及び第2例、並びに、後述する本発明の実施の形態の各例の構造とほぼ同様である為、同等部分には同一符号を付して、ここでの詳しい説明は省略する。
先発明に係る構造の場合、上記カバー18bを、大径筒部28と、外径側側壁部29と、中径筒部30と、内径側側壁部31と、小径筒部32とから構成している。このうちの大径筒部28は、外輪4の軸方向内端部に外嵌固定されている。又、上記外径側側壁部29は、上記大径筒部28の軸方向内端部から径方向内方に向けてほぼ直角に折れ曲がる状態で形成されており、その軸方向外側面を円周方向の一部(使用状態で上端及び下端に位置する部分)を除いて、上記外輪4の軸方向内端面に突き当てている。又、上記中径筒部30は、上記外径側側壁部29の径方向内端部から軸方向内方に向けてほぼ直角に折れ曲がる状態で形成されている。又、上記内径側側壁部31は、上記中径筒部30の軸方向内端部から径方向内方に向けてほぼ直角に折れ曲がる状態で形成されている。更に、上記小径筒部32は、上記内径側側壁部31の径方向内端部から軸方向外方に向けてほぼ直角に折れ曲がる状態で形成されており、上記中径筒部30の径方向内方に位置する。
そして、この様な構成を有する上記カバー18bのうち、使用状態で下端に位置する部分に、水抜き孔24aを設けている。具体的には、上記カバー18bを構成する外径側側壁部29のうちで、使用状態で下端に位置する部分を軸方向内方に膨出させる事により膨出部33を形成し、この膨出部33の内外両側面同士を連通する状態で、上記水抜き孔24aを形成している。
この様な構成を有する先発明に係る構造の場合、図14に示した様に、上記カバー18bを車両の下方から見た場合にも、上記水抜き孔24aの開口部が露出する事はない。この為、車両の走行時に跳ね上げられる泥水等の異物が、上記水抜き孔24aを通じてセンシング空間23内に浸入しにくくなる。又、タイヤの回転によって引き起こされるタイヤ回りの風に乗って、スパイラル状の動きをする水滴に関しても、上記膨出部33の外周側面が覆われているので、センシング空間23内に浸入しにくくなる。尚、上記図15には、上記膨出部33の円周方向両側面を、軸方向内方にほぼ直角に立ち上げた構造を示しているが、この部分の形状に就いては、例えば図16及び図17の(A)に示した様に、水抜き孔24aの開口部の幅が軸方向内方に向かう程狭くなる方向に傾斜させた傾斜面としても良いし、図17の(B)に示した様な曲面状としても良い。この様に傾斜面或いは曲面とする事により、空気の流れを整流すれば、水滴の浸入防止効果をさらに高める事ができる。但し、この様な構成を有する先発明に係る構造の場合には、上記カバー18bに膨出部33を形成する必要がある為、このカバー18bを構成する材料として、延性の高い材料を使用する必要があり、材料選択の自由度が低くなると共に加工コストが嵩む原因となる。又、この様な材料で造ったカバー18bは、外輪4に対する嵌合強度を十分に確保しにくくなり、現実的に実施する事は難しい。
特開2005−90638号公報 特開2008−175382号公報 特開2005−140320号公報 特開2005−331429号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、泥水等の異物が、カバーに形成した水抜き孔を通じてエンコーダ及びセンサの検出部を設置したセンシング空間内に浸入する事を抑制できると共に、浸入した異物を外部空間に効率良く排出できる、実用的な回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを実現すべく発明したものである。
本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、前述した従来から知られている回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様に、外輪と、ハブと、複数個の転動体と、エンコーダと、カバーと、センサと、シールリング、組み合わせシールリングとを備える。
このうちの外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有し、使用状態で、ナックル等の懸架装置に支持されて回転しない。
又、上記ハブは、外周面に複列の内輪軌道を、中心部に等速ジョイントの駆動軸をスプライン係合させる為のスプライン孔を、それぞれ有し、上記外輪の内径側にこの外輪と同心に支持されたもので、外周面のうちでこの外輪の軸方向外端部よりも軸方向外方に突出した部分に、車輪を支持する為の回転側フランジを設けている。
又、上記各転動体は、上記両外輪軌道と上記両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ、転動自在に設けられている。
又、上記エンコーダは、円環状で、軸方向内側面の磁気特性を円周方向に関して交互に変化させて成り、上記ハブの軸方向内端寄り部分にこのハブと同心に支持されている。
又、上記カバーは、円環状で、上記外輪の軸方向内端部で上記エンコーダと対向する部分に支持固定されている。
又、上記センサは、上記カバーに支持されて、その検出部を上記エンコーダの軸方向内側面(被検出面)に対向させている。
、上記シールリングは、上記ハブの軸方向内端部の外周面に形成された小径段部に外嵌固定され、上記カバーとこのハブとの間に設けられ、上記エンコーダ及び上記センサの検出部を設置したセンシング空間を外部空間から遮断する。
更に、上記組み合わせシールリングは、上記外輪の軸方向内端部内周面と上記ハブの軸方向内端寄り部分の外周面との間で、上記各転動体を設置した転動体設置空間と上記センシング空間とを遮断する。
特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いては、上記カバーを、上記外輪の軸方向内端部に外嵌固定する為の大径筒部と、この大径筒部の軸方向内端部から径方向内方に向け折れ曲がる状態で形成され、その軸方向外側面を上記外輪の軸方向内端面に突き当てた外径側側壁部と、この外径側側壁部の径方向内端部から軸方向内方に向け折れ曲がる状態で形成された中径筒部と、この中径筒部の軸方向内端部から径方向内方に向け折れ曲がる状態で形成された内径側側壁部と、この内径側側壁部の径方向内端部から軸方向外方に向け折れ曲がる状態で形成され、上記中径筒部の径方向内方に位置し、その内周面を上記シールリングを構成する弾性材製のシール材の先端縁を全周に亙って摺接させる為のシール面とした小径筒部とを備えたものとする。
そして、使用状態で上記カバーの下端に位置する部分のうち、上記中径筒部と上記外径側側壁部とを跨ぐ部分に、上記センシング空間内に浸入した異物を外部空間に排出する為の水抜き孔を設ける。又、この水抜き孔のうちで、上記外径側側壁部に開口した部分の下端部を、この外径側側壁部の径方向中間部に位置させ、且つ、上記外輪の軸方向内端部内周面の下端部よりも下方に位置させる。そして、上記外径側側壁部のうちで、上記水抜き孔の開口部分よりも径方向外側に位置する部分に、覆い部を設ける。
上述の様な構成を有する本発明によれば、泥水等の異物が、カバーに形成した水抜き孔を通じてエンコーダ及びセンサの検出部を設置したセンシング空間内に浸入する事を抑制できると共に、浸入した異物を外部空間に効率良く排出できる、実用的な回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを実現できる。
即ち、本発明の場合には、水抜き孔を、使用状態でカバーの下端に位置する部分のうち、中径筒部と外径側側壁部とを跨ぐ部分に形成すると共に、この外径側側壁部に開口した部分の下端部を、この外径側側壁部の径方向中間部に位置させて、外周縁部にまで達しない様にしている。この為、本発明のカバーを車両の下方から見た場合に、上記水抜き孔のうちで上記外径側側壁部に開口した部分は、覆い部により覆われて露出する事はない。又、上記カバーを軸方向内方から見た場合に、この外径側側壁部に開口した部分は、外輪の軸方向内端面によって塞がれている。この為、車両の走行時に跳ね上げられた泥水等の異物が、上記外径側側壁部の開口部分を通じて、エンコーダ及びセンサの検出部を設置したセンシング空間内に浸入しにくくなる。
又、上記水抜き孔のうちで上記カバーを構成する中径筒部に開口した部分の径方向内方には、このカバーを構成する小径筒部が存在する為、この中径筒部の開口部分から浸入した異物は、この小径筒部の外周面により跳ね返されたり、この小径筒部の外周面に付着した後、垂れ落ちる等により、外部空間に排出される。この為、上記中径筒部の開口部分を通じても、やはり泥水等の異物は上記センシング空間内に浸入しにくくなる。
この様に、本発明の場合には、上記水抜き孔を通じて上記センシング空間内に異物が浸入する事を抑制できる。
更に、本発明の場合には、上記水抜き孔のうちで上記外径側側壁部に開口した部分の下端部を、上記外輪の軸方向内端部内周面の下端部よりも下方に位置させている為、この外輪の軸方向内端部内周面と上記外径側側壁部の軸方向外側面との間に異物が溜まる事を有効に防止できて、重力の作用等を利用して、異物を効率良く外部空間に排出できる。
しかも、本発明の場合には、前述した先発明の構造の場合の様に、カバーの一部に水抜き孔を形成する為の膨出部を形成する必要がない為、このカバーを構成する材料の選択の自由度が低下する事を防止できると共に、加工コストが嵩む事も防止できる。又、上記カバーを上記外輪に対して、十分に大きな嵌合強度で固定できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 図1のA部拡大図。 同じくカバー及びセンサを取り出して示す断面図。 同じく図3の右方から見た図。 同じくカバーを図4の下方から見た図。 同じくカバーの下端寄り部分を示す斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図6と同様の図。 同じく第3例を示す、図2と同様の図。 同じく内輪の外周面に研削加工を施す状態を示す断面図。 回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの従来構造の第1例を示す断面図。 同じく第2例を示す断面図。 先発明に係る回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを示す断面図。 同じくカバー及びセンサを取り出して図12の右方から見た図。 同じくカバーを図13の下方から見た図。 同じくカバーの下端寄り部分を示す斜視図。 同じくカバーを構成する膨出部のうち、水抜き孔の円周方向両側部分の形状を工夫した例を示す、図15に相当する図。 同じく水抜き孔の円周方向両側部分の形状の2例を示す断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜6は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1cの特徴は、エンコーダ20及びセンサ21の検出部を設置したセンシング空間23を軸方向内方から覆うカバー18cの構造、及び、このカバー18cに形成した水抜き孔24bの構造にある。その他の部分の構造及び作用・効果に就いては、前述の図10〜11に示した構造を含めて、従来から広く知られている構造とほぼ同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。以下、本例の特徴部分、及び、前述した先発明に係る構造と重複する構造のうち、先に説明しなかった部分を中心に説明する。
本例に使用する上記カバー18cは、非磁性のステンレス鋼等の金属製であり、先発明に係る構造の場合と同様に、大径筒部28aと、外径側側壁部29aと、中径筒部30aと、内径側側壁部31aと、小径筒部32aとから成る。このうちの大径筒部28aは、転がり軸受ユニット2aを構成する外輪4の軸方向内端部に外嵌固定されている。又、上記外径側側壁部29aは、上記大径筒部28aの軸方向内端部から径方向内方に向けてほぼ直角に折れ曲がる状態で形成されており、その軸方向外側面を円周方向の一部(使用状態で上端に位置する部分)を除いて、上記外輪4の軸方向内端面に突き当てている。又、上記中径筒部30aは、上記外径側側壁部29aの径方向内端部から軸方向内方に向けてほぼ直角に折れ曲がる状態で形成されている。又、上記内径側側壁部31aは、上記中径筒部30aの軸方向内端部から径方向内方に向けてほぼ直角に折れ曲がる状態で形成されている。更に、上記小径筒部32aは、上記内径側側壁部31aの径方向内端部から軸方向外方に向けてほぼ直角に折れ曲がる状態で形成されており、上記中径筒部30aの径方向内方に位置する。又、この小径筒部32aの先端縁(軸方向外端縁)は、上記外径側側壁部29aの軸方向内側面よりも軸方向外方に位置し、この先端縁を後述するエンコーダ20の軸方向内側面に近接対向させて、当該部分にラビリンスシールを形成している。尚、この様な構成を有する上記カバー18cを、上記外輪4の軸方向内端部に固定する作業は、このカバー18cを構成する上記外径側側壁部29aの軸方向内側面を、例えば押圧面を合成樹脂製とした治具で押圧する事により行う。又、本例の場合には、上記カバー18cに、カチオン電着塗装等の防錆処理を施している。
又、本例の場合には、先発明に係る構造とは異なり、上記カバー18cに膨出部33(図12〜17参照)を形成する事なく、使用状態でこのカバー18cの下端に位置する部分のうち、上記中径筒部30aと上記外径側側壁部29aとを跨ぐ部分に、異物を排出可能な大きさを有する水抜き孔24bを形成している。特に本例の場合には、この水抜き孔24bのうちで、上記外径側側壁部29aに開口した部分の下端部(下辺)34を、この外径側側壁部29aの径方向中間部に位置させており、この外径側側壁部29aの外周縁部にまでは達しない(径方向に貫通しない)様にしている。この様な構成により、この外径側側壁部29aのうちで、上記水抜き孔24bの開口部分よりも径方向外側(使用状態で下側)に、この外径側側壁部29aの残部により構成される覆い部35を設けている。更に、本例の場合には、上記水抜き孔24bのうちで、上記外径側側壁部29aに開口した部分の下端部34を、上記外輪4の軸方向内端部内周面の下端部36よりも下方に位置させている。又、本例の場合には、上記水抜き孔24bのうちの下端部34を、上記外輪4の軸方向内端面から離れる程径方向外方(使用状態で下方)に向かう方向に傾斜した、傾斜面としている。
又、本例の場合、ハブ本体9と共にハブ5aを構成する内輪10aの軸方向内端部に、小径段部37を形成している。そして、この小径段部37に、シールリング38を、この小径段部37の軸方向外端部に存在する段差面46に突き当てた状態で、外嵌固定している。上記シールリング38は、略L字形の芯金39と、この芯金39の外周面に添着固定された弾性材製のシール材40とから成る。このシール材40は、1乃至複数本(図示の例では1本)のシールリップ47を備え、このシールリップ47の先端縁を、上記カバー18cを構成する小径筒部の32aの内周面であるシール面41に、全周に亙り摺接させている。この様な構成を有する上記シールリング38を上記内輪10aの小径段部37に対して外嵌固定する作業は、上記カバー18cを上記外輪4の軸方向内端部に固定した後に行う事ができる。尚、図面には、シールリップ47の先端縁の形状を自由状態で描いている。本例の場合には、この様なシールリング38を用いて、後述するエンコーダ20及びセンサ21の検出部を設置したセンシング空間23を、外部空間から遮断している。
又、上記内輪10aの外周面のうちで、この内輪10aに形成した軸方向内側の内輪軌道11と上記小径段部37との間部分に存在する肩部48と、上記外輪4の軸方向内端部内周面との間に、組み合わせシールリング17を設けている。そして、この組み合わせシールリング17を構成するスリンガ22の軸方向内側面に、被検出面である軸方向内側面の特性を、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させた、永久磁石製のエンコーダ20を添着固定している。
又、本例の場合には、ホール素子、磁気抵抗素子等の磁気検出素子を検出部に設置したアクティブ型のセンサ21を、前述の様な構成を有する上記カバー18cに支持固定している。本例の場合には、このカバー18cを構成する外径側側壁部29aのうちで、使用状態で上端に位置する部分を軸方向内方に膨出させる事により形成した保持部42内に、上記センサ21を内嵌固定している。そして、このセンサ21の検出部を、上記エンコーダ20の軸方向内側面である被検出面に対向させている。尚、上記カバー18cに対する上記センサ21の固定手段は特に問わないが、例えばモールド成形、圧入固定、接着剤を利用した接着固定、ネジ止め固定等の種々の固定手段を採用できる。又、図示の例では、上記センサ21にハーネス43の基端部を結合すると共に、このハーネス43を直径方向に取り出して、このセンサ21への電力供給、並びに、このセンサ21の検出信号の取り出しを行える様にしている。又、このハーネス43の先端部に、他のハーネス或いは制御器に接続する為のコネクタ44を設けている。但し、この様なハーネス43を省略して、上記センサ21にコネクタ44を直接固定する事もできるし、このハーネス43を軸方向内方に取り出す事もできる。
以上の様に構成する本例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1cによれば、泥水等の異物が、上記カバー18cに形成した水抜き孔24bを通じて、上記エンコーダ20及び上記センサ21の検出部を設置したセンシング空間23内に浸入する事を抑制できると共に、浸入した異物を外部空間に効率良く排出できる。
即ち、本例の場合には、上記水抜き孔24bを、使用状態で上記カバー18cの下端に位置する部分のうち、前記中径筒部30aと前記外径側側壁部29aとを跨ぐ部分に形成すると共に、この外径側側壁部29aに開口した部分の下端部(下辺)34を、この外径側側壁部29aの径方向中間部に位置させている。この為、この外径側側壁部29aのうちで、上記水抜き孔24bの開口部分よりも径方向外側(使用状態で下側)には、この外径側側壁部29aの残部により構成される覆い部35が存在する。従って、図5からも明らかな通り、上記カバー18cを車両の下方から見た場合にも、上記水抜き孔24bのうちで、上記外径側側壁部29aに開口した部分は、上記覆い部35により覆われて露出する事はない。又、上記カバー18cを軸方向内方から見た場合に、上記外径側側壁部29aに開口した部分は、前記外輪4の軸方向内端面によって塞がれている。従って、本例の場合には、車両の走行時に跳ね上げられた泥水等の異物が、上記外径側側壁部29aに開口した部分を通じて、上記センシング空間23内に浸入しにくくなる。
又、上記水抜き孔24bのうちで、上記カバー18cを構成する中径筒部30aに開口した部分の径方向内方には、このカバー18cを構成する小径筒部32aが存在する。この為、上記中径筒部30aに開口した部分から浸入した異物は、上記小径筒部32aの外周面により跳ね返されたり、この小径筒部32aの外周面に付着した後、垂れ落ちる等により、外部空間に排出される。この為、本例の場合には、上記中径筒部30aに開口した部分を通じても、やはり泥水等の異物は上記センシング空間23内に浸入しにくくなる。特に、上記小径筒部32aの先端縁を、上記外径側側壁部29aの軸方向内側面よりも軸方向外方に位置させているので、上記水抜き孔24bのうちで上記中径筒部30aに開口した部分から浸入する異物に対して、十分な浸入防止効果を発揮できる。
この様に、本例の場合には、上記水抜き孔24bを通じてこのセンシング空間23内に異物が浸入する事を抑制できる。
更に、本例の場合には、上記水抜き孔24bのうちで、上記外径側側壁部29aに開口した部分の下端部34を、上記外輪4の軸方向内端部内周面の下端部36よりも下方に位置させている。この為、この外輪4の軸方向内端部内周面と上記外径側側壁部29aの軸方向外側面との間に異物が溜まる事を有効に防止できて、重力の作用等を利用して、異物を効率良く外部空間に排出できる。更に、上記下端部34を、上記外輪4の軸方向内端面から離れる程下方に向かう方向に傾斜させた傾斜面としている為、外部空間への異物排出性をより一層向上させる事ができる。しかも、本例の場合には、前述した先発明の構造の場合の様に、上記カバー18cに水抜き孔を形成する為の膨出部33を形成する必要がない為、このカバー18cを構成する材料の選択の自由度が低下する事を防止できると共に、加工コストが嵩む事も防止できる。又、上記カバー18cを上記外輪4に対し、十分な嵌合強度で固定できる。又、本例の場合、上記小径筒部32aの先端縁と前記エンコーダ20の軸方向内側面との間にラビリンスシールを形成している為、上記水抜き孔24bを通じて浸入した異物が、前記シールリング38にまで達する事を防止できる。この為、このシールリング38を構成するシールリップ47の先端縁が早期に摩耗する事を防止できる。又、上記カバー18cを、非磁性のステンレス鋼等の非磁性材料製とすれば、上記小径筒部32aの先端縁を上記エンコーダ20の軸方向内側面に近接対向させた事で、このエンコーダ20の磁束が上記カバー18cに漏洩する事がなく、前記センサ21を構成する磁気検出素子に達する磁束の量を確保できる。この為、このセンサ21による回転速度測定の信頼性を十分に確保できる。
[実施の形態の第2例]
図7は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、カバー18dを構成する中径筒部30aと外径側側壁部29aとを跨ぐ部分に形成した水抜き孔24cの円周方向両側部分に、略三角形状の側壁部45、45を設けている。この様な側壁部45、45は、上記水抜き孔24cを形成するのと同時に、プレス加工により形成する事ができる。本例の場合には、この様な構成により、前述した先発明に係る構造の場合と同様に、空気の流れを整流する事ができて、センシング空間23(図1〜2参照)内への水滴の浸入防止効果を更に高める事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、上述した実施の形態の第1例及び前述した先発明の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
図8〜9は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、シールリング38aを、小径段部37aの軸方向外端部に設けた段差面46には突き当てずに、この小径段部37aの軸方向中間部に外嵌固定している。この様な構成を有する本例の場合、上記段差面46及び上記小径段部37aの軸方向外端寄り部分の面精度が、上記シールリング38aの取付精度に悪影響を与える事はない為、これらの面には仕上加工(研削加工)を施す必要はない。一方、内輪10bの外周面に総型砥石を用いて研削加工を施す場合、これら総型砥石と内輪10bとの干渉が問題となる。特に、この内輪10bの外周面のうちで、肩部48と上記小径段部37aの軸方向中間部乃至内端部とに同時に研削加工を施す場合、上記干渉の問題が生じ易くなる。そこで、本例の場合には、上記小径段部37aの軸方向外端寄り部分で、上記シールリング38aを外嵌する部分から軸方向外方に外れた部分に、径方向内方への凹入量を十分に確保した逃げ凹溝49を全周に亙り形成している。これにより、本例の場合には、図9に示した様なダイヤモンドホイール等から成る総型砥石50を用いて、上記内輪10bの外周面のうち、内輪軌道11、上記肩部48及び上記小径段部37aの軸方向中間部乃至内端部に、上記総型砥石50と上記内輪10bとを干渉させる事なく、同時に研削加工を施している。
又、本例の場合には、上記シールリング38aを構成する芯金39の外周面に、2本のシールリップ47a、47bを備えたシール材40aを添着固定している。これら両シールリップ47a、47bは、軸方向に関して互いに離れる方向にそれぞれ延出しており、それぞれの先端縁を、カバー18eを構成する小径筒部32bの内周面であるシール面41aに、全周に亙り摺接させている。又、上記両シールリップ47a、47b同士の間には、グリース51を保持している。
又、本例の場合にも、上記カバー18eを非磁性のステンレス鋼等の金属製としている。そして、このカバー18eを構成する小径筒部32bを、軸方向内方に向かう程外径寸法が大きくなる方向に傾斜した部分円すい筒状としている。更に、上記小径筒部32bの先端縁(軸方向外端縁)を上記カバー18eを構成する外径側側壁部29aの軸方向内側面よりも軸方向外方に位置させると共に、この先端縁を上記内輪10bに設けた段差面46の外周縁部分に近接対向させて、当該部分にラビリンスシールを形成している。
以上の様な構成を有する本例の場合、上記シールリング38aに2本のシールリップ47a、47bを設けている為、シールリップを1本しか設けない場合に比べて、泥水等の異物の浸入防止効果を向上させる事ができる。又、上記両シールリップ47a、47b同士の間にグリース51を保持している為、これら2本のシールリップ47a、47bを設けた事に起因してハブ5aの回転トルクが増大する事を防止できると共に、これら各シールリップ47a、47bの先端縁の摩耗防止を図れる。
又、上記カバー18eを構成する小径筒部32bの先端縁を、上記外径側側壁部29aの軸方向内側面よりも軸方向外方に位置させているので、上記カバー18eの下端部に形成した水抜き孔24bのうちで中径筒部30aに開口した部分から浸入する異物に対して、十分な浸入防止効果を発揮できる。又、上記小径筒部32bを、軸方向内方に向かう程外径寸法が大きくなる方向に傾斜した部分円すい筒状としている為、上記水抜き孔24bを通じてセンシング空間23内に浸入した異物を、この水抜き孔24bを通じて効率良く外部空間に排出できる。即ち、この水抜き孔24bを通じて浸入した異物は、上記小径筒部32bの外周面に付着した後、この外周面を伝って内径側側壁部31aの軸方向外側面に導かれ、重力の作用により上記中径筒部30aの内周面に達する。従って、上記水抜き孔24bのうちでこの中径筒部30aに開口した部分を通じて、上記センシング空間23に浸入した異物を効率良く外部空間に排出できる。又、本例の場合にも、上記水抜き孔24bのうちの下端部34を、外輪4の軸方向内端面から離れる程下方に向かう方向に傾斜させた傾斜面としている為、外部空間への異物排出性をより一層向上させる事ができる。
又、本例の場合には、上記小径筒部32bを部分円すい筒状とする事により、この小径筒部32の内周面であるシール面41aをテーパ状としている為、上記カバー18eを上記外輪4の軸方向内端部に外嵌固定した後、上記シールリング38aを上記小径段部37aに外嵌固定する場合にも、軸方向外方に向けて延出されたシールリング47aが捲れる事を有効に防止できる。
更に、本例の場合には、上記小径筒部32bの先端縁と上記段差面46の外周縁部分との間にラビリンスシールを形成している為、上記水抜き孔24bを通じて浸入した異物が、上記シールリング38aにまで達する事を防止できる。この為、上記各シールリップ47a、47bの先端縁が早期に摩耗する事を防止できる。又、上記カバー18eを非磁性のステンレス鋼等の非磁性材料製とすれば、上記小径筒部32bの先端縁を上記段差面46の外周縁部分に近接対向させた事で、エンコーダ20の磁束が上記カバー18eに漏洩する事がなく、センサ21(図1、3、4参照)を構成する磁気検出素子に達する磁束の量を確保できる。この為、このセンサ21による回転速度測定の信頼性を十分に確保できる。
その他の構成及び作用効果に就いては、上述した実施の形態の第1例、第2例及び前述した先発明の場合と同様である。
水抜き孔24b、24cの形状及び大きさに就いては、図示のものに限定されず、浸入した異物を排出可能な範囲で適宜変更できる。更には、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットが使用される車種や用途、更には地域等に応じて変更する事もできる。又、カバー18c〜18eを構成する材料は、外輪4の軸方向内端部を覆い、センサ21を支持すると言った、本来の目的を達成できる範囲で適宜選択できるが、カバー18c〜18eによって、エンコーダ20の被検出面である軸方向内側面から出入りする磁束の漏洩を防止する面からは、非磁性のステンレス鋼、アルミニウム合金、合成樹脂等の非磁性材料製とする事が好ましい。
1、1a〜1c 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
2、2a 転がり軸受ユニット
3 回転速度検出装置
4 外輪
5、5a ハブ
6 転動体
7 外輪軌道
8 静止側フランジ
9 ハブ本体
10、10a、10b 内輪
11 内輪軌道
12 回転側フランジ
13 等速ジョイント用外輪
14 スプライン孔
15 シールリング
16 転動体設置空間
17 組み合わせシールリング
18、18a〜18e カバー
19 シール材
20 エンコーダ
21 センサ
22 スリンガ
23 センシング空間
24、24a、24b、24c 水抜き孔
25 大径筒部
26 側壁部
27 小径筒部
28、28a 大径筒部
29、29a 外径側側壁部
30、30a 中径筒部
31、31a 内径側側壁部
32、32a、32b 小径筒部
33 膨出部
34 下端部
35 覆い部
36 下端部
37、37a 小径段部
38、38a シールリング
39 芯金
40、40a シール材
41、41a シール面
42 保持部
43 ハーネス
44 コネクタ
45 側壁部
46 段差面
47、47a、47b シールリップ
48 肩部
49 逃げ凹溝
50 総型砥石
51 グリース

Claims (1)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を有し、使用状態で懸架装置に支持されて回転しない外輪と、外周面に複列の内輪軌道を、中心部にスプライン孔をそれぞれ有し、この外輪の内径側にこの外輪と同心に支持され、外周面のうちでこの外輪の軸方向外端部よりも軸方向外方に突出した部分に車輪を支持する為の回転側フランジを設けたハブと、上記両外輪軌道と上記両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた転動体と、軸方向内側面の磁気特性を円周方向に関して交互に変化させて成り、上記ハブの軸方向内端寄り部分にこのハブと同心に支持された、円環状のエンコーダと、上記外輪の軸方向内端部でこのエンコーダと対向する部分に固定された円環状のカバーと、このカバーに支持されて、その検出部を上記エンコーダの軸方向内側面に対向させたセンサと、上記ハブの軸方向内端部に形成された小径段部に外嵌固定され、上記カバーとこのハブとの間で、上記エンコーダ及び上記センサの検出部を設置したセンシング空間を外部空間から遮断するシールリング、上記外輪の軸方向内端部内周面と上記ハブの軸方向内端寄り部分の外周面との間で、上記各転動体を設置した転動体設置空間と上記センシング空間とを遮断する組み合わせシールリングとを備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、
    上記カバーは、上記外輪の軸方向内端部に外嵌固定する為の大径筒部と、この大径筒部の軸方向内端部から径方向内方に向け折れ曲がる状態で形成され、その軸方向外側面を上記外輪の軸方向内端面に突き当てた外径側側壁部と、この外径側側壁部の径方向内端部から軸方向内方に向け折れ曲がる状態で形成された中径筒部と、この中径筒部の軸方向内端部から径方向内方に向け折れ曲がる状態で形成された内径側側壁部と、この内径側側壁部の径方向内端部から軸方向外方に向け折れ曲がる状態で形成され、上記中径筒部の径方向内方に位置し、その内周面を上記シールリングを構成する弾性材製のシール材の先端縁を全周に亙って摺接させる為のシール面とした小径筒部とを備えたものであり、
    使用状態で上記カバーの下端に位置する部分のうち、上記中径筒部と上記外径側側壁部とを跨ぐ部分に、上記センシング空間内に浸入した異物を外部空間に排出する為の水抜き孔が設けられており、この水抜き孔のうちで、上記外径側側壁部に開口した部分の下端部が、この外径側側壁部の径方向中間部に位置し、且つ、上記外輪の軸方向内端部内周面の下端部よりも下方に位置しており、上記外径側側壁部のうちで、上記水抜き孔の開口部分よりも径方向外側に位置する部分に覆い部を設けた事を特徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
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