JP6744724B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

車輪用軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6744724B2
JP6744724B2 JP2016020335A JP2016020335A JP6744724B2 JP 6744724 B2 JP6744724 B2 JP 6744724B2 JP 2016020335 A JP2016020335 A JP 2016020335A JP 2016020335 A JP2016020335 A JP 2016020335A JP 6744724 B2 JP6744724 B2 JP 6744724B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
cover
bearing device
magnetic
magnetic sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016020335A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017138242A (ja
Inventor
大介 仲
大介 仲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2016020335A priority Critical patent/JP6744724B2/ja
Publication of JP2017138242A publication Critical patent/JP2017138242A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6744724B2 publication Critical patent/JP6744724B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sealing Of Bearings (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Description

本発明は車輪用軸受装置に関する。詳しくは、回転速度検出装置を備える車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持し、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置を備えた車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置は、車輪に接続されるハブ輪が転動体を介して回転自在に支持されている。また、車輪用軸受装置の回転速度検出装置は、円周方向に異なる磁極が交互に着磁された磁気エンコーダと磁気センサとから構成されている。車輪用軸受装置は、ハブ輪に磁気エンコーダが固定され、ハブ輪と一体的に回転しない部分に磁気センサが配置されている。車輪用軸受装置は、ハブ輪と一体的に回転する磁気エンコーダが磁気センサ近傍を通過する際の磁性の変化の間隔からハブ輪に接続される車輪の回転速度を検出することができる。
このような車輪用軸受装置において、回転速度検出装置の磁気エンコーダへの飛石等による破損、泥土や磁性体等の付着による誤検出を防止するために磁気エンコーダをカバーによって保護しているものがある。車輪用軸受装置の外輪の開口部を非磁性体のカバーで覆うことで外輪の内部に磁気エンコーダを密閉するものである。このように構成することで、車輪用軸受装置は、磁気エンコーダを飛石や泥土から保護しつつ、磁気センサによって磁気エンコーダの磁性の変化を検出することができる。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の車輪用軸受装置は、外輪を構成する外方部材と、ハブ輪とハブ輪を回転自在に支持する転動体とからなる内方部材と、カバー(保護カバー)と、回転速度検出装置とを具備する。外方部材の内部には、内方部材を構成するハブ輪が転動体を介して回転自在に支持されている。ハブ輪の一側端部には、回転速度検出装置を構成する磁気エンコーダが固定されている。磁気エンコーダの検出面と対向する外方部材の開口部には、円筒状のカバーが嵌合されている。カバーの磁気エンコーダ側には、回転速度検出装置を構成する回転速度センサ(磁気センサ)が固定されている。
特許文献1に記載の回転速度センサは、保持部を介してカバーに設けられている。保持部は、カバーの内周面に沿う円弧状の側面を有し、その側面がカバーの内周面に対向するように配置されている。保持部の周方向の両端面は、カバーの軸心方向からみて保持部の中心とカバーの軸心とを結ぶ直線と略平行になるように形成されている。つまり、保持部の両端面は、軸方向視で最も近接するカバーの内周面の接線に対して鋭角になるように形成されている。このため、回転速度センサは、カバーの内周面と保持部の端面との間に粉塵や泥水等の堆積が生じ、磁気エンコータを損傷させたり摩耗させたりする可能性があった。
特開2008−157796号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、磁気センサへの粉塵や泥水等の異物の堆積、および磁気センサの検出位置と磁気エンコーダとの間での異物の噛みこみを抑制し、センサ出力を安定させることができる車輪用軸受装置の提供を目的とする。
即ち、車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記内方部材のインナー側の端部に設けられる磁気エンコーダと、前記外方部材のインナー側の開口部に嵌合されている円筒状のカバーと、検出部が前記磁気エンコーダに対向するようにして前記カバーに設けられる磁気センサと、を備えた車輪用軸受装置であって、前記外方部材の軸方向視で、前記磁気センサの検出部における前記カバーの周方向側の側面と、前記カバーの内周面と前記側面の延長線とが交差する位置での内周面の接線と、がなす角度が鈍角になるように両側の前記側面が形成されるものである。
車輪用軸受装置は、前記磁気センサの検出部における前記カバーの周方向側の両端部に前記磁気エンコーダに向かう突出部が形成されるものである。
車輪用軸受装置は、前記カバーにドライブシャフト用の連通孔が形成され、前記磁気エンコーダと前記突出部との隙間、および前記エンコーダと前記検出部との隙間のうち少なくとも一方が前記ドライブシャフトと前記連通孔の縁部との隙間よりも小さくなるように構成されるものである。
車輪用軸受装置は、前記カバーにドレーン孔が形成されるものである。
車輪用軸受装置は、前記外方部材の軸方向視で、前記磁気センサの検出部における前記カバーの周方向側の側面と、前記カバーの内周面と前記側面の延長線とが交差する位置での内周面の接線と、がなす角度が90°よりも大きい角度であるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、車輪用軸受装置によれば、磁気センサの検出部の周方向側の端面とカバーの内周面との間の空間に入り込んだ粉塵や泥水等の異物の軸心方向への移動が検出部の周方向側の端面によって阻害されにくい。すなわち、検出部の周方向側の端面とカバーの内周面との間の空間に侵入した異物が排出されやすい。これにより、磁気センサへの異物の堆積、および磁気センサの検出位置と磁気エンコーダとの間での異物の噛みこみを抑制し、センサ出力を安定させることができる。
車輪用軸受装置によれば、磁気センサの検出部の突出部と磁気エンコーダとの隙間よりも大きい異物が検出部の略中央にある検出位置部分に入り込まない。これにより、磁気センサと磁気エンコーダの検出位置との間での異物の噛みこみを抑制し、センサ出力を安定させることができる。
車輪用軸受装置によれば、カバーの連通孔の内周面とドライブシャフトの外周面との隙間から入り込む異物が検出部の略中央にある検出位置部分に入り込まない。これにより、磁気センサと磁気エンコーダの検出位置との間での異物の噛みこみを抑制し、センサ出力を安定させることができる。
車輪用軸受装置によれば、カバーの内部に入り込んだ異物が外部に排出されやすい。これにより、磁気センサへの異物の堆積、および磁気センサの検出位置と磁気エンコーダとの間での異物の噛みこみを抑制し、センサ出力を安定させることができる。
(a)車輪用軸受装置の一実施形態における回転速度検出装置の構成を示す斜視図、(b)同じく、回転速度検出装置が組み込まれた状態を示す斜視図。 車輪用軸受装置の一実施形態における全体構成を示す断面図。 車輪用軸受装置の一実施形態における回転速度検出装置の部分断面斜視図。 車輪用軸受装置の一実施形態における回転速度検出装置の軸方向側面図。 車輪用軸受装置の一実施形態における回転速度検出装置の形状を示す拡大部分断面図(図1におけるA矢視の部分断面拡大図)。
以下に、図1と図2とを用いて、車輪用軸受装置の一実施形態である車輪用軸受装置1について説明する。
図1と図2とに示すように、車輪用軸受装置1は、自動車等の車両の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材2、ハブ輪3、内輪4、転動列である二列の一側ボール列5a(図2参照)、他側ボール列5b(図2参照)、一側(インナー側)シール部材6(図2参照)、他側(アウター側)シール部材7(図2参照)および回転速度検出装置8を具備する。
図2に示すように、外方部材2は、内方部材(ハブ輪3と内輪4)を支持するものである。外方部材2は、略円筒状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。外方部材2の一側(インナー側)端部には、一側シール部材6が嵌合可能な一側開口部2aが形成されている。外方部材2の他側(アウター側)端部には、他側シール部材7が嵌合可能な他側開口部2bが形成されている。外方部材2の内周面には、一側開口部2aの近傍に一側ボール列5aが転走する環状の一側の外側転走面2cが形成されている。同様に、外方部材2の内周面には、他側開口部2bの近傍に他側ボール列5bが転走する環状の他側(後述の車輪取り付けフランジ3b側)の外側転走面2dが形成されている。一側の外側転走面2cと他側の外側転走面2dとは、周方向に互いに平行になるように形成されている。一側の外側転走面2cと他側の外側転走面2dとのピッチ円直径は、等しい大きさに構成されている。なお、一側の外側転走面2cと他側の外側転走面2dとのピッチ円直径は、異なる大きさに構成してもよい。一側の外側転走面2cと他側の外側転走面2dとには、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲とする硬化層が形成されている。外方部材2の一側の外周面には、図示しない懸架装置のナックルに取り付けるための車体取り付けフランジ2eが一体に形成されている。車体取り付けフランジ2eの取り付け面である一側面および他側面は、切削加工等の機械加工が施されている。
内方部材を構成するハブ輪3は、図示しない車両の車輪を回転自在に支持するものである。ハブ輪3は、円筒状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。ハブ輪3の一側端部(インナー側)には、外周面に縮径された小径段部3aが形成されている。ハブ輪3の他側端部(アウター側)には、車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジ3bが一体的に形成されている。ハブ輪3の他側(車輪取り付けフランジ3b側)の外周面には、周方向に環状の内側転走面3cと環状のシール摺動面3dとが形成されている。車輪取り付けフランジ3bには、円周等配位置にハブボルト3eが設けられている。ハブ輪3の内周面にはトルク伝達用のセレーション3f(またはスプライン)が形成されている。
ハブ輪3の一側端部の小径段部3aは、内方部材を構成する内輪4が圧入されている。内輪4は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。内輪4の外周面には、周方向に環状の内側転走面4aが形成されている。内側転走面3cと内側転走面4aとのピッチ円直径は、等しい大きさに構成されている。内輪4は、圧入により所定の予圧が付与された状態でハブ輪3の一側端部に一体的に固定されている。つまり、ハブ輪3の一側には、内輪4によって内側転走面4aが構成されている。ハブ輪3は、一側の小径段部3aから他側の内側転走面3cまでを高周波焼入れにより表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。これにより、ハブ輪3は、車輪取り付けフランジ3bに付加される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪3の耐久性が向上する。ハブ輪3は、一側端部の内輪4に形成されている内側転走面4aが外方部材2の一側の外側転走面2cに対向し、他側に形成されている内側転走面3cが外方部材2の他側の外側転走面2dに対向するように配置されている。
転動列である一側ボール列5aと他側ボール列5bとは、ハブ輪3を回転自在に支持するものである。一側ボール列5aと他側ボール列5bとは、転動体である複数のボールが保持器によって環状に保持されている。一側ボール列5aと他側ボール列5bとは、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。一側ボール列5aは、内輪4に形成されている内側転走面4aと、それに対向している外方部材2の一側の外側転走面2cとの間に転動自在に挟まれている。他側ボール列5bは、ハブ輪3に形成されている内側転走面3cと、それに対向している外方部材2の他側の外側転走面2dとの間に転動自在に挟まれている。つまり、一側ボール列5aと他側ボール列5bとは、外方部材2に対してハブ輪3と内輪4とを回転自在に支持している。車輪用軸受装置1は、外方部材2とハブ輪3と内輪4と一側ボール列5aと他側ボール列5bとから複列アンギュラ玉軸受が構成されている。なお、本実施形態において、車輪用軸受装置1には、複列アンギュラ玉軸受が構成されているがこれに限定されるものではなく、複列円錐ころ軸受等で構成されていても良い。
一側(インナー側)シール部材6は、外方部材2と内輪4との隙間を塞ぐものである。一側シール部材6は、略円筒状のシール板と一側端部に鍔を有する略円筒状のスリンガとを具備する。一側シール部材6は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)等から構成されているシール板に、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなる複数の一側シールリップが加硫接着されている。スリンガは、シール板と同等の鋼板から構成されている。一側シール部材6は、シール板が外方部材2の一側開口部2aに嵌合され、スリンガの円筒部分が内輪4に嵌合され、パックシールを構成している。スリンガは、その鍔部分が外側(インナー側)に向くようにして内輪4に固定されている。スリンガの鍔部分の外側(インナー側)には、回転速度検出装置8の磁気エンコーダ9が接着されている(図1、図2における薄い網掛け部分)。一側シール部材6は、シール板の一側シールリップが油膜を介してスリンガと接触することでスリンガに対して摺動可能に構成されている。これにより、一側シール部材6は、外方部材2の内部からの潤滑グリースの漏れ、および外部からの雨水や粉塵等の侵入を防止する。
他側(アウター側)シール部材7は、外方部材2とハブ輪3との隙間を塞ぐものである。他側シール部材7はニトリルゴム等の合成ゴムからなる複数の他側シールリップが加硫接着によって略円筒状に形成された芯金に一体に接合されている。他側シール部材7は、外方部材2の他側開口部2bに円筒部分が嵌合され、ハブ輪3のシール摺動面3dに複数の他側シールリップが接触している。他側シール部材7は、他側シールリップが油膜を介してハブ輪3のシール摺動面3dと接触することでハブ輪3に対して摺動可能に構成されている。これにより、他側シール部材7は、外方部材2の内部からの潤滑グリースの漏れ、および外部からの雨水や粉塵等の侵入を防止する。
図1と図2とに示すように、回転速度検出装置8は、ハブ輪3と内輪4との軸回りの回転速度を検出するものである。回転速度検出装置8は、磁気エンコーダ9(図1、図2における薄い網掛け部分)とカバー10(図1、図2における濃い網掛け部分)と磁気センサ11とから構成されている。
磁気エンコーダ9は、フェライト等の磁性紛体が混入された合成ゴムが環状に形成され、周方向に等ピッチで磁極Nと磁極Sとに着磁されたものである。磁気エンコーダ9は、シール部材6を構成するスリンガの一側(インナー側)端部に形成されている鍔部分に加硫接着によって一体に接合されている。すなわち、磁気エンコーダ9は、外方部材2の一側開口部2aに配置されている。また、磁気エンコーダ9は、スリンガを介してハブ輪3および内輪4と一体的に回転可能に構成されている。スリンガは、防錆性の向上と検出精度の安定性の向上のため強磁性体の鋼板、例えば、フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形成されている。
カバー10は、外方部材2の一側(インナー側)開口部2aを塞いで磁気エンコーダ9を保護するものである。カバー10は、非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)等から構成されている。カバー10は、プレス加工によって円筒状に形成され、円筒状の側部10aから軸心に向かって延びる円環支持部10bが一体的に形成されている。つまり、カバー10は、その軸心部分の所定の大きさの連通孔10cが形成されている。カバー10の側部10aは、その内径が外方部材2の一側開口部2aの外径よりも僅かに小さい外径に形成されている。カバー10は、側部10aの内周面に外方部材2の一側開口部2aの外周面が嵌合されている。これにより、カバー10は、側部10aによって外方部材2に固定され、一側開口部2a近傍に配置されている回転速度検出装置8の磁気エンコーダ9を保護している。この際、円環支持部10bは、所定の軸方向の隙間をあけて磁気エンコーダ9に対向するように配置されている。また、円環支持部10bには、磁気センサ11が設けられている。さらに、円環支持部10bには、カバー10内部に入り込んだ粉塵や泥水等の異物を排出するドレーン孔10dが形成されている(図2参照)。
磁気センサ11は、磁気エンコーダ9の磁性を検出するものである。磁気センサ11は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等の磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子およびこの磁気検出素子の出力波形を整えるICが組み込まれた検出部11aと、信号線や電力線からなるハーネス部11dとから構成されている。磁気センサ11は、検出部11aにハーネス部11dが接続されて構成されている。磁気センサ11は、検出部11aが磁気エンコーダ9に対向するようにしてカバー10の円環支持部10bに固定されている。磁気センサ11は、磁気エンコーダ9から検出部11aの略中央の磁気検出素子が配置されている磁気検出位置までの隙間G1が所定のエアギャップ(軸方向すきま)になるように配置されている(図5参照)。磁気センサ11は、ハブ輪3および内輪4と一体的に回転することにより交互に検出部11aの磁気検出位置(磁気検出素子)を通過する磁気エンコーダ9の各磁性の通過時間を検出する。
このように構成される車輪用軸受装置1は、外方部材2とハブ輪3と内輪4と一側ボール列5aと他側ボール列5bとから複列アンギュラ玉軸受が構成され、ハブ輪3が一側ボール列5aと他側ボール列5bを介して外方部材2に回転自在に支持されている。また、車輪用軸受装置1は、外方部材2の一側開口部2aと内輪4との隙間を一側シール部材6で塞がれ、外方部材2の他側開口部2bとハブ輪3との隙間を他側シール部材7で塞がれている。これにより、車輪用軸受装置1は、内部からの潤滑グリースの漏れ、および外部からの雨水や粉塵等の侵入を防止しつつ、外方部材2に支持されているハブ輪3が回転可能に構成されている。さらに、車輪用軸受装置1は、一側シール部材6のスリンガに設けられた磁気エンコーダ9と、外方部材2に設けられたカバー10と、カバー10に設けられた磁気センサ11とから回転速度検出装置8が構成されている。これにより、車輪用軸受装置1は、ハブ輪3および内輪4と一体的に回転する磁気エンコーダ9の磁性の変化を外方部材2に固定されている磁気センサ11により検出することでハブ輪3および内輪4の回転速度を検出可能に構成されている。車輪用軸受装置1は、ハブ輪3の内周面にその一側端部側からトルク伝達用のドライブシャフト12がカバー10の連通孔10cを通じて嵌合されている。
次に、図2から図5を用いて、回転速度検出装置8の磁気センサ11の形状について詳細に説明する。
図2と図3とに示すように、磁気センサ11は、検出部11aが磁気エンコーダ9(図2、図3における薄い網掛け部分)と対向するようにカバー10の円環支持部10b(図2、図3における濃い網掛け部分)に設けられている。検出部11aは、円環支持部10bの磁気エンコーダ9側(カバー10の内側)の面に配置されている。磁気センサ11は、ハーネス部11dが検出部11aに対して略垂直になるように接続されている。ハーネス部11dは、円環支持部10bに形成された抜き孔を通じてカバー10の外側に配置されている。磁気センサ11は、検出部11aがカバー10にねじ等によって固定されている。磁気センサ11の検出部11aは、略中央部分に磁気検出素子が配置され、その両側の周方向端部に磁気エンコーダ9側に向かう突出部11cが形成されている。
図4に示すように、磁気センサ11の検出部11aは、カバー10(網掛け部分)の円環支持部10bに沿う円弧状に形成されている。検出部11aの円弧状の側面のうち、軸心に近い方の側面である内周面は、カバー10の連通孔10cに沿う円弧状に形成されている。検出部11aの円弧状の側面のうち、軸心から遠い方の側面である外周面は、カバー10の円筒状の側部10aに沿う円弧状に形成されている。検出部11aの周方向側の側面である周方向端面11bは、外周面の周方向側の端部が、軸心と内周面の周方向側の端部とを結ぶ直線よりも周方向側に長さLだけ突出するように形成されている。つまり、検出部11aは、軸方向視で、周方向端面11bと、周方向端面11bの延長線と交差する側部10aの内周面における接線と、がなす角度θが鈍角である90°よりも大きい角度になるように形成されている。これにより、磁気センサ11は、検出部11aの周方向端面11bがカバー10の側部10aの内周面と周方向端面11bとの間に入り込んだ粉塵や泥水等の異物の軸方向への移動を阻害する障壁になり難い。なお、本実施形態において、検出部11aは、円環支持部10bに沿う円弧状に形成されているがこれに限定するものではなく、円環支持部10bに固定できる形状であればよい。
図5に示すように、磁気センサ11の検出部11aは、磁気検出子が配置されている磁気検出位置から磁気エンコーダ9(薄い網掛け部分)までの隙間G1の幅よりも突出部11cから磁気エンコーダ9までの隙間G2の幅が狭くなるように構成されている。これにより、磁気センサ11は、磁気エンコーダ9の表面に堆積した異物のうち、隙間G2の幅よりも大きい異物を突出部11cによって磁気エンコーダ9の表面から排除する。さらに、検出部11aは、隙間G2の幅がカバー10(濃い網掛け部分)の連通孔10cの内周面からドライブシャフトの外周面までの隙間G3の幅よりも狭くなるように構成されている。これにより、磁気センサ11は、隙間G3から入り込んだ異物を突出部11cによって磁気エンコーダ9の表面から排除する。なお、本実施形態において、検出部11aは、突出部11cが形成されているがこれに限定するものではなく、突出部11cを有しない形状で磁気検出位置から磁気エンコーダ9までの隙間の幅が隙間G3の幅よりも狭くなるように構成してもよい。
このように構成される回転速度検出装置8を備える車輪用軸受装置1は、軸心に垂直な面内において磁気センサ11が地面に対して水平になる位置に配置された場合(図3参照)、磁気センサ11の検出部11aの周方向端面11bが軸心に向かって下る傾斜面に構成される。つまり、車輪用軸受装置1は、カバー10に設けられた検出部11aの周方向端面11bとカバー10の側部10aの内周面との間に入り込んだ異物が検出部11aの周方向端面11bを通じて排出されやすい。また、車輪用軸受装置1は、検出部11aの突出部11cが検出部11aの略中央に設けられている磁気検出位置よりも先に磁気エンコーダ9の表面を通過する。つまり、車輪用軸受装置1は、カバー10の連通孔10cの内周面とドライブシャフトの外周面との隙間G3から入り込んで磁気エンコーダ9の表面に堆積した異物のうち突出部11cから磁気エンコーダ9までの隙間G2よりも大きい異物が検出部11aの突出部11cによって排除される。車輪用軸受装置1は、軸心に垂直な面内においてドレーン孔10dが地面に対して垂直な位置に配置された場合、磁気エンコーダ9から排除された異物がドレーン孔10dからカバー10の外側に排除される。つまり、車輪用軸受装置1は、磁気エンコーダ9の表面から排除された異物が磁気エンコーダ9の表面に再付着しにくい。これにより、磁気センサ11への異物の堆積、および磁気センサ11の磁気検出位置と磁気エンコーダ9との間での異物の噛みこみを抑制し、センサ出力を安定させることができる。
以上、本実施形態に係る車輪用軸受装置1は、ハブ輪3の外周に一側ボール列5aの内側転走面3cが直接形成されている第3世代構造の車輪用軸受装置1として説明したがこれに限定されるものではなく、例えば、ハブ輪3に一対の内輪4が圧入固定された内輪4回転の第2世代構造であっても良い。また、上述の実施形態は、本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 車輪用軸受装置
2 外方部材
2c・2d 外側転走面
2e 車体取り付けフランジ
3 ハブ輪3
3a 小径段部
3b 車輪取り付けフランジ
4 内輪4
5a 一側ボール列
5b 他側ボール列
9 磁気エンコーダ
10 カバー
11 磁気センサ

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    前記内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記内方部材のインナー側の端部に設けられる磁気エンコーダと、
    前記外方部材のインナー側の開口部に嵌合されている円筒状のカバーと、
    検出部が前記磁気エンコーダに対向するようにして前記カバーに設けられる磁気センサと、を備えた車輪用軸受装置であって、
    前記外方部材の軸方向視で、
    前記磁気センサの検出部における前記カバーの周方向側の側面と、前記カバーの内周面と前記側面の延長線とが交差する位置での内周面の接線と、が前記磁気センサの外側においてなす角度が鈍角になるように両側の前記側面が形成される車軸用軸受装置。
  2. 前記磁気センサの検出部における前記カバーの周方向側の両端部に前記磁気エンコーダに向かう突出部が形成される請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記カバーにドライブシャフト用の連通孔が形成され、前記磁気エンコーダと前記突出部との隙間、および前記エンコーダと前記検出部との隙間のうち少なくとも一方が前記ドライブシャフトと前記連通孔の縁部との隙間よりも小さくなるように構成される請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記カバーにドレーン孔が形成される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記外方部材の軸方向視で、
    前記磁気センサの検出部における前記カバーの周方向側の側面と、前記カバーの内周面と前記側面の延長線とが交差する位置での内周面の接線と、が前記磁気センサの外側においてなす角度が90°よりも大きい角度である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。
JP2016020335A 2016-02-04 2016-02-04 車輪用軸受装置 Active JP6744724B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016020335A JP6744724B2 (ja) 2016-02-04 2016-02-04 車輪用軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016020335A JP6744724B2 (ja) 2016-02-04 2016-02-04 車輪用軸受装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017138242A JP2017138242A (ja) 2017-08-10
JP6744724B2 true JP6744724B2 (ja) 2020-08-19

Family

ID=59566759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016020335A Active JP6744724B2 (ja) 2016-02-04 2016-02-04 車輪用軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6744724B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017138242A (ja) 2017-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7393140B2 (en) Rolling bearing for a wheel of vehicle and a semi-float type bearing apparatus having it
JP2008180617A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
US20080159673A1 (en) Vehicle Wheel Bearing Apparatus
US10598226B2 (en) Bearing device for vehicle wheel
CN107542776B (zh) 车轮用轴承装置
US10343454B2 (en) Bearing device for vehicle wheel
WO2009119036A1 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP4498052B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2009228819A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
WO2012077685A1 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP6744724B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2013006487A (ja) 車輪用軸受装置
JP2005054994A (ja) 車輪用転がり軸受およびそれを備えた半浮動式車輪用軸受装置
US10718376B2 (en) Wheel bearing device
JP2009228818A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2008180544A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP6754384B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2018155308A (ja) 車輪用軸受装置
JP6697932B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2008261462A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP6671876B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2014084893A (ja) 回転速度検出装置付き軸受ユニット
JP2012036997A (ja) エンコーダ付転がり軸受ユニット
JP2012193768A (ja) 車輪用軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6744724

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250