JP5489066B2 - 膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物、及び該形成性組成物を用いた中空或いは平膜状繊維分離膜を用いたモジュール用膜シール材 - Google Patents
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Description
本発明においては、イソシアネート成分(A)は特に限定されず、1分子中にイソシアネート基を2個以上含む化合物であれば、いずれも使用することが可能である。1分子中にイソシアネート基を2個以上含む化合物としては、例えば、トルエンジイソシアネート、MDI、パラフェニレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4´,4"−トリイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート等の芳香族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,10−デカンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−および1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−および2,6−ヘキサヒドロトルイレンジイソシアネート、ヘキサヒドロ−1,3−および−1,4−フェニルジイソシアネート、ペルヒドロ−2,4´−および−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族系または脂環族系イソシアネート、あるいはこれら一連のイソシアネートの一部をイソシアヌレート変性、ビウレット変性、アロファネート変性、ウレトジオン変性、ウレトイミン変性、カルボジイミド変性、オキサゾリドン変性、アミド変性、イミド変性したもの等が挙げられる。
本発明においては、本発明の膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を構成するポリオール成分(B)として、炭素数10以下のジオール成分(b−1)とヒマシ油及び/又はヒマシ油脂肪酸(b−2)とからなる、例えばエステル交換反応等により得られるジオール変性ヒマシ油(B−1)を用いることを特徴とする。
本発明における膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物としては、ポリイソシアネート成分(A)に於けるイソシアネート基とポリオール成分(B)に於ける活性水素基との当量比が、イソシアネート基/活性水素基で0.8〜1.6の範囲内、中でも0.9〜1.2の範囲内となるようにするのが好ましい。
本発明における膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を用いて中空或いは平膜状繊維分離膜を用いたモジュール用膜シール材を得る場合、該組成物を室温下で反応させるか、又はゲル化時間の短縮や混合粘度の低下を図るべく、ポリイソシアネート成分(A)とポリオール成分(B)を各々30〜60℃に加温して反応させても良い。
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、MDI(1)を233g、MDI(3)を593gを仕込み、撹拌を開始した。液温度を50℃としたところで、ポリオール(1)を174g仕込み、窒素雰囲気下、70℃で3時間混合撹拌しながら反応させて、本発明のポリイソシアネート成分(A)に相当するイソシアネート基末端プレポリマー「A−1」を得た。該プレポリマーのイソシアネート基含有量は22.7質量%、25℃に於ける粘度は330mPa・sであった。
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、MDI(1)を254g、MDI(2)を488gを各々仕込み、撹拌を開始した。液温度を50℃としたところで、ポリオール(2)を233g仕込み、窒素雰囲気下、70℃で3時間混合撹拌しながら反応させた。この工程が終了した後、さらにMDI(4)を25gを仕込み、70℃で1時間混合撹拌を行い、本発明のポリイソシアネート成分(A)に相当するイソシアネート基末端プレポリマー「A−2」を得た。該プレポリマーのイソシアネート基含有量は22.2質量%、25℃に於ける粘度は250mPa・sであった。
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、MDI(1)を182g、MDI(3)を638gを仕込み、撹拌を開始した。液温度を50℃としたところで、ポリオール(3)を180g仕込み、窒素雰囲気下、70℃で3時間混合撹拌しながら反応させて、本発明のポリイソシアネート成分(A)に相当するイソシアネート基末端プレポリマー「A−3」を得た。該プレポリマーのイソシアネート基含有量は23.0質量%、25℃に於ける粘度は200mPa・sであった。
<MDI(1)>:
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、商品名「ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業(株)製)」、イソシアネート基含有量=33.6(質量%)。
<MDI(2)>:
上記MDI(1)をカルボジイミド変性したもの、商品名「ミリオネートMTL(日本ポリウレタン工業(株)製)」、イソシアネート基含有量=29.0(質量%)。
<MDI(3)>:
上記MDI(1)をカルボジイミド変性したもの、商品名「ミリオネートMTL−C(日本ポリウレタン工業(株)製)」、イソシアネート基含有量=28.6(質量%)。
<MDI(4)>:
ポリメリックMDI、商品名「ミリオネートMR−200(日本ポリウレタン工業(株)製)」、イソシアネート基含有量=31.0(質量%)。
<POLY−1>:
ヒマシ油、商品名「URIC H−30(伊藤製油(株)製)」、平均官能基数=2.7、平均水酸基価=160(mgKOH/g)。
<POLY−2>:
グリセリンを開始剤としてエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをランダムに付加重合させて得られるポリエーテルポリオール、商品名「サンニックス GL−3000(三洋化成工業(株)製)」、平均官能基数=3、平均水酸基価=56(mgKOH/g)。
<POLY−3>:
ヒマシ油のポリプロピレングリコール変性体、商品名「#1944U(伊藤製油(株)製)」、平均官能基数=2.0、平均水酸基価=115(mgKOH/g)。
表1に示す配合比に従って、各々の原料を仕込み、攪拌並びに均一混合を行って、硬化剤(ポリオール成分(B))としての「R−1」〜「R−15」を各々得た。
各々の硬化剤における水酸基価、25℃における粘度、並びに25℃雰囲気下で24時間静置した後の液状(相分離の有無)について、各々確認を行った。結果を表1に併せて示す。
なお、表1に示すとおり、相分離の有無については目視確認による評価を行った。結果、「R−4」と「R−5」が「×」(相分離が見られる)との評価であった以外は、全て「○」(相分離または液の濁りが見受けられず良好である)との評価であった。
<POLY−1>:
ヒマシ油、商品名「URIC H−30(伊藤製油(株)製)」、平均官能基数=2.7、平均水酸基価=160(mgKOH/g)。
<POLY−4(本発明の(B−1)に相当)>:
エチレングリコール変性ヒマシ油、商品名「#1161X(伊藤製油(株)製)」、平均官能基数=2.0、平均水酸基価=260(mgKOH/g)。
<POLY−5(本発明の(B−1)に相当)>:
1,3−プロパンジオール変性ヒマシ油、商品名「#2213U(伊藤製油(株)製)」、平均官能基数=2.0、平均水酸基価=280(mgKOH/g)。
<POLY−6(本発明の(B−1)に相当)>:
1,4−ブタンジオール変性ヒマシ油、商品名「#1163X(伊藤製油(株)製)」、平均官能基数=2.0、平均水酸基価=250(mgKOH/g)。
<POLY−7>:
部分脱水ヒマシ油、商品名「#1740U(伊藤製油(株)製)」、平均官能基数=2.0、平均水酸基価=119(mgKOH/g)。
<POLY−8>:
トリメチロールプロパン変性ヒマシ油、商品名「#1296X(伊藤製油(株)製)」、平均官能基数=3.0、平均水酸基価=270(mgKOH/g)。
<POLY−9>:
トリメチロールプロパン変性ヒマシ油、商品名「#1297X(伊藤製油(株)製)」、平均官能基数=3.0、平均水酸基価=340(mgKOH/g)。
<POLY−10>:
N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、官能基数=4.0、水酸基価=760(mgKOH/g)。
<POLY−11>:
1,4−ブタンジオール、官能基数=2.0、水酸基価=1245(mgKOH/g)。
<POLY−12>:
エチレングリコール、官能基数=2.0、水酸基価=1808(mgKOH/g)。
<POLY−13>:
ポリエチレングリコール、商品名「PEG−200(三洋化成工業(株)製)」、平均官能基数=2.0、平均水酸基価=561(mgKOH/g)。
<POLY−14>:
ポリエチレングリコール、商品名「PEG−600(三洋化成工業(株)製)」、平均官能基数=2.0、平均水酸基価=187(mgKOH/g)。
<オレイン酸>:
オレイン酸、平均官能基数=0、平均水酸基価=0(mgKOH/g)。
主剤(ポリイソシアネート成分)として「A−1」〜「A−3」、並びに、硬化剤(ポリオール成分)として「R−1」〜「R−15」を、表2の組み合わせで、液温35℃、イソシアネート基/活性水素基=1.00(当量比)になるように主剤と硬化剤を混合して、膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を得た。
主剤と硬化剤からなる表2に示す組み合わせによる膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物について、各々、減圧脱泡(10〜20kPaで3分間)した後、ステンレス製金型(100mm×100mm×8mm)に仕込んだ。これを25℃で7日間静置キュアした後に脱型し、硬化物を得た。得られた硬化物について、25℃に於けるショアD硬度を測定した。結果を表2に示す。
主剤と硬化剤からなる表2に示す組み合わせによる膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物について、各々、減圧脱泡(10〜20kPaで3分間)した後、ステンレス製(105mm×75mm×2mm)に仕込んだ。これを25℃で7日間静置キュアした後に脱型し、硬化物を得た。得られた硬化物について、打ち抜き機でJIS K7312記載の4号形ダンベル状試験片を作製した。25℃に温調された室で2時間静置した後、引張強度、破断伸びを測定した。結果を表2に示す。
主剤と硬化剤からなる表2に示す組み合わせによる膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物について、各々、液温25℃、イソシアネート基/活性水素基=1.00(当量比)になるように主剤と硬化剤を混合して、膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を得た段階における粘度を測定した。結果を表2に示す。
なお、相分離が見られた「R−4」と「R−5」については、この評価は行っていない。
主剤と硬化剤からなる表2に示す組み合わせによる膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物について、各々、液温25℃、イソシアネート基/活性水素基=1.00(当量比)になるように主剤と硬化剤を各々均一混合(主剤と硬化剤との合計=100g)した後、25℃雰囲気下で、回転粘度計(B型、4号ローター)を用いて粘度上昇を追跡し、主剤と硬化剤との混合を開始した時点から、組成物の粘度が50000mPa・sに到達するまでの時間を、ポットライフとした。結果を表2に示す。
なお、相分離が見られた「R−4」と「R−5」については、この評価は行っていない。
表1に示す主剤と硬化剤の組み合わせのうち、比較例3の組み合わせによる組成物を用いた以外は、前記の実施例12と同様にして中空糸型膜モジュールを形成し、前記の実施例12と同様に濾過運転と逆圧濾過を50000サイクル繰り返し行った。結果、中空糸膜の破損(切れ)が生じた。
Claims (3)
- イソシアネート成分(A)と、ポリオール成分(B)とからなる膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物において、ポリオール成分(B)が、分子量50〜200の低分子グリコールを含有せず、かつ炭素数10以下のジオール成分(b−1)とヒマシ油及び/又はヒマシ油脂肪酸(b−2)とからなるジオール変性ヒマシ油(B−1)を用いることを特徴とする、膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
- 炭素数10以下のジオール成分(b−1)が、分岐鎖を有さない直鎖の炭素数6以下のジオールであることを特徴とする、請求項1に記載の膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
- 請求項1又は2に記載の形成性組成物を用いることを特徴とする、中空或いは平膜状繊維分離膜を用いたモジュール用膜シール材。
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