JP6610186B2 - ポリウレタン樹脂形成性組成物、シール材及び中空糸膜モジュール - Google Patents
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Description
主剤(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネート及びカルボジイミド変性体含有ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート(a1)と、活性水素含有化合物(a2)との反応生成物であるイソシアネート基末端プレポリマーを含み、
硬化剤(B)が、エタノールアミンのアルキレンオキサイド付加体(b1)と、ヒマシ油系ポリオール(b2)を含有し、(B)中の(b1)の含有量が5〜80質量%であることを特徴とする中空糸膜モジュール用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
硬度発現率(%)=1時間後硬度/96時間後硬度 ×100 ・・・数式(1)
(ここで、「1時間後硬度」、「96時間後硬度」とは、25℃環境下、上記[1]、又は[2]に記載の中空糸膜モジュール用ポリウレタン樹脂形成性組成物を所定の型に注入し終わってから(注型完了時から)「1時間後」と「96時間後」のJIS K7312に準じて測定したJIS−D硬度を意味する)
エタノールアミンのアルキレンオキサイド付加体アミノアルコール(b1)を含有し、(B)中の(b1)の含有量が5〜80質量%である硬化剤(B)とを、
混合し硬化させることを特徴とするポリウレタン樹脂形成性組成物の製造方法。
<ポリウレタン樹脂形成性組成物>
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物は、イソシアネート成分を含有する主剤(A)と、ポリオール成分を含有する硬化剤(B)とからなる。
本発明の組成物の主剤(A)は、イソシアネート成分としてジフェニルメタンジイソシアネート及びカルボジイミド変性体含有ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート(a1)を活性水素基含有化合物(a2)との反応生成物であるイソシアネート基末端プレポリマーを含む。
前記イソシアネート基末端プレポリマーを得るために使用される活性水素基含有化合物(a2)は、例えば低分子ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリラクトン系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール等のポリオールを挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。この中でも、耐薬品性に優れ、低溶出物である観点からヒマシ油系ポリオールを使用することが好ましい。
本発明の硬化剤(B)は、エタノールアミンのアルキレンオキサイド付加体アミノアルコール(b1)と、ヒマシ油系ポリオール(b2)を含有する。
エタノールアミンのアルキレンオキサイド付加体アミノアルコール(b1)は、エタノールアミンにアルキレンオキサイドを付加重合することにより得られる。エタノールアミンとしては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−N,N’−ジエタノールアミン等を挙げることができ、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を挙げることができる。これらのエタノールアミン、アルキレンオキサイドの組み合わせの中で、工業的に入手が容易なことから、モノエタノールアミンのプロピレンオキサイド付加体が好ましい。
ヒマシ油系ポリオール(b2)としては、例えばヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸と、前記活性水素基含有化合物(a2)より選ばれる少なくとも1種のポリオールとの反応により得られる線状または分岐状ポリエステルが挙げられ、例えばヒマシ油脂肪酸のジグリセライド、モノグリセライド、ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールアルカンとのモノ、ジ、またはトリエステル、ヒマシ油脂肪酸とポリプロピレングリコールとのモノ、ジ、またはトリエステル等が挙げられる。
本発明の組成物において、主剤(A)と硬化剤(B)の混合比率としては、主剤(A)を構成するイソシアネート成分を有するイソシアネート基と、硬化剤(B)を構成するポリオール成分を有する活性水素基とのモル比(イソシアネート基/活性水素基)が0.8〜1.6であることが好ましく、0.9〜1.2が更に好ましく、1.0〜1.1が最も好ましい。このような混合比率で得られる組成物によれば、耐久性に優れ、水中への溶出物の量が極めて少ない硬化樹脂(シール材)を形成することができる。
本発明のシール材は、本発明の組成物を硬化することにより得られる。
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、MDI−1を220gと、MDI−2を609gとを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が50℃に達したところで、下記のポリオール1を171g添加し、窒素雰囲気下、70℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させ、主剤(A)を構成するイソシアネート基末端プレポリマーを得た。以下、これを「主剤(A−1)」という。主剤(A−1)のイソシアネート基含有量は22.8質量%、25℃における粘度は330mPa・sであった。
エタノールアミンのアルキレンオキサイド付加体(b1)と、ヒマシ油系ポリオール(b2)と、水酸基含有アミン系化合物(b3)とヒマシ油脂肪酸を、表1に記載する配合比(質量比)に従って混合し、硬化剤(B)を準備した。以下、これを「硬化剤(B−1)〜(B−6)」とする。
・MDI−1:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、NCO含有量=33.6%「ミリオネートMT(商品名)」(東ソー社製)
・MDI−2:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、イソシアネート基含有量=28.7%「ミリオネートMTL−C(商品名)」(東ソー社製)
・エタノールアミンのアルキレンオキサイド付加体1:商品名「レオコンMA−170」(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・ヒマシ油脂肪酸1:商品名「CO−FA」(伊藤製油社製)
・ポリオール1:「URIC H−30(商品名)」(伊藤製油社製)、平均官能基数=2.7、水酸基価=160mgKOH/g
・水酸基含有アミン系化合物1:N,N,N’,N’−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン((株)ADEKA製)
ここで、平均官能基数とはポリオールの製造メーカーがカタログ等に記載している値、又はポリオールを得る際に用いられる開始剤の官能基数をいう。
ポリウレタン樹脂形成性組成物の各々を、予め25℃に温度調整した主剤と硬化剤を、所定配合比で合計が100gとなるよう計量し、25℃雰囲気下で、回転粘度計(B型、4号ローター)を用いて、主剤と硬化剤との混合を開始した時点から、1分後の混合粘度をMV−1とし、組成物の粘度が50000mPa・sに到達するまでの時間をポットライフ(秒)とした。中空糸膜への良好な充填性を得るためにはMV−1が1500mPa・s以下、ポットライフは150秒以上が好ましい。実施例1〜4、比較例1〜2に係るポリウレタン樹脂形成性組成物のMV−1、ポットライフ測定結果を表2に記載する。
所定の配合比で仕込んだポリウレタン樹脂形成性組成物を撹拌混合し、10〜20kPaで1分間減圧脱泡した後、所定の型にて成型し、厚みが6mm以上のポリウレタン樹脂硬化物を作成した。25℃環境下、ポリウレタン樹脂形成性組成物を所定の型に注入し終わってから(注型完了時から)1時間後と96時間後の硬化物の10秒後のJIS−D硬度をJIS K7312に準じて測定し、以下式により硬度発現率を求めた。硬度発現率が60%以上で、生産性向上が可能となる。
硬度発現率(%)=1時間後硬度/96時間後硬度 ×100
実施例1〜4、比較例1〜2に係るポリウレタン樹脂形成性組成物の硬度発現率測定結果を表2に記載する。
ポリウレタン樹脂形成性組成物各々を減圧脱泡(10〜20kPaで1分間)した後、離型紙上に約1〜2mmの厚みになるように仕込み、25℃で7日間静置キュアして、硬化物を得た。得られた樹脂を細断・浸水し70℃で1時間の抽出処理を施した試験液を得た。他方、ブランクとして樹脂を浸水していない(即ち水のみ)液について同様の処理を施した空試験液を得た。これら両者について、全有機体炭素計を用いてTOC(全有機体炭素)を測定し、両者の差を求めた(差が小さいほど、溶出物は少ないことになる)。樹脂からの低溶出物性としてはTOC値が3mg/L以下が好ましい。実施例1〜4、比較例1〜2に係るポリウレタン樹脂形成性組成物のTOC結果を表2に示す。
Claims (5)
- イソシアネート成分を含有する主剤(A)と、ポリオール成分を含有する硬化剤(B)との反応生成物である中空糸膜モジュールシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物において、
主剤(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネート及びカルボジイミド変性体含有ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート(a1)と、活性水素含有化合物(a2)との反応生成物であるイソシアネート基末端プレポリマーを含み、
硬化剤(B)が、エタノールアミンのアルキレンオキサイド付加体(b1)と、ヒマシ油系ポリオール(b2)を含有し、(B)中の(b1)の含有量が5〜80質量%であり、
エタノールアミンのアルキレンオキサイド付加体(b1)が、モノエタノールアミンのプロピレンオキサイド付加体であることを特徴とする中空糸膜モジュール用ポリウレタン樹脂形成性組成物。 - 下記数式(1)により求められる硬度発現率が60%以上であることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
硬度発現率(%)=1時間後硬度/96時間後硬度 ×100 ・・・数式(1)
(ここで、「1時間後硬度」、「96時間後硬度」とは、25℃環境下、請求項1に記載の中空糸膜モジュール用ポリウレタン樹脂形成性組成物を所定の型に注入し終わってから(注型完了時から)「1時間後」と「96時間後」のJIS K7312に準じて測定したJIS−D硬度を意味する。) - ジフェニルメタンジイソシアネート及びカルボジイミド変性体含有ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート(a1)と、活性水素含有化合物(a2)との反応により得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含む主剤(A)と、
エタノールアミンのアルキレンオキサイド付加体アミノアルコール(b1)を含有し、(B)中の(b1)の含有量が5〜80質量%である硬化剤(B)とを、
混合し硬化させ、
エタノールアミンのアルキレンオキサイド付加体(b1)が、モノエタノールアミンのプロピレンオキサイド付加体であることを特徴とするポリウレタン樹脂形成性組成物の製造方法。 - 請求項1または2に記載の中空糸膜モジュール用ポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物である中空糸膜モジュール用のシール材。
- 複数の中空糸膜の集束体の端部における中空糸膜相互の隙間が、請求項4に記載のシール材により封止されてなる中空糸膜モジュール。
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