JPWO2009013902A1 - ポリウレタン樹脂形成性組成物及びシール材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリスルホン中空糸を使用して中空糸膜モジュールを製造する際に、従来のポリウレタン樹脂を使用するとシール部分に波打ちが発生してしまう。また、波打ち発生を抑えるだけでは、樹脂の硬度が高すぎたり、中空糸膜と樹脂の濡れシロが長くなったりする不具合が発生してしまう。【解決手段】水酸基価を45〜90KOHmg/gの水酸基価を有するヒマシ油系ポリオールを用いて変性したウレタン基濃度が0.43〜0.65mmol/gのイソシアネート基末端プレポリマーと、ヒマシ油系硬化剤とでシールすることにより、適性硬度範囲内で、濡れシロも少なく、波打ちの発生を抑えた中空糸膜モジュールを得ることが可能となった。

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂形成性組成物、及び当該組成物を用いたシール材に関する。
近年、中空糸を分離膜とした中空糸膜モジュールは、水処理膜などの産業分野、血液処理などの医療分野などに多岐にわたって用いられている。特に浄水器、人工腎臓、人工肺などの用途にあっては、その需要が極めて増大している。その中でも、中空糸膜を集束した端部を接着固定する膜シール材として、常温での可撓性、接着性、及び耐薬品性に優れているポリウレタン樹脂を用いることが、広く知られている。
膜シール材を得る方法として、例えば、イソシアネート成分として、液状化ジフェニルメタンジイソシアネートとヒマシ油またはヒマシ油誘導体ポリオールとから得られたイソシアネート基末端プレポリマーをポリオールで硬化させて得られるポリウレタン樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照)
また、ポリスルホンからなる中空糸を使用した膜モジュールにポリウレタン樹脂が使用されたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、形状保持目的としてグリセリンを保持している中空糸を使用しているため、ウレタンオリゴマー等の溶出物が多くなるといった問題点が生じる。
特開平10−195160号公報 特開2000−202251号公報
上記のような様々な中空糸膜モジュールが使用されている中、溶出物の低減化の要求が高くなってきたこと等の背景から、近年、グリセリンフリー(グリセリンを含有しない、若しくは10質量%以下のもの)のポリスルホン中空糸膜モジュールの需要が高まってきている。しかし、前述の先行技術に記載されているポリウレタン樹脂を使用してグリセリンフリーのポリスルホン中空糸を使用して膜モジュールを製造すると、ポリウレタン樹脂形成性組成物を混合攪拌して膜モジュールに注型した際に、ポリスルホン中空糸とポリウレタン樹脂との接触面(濡れシロ;図4参照)が、中空糸膜モジュールを封止しているポリウレタン樹脂と中空糸との界面で凹凸を生じてしまう(波打ち現象;図1〜3参照)。また、膜モジュール製造時、ポリウレタン樹脂を切断する際に、中空糸と樹脂が剥がれてしまい液漏れなどの問題が発生するなどの問題を生じる。 濡れシロが広範囲に渡ると、中空糸膜として使用できる膜面積が減少してしまい、人工腎臓や浄水器として使用した場合に濾過効率が悪化してしまう。また、波打ち現象が発生すると接着面積減少による接着強度の低下といった問題も発生する。
さらに、グリセリンフリーの中空糸を用いることにより溶出物低減を(概ね)達成しているが、従来のポリウレタン樹脂形成性組成物だと、グリセリンを少量(10質量%以下)含有するポリスルホン中空糸を使用した場合は、グリセリンを含有しないものと比較すると溶出物が多くなるなどの問題が生じてしまう。
本発明は、前述の背景を踏まえてなされたものである。
本発明の第1の目的は、ポリスルホン中空糸膜モジュールの製造にも適用することがで
き、低粘度で成形性の良好なポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、ポリスルホン中空糸膜モジュールにも対応することができ、成形性が良好で、濡れシロも短く、波打ち現象もなく、切断した際に剥離等が発生しないシール材を提供することにある。
本発明の第3の目的は、グリセリンを少量(10質量%以下)含有するポリスルホン中空糸を使用する中空糸膜モジュールにも対応することができ、成形性が良好で、濡れシロも短く、波打ち現象もなく、切断した際に剥離等も発生させず、ウレタンオリゴマーの溶出量も少ないシール材を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、イソシアネート基含有化合物と、水酸基価が45〜90KOHmg/gであるヒマシ油系変性ポリオールを反応させて得られる、ウレタン基濃度が0.43mmol/g〜0.65mmol/gであるイソシアネート基末端プレポリマー(主剤)と、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系変性ポリオール(b1)と、水酸基含有アミン系化合物(b2)が含有されている硬化剤を用いることにより、成形性も良好で波打ち現象の発生しないポリスルホン中空糸膜モジュールを製造することを見出し、本発明を完成させた。
本発明の内容は、以下の通りである。

I. イソシアネート成分を含有する主剤(A)と、ポリオール成分を含有する硬化剤(B)とからなるポリスルホン中空糸膜モジュールシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物において;
主剤(A)を構成するイソシアネート成分として、
イソシアネート基含有化合物(a1)と、水酸基価が45〜90KOHmg/gであるヒマシ油系変性ポリオール(a2)を反応させて得られる、ウレタン基濃度が0.43mmol/g〜0.65mmol/gであるイソシアネート基末端プレポリマーが含有され;
硬化剤(B)を構成するポリオール成分として、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系変性ポリオール(b1)と、水酸基含有アミン系化合物(b2)が含有されているポリスルホン中空糸膜モジュールシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。

II. Iに記載の硬化剤(B)を構成する成分である(b1)と(b2)の比率が、(b1)/(b2)=85/15〜75/25であることを特徴とする、Iに記載のポリスルホン中空糸膜モジュールシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。

III. I又はIIに記載の水酸基含有アミン系化合物(b2)が、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンであるポリスルホン中空糸膜モジュールシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
IV. IからIIIのいずれか1つに記載のポリウレタン樹脂形成性組成物であって、グリセリン含有量が10質量%以下であるポリスルホン中空糸を用いた膜モジュール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。

V. IからIVのいずれか1つに記載のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化して得られるポリスルホン中空糸膜モジュール用のシール材。
本発明により、低粘度で膜モジュールの製造時に充填性の良好なポリウレタン樹脂形成性組成物を得ることができた。また、本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を、ポリスルホン中空糸を用いた膜モジュールの結束材として使用することにより、濡れシロも短く、波打ち現象を発生させず、ウレタンオリゴマー溶出量の少ないシール材を提供することが可能となった。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
<ポリウレタン樹脂形成性組成物> 本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物は、イソシアネート成分を含有する主剤(A)と、ポリオール成分を含有する硬化剤(B)とからなる。
<主剤(A)>
本発明の組成物の主剤(A)は、イソシアネート成分としてイソシアネート基含有化合物(a1)と、水酸基価が45〜90KOHmg/gであるヒマシ油系変性ポリオール(a2)を反応させて得られる、ウレタン基濃度が0.43mmol/g〜0.65mmol/gであるイソシアネート基末端プレポリマーである。
(1)イソシアネート基含有化合物(a1):
前記イソシアネート基末端プレポリマーを得るために使用されるイソシアネート基含有化合物(a1)は、分子中にイソシアネート基を含有する化合物であり、例えば、炭素数(イソシアネート基中の炭素原子を除く炭素原子の数、以下同じ)2〜18の脂肪族系イソシアネート、炭素数4〜15の脂環式系イソシアネート、炭素数6〜20の芳香族系イソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族系イソシアネートを挙げることができる。
また、これら一連のイソシアネートにおけるイソシアネート基の一部又は全部について、イソシアヌレート変性、ビュレット変性、アロファネート変性、ウレトジオン変性、ウレトンイミン変性、カルボジイミド変性、オキサゾリドン変性、アミド変性、イミド変性等の変性を行って得られる化合物をも挙げることができる。
炭素数2〜18の脂肪族系イソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等を挙げることができる。
炭素数4〜15の脂環式系イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート等を挙げることができる。
炭素数6〜20の芳香族系イソシアネートとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びこれらの混合物;以下「MDI」と略記)、ナフタレンジイソシアネート、ベンゼン環を3個以上有するポリメチレ
ンポリフェニルポリイソシアネート等を挙げることができる。
炭素数8〜15の芳香脂肪族系イソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジイソシアネートエチルベンゼン等を挙げることができる。
本発明においては、イソシアネート基含有化合物(a1)として、芳香族系イソシアネートまたは芳香族系イソシアネートの一部について、前述の一連の変性を行って得られるものを使用することが好ましい。特に、MDIまたはMDIの一部について、前述の一連の変性を行って得られるものを使用することがより好ましい。中でも、成形時の作業環境に優れ、且つ、シール材に要求される物性(例えば、硬度などの機械的強度)が良好な硬化樹脂を形成することができる等の観点から、MDI又はMDIの一部をカルボジイミド変性して得られるものを使用することが特に好ましい。
(2)ヒマシ油系変性ポリオール(a2):
前記イソシアネート基末端プレポリマーを得るために使用されるヒマシ油系変性ポリオール(a2)は、リシノール酸と水酸基含有化合物とのエステル化合物が挙げられる。水酸基含有化合物としては、ポリプロピレンポリオール、ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリエチレンポリオール等の高分子ポリオールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークロースなどの官能基数が2〜8の低分子ポリオールが挙げられる。その中でも、リシノール酸と高分子ポリオールとのエステル化合物が好ましく、リシノール酸とポリプロピレングリコールのエステル化合物が最も好ましい。また、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、イソシアネート基末端プレポリマーを得るために使用されるヒマシ油系変性ポリオール(a2)は、本発明の効果を得るためには、水酸基価が45〜90KOHmg/gである必要があり、60〜80KOHmg/gであることが好ましい。水酸基価が45KOHmg/g未満であると、膜モジュールを製造する際に、充填性が悪化したり、波打ちが発生してしまうなどの問題が発生し、90KOHmg/gを超えると、膜モジュールを製造時の樹脂切断時に剥離を生じるといった問題が発生する。
本発明の効果を得るためには、イソシアネート基末端プレポリマー中のウレタン基濃度は、0.43〜0.65mmol/gである必要があり、0.48〜0.60mmol/gであることが好ましい。0.43mmol/g未満だと、溶出物の量が多くなるなどの問題が発生し、0.65mmol/gを超えると、膜モジュールを製造する際に充填性が悪化したり、樹脂切断時に剥離を生じるといった問題が発生する。なお、イソシアネート基末端プレポリマーを得るための反応は、通常行われるウレタン化反応である。
イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有量は、通常10〜25質量%とされ、好ましくは12〜23質量%、更に好ましくは14〜21質量%とされる。イソシアネート基含有量が10〜25質量%であるイソシアネート基末端プレポリマーを使用することにより、シール材の形成時(中空糸膜モジュールの製造時)の成形加工性に特に優れた組成物が得られ、成形不良を生じることなく中空糸膜モジュールを製造することができる。
<硬化剤(B)>
本発明の組成物の硬化剤(B)には、ポリオール成分として、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系変性ポリオール(b1)と、水酸基含有アミン系化合物(b2)とから得られる。
(1)ヒマシ油、ヒマシ油系変性ポリオール(b1):
(b1)としては、ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸とポリオール(上記低分子ポリオール及び/又はポリエーテルポリオール)との反応により得られる線状または分岐状ポリエステル、例えばヒマシ油脂肪酸のジグリセライド、モノグリセライド、ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールアルカンとのモノ、ジ、またはトリエステル、ヒマシ油脂肪酸とポリプロピレングリコールとのモノ、ジ、またはトリエステル等が挙げられる。
ここに、「ヒマシ油」の主成分は、リシノール酸のトリグリセライドであり、「ヒマシ油」には水素添加ヒマシ油が含まれる。
また、「ヒマシ油脂肪酸」の主成分はリシノール酸であり、「ヒマシ油脂肪酸」には、水素添加ヒマシ油脂肪酸が含まれる。
また、「トリメチロールアルカン」としては、例えばトリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールペンタン、トリメチロールヘキサン、トリメチロールヘプタン、トリメチロールオクタン、トリメチロールノナン及びトリメチロールデカンを挙げることができる。
ヒマシ油又はヒマシ油系変性ポリオール(b1)の数平均分子量は400〜3000であることが好ましく、更に好ましくは500〜2500とされる。数平均分子量が400〜3000のヒマシ油系変性ポリオール(b2)を使用して得られる組成物によれば、シール材に要求される物性(特に機械的特性)が良好な硬化樹脂を形成することができる。
ヒマシ油又はヒマシ油系変性ポリオール(b2)の平均水酸基価は20〜300mgKOH/gであることが好ましく、更に好ましくは40〜250mgKOH/gとされる。
平均水酸基価が20〜300mgKOH/gのヒマシ油系変性ポリオール(b2)を使用して得られる組成物によれば、シール材に要求される物性(特に機械的特性)が良好な硬化樹脂を形成することができる。
中でも、平均水酸基価が20〜300mgKOH/gのヒマシ油系変性ポリオール(b2)を使用して得られる組成物によれば、シール材に要求される物性が良好な硬化樹脂を形成することができ、しかも、シール材の生産性、延いては、中空糸膜モジュール(濾過装置)の生産性の向上も図ることができる。
水酸基含有アミン系化合物(b2)としては、また、低分子ポリアミンや低分子アミノアルコール(例えば、アミノ化合物のオキシアルキル化誘導体である、N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンN,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシエチル]エチレンジアミン等の、エチレンジアミン等のアミノ化合物のプロピレンオキサイドもしくはエチレンオキサイド付加物、モノ、ジおよびトリエタノールアミン、N−メチル−N,N´−ジエタノールアミン等)等といったアミン系化合物も挙げることができる。この中でも好ましいのは、エチレンジアミン等のアミノ化合物のプロピレンオキサイドもしくはエチレンオキサイド付加物であり、最も好ましいのは、N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンである。N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンを使用することにより、成型時の加工性向上、溶出物の低下等に効果を奏する。
硬化剤(B)を構成するポリオール成分としてヒマシ油及び/又はヒマシ油系変性ポリオール(b1)と、水酸基含有アミン系化合物(b2)が含有されてなる本発明の組成物により形成される硬化樹脂(シール材)は、成形性、接着性及び耐熱性について特に優れたものとなる。また、(b1)と(b2)の比率が、(b1)/(b2)=85〜75/15〜25であることが好ましく、(b1)/(b2)=83〜77/17〜23であることがさらに好ましい。硬化剤(B)中の(b2)の割合が15未満だと、反応性が悪く
、得られるシール材の硬度が低くなり過ぎるといった問題が発生し、25を超えると反応性が高くなりすぎ作業性が悪くなり充填性が損なわれたり、得られるシール材の硬度が高くなりすぎるといった問題が生じてしまう。また、(b1)/(b2)=83〜77/17〜23である硬化剤(B)を使用することにより、さらに濡れシロや波打ち現象発生を生じることなく成形性の良好なシール材を得ることが可能となる。
(2)活性水素基含有化合物:
本発明においては、硬化剤(B)中に、ヒマシ油系変性ポリオール(b1)、水酸基含有アミン系化合物(b2)以外の活性水素基含有化合物(以下、「活性水素基含有化合物(b3)」という。)が含有されていてもよい。
活性水素基含有化合物(b3)としては、低分子ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリラクトン系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオールなどのポリオールを挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
「低分子ポリオール」としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサングリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールAなどの2価のポリオール(低分子グリコール);例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークローズなどの3〜8価のポリオールが挙げられる。
低分子ポリオールの分子量は、通常50〜200とされる。
「ポリエーテル系ポリオール」としては、上記低分子ポリオールを開始剤とし、これにアルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の炭素数2〜8個のアルキレンオキサイド)を付加して得られる重合物が挙げられ、具体的には、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、PTMG、およびエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物であるチップドエーテル等が挙げられる。
ポリエーテル系ポリオールの分子量は、通常200〜7000とされ、好ましくは500〜5000とされる。分子量が500〜5000のポリエーテル系ポリオールを使用することにより、シール材の形成時(中空糸膜モジュールの製造時)の成形加工性に特に優れた組成物が得られる。
「ポリエステル系ポリオール」としては、ポリカルボン酸(脂肪族飽和もしくは不飽和ポリカルボン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、リシノール酸、2量化リノール酸および/または芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸)と、ポリオール(上記低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオール)との縮合重合により得られるポリオールが挙げられる。
ポリエステル系ポリオールの分子量は、通常200〜5000とされ、好ましくは500〜3000とされる。分子量が500〜3000のポリエステル系ポリオールを使用することにより、シール材の形成時(中空糸膜モジュールの製造時)の成形加工性に特に優れた組成物が得られる。
「ポリラクトン系ポリオール」としては、グリコール類やトリオール類の重合開始剤に、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン等、および/またはβ−メチル−δ−バレロラクトン等を、有機金属化合物、金属キ
レート化合物、脂肪酸金属アシル化合物等の触媒の存在下で、付加重合させて得られるポリオールが挙げられる。
ポリラクトン系ポリオールの分子量は、通常200〜5000とされ、好ましくは500〜3000とされる。分子量が500〜3000のポリラクトン系ポリオールを使用することにより、シール材の形成時(中空糸膜モジュールの製造時)の成形加工性に特に優れた組成物が得られる。
「ポリオレフィン系ポリオール」としては、ポリブタジエン、又はブタジエンとスチレンもしくはアクリロニトリルとの共重合体の末端に水酸基を導入したポリブタジエン系ポリオールが挙げられる。
その他、末端にカルボキシル基および/またはOH基を有するポリエステルにアルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を付加反応させて得られるポリエーテルエステルポリオールも挙げられる。
硬化剤(B)中におけるヒマシ油系変性ポリオール(b1)と、活性水素基含有化合物(b3)との含有割合〔(b1)/(b3)〕としては、1/99〜100/0であることが好ましく、特に好ましくは100/0とされる。この場合、硬化剤(B)の構成成分は、(b1)、(b2)、(b3)となり、その比率は、{(b1)+(b3)}/(b2)=85/15〜75/25であり、{(b1)+(b3)}/(b2)=83〜77/17〜23であることが好ましい。
<主剤(A)と硬化剤(B)の混合割合>
本発明の組成物において、主剤(A)と硬化剤(B)の混合割合としては、主剤(A)を構成するイソシアネート成分の有するイソシアネート基と、硬化剤(B)を構成するポリオール成分(必須であるヒマシ油系変性ポリオール(b1)と水酸基含有アミン化合物(b2)、及び任意である活性水素基含有化合物(b3))の有する活性水素基とのモル比(イソシアネート基/活性水素基)が0.8〜1.6となるような割合であることが好ましく、更に好ましくは0.9〜1.2となるような割合、特に好ましくは1.0〜1.1となるような割合とされる。このような混合割合で得られる組成物によれば、耐久性に優れ、水中への溶出物の量がきわめて少ない硬化樹脂(シール材)を形成することができる。
なお、本発明の組成物には、公知のウレタン化触媒が含有されていてもよい。
「ウレタン化触媒」としては、有機スズ化合物などの金属化合物系触媒;トリエチレンジアミン(TEDA)、テトラメチルヘキサメチレンジアミン(TMHMDA)、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、ビスジメチルアミノエチルエーテル(BDMAEA)などの3級アミン触媒等を挙げることができる。
<シール材及び中空糸膜モジュール>
本発明のシール材は、本発明の組成物を硬化することにより得られる。
具体的には、主剤(A)と硬化剤(B)とからなる本発明の組成物を室温下に調製し、0℃〜100℃、好ましくは30℃〜80℃、更に好ましくは30℃〜60℃の温度条件下に、主剤(A)を構成するイソシアネート成分と、硬化剤(B)を構成するポリオール成分とを反応・硬化させることにより好適に形成することができる。
なお、ゲル化時間の短縮化や組成物の粘度低下を図る目的で、必要に応じて、混合前に、主剤(A)及び硬化剤(B)の各々を、30〜60℃に加温してもよい。
本発明の中空糸膜モジュールは、複数の中空糸膜の集束体の端部における中空糸膜相互の隙間を本発明の組成物により封止し、当該組成物を硬化させて本発明のシール材を形成し(これにより、当該シール材によって中空糸膜相互の隙間が封止される)、当該集束体をハウジング内に収容することにより製造することができる。
本発明の中空糸膜モジュール(中空糸膜型濾過装置)の具体的構造としては、特開平11−5023号公報に記載の構造を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの例によってなんら限定して解釈されるものではない。
〔製造例1:主剤(A)の製造〕
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、MDI−1を166gと、MDI−2を422gとを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が50℃に達したところで、下記のポリオール1を124gと、下記のポリオール2を288gとを添加し、窒素雰囲気下、70℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、主剤(A)を構成するイソシアネート基末端プレポリマーを得た。以下、これを「主剤(A−1)」という。主剤(A−1)のイソシアネート基含有量は15.5質量%、25℃における粘度は1270mPa・sであった。
〔製造例2〜22:主剤(A)の製造〕
また、製造例2〜22においても製造例1と同様に、表1〜4に記載の原料及び所定の配合に従って主剤(A)を得た。得られたプレポリマーにおけるNCO含量及び粘度は表1〜4に示すとおりであった。
〔調製例1:硬化剤(B)の調整〕
ポリオール6を81.0質量部と、N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン(官能基数=4.0、水酸基価=760(mgKOH/g))を19.0質量部とを均一混合して、硬化剤(B)を準備した。以下、これを「硬化剤(B−1)」とする。
〔調製例2:硬化剤(B)の調整〕
ポリオール6を79.0質量部と、N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンを21.0質量部とを均一混合して、硬化剤(B)を準備した。以下、これを「硬化剤(B−2)」とする。
〔調製例3:硬化剤(B)の調整〕
ポリオール6を82.0質量部と、N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンを18.0質量部とを均一混合して、硬化剤(B)を準備した。以下、これを「硬化剤(B−3)」とする。
〔調製例4:硬化剤(B)の調整〕
ポリオール6を85.0質量部と、N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンを15.0質量部とを均一混合して、硬化剤(B)を準備した。以下、これを「硬化剤(B−4)」とする。
〔調製例5〕
ポリオール6を77.0質量部と、N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンを23.0質量部とを均一混合して、硬化剤(B)を準備した。以下、これを「硬化剤(B−5)」とする。
〔調製例6〕
ポリオール6を87.0質量部と、N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンを13.0質量部とを均一混合して、硬化剤(B)を準備した。以下、これを「硬化剤(B−6)」とする。
〔調製例7:硬化剤(B)の調製〕
ポリオール6を73.0質量部と、N,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンを27.0質量部とを均一混合して、硬化剤(B)を準備した。以下、これを「硬化剤(B−2)」とする。
Figure 2009013902

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上記の主剤、硬化剤を得るために使用した原料は下記のとおりである。
(主剤用原料)
MDI−1:4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、NCO含有量=33.6%「ミリオネートMT(商品名)」(日本ポリウレタン工業(株)製)
MDI−2:4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、イソシアネート基含有量=28.6%「ミリオネートMTL−C(商品名)」(日本ポリウレタン工業(株)製)
ポリオール1:ヒマシ油「#1944U(商品名)」(伊藤製油(株)製)、公称平均官能基数=2、水酸基価=110KOHmg/g、リシノール酸とポリプロピレングリコールとのエステル化合物
ポリオール2:ヒマシ油「#1945U(商品名)」(伊藤製油(株)製)、公称平均官能基数=2、水酸基価=50KOHmg/g、リシノール酸とポリプロピレングリコールとのエルテル化合物
ポリオール3:ヒマシ油「URIC H−56(商品名)」(伊藤製油(株)製)、公称平均官能基数=2、水酸基価=80KOHmg/g、リシノール酸とポリプロピレングリコールとのエステル化合物
ポリオール4:「#1274」(伊藤製油(株)製)、公称平均官能基数=2、水酸基価=40KOHmg/g、リシノール酸とポリプロピレングリコールとのエステル化合物
ポリオール5:「#1117」(伊藤製油(株)製)、公称平均官能基数=2、水酸基価=30KOHmg/g、リシノール酸とポリプロピレングリコールとのエステル化合物
ポリオール6:ヒマシ油「URIC H−30(商品名)」(伊藤製油(株)製)、平均官能基数=2.7、水酸基価=160mgKOH/g
ここで、公称平均官能基数とはポリオール製造メーカーがカタログ等に記載している値、又はポリオールを得る際に用いられる開始剤の官能基数をいう。
〔実施例1〜12、比較例1〜15〕
実施例1〜12および比較例1〜15に係るシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物の各々を、減圧脱泡(10〜20kPaで3分間)した後、表5〜8記載の配合比で撹拌混合し、そのうち100gをポリプロピレン製のカップに仕込んだ。これを45℃で3日間静置キュアした後に脱型し、硬化物(硬化樹脂)を得た。得られた硬化物の各々について、25℃の温度条件下で、測定瞬間から10秒後のJIS−D硬度を測定した。測定結果を表5〜10に示す。
〔中空糸モジュールの製造方法〕
実施例1〜12および比較例1〜15に係るポリウレタン樹脂形成性組成物を表5〜8記載の配合比で混合攪拌した後、カートリッジケース(内径42mm、ポリカーボネート製)に注型し、ポリスルホン中空糸膜約1万本を束ねた集束体の両端部における中空糸膜相互の隙間;および当該集束体が挿入された上記カートリッジケースと当該集束体との間を、遠心接着によりシールし、これを25℃雰囲気下で1晩静置した。その後、得られた中空糸膜モジュールの濡れシロ、剥離、波打ちの状態を確認した。結果を表5〜10に記載する。

Figure 2009013902
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〔濡れシロの評価方法〕
得られた中空糸膜モジュールの封止部を、目盛り付きルーペにより観察した。樹脂部分から中空糸に滲みあがった部分(図4参照)までの距離を測定した。当該距離が長い程使用できる膜面積が減少することとなる。
〔充填性の評価方法〕
モジュール端面を切断、中空糸断面を確認し、ケース内部に水を充填した。ケースとの剥離及び中空糸間に樹脂未充填部分があれば水がリークする。リークが無ければ合格(○)、リークが発生すると不合格(×)。
〔波打ち現象の評価方法〕
中空糸膜モジュール製造時に同時に2本成形を行い、得られた中空糸膜モジュールの封止部の2箇所(2本分で合計4箇所)を上面より観察し、中空糸と樹脂の界面を観察する。樹脂界面が波打ちを発生している場合は、目視にて1〜5点(4箇所で4〜20点)の
評価を行った。評価判断については図1〜3を参照。
〔剥離の評価方法〕
得られた中空糸膜モジュールを観察し、樹脂とケースの間に剥離が存在しているか確認する。剥離が無ければ合格(○)、一部分でもあれば不合格(×)。
[ポリウレタン樹脂形成性組成物のポットライフ]
実施例11、比較例12〜13に係るポリウレタン樹脂形成性組成物(主剤と硬化剤との合計=100g)の各々を、25℃雰囲気下で、回転粘度計(B型、4号ローター)を用いて粘度上昇を追跡し、主剤と硬化剤との混合を開始した時点から、組成物の粘度が50000mPa・sに到達するまでの時間を、ポットライフとした。結果を表9に示す。
[ポリウレタン樹脂形成性組成物のウレタンオリゴマー値]
実施例12、比較例14〜15に係るポリウレタン樹脂形成性組成物を表10に記載の配合比で混合攪拌した後、カートリッジケース(内径42mm、ポリカーボネート製)に注型し、ポリスルホン中空糸膜(グリセリン含有量;10質量%)約1万本を束ねた集束体の両端部における中空糸膜相互の隙間;および当該集束体が挿入された上記カートリッジケースと当該集束体との間を、遠心接着(液温40℃、遠心成型条件;50℃×10分、遠心成型機回転数1500rpm)によりシールし、これを45℃雰囲気下で3日静置した。その後、中空糸を含んだ樹脂(膜モジュール1本分;約40g)を精製水200mlに浸漬させ、40℃で2時間抽出した(振とう器使用)。その後、抽出液をデカンテーションし、抽出液1mlを精製水で50倍希釈したものを試験サンプルとした。当該試験サンプルをUV吸光度測定機器(UV−1500、島津製作所製)で測定した値(240nm〜245nm)をウレタンオリゴマー値とした(「透析型人工腎臓装置承認基準V-4」の旧規格に準じて実施)。近年、人体への影響からウレタンオリゴマーの溶出量の低減が求められており、本発明ではウレタンオリゴマー値が0.0020以下のものを(○)、0.0020を超えるものを(×)とした。
得られた結果を表10に記載する。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物(シール材)は、前述のとおり、多くの優れた性能、とりわけ優れた低溶出物性を有する。従って、医療用、工業用分離装置を構成する中空糸膜モジュール(中空糸膜型濾過装置)用のシール材(結束材)として使用することができ、特に大型の中空糸膜モジュール用のシール材として好適に使用することができる。ここに、医療用、工業用分離装置としては、具体的には、血漿分離器、人工肺、人工腎臓、人工肝臓、家庭用・工業用水処理装置等が挙げられる。
波打ち現象評価(1点) 波打ち現象評価(3点) 波打ち現象評価(5点) 濡れシロ発生
符号の説明
1 中空糸膜を結束したシール材
2 中空糸膜
3 ポリウレタン樹脂形成性組成物注入ノズル
4 筒状容器
5 中空糸膜
6 濡れシロ
7 中空糸膜を結束したシール材

Claims (5)

  1. イソシアネート成分を含有する主剤(A)と、ポリオール成分を含有する硬化剤(B)とからなるポリスルホン中空糸膜モジュールシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物において;
    主剤(A)を構成するイソシアネート成分として、 イソシアネート基含有化合物(a1)と、水酸基価が45〜90KOHmg/gであるヒマシ油系変性ポリオール(a2)を反応させて得られる、ウレタン基濃度が0.43mmol/g〜0.65mmol/gであるイソシアネート基末端プレポリマーが含有され;
    硬化剤(B)を構成するポリオール成分として、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系変性ポリオール(b1)と、水酸基含有アミン系化合物(b2)が含有されているポリスルホン中空糸膜モジュールシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  2. 請求項1に記載の硬化剤(B)を構成する成分である(b1)と(b2)の比率が、(b1)/(b2)=85/15〜75/25であることを特徴とする、請求項1に記載のポリスルホン中空糸膜モジュールシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の水酸基含有アミン系化合物(b2)が、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンであるポリスルホン中空糸膜モジュールシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のポリウレタン樹脂形成性組成物であって、グリセリン含有量が10質量%以下であるポリスルホン中空糸を用いた膜モジュール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  5. 請求項1から4いずれか1つに記載のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化して得られるポリスルホン中空糸膜モジュール用のシール材。
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