JPH11335436A - 注型ポリウレタン形成用ポリオールおよび組成物 - Google Patents

注型ポリウレタン形成用ポリオールおよび組成物

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JPH11335436A
JPH11335436A JP10158577A JP15857798A JPH11335436A JP H11335436 A JPH11335436 A JP H11335436A JP 10158577 A JP10158577 A JP 10158577A JP 15857798 A JP15857798 A JP 15857798A JP H11335436 A JPH11335436 A JP H11335436A
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JP
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polyol component
polyol
castor oil
fatty acid
carbon atoms
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JP10158577A
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Kazuaki Ohira
和明 大平
Toshiro Shimada
寿郎 島田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人工腎臓、浄水器等のシール材として好適
な、低粘度で注型性に優れかつ速硬化性である注型ポリ
ウレタン形成用組成物の提供。 【解決手段】 特定構造のN,N,−ジアルキル−ポリ
アルキレンポリアミンのオキシアルキル化加物(a1)
および/またはそのヒマシ油脂肪酸エステル(a2)を
含んでなるポリオール成分(A)と、ポリイソシアネー
ト成分(B)とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は注型ポリウレタン形
成用組成物に関し、とくに血液処理器または浄水器のシ
ール材用として好適な注型ポリウレタン形成用組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、血液処理器または浄水器のシール
材として用いられる注型ポリウレタン形成用組成として
は、例えば、ポリオール成分の一部としてN,N,
N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−
エチレンジアミンを用いたものが知られている(例えば
特開昭53−61695号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、血液処理器また
は浄水器の生産性向上のため、注型ポリウレタン形成用
組成物として速硬化性のものが要望されている。しか
し、従来のN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒド
ロキシプロピル)−エチレンジアミンをポリオール成分
の一部に用いる場合、速硬化性にするためにはその含有
量を多くせねばならず、注型前の混合液の粘度が高くな
り、注型作業がしづらい等の問題がある。一方、速硬化
性にするためにジブチル錫ジラウレート等の金属系触媒
を使用する方法もあるが、血液処理器等の用途に使用す
る場合、金属が血液中に溶出する可能性があり安全性に
問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題に
鑑み、速硬化性でありかつ低粘度で注型性に優れ、しか
も血液中に溶出する物質を含まない注型ポリウレタン形
成用組成物を得るべく鋭意検討した結果、ポリオール成
分として特定のアミン系ポリオールを用いることにより
これらの特性が得られることを見いだし、本発明に到達
した。
【0005】すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0006】
【化3】
【0007】[式中、R1は炭素数1〜6のアルキレン
基、R2およびR3はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアル
キル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、複数
個のAは同一でも異なっていてもよく、複数個のオキシ
アルキレン基(AO)が2種以上のオキシアルキレン基
で構成される場合の結合形式はブロックまたはランダム
のいずれでもよい。jは1〜10の整数、m、nおよび
kはオキシアルキレン基の合計が2〜200を満たす0
または正の整数を表す。]で示される化合物(a1)お
よび/またはそのヒマシ油脂肪酸エステル(a2)を含
んでなる注型ポリウレタン形成用ポリオール成分;該ポ
リオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)と
からなる注型ポリウレタン形成用組成物;並びに、該組
成物をシール材として用いてなる中空糸型血液処理器ま
たは浄水器である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポリオール成分[以下、
ポリオール成分(A)ともいう]を構成する上記一般式
(1)で表される化合物(a1)において、Aは炭素数
が通常2〜4、好ましくは2〜3のアルキレン基であ
る。Aの炭素数が4を越えると速硬化性が不十分にな
り、2未満では化合物(a1)の熱安定性が不良にな
る。該アルキレン基としては直鎖または分岐のもの、例
えばエチレン基、1,2−もしくは1,3−プロピレン
基、1,2−、1,3−、2,3−もしくは1,4−ブ
チレン基等が挙げられ、好ましいのはエチレン基および
1,2−プロピレン基である。R1で表されるアルキレ
ン基の炭素数は、通常1〜6、好ましくは2〜3であ
る。R1の炭素数が6を越えると速硬化性が不十分にな
る。該アルキレン基としては直鎖または分岐のもの、例
えばエチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロ
ピレン基、1,2−、1,3−、2,3−もしくは1,
4−ブチレン基3−メチル−1,5−ペンチレン基、ヘ
キシレン基等が挙げられ、好ましくはエチレン基および
1,3−プロピレン基である。R2およびR3で表される
アルキル基の炭素数は、通常1〜6、好ましくは1〜4
である。炭素数が6を越えると速硬化性が不十分にな
る。該アルキル基としては直鎖および分岐のもの、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−、sec−もしくはtert−ブチル基、ペン
チル基およびヘキシル基が挙げられる。また、m、nお
よびkは、オキシアルキレン基(AO)の合計が通常2
〜200、好ましくは2〜100、さらに好ましくは2
〜10を満たす0または正の整数である。オキシアルキ
レン基の合計が200を越えると速硬化性が不十分とな
り、2未満では刺激臭が強く作業環境上の難点がある。
jは通常1〜10、好ましくは1〜3の整数である。
【0009】上記(a1)は、例えば、N,N−ジアル
キル−ポリアルキレンポリアミン[一般式(1)でm、
nおよびkが0の化合物]にアルキレンオキシドを2〜
200モル付加させることにより製造することができ
る。
【0010】上記(a1)の好ましい具体例としては、
N,N−ジアルキル(炭素数1〜4)−ポリアルキレン
(炭素数2〜3)ポリアミン(例えばN,N−ジメチル
−ジエチレントリアミン、N,N−ジメチル−ジプロピ
レントリアミン、N,N−ジエチル−ジエチレントリア
ミン、N,N−ジエチル−ジプロピレントリアミン、
N,N−ジブチル−ジエチレントリアミン、N,N−ジ
ブチル−ジプロピレントリアミン等)の、エチレンオキ
シド2〜10モル付加物、プロピレンオキシド2〜10
モル付加物、エチレンオキシド1〜5モルとプロピレン
オキシド1〜5モルの共付加物(ブロックまたはランダ
ム付加)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。これらのうち特に好ましいものはN,N−ジメチル
−ジエチレントリアミンのプロピレンオキシド2〜10
モル付加物およびN,N−ジメチル−ジプロピレントリ
アミンのプロピレンオキシド2〜10モル付加物であ
る。
【0011】また、該(a1)のヒマシ油脂肪酸エステ
ル(a2)は、(a1)の水酸基の一部または全部をヒ
マシ油脂肪酸もしくはそのエステル形成性誘導体(たと
えば炭素数1〜4の低級アルキルエステル)で常法によ
りエステル化することにより製造することができる。
【0012】本発明におけるポリオール成分(A)中の
該化合物(a1)および/または(a2)の含有量は、
通常少なくとも0.1重量%、好ましくは1〜100重
量%以上、さらに好ましくは3〜100重量%以上であ
る。0.1重量%未満では速硬化性が不十分になる。ま
た、該(A)中のN(N,N−ジアルキル−ポリアルキ
レンポリアミンに基づく)含量は通常0.005重量%
以上、好ましくは0.05〜5.5重量%、さらに好ま
しくは0.15〜5.5重量%である。
【0013】また、ポリオール成分(A)として、上記
(a1)および/または(a2)と共に必要によりその
他のポリオールを併用することができる。該その他のポ
リオールとしては、低分子ポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ヒマシ油脂肪酸エステル系ポリオール、ポリ
エステルポリオールおよびこれらの2種以上の混合物が
挙げられる。
【0014】上記低分子ポリオールとしては(a1)ま
たは(a2)以外の3級アミノ基含有ポリオールおよび
非アミン系ポリオールが挙げられる。該3級アミノ基含
有ポリオールとしては、N,N,N’,N’−テトラキ
ス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、
N,N,N’,N’,N”−ペンタキス(2−ヒドロキ
シプロピル)−ジエチレントリアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、N−アミノアルキルイミ
ダゾールのオキシアルキル化物[平成10年5月20日
出願の特許願(整理番号P4595)に添付の明細書に
記載のもの]等が挙げられる。
【0015】上記非アミン系ポリオールとしては、2価
のもの(エチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水添
ビスフェノールA等);3〜8価のもの(グリセリン、
トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタ
エリスリトール、ソルビトール、シュークローズ等)等
が挙げられる。
【0016】上記ポリエーテルポリオールとしては、上
記低分子ポリオールの1種以上のアルキレンオキシド
(例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチ
レンオキシドおよびこれらの2種以上の混合物)付加物
およびアルキレンオキシドの開環重合物が挙げられ、具
体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリオキシテトラメチレングリコール等が含ま
れる。該ポリエーテルポリオールの数平均分子量は通常
200〜2,000である。
【0017】上記ヒマシ油脂肪酸エステル系ポリオール
としては、例えばヒマシ油、上記低分子ポリオールまた
はポリエーテルポリオールとヒマシ油とのエステル交換
反応あるいはヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応により
得られるヒマシ油脂肪酸エステル等が挙げられる。該ヒ
マシ油脂肪酸エステル系ポリオールの数平均分子量は通
常200〜2,000またはそれ以上である。
【0018】上記ポリエステルポリオールとしては、ポ
リカルボン酸[脂肪族飽和または不飽和ポリカルボン酸
(アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、二量化リノール酸等)およ
び/または芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタ
ル酸等)]と、ポリオール(前記の低分子ポリオールお
よび/またはポリエーテルポリオール)とからの線状ま
たは分岐状ポリエステルポリオール;ポリラクトンポリ
オール{例えば開始剤[グリコール(エチレングリコー
ル等)、トリオール等]をベースとしてこれに(置換)
カプロラクトン(ε−カプロラクトン、α−メチル−ε
−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン
等)を触媒(有機金属化合物、金属キレート化合物、脂
肪酸金属アシル化物等)の存在下に開環付加重合させた
ポリオール(例えばポリカプロラクトンポリオー
ル)};末端にカルボキシル基および/または水酸基を
有するポリエステルにアルキレンオキシド(エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド等)を付加重合させて得ら
れるポリエーテルエステルポリオール;ポリカーボネー
トポリオール等が挙げられる。該ポリエステルポリオー
ルの数平均分子量は通常200〜2,000またはそれ
以上である。
【0019】これらのうち好ましいものはヒマシ油脂肪
酸エステル系ポリオールであり、特に好ましいものはヒ
マシ油である。上記その他のポリオールを併用する場合
のその使用量は、(A)中のN(N,N−ジアルキルポ
リアルキレンポリアミンに基づく)含量が前記範囲内と
なる量である。
【0020】本発明において、注型ポリウレタン形成用
組成物を構成するポリイソシアネート成分(B)として
は、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜
18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂
環式ポリイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族ポリ
イソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソ
シアネート、これらのポリイソシアネートの変性物およ
びイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーから
なる群より選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
【0021】上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、
例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,1
1−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエー
ト、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス
(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシ
アナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート
等が挙げられる。
【0022】脂環式ポリイソシアネートとしては、例え
ば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シ
クロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシ
レンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソ
シアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボキシレート等が挙げられる。
【0023】芳香族ポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート(2,4−TDI、2,
6−TDI、粗製TDIおよびこれらの混合物)、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI、
2,4’−MDIおよびこれらの混合物)、ナフチレン
ジイソシアネート(NDI)、ポリメチレンポリフェニ
ルポリイソシアネート等が挙げられる。
【0024】芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、
例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,
α,α’,α’−テトラメチルキシリデンジイソシアネ
ート(TMXDI)、ジイソシアナトエチルベンゼン等
が挙げられる。
【0025】これらのポリイソシアネート化合物の変性
物としては、上記に例示したポリイソシアネートのイソ
シアネート基の一部または全部をカルボジイミド基、ウ
レトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビュレット
基、イソシアヌレート基等に変性した化合物が挙げられ
る。
【0026】イソシアネート基を有するウレタンプレポ
リマーとしては、上記に例示したポリイソシアネート化
合物およびこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種
と、活性水素含有化合物とを反応させて得られるイソシ
アネート基末端ウレタンプレポリマーが挙げられる。該
活性水素含有化合物としては、ポリオール成分(A)に
おけるその他のポリオールとして例示したものと同様の
低分子ポリオール、ポリエーテルポリオール、ヒマシ油
脂肪酸エステル系ポリオール、ポリエステルポリオール
等が挙げられる。
【0027】該イソシアネート基を有するウレタンプレ
ポリマーにおいて、ポリイソシアネート化合物もしくは
これらの変性物中のNCO基と活性水素含有化合物中の
水酸基の当量比(NCO/OH比)は、通常1.1〜5
0、好ましくは1.5〜30、とくに好ましくは3〜2
0である。該ウレタンプレポリマー中のNCO基含量
は、通常3〜30重量%である。
【0028】本発明の組成物を構成するポリオール成分
(A)とポリイソシアネート成分(B)とからポリウレ
タン樹脂を形成させる場合のNCO/OH当量比は、通
常0.5〜2、好ましくは0.7〜1.5、さらに好ま
しくは0.8〜1.2である。
【0029】該組成物は、通常、ポリオール成分(A)
とポリイソシアネート成分(B)の二液の組合せからな
り、使用時に二液を混合反応せしめてポリウレタン樹脂
を形成させる。該(A)と該(B)を各々所定量計量
後、スタティクミキサーまたはメカニカルミキサー等で
混合することにより反応させることができる。ゲル化時
間は通常3〜60分であり、完全硬化には12〜48時
間を要する。硬度が変化しなくなった時点を完全硬化
(反応終点)とする。なお、養生温度を高く(例えば3
0〜60℃)することにより完全硬化までの時間を短縮
することも可能である。
【0030】(A)と(B)からなる混合液の粘度(注
型前粘度、30℃)は、通常50〜10,000mPa
・s、好ましくは100〜5,000mPa・sであ
る。
【0031】(A)と(B)とを反応させて得られる硬
化樹脂の硬度(ショアーD;瞬間値)は通常20〜10
0、好ましくは30〜80である。
【0032】本発明の注型ポリウレタン形成用組成物
は、血液処理器または浄水器のシール材として特に好適
に使用される。対象となる血液処理器としては、例えば
中空糸型、膜型もしくはコイル型の人工腎臓および血奬
分離用モジュール等がある。また、人工肺等の人工臓器
にも使用できる。
【0033】本発明の組成物を血液処理器のシール材と
して使用する場合の具体的使用法を例示する。ポリオー
ル成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを個別
に減圧脱泡(0.1mmHg×2時間)する。この二液
を所定量計量後混合し、遠心成型法により中空糸を容器
に埋封する。遠心成型法の例は例えば特公昭57−58
963号公報に記載されている。埋封される中空糸とし
ては一般に、セルロース系、アクリル系、ポリビニルア
ルコール系、ポリアミド系、ポリスルホン系等の中空糸
が使用される。容器としては一般に、ポリカーボネート
製、ABS製、ポリスチレン製等のものが使用される。
該二液混合液は注入から3〜60分後にはゲル化し、モ
ジュールを成型機から取り出すことができる。ついで室
温〜60℃で養生を行い硬化を完了させる。その後、オ
ートクレーブを使用して121℃で1時間の蒸気加熱に
より滅菌処理を行い製品化する。滅菌処理は蒸気加熱以
外の方法、例えばエチレンオキシドガスまたはγ線照射
等によっても実施することができる。
【0034】本発明の組成物から形成されるポリウレタ
ン樹脂は、硬化時の収縮も少なく血液処理器中の中空糸
が圧し潰される心配がない。また中空糸への付着もきわ
めて良好であり、硬化樹脂からの溶出物量も少ない。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて部は重量部を、%は重量%を示す。
【0036】製造例1 攪拌式オートクレーブに、N,N−ジメチル−ジプロピ
レントリアミン476部を仕込み、これにプロピレンオ
キシド524部を140℃で3時間かけて滴下して反応
させ、N,N−ジメチル−ジプロピレントリアミンのプ
ロピレンオキシド3モル付加物(A−1)を得た。この
ものの水酸基価は507、粘度は2,000mPa・s
/25℃であった。
【0037】製造例2 攪拌機、温度計および窒素導入管を付した2L容積の4
つ口フラスコに、製造例1で得た(A−1)50部と精
製ヒマシ油[豊国製油(株)製;「ELA−DR」]9
50部とを仕込み、窒素気流下40〜50℃で1時間攪
拌混合し、ポリオール成分(A−2)を得た。該(A−
2)の水酸基価は178、粘度は700mPa・s/2
5℃であった。
【0038】製造例3 製造例2と同様の反応容器に、カルボジイミド変性4,
4’−MDI[三菱化学ダウ(株)製;「ISONAT
E 143L」]741.3部とポリプロピレングリコ
ール(数平均分子量950)のヒマシ油脂肪酸モノエス
テル[伊藤製油(株)製;「URIC H−53」]2
58.7部とを仕込み、70〜80℃で4時間反応さ
せ、NCO末端ウレタンプレポリマーからなるポリイソ
シアネート成分(B−2)を得た。該(B−2)のNC
O基含量は20.0%、粘度は600mPa・s/25
℃であった。
【0039】比較製造例1 製造例2と同様の反応容器に、N,N,N’,N’−テ
トラキス−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミ
ン330部と精製ヒマシ油[豊国製油(株)製;「EL
A−DR」]670部とを仕込み、窒素気流下40〜5
0℃で1時間攪拌混合し、比較のポリオール成分(A’
−1)を得た。該(A’−1)の水酸基価は360、粘
度は2,000mPa・s/25℃であった。
【0040】実施例1 セルロース中空糸を挿入したポリカーボネート容器に、
製造例1で得られたポリオール成分(A−1)と、ポリ
イソシアネート成分(B−1)としてHDI系2官能プ
レポリマー[旭化成(株)製;「デュラネート D−1
01」]とを組み合わせて(NCO/OH当量比=1.
05/1)、遠心成型法により注型し40℃で養生し、
モジュールを作成した。以下の試験方法により混合液の
注型前粘度およびモジュールのシール部の樹脂硬度を測
定した。その結果を表1に示す。 (試験方法) 注型前粘度:ポリオール成分(A)とポリイソシアネー
ト成分(B)とを30℃で均一混合し、混合開始1分後
の粘度(Pa・s)を測定。 硬度:注型後40℃で養生したとき(3時間目,24時
間目,完全硬化時)の硬化樹脂の硬度(ショアーD,瞬
間値)を測定。
【0041】実施例2 製造例2で得られたポリオール成分(A−2)と、製造
例3で得られたポリイソシアネート成分(B−2)とを
組み合わせて(NCO/OH当量比=1.05/1)、
実施例1と同様にしてモジュールの作成ならびに試験を
行った。その結果を表1に示す。
【0042】比較例1 実施例1のポリオール成分(A−1)に代えて比較製造
例1で得られた比較のポリオール成分(A’−1)を同
当量用いた以外は、実施例1と同様にしてモジュールの
作成ならびに試験を行った。その結果を表1に示す。
【0043】比較例2 実施例2の(A−2)に代えて、N,N,N’,N’−
テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジア
ミン(A’−2)を同当量用いた以外は、実施例2と同
様にしてモジュールの作成ならびに試験を行った。その
結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の注型ポリウレタン形成用組成物
は下記の効果を有する。 (1)低粘度であり、注型性が優れている。 (2)速硬化性であり、切断までの時間を大幅に短縮で
きる等、生産性が格段に向上する。 (3)硬化樹脂中に血液や水に溶出する物質を含まない
ので、安全性が優れている。 上記効果を奏することから本発明の注型ポリウレタン形
成用組成は、血液処理器等の人工臓器もしくは浄水器の
シール材用として特に有用である。また、該組成物から
得られる硬化樹脂は電気絶縁性、耐水性および各種基材
に対する接着性に優れるので、電子回路基板の封止等の
電気絶縁用途、光ファイバーケーブル接続部の封止等の
止水用途、断熱アルミサッシの接着やアルミハニカムパ
ネルの接着等の建材用途、自動車のエンブレムやサイド
モール用ポッティング材用途等にも使用できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1は炭素数1〜6のアルキレン基、R2および
    3はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、Aは
    炭素数2〜4のアルキレン基を表し、複数個のAは同一
    でも異なっていてもよく、複数個のオキシアルキレン基
    (AO)が2種以上のオキシアルキレン基で構成される
    場合の結合形式はブロックまたはランダムのいずれでも
    よい。jは1〜10の整数、m、nおよびkはオキシア
    ルキレン基の合計が2〜200を満たす0または正の整
    数を表す。]で示される化合物(a1)および/または
    そのヒマシ油脂肪酸エステル(a2)を含んでなる注型
    ポリウレタン形成用ポリオール成分。
  2. 【請求項2】 (a1)が、下記一般式(2) 【化2】 [式中、p、qおよびrはp+q+r=2〜200を満
    たす0または正の整数を表す。]で示される化合物であ
    る請求項1記載のポリオール成分。
  3. 【請求項3】 ポリオール成分中の(a1)および/ま
    たは(a2)の含有量が、少なくとも0.1重量%であ
    る請求項1または2記載のポリオール成分。
  4. 【請求項4】 ポリオール成分が、(a1)および/ま
    たは(a2)とヒマシ油脂肪酸エステル系ポリオールと
    からなる請求項1〜3のいずれか記載のポリオール成
    分。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載のポリオー
    ル成分(A)とポリイソシアネート(B)とからなる注
    型ポリウレタン形成用組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の組成物をシール材として
    用いてなる中空糸型血液処理器または浄水器。
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