JP3524509B2 - 注型用ポリウレタン樹脂形成性組成物 - Google Patents

注型用ポリウレタン樹脂形成性組成物

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JP3524509B2 JP2001076566A JP2001076566A JP3524509B2 JP 3524509 B2 JP3524509 B2 JP 3524509B2 JP 2001076566 A JP2001076566 A JP 2001076566A JP 2001076566 A JP2001076566 A JP 2001076566A JP 3524509 B2 JP3524509 B2 JP 3524509B2
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寿郎 島田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、とくに中空糸型の
血液処理器または浄水器のシール材用として好適な注型
用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中空糸等を用いた血液処理器また
は浄水器のシール材として用いられる注型ポリウレタン
樹脂形成性組成物としては、例えば、ポリオール成分と
してヒマシ油系ポリオールおよび/またはポリオキシプ
ロピレンポリオールと、N,N,N’,N’−テトラキ
ス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミンとの
混合物を用いたものが知られている(例えば特開昭53
−61695号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ヒマシ油系ポリオールやポリオキシプロピレンポリオー
ルとN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシ
プロピル)−エチレンジアミンとの混合物をポリオール
成分に用いた注型用ポリウレタン樹脂形成性組成物で
は、注型前の混合液の粘度が高くなり、注型作業がしづ
らい等の問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題に
鑑み、速硬化性でありかつ低粘度で注型性に優れた注型
用ポリウレタン形成性組成物を得るべく鋭意検討した結
果、ポリオール成分として特定のポリオキシアルキレン
ポリオールを用いることによりこれらの特性が得られる
ことを見いだし、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、ポリオキシアルキレン
ポリオール(a)からなるポリオール成分(A)とポリ
イソシアネート成分(B)とからなる注型用ポリウレタ
ン樹脂形成性組成物において、(a)がヒドロキシプロ
ピル末端で且つその1級水酸基含有率が少なくとも40
%であるポリオキシアルキレンポリオール(a1)から
なることを特徴とする血液処理器のシール材用の注型用
ポリウレタン樹脂形成性組成物;ポリオキシアルキレン
ポリオール(a)からなるポリオール成分(A)とポリ
イソシアネート成分(B)とからなる注型用ポリウレタ
ン樹脂形成性組成物において、(a)がヒドロキシプロ
ピル末端で且つその1級水酸基含有率が少なくとも40
%であるポリオキシアルキレンポリオール(a1)から
なることを特徴とする浄水器のシール材用の注型用ポリ
ウレタン樹脂形成性組成物;該組成物からなる結束剤;
並びに、該結束剤を用いてシールされてなる中空糸型血
液処理器および浄水器である。
【0006】本発明におけるポリオキシアルキレンポリ
オール(a1)は、末端にヒドロキシプロピル基を有す
る。ヒドロキシプロピル基末端を有することの確認はた
とえば1H−NMR法により行うことができる。ヒドロ
キシプロピル基には下記の式(2)で表される1級水酸
基含有基と、式(2’)で表される2級水酸基含有基と
が含まれるが、1級水酸基含有率(以下、1級化率とい
う)が通常40%以上、好ましくは70%以上である。
1級化率が40%未満では十分な速硬化性が得られな
い。
【0007】1級化率は、予め試料を前処理(エステル
化)した後に、1H−NMR法により測定し算出でき
る。
【0008】1H−NMR法の詳細を以下に説明する。 <試料調製法>測定試料約30mgを直径5mmのNM
R用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加
え溶解する。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ
酢酸を添加し分析用試料とする。上記重水素化溶媒とし
ては、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエ
ン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチル
ホルムアミド等から、試料を溶解させることのできる溶
媒を適宜選択する。 <NMR測定>通常の条件で1H−NMR測定を行う。 <1級化率の計算方法>上に述べた前処理の方法によ
り、ポリオキシアルキレンポリオールの末端の水酸基
は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフル
オロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合
したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測さ
れ、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2
ppm付近に観測される。1級化率は次の計算式により
算出する。 1級化率(%)=[x/(x+2×y)]×100 [但し、xは4.3ppm付近の1級水酸基の結合した
メチレン基由来の信号の積分値であり、yは5.2pp
m付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積
分値である。]
【0009】該(a1)としては、下記一般式(1)で
示される化合物が挙げられる。 X−[−(A−O)p−(Z−O)q−H]m (1) [式中、Xはm個の活性水素原子を有する化合物の残
基;Aはフェニル基もしくはハロゲン原子で置換されて
いてもよい炭素数2〜12のアルキレン基;Zはプロピ
レン基;mは2〜20の整数;pは0または1以上の整
数、qは1以上の整数であって、p+qの平均が200
を越えない値である。]
【0010】一般式(1)において、Xはm個の活性水
素原子を有する化合物の残基(活性水素を除いたm価の
基)であり、mは2〜20の整数である。mが20を越
えるとポリオール成分(A)の粘度が高くなり、注型前
の混合液の粘度が高くなる。残基Xを構成するm個の活
性水素原子を有する化合物には水酸基、1級もしくは2
級アミノ基、カルボキシル基およびメルカプト基から選
ばれる基を有する化合物が含まれ;例えば水酸基含有化
合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物
およびチオールが挙げられる。
【0011】上記水酸基含有化合物としては、低分子
(水酸基当量が160以下)多価アルコール{脂肪族多
価アルコール[炭素数2〜20の脂肪族2価アルコール
〔アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
3−メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール
および1,9−ノナンジオール等;炭素数3〜8の3〜
8価またはそれ以上の多価アルコール〔グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール、キシリトールおよびマンニトール;これらの分
子間もしくは分子内脱水物、例えばジペンタエリスリト
ール、ポリグリセリン(重合度2〜20)およびソルビ
タン;糖類およびその誘導体(グリコキシド等)、例え
ばグルコース、フルクトース、ショ糖およびα−メチル
グルコシド等〕等];炭素数6〜15の(ビ)シクロア
ルキレンジオール[例えば1,4−ジヒドロキシシクロ
ヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘ
キサンおよび2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシク
ロヘキシル)プロパン等];炭素数8〜15の芳香環含
有多価アルコール[m−およびp−キシリレングリコー
ル、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]
等};ヒマシ油系ポリオール[ヒマシ油、部分脱水ヒマ
シ油、部分アシル化ヒマシ油、これらの水添物、これら
の1種以上とポリオール(上述の多価アルコール、その
アルキレンオキサイド付加物等)とのエステル交換反応
生成物(ヒマシ油脂肪酸のモノ−およびジ−グリセライ
ドを含む)、ヒマシ油脂肪酸とポリオールとのエステル
化物等:水酸基価50〜300、価数2〜10];m個
の水酸基を有する数平均分子量(GPCによる。以下同
様)2,000までのポリマーもしくはオリゴマー[ポ
リアルカジエン(炭素数4〜10)ポリオール、例えば
ポリブタジエンポリオールおよびその水添物;ヒドロキ
シアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレートの
(共)重合体;ポリビニルアルコール(鹸化度60%以
上)等];多価フェノール類[単環多価フェノール類
(ピロガロ―ル、カテコール、ヒドロキノン等)、ビス
フェノ―ル類(ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、
ビスフェノールS等)等];リン酸化合物(燐酸、亜燐
酸、ホスホン酸等);およびこれらの2種以上の混合物
が挙げられる。
【0012】アミノ基含有化合物としては、1級モノア
ミン[炭素数1〜20のモノ(シクロ)アルキルアミン
類(メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、オク
チルアミン、ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン
等)、炭素数6〜12の芳香族および芳香脂肪族モノア
ミン(アニリン、トルイジン、ベンジルアミン等)
等];活性水素を2個以上有するポリアミン類[炭素数
2〜12またはそれ以上の脂肪族ジアミン〔アルキレン
ジアミンたとえばエチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、およびモノ−もしくはジ
−アルキル(炭素数1〜4)アルキレンジアミン(ジメ
チルプロピレンジアミン等)等〕、炭素数6〜15の脂
環式ジアミン(1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソ
ホロンジアミン、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメ
タン等)、炭素数6〜15の芳香族ジアミン〔m−およ
びp−フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチ
ルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノフェニルメタ
ン、2,2−ビス(4,4’−ジアミノフェニル)プロ
パン等〕、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジアミン(m−
およびp−キシリレンジアミン等)、炭素数4〜10の
複素環式ポリアミン〔ピペラリジン、アミノアルキル
(炭素数2〜4)ピペラジンたとえばアミノエチルピペ
ラジン、アミノアルキル(炭素数2〜4)イミダゾール
等〕、アルキレン基の炭素数2〜4のポリアルキレンポ
リアミン〔ジエチレントリアミン、ジプロピレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、数平均分子量2,00
0までのポリエチレンイミン、およびモノ−、ジ−もし
くはトリ−アルキル(炭素数1〜4)ポリアルキレンポ
リアミンたとえばジメチルジプロピレントリアミン等〕
等];ヒドロキシアルキル基の炭素数2〜4のモノ−も
しくはジ−アルカノールアミン(モノエタノールアミ
ン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン等);アミノ基を1個ま
たは2個以上有する数平均分子量が2,000までのポ
リマーもしくはオリゴマー[アミノアルキル(炭素数2
〜4)(メタ)アクリレート(共)重合体、ポリエーテ
ル(ポリ)アミン(ポリオキシプロピレンジアミン、ポ
リオキシプロピレントリアミン等)等];およびこれら
の2種以上の混合物が挙げられる。
【0013】カルボキシル基含有化合物としては、炭素
数2〜36の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル
酸、二量化リノール酸等)、炭素数8〜15の芳香族ポ
リカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)、不飽和カル
ボン酸重合体[数平均分子量が2000までの(メタ)
アクリル酸(共)重合物等]およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。
【0014】チオールとしては、炭素数が2〜6または
それ以上の2〜8価のポリチオール(エチレンジチオー
ル、プロピレンジチオール、1,3−ブチレンジチオー
ル、1,4−ブタンジチオール、1、6−ヘキサンジチ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジチオール等)
が挙げられる。
【0015】これらのうち好ましいものは水酸基含有化
合物およびアミノ基含有化合物であり、さらに好ましい
ものは脂肪族多価アルコールおよびヒマシ油系ポリオー
ル、とくにグリセリン、ペンタエリスルトール、ジペン
タエリスリトール、ポリグリセリン(重合度2〜10)
およびヒマシ油である。
【0016】一般式(1)において、Aには炭素数2〜
12のアルキレン基;炭素数6〜10のシクロアルキレ
ン基;およびフェニル基、ハロフェニル基もしくはハロ
ゲン原子(Cl、Br等)で置換された炭素数2〜12
のアルキレン基が含まれる。該Aの具体例としては、エ
チレン基、1,2−および1,3−プロピレン基、1,
2−、2,3−、1,3−および1,4−ブチレン基、
炭素数5〜12の1,2−アルキレン基(ラウリレン基
等);1,2−シクロヘキシレン基;クロロプロピレン
基、ブロモプロピレン基、フェニルエチレン基、クロロ
フェニルエチレン基等が挙げられる。(A−O)pを構
成するアルキレンオキサイド(以下AOと略記)として
は、エチレンオキサイド(以下EOと略記)、1,2−
プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−、
1,3−、2,3−および1,4−ブチレンオキサイド
(以下BOと略記)、炭素数5〜12のα−オレフィン
オキサイド、エピハロヒドリン(エピクロロヒドリン、
エピブロモヒドリン等)、スチレンオキサイド、1,2
−シクロヘキセンオキサイドおよびこれらの2種以上の
併用[p個の(A−O)が2種以上のオキシアルキレン
基で構成される場合の結合様式はブロックまたはランダ
ムのいずれでもよい。]が挙げられる。これらのうち好
ましいのはPOおよび1,2−BOである。
【0017】(a1)は、たとえば特開2000−34
4881号公報に記載の方法で製造することができる。
好ましい例としてはトリス(ペンタフルオロフェニル)
ボラン触媒(以下TPBと略記)の存在下で、下記一般
式(3)で表される活性水素含有化合物(a0)に、P
Oを開環付加重合させる方法が挙げられる。 X−[−(A−O)p−H]m (3) [式中、X、A、pおよびmは、前記一般式(1)の場
合と同義である。]
【0018】(a0)の具体例としては、pが0の場合
は、前述の一般式(1)のXを構成する化合物として例
示したものが挙げられる。
【0019】pが1以上の場合は、残基Xを構成する化
合物に、AOを従来公知の触媒(アルカリ金属水酸化物
等)を用いて(共)付加させて得られるポリオールであ
り、好ましい例としてはプロピレングリコールのPO付
加物、グリセリンのPO付加物、ポリグリセリンのPO
付加物、プロピレングリコールの1,2−BO付加物、
グリセリンの1,2−BO付加物、ポリグリセリンの
1,2−BO付加物、グリセリンのPO/1,2−BO
共付加物(ブロックまたはランダム)などが挙げられ
る。
【0020】(a0)にPOを開環付加重合させて(a
1)を製造する際のTPBの使用量は特に限定されない
が、(a1)の重量に基づいて通常0.00005〜1
0%、好ましくは0.0001〜1%である。上記およ
び以下において、%は重量%を示す(1級化率を除い
て)。
【0021】POの付加モル数は、(a0)の活性水素
原子1個当たり、通常1〜200モル、好ましくは2〜
100モル、さらに好ましくは3〜30モルである。p
が1以上の場合、残基Xを構成する化合物の活性水素原
子1個当たりの全AO(第1段階のAOおよび第2段階
のPOの合計)の付加モル数は2〜200モル、好まし
くは3〜100モルである。これらの付加モル数が20
0モルを越えるとポリオール成分(A)の粘度が高くな
り、注型前の混合液の粘度が高くなる。
【0022】POを開環付加重合させる際の反応温度
は、通常0〜250℃、好ましくは20〜180℃であ
る。反応温度制御の観点から(a0)とTPBの混合物
にPOを滴下するか、あるいは(a0)にPOとTPB
との混合物を滴下する方法が好ましい。
【0023】製造された付加重合物はTPBを含んでい
るため、合成珪酸塩(マグネシウムシリケート、アルミ
ニウムシリケート等)、活性白土等の吸着剤を用いて吸
着除去処理される。
【0024】(a)としては、(a1)に代えて又は
(a1)と共に、(a1)に更に本発明の目的を阻害し
ない範囲で少割合(全体としてオキシエチレン基の含量
がポリオキシアルキレン鎖の重量に基づいて50%以
下、好ましくは20%以下とくに10%以下)のEOを
付加してなる(a1)のEOチップ体を用いることもで
きる。(a)[(a1)および/またはそのEOチップ
体]の水酸基価は、他のポリオール併用の有無および併
用するポリオールの種類により異なるが、通常5〜80
0、好ましくは10〜450、さらに好ましくは30〜
300である。(a)を比較的高分子量(水酸基価40
0未満)の他のポリオール[(c)および/またはポリ
エステルポリオール]と併用する場合には、比較的高い
水酸基価たとえば400〜800とくに450〜700
のものが好ましい。(a)のオキシエチレン基の含量
は、全ポリオキシアルキレン鎖の重量に基づいて50%
以下さらに20%以下とくに10%以下が好ましく、0
〜5%とくに0%が最も好ましい。(a)は2種以上併
用してもよい。例えば開始剤[一般式(1)中のX]の
タイプの異なるもの[たとえば多価アルコール(グリセ
リンなど)をベースとするものとポリアミン(エチレン
ジアミンなど)をベースとするもの]、官能基数[一般
式(1)中のm]の異なるもの[たとえば2〜3官能化
合物(エチレングリコール、グリセリンなど)をベース
とするものと4〜8官能化合物(ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、ショ糖など)をベースとするも
の]、水酸基価またはAO付加モル数[一般式(1)中
のp+q]の異なるもの[水酸基価400以上(たとえ
ば450〜700)のものと400未満(たとえば30
〜300)のもの]の併用が挙げられる。
【0025】本発明におけるポリオール成分(A)を構
成する(a)の好ましい具体例としては、ポリプロピレ
ングリコール(末端2級水酸基)のPO付加物、グリセ
リンのPO付加物、ポリグリセリンのPO付加物、プロ
ピレングリコールの1,2−BO付加物(末端2級水酸
基)のPO付加物、グリセリンの1,2−BO付加物
(末端2級水酸基)のPO付加物、ポリグリセリンの
1,2−BO付加物(末端2級水酸基)のPO付加物、
ヒマシ油のPO付加物等が挙げられる。
【0026】本発明におけるポリオール成分(A)中の
(a)の含有量は、(A)の重量に基づいて通常50%
以上、好ましくは70%以上である。50%未満では本
発明の目的とする効果(低粘度、速硬化性)が得られ難
くなる。
【0027】ポリオール成分(A)において、速硬化性
をさらに向上させるために該(a)とともに必要により
水酸基価が400以上(好ましくは400〜1500)
のアミン系ポリオール(価数2〜20)(b)を併用す
ることができる。該(b)を併用する場合のその含有量
は、速硬化性向上効果の点から、(A)の重量に基づい
て1%以上、とくに3〜30%が好ましい。
【0028】該(b)としては、前記アミノ基含有化合
物のオキシアルキル化物(ヒドロキシアルキル基の炭素
数2〜4またはそれ以上)、例えばN,N,N’,N’
−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジ
アミン(以下THPEDと略記)、N,N,N’,
N’,N”−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)−
ジエチレントリアミン、トリエタノールアミン、N,N
−ジメチルプロピレンジアミンのオキシアルキル化物、
N,N−ジメチルジプロピレントリアミンのオキシアル
キル化物(特開平11−335436号公報に記載のも
の)、N−アミノアルキルイミダゾールのオキシアルキ
ル化物(特開平11−322881号公報に記載のも
の)等が挙げられる。これらのうち好ましいものはTH
PED、N,N,N’,N’,N”−ペンタキス(2−
ヒドロキシプロピル)−ジエチレントリアミン、N,N
−ジメチルプロピレンジアミンのオキシアルキル化物お
よびN−アミノアルキルイミダゾールのオキシアルキル
化物である。
【0029】また、ポリオール成分(A)は、上記
(a)および(b)からなるものが好ましいが、これら
と共に必要によりその他のポリオールを併用することが
できる。該その他のポリオールとしては、例えばヒマシ
油系ポリオール(c)、低分子ポリオール、ポリエステ
ルポリオールおよびこれらの2種以上の混合物が挙げら
れる。
【0030】上記ヒマシ油系ポリオール(c)として
は、例えばヒマシ油、部分脱水ヒマシ油、部分アシル化
ヒマシ油、下記の低分子ポリオールまたは該(a)を含
むポリオキシアルキレンポリオールとヒマシ油とのエス
テル交換反応あるいはヒマシ油脂肪酸とのエステル化反
応により得られるヒマシ油脂肪酸エステル等が挙げられ
る。該(c)の水酸基価は通常50〜300、価数は通
常2〜10である。
【0031】上記低分子ポリオールとしては、前記一般
式(1)におけるXを構成する化合物として例示した多
価アルコール、そのAO低モル付加物が挙げられる。該
低分子ポリオールの水酸基価は通常200〜1,800
であり、価数は通常2〜20である。
【0032】上記ポリエステルポリオールとしては、ポ
リカルボン酸[炭素数4〜40の脂肪族飽和または不飽
和ポリカルボン酸(アジピン酸、アゼライン酸、ドデカ
ン二酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、二量化リ
ノール酸等)および/または炭素数8〜12の芳香族ポ
リカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸等)]と、
ポリオール(前記低分子ポリオールおよび/またはポリ
エーテルポリオール)とからの線状または分岐状ポリエ
ステルポリオール;ポリラクトンポリオール{例えば開
始剤[グリコール(エチレングリコール等)、トリオー
ル(グリセリン等)等]をベースとしてこれに炭素数4
〜12のラクトン(γ−ブチロラクトン、ε−カプロラ
クトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル
−ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等)を触媒
(有機金属化合物、金属キレート化合物、脂肪酸金属ア
シル化物等)の存在下に開環付加重合させたポリオール
(例えばポリカプロラクトンポリオール)};末端にカ
ルボキシル基および/または水酸基を有するポリエステ
ルにAO(EO、PO等)を付加重合させて得られるポ
リエーテルエステルポリオール;低分子ポリオールと炭
酸エステル(炭酸ジメチル等)とからのポリカーボネー
トポリオール(例えばポリヘキサメチレンカーボネート
ジオール等)等が挙げられる。該ポリエステルポリオー
ルの水酸基価は通常50〜350であり、価数は通常2
〜3とくに2である。
【0033】これらのうち好ましいものはヒマシ油系ポ
リオール(c)であり、特に好ましいものはヒマシ油で
ある。該その他のポリオールを併用する場合のその量
は、ポリオール成分(A)の重量に基づいて50%以
下、とくに30%以下が好ましい。
【0034】(a)を、(b),(c)および/または
その他のポリオールと併用する場合のポリオール成分
(A)中の各ポリオールの割合は、(a)の水酸基価お
よび併用するポリオールの種類により異なるが、一般
に、(a)の量[(A)の重量に基づいて、以下同様]
は通常50%以上、好ましくは70%以上、(b)の量
は好ましくは1%以上、とくに3〜30%、(c)の量
は好ましくは1%以上、とくに3〜30%、低分子ポリ
オールの量は好ましくは20%以下、とくに1〜10
%、ポリエステルポリオールの量は好ましくは1%以
上、とくに2〜20%である。また(a)の少なくとも
一部がヒマシ油系ポリオールをベースとするもの[請求
項5の一般式(4)で表されるもの]である場合は、上
記範囲の(c)の一部または全部を該(a)または低分
子ポリオールに置き換えてもよい。比較的高分子量(水
酸基価400未満)の(a)を(b)および/または他
の低分子ポリオールと併用する場合の(a)の量は通常
50%以上、好ましくは70%以上である。この場合の
(b)の量は、(a)がアミン系[アミン(エチレンジ
アミンなど)をベースとするもの]か否かにより異なる
が、(a)が非アミン系のときは好ましくは1%以上、
とくに3〜30%であり、(a)がアミン系のときは上
記よりも少量でよく上記範囲の(b)の一部または全部
を他の低分子ポリオールに置き換えてもよい。比較的低
分子量(水酸基価400以上)のアミン系の(a)を
(c)および/またはポリエステルポリオールと併用す
る場合の(a)の量は通常5%以上、好ましくは10〜
40%、(c)の量は好ましくは30〜50%、ポリエ
ステルポリオールの量は好ましくは30〜50%であ
る。
【0035】本発明において、注型用ポリウレタン樹脂
形成性組成物を構成するポリイソシアネート成分(B)
としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同
様)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜
15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数6〜20の芳
香族ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族
ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変
性物およびイソシアネート基を有するウレタンプレポリ
マーからなる群より選ばれる1種以上の化合物が挙げら
れる。
【0036】脂肪族ポリイソシアネートとしては、例え
ばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11
−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエー
ト、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス
(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシ
アナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート
等が挙げられる。
【0037】脂環式ポリイソシアネートとしては、例え
ばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シク
ロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレ
ンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシ
アナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカル
ボキシレート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げ
られる。
【0038】芳香族ポリイソシアネートとしては、例え
ばトリレンジイソシアネート(2,4−TDI、2,6
−TDI、粗製TDIおよびこれらの混合物)、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI、2,
4’−MDIおよびこれらの混合物)、ナフチレンジイ
ソシアネート(NDI)、ポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネート等が挙げられる。
【0039】芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、
例えばキシリレンジイソシアネート(XDI)、α,
α,α’,α’−テトラメチルキシリデンジイソシアネ
ート(TMXDI)、ジイソシアナトエチルベンゼン等
が挙げられる。
【0040】これらのポリイソシアネート化合物の変性
物としては、上記に例示したポリイソシアネートのイソ
シアネート基の一部または全部をカルボジイミド基、ウ
レトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビュレット
基、イソシアヌレート基等に変性した化合物が挙げられ
る。
【0041】イソシアネート基を有するウレタンプレポ
リマーとしては、上記に例示したポリイソシアネートお
よびこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種と、活
性水素化合物とを反応させて得られるイソシアネート基
末端ウレタンプレポリマーが挙げられる。該活性水素化
合物としては、本発明の(a)を含むポリオキシアルキ
レンポリオール、ポリオール成分(A)におけるその他
のポリオールとして例示したものと同様のヒマシ油系ポ
リオール(c)、低分子ポリオール、ポリエステルポリ
オール等が挙げられる。
【0042】該イソシアネート基を有するウレタンプレ
ポリマーにおいて、ポリイソシアネートもしくはこれら
の変性物中のNCO基と活性水素化合物中の活性水素の
当量比(NCO/活性水素当量比)は、通常1.1/1
〜100/1、好ましくは2/1〜80/1、さらに好
ましくは3/1〜60/1である。該ウレタンプレポリ
マー中のNCO基含量は、通常3〜35%、好ましくは
5〜30%である。
【0043】本発明の(a)からなるポリオール成分
(A)およびイソシアネート成分(B)からなる注型用
ポリウレタン樹脂形成性組成物においては、とくに触媒
を用いる必要はないが、用途および速硬化性の要求度に
応じて金属系触媒(C)を用いることができる。該
(C)としては、錫系触媒[トリメチルチンラウレー
ト、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラ
ウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジ
ラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマレ
エート等]、鉛系触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキ
サン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛等]、チタン系
触媒[イソプロポキシトリN−エチルアミノエチルアミ
ナートチタン、テトラブチルチタネート、テトライソプ
ロポキシビスジオクチルホスファイトチタン等]、鉄系
触媒[鉄のカルボキシレート化合物(乳酸鉄、リシノー
ル酸鉄等)、フェロセン系化合物(フェロセン、アセチ
ルフェロセン等)、フタロシアニン鉄等]、その他の金
属触媒[ナフテン酸コバルトなどのナフテン酸金属塩、
フェニル水銀プロピオン酸塩等]が挙げられる。これら
のうち好ましいものは錫系触媒であり、特に好ましいも
のはジブチルチンジラウレートである。
【0044】該(C)の含有量は用途により異なるが、
高い速硬化性が要求される場合は、組成物の重量に基づ
いて好ましくは1,000ppm以下とくに10〜10
0ppmである。
【0045】本発明の注型用ポリウレタン樹脂形成性組
成物を構成するポリオール成分(A)とポリイソシアネ
ート成分(B)とからポリウレタン樹脂を形成させる場
合のNCO/活性水素含有基当量比は、通常1/5〜5
/1、好ましくは1/4〜4/1、さらに好ましくは1
/3〜3/1である。
【0046】該組成物は、通常、ポリオール成分(A)
とポリイソシアネート成分(B)の二液の組合せからな
る。金属系触媒(C)を使用する場合は、(A)と
(B)および(C)の三液の組合わせとしてもよいが、
通常、所定量の(C)を予め(A)または(B)に混合
した二液として用いられる。
【0047】該組成物は、使用時に各々を所定量計量
後、スタティクミキサーまたはメカニカルミキサー等で
混合することにより反応せしめてポリウレタン樹脂を形
成させる。ゲル化時間は通常3〜60分であり、完全硬
化には常温で12〜240時間を要する。硬度が変化し
なくなった時点を完全硬化(反応終点)とする。なお、
養生温度を高く(例えば30〜60℃)することにより
完全硬化までの時間を短縮することも可能である。該組
成物を反応させて得られる硬化樹脂の硬度(ASTM−
D;10秒値)は通常45〜100、好ましくは50〜
90である。
【0048】(A)と(B)からなる混合液の粘度(注
型前粘度、25℃)は、通常50〜2,000mPa・
s、好ましくは100〜1,500mPa・s、更に好
ましくは200〜1,000mPa・sである。
【0049】また、(A)と(B)の混合直後の混合液
中のNCO基含量は、通常2〜15重量%、好ましくは
3〜13重量%である。
【0050】本発明の注型用ポリウレタン樹脂形成性組
成物は、血液処理器および浄水器のシール材として特に
好適に使用される。対象となる血液処理器としては、例
えば中空糸型、膜型もしくはコイル型の人工腎臓および
血奬分離用モジュール等が挙げられる。また、人工肺等
の人工臓器にも使用できる。
【0051】本発明の組成物を中空糸型の血液処理器の
シール材として使用する場合の具体的使用法を例示す
る。ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分
(B)とを個別に減圧脱泡(0.1mmHg×2時間)
する。この二液を所定量計量後混合し、遠心成型法によ
り中空糸を容器に埋封する。遠心成型法の例は例えば特
公昭57−58963号公報に記載されている。埋封さ
れる中空糸としては一般に、セルロース系、アクリル
系、ポリビニルアルコール系、ポリアミド系、ポリスル
ホン系等の中空糸が使用される。容器としては一般に、
ポリカーボネート製、ABS製、ポリスチレン製等のも
のが使用される。該二液混合液は注入から3〜60分後
にはゲル化し、モジュールを成型機から取り出すことが
できる。ついで室温〜60℃で養生を行い硬化を完了さ
せる。その後、オートクレーブを使用して121℃で1
時間の蒸気加熱により滅菌処理を行い製品化する。滅菌
処理は蒸気加熱以外の方法、例えばエチレンオキサイド
ガスまたはγ線照射等によっても実施することができ
る。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下において部は重量部を示す。
【0053】製造例1 攪拌装置、温度制御装置を付した1L容積のSUS製オ
ートクレーブに、グリセリン15部を仕込んだ。そこに
PO153部とTPB0.0009部とを、反応温度7
0〜80℃で、12時間かけて滴下した後、75℃で6
時間熟成した。次に、3部の合成珪酸塩[協和化学工業
(株)製;「キョーワード1000」]と水2gを加え
て60℃で3時間処理した。オートクレーブから取り出
した後、1ミクロンのフィルターで濾過した後脱水し、
ポリオキシアルキレンポリオール(a−1)を得た。該
(a−1)の水酸基価は161、粘度は300mPa・
s/25℃、1級化率は74%であった。
【0054】製造例2 グリセリンの代わりにグリセリンのPO付加物(1級化
率=2%、水酸基価=673)[三洋化成工業(株)
製;「サンニックスGP−250」]41部をを用い、
POを122部使用した他は製造例1と同様にして、ポ
リオキシアルキレンポリオール(a−2)を得た。該
(a−2)の水酸基価は160、粘度は300mPa・
s/25℃、1級化率は72%であった。
【0055】製造例3 グリセリンの代わりにグリセリン6量体(価数=8、水
酸基価=974)[ダイセル化学工業(株)製;「ポリ
グリセリン06」]を29部用い、POを139部使用
した他は製造例1と同様にして、ポリオキシアルキレン
ポリオール(a−3)を得た。該(a−3)の水酸基価
は161、粘度は1,000mPa・s/25℃、1級
化率は74%であった。
【0056】製造例4 グリセリンの代わりに精製ヒマシ油(1級化率=0%、
水酸基価=161)[豊国製油(株)製;「ELA−D
R」]を50部用い、POを18部使用した他は製造例
1と同様にしてポリオキシアルキレンポリオール(a−
4)を得た。該(a−4)の水酸基価は118、粘度は
1,500mPa・s/25℃、1級化率は72%であ
った。
【0057】製造例5〜8 撹拌装置、温度計および窒素導入管を付した1L容積の
4つ口フラスコに、製造例1〜4で得た(a−1)〜
(a−4)各82部と、THPED各18部とを仕込
み、窒素気流下40〜50℃で1時間撹拌混合し、ポリ
オール成分(A−1)〜(A−4)を得た。該(A−
1)〜(A−4)の水酸基価および粘度を表1に示す。
【0058】製造例9 製造例5〜8と同様の反応容器に、4,4’−MDIと
2,4’−MDIの混合物[BASFジャパン(株)
製;「ルプラネート MI」]425部およびカルボジ
イミド変性4,4’−MDI[ダウ・ポリウレタン日本
(株)製;「ISONATE 143LJ」]400部
と精製ヒマシ油[豊国製油(株)製;「ELA−D
R」]175部とを仕込み、窒素気流下70〜80℃で
4時間反応させ、NCO基末端ウレタンプレポリマーか
らなるポリイソシアネート成分(B−1)を得た。該
(B−1)のNCO基含量は23.2%、粘度は200
mPa・s/25℃であった。
【0059】比較製造例1 製造例1と同様の反応容器に、グリセリン15部と水酸
化カリウム0.4部とを仕込んだ。そこにPO153部
を、反応温度105℃で12時間かけて滴下した後、1
20℃で6時間熟成した。以下製造例1と同様にして比
較のポリオキシアルキレンポリオール(a’−1)を得
た。該(a’−1)の水酸基価は163、粘度は300
mPa・s/25℃、1級化率は2%であった。
【0060】比較製造例2 製造例1と同様の反応容器に、(a’−1)168部と
水酸化カリウム0.7部とを仕込んだ。そこにEO10
8部を、反応温度120℃で12時間かけて滴下した
後、130℃で6時間熟成した。以下製造例1と同様に
して比較のポリオキシアルキレンポリオール(a’−
2)を得た。該(a’−2)の水酸基価は98、粘度は
500mPa・s/25℃、1級化率は71%であっ
た。
【0061】比較製造例3 (a−1)〜(a−4)の代わりに、(a’−1)を使
用した他は製造例5〜8と同様にして比較のポリオール
成分(A’−1)を得た。該(A’−1)の水酸基価お
よび粘度を表1に示す。
【0062】比較製造例4 (a’−1)70部とTHPED30部とを使用した他
は製造例5〜8と同様にして比較のポリオール成分
(A’−2)を得た。該(A’−2)の水酸基価および
粘度を表1に示す。
【0063】比較製造例5 (a−1)〜(a−4)の代わりに、(a’−2)を使
用した他は製造例5〜8と同様にして比較のポリオール
成分(A’−3)を得た。該(A’−3)の水酸基価お
よび粘度を表1に示す。
【0064】比較製造例6 (a−1)〜(a−4)の代わりに、精製ヒマシ油[豊
国製油(株)製;「ELA−DR」]を使用した他は製
造例5〜8と同様にして比較のポリオール成分(A’−
4)を得た。該(A’−4)の水酸基価および粘度を表
1に示す。
【0065】実施例1〜4および比較例1〜4 ポリオール成分(A−1)〜(A−4)および(A’−
1)〜(A’−4)と、ポリイソシアネート成分(B−
1)とをそれぞれ表1に示す割合で混合し、セルロース
中空糸を挿入したポリカーボネート容器に遠心成型法に
より注型し、25℃で養生してモジュールを作成した。
下記の試験方法により混合液の注型前粘度、モジュール
のシール部の硬度および水膨潤率を測定した。その結果
を表1に示す。 (試験方法) 注型前粘度:ポリオール成分(A)とポリイソシアネー
ト成分(B)とを25℃で均一混合し、混合開始1分後
の粘度(mPa・s)を測定。 硬度:注型後25℃で所定時間養生したときの硬化樹脂
の硬度(ASTM−D;10秒値)を測定。 水膨潤率:硬度を測定したモジュールのシール部をハウ
ジングから取り外し、水中に1週間浸漬し、浸漬前後の
寸法変化率を測定。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明の注型用ポリウレタン樹脂形成性
組成物は、従来のものに比べ下記の効果を有する。 (1)低粘度かつ速硬化性であり、中空糸型血液処理器
または浄水器の生産性が格段に向上する。 (2)耐水性が良好であり、血液や水と長時間接触して
もシール性が低下することがない。 (3)硬化樹脂中に血液や水に溶出する物質を含まない
ので、安全性が優れている。 (4)金属触媒を用いなくてもよい(用いる場合は極少
量でよい)ので、安全性が優れている。 上記効果を奏することから本発明の注型用ポリウレタン
樹脂形成性組成物は、血液処理器等の人工臓器および浄
水器のシール材用として特に有用である。また、該組成
物から得られる硬化樹脂は電気絶縁性、耐水性および各
種基材に対する接着性に優れるので、電子回路基板の封
止等の電気絶縁用途、光ファイバーケーブル接続部の封
止等の止水用途、断熱アルミサッシの接着やアルミハニ
カムパネルの接着等の建材用途、自動車のエンブレムや
サイドモール用ポッティング材用途、各種フィルムのラ
ミネート接着用途等にも好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシアルキレンポリオール(a)
    からなるポリオール成分(A)とポリイソシアネート成
    分(B)とからなる注型用ポリウレタン樹脂形成性組成
    物において、(a)がヒドロキシプロピル末端で且つそ
    の1級水酸基含有率が少なくとも40%であるポリオキ
    シアルキレンポリオール(a1)からなることを特徴と
    する血液処理器のシール材用の注型用ポリウレタン樹脂
    形成性組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオキシアルキレンポリオール(a)
    からなるポリオール成分(A)とポリイソシアネート成
    分(B)とからなる注型用ポリウレタン樹脂形成性組成
    物において、(a)がヒドロキシプロピル末端で且つそ
    の1級水酸基含有率が少なくとも40%であるポリオキ
    シアルキレンポリオール(a1)からなることを特徴と
    する浄水器のシール材用の注型用ポリウレタン樹脂形成
    性組成物。
  3. 【請求項3】 (a1)が下記一般式(1) X−[−(A−O)p−(Z−O)q−H]m (1) [式中、Xはm個の活性水素原子を有する化合物の残
    基;Aはフェニル基もしくはハロゲン原子で置換されて
    いてもよい炭素数2〜12のアルキレン基;Zはプロピ
    レン基;mは2〜20の整数;pは0または1以上の整
    数、qは1以上の整数であって、p+qの平均が200
    を越えない値である。]で表され、かつ、末端に位置す
    る水酸基含有基である−Z−OHの40%以上が下記式
    (2) −C(CH3)H−CH2−OH (2) で表される請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 (a1)が、下記一般式(3) X−[−(A−O)p−H]m (3) [式中、X、A、pおよびmは一般式(1)と同義であ
    る。]で表される活性水素含有化合物(a0)に、トリ
    ス(ペンタフルオロフェニル)ボラン触媒の存在下で、
    プロピレンオキサイドを開環付加重合させたものである
    請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
  5. 【請求項5】 (A)中の(a1)の量が少なくとも5
    0重量%である請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
  6. 【請求項6】 (a1)の少なくとも一部が、下記一般
    式(4)で表されるポリオールである請求項1〜5のい
    ずれか記載の組成物。 X1−[−(A−O)p−(Z−O)q−H]m (4) [式中、X1はm個の水酸基を有するヒマシ油系ポリオ
    ールの残基;A、Z、pおよびmは一般式(1)と同義
    である。]
  7. 【請求項7】 さらに、水酸基価が400以上のアミン
    系ポリオール(b)および/またはヒマシ油系ポリオー
    ル(c)を(A)の重量に基づいて少なくとも1重量%
    含んでなる請求項1〜6のいずれか記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか記載の組成物か
    らなる結束剤。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の結束剤を用いてシールさ
    れてなる中空糸型血液処理器。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の結束剤を用いてシール
    されてなる中空糸型浄水器。
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