JP2008184541A - 膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物 - Google Patents

膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物 Download PDF

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美雄 狩野
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政義 藤田
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Abstract

【課題】 人工臓器(人工腎臓等)用血液処理器の膜モジュールのシール材用として、注型性に優れ、有害なBHT(3,5−ジ−t−ジブチルヒドロキシトルエン)を含まない注型ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供する。
【解決手段】 イソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)からなり、3,5−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを実質的に含有しないことを特徴とする、膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は膜モジュール(とくに血液処理器用膜モジュール)のシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。
従来、血液処理器用膜モジュールのシール材用に用いられる注型ポリウレタン樹脂形成性組成物としては、イソシアネート成分とポリオール成分からなるものは公知であり、注型性、樹脂物性等の面から、ヒマシ油系ポリオールまたはポリエーテルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートとの反応で得られるイソシアネート基末端プレポリマーからなるイソシアネート成分、およびヒマシ油系ポリオールまたはポリエーテルポリオールとN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミンの混合物からなるポリオール成分からなる該組成物等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭53−61695号公報
しかしながら上記組成物におけるポリイソシアネートやポリオールの多くには、安定剤として毒性の強い3,5−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(以下、BHTと略記)がそれぞれ通常100〜1,000ppm含まれ、結果として、該組成物にはBHTが通常100〜1,000ppm含まれることから、血液処理器の安全性が懸念されている。
本発明者は上記問題を解決するべく鋭意検討した結果本発明に到達した。すなわち、本発明は、イソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)からなり、3,5−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを実質的に含有しないことを特徴とする、膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物;該組成物から形成されてなる、膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂;該ポリウレタン樹脂からなる、膜モジュールのシール材;該シール材を用いてなる膜モジュール;並びに、該膜モジュールからなる中空糸型血液処理器である。
本発明の膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物は、BHTの悪影響のない安全性に優れた、注型ポリウレタン樹脂のシール材を用いた膜モジュールからなる中空糸型血液処理器を与える、という効果を奏する。
本発明の膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物は、イソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)からなり、該組成物は3,5−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を実質的に含有しないものである。BHTが含有されると、後述の膜モジュールのシール材にBHTが含有されることとなり、膜モジュールの安全性が懸念されることとなる。
以下において、本発明の膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物を構成する(A)、(B)はすべてBHTを実質的に含有しないものである。
ここおよび以下において、「BHTを実質的に含有しない」とはガスクロマトグラフィー分析法でBHTが検出されないことを意味する。具体的な測定条件の一例を以下に示すが、同様の精度が得られる場合はその条件に変えて測定することができる。
<BHT測定条件>
(1)測定装置:キャピラリーカラムが装着可能な水素炎イオン検出器(F
ID)付ガスクロマトグラフ[例えば、「ガスクロマトグラフG
C−14A」、(株)島津製作所製]
(2)データ処理装置:ガスクロマトグラフに接続可能なデータ処理装置
[例えば、「クロマトパックC−R4A」、(株)島津製作所製]
(3)カラム:メチルシロキサンタイプのキャピラリーカラム
[例えば、「HiCap−CBP1、内径0.22mm、長さ25
m、膜厚0.25μm」、(株)島津製作所製]
(4)キャリアーガス:ヘリウム
(5)メイクアップガス:窒素
(5)気化室温度:230℃
(6)検出器温度:230℃
(7)カラムオーブン温度:初期温度80℃、最終温度200℃、昇温速
度10℃/分
(8)スプリット比:1/5
(9)FID感度:101
(10)注入量:1μL
(11)検量線用サンプル:BHTをそれぞれ1ppm、50ppm、1
00ppm含有する酢酸エチル溶液
(12)測定サンプル
イソシアネート成分、ポリオール成分またはこれらの原料などの試料を酢酸エチルで希釈した50重量%酢酸エチル溶液を測定サンプルとする。 なお、下記(13)でBHT濃度が100ppmを超えた場合は、1〜100ppmの範囲となるようにさらに酢酸エチルで希釈したものを測定サンプルとする。
(13)測定
検量線用サンプルの測定を各々2回行い、BHTピーク面積の平均値を求める。ピーク面積平均値とBHT濃度の回帰分析を行い相関係数が0.99以上であることを確認するとともに、ピーク面積とBHT濃度の関係式(X)を求める。次に測定サンプルを2回測定してピーク面積の平均値を求め、関係式(X)に基づいて測定サンプルのBHT濃度を求める。
(14)判定
BHT濃度が1〜100ppmの場合は、該BHT濃度に、試料の希釈倍率を乗じた値を試料中のBHT含有量と判定する。
明らかなBHTのピークは認められるが、BHT濃度が1ppm未満の場合は、BHTを2ppm未満含有と判定する。
明らかなBHTのピークが認められない場合は、試料中にBHTが検出されないと判定する。
(A)には、BHTを実質的に含有しないジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とBHTを実質的に含有しないポリオールとのイソシアネート基末端プレポリマー(A1)、BHTを実質的に含有しないMDI変性物(A2)、およびBHTを実質的に含有しないMDI変性物とBHTを実質的に含有しないポリオールとのイソシアネート基末端プレポリマー(A3)からなる群から選ばれる1種または2種以上のポリイソシアネートが含まれる。
(A1)を構成する、BHTを実質的に含有しないMDIの具体例としては、4,4’−および2,4’−MDIの混合物[商品名「ルプラネートMI」、BASF INOAC ポリウレタン(株)製]等が挙げられる。
(A1)を構成するポリオールとしては、水酸基価(単位はmgKOH/g)20〜800(好ましくは40〜600)、官能基数2〜8のポリオール、例えばポリエーテルポリオール、ヒマシ油脂肪酸エステルポリオール、ポリエステルポリオール、および後述する低分子ポリオールが挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、低分子ポリオール(C2〜24、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークローズおよびこれらの2種以上の混合物)の1種または2種以上のアルキレンオキシド(以下AOと略記)[C2〜12、例えばエチレンオキシド(以下EOと略記)、プロピレンオキシド(以下POと略記)、ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の混合物]付加物およびAOの開環重合物が挙げられ、具体的にはポリエチレングリコール(以下PEGと略記)、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)、ポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]は通常150〜4,000、好ましくは200〜2,000である。
ヒマシ油脂肪酸エステルポリオールとしては、例えばヒマシ油、および上記低分子ポリオールまたはポリエーテルポリオールとヒマシ油とのエステル交換反応あるいはヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応により得られるヒマシ油脂肪酸エステル等が挙げられる。これらのうちシール材の物性の観点から好ましいのはヒマシ油およびヒマシ油脂肪酸PPGエステルである。
ヒマシ油脂肪酸エステルポリオールのMnは、通常300〜4,000、好ましくは500〜3,000である。
ポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸[脂肪族飽和または不飽和ポリカルボン酸(C2〜40、例えばアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、二量化リノール酸)および/または芳香族ポリカルボン酸(C8〜15、例えばフタル酸、イソフタル酸)]と、ポリオール(前記の低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオール)から形成される線状または分岐状ポリエステルポリオール;ポリラクトンポリオール[例えば前記低分子ポリオール(2〜3価)の1種または2種以上を開始剤としてこれに(置換)カプロラクトン(C6〜10、例えばε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン)を触媒(有機金属化合物、金属キレート化合物、脂肪酸金属アシル化物等)の存在下に付加重合させたポリオール(例えばポリカプロラクトンポリオール)];末端にカルボキシル基および/またはOH基を有するポリエステルにAO(EO、PO等)を付加重合させて得られるポリエーテルエステルポリオール;ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールのMnは、通常150〜4,000、好ましくは200〜2,000である。
低分子ポリオールとしては、前記ポリエーテルポリオールの出発物質として例示したものが挙げられる。
上記ポリオールのうち(A1)の粘度の観点から好ましいのはポリエーテルポリオールおよびヒマシ油脂肪酸エステルポリオールである。
BHTを実質的に含有しないポリオールの具体例としては、前記ポリオール(ポリエーテルポリオール、ヒマシ油脂肪酸エステルポリオール、ポリエステルポリオール等)の製造時にBHTを含有させることなく製造したもの、および高純度ヒマシ油[商品名「ELA−DR」、豊国製油(株)製]等が挙げられる。
イソシアネート基末端プレポリマー(A1)は、MDIと上記ポリオールとを、通常当量比(NCO/OH)=1.1/1〜50/1、生成するプレポリマーの粘度および遊離イソシアネート基含量(NCO含量)の観点から好ましくは1.5/1〜30/1、さらに好ましくは2/1〜10/1で反応させることにより得られる。(A1)の遊離イソシアネート基含有量(NCO含量)は通常2〜30重量%、好ましくは10〜25重量%である。
MDI変性物(A2)としては、カルボジイミド、ビュレットおよびイソシアヌレート変性物等が挙げられる。工業上の観点から好ましいのはカルボジイミド変性物である。
BHTを実質的に含有しない(A2)の具体例としては、カルボジイミド変性4,4’−MDI[商品名「ルプラネートMM103」、BASF INOAC ポリウレタン(株)製]の等が挙げられる。
該MDI変性物とポリオールとのイソシアネート基末端プレポリマー(A3)を構成するポリオールとしては、上記(A1)を構成するポリオールとして例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
MDI変性物とポリオールとのイソシアネート基末端プレポリマー(A3)は、MDI変性物とポリオールとを、通常当量比(NCO/OH)=1.1/1〜50/1、生成するプレポリマーの粘度および遊離イソシアネート基含量(NCO含量)の観点から好ましくは1.5/1〜30/1、特に好ましくは2/1〜10/1で反応させることにより得られる。(A3)の遊離イソシアネート基含有量(NCO含量)は通常2〜30重量%、好ましくは10〜25重量%である。
(A)は、必要により上記以外の、BHTを実質的に含有しない他のポリ(n=2〜3)イソシアネート(A4)、例えば、炭素数(以下Cと略記)(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、C4〜15の脂環式ポリイソシアネート、MDIを除くC6〜20の芳香族ポリイソシアネート、C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、並びにこれらのポリイソシアネートの、変性物および末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーからなる群から選ばれる1種または2種以上のポリイソシアネートを併用することができる。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート(ジイソシアネートは以下においてDIと略記することがある。)、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ドデカメチレンDI、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート;
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンDI(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンDI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、メチルシクロヘキシレンDI(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート;
MDIを除く芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンDI(2,4−および/または2,6−TDI、粗製TDIおよびこれらの混合物)、ナフチレンDI(NDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンDI(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリデンDI(TMXDI)、ジイソシアナトエチルベンゼン、が挙げられる。
ポリイソシアネートの変性物としては、上記に例示したポリイソシアネートのイソシアネート基の一部または全部をカルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビュレット基、イソシアヌレート基等に変性したものが挙げられる。
末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとしては、上記に例示した、BHTを実質的に含有しないポリイソシアネートおよびこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種と、BHTを実質的に含有しないポリオールとを反応させて得られものが挙げられる。
上記末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの製造方法としては特に限定されないが、ポリイソシアネートとポリオールとを反応容器中、窒素雰囲気下で反応させる公知の方法が挙げられる。
プレポリマー化反応における反応温度は通常30〜140℃、反応性の観点および副反応防止の観点から好ましくは60℃〜120℃である。また、反応は通常無溶剤下で行うが、必要によりイソシアネート基に不活性な溶剤[例えば芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)およびこれらの2種以上の混合物]の存在下で行い、後にこれらの溶剤を蒸留により除いてもよい。
該プレポリマー化反応において、ポリイソシアネートとポリオールの当量比(NCO/OH)は、通常1.1/1〜50/1、生成するプレポリマーの粘度および遊離イソシアネート基含量(NCO含量)の観点から好ましくは1.5/1〜30/1、特に好ましくは2/1〜10/1である。また、得られるプレポリマーの遊離イソシアネート基含有量(NCO含量)は通常2〜30重量%、好ましくは10〜25重量%である。
本発明におけるポリオール成分(B)としては、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに使用するポリオール、およびアミンポリオール並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記アミンポリオールとしては、[ポリ(n=2〜6)]アルキレンポリ(n=2〜6)アミン(C2〜20)のAO付加物[C10以上かつMn2,000、例えばN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン];N,N−ジアルキル(アルキル基はC1〜3)(ポリ)アルキレン(アルキレン基はC2〜3)ポリアミンのAO付加物(例えばN,N−ジメチルプロピレンジアミンのPO付加物);N−アミノアルキル(C2〜3)イミダゾールのAO付加物(例えば特願平10−156664号公報に記載のもの);アルカノールアミン(C4〜12、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン)等が挙げられる。
これらの(B)のうち粘度および反応性の観点から好ましいのは、ポリエーテルポリオール、ヒマシ油脂肪酸エステルポリオール、アミンポリオールおよびこれらの併用であり、さらに好ましいのはヒマシ油またはポリエーテルポリオールとアミンポリオールとの併用である。ヒマシ油またはポリエーテルポリオールとアミンポリオールとを併用する場合の重量比は、反応性と粘度の観点から好ましくは95/5〜60/40、さらに好ましくは90/10〜70/30である。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物における(A)と(B)のNCO/OH当量比は、通常0.5/1〜2.0/1、未反応物低減の観点から好ましくは0.7/1〜1.5/1、さらに好ましくは0.8/1〜1.2/1である。
また、該組成物においては、得られるポリウレタン樹脂の硬度の観点から(A)と(B)のうちの少なくとも一つが前記ポリエーテルポリオールを含むものであることが好ましい。
本発明の膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)の二液を使用時に各々所定量計量後、スタティックミキサーまたはメカニカルミキサー等で混合、反応させることにより製造することができる。
上記混合、反応させて流動性がなくなるまでの時間は通常3〜60分であり、完全硬化には室温(20〜30℃)で12〜240時間の養生を要する。ポリウレタン樹脂の硬度に変化が認められなくなった時点を完全硬化(反応終点)とする。なお、ポリウレタン樹脂の実使用上は必ずしも完全硬化させる必要はないが、後述する硬度範囲となるまでは養生を要する。また、養生温度を高く(例えば40〜60℃)することにより養生時間を短縮することも可能である。
上記(A)および(B)からなる混合液(組成物)の粘度(注型前の粘度)は、通常50〜10,000mPa・s、硬化性および注型性の観点から好ましくは100〜5,000mPa・s、さらに好ましくは200〜2,000mPa・sである。
(A)と(B)とを反応させて得られる硬化後のポリウレタン樹脂の硬度(ショアーD:瞬間値)は通常20〜100、シール材として具備すべき機械強度および切断性(後述する、ポリウレタン樹脂で結束された中空糸膜の切断性)の観点から好ましくは30〜80である。
本発明の膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物は、血液処理器のシール材として特に好適に使用される。対象となる血液処理器としては、例えば中空糸型の人工腎臓用が挙げられる。
本発明の組成物を血液処理器用膜モジュールのシール材に適用する場合の具体的使用法の一例を下記に示す。
まず、イソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)を個別に減圧脱泡(0.1mmHg×2時間)する。この二液を所定量計量して撹拌混合後、遠心成型法により中空糸をセットした容器に投入し、中空糸を容器に固定する。該遠心成型法の例は例えば特公昭57−58963号公報に記載されている。
中空糸の素材としては一般に、セルロース、アクリル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリスルホン等が使用される。上記容器としては一般に、ポリカーボネート製、ABS製、ポリスチレン製等のものが使用される。該二液混合液は注入から3〜60分後には流動性がなくなり、膜モジュールを成型機から取り出すことができる。ついで室温(20〜30℃)〜60℃で養生を行い硬化させた後、ポリウレタン樹脂で結束された中空糸膜を回転式カッターなどで切断して中空糸膜端部の開口部を得る。その後、オートクレーブを使用して121℃で1時間の蒸気加熱により滅菌処理を行い製品化する。滅菌処理は蒸気加熱以外の方法、例えばγ線照射等によっても実施することができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において部は重量部を、%は重量%を示す。
なお、以下においてBHT含有量は前記<BHT測定条件>で測定された値であり、また、BHT含有量を特に示したもの以外の原料および反応生成物はいずれもBHTが検出されなかった。
製造例1
撹拌式耐圧反応装置に、プロピレングリコール76部と水酸化カリウム30%水溶液0.3部を仕込み、120℃で減圧脱水後、PO925部を120℃で4時間かけて滴下して反応させた。反応終了後、水酸化カリウム吸着剤[商品名「キョーワード600」、協和化学工業(株)製。以下同じ。]20部を加え1時間撹拌後、ろ紙ろ過で水酸化カリウムを除去し、水酸基価113のPPGを得た。
製造例2
製造例1と同様の反応装置に、グリセリン92部と水酸化カリウム30%水溶液0.3部を仕込み、120℃で減圧脱水後、PO908部を120℃で4時間かけて滴下して反応させた。反応終了後、製造例1と同様に行い、水酸基価168のグリセリンPO付加物を得た。
製造例3
撹拌機、温度計および窒素導入管を付した4つ口フラスコに、カルボジイミド変性4,4’−MDI[商品名「ルプラネートMM103」、BASF INOAC ポリウレタン(株)製]600部と、製造例1で得られたPPG400部を仕込み、70〜80℃で4時間反応させ、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーからなるイソシアネート成分(A−1)を得た。(A−1)のNCO含量は14.3%、粘度は980mPa・s/25℃であった。
製造例4
製造例3と同様の反応容器に、4,4’−および2,4’−MDI混合物[商品名「ルプラネートMI」、BASF INOAC ポリウレタン(株)製]600部、製造例1で得られたPPG400部および高純度ヒマシ油[商品名「ELA−DR」、豊国製油(株)製。以下同じ。]800部を仕込み、70〜80℃で4時間反応させ、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーからなるイソシアネート成分(A−2)を得た。(A−2)のNCO含量は16.0%、粘度は800mPa・s/25℃であった。
製造例5
製造例3と同様の反応容器に、高純度ヒマシ油800部とN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン200部を仕込み、窒素通気下40〜50℃で1時間撹拌混合し、ポリオール成分(B−1)を得た。(B−1)の水酸基価は282、粘度は1,070mPa・s/25℃であった。
製造例6
製造例3と同様の反応容器に、製造例2で得られたグリセリンPO付加物400部とN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン200部とを仕込み、窒素通気下40〜50℃で1時間撹拌混合し、ポリオール成分(B−2)を得た。(B−2)の水酸基価は288、粘度は510mPa・s/25℃であった。
製造例7
製造例3において、「ルプラネートMI」600部をカルボジイミド変性4、4’−MDI[商品名「ミリオネートMTL」、日本ポリウレタン工業(株)製、BHT200ppm含有。]600部に代え、PPG400部を、それとは異なるポリプロピレングリコール[商品名「サンニックスPP−1000」、三洋化成工業(株)製、水酸基価110、BHT1,000ppm含有。]400部に代えたこと以外は製造例3と同様にして、イソシアネート成分(A−3)を得た。(A−3)のNCO含量は14.0%、粘度は1,040mPa・s/25℃であった。
製造例8
製造例6において、製造例2で得られたグリセリンPO付加物を、それとは異なるグリセリンPO付加物[商品名「サンニックスGP−1000」、三洋化成工業(株)製、水酸基価160、BHT1,000ppm含有。]に代えたこと以外は製造例6と同様にして、ポリオール成分(B−3)を得た。(B−3)の水酸基価は282、粘度は530mPa・s/25℃であった。
実施例1
イソシアネート成分(A−1)およびポリオール成分(B−1)を25℃でそれぞれ減圧脱泡(0.1mmHg×2時間)した。NCO/OH当量比=1/1となる配合比で合計100部を秤り取り、30秒間回転式プロペラ羽根付き撹拌機で撹拌混合した。
該混合液60部を、ポリスルホン中空糸を装填した、膜モジュール用ポリカーボネート容器に投入し、遠心成型機を用いて成型した。成型して20分後に成型品を取り出し、室温(20〜30℃)で48時間養生を行った後、ポリウレタン樹脂で結束された中空糸膜の端部を回転式カッターで切断して中空糸膜端部の開口部を得た。その後、オートクレーブを使用して121℃で1時間の蒸気加熱により滅菌処理を行い膜モジュールを作成した。
以下の試験方法により(A−1)/(B−1)の混合液の注型前粘度、および膜モジュールのシール材硬度を測定した。結果を表1に示す。
(試験方法)
(1)混合液の注型前粘度
イソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)を所定の配合比で、30秒間撹拌混合し、混合終了して30秒後の粘度(mPa・s)を回転式粘度計(B型粘度計)で測定した。
(2)シール材硬度
成型後室温(25℃)で48時間養生した後、さらに25℃に温調された室で1時間静置後シール材の硬度〔ショアーD:瞬間値[ショアーD硬度計、高分子計器(株)製]〕を測定した。
実施例2〜3、比較例1
イソシアネート成分(A)とポリオール成分(B)を表1に記載の組み合わせとした以外は、実施例1と同様にして、膜モジュールを得た。混合液の注型前粘度および膜モジュールのシール材硬度の結果を表1に示す。
Figure 2008184541
表1の結果から、本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物(実施例1〜3)は、従来の組成物(比較例1)と同様に注型性(低混合液粘度)に優れ、形成されるポリウレタン樹脂は、シール材として備えるべき物性(硬度)を満足することがわかる。本発明の組成物はこれに加え、従来の組成物とは異なりBHTを実質的に含有しないことから、膜モジュールの長期間の使用においてもBHTによる悪影響の懸念が全くないことから、従来の組成物よりさらに優れるものである。
本発明の膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物は、BHTを含有せず安全性に極めて優れることから、人工臓器用の中空糸型血液処理器等の用途に特に有用である。

Claims (5)

  1. イソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)からなり、3,5−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを実質的に含有しないことを特徴とする、膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  2. 請求項1記載の組成物から形成されてなる、膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂。
  3. 請求項2記載の注型ポリウレタン樹脂からなる、膜モジュールのシール材。
  4. 請求項3記載のシール材を用いてなる膜モジュール。
  5. 請求項4記載の膜モジュールからなる中空糸型血液処理器。
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