JP2010162447A - 膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物 - Google Patents

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隆志 竹本
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Abstract

【課題】 耐熱性に優れ、且つ発熱量の少ないシール材を提供することができる膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供する。
【解決手段】 イソシアネート成分(A)および活性水素化合物成分(B)を含有するポリウレタン樹脂形成性組成物において、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒と該分散媒中に分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール組成物(C)を、イソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)の少なくとも一方の構成成分の一種に用いることを特徴とする膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。さらに詳しくは、耐熱性に優れ、さらに硬化時の発熱量が少ないシール材を提供することができる膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。
従来、血液処理器、浄水器および水処理装置等を構成する膜モジュールのシール材用に用いられるポリウレタン樹脂形成性組成物としては、イソシアネート成分とポリオール成分からなるものは公知である。特に、ヒマシ油系ポリオールとポリイソシアネートとの反応で得られるイソシアネート基末端プレポリマーからなるイソシアネート成分とヒマシ油系ポリオールおよびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミンの混合物からなるポリオール成分からなる該組成物等が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来のポリウレタン系シール材は機械物性の温度依存性が大きく、高温で機械物性が低下し耐熱性に劣るという欠点がある。このため、例えば血液処理機器のオートクレーブ滅菌時、あるいは浄水器で高温の水をろ過する際に、接着固定部で剥離が起こる等の問題があった。この問題を解決するため、ポリテトラメチレングリコールとジフェニルメタンジイソシアネートから得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーをポリテトラメチレングリコールとヒマシ油系ポリオールからなる硬化剤で硬化させる方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。しかしながらポリテトラメチレングリコールを主体とした該シール材は、依然として耐熱性が十分であるとは言い難い。
また、従来のポリウレタン系シール材は硬化時の発熱量が大きく、例えば、浄水所などで使用される大型の膜モジュールのように多量のシール材を必要な場合には硬化時の発熱により温度が100℃を超え、合成樹脂性の容器を使用する場合変形が起きることがある等の問題がある。
特開昭53−61695号公報 特開平7−47239号公報
前述のような背景から、血液処理器、浄水器および水処理装置の性能向上のため、耐熱性に十分優れ、且つ発熱量の少ないポリウレタン系シール材が切望されている。本発明の目的は、耐熱性に優れ、且つ発熱量の少ないシール材を提供することができる膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することにある。
本発明者らは上記問題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、イソシアネート成分(A)[以下において、単に(A)と表記することがある]および活性水素化合物成分(B)[以下において、単に(B)と表記することがある]を含有するポリウレタン樹脂形成性組成物において、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒と該分散媒中に分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール組成物(C)[以下において、単にポリマーポリオール組成物(C)または単に(C)と表記することがある]を、イソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)の少なくとも一方の構成成分の1種に用いることを特徴とする膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物、ならびに該組成物を硬化してなる膜モジュール用のシール材である。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなる膜モジュールのシール材は、耐熱性に優れると共に、硬化時の発熱量が少ないという効果を奏する。
本発明の膜モジュールのシール材用ウレタン樹脂形成性組成物は、イソシアネート成分(A)および活性水素化合物成分(B)の2成分を含有し、(A)もしくは(B)のいずれかに、または両方に、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒と該分散媒中に分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール組成物(C)が一構成成分として用いられる。
本発明における、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒と該分散媒中に分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール組成物(C)とは、ヒマシ油誘導体を含む分散媒中にポリマー粒子が分散されているものである。
本発明において、ヒマシ油誘導体とはヒマシ油およびヒマシ油から化学反応により誘導される化合物である。具体例としてはヒマシ油、部分脱水ヒマシ油、部分アシル化ヒマシ油、水添ヒマシ油ならびに後記の低分子ポリオールもしくはポリエーテルポリオールとヒマシ油もしくは水添ヒマシ油とのエステル交換反応またはヒマシ油脂肪酸もしくは水添ヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応により得られるエステル等が挙げられる。
部分脱水ヒマシ油とはヒマシ油の脱水反応により水酸基の一部が脱離したものである。通常、部分脱水ヒマシ油の水酸基価は100〜160mgKOH/gであり、110〜130mgKOH/gが好ましい。部分アシル化ヒマシ油とは、ヒマシ油の水酸基の一部がアシル化されたものである。水添ヒマシ油とはヒマシ油の二重結合の一部またはすべてが水素化されたものである。ヒマシ油脂肪酸および水添ヒマシ油脂肪酸はそれぞれヒマシ油および水素化ヒマシ油の加水分解により得られる脂肪酸である。ヒマシ油誘導体のMn(数平均分子量)は、好ましくは300〜4,000、さらに好ましくは500〜3,000である。
前記エステル交換またはエステル化反応に使用される低分子ポリオールとしては、炭素数(以下Cと略記)2〜24のポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、水添ビスフェノールA、ヘキサントリオール、ソルビトール、シュークローズおよびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
前記エステル交換またはエステル化反応に使用されるポリエーテルポリオールとしては前記低分子量ポリオールあるいはビスフェノールAおよびハイドロキノンなどの多価フェノール、あるいはアンモニア、エチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンおよびN,N−ジメチルプロピレンジアミンなどのアミン化合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオイサイドおよびブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加したものなどである。具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等が挙げられる。
本発明において、ポリマーポリオール組成物(C)の分散媒はヒマシ油誘導体を含有するが、必要により、前記の低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール、後記のポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールおよびポリオレフィンポリオールなどのポリオール化合物、イソパラフィン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素化合物、ならびにジイソノニルフタレートおよびセバシン酸オクチル等のエステル類などの有機媒体を含有できる。これらの有機媒体のなかで、ヒマシ油脂肪酸エステル系ポリオールとの相溶性および粘度から、ポリエーテルポリオールが好ましい。これらの有機媒体の合計重量は通常、分散媒中の40重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
ポリマー粒子を構成するポリマーとしては、ヒマシ油誘導体を含む分散媒に実質上不溶のポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアルキルメタクリレート、ポリアクリロニトリルおよびポリスチレン・アクリロニトリル共重合物などのビニル単量体の1種以上の重合反応によって得られるポリマー、ポリエチレンテレフタレート、6,6−ナイロンおよびフェノール樹脂等の重縮合反応によって得られるポリマー、ならびにポリウレタン樹脂等の重付加反応によって得られるポリマーが挙げられる。これらのポリマーのうち、分散媒中で合成可能なことから、ビニル単量体の1種以上の重合によって得られるポリマーが好ましい。
ビニル単量体としては、エチレンおよびプロピレン等の脂肪族炭化水素系モノマー;スチレン、α−メチルスチレンおよびヒドロキシスチレン等芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジアミノエチル(メタ)アクリレート、モルフォリノエチル(メタ)アクリレートおよびビニルピロリドン等の窒素含有ビニル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
本発明において、ポリマーポリオール組成物(C)中のポリマー粒子含有量は、通常10〜80重量%、耐熱性と粘度の観点から、好ましくは15〜60重量%、特に好ましくは25〜60重量%である。ポリマー粒子含有量は、例えば後述のように、ポリマーポリオール組成物(C)をポリマーを溶解しない有機媒体で希釈後遠心分離し、得られた沈降物の重量から測定することができる。
本発明において、ポリマー粒子の体積平均粒径は、粘度と分散安定性の観点から好ましくは0.01〜60μm、さらに好ましくは0.05〜10μm、とくに好ましくは0.1〜5.0μmである。体積平均粒径は、後述の動的光散乱法で測定できる。
ポリマーポリオール組成物(C)の25℃での粘度は、ハンドリング性の観点から、好ましくは500〜10,000mPa・sである。粘度は、例えば回転式B型粘度計等で測定できる。
ポリマーポリオール組成物(C)の分散媒相の水酸基価は、シール材の物性の観点から、好ましくは20〜500mgKOH/gである。分散媒相の水酸基価は、上記ポリマー粒子含有量の測定で分離された分散媒相の水酸基価を例えばJIS K1557−1(プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方)に準拠して測定することができる。
ヒマシ油誘導体を含有する分散媒にポリマー粒子を分散する方法としては、以下のもの等が挙げられる。
(1)ヒマシ油誘導体を含む分散媒中で、ビニル単量体を重合し直接ポリマー粒子分散液を得る方法。
(2)有機溶剤に溶解したポリマー溶液をヒマシ油誘導体を含有する分散媒に加え、必要により脱溶剤し、ポリマー粒子を析出、分散させる方法。
(3)有機溶剤にポリマー粒子を分散した分散液をヒマシ油誘導体を含有する分散媒に加え、必要により脱溶剤する方法。
(4)乳化重合や分散重合後単離して得られるポリマー粒子または塊状ポリマーを粉砕して得られるポリマー粒子をヒマシ油誘導体を含有する分散媒に添加する方法。これらの方法のなかで、上記(1)の方法が、工程が少なく好ましい。
ヒマシ油誘導体を含有する分散媒中で、ビニル単量体をラジカル重合し、直接ポリマー粒子分散液を得る場合の一例を以下に示す。反応容器にヒマシ油誘導体および必要により前述の有機媒体を仕込む。別容器にビニル単量体、ならびに必要によりヒマシ油誘導体、有機媒体および/または後記する分散剤を仕込み、攪拌混合し、ビニル単量体溶液とする。別容器に重合開始剤、ならびに必要によりヒマシ油誘導体および/または有機媒体を仕込み、攪拌混合し、重合開始剤溶液とする。反応容器を攪拌加熱し、重合温度に達したら、ビニル単量体溶液および重合開始剤溶液を滴下し、重合反応を行う。重合反応終了後、必要により、減圧し、残存モノマーおよび有機媒体を留出させ、ポリマーポリオール組成物(C)を得る。なお、重合温度は使用する開始剤により異なるが、通常70〜180℃であり、好ましくは100〜160℃である。なお1段バッチ重合反応以外に、多段バッチ反応、あるいは連続反応などもとることができる。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)および2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)等のアゾ化合物ならびにベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよびジブチルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。重合開始剤の使用量はビニル単量体の合計重量に基づいて、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。以下、「%」は特に断りのない限り「重量%」を表す。
本発明において、ポリマー粒子の分散に分散剤を使用できる。分散剤の使用により、ポリマー粒子の体積平均粒径の制御が容易になり、ポリマーポリオール組成物中のポリマー粒子の分散安定性が増す。ポリマーにより、適した分散剤の組成、構造は異なるが、一般にはポリマーに親和性を有する部分と分散媒に親和性を有する化合物(a)、または分散媒に親和性を有する部分とポリマーに組み込み可能な反応性基(例えば二重結合)を有する化合物(b)である。例えば、スチレンを含有するポリマーの場合、スチレン化フェノールのプロピレンオキサイド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などが(a)の例であり、スチレン化フェノールあるいはビスフェノールAの部分がスチレンと親和性を有しポリプロピレンオキサイド部分がヒマシ油誘導体と親和性を有する。また、ビニル単量体の重合によるポリマーの場合、(b)の例としてはヒマシ油または部分脱水ヒマシ油とヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとTDI(2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート)またはMDI(2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)などのポリイソシアネートの反応生成物などが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート成分(A)は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート、または該ポリイソシアネートと1分子中に活性水素を2個以上のポリオールとの反応によるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーのいずれかから、あるいは両者の併用からなる。
ポリイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネート基を2個〜3個またはそれ以上有する化合物であり、該ポリイソシアネートとしては、例えば、C(ポリイソシアネートの場合、イソシアネート基中の炭素原子を除く炭素原子の数、以下同じ)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、C4〜15の脂環式ポリイソシアネート、C6〜20の芳香族ポリイソシアネート、C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのイソシアネート基の一部または全部を、イソシアヌレート、ビュレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトンイミン、カルボジイミド、オキサゾリドン、アミドまたはイミド変性してなる化合物、およびこれらの混合物が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレートおよびビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート等]、ならびにトリイソシアネート[1,6,11−ウンデカントリイソシアネートおよび2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等]が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネートおよびビス(2−イソシアネートエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート等]が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[2,4−および/または2,6−トルエンジイソシアネート、4,4′−、2,4′−および/または2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ならびにナフタレンジイソシアネート等]、あるいは3個以上のイソシアネート基を有するもの[ベンゼン環を3個以上有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等]が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネートおよびジイソシアネートエチルベンゼン等]が挙げられる。
これらのポリイソシアネートのうち、反応性の観点から好ましいのは芳香族ポリイソシアネートおよびその変性体、さらに好ましいのは4,4′−、2,4′−および/または2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその変性体である。
本発明におけるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを構成するポリオールとしては、前記ポリマーポリオール組成物(C)およびその他のポリオールが挙げられる。その他のポリオールとしては、官能基数2〜8(好ましくは2〜6)のポリオール、例えば前記の低分子ポリオール、ポリエーテルポリオール、ヒマシ油、ヒマシ油誘導体、後記するポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびポリオレフィンポリオール等が挙げられる。官能基数2〜8のポリオールの水酸基価は好ましくは20〜1,850mgKOH/g、さらに好ましくは40〜1,400mgKOH/gである。
ポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸[脂肪族飽和または不飽和ポリカルボン酸(C2〜40、例えばアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸および二量化リノール酸)、芳香族ポリカルボン酸(C8〜15、例えばフタル酸およびイソフタル酸)等]と、ポリオール(前記の低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオール)とから形成される線状または分岐状ポリエステルポリオール;ポリラクトンポリオール[例えば前記低分子ポリオール(2〜3価)の1種または2種以上を出発原料としてこれに(置換)カプロラクトン(C6〜10、例えばε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトンおよびε−メチル−ε−カプロラクトン)を触媒(有機金属化合物、金属キレート化合物および脂肪酸金属アシル化物等)の存在下に付加重合させたポリエステルポリオール(例えばポリカプロラクトンポリオール)];末端にカルボキシル基および/またはOH基を有するポリエステルにアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等)を付加重合させて得られるポリエーテルエステルポリオール;ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、前述の低分子量ポリオールと、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートおよびジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートとの反応によって得られるものが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、水酸基含有ポリブタジエン、水素化水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素化水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有スチレンブタジエン共重合体、水素化水酸基含有スチレンブタジエン共重合体、水酸基含有スチレンイソプレン共重合体および水素化水酸基含有スチレンイソプレン共重合体等が挙げられる。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーはポリイソシアネートとポリオールを、イソシアネート基とOH基の当量比(NCO/OH)を通常1.1/1〜100/1、で反応させることにより得られる。
上記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの製造方法としては、ポリイソシアネートと1分子中に活性水素を2個以上のポリオールとを反応容器中、窒素雰囲気下で反応させる公知の方法が挙げられる。プレポリマー化反応における反応温度は通常30〜140℃、反応性の観点および副反応防止の観点から好ましくは60〜120℃である。また、反応は通常無溶剤下で行うが、必要によりイソシアネート基に不活性な溶剤[例えば芳香族炭化水素(トルエンおよびキシレン等)、ケトン(メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等)ならびにこれらの2種以上の混合物]の存在下で行い、後にこれらの溶剤を蒸留により除いてもよい。
本発明における活性水素化合物成分(B)としては、前記ポリマーポリオール組成物(C)、官能基数2〜8(好ましくは2〜6)のポリオール、例えば前記の低分子ポリオール、ポリエーテルポリオール、ヒマシ油、ヒマシ油誘導体、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物におけるイソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)との反応におけるNCO/OH当量比は、未反応物低減の観点から好ましくは0.5/1〜2/1、さらに好ましくは0.7/1〜1.5/1、とくに好ましくは0.8/1〜1.2/1である。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物の粘度(注型前の粘度)は、通常50〜30,000mPa・s、硬化性および成形性の観点から好ましくは100〜20,000mPa・s、さらに好ましくは200〜10,000mPa・sである。
本ウレタン樹脂形成性組成物は通常のポリウレタン樹脂に使用される添加剤、すなわち、ウレタン化触媒、発泡剤、難燃剤、充填剤、加水分解防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤、離型剤、脱水剤および炭酸ガス吸収剤等の発泡抑制剤などを含有することができる。これらの添加剤はイソシアネート成分(A)もしくは活性水素化合物成分(B)のいずれかに、または両方に添加することができる。また必要により、(A)および(B)とは別の第3成分として使用することができる
本発明の膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分(A)および活性水素化合物成分(B)を使用時に各々所定量計量後、スタティックミキサーまたはメカニカルミキサー等で混合、反応させることにより製造することができる。上記混合、反応させて流動性がなくなるまでの時間(ポットライフ)は通常3〜300分であり、完全硬化には室温(20〜30℃)で12〜240時間の養生を要する。ここにおいてポリウレタン樹脂の硬度に変化が認められなくなった時点を完全硬化(反応終点)とする。なお、ポリウレタン樹脂の実使用上は必ずしも完全硬化させる必要はないが、後述する硬度範囲となるまでは養生を要する。また、養生温度を高く(例えば40〜60℃)することにより養生時間を短縮することも可能である。
硬化後のポリウレタン樹脂の硬度(ショアーD:10秒値)は通常10〜100、シール材として具備すべき機械強度および切断性(後述する、ポリウレタン樹脂で結束された中空糸膜の切断性)の観点から好ましくは20〜80である。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を意味する。
以下の製造例及び実施例において使用されている下記の原料の組成、メーカー等は以下の通りである。
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート(ミリオネートMT;日本ポリウレタン(株)社製)
TDI:トルエンジイソシアネート(コロネートT−80;日本ポリウレタン(株)社製)
カルボジイミド変性MDI:カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(ルプラネートMM−103、NCO%=29.5%;BASF INOAC ポリウレタン(株)製)
部分脱水ヒマシ油:水酸基価120mgKOH/g、TOYOACE P−110F;(株)東化研社製
ヒマシ油:水酸基価161mgKOH/g、ヒマシ油SL;伊藤製油(株)製
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート(アクリルエステル HO,三菱レーヨン(株)社製)
AMBN:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59;和光純薬工業(株)製)
HPEDA:N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン
製造例1〜2:分散剤の製造
<製造例1>分散剤(D−1)の製造
温度調節器、撹拌翼および滴下ロートを備えた1L容量の四つ口フラスコにメチルエチルケトン144部を仕込み、MDI150部を加え溶解させる。さらに、部分脱水ヒマシ油374部を仕込み、70℃で4時間攪拌した。このもののイソシアネート基含量(NCO%)は2.5であった。さらにHEMA53部を加え、さらに70℃で6時間反応し、滴定法でNCO%が0.01%以下であることを確認し、分散剤(D−1)とした。
<製造例2>分散剤(D−2)の製造
温度調節器、撹拌翼および滴下ロートを備えた500mL容量の四つ口フラスコに、TDIを28部、テトラブチルチタネートを0.01部入れ、30℃に温調し、続いてHEMA9部を2時間で滴下した。その間反応温度を40〜50℃に保った。その反応液を、温度調節器、撹拌翼および滴下ロートを備えた1L容量の四つ口フラスコにあらかじめ入れておいたペンタエリスリトールにPOを付加し、次いでEOを付加させた、EO含量12%、水酸基当量1750のポリオール963部を中に入れ、反応温度80〜90℃で4時間撹拌した。滴定法でNCO%が0.01%以下であることを確認して、分散剤(D−2)とした。
製造例3〜5:ポリマーポリオール組成物の製造
<製造例3>ポリマーポリオール組成物(POP−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、冷却管、窒素流入および流出口を備えた1L容量の四つ口フラスコに、ヒマシ油200部を加え、1L/分で窒素ガスを30分流し、空間部を窒素ガスで置換した。微量の窒素ガスを流しながら、攪拌下125℃に昇温した。攪拌下125℃で、ヒマシ油200部、スチレン80部、アクリロニトリル120部および分散剤(D−1)20部、AMBN4部およびキシレン20部の混合物を滴下ポンプで連続的に3時間にわたり注入した。さらに、AMBN4部およびキシレン溶液20部の混合物を2時間にわたり投入した。投入後さらに1時間攪拌し、その後100Paまで徐々に減圧にし、キシレン、メチルエチルケトンおよび未反応モノマーを3時間ストリッピングし、ポリマーポリオール組成物1(POP−1)を得た。
<製造例4>ポリマーポリオール組成物(POP−2)の製造
製造例3と同じ装置を用い、ヒマシ油200部、スチレン80部、アクリロニトリル120部、および分散剤(D−1)20部、AMBN4部およびキシレン溶液20部の混合物に代えて、ヒマシ油200部、スチレン40部、アクリロニトリル160部、および分散剤(D−2)10部、AMBN4部およびキシレン溶液20部の混合物を投入した以外は製造例3と同じ操作を行い、ポリマーポリオール組成物2(POP−2)を得た。
<製造例5>ポリマーポリオール組成物(POP−3)の製造
製造例3と同じ装置を用い、ヒマシ油200部、スチレン80部、アクリロニトリル120部、および分散剤(D−1)20部、AMBN4部およびキシレン20部の混合物に代えて、ヒマシ油200部、HEMA20部、スチレン80部、アクリロニトリル100部、分散剤(D−2)10部、AMBN4部、キシレン20部、および非反応性の分散剤としてビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(水酸基価211mgKOH/g)4部、の混合物を投入した以外は製造例3と同じ操作を行い、ポリマーポリオール組成物3(POP−3)を得た。
合成したポリマーポリオール組成物の分析法は下記のとおり。
<ポリマー微粒子の体積平均粒径>
ヒマシ油30mlにポリマーポリオール組成物2mgを投入し、マグネチックスターラーで3分間攪拌、均一分散させる。直ちに測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−750;(株)堀場製作所製)を用い動的光散乱法により体積平均粒径を測定した。
<粘度>
25℃に温調したポリマーポリオール組成物を回転式B型粘度計(RB−80L;東機産業(株)製)で測定した。
<ポリマー粒子含有量>
50mlの遠心分離用遠沈管および100mlナスフラスコの重量を小数点3桁まで精秤する(それぞれ、W1およびW2)。遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを加え精秤する(W3)。とする。アセトン/ヘキサン=2/8混合溶剤15mlを加え、振とうする。冷却遠心分離機[型番:GRX−220、トミー精工(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて、ナスフラスコに移す。残留沈降物にアセトン/ヘキサン=2/8混合溶剤15mlを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。残留沈降物を含む遠沈管を減圧乾燥機にて、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥後の重量を測定する(W4)とする、また乾燥物をポリマー粒子分とする。一方、ナスフラスコはエバポレータにセットし、60℃、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で留出がほぼなくなるまで揮発分を除去し、その後、減圧乾燥機にて、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥後の重量を測定する(W5)とする、また得られた溶液を分散媒相分とする。次式(A)で算出した値を、ポリマー粒子含有量とする。
ポリマー粒子含有量(重量%)=(W4−W1)×100/(W3−W1) (A)
また、次式(B)で算出した値を分散媒相含量とし、ポリマー粒子含有量と分散媒相含量の和が、100±1.5以内であることを確認する。和がこの範囲外の場合は、再実験を行う。
分散媒相含量(重量%)=(W5−W2)×100/(W3−W1) (B)
<分散媒相の水酸基価>
上記操作で得た分散媒相の水酸基価を下記の方法で測定した。
300ml三角フラスコに分散媒相分約2gを精秤(Sg)し、無水フタル酸/ピリジン溶液(無水フタル酸42gをピリジン300mlに溶解した液)25mLを加える。冷却管を取り付け、120℃のオイルバスに入れ、1時間反応させる。反応後、三角フラスコをオイルバス上にあげ5分間放冷後、冷却管の上部から10mlの高純度水を加え振り混ぜ、更に5分間放置する。オイルバスより三角フラスコを取り外し、室温まで冷却後、冷却管を取り外す。フェノールフタレイン指示薬0.5mlを加え、0.5mol/l水酸化カリウム液で滴定し、微紅色が30秒間持続する点を終点とする。同時に空試験を行う。水酸基価を下式により算出する。
水酸基価=(B−A)×f×28.05/S
B;空試験に要した0.5mol/l水酸化カリウム溶液の滴定数(ml)
A;試験に要した0.5mol/l水酸化カリウム溶液の滴定数(ml)
f;0.5mol/l水酸化カリウム溶液の力価
S;試料の重量(g)
表1にポリマーポリオール組成物の分析値を示す。
Figure 2010162447
製造例6〜8:イソシアネート成分の製造
<製造例6>イソシアネート成分(IS−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入および流出口を備えた1L容量の四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、MDI200部とヒマシ油170部を加え、60℃で3時間反応させた。さらにカルボジイミド変性MDI100部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分1(IS−1)を得た。(IS−1)のNCO%は16.2%、粘度は3100mPa・sであった。
<製造例7>イソシアネート成分(IS−2)の製造
製造例6と同じ装置で、微量の窒素ガスを流しながら、MDI250部と製造例3で製造した(POP−1)200部を加え、60℃で3時間反応させた。さらにカルボジイミド変性MDI100部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分2(IS−2)を得た。(IS−2)のNCO%は17.8%、粘度は2700mPa・sであった。
<製造例8>イソシアネート成分(IS−3)の製造
製造例6と同じ装置で、微量の窒素ガスを流しながら、MDI238部と製造例4で製造した(POP−2)232部を加え、60℃で3時間反応させた。さらにカルボジイミド変性MDI106部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分3(IS−3)を得た。(IS−3)のNCO%は16.1%、粘度は3600mPa・sであった。
製造例9〜12:活性水素化合物成分の調製
<製造例9>活性水素化合物成分(OH−1)
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入および流出口を備えた1L容量の四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、(POP−1)400部、HPEDA20部、およびグリセリンのプロピレンオキサイド付加物(サンニックス GP−250、水酸基価672mgKOH/g、三洋化成工業(株)製)30部を加え、攪拌混合し、活性水素化合物成分(OH−1)を得た。(OH−1)の水酸基価は172mgKOH/g、粘度は3700mPa・sであった。
<製造例10>活性水素化合物成分(OH−2)
製造例9と同じ装置で、(POP−1)400部の代わりに、(POP−2)400部を加えた以外は、製造例9と同じ操作を行い、活性水素化合物成分(OH−2)を得た。(OH−2)の水酸基価は174mgKOH/g、粘度は4000mPa・sであった。
<製造例11>活性水素化合物成分(OH−3)
製造例9と同じ装置で、(POP−1)400部の代わりに、(POP−3)400部を加えた以外は、製造例9と同じ操作を行い、活性水素化合物成分(OH−3)を得た。(OH−3)の水酸基価は174mgKOH/g、粘度は3000mPa・sであった。
<製造例12>活性水素化合物成分(OH−4)
製造例9と同じ装置で、(POP−1)400部、HPEDA20部、およびグリセリンのプロピレンオキサイド付加物(サンニックス GP−250、水酸基価672mgKOH/g、三洋化成工業(株)製)30部の代わりに、ヒマシ油400部、HPDA50部およびグリセリンのプロピレンオキサイド付加物(サンニックス GP−250、水酸基価672mgKOH/g、三洋化成工業(株)製)50部を加えた以外は、製造例9と同じ操作を行い、活性水素化合物成分(OH−4)を得た。(OH−4)の水酸基価は273mgKOH/g、粘度は900mPa・sであった。
実施例1〜5および比較例1
上記で作成したイソシアネート成分および活性水素化合物成分を、表2に記載の配合比(重量比)で配合し、実施例1〜5および比較例1のウレタン樹脂形成性組成物を得た。
Figure 2010162447
ウレタン樹脂形成性組成物の性能を評価するため、下記の方法でウレタン樹脂硬化物を得て試験した。
<硬化物の耐熱性(貯蔵弾性率の測定)、耐加水分解性および耐酸化安定性試験用ウレタン樹脂硬化物の作成>
イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表2の配合比で合計100部を秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機(H103N型、(株)コクサン製)を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、タテ120mm、ヨコ120mm、高さ10mmのSUS製容器に、高さが1mmになるように加え、50℃の恒温槽で48時間養生させウレタン樹脂硬化物を得た。
<ウレタン樹脂硬化物の耐熱性(貯蔵弾性率の測定)>
耐熱性を評価するため、以下の方法で貯蔵弾性率を測定した。上記ウレタン樹脂硬化物をタテ20mm、ヨコ5mmの長方形に切り出し、動的粘弾性測定装置(Rheogel−E4000;(株)ユービーエム製)を用い、10Hzで貯蔵弾性率を測定した。25℃および80℃の貯蔵弾性率を表3に示す。実施例1〜5の硬化物の貯蔵弾性率は25℃、80℃で差が小さくいずれも330〜420MPaの範囲にあり、耐熱性が良いことが判る。比較例1の硬化物は25℃は390MPaであるが、80℃は0.082MPaと大幅に低下し、耐熱性が悪い。
<耐加水分解性および耐酸化安定性試験>
上記ウレタン樹脂硬化物をJIS K7312(熱硬化性ウレタンエラストマー成型物の物理試験法)に規定されている3号形ダンベルに打ち抜き、試験片とした。試験片を1NのNaOH水溶液に40℃で30日間浸漬し、耐加水分解性試験を行った。同様に、試験片を塩素濃度5000ppmの次亜塩素酸水溶液に40℃で30日間浸漬し、酸化安定性試験を行った。試験前後の試験片各々5枚について引張試験機((株)島津製作所製)を使用し、23℃、引張速度500mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定した。最高値、最低値を除いた、中間値3点の平均値を測定値とし、試験前後の値を比較した。結果を表3に示す。実施例1〜5の硬化物、および比較例1の硬化物はいずれも良好な耐加水分解性および酸化安定性を示した。
<ウレタン樹脂硬化物の硬度>
イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表2の配合比で合計150gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機(H103N型、(株)コクサン製)を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、150mlのポリプロピレン製容器(口径65mm、高さ70mm)に100gを秤取った。50℃の恒温槽で48時間養生後、25℃で硬度ショアーD(10秒値)をショアーD硬度計(高分子計器(株)製)で測定した。結果を表3に示す。実施例1〜5の硬化物、比較例1の硬化物はいずれも55〜60の範囲であり、中空糸膜モジュール用のシール材として適した硬度である。
<硬化時の温度>
イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表2の配合比で合計1500gを円筒状ポリ容器(内径12cm、高さ20cm)に秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。温度記録計の熱電対の先端が攪拌混合物の中央部になるようにセットし、硬化時の発熱による温度変化を測定した。最高温度を表3に示す。実施例1〜5の硬化物の最高到達温度は90〜93℃であったが、比較例1の硬化物は発熱量が大きく、最高温度は100℃を超え106℃であった。
Figure 2010162447
<膜モジュール>
イソシアネート成分(IS−1)と活性水素化合物成分(OH−1)を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表2の実施例1の配合比で合計1000gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液をポリスルフォン製中空糸膜(内径0.75mm外径1.35mm)3000本を挿入した円筒状ABS製モジュールケース(内径108mm、長さ980mm)に投入し、遠心成型機で1時間遠心成型した。さらに50℃で48時間養生後、シール部の端部を切断して中空糸を開口させ、膜モジュールを作製した。外観を観察したが、ケースの変形等異常は見られなかった。さらに該膜モジュールを用いて、60℃の水で、最高水圧200kPaで濾過と逆洗の繰り返し試験を5000回行ったが、リークは発生しなかった。
本発明の膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物は、中空糸型血液処理器および中空糸型水処理器等のシール材として特に好適に使用される。

Claims (5)

  1. イソシアネート成分(A)および活性水素化合物成分(B)を含有するポリウレタン樹脂形成性組成物において、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒と該分散媒中に分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール組成物(C)を、イソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)の少なくとも一方の構成成分の一種に用いることを特徴とする膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  2. ポリマーポリオール組成物(C)が、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒中でビニル単量体を重合させて得られるものであることを特徴とする請求項1項に記載のシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  3. ポリマーポリオール組成物(C)中のポリマー粒子の含有量が15〜60重量%である請求項1または2に記載のシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  4. ポリマー粒子の体積平均粒径が0.01〜60μmである請求項1〜3いずれか1項に記載のシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなる膜モジュール用のシール材。
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