JP2010177066A - 電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物 - Google Patents

電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2010177066A
JP2010177066A JP2009019022A JP2009019022A JP2010177066A JP 2010177066 A JP2010177066 A JP 2010177066A JP 2009019022 A JP2009019022 A JP 2009019022A JP 2009019022 A JP2009019022 A JP 2009019022A JP 2010177066 A JP2010177066 A JP 2010177066A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
castor oil
component
parts
polymer
dispersion medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009019022A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Kano
美雄 狩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2009019022A priority Critical patent/JP2010177066A/ja
Publication of JP2010177066A publication Critical patent/JP2010177066A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】本発明の目的は、耐熱性に優れ高温使用時にも物性低下の少ない電気絶縁樹脂を提供することができる電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することにある。
【解決手段】イソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)を必須成分としてなり、少なくとも(A)と(B)を混合してウレタン樹脂を形成させるためのポリウレタン樹脂形成性組成物であって、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒と該分散媒中に分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール組成物(C)を、イソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)の少なくとも一方の構成成分の一種に用いることを特徴とする電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。さらに詳しくは、耐熱性に優れた電気絶縁性樹脂を提供することができる電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。
電気・電子部品の電気絶縁用樹脂は、トランス、コイル、コンデンサー、IC基盤等の電気、電子部や電線のジョイント部等に電気絶縁、固定、封止、保護の目的で使用されている。電気絶縁用樹脂としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが使われている。特に、ポリウレタン樹脂は、低硬度のゴム状弾性体から硬質樹脂まで幅広い性状のポリマーを得ることができ、低温特性が優れていることから、電気絶縁材料として広く使用されている。特に、ヒマシ油およびヒマシ油脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物などのヒマシ油系ポリオールを含有するポリウレタン樹脂が電気絶縁性能およびハンドリング性に優れることから広く用いられている(例えば、特許文献1および2参照)。
しかし、近年は電気電子部品の小型化および高集積化、あるいは、車搭載用途の拡大などにより電気絶縁樹脂に対しても高い耐熱性が要求され、従来のヒマシ油系ポリオールを含有するポリウレタン系電気絶縁樹脂は耐熱性が不十分となってきた。この問題を解決するため、ラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物を1成分として用いる方法が開示されている(特許文献3参照)。
特公昭59−33605号公報 特開平7−47239号公報 特開2007−284579
しかしながら、特許文献3に示されたポリウレタン系電気絶縁樹脂は、依然として耐熱性が十分であるとは言い難い。
前述のような背景から、本発明の目的は、耐熱性に優れ高温使用時にも物性低下の少ない電気絶縁樹脂を提供することができる電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することにある。
本発明者は上記問題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、イソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)を必須成分としてなり、少なくとも(A)と(B)を混合してウレタン樹脂を形成させるためのポリウレタン樹脂形成性組成物であって、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒と該分散媒中に分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール組成物(C)を、イソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)の少なくとも一方の構成成分の一種に用いることを特徴とする電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物、並びに該組成物を硬化してなる電気・電子部品の電気絶縁用樹脂である。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなる電気・電子部品の電気絶縁用樹脂は耐熱性に優れ、高温使用時にも物性劣化が少ないという効果を奏する。
本発明の電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物は、イソシアネート成分(A)[以下において、単に(A)と表記することがある]および活性水素化合物成分(B)[以下において、単に(B)と表記することがある]の2成分を必須成分として構成される。2成分の他にさらに他の成分から構成されていてもよい。ポリウレタン樹脂を形成する場合は、(A),(B)2成分を所定の比率で混合して使用される。
ヒマシ油誘導体を含有する分散媒と該分散媒中に分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール組成物(C)[以下において、単にポリマーポリオール組成物(C)または単に(C)と表記することがある]を、イソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)の少なくとも一方の構成成分の一種に用いるとは以下のようにすることを言う。
(A)の構成成分の一種に用いるとは、(A)が構成成分の一種として、(C)と当量以上のポリイソシアネートとの反応で得られる末端イソシアネート基含有プレポリマーを含有することである。
(B)の構成成分の一種に用いるとは、(B)が構成成分の一種として、(C)あるいは(C)と当量以下のポリイソシアネートとの反応で得られる水酸基末端プレポリマーを含有することである。
本発明における、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒と該分散媒中に分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール組成物(C)とは、ヒマシ油誘導体を含む分散媒中にポリマー粒子が分散されているものである。
分散媒中に含有されるヒマシ油誘導体の含有量は、分散媒の重量に基づいて60〜100重量%、好ましくは80〜100重量%である。
本発明において、ヒマシ油誘導体とはヒマシ油およびヒマシ油から化学反応により誘導される化合物である。具体例としてはヒマシ油、部分脱水ヒマシ油、部分アシル化ヒマシ油、水添ヒマシ油ならびに後記の低分子ポリオールもしくはポリエーテルポリオールとヒマシ油もしくは水添ヒマシ油とのエステル交換反応またはヒマシ油脂肪酸もしくは水添ヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応により得られるエステル等が挙げられる。
部分脱水ヒマシ油とはヒマシ油の脱水反応により水酸基の一部が脱離したものである。通常、部分脱水ヒマシ油の水酸基価は100〜160mgKOH/gであり、110〜130mgKOH/gが好ましい。部分アシル化ヒマシ油とは、ヒマシ油の水酸基の一部がアシル化されたものである。水添ヒマシ油とはヒマシ油の二重結合の一部またはすべてが水素化されたものである。ヒマシ油脂肪酸および水添ヒマシ油脂肪酸はそれぞれヒマシ油および水素化ヒマシ油の加水分解により得られる脂肪酸である。ヒマシ油誘導体のMn(数平均分子量)は、好ましくは300〜4,000、さらに好ましくは500〜3,000である。
前記エステル交換またはエステル化反応に使用される低分子ポリオールとしては、炭素数(以下Cと略記)2〜24のポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、水添ビスフェノールA、ヘキサントリオール、ソルビトール、シュークローズおよびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
前記エステル交換またはエステル化反応に使用されるポリエーテルポリオールとしては前記低分子量ポリオールあるいはビスフェノールAおよびハイドロキノンなどの多価フェノール、あるいはアンモニア、エチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンおよびN,N−ジメチルプロピレンジアミンなどのアミン化合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオイサイドおよびブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加したものなどである。具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等が挙げられる。
本発明において、ポリマーポリオール組成物(C)の分散媒はヒマシ油誘導体を含有するが、必要により、前記の低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール、後記のポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールおよびポリオレフィンポリオールなどのポリオール化合物、イソパラフィン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素化合物、ならびにジイソノニルフタレートおよびセバシン酸オクチル等のエステル類などの有機媒体を含有できる。これらの有機媒体のなかで、ヒマシ油脂肪酸エステル系ポリオールとの相溶性およびウレタン樹脂の物性から、低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールが好ましい。これらの有機媒体の合計重量は通常、分散媒中の40重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
ポリマー粒子を構成するポリマーとしては、ヒマシ油誘導体を含む分散媒に実質上不溶のポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアルキルメタクリレート、ポリアクリロニトリルおよびポリスチレン・アクリロニトリル共重合物などのビニル単量体の1種以上の重合反応によって得られるポリマー、ポリエチレンテレフタレート、6,6−ナイロンおよびフェノール樹脂等の重縮合反応によって得られるポリマー、ならびにポリウレタン樹脂等の重付加反応によって得られるポリマーが挙げられる。これらのポリマーのうち、分散媒中で合成可能なことから、ビニル単量体の1種以上の重合によって得られるポリマーが好ましい。
ビニル単量体としては、エチレンおよびプロピレン等の脂肪族炭化水素系モノマー;スチレン、α−メチルスチレンおよびヒドロキシスチレン等芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジアミノエチル(メタ)アクリレート、モルフォリノエチル(メタ)アクリレートおよびビニルピロリドン等の窒素含有ビニル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
本発明において、ポリマーポリオール組成物(C)中のポリマー粒子含有量は、通常10〜80重量%、耐熱性と粘度の観点から、好ましくは15〜60重量%、特に好ましくは25〜60重量%である。ポリマー粒子含有量は、例えば後述のように、ポリマーポリオール組成物(C)をポリマーを溶解しない有機媒体で希釈後遠心分離し、得られた沈降物の重量から測定することができる。
本発明において、ポリマー粒子の体積平均粒径は、粘度と分散安定性の観点から好ましくは0.01〜60μm、さらに好ましくは0.05〜10μm、とくに好ましくは0.1〜5.0μmである。体積平均粒径は、後述の動的光散乱法で測定できる。
ポリマーポリオール組成物(C)の25℃での粘度は、ハンドリング性の観点から、好ましくは500〜10,000mPa・sである。粘度は、例えば回転式B型粘度計等で測定できる。
ポリマーポリオール組成物(C)の分散媒相の水酸基価は、ウレタン樹脂硬化物の物性の観点から、好ましくは20〜500mgKOH/gである。分散媒相の水酸基価は、上記ポリマー粒子含有量の測定で分離された分散媒相の水酸基価を例えばJIS K1557−1(プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方)に準拠して測定することができる。
ヒマシ油誘導体を含有する分散媒にポリマー粒子を分散する方法としては、以下のもの等が挙げられる。
(1)ヒマシ油誘導体を含む分散媒中で、ビニル単量体を重合し直接ポリマー粒子分散液を得る方法。
(2)有機溶剤に溶解したポリマー溶液をヒマシ油誘導体を含有する分散媒に加え、必要により脱溶剤し、ポリマー粒子を析出、分散させる方法。
(3)有機溶剤にポリマー粒子を分散した分散液をヒマシ油誘導体を含有する分散媒に加え、必要により脱溶剤する方法。
(4)乳化重合や分散重合後単離して得られるポリマー粒子または塊状ポリマーを粉砕して得られるポリマー粒子をヒマシ油誘導体を含有する分散媒に添加する方法。これらの方法のなかで、上記(1)の方法が、工程が少なく好ましい。
ヒマシ油誘導体を含有する分散媒中で、ビニル単量体をラジカル重合し、直接ポリマー粒子分散液を得る場合の一例を以下に示す。反応容器にヒマシ油誘導体および必要により前述の有機媒体を仕込む。別容器にビニル単量体、ならびに必要によりヒマシ油誘導体、有機媒体および/または後記する分散剤を仕込み、攪拌混合し、ビニル単量体溶液とする。別容器に重合開始剤、ならびに必要によりヒマシ油誘導体および/または有機媒体を仕込み、攪拌混合し、重合開始剤溶液とする。反応容器を攪拌加熱し、重合温度に達したら、ビニル単量体溶液および重合開始剤溶液を滴下し、重合反応を行う。重合反応終了後、必要により、減圧し、残存モノマーおよび有機媒体を留出させ、ポリマーポリオール組成物(C)を得る。なお、重合温度は使用する開始剤により異なるが、通常70〜180℃であり、好ましくは100〜160℃である。なお1段バッチ重合反応以外に、多段バッチ反応、あるいは連続反応などもとることができる。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)および2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)等のアゾ化合物ならびにベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよびジブチルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。重合開始剤の使用量はビニル単量体の合計重量に基づいて、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。以下、「%」は特に断りのない限り「重量%」を表す。
本発明において、ポリマー粒子の分散に分散剤を使用できる。分散剤の使用により、ポリマー粒子の体積平均粒径の制御が容易になり、ポリマーポリオール組成物中のポリマー粒子の分散安定性が増す。ポリマーにより、適した分散剤の組成、構造は異なるが、一般にはポリマーに親和性を有する部分と分散媒に親和性を有する化合物(a)、または分散媒に親和性を有する部分とポリマーに組み込み可能な反応性基(例えば二重結合)を有する化合物(b)である。例えば、スチレンを含有するポリマーの場合、スチレン化フェノールのプロピレンオキサイド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などが(a)の例であり、スチレン化フェノールあるいはビスフェノールAの部分がスチレンと親和性を有しポリプロピレンオキサイド部分がヒマシ油誘導体と親和性を有する。また、ビニル単量体の重合によるポリマーの場合、(b)の例としてはヒマシ油または部分脱水ヒマシ油とヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとTDI(2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート)またはMDI(2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)などのポリイソシアネートの反応生成物などが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート成分(A)は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート、または該ポリイソシアネートと1分子中に活性水素を2個以上のポリオールとの反応によるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーのいずれかから、あるいは両者の併用からなる。
ポリイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネート基を2個〜3個またはそれ以上有する化合物であり、該ポリイソシアネートとしては、例えば、C(ポリイソシアネートの場合、イソシアネート基中の炭素原子を除く炭素原子の数、以下同じ)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、C4〜15の脂環式ポリイソシアネート、C6〜20の芳香族ポリイソシアネート、C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのイソシアネート基の一部または全部を、イソシアヌレート、ビュレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトンイミン、カルボジイミド、オキサゾリドン、アミドまたはイミド変性してなる化合物、およびこれらの混合物が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレートおよびビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート等]、ならびにトリイソシアネート[1,6,11−ウンデカントリイソシアネートおよび2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等]が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネートおよびビス(2−イソシアネートエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート等]が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[2,4−および/または2,6−トルエンジイソシアネート、4,4′−、2,4′−および/または2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ならびにナフタレンジイソシアネート等]、あるいは3個以上のイソシアネート基を有するもの[ベンゼン環を3個以上有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等]が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネートおよびジイソシアネートエチルベンゼン等]が挙げられる。
これらのポリイソシアネートのうち、反応性の観点から好ましいのは芳香族ポリイソシアネートおよびその変性体、さらに好ましいのは4,4′−、2,4′−および/または2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその変性体である。
本発明におけるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを構成するポリオールとしては、前記ポリマーポリオール組成物(C)およびその他のポリオールが挙げられる。その他のポリオールとしては、官能基数2〜8(好ましくは2〜6)のポリオール、例えば前記の低分子ポリオール、ポリエーテルポリオール、ヒマシ油、ヒマシ油誘導体、後記するポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびポリオレフィンポリオール等が挙げられる。官能基数2〜8のポリオールの水酸基価は好ましくは20〜1,850mgKOH/g、さらに好ましくは40〜1,400mgKOH/gである。
ポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸[脂肪族飽和または不飽和ポリカルボン酸(C2〜40、例えばアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸および二量化リノール酸)、芳香族ポリカルボン酸(C8〜15、例えばフタル酸およびイソフタル酸)等]と、ポリオール(前記の低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオール)とから形成される線状または分岐状ポリエステルポリオール;ポリラクトンポリオール[例えば前記低分子ポリオール(2〜3価)の1種または2種以上を出発原料としてこれに(置換)カプロラクトン(C6〜10、例えばε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトンおよびε−メチル−ε−カプロラクトン)を触媒(有機金属化合物、金属キレート化合物および脂肪酸金属アシル化物等)の存在下に付加重合させたポリエステルポリオール(例えばポリカプロラクトンポリオール)];末端にカルボキシル基および/またはOH基を有するポリエステルにアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等)を付加重合させて得られるポリエーテルエステルポリオール;ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、前述の低分子量ポリオールと、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートおよびジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートとの反応によって得られるものが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、水酸基含有ポリブタジエン、水素化水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素化水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有スチレンブタジエン共重合体、水素化水酸基含有スチレンブタジエン共重合体、水酸基含有スチレンイソプレン共重合体および水素化水酸基含有スチレンイソプレン共重合体等が挙げられる。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーはポリイソシアネートとポリオールを、イソシアネート基とOH基の当量比(NCO/OH)を通常1.1/1〜100/1、で反応させることにより得られる。
上記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの製造方法としては、ポリイソシアネートと1分子中に活性水素を2個以上のポリオールとを反応容器中、窒素雰囲気下で反応させる公知の方法が挙げられる。プレポリマー化反応における反応温度は通常30〜140℃、反応性の観点および副反応防止の観点から好ましくは60〜120℃である。また、反応は通常無溶剤下で行うが、必要によりイソシアネート基に不活性な溶剤[例えば芳香族炭化水素(トルエンおよびキシレン等)、ケトン(メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等)ならびにこれらの2種以上の混合物]の存在下で行い、後にこれらの溶剤を蒸留により除いてもよい。
本発明における活性水素化合物成分(B)としては、前記ポリマーポリオール組成物(C)、官能基数2〜8(好ましくは2〜6)のポリオール、例えば前記の低分子ポリオール、ポリエーテルポリオール、ヒマシ油、ヒマシ油誘導体、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等および、これらの2種以上の併用が挙げられる。さらに、これらの活性水素化合物とポリイソシアネート化合物との反応で得られる水酸基末端プレポリマーも(B)の成分として挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物におけるイソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)との反応におけるNCO/OH当量比は、未反応物低減の観点から好ましくは0.5/1〜2/1、さらに好ましくは0.7/1〜1.5/1、とくに好ましくは0.8/1〜1.2/1である。ポリウレタン樹脂形成時に混合する成分(A)と成分(B)の混合比率は、この比率より決定される。
本発明の成分(A)および成分(B)の粘度は、通常50〜30,000mPa・s、ハンドリング性の観点から好ましくは100〜20,000mPa・s、さらに好ましくは200〜10,000mPa・sである。また、成分(A)および成分(B)の混合後の初期粘度(混合後3分以内の粘度)は塗布性および注入性の観点から、通常50〜30,000mPa・s、好ましくは100〜20,000mPa・s、さらに好ましくは200〜10,000mPa・sである。
本ウレタン樹脂形成性組成物は通常のポリウレタン樹脂に使用される添加剤、すなわち、ウレタン化触媒、発泡剤、難燃剤、充填剤、可塑剤、加水分解防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤、脱水剤および炭酸ガス吸収剤等の発泡抑制剤、シラン系およびチタン系のカップリング剤などを含有することができる。これらの添加剤はイソシアネート成分(A)もしくは活性水素化合物成分(B)のいずれかに、または両方に添加することができる。また必要により、(A)および(B)とは別の第3成分として使用することができる。
ウレタン化触媒としては、ジブチルチンジラウレート、アルキルチタン酸塩、有機珪素チタン酸塩、スタナスオクトエート、オクチル酸鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ジブチル錫ジオルソフェニルフェノキサイド、錫オキサイドとエステル化合物(ジオクチルフタレートなど)の反応生成物などの金属系触媒、モノアミン類[トリエチルアミンなど]、ジアミン類[N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど]、トリアミン類[N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンなど]、環状アミン類[トリエチレンジアミンなど]などのアミン系触媒などが挙げられる。これらの触媒は二種以上を併用して使用しても良い。
発泡剤としては、水、ペンタンなどのハイドロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、メチレンクロライド、アゾ化合物などが挙げられる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ニツケル、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリス(トリブロモフェニル)フォスフェート、トリスジブロモプロピルフォスフェート、トリス(ジブロモフェニルフェニル)フォスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)フォスフェート、ジ(イソプロピル)−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフェート、臭素化ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、臭素化ビスフェノールA、尿素、尿素誘導体(尿素とホルマリンの反応物など)、チオ尿素、メラミン、メラミン誘導体(メラミンとホルマリンの反応物など)、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、ジンクボレートなどが挙げられる。
充填剤としては、フィラー類(タルク、雲母など)、シリカ、アルミナ、ガラス粉、シラスバルーン、中空ガラス、無機あるいは有機繊維などが挙げられる。
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートなどのエステル系可塑剤、オレフィンオリゴマーおよびオレフィンオリゴマー水素化物、プロセスオイル、石油樹脂、塩素化パラフィンなどが挙げられる。
加水分解防止剤としては、カルボジイミド系(日清紡(株)製「カルボジライト」)などが挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系[4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(三共製「サノールLS−744」)など]、ヒンダードフェノール系[オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(日本チバガイギー製「イルガノックス1076」)など]、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど)、ベンゾトリアゾール系[2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなど]などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、サルチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などが挙げられる。
防黴剤としては、塩素化合物系[ペンタクロロフェノール]、銅化合物系[銅−8−ヒドロキシキノリン]、有機スズ系[ビス(トリ−n−ブチルチン)オキシド]などが挙げられる。
脱水剤としては合成ゼオライト、無水石膏、珪藻土、合成ケイ酸塩などが挙げられる。
炭酸ガス吸収剤としては微細状酸化カルシウム等が挙げられる。
本発明の電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分(A)および活性水素化合物成分(B)を使用時に各々所定量計量後、スタティックミキサーまたはメカニカルミキサー等で混合、反応させることにより製造することができる。上記混合、反応させて流動性がなくなるまでの時間(ポットライフ)は通常3〜300分であり、完全硬化には室温(20〜30℃)で12〜480時間の養生を要する。ここにおいてポリウレタン樹脂の硬度に変化が認められなくなった時点を完全硬化(反応終点)とする。なお、ポリウレタン樹脂の実使用上は必ずしも完全硬化させる必要はないが、後述する硬度範囲となるまでは養生を要する。また、養生温度を高く(例えば40〜120℃)することにより養生時間を短縮することも可能である。
硬化後のポリウレタン樹脂の硬度(ショアーA:10秒値)は通常10〜100、機械強度および柔軟性の観点から好ましくは30〜95である。
本発明の電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなる電気・電子部品の電気絶縁用樹脂は、トランス、コイル、コンデンサー、IC基盤等の電気、電子部や電線のジョイント部等の電気絶縁、固定、封止、保護材料等に使用される。樹脂の成形方法としては塗布、注入等それぞれ使用用途に適した方法が選択できる。たとえば、トランスのポッティング剤として使用する場合の一例を挙げれば、フェライトコアや基板等の高圧トランス部品をセットしたケースにポリウレタン樹脂形成性組成物を注入し、50〜80℃で養生し、電気絶縁性、耐熱性のよい高圧トランスとすることができる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を意味する。
以下の製造例及び実施例において使用されている下記の原料の組成、メーカー等は以下の通りである。
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート(ミリオネートMT;日本ポリウレタン(株)社製)
TDI:トルエンジイソシアネート(コロネートT−80;日本ポリウレタン(株)社製)
カルボジイミド変性MDI:カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(ルプラネートMM−103、NCO%=29.5%;BASF INOAC ポリウレタン(株)製)
部分脱水ヒマシ油:水酸基価120mgKOH/g、TOYOACE P−110F;(株)東化研社製
ヒマシ油:水酸基価161mgKOH/g、ヒマシ油SL;伊藤製油(株)製
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート(アクリルエステル HO,三菱レーヨン(株)社製)
AMBN:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59;和光純薬工業(株)製)
HPEDA:N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン
製造例1〜2:分散剤の製造
<製造例1>分散剤(D−1)の製造
温度調節器、撹拌翼および滴下ロートを備えた1L容量の四つ口フラスコにメチルエチルケトン144部を仕込み、MDI150部を加え溶解させる。さらに、部分脱水ヒマシ油374部を仕込み、70℃で4時間攪拌した。このもののイソシアネート基含量(NCO%)は2.5であった。さらにHEMA53部を加え、さらに70℃で6時間反応し、滴定法でNCO%が0.01%以下であることを確認し、分散剤(D−1)とした。
<製造例2>分散剤(D−2)の製造
温度調節器、撹拌翼および滴下ロートを備えた500mL容量の四つ口フラスコに、TDIを28部、テトラブチルチタネートを0.01部入れ、30℃に温調し、続いてHEMA9部を2時間で滴下した。その間反応温度を40〜50℃に保った。その反応液を、温度調節器、撹拌翼および滴下ロートを備えた1L容量の四つ口フラスコにあらかじめ入れておいたペンタエリスリトールにPOを付加し、次いでEOを付加させた、EO含量12%、水酸基当量1750のポリオール963部を中に入れ、反応温度80〜90℃で4時間撹拌した。滴定法でNCO%が0.01%以下であることを確認して、分散剤(D−2)とした。
製造例3〜5:ポリマーポリオール組成物の製造
<製造例3>ポリマーポリオール組成物(POP−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、冷却管、窒素流入および流出口を備えた1L容量の四つ口フラスコに、ヒマシ油200部を加え、1L/分で窒素ガスを30分流し、空間部を窒素ガスで置換した。微量の窒素ガスを流しながら、攪拌下125℃に昇温した。攪拌下125℃で、ヒマシ油200部、スチレン80部、アクリロニトリル120部および分散剤(D−1)20部、AMBN4部およびキシレン20部の混合物を滴下ポンプで連続的に3時間にわたり注入した。さらに、AMBN4部およびキシレン溶液20部の混合物を2時間にわたり投入した。投入後さらに1時間攪拌し、その後100Paまで徐々に減圧にし、キシレン、メチルエチルケトンおよび未反応モノマーを3時間ストリッピングし、ポリマーポリオール組成物1(POP−1)を得た。
<製造例4>ポリマーポリオール組成物(POP−2)の製造
製造例3と同じ装置を用い、ヒマシ油200部、スチレン80部、アクリロニトリル120部、および分散剤(D−1)20部、AMBN4部およびキシレン溶液20部の混合物に代えて、ヒマシ油200部、スチレン40部、アクリロニトリル160部、および分散剤(D−2)10部、AMBN4部およびキシレン溶液20部の混合物を投入した以外は製造例3と同じ操作を行い、ポリマーポリオール組成物2(POP−2)を得た。
<製造例5>ポリマーポリオール組成物(POP−3)の製造
製造例3と同じ装置を用い、ヒマシ油200部、スチレン80部、アクリロニトリル120部、および分散剤(D−1)20部、AMBN4部およびキシレン20部の混合物に代えて、ヒマシ油200部、HEMA20部、スチレン80部、アクリロニトリル100部、分散剤(D−2)10部、AMBN4部、キシレン20部、および非反応性の分散剤としてビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(水酸基価211mgKOH/g)4部、の混合物を投入した以外は製造例3と同じ操作を行い、ポリマーポリオール組成物3(POP−3)を得た。
合成したポリマーポリオール組成物の分析法は下記のとおり。
<ポリマー微粒子の体積平均粒径>
ヒマシ油30mlにポリマーポリオール組成物2mgを投入し、マグネチックスターラーで3分間攪拌、均一分散させる。直ちに測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−750;(株)堀場製作所製)を用い動的光散乱法により体積平均粒径を測定した。
<粘度>
25℃に温調したポリマーポリオール組成物を回転式B型粘度計(RB−80L;東機産業(株)製)で測定した。
<ポリマー粒子含有量>
50mlの遠心分離用遠沈管および100mlナスフラスコの重量を小数点3桁まで精秤する(それぞれ、W1およびW2)。遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを加え精秤する(W3)。とする。アセトン/ヘキサン=2/8混合溶剤15mlを加え、振とうする。冷却遠心分離機[型番:GRX−220、トミー精工(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて、ナスフラスコに移す。残留沈降物にアセトン/ヘキサン=2/8混合溶剤15mlを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。残留沈降物を含む遠沈管を減圧乾燥機にて、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥後の重量を測定する(W4)とする、また乾燥物をポリマー粒子分とする。一方、ナスフラスコはエバポレータにセットし、60℃、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で留出がほぼなくなるまで揮発分を除去し、その後、減圧乾燥機にて、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥後の重量を測定する(W5)とする、また得られた溶液を分散媒相分とする。次式(A)で算出した値を、ポリマー粒子含有量とする。
ポリマー粒子含有量(重量%)=(W4−W1)×100/(W3−W1) (A)
また、次式(B)で算出した値を分散媒相含量とし、ポリマー粒子含有量と分散媒相含量の和が、100±1.5以内であることを確認する。和がこの範囲外の場合は、再実験を行う。
分散媒相含量(重量%)=(W5−W2)×100/(W3−W1) (B)
<分散媒相の水酸基価>
上記操作で得た分散媒相の水酸基価を下記の方法で測定した。
300ml三角フラスコに分散媒相分約2gを精秤(Sg)し、無水フタル酸/ピリジン溶液(無水フタル酸42gをピリジン300mlに溶解した液)25mLを加える。冷却管を取り付け、120℃のオイルバスに入れ、1時間反応させる。反応後、三角フラスコをオイルバス上にあげ5分間放冷後、冷却管の上部から10mlの高純度水を加え振り混ぜ、更に5分間放置する。オイルバスより三角フラスコを取り外し、室温まで冷却後、冷却管を取り外す。フェノールフタレイン指示薬0.5mlを加え、0.5mol/l水酸化カリウム液で滴定し、微紅色が30秒間持続する点を終点とする。同時に空試験を行う。水酸基価を下式により算出する。
水酸基価=(B−A)×f×28.05/S
B;空試験に要した0.5mol/l水酸化カリウム溶液の滴定数(ml)
A;試験に要した0.5mol/l水酸化カリウム溶液の滴定数(ml)
f;0.5mol/l水酸化カリウム溶液の力価
S;試料の重量(g)
表−1にポリマーポリオール組成物の分析値を示す。
Figure 2010177066
製造例6〜8:イソシアネート成分の製造
<製造例6>イソシアネート成分(IS−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入および流出口を備えた1L容量の四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、MDI200部とヒマシ油170部を加え、60℃で3時間反応させた。さらにカルボジイミド変性MDI100部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分1(IS−1)を得た。(IS−1)のNCO%は16.2%、粘度は3100mPa・sであった。
<製造例7>イソシアネート成分(IS−2)の製造
製造例6と同じ装置で、微量の窒素ガスを流しながら、MDI250部と製造例3で製造した(POP−1)200部を加え、60℃で3時間反応させた。さらにカルボジイミド変性MDI100部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分2(IS−2)を得た。(IS−2)のNCO%は17.8%、粘度は2700mPa・sであった。
<製造例8>イソシアネート成分(IS−3)の製造
製造例6と同じ装置で、微量の窒素ガスを流しながら、MDI238部と製造例4で製造した(POP−2)232部を加え、60℃で3時間反応させた。さらにカルボジイミド変性MDI106部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分3(IS−3)を得た。(IS−3)のNCO%は16.1%、粘度は3600mPa・sであった。
<製造例9>イソシアネート成分(IS−4)の製造
製造例6と同じ装置で、微量の窒素ガスを流しながら、TDI100部と分子量2,000のポリプロピレングリコール(サンニックス PP−2000;三洋化成(株)製)330部を加え、80℃で5時間反応させ、イソシアネート成分4(IS−4)を得た。(IS−4)のNCO%は8.0%、粘度は2300mPa・sであった。
実施例1〜5および比較例1〜2
イソシアネート成分および活性水素化合物成分を、表−2に記載の配合比(重量比)で配合し、実施例1〜5および比較例1〜2のウレタン樹脂形成性組成物を得た。
Figure 2010177066
ウレタン樹脂形成性組成物の性能を以下の方法で評価した。
<硬化物の電気絶縁性および耐熱性試験用ウレタン樹脂硬化物の作成>
イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表−2の配合比で合計100部を秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機(H103N型、(株)コクサン製)を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、タテ120mm、ヨコ120mm、高さ10mmのSUS製容器に、高さが2mmになるように加え、50℃の恒温槽で72時間養生させウレタン樹脂硬化物を得た。
<ウレタン樹脂硬化物の電気絶縁性>
電気絶縁性を評価するため、以下の方法で体積固有抵抗値を測定した。上記ウレタン樹脂硬化物をタテヨコ各100mmの正方形に切り出し、超絶縁計(DM−8103、東亜電波製)により23℃、湿度50%RHの雰囲気下でASTMD257に準拠して測定した。結果を表−3に示す。実施例1〜5、比較例1〜2いずれも1014Ω・cm以上であり、良好な電気絶縁性を示した。
<ウレタン樹脂硬化物の耐熱性>
上記ウレタン樹脂硬化物をJIS K7312(熱硬化性ウレタンエラストマー成型物の物理試験法)に規定されている3号形ダンベルに打ち抜き、試験片とした。150℃の恒温槽に10日間静置し、耐熱性試験とした。試験前後の試験片各々5枚について引張試験機((株)島津製作所製)を使用し、23℃、引張速度500mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定した。最高値、最低値を除いた、中間値3点の平均値を測定値とし、試験前後の値を比較した。結果を表−3に示す。実施例1〜5の硬化物は強度保持率80%以上と良好な耐熱性を示したが、比較例1〜2は保持率が60%以下と耐熱性が劣る。
<ウレタン樹脂硬化物の硬度>
イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表−2の配合比で合計150gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機(H103N型、(株)コクサン製)を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、150mlのポリプロピレン製容器(口径65mm、高さ70mm)に100gを秤取った。50℃の恒温槽で72時間養生後、25℃で硬度ショアーA(10秒値)をショアーA硬度計(高分子計器(株)製)で測定した。結果を表−3に示す。実施例1〜5の硬化物、比較例1〜2からの硬化物はいずれも40〜90の範囲であり、電気絶縁用樹脂として適した硬度である。
<混合初期粘度の測定>
ウレタン樹脂形成性組成物の注入性を評価するため、以下の方法で混合初期粘度を測定した。イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表−2の配合比で合計100部を秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機(H103N型、(株)コクサン製)を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、200mlのガラス製ビーカーに加え、回転式B型粘度計(RB−80L;東機産業(株)製)で攪拌混合開始から3分後の粘度を測定し、混合初期粘度とした。結果を表−3に示す。実施例1〜5、比較例1〜2いずれも4000mPa・s以下と低粘度であり、良好な注入性を示した。
<ウレタン樹脂形成性組成物の注入試験>
ウレタン樹脂形成性組成物の注入性を直接評価するため、以下の試験を行った。イソシアネート成分と活性水素化合物成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表−2の配合比で合計100部を秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機(H103N型、(株)コクサン製)を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、タテ120mm、ヨコ120mm、厚さ30mmの透明ポリエチレン製型枠に注入し、状態を観察した。実施例1〜5、比較例1〜2いずれも気泡なく底部まで流れ込み、良好な注入性を示した。
Figure 2010177066
本発明の電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物は耐熱性に優れた電気絶縁性ポリウレタン樹脂を形成できることから、トランス、コイル、コンデンサー、IC基盤等の電気、電子部や電線のジョイント部等の電気絶縁、固定、封止、保護材料として特に有用である。

Claims (5)

  1. イソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)を必須成分としてなり、少なくとも(A)と(B)を混合してウレタン樹脂を形成させるためのポリウレタン樹脂形成性組成物であって、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒と該分散媒中に分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール組成物(C)を、イソシアネート成分(A)と活性水素化合物成分(B)の少なくとも一方の構成成分の一種に用いることを特徴とする電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  2. ポリマーポリオール組成物(C)が、ヒマシ油誘導体を含有する分散媒中でビニル単量体を重合させて得られるものである請求項1に記載の組成物。
  3. ポリマーポリオール組成物(C)中の、(C)の重量に基づくポリマー粒子の重量が10〜80重量%である請求項1または2に記載の組成物。
  4. ポリマー粒子の体積平均粒径が0.01〜60μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物を硬化してなる電気・電子部品の電気絶縁用樹脂。
JP2009019022A 2009-01-30 2009-01-30 電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物 Pending JP2010177066A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009019022A JP2010177066A (ja) 2009-01-30 2009-01-30 電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009019022A JP2010177066A (ja) 2009-01-30 2009-01-30 電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010177066A true JP2010177066A (ja) 2010-08-12

Family

ID=42707794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009019022A Pending JP2010177066A (ja) 2009-01-30 2009-01-30 電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010177066A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014022124A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Fisco International Inc 再剥離性絶縁シート
WO2015182367A1 (ja) * 2014-05-28 2015-12-03 第一工業製薬株式会社 ポリウレタン樹脂組成物、それを用いてなる成型体および電気電子部品
WO2016083538A1 (en) 2014-11-27 2016-06-02 Basf Se Synthesis of polymer polyols in unsaturated polyols, polymer polyols and their use
JP6138325B1 (ja) * 2016-08-04 2017-05-31 サンユレック株式会社 ポリウレタン樹脂組成物
JP6157709B1 (ja) * 2016-09-30 2017-07-05 サンユレック株式会社 ポリウレタン樹脂組成物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014022124A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Fisco International Inc 再剥離性絶縁シート
WO2015182367A1 (ja) * 2014-05-28 2015-12-03 第一工業製薬株式会社 ポリウレタン樹脂組成物、それを用いてなる成型体および電気電子部品
WO2016083538A1 (en) 2014-11-27 2016-06-02 Basf Se Synthesis of polymer polyols in unsaturated polyols, polymer polyols and their use
US10294336B2 (en) 2014-11-27 2019-05-21 Basf Se Synthesis of polymer polyols in unsaturated polyols, polymer polyols and their use
JP6138325B1 (ja) * 2016-08-04 2017-05-31 サンユレック株式会社 ポリウレタン樹脂組成物
JP2018021141A (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 サンユレック株式会社 ポリウレタン樹脂組成物
JP6157709B1 (ja) * 2016-09-30 2017-07-05 サンユレック株式会社 ポリウレタン樹脂組成物
JP2018053169A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 サンユレック株式会社 ポリウレタン樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010116429A (ja) ウレタン樹脂用ポリマーポリオール組成物
JP4721064B2 (ja) ポリウレタン樹脂形成性組成物、シール材の製造方法、及び中空糸膜モジュールの製造方法
JP2010177066A (ja) 電気・電子部品の電気絶縁用ポリウレタン樹脂形成性組成物
JP2010031169A (ja) 塩化ビニル重合体粒子及び/又は塩化ビニル−不飽和ビニル共重合体粒子を分散させたポリオール組成物
BRPI0809753A2 (pt) " processo para preparar um polímero de poliuretano, sola de sapato, sistema de dois componentes apropriado para a produção de um poliuretano e sistema de três componentes"
MX2015001737A (es) Elastomero de poliurea con incrementada resistencia a productos quimicos.
JP5489066B2 (ja) 膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物、及び該形成性組成物を用いた中空或いは平膜状繊維分離膜を用いたモジュール用膜シール材
WO2008062792A1 (fr) Procédé de fabrication de mousse de polyuréthanne dure
WO2019107199A1 (ja) 硬化性樹脂組成物およびこれを用いた電装部品
CA3086084A1 (en) A composition with reduced aldehyde emission
JP3686372B2 (ja) ポリマーポリオール組成物、その製造方法およびポリウレタン樹脂の製造方法
MXPA05013529A (es) Dispersiones de polimero en polioles de poliester.
JP2011213867A (ja) 熱可塑性ポリウレタン樹脂、成形品、および、熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法
JP2011207943A (ja) ヒマシ油系ポリマーポリオール組成物
WO2015153182A1 (en) Epoxy two-part formulations
JP2008031197A (ja) 中空糸膜モジュールに用いられるシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物、及び該組成物を用いた中空糸膜モジュール用シール材
JP2010162447A (ja) 膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物
JP3524509B2 (ja) 注型用ポリウレタン樹脂形成性組成物
JP5756678B2 (ja) 導光性ポリウレタン樹脂および導光部材
WO2019107201A1 (ja) 硬化性樹脂組成物およびこれを用いた電装部品
JP2021161136A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP7295933B2 (ja) 硬化性ウレタン組成物
JP2007222764A (ja) 中空糸膜モジュールに用いられるシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物、及び該組成物を用いた中空糸膜モジュール用シール材
JP2011098310A (ja) 膜モジュールのウレタン樹脂シール材用ポリマーポリオール
JPH0762052A (ja) 電気絶縁用ポツテイング剤