JP2011122073A - ポリウレタン樹脂およびポリウレタン樹脂製造用ポリオール - Google Patents
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Abstract
【課題】得られる樹脂の強度と好適な反応性を両立させたポリウレタン樹脂とMOCA代替可能な該ポリウレタン樹脂製造用ポリオールの提供。
【解決手段】芳香環を有する活性水素含有化合物(a)のプロピレンオキサイド付加物であって、末端に位置する水酸基含有基である−C3H6−OH基の50モル%以上が1級水酸基含有基であるポリオキシプロピレンポリオール(A)と、芳香環を有するポリイソシアネート(B)を必須成分として反応してなることを特徴とするウレタン樹脂(P);該ウレタン樹脂(P)を形成するためのポリオキシプロピレンポリオールである。
【選択図】 なし
【解決手段】芳香環を有する活性水素含有化合物(a)のプロピレンオキサイド付加物であって、末端に位置する水酸基含有基である−C3H6−OH基の50モル%以上が1級水酸基含有基であるポリオキシプロピレンポリオール(A)と、芳香環を有するポリイソシアネート(B)を必須成分として反応してなることを特徴とするウレタン樹脂(P);該ウレタン樹脂(P)を形成するためのポリオキシプロピレンポリオールである。
【選択図】 なし
Description
本発明はポリウレタン樹脂、および該ポリウレタン樹脂を製造するためのポリオール成分に関するものである。
建築シーラント用ポリウレタン樹脂は、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(以下MOCAと記載)が一般的に使用されている。MOCAは得られるウレタン樹脂の物性が良好であり、イソシアネート成分のNCO基と好適な反応性を示すため過去から広く使用されている。しかしMOCAは国際癌研究機関IARCの分類で1A(人に対して発がん性がある)に区分されており、MOCA代替は使用者に対する安全性向上の観点から重要である。
このため樹脂物性と生産性を両立するMOCA代替品が望まれているが、従来の方法(例えば特許文献1参照)では樹脂物性と反応性の両立が困難であった。
本発明の目的は、得られる樹脂の強度と好適な反応性を両立させたポリウレタン樹脂と該ポリウレタン樹脂製造用ポリオールを提供することにある。
本発明の目的は、得られる樹脂の強度と好適な反応性を両立させたポリウレタン樹脂と該ポリウレタン樹脂製造用ポリオールを提供することにある。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、特定構造を有するポリオールを用いることにより、樹脂の強度と好適な反応性を両立させた建築シーラント用ポリウレタン樹脂を製造できることを見いだし、本発明を完成した。
即ち本発明は、芳香環を有する活性水素含有化合物(a)のプロピレンオキサイド付加物であって、末端に位置する水酸基含有基である−C3H6−OH基の50モル%以上が下記一般式(1)で表される1級水酸基含有基であるポリオキシプロピレンポリオール(A)と、芳香環を有するポリイソシアネート(B)を必須成分として反応してなることを特徴とするウレタン樹脂(P);
該ウレタン樹脂(P)を含有する建築用シーラント;。
該ウレタン樹脂(P)を形成するためのポリオキシプロピレンポリオールである。
即ち本発明は、芳香環を有する活性水素含有化合物(a)のプロピレンオキサイド付加物であって、末端に位置する水酸基含有基である−C3H6−OH基の50モル%以上が下記一般式(1)で表される1級水酸基含有基であるポリオキシプロピレンポリオール(A)と、芳香環を有するポリイソシアネート(B)を必須成分として反応してなることを特徴とするウレタン樹脂(P);
該ウレタン樹脂(P)を形成するためのポリオキシプロピレンポリオールである。
本発明のウレタン樹脂は、強度と好適な反応性を両立させた優れた性能を有する。
本発明において、ポリオキシプロピレンポリオール(A)は芳香環を有する活性水素含有化合物(a)のプロピレンオキサイド付加物であって、末端に位置する水酸基含有基である−C3H6−OH基の50モル%以上が上記一般式(1)で表される1級水酸基含有基であるポリオキシプロピレンポリオールである。なお本発明における1級水酸基含有率はH−NMRでの測定結果から得られる。(A)は、芳香環を有するポリイソシアネート(B)と反応することにより、得られる樹脂の強度と好適な反応性を両立させることができる。得られる樹脂は、建築シーラント用ポリウレタン樹脂として好適である。(A)の中ではポリオキシプロピレンジオールが好ましい。
活性水素含有化合物(a)は芳香環を有し、活性水素を2個以上有し、好ましくは炭素数6〜25である化合物である。
(a)としては、ベンゼンジメタノール類、バニリルアルコール類、サリチルアルコール、フェノール類、アニリン、1,1’−ビ−2−ナフトール、ビスフェノール化合物、ビフェニルジオール(以下、ビフェノールと略記することがある。)、ナフタレンジオール、ノボラック樹脂(フェノール類とアルデヒドとの縮合物)、ナフタレンジアミン、アニリン類とアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。
(a)としては、ベンゼンジメタノール類、バニリルアルコール類、サリチルアルコール、フェノール類、アニリン、1,1’−ビ−2−ナフトール、ビスフェノール化合物、ビフェニルジオール(以下、ビフェノールと略記することがある。)、ナフタレンジオール、ノボラック樹脂(フェノール類とアルデヒドとの縮合物)、ナフタレンジアミン、アニリン類とアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。
ベンゼンジメタノール類としては1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、3−ヒドロキシ−1,2−ベンゼンジメタノール、などが挙げられる。
バニリルアルコール類としてはバニリルアルコール、ホモバニリルアルコールなどが挙げられる。
フェノール類としてはカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどが挙げられる。
ビスフェノール化合物としては、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールA(以下、ビスAと略記することがある。)、テトラクロロビスフェノールA、ビスフェノールB(以下、ビスBと略記することがある。)、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類およびその誘導体が挙げられる。
ノボラック樹脂(フェノール類とアルデヒドとの縮合物)としては、フェノールとフォルムアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。
アニリン類とアルデヒドとの縮合物としては、アニリンとフォルムアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。
これらの活性水素含有化合物は2種以上を併用しても良い。
活性水素含有化合物(a)のうち、好ましいものは芳香環を2個以上有する活性水素化合物(a1)であり、さらに好ましくは芳香環を2個以上有するフェノール化合物であり、より好ましくはビスフェノール化合物であり、特にビスフェノールAが好ましい。
バニリルアルコール類としてはバニリルアルコール、ホモバニリルアルコールなどが挙げられる。
フェノール類としてはカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどが挙げられる。
ビスフェノール化合物としては、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールA(以下、ビスAと略記することがある。)、テトラクロロビスフェノールA、ビスフェノールB(以下、ビスBと略記することがある。)、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類およびその誘導体が挙げられる。
ノボラック樹脂(フェノール類とアルデヒドとの縮合物)としては、フェノールとフォルムアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。
アニリン類とアルデヒドとの縮合物としては、アニリンとフォルムアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。
これらの活性水素含有化合物は2種以上を併用しても良い。
活性水素含有化合物(a)のうち、好ましいものは芳香環を2個以上有する活性水素化合物(a1)であり、さらに好ましくは芳香環を2個以上有するフェノール化合物であり、より好ましくはビスフェノール化合物であり、特にビスフェノールAが好ましい。
ポリオキシプロピレンポリオール(A)は、上記活性水素含有化合物(a)のプロピレンオキサイド(以下,POと略記する。)付加物である。POの付加モル数は好ましくは1〜17、より好ましくは2〜15である。重合度(分子量)の異なる2種以上を併用しても良い。
(A)の分子量は300〜1200が好ましく、より好ましくは330〜1100であり、さらに好ましくは345〜1000である。本発明における分子量は、水酸基価(JIS K0070(1992年版)に規定の方法)の測定結果と出発物質の官能基数からの計算で得られる。
(A)の分子量が300以上であると反応性が良好であり、1200以下では樹脂物性が良好である。
(A)の分子量が300以上であると反応性が良好であり、1200以下では樹脂物性が良好である。
ポリオキシプロピレンポリオール(A)の末端に位置する水酸基含有基である−C3H6−OH基の50モル%以上が上記一般式(1)で表される1級水酸基含有基であり、好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上が上記一般式(1)で表される1級水酸基含有基である。
−C3H6−OH基の50モル%未満が上記一般式(1)で表される1級水酸基含有基である場合はポリイソシアネートとの反応速度が低下する。
ポリオキシプロピレンポリオール(A)はトリスペンタフルオロフェニルボラン等の酸性触媒の存在下で活性水素含有化合物(a)にPOを開環反応させる方法で製造することができ、詳細は例えば特開2000−344881に記載されている。
−C3H6−OH基の50モル%未満が上記一般式(1)で表される1級水酸基含有基である場合はポリイソシアネートとの反応速度が低下する。
ポリオキシプロピレンポリオール(A)はトリスペンタフルオロフェニルボラン等の酸性触媒の存在下で活性水素含有化合物(a)にPOを開環反応させる方法で製造することができ、詳細は例えば特開2000−344881に記載されている。
ポリオキシプロピレンポリオール(A)の使用量はウレタン樹脂全体の重量に対して2〜60%が好ましい。使用量が2%以上であると樹脂強度が良好であり、60%以下であると伸び物性が良好となる。
ポリオキシプロピレンポリオール(A)の他に本発明の目的が損なわれない範囲で他のポリオール(D)を併用しても良い。(D)の重量は(A)の重量に対して、0〜3000重量%、好ましくは1〜2000重量%使用してもよい。
他のポリオール(D)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリオールが挙げられる。
ポリオキシプロピレンポリオール(A)の他に本発明の目的が損なわれない範囲で他のポリオール(D)を併用しても良い。(D)の重量は(A)の重量に対して、0〜3000重量%、好ましくは1〜2000重量%使用してもよい。
他のポリオール(D)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリオールが挙げられる。
本発明のポリイソシアネート(B)は、芳香環を有するポリイソシアネートであり、ジイソシアネートが好ましい。
(B)としては、芳香族ポリイソシアネートとして1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI)、粗製TDI、キシレンジイソシアネート、α、α、α’α’−テトラメチルキシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDI)、アニリン類とアルデヒドとの縮合物、特にアニリンとフォルムアルデヒドとの縮合物のイソシアネート(以下、ポリメリックMDI)、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
脂肪芳香族ポリイソシアネートとして、o−,p−,m−キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの中で、好ましいのは芳香環を2個以上有するジイソシアネート(B1)であり、さらに好ましいのはMDIである。
(B)としては、芳香族ポリイソシアネートとして1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI)、粗製TDI、キシレンジイソシアネート、α、α、α’α’−テトラメチルキシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDI)、アニリン類とアルデヒドとの縮合物、特にアニリンとフォルムアルデヒドとの縮合物のイソシアネート(以下、ポリメリックMDI)、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
脂肪芳香族ポリイソシアネートとして、o−,p−,m−キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの中で、好ましいのは芳香環を2個以上有するジイソシアネート(B1)であり、さらに好ましいのはMDIである。
特に、ポリイソシアネート(B)中のMDIが50重量%以上である場合得られる樹脂の強度が良好となる。
ポリイソシアネート(B)としては、本発明の目的が損なわれない範囲で、他のポリイソシアネート(E)を併用しても良い。(E)の重量は(B)の重量に対して、0〜10重量%、好ましくは1〜8重量%使用してもよい。
他のポリイソシアネート(E)としては脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどが挙げられる。
他のポリイソシアネート(E)としては脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどが挙げられる。
本発明のウレタン樹脂においては、使用するイソシアネートのNCOとポリオール成分の活性水素の比〔(NCO基/活性水素基)の当量比×100〕は好ましくは90〜110、さらに好ましくは95〜105、最も好ましくは97〜103である。
ポリオキシプロピレンポリオール(A)とポリイソシアネート(B)を必須成分として反応して本発明のウレタン樹脂(P)を得る時の反応の方法としては、NCO基と活性水素基の当量比が100となるポリオキシプロピレンポリオールとポリイソシアネートおよび必要によりその他の成分を一括で配合し硬化させるワンショット法や、所定量のポリオキシプロピレンポリオールとポリイソシアネートを必要によりその他の成分の存在下であらかじめ反応させたNCO基含有プレポリマーを空気中の水分と反応させる1液湿気硬化法や、NCO基含有プレポリマーと、ポリオキシプロピレンポリオールやその他の活性水素基含有化合物などの硬化剤成分とを必要によりその他の成分の存在下で反応させる2液法などが挙げられる。この内、建築シーラント用として好ましいのは2液法である。
本発明のウレタン樹脂(P)の樹脂の強度は優れているが、特に、JIS A 6021(2000年)で測定される引張強度が1.6〜5.0(N/mm2)、さらに好ましくは1.7〜4.5(N/mm2)であることが特徴である。
本発明のウレタン樹脂は、好適な反応性を有する。2液法で建築シーラントとして使用する場合、NCO基含有プレポリマーと、ポリオキシプロピレンポリオールやその他の活性水素基含有化合物などの硬化剤成分とを必要によりその他の成分の存在下で反応させ、施工する塗布面に得られた混合溶液を塗布し1日程度かけて硬化させる。反応性が遅い場合、硬化に要する時間が遅くなり施工の効率が悪くなる。また反応性が遅い場合、未反応のNCO基が空気中の水分と反応し二酸化炭素を発生することで、塗布したウレタン樹脂がフクレを生じ外観不良となるなどの不具合がある。
本発明のウレタン樹脂(P)は必要により以下に述べるような他の補助成分(F)を含有してもよい。
また、必要により以下に述べるような他の補助成分(F)を用い、その存在下でポリオキシプロピレンポリオール(A)とポリイソシアネート(B)を反応させても良い。
(F)としては、例えばフィラー成分(膠質または重質炭酸カルシウムなど)、着色剤(染料、顔料)、触媒(金属触媒、アミン触媒など)、可塑剤(アクリル系、DOP、DIOPなど)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)、垂れ防止剤、表面改質剤、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)などである。ウレタン樹脂中の補助成分の使用量に関しては、ウレタン樹脂(P)全体の重量に対してフィラー成分は好ましくは50%以下、着色剤は好ましくは1%以下、触媒は好ましくは1%以下、可塑剤は好ましくは30%以下、抗酸化剤は好ましくは1%以下、垂れ防止剤は好ましくは1%以下、表面改質剤は好ましくは1%以下、紫外線吸収剤は好ましくは1%以下である。
また、必要により以下に述べるような他の補助成分(F)を用い、その存在下でポリオキシプロピレンポリオール(A)とポリイソシアネート(B)を反応させても良い。
(F)としては、例えばフィラー成分(膠質または重質炭酸カルシウムなど)、着色剤(染料、顔料)、触媒(金属触媒、アミン触媒など)、可塑剤(アクリル系、DOP、DIOPなど)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)、垂れ防止剤、表面改質剤、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)などである。ウレタン樹脂中の補助成分の使用量に関しては、ウレタン樹脂(P)全体の重量に対してフィラー成分は好ましくは50%以下、着色剤は好ましくは1%以下、触媒は好ましくは1%以下、可塑剤は好ましくは30%以下、抗酸化剤は好ましくは1%以下、垂れ防止剤は好ましくは1%以下、表面改質剤は好ましくは1%以下、紫外線吸収剤は好ましくは1%以下である。
本発明のウレタン樹脂(P)は、建築用シーラント、合成皮革、塗料、接着剤等の用途に好適に使用される。特に建築用シーラントに好適である。
建築用シーラントに使用されるときのウレタン樹脂(P)の処方例としては2液型の場合、主剤(M)がポリオール成分とイソシアネートからなるNCO末端プレポリマーであり、硬化剤(N)が鎖延長剤としてはたらくポリオール成分、必要により炭酸カルシウムなどのフィラー成分、可塑剤、抗酸化剤、触媒などの補助成分(F)を混ぜ合わせた配合物である。使用の方法例としては工場にて生産した主剤(M)と硬化剤(N)と必要に応じ補助成分(F)を施工現場にて混ぜ合わせ、場合によりシーラント塗布面にプライマーを事前に塗布した後、上記混合物をコーキングガン等を使用して塗布する。塗布後はヘラ等を用いて塗布面の表面仕上げを行い硬化が完了するまで養生するなどが挙げられる。
建築用シーラントに使用されるときのウレタン樹脂(P)の処方例としては2液型の場合、主剤(M)がポリオール成分とイソシアネートからなるNCO末端プレポリマーであり、硬化剤(N)が鎖延長剤としてはたらくポリオール成分、必要により炭酸カルシウムなどのフィラー成分、可塑剤、抗酸化剤、触媒などの補助成分(F)を混ぜ合わせた配合物である。使用の方法例としては工場にて生産した主剤(M)と硬化剤(N)と必要に応じ補助成分(F)を施工現場にて混ぜ合わせ、場合によりシーラント塗布面にプライマーを事前に塗布した後、上記混合物をコーキングガン等を使用して塗布する。塗布後はヘラ等を用いて塗布面の表面仕上げを行い硬化が完了するまで養生するなどが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
なお実施例および比較例中において、部および%は、特に断りのないかぎり、それぞれ重量部および重量%を示す。
なお実施例および比較例中において、部および%は、特に断りのないかぎり、それぞれ重量部および重量%を示す。
製造例1
攪拌装置、温度制御装置つきの1L4つ口フラスコに1,2−プロピレングリコールのPO付加物(水酸基価56.1)p−1を475.8gとポリイソシアネートq−1であるトルエンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、T−80)を124.2g仕込み68℃で攪拌下10時間反応させてNCO基含有プレポリマーである比較主剤M−1を得た。
攪拌装置、温度制御装置つきの1L4つ口フラスコに1,2−プロピレングリコールのPO付加物(水酸基価56.1)p−1を475.8gとポリイソシアネートq−1であるトルエンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、T−80)を124.2g仕込み68℃で攪拌下10時間反応させてNCO基含有プレポリマーである比較主剤M−1を得た。
製造例2
攪拌装置、温度制御装置つきの1L4つ口フラスコに1,2−プロピレングリコールのPO付加物(水酸基価56.1)p−1を436.4gと、ポリイソシアネートq−2であるジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、ミリオネートMT)1163.6gを仕込み、68℃で攪拌下10時間反応させてNCO基含有プレポリマーである主剤M−2を得た。
攪拌装置、温度制御装置つきの1L4つ口フラスコに1,2−プロピレングリコールのPO付加物(水酸基価56.1)p−1を436.4gと、ポリイソシアネートq−2であるジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、ミリオネートMT)1163.6gを仕込み、68℃で攪拌下10時間反応させてNCO基含有プレポリマーである主剤M−2を得た。
製造例3
攪拌装置、温度制御装置つきの1L4つ口フラスコに、上記p−1を426.3gと、ポリイソシアネートq−3であるポリメリックMDI(日本ポリウレタン社製、ミリオネートMR−200)173.7gを仕込み、68℃で攪拌下10時間反応させてNCO基含有プレポリマーである主剤M−3を得た。
攪拌装置、温度制御装置つきの1L4つ口フラスコに、上記p−1を426.3gと、ポリイソシアネートq−3であるポリメリックMDI(日本ポリウレタン社製、ミリオネートMR−200)173.7gを仕込み、68℃で攪拌下10時間反応させてNCO基含有プレポリマーである主剤M−3を得た。
比較製造例1
攪拌装置、温度制御装置つきの1L4つ口フラスコに上記p−1を479.2gとポリイソシアネートq−4であるヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、HDI)を120.8g仕込み68℃で攪拌下10時間反応させてNCO基含有プレポリマーである比較主剤M−1’を得た。
攪拌装置、温度制御装置つきの1L4つ口フラスコに上記p−1を479.2gとポリイソシアネートq−4であるヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、HDI)を120.8g仕込み68℃で攪拌下10時間反応させてNCO基含有プレポリマーである比較主剤M−1’を得た。
比較製造例2
比較主剤M−2’イソシアネート変性プレポリマー(出光興産製、MC−50)
比較主剤M−2’イソシアネート変性プレポリマー(出光興産製、MC−50)
実施例1
攪拌装置、温度制御装置付きのSUS製オートクレーブに活性水素化合物a−1である1,4−ベンゼンジメタノールを66.3gとトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.01g仕込み、プロピレンオキサイド(以下POと略記することがある)83.7gを反応温度が70〜80℃で12時間かけて滴下した後、75℃で6時間熟成した。次に、水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、3.0gの合成珪酸塩(キョーワード600、協和化学製)と水を加えて60℃で3時間処理した。オートクレーブから取り出した後、1ミクロンのフィルターで濾過した後脱水し、ポリオキシプロピレンポリオールA−1(硬化剤N−1)を得た。A−1の1級水酸基含有率は60モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は312であった。
攪拌装置、温度制御装置付きのSUS製オートクレーブに活性水素化合物a−1である1,4−ベンゼンジメタノールを66.3gとトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.01g仕込み、プロピレンオキサイド(以下POと略記することがある)83.7gを反応温度が70〜80℃で12時間かけて滴下した後、75℃で6時間熟成した。次に、水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、3.0gの合成珪酸塩(キョーワード600、協和化学製)と水を加えて60℃で3時間処理した。オートクレーブから取り出した後、1ミクロンのフィルターで濾過した後脱水し、ポリオキシプロピレンポリオールA−1(硬化剤N−1)を得た。A−1の1級水酸基含有率は60モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は312であった。
実施例2
1,4−ベンゼンジメタノール(a−1)をビスフェノールAに変更し、仕込み量をビスフェノールAを99.5gとPO50.5gにした以外は上記実施例1と同様の操作を行いポリオキシプロピレンポリオールA−2(硬化剤N−2)を得た。A−2の1級水酸基含有率は50モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は342であった。
1,4−ベンゼンジメタノール(a−1)をビスフェノールAに変更し、仕込み量をビスフェノールAを99.5gとPO50.5gにした以外は上記実施例1と同様の操作を行いポリオキシプロピレンポリオールA−2(硬化剤N−2)を得た。A−2の1級水酸基含有率は50モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は342であった。
実施例3
1,4−ベンゼンジメタノール(a−1)をビスフェノールAのPO付加物(三洋化成製ニューポールBP−3P、末端水酸基は1級水酸基含有率2モル%程度の低いもの。)に変更し、仕込み量をBP−3Pを61.2gとPO88.8gにした以外は上記実施例1と同様の操作を行いポリオキシプロピレンポリオールA−3(硬化剤N−3)を得た。A−3の1級水酸基化率は70モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は980であった。
1,4−ベンゼンジメタノール(a−1)をビスフェノールAのPO付加物(三洋化成製ニューポールBP−3P、末端水酸基は1級水酸基含有率2モル%程度の低いもの。)に変更し、仕込み量をBP−3Pを61.2gとPO88.8gにした以外は上記実施例1と同様の操作を行いポリオキシプロピレンポリオールA−3(硬化剤N−3)を得た。A−3の1級水酸基化率は70モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は980であった。
実施例4
1,4−ベンゼンジメタノール(a−1)をビスフェノールBに変更し、仕込み量をビスフェノールB41.3gとPO108.8gにした以外は上記実施例1と同様の操作を行いポリオキシプロピレンポリオールA−4(硬化剤N−4)を得た。A−4の1級水酸基価率は70モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は864であった。
1,4−ベンゼンジメタノール(a−1)をビスフェノールBに変更し、仕込み量をビスフェノールB41.3gとPO108.8gにした以外は上記実施例1と同様の操作を行いポリオキシプロピレンポリオールA−4(硬化剤N−4)を得た。A−4の1級水酸基価率は70モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は864であった。
実施例5
1,4−ベンゼンジメタノール(a−1)をビフェニルジオールに変更し、仕込み量をビフェニルジオール42.9gとPO107.1gにした以外は上記実施例1と同様の操作を行いポリオキシプロピレンポリオールA−5(硬化剤N−5)を得た。A−5の1級水酸基価率は70モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は650であった。
1,4−ベンゼンジメタノール(a−1)をビフェニルジオールに変更し、仕込み量をビフェニルジオール42.9gとPO107.1gにした以外は上記実施例1と同様の操作を行いポリオキシプロピレンポリオールA−5(硬化剤N−5)を得た。A−5の1級水酸基価率は70モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は650であった。
比較例1
1,4−ベンゼンジメタノール(a−1)をビスフェノールAに変更し、ビスフェノールA(a−2)106.6gとPO43.4gにした以外は上記実施例1と同様の操作を行い比較ポリオキシプロピレンポリオールA−1’(硬化剤N−1’)を得た。A−1’の1級水酸基価率は43モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は319であった。
1,4−ベンゼンジメタノール(a−1)をビスフェノールAに変更し、ビスフェノールA(a−2)106.6gとPO43.4gにした以外は上記実施例1と同様の操作を行い比較ポリオキシプロピレンポリオールA−1’(硬化剤N−1’)を得た。A−1’の1級水酸基価率は43モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は319であった。
比較例2
1,2−プロピレングリコールのPO付加物(三洋化成製プライムポールPX−1000)を比較ポリオキシプロピレンポリオールA−2’(硬化剤N−2’)として使用した。A−2’の末端水酸基は1級水酸基含有率65モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は1000であった。
1,2−プロピレングリコールのPO付加物(三洋化成製プライムポールPX−1000)を比較ポリオキシプロピレンポリオールA−2’(硬化剤N−2’)として使用した。A−2’の末端水酸基は1級水酸基含有率65モル%、水酸基価より求められる数平均分子量は1000であった。
比較例3
特開2006−321834の実施例5記載の化合物(NH−5)、2,2−ビス〔3−(1−メチルペンチルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル〕プロパン)を比較例9の硬化剤N−3’として使用した。
特開2006−321834の実施例5記載の化合物(NH−5)、2,2−ビス〔3−(1−メチルペンチルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル〕プロパン)を比較例9の硬化剤N−3’として使用した。
比較例4
3,3‘−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)を比較例10の硬化剤N−4’として使用した。
3,3‘−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)を比較例10の硬化剤N−4’として使用した。
実施例6〜12および比較例5〜11
ウレタンプレポリマーである主剤M成分と硬化剤N成分とを表1に示す様にポリプロピレン製のポリカップに所定量投入し、ホモミキサーを用いて攪拌混合を行い、ついで上記樹脂混合物を常温にて100×100×2mmの金型に注入した。金型は60℃オーブン内で硬化を確認した後脱型し、120℃で2時間養生させてシートを得た。
なお、M成分とN成分の混合比率はNCO基/活性水素基が1.0になる量とした。
本条件により得られたシートの評価結果を表1および表2に示す。
ウレタンプレポリマーである主剤M成分と硬化剤N成分とを表1に示す様にポリプロピレン製のポリカップに所定量投入し、ホモミキサーを用いて攪拌混合を行い、ついで上記樹脂混合物を常温にて100×100×2mmの金型に注入した。金型は60℃オーブン内で硬化を確認した後脱型し、120℃で2時間養生させてシートを得た。
なお、M成分とN成分の混合比率はNCO基/活性水素基が1.0になる量とした。
本条件により得られたシートの評価結果を表1および表2に示す。
表1における破断強さの測定方法はJIS A6021(2000年版)に準拠した。
以上の結果から、本発明により得られた実施例6〜12の樹脂は、比較例5〜11の樹脂に比べ樹脂物性と反応性を両立しており、比較例10、MOCAを使用した場合と同程度の効果が得られていることが判った。
本発明のウレタン樹脂は建築シーラント、合成皮革、塗料、接着剤等に好適に使用でき、特に建築シーラント用として著しい有用性を発揮する。
Claims (10)
- 活性水素化合物(a)が芳香環を2個以上有する活性水素化合物(a1)であり、ポリイソシアネート(B)が芳香環を2個以上有するポリイソシアネート(B1)である請求項1に記載のウレタン樹脂(P)。
- JIS A 6021(2000年)で測定される引張強度が1.6〜5.0(N/mm2)である請求項1又は2に記載のウレタン樹脂(P)。
- 活性水素化合物(a)がビスフェノール類である請求項1〜3のいずれか記載のウレタン樹脂(P)。
- ポリオキシプロピレンポリオール(A)の水酸基価より求められる数平均分子量が300〜1200である請求項1〜4のいずれか1項に記載のウレタン樹脂(P)。
- ポリイソシアネート(B)中のジフェニルメタンジイソシアネートが50重量%以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載のウレタン樹脂(P)。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のウレタン樹脂(P)を含有する建築用シーラント。
- 建築用シーラント用であるウレタン樹脂(P)を形成するための請求項8に記載のポリオキシプロピレンポリオール。
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