JP2012007044A - 中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱性に優れ、且つ耐薬品性に優れるシール材を提供することができる中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供する。
【解決手段】 イソシアネート成分(I)を含有する主剤と、活性水素成分(H)を含有する硬化剤とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂形成性組成物であって、前記(H)を構成する化合物としてソルビトールとヒマシ油脂肪酸及び/又はヒマシ油とを反応させて得られるエステルポリオール(A)を含有し、及び/又は、前記(I)と前記(H)の少なくとも一方が前記(A)を用いて製造される化合物を含有することを特徴とする中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 イソシアネート成分(I)を含有する主剤と、活性水素成分(H)を含有する硬化剤とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂形成性組成物であって、前記(H)を構成する化合物としてソルビトールとヒマシ油脂肪酸及び/又はヒマシ油とを反応させて得られるエステルポリオール(A)を含有し、及び/又は、前記(I)と前記(H)の少なくとも一方が前記(A)を用いて製造される化合物を含有することを特徴とする中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。更に詳しくは、耐熱性及び耐薬品性に優れるシール材を提供することができる中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。
従来、血液処理器、浄水器及び水処理装置等を構成する膜モジュールのシール材用に用いられるポリウレタン樹脂形成性組成物としては、イソシアネート成分とポリオール成分からなるものは公知である。特に、ヒマシ油系ポリオールとポリイソシアネートとの反応で得られるイソシアネート基末端プレポリマーからなるイソシアネート成分とヒマシ油系ポリオール及びN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミンの混合物からなるポリオール成分からなる該組成物等が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来のポリウレタン系シール材は機械物性の温度依存性が大きく、高温で機械物性が低下し耐熱性に劣るという欠点がある。このため、例えば血液処理機器のオートクレーブ滅菌時、あるいは浄水器で高温の水をろ過する際に、接着固定部で剥離が起こる等の問題がある。耐熱性を改良するため、ポリテトラメチレングリコールとジフェニルメタンジイソシアネートから得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーをポリテトラメチレングリコール及び低分子量ポリオールで硬化させる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、ヒマシ油又はヒマシ油脂肪酸とトリメチロールアルカンから得られるヒマシ油系変性ポリオールと官能基数6以上の多官能ポリエーテルポリオールを用いる方法が開示されている(例えば、特許文献3及び4参照)。
しかしこれらのポリウレタンシール材の耐熱性は改良されているが依然不十分である。また耐薬品性、特に耐次亜塩素酸性が劣るという問題があり、例えば種々の薬品を含有する水を処理する必要がある場合や、付着物の薬剤洗浄の必要がある水処理用膜モジュールではシール材部分が劣化し、寿命が短いという問題がある。
このような背景から、血液処理器、浄水器及び水処理装置の性能向上のため、耐熱性に優れ、かつ耐薬品性に優れるポリウレタン系シール材が切望されている。
本発明の目的は、耐熱性に優れ、且つ耐薬品性に優れるシール材を提供することができる中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することにある。
このような背景から、血液処理器、浄水器及び水処理装置の性能向上のため、耐熱性に優れ、かつ耐薬品性に優れるポリウレタン系シール材が切望されている。
本発明の目的は、耐熱性に優れ、且つ耐薬品性に優れるシール材を提供することができる中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することにある。
本発明者は上記問題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、イソシアネート成分(I)を含有する主剤と、活性水素成分(H)を含有する硬化剤とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂形成性組成物であって、前記(H)を構成する化合物としてソルビトールとヒマシ油脂肪酸及び/又はヒマシ油とを反応させて得られるエステルポリオール(A)を含有し、及び/又は、前記(I)と前記(H)の少なくとも一方が前記(A)を用いて製造される化合物を含有することを特徴とする中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物である。
本発明の2液硬化型ポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなる中空糸膜モジュールのシール材は、耐熱性に優れ、且つ耐薬品性に優れるという効果を奏する。
本発明の中空糸膜モジュールのシール材用2液硬化型ウレタン樹脂形成性組成物は、イソシアネート成分(I)を含有する主剤と活性水素成分(H)を含有する硬化剤とからなり、ソルビトールとヒマシ油脂肪酸及び/又はヒマシ油とを反応させて得られるエステルポリオール(A)をその構成成分として含有することを特徴とする。
(A)を構成成分として含有させるに際して、(H)の成分として(A)そのものを含有させてもよいし、(A)を用いて製造される化合物を(H)又は(I)の成分として含有させてもよいが、系の粘度の観点からは、(H)の成分として(A)そのものを含有させることが好ましい。
(A)を用いて製造される化合物としては、(A)と後述のポリイソシアネートとを反応させて得られる末端がイソシアネート基又は水酸基である化合物が挙げられる。
(A)を構成成分として含有させるに際して、(H)の成分として(A)そのものを含有させてもよいし、(A)を用いて製造される化合物を(H)又は(I)の成分として含有させてもよいが、系の粘度の観点からは、(H)の成分として(A)そのものを含有させることが好ましい。
(A)を用いて製造される化合物としては、(A)と後述のポリイソシアネートとを反応させて得られる末端がイソシアネート基又は水酸基である化合物が挙げられる。
好適な性能を発揮するために用いられるシール材用ウレタン樹脂形成性組成物の重量に対する(A)の重量は、好ましくは5〜70重量%、更に好ましくは10〜60重量%である。
本発明において、(A)は触媒の存在下又は非存在下、ソルビトールとヒマシ油脂肪酸及び/又はヒマシ油とを反応することで得られる。耐熱性及び耐薬品性の観点から、ソルビトールとヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応の場合、ソルビトールの水酸基とヒマシ油脂肪酸のカルボン酸との当量比は好ましくは600/100〜100/100であり、更に好ましくは、300/100〜100/100である。また、ソルビトールとヒマシ油とのエステル交換反応の場合、ソルビトールの水酸基とヒマシ油のエステル基(ヒマシ油の水酸基と等価)との当量比は好ましくは10/100〜300/100であり、より更に好ましくは、30/100〜200/100である。
ソルビトールとヒマシ油脂肪酸及び/又はヒマシ油との反応には必ずしも触媒は必要でないが、触媒を用いることが好ましい。触媒としては通常エステル化触媒又はエステル交換反応触媒として知られているものが使用される。例えば酸(硫酸、塩酸、パラトルエンスルフォン酸及びポリリン酸等)、アルカリ(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等)、アルカリの炭酸塩(炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等)、金属塩(塩化アルミニウム、塩化ジルコニウム、塩化鉄及び塩化ニッケル等)、金属化合物(ニッケルアセチルアセトナート及びジブチルスズオキサイド等)及びイオン交換樹脂等が挙げられる。反応温度は触媒の有無、又は使用する触媒にもよるが、通常100〜250℃である。
エステルポリオール(A)の水酸基価は耐熱性及び粘度の観点から、好ましくは130〜400mgKOH/g、更に好ましくは140〜350mgKOH/gである。
本発明におけるイソシアネート成分(I)としては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート、該ポリイソシアネートと1分子中に活性水素を2個以上有する活性水素化合物(ポリオール等)との反応によるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。
1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートとしては、例えば、炭素数(イソシアネート基中の炭素原子を除く、以下同じ)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのイソシアネート基の一部又は全部をイソシアヌレート、ビュレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトンイミン、カルボジイミド、オキサゾリドン、アミド又はイミド変性してなる化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート及びビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート等]、並びにトリイソシアネート[1,6,11−ウンデカントリイソシアネート及び2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等]が挙げられる。
炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート及びビス(2−イソシアネートエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート等]が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[2,4−及び/又は2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−、2,4’−又は2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及びナフタレンジイソシアネート等]、3個以上のイソシアネート基を有するもの[ベンゼン環を3個以上有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等]が挙げられる。
炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート及びジイソシアネートエチルベンゼン等]が挙げられる。
これらのポリイソシアネートのうち、反応性の観点から好ましいのは芳香族ポリイソシアネート、その変性体及びこれらの混合物、更に好ましいのは4,4’−、2,4’−又は2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、その変性体及びこれらの混合物である。
本発明におけるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを構成する活性水素を2個以上有する活性水素化合物としては、(A)及び/又は官能基数2〜8(好ましくは2〜6)の(A)を除くその他のポリオール[以後(B)と記載する。]が挙げられる。(B)としては、低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール、ヒマシ油及びその誘導体、ポリエステルポリオール及びポリオレフィンポリオール等が挙げられる。(B)の水酸基価は好ましくは20〜1,850mgKOH/g、更に好ましくは40〜1,400mgKOH/gである。
低分子量ポリオールとしては、炭素数2〜24のポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、水添ビスフェノールA、ヘキサントリオール、ソルビトール、シュークローズ及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては前記低分子量ポリオール、多価フェノール(ビスフェノールA及びハイドロキノン等)又はアミン化合物(アンモニア、エチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びN,N−ジメチルプロピレンジアミン等)に、エチレンオキサイド、プロピレンオイサイド及びブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したもの等が挙げられる。具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物及びN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等が挙げられる。
ヒマシ油誘導体としては、部分脱水ヒマシ油、水添ヒマシ油、並びに前記低分子量ポリオール(ソルビトールを除く)若しくはポリエーテルポリオールとヒマシ油若しくは水添ヒマシ油とのエステル交換反応、又はヒマシ油脂肪酸若しくは水添ヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応により得られるエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸[炭素数2〜40の脂肪族飽和又は不飽和ポリカルボン酸(例えばアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及び二量化リノール酸)、炭素数8〜15の芳香族ポリカルボン酸(例えばフタル酸及びイソフタル酸)等]と、前記の低分子量ポリオールとから形成される線状又は分岐状ポリエステルポリオール;ポリラクトンポリオール[例えば前記低分子量ポリオールの1種又は2種以上を出発原料としてこれに炭素数6〜10の(置換)カプロラクトン(例えばε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン及びε−メチル−ε−カプロラクトン)を付加重合させたポリエステルポリオール(例えばポリカプロラクトンポリオール)];ポリカーボネートポリオール(例えば前述の低分子量ポリオールと、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート又はジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートとの反応によって得られるもの等);等が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、水酸基含有ポリブタジエン、水素化水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素化水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有スチレンブタジエン共重合体、水素化水酸基含有スチレンブタジエン共重合体、水酸基含有スチレンイソプレン共重合体及び水素化水酸基含有スチレンイソプレン共重合体等が挙げられる。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーはポリイソシアネートとポリオールを、イソシアネート基とOH基の当量比(NCO/OH)を通常1.1/1〜100/1で反応させることにより得られる。
上記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの製造方法としては、ポリイソシアネートと1分子中に活性水素を2個以上有する活性水素化合物とを反応容器中、窒素雰囲気下で反応させる公知の方法が挙げられる。プレポリマー化反応における反応温度は通常20〜140℃、反応性の観点及び副反応防止の観点から好ましくは40〜100℃である。また、反応は通常無溶剤下で行うが、必要によりイソシアネート基に不活性な溶剤[例えば芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等)、ケトン(メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)並びにこれらの2種以上の混合物]の存在下で行い、後にこれらの溶剤を蒸留により除いてもよい。
本発明における活性水素成分(H)としては、前記(A)、前記低分子量ポリオール、前記ポリエーテルポリオール、ヒマシ油、前記ヒマシ油誘導体、前記ポリエステルポリオール、前記ポリオレフィンポリオール、ポリアミン及びポリメルカプタン等の活性水素含有化合物、これらと前記ポリイソシアネートとの反応による活性水素基末端ウレタンプレポリマー並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
活性水素基末端ウレタンプレポリマーは、活性水素含有化合物の活性水素基当量をポリイソシアネートのイソシアネート基の当量に対して過剰とする以外は、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと同様の方法で製造することができる。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物におけるイソシアネート成分(I)を含有する主剤と活性水素成分(H)を含有する硬化剤との反応におけるNCO/OH当量比は、未反応物低減の観点から好ましくは0.5/1〜2/1、更に好ましくは0.7/1〜1.5/1、特に好ましくは0.8/1〜1.2/1である。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物の25℃における粘度(注型前の粘度)は、通常50〜30,000mPa・s、硬化性及び成形性の観点から好ましくは100〜20,000mPa・s、更に好ましくは200〜10,000mPa・sである。
本ウレタン樹脂形成性組成物は通常のポリウレタン樹脂に使用される添加剤、即ち、ウレタン化触媒、発泡剤、難燃剤、充填剤、加水分解防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤、離型剤、脱水剤及び炭酸ガス吸収剤等の発泡抑制剤等を含有することができる。これらの添加剤はイソシアネート主剤若しくは硬化剤のいずれかに、又は両方に添加することができる。また必要により、主剤と硬化剤の反応時に添加することもできる。
本発明の中空糸膜モジュール用シール材に使用されるポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分(I)及び活性水素成分(H)を使用時に各々所定量計量後、スタティックミキサー又はメカニカルミキサー等で混合・反応させることにより製造することができる。上記混合・反応させて流動性がなくなるまでの時間(ポットライフ)は通常3〜300分であり、完全硬化には室温(20〜30℃)で12〜240時間の養生を要する。ここにおいてポリウレタン樹脂の硬度に変化が認められなくなった時点を完全硬化(反応終点)とする。尚、ポリウレタン樹脂の実使用上は必ずしも完全硬化させる必要はないが、後述する硬度範囲となるまでは養生を要することが好ましい。また、養生温度を高く(例えば40〜100℃)することにより養生時間を短縮することも可能である。
硬化後のポリウレタン樹脂の硬度(ショアーD:10秒値)は10〜100であることが好ましく、シール材として具備すべき機械強度及び切断性の観点から更に好ましくは30〜70である。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を意味する。
以下の製造例及び実施例において使用されている下記の原料の組成、メーカー等は以下の通りである。
ヒマシ油:水酸基価161mgKOH/g、品名「ヒマシ油SL」、伊藤製油(株)製;
ヒマシ油脂肪酸:酸価182mgKOH/g、水酸基価161mgKOH/g、品名「CO−FA」、伊藤製油(株)製;
ソルビトール:水酸基価1600mgKOH/g、品名「ペンタリット」、広栄化学工業(株)製
水酸化ナトリウム:和光純薬工業(株)製;
キョーワード600:合成吸着剤、協和化学工業(株)製;
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート、品名「ミリオネートMT」、日本ポリウレタン(株)社製;
カルボジイミド変性MDI:カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、NCO%=29.5%、品名「ルプラネートMM−103」、BASF INOAC ポリウレタン(株)製;
ヒマシ油脂肪酸トリメチロールプロパンエステル:水酸基価262mgKOH/g、品名「HS3P−255」、豊国製油(株)製;
ソルビトールプロピレンオキサイド付加物:水酸基価490mgKOH/g、品名「サンニックス SP−750」、三洋化成工業(株)製;
PTMG:ポリテトラメチレングリコール、水酸基価112mgKOH/g、品名「PTMG1000」、三菱化学(株)製;
HPEDA:N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン。
ヒマシ油:水酸基価161mgKOH/g、品名「ヒマシ油SL」、伊藤製油(株)製;
ヒマシ油脂肪酸:酸価182mgKOH/g、水酸基価161mgKOH/g、品名「CO−FA」、伊藤製油(株)製;
ソルビトール:水酸基価1600mgKOH/g、品名「ペンタリット」、広栄化学工業(株)製
水酸化ナトリウム:和光純薬工業(株)製;
キョーワード600:合成吸着剤、協和化学工業(株)製;
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート、品名「ミリオネートMT」、日本ポリウレタン(株)社製;
カルボジイミド変性MDI:カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、NCO%=29.5%、品名「ルプラネートMM−103」、BASF INOAC ポリウレタン(株)製;
ヒマシ油脂肪酸トリメチロールプロパンエステル:水酸基価262mgKOH/g、品名「HS3P−255」、豊国製油(株)製;
ソルビトールプロピレンオキサイド付加物:水酸基価490mgKOH/g、品名「サンニックス SP−750」、三洋化成工業(株)製;
PTMG:ポリテトラメチレングリコール、水酸基価112mgKOH/g、品名「PTMG1000」、三菱化学(株)製;
HPEDA:N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン。
製造例1〜4:エステルポリオール(A)の製造
<製造例1>ポリエステルポリオール(A−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、窒素ガス吹き込み管、留出管及び冷却管を備えた四つ口フラスコにヒマシ油脂肪酸835部、ソルビトール165部を仕込んだ(ヒマシ油脂肪酸のカルボキシル基/ソルビトールの水酸基当量比=100/200)。更に水酸化ナトリウム1部を仕込み、窒素ガスを液中に吹き込みながら、210℃で8時間攪拌し、エステル化反応を行った。80℃に冷却後、キョーワード600を20部加え、同温度で1時間攪拌し水酸化ナトリウムを吸着処理した。このものを加圧ろ過しエステルポリオール(A−1)を得た
(A−1)の水酸基価は298mgKOH/g、酸価は1.7mgKOH/g、粘度(25℃)は2160mPa・sであった。
<製造例1>ポリエステルポリオール(A−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、窒素ガス吹き込み管、留出管及び冷却管を備えた四つ口フラスコにヒマシ油脂肪酸835部、ソルビトール165部を仕込んだ(ヒマシ油脂肪酸のカルボキシル基/ソルビトールの水酸基当量比=100/200)。更に水酸化ナトリウム1部を仕込み、窒素ガスを液中に吹き込みながら、210℃で8時間攪拌し、エステル化反応を行った。80℃に冷却後、キョーワード600を20部加え、同温度で1時間攪拌し水酸化ナトリウムを吸着処理した。このものを加圧ろ過しエステルポリオール(A−1)を得た
(A−1)の水酸基価は298mgKOH/g、酸価は1.7mgKOH/g、粘度(25℃)は2160mPa・sであった。
<製造例2>エステルポリオール(A−2)の製造
ヒマシ油脂肪酸の仕込量を871部に、ソルビトールの仕込量を129部(ヒマシ油脂肪酸のカルボキシル基/ソルビトールの水酸基当量比=100/150)に代える以外は、製造例1と同じ操作を行い、エステルポリオール(A−2)を得た。
(A−2)の水酸基価は229mgKOH/g、酸価は1.6mgKOH/g、粘度(25℃)は2330mPa・sであった。
ヒマシ油脂肪酸の仕込量を871部に、ソルビトールの仕込量を129部(ヒマシ油脂肪酸のカルボキシル基/ソルビトールの水酸基当量比=100/150)に代える以外は、製造例1と同じ操作を行い、エステルポリオール(A−2)を得た。
(A−2)の水酸基価は229mgKOH/g、酸価は1.6mgKOH/g、粘度(25℃)は2330mPa・sであった。
<製造例3>ポリエステルポリオール(A−3)の製造
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入及び流出口を備えた四つ口フラスコに、ヒマシ油872部及びソルビトール128部(ヒマシ油の水酸基/ソルビトールの水酸基当量比=100/168)を仕込んだ。更に水酸化ナトリウム1部を仕込み、窒素ガスを気相に吹き込みながら、210℃で6時間攪拌し、エステル交換反応を行った。80℃に冷却後、キョーワード600を20部加え、同温度で1時間攪拌し水酸化ナトリウムを吸着処理した。このものを加圧ろ過しエステルポリオール(A−3)を得た
(A−3)の水酸基価は375mgKOH/g、酸価は0.5mgKOH/g、粘度(25℃)は1590mPa・sであった。
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入及び流出口を備えた四つ口フラスコに、ヒマシ油872部及びソルビトール128部(ヒマシ油の水酸基/ソルビトールの水酸基当量比=100/168)を仕込んだ。更に水酸化ナトリウム1部を仕込み、窒素ガスを気相に吹き込みながら、210℃で6時間攪拌し、エステル交換反応を行った。80℃に冷却後、キョーワード600を20部加え、同温度で1時間攪拌し水酸化ナトリウムを吸着処理した。このものを加圧ろ過しエステルポリオール(A−3)を得た
(A−3)の水酸基価は375mgKOH/g、酸価は0.5mgKOH/g、粘度(25℃)は1590mPa・sであった。
<製造例4>ポリエステルポリオール(A−4)の製造
ヒマシ油の仕込量を911部に、ソルビトールの仕込量を89(ヒマシ油の水酸基/ペンタエリスリトールの水酸基当量比=100/112)に代える以外は、製造例3と同じ操作を行い、エステルポリオール(A−4)を得た。
(A−4)の水酸基価は308mgKOH/g、酸価は0.7mgKOH/g、粘度(25℃)は1520mPa・sであった。
ヒマシ油の仕込量を911部に、ソルビトールの仕込量を89(ヒマシ油の水酸基/ペンタエリスリトールの水酸基当量比=100/112)に代える以外は、製造例3と同じ操作を行い、エステルポリオール(A−4)を得た。
(A−4)の水酸基価は308mgKOH/g、酸価は0.7mgKOH/g、粘度(25℃)は1520mPa・sであった。
製造例5〜7:イソシアネート成分の製造
<製造例5>イソシアネート成分(I−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入及び流出口を備えた四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 500部と製造例1のポリエステル(A−1)100部とヒマシ油180部を加え、60℃で3時間反応させた。更にカルボジイミド変性MDI 220部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分(I−1)を得た。
(I−1)のNCO含量は18.9%、粘度(25℃)は1980mPa・sであった。
<製造例5>イソシアネート成分(I−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入及び流出口を備えた四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 500部と製造例1のポリエステル(A−1)100部とヒマシ油180部を加え、60℃で3時間反応させた。更にカルボジイミド変性MDI 220部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分(I−1)を得た。
(I−1)のNCO含量は18.9%、粘度(25℃)は1980mPa・sであった。
<製造例6>イソシアネート成分(I−2)の製造
製造例5と同じ装置で、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 480部とヒマシ油300部を加え、60℃で3時間反応させた。更にカルボジイミド変性MDI 220部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分(I−2)を得た。
(I−2)のNCO含量は19.0%、粘度(25℃)は1300mPa・sであった。
製造例5と同じ装置で、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 480部とヒマシ油300部を加え、60℃で3時間反応させた。更にカルボジイミド変性MDI 220部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分(I−2)を得た。
(I−2)のNCO含量は19.0%、粘度(25℃)は1300mPa・sであった。
<製造例7>イソシアネート成分(I−3)の製造
製造例5と同じ装置で、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 442部とPTMG 558部を加え、60℃で3時間反応させ、比較イソシアネート成分(I−3)を得た。
(I−3)のNCO含量は15.0%、粘度(25℃)は2800mPa・sであった。
製造例5と同じ装置で、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 442部とPTMG 558部を加え、60℃で3時間反応させ、比較イソシアネート成分(I−3)を得た。
(I−3)のNCO含量は15.0%、粘度(25℃)は2800mPa・sであった。
製造例8〜13:活性水素成分(H)の調製
<製造例8>活性水素成分(H−1)
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入及び流出口を備えた四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、(A−1)950部及びトリメチロールプロパン50部を加え、攪拌混合し、活性水素成分(H−1)を得た。
(H−1)の水酸基価は345mgKOH/g、粘度(25℃)は2010mPa・sであった。
<製造例8>活性水素成分(H−1)
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入及び流出口を備えた四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、(A−1)950部及びトリメチロールプロパン50部を加え、攪拌混合し、活性水素成分(H−1)を得た。
(H−1)の水酸基価は345mgKOH/g、粘度(25℃)は2010mPa・sであった。
<製造例9>活性水素成分(H−2)
製造例8と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、(A−2)920部、HPEDA 30部及びトリメチロールプロパン50部を加え、攪拌混合し、活性水素成分(H−2)を得た。
(H−2)の水酸基価は296mgKOH/g、粘度(25℃)は2420mPa・sであった。
製造例8と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、(A−2)920部、HPEDA 30部及びトリメチロールプロパン50部を加え、攪拌混合し、活性水素成分(H−2)を得た。
(H−2)の水酸基価は296mgKOH/g、粘度(25℃)は2420mPa・sであった。
<製造例10>活性水素成分(H−3)
製造例8と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、(A−3)570部、ヒマシ油400部及びHPEDA 30部を加え、攪拌混合し、活性水素成分(H−3)を得た。
(H−3)の水酸基価は300mgKOH/g、粘度(25℃)は1400mPa・sであった。
製造例8と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、(A−3)570部、ヒマシ油400部及びHPEDA 30部を加え、攪拌混合し、活性水素成分(H−3)を得た。
(H−3)の水酸基価は300mgKOH/g、粘度(25℃)は1400mPa・sであった。
<製造例11>活性水素成分(H−4)
製造例8と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、(A−4)油970部及びHPEDA 30部を加え、攪拌混合し、活性水素成分(H−4)を得た。
(H−4)の水酸基価は320mgKOH/g、粘度(25℃)は1530mPa・sであった。
製造例8と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、(A−4)油970部及びHPEDA 30部を加え、攪拌混合し、活性水素成分(H−4)を得た。
(H−4)の水酸基価は320mgKOH/g、粘度(25℃)は1530mPa・sであった。
<製造例12>活性水素成分(H−5)
製造例8と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、ヒマシ油920部、HPEDA 30部及びトリメチロールプロパン50部を加え、攪拌混合し、比較活性水素成分(H−5)を得た。
(H−5)の水酸基価は234mgKOH/g、粘度(25℃)は900mPa・sであった。
製造例8と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、ヒマシ油920部、HPEDA 30部及びトリメチロールプロパン50部を加え、攪拌混合し、比較活性水素成分(H−5)を得た。
(H−5)の水酸基価は234mgKOH/g、粘度(25℃)は900mPa・sであった。
<製造例13>活性水素成分(H−6)
製造例8と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、ヒマシ油脂肪酸トリメチロールプロパンエステル800部及びソルビトールプロピレンオキサイド付加物200部を加え、攪拌混合し、活性水素成分(H−6)を得た。
(H−6)の水酸基価は306mgKOH/g、粘度(25℃)は2430mPa・sであった。
製造例8と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、ヒマシ油脂肪酸トリメチロールプロパンエステル800部及びソルビトールプロピレンオキサイド付加物200部を加え、攪拌混合し、活性水素成分(H−6)を得た。
(H−6)の水酸基価は306mgKOH/g、粘度(25℃)は2430mPa・sであった。
実施例1〜5及び比較例1〜3
上記で作製したイソシアネート成分及び活性水素成分を表1に記載の組み合わせで主剤及び硬化剤として、実施例1〜5及び比較例1〜3の2液型ウレタン樹脂形成性組成物とした。
尚、比較例3は2種の活性水素成分[PTMG及び1,6−HD(1,6−ヘキサンジオール)]を使用した。
上記で作製したイソシアネート成分及び活性水素成分を表1に記載の組み合わせで主剤及び硬化剤として、実施例1〜5及び比較例1〜3の2液型ウレタン樹脂形成性組成物とした。
尚、比較例3は2種の活性水素成分[PTMG及び1,6−HD(1,6−ヘキサンジオール)]を使用した。
ウレタン樹脂形成性組成物の性能を評価するため、下記の方法でウレタン樹脂硬化物を得て下記の方法で性能を評価した結果を表1に示す。
<ウレタン樹脂硬化物の貯蔵弾性率>
耐熱性を評価するため、以下の方法で貯蔵弾性率を測定した。
主剤と硬化剤を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表1の配合比で合計100gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機[H103N型、(株)コクサン製]を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、縦120mm、横120mm、高さ10mmのSUS製容器に、高さが1mmになるように加え、50℃の恒温槽中で72時間養生させウレタン樹脂硬化物を得た。得られたウレタン樹脂硬化物を縦20mm、横5mmの長方形に切り出し、動的粘弾性測定装置[Rheogel−E4000;(株)ユービーエム製]を用い、10Hzで貯蔵弾性率を測定した。0℃及び80℃の貯蔵弾性率を表1に示す。
耐熱性を評価するため、以下の方法で貯蔵弾性率を測定した。
主剤と硬化剤を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表1の配合比で合計100gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機[H103N型、(株)コクサン製]を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、縦120mm、横120mm、高さ10mmのSUS製容器に、高さが1mmになるように加え、50℃の恒温槽中で72時間養生させウレタン樹脂硬化物を得た。得られたウレタン樹脂硬化物を縦20mm、横5mmの長方形に切り出し、動的粘弾性測定装置[Rheogel−E4000;(株)ユービーエム製]を用い、10Hzで貯蔵弾性率を測定した。0℃及び80℃の貯蔵弾性率を表1に示す。
<ウレタン樹脂硬化物の硬度>
耐熱性を評価するため、以下の方法で0℃及び80℃の硬度を測定した。
主剤と硬化剤を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表1に記載の配合比で合計150gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機[H103N型、(株)コクサン製]を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、ポリプロピレン製円筒容器(内径85mm、高さ15mm)に80gを秤取った。50℃の恒温槽で72時間養生し試験片とした。試験片を試験温度(0℃及び80℃)に温調した恒温槽中で24時間静置後、硬度ショアーD(10秒値)をショアーD硬度計[高分子計器(株)製]で測定した。
耐熱性を評価するため、以下の方法で0℃及び80℃の硬度を測定した。
主剤と硬化剤を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表1に記載の配合比で合計150gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機[H103N型、(株)コクサン製]を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、ポリプロピレン製円筒容器(内径85mm、高さ15mm)に80gを秤取った。50℃の恒温槽で72時間養生し試験片とした。試験片を試験温度(0℃及び80℃)に温調した恒温槽中で24時間静置後、硬度ショアーD(10秒値)をショアーD硬度計[高分子計器(株)製]で測定した。
<耐薬品性試験>
上記と同じ方法で作成したウレタン樹脂硬化物をJIS K7312(熱硬化性ウレタンエラストマー成型物の物理試験法)に規定されている3号形ダンベルに打ち抜き、試験片とし、以下の耐薬品性試験を行った。
上記と同じ方法で作成したウレタン樹脂硬化物をJIS K7312(熱硬化性ウレタンエラストマー成型物の物理試験法)に規定されている3号形ダンベルに打ち抜き、試験片とし、以下の耐薬品性試験を行った。
(耐アルカリ水溶液試験)
試験片を1NのNaOH水溶液に40℃で30日間浸漬した。試験前後の試験片各々5枚について引張試験機[(株)島津製作所製]を使用し、23℃、引張速度500mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定して、最高値と最低値を除いた3点の平均値を測定値とした。
(耐酸性水溶液試験)
1NのNaOH水溶液に代わりに、1Nの硫酸水溶液を使用した以外は、耐アルカリ水溶液試験と同様の操作を行った。
(耐次亜塩素酸水溶液試験)
1NのNaOH水溶液に代わりに、塩素濃度1%の次亜塩素酸水溶液を使用した以外は、耐アルカリ水溶液試験と同様の操作を行った。
試験前後の引張強度の測定値とその比率(試験後/試験前)を表1に示す。
試験片を1NのNaOH水溶液に40℃で30日間浸漬した。試験前後の試験片各々5枚について引張試験機[(株)島津製作所製]を使用し、23℃、引張速度500mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定して、最高値と最低値を除いた3点の平均値を測定値とした。
(耐酸性水溶液試験)
1NのNaOH水溶液に代わりに、1Nの硫酸水溶液を使用した以外は、耐アルカリ水溶液試験と同様の操作を行った。
(耐次亜塩素酸水溶液試験)
1NのNaOH水溶液に代わりに、塩素濃度1%の次亜塩素酸水溶液を使用した以外は、耐アルカリ水溶液試験と同様の操作を行った。
試験前後の引張強度の測定値とその比率(試験後/試験前)を表1に示す。
<膜モジュールの作製>
主剤と硬化剤を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表1の配合比で合計600gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液をポリスルフォン製中空糸膜(内径0.75mm、外径1.35mm)3000本を挿入した円筒状ポリカーボネート製モジュールケース(内径108mm、長さ580mm)に投入し、遠心成型機で1時間遠心成型した。更に50℃で72時間養生後、シール部の端部を切断して中空糸を開口させ、膜モジュールを作製した。
主剤と硬化剤を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表1の配合比で合計600gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液をポリスルフォン製中空糸膜(内径0.75mm、外径1.35mm)3000本を挿入した円筒状ポリカーボネート製モジュールケース(内径108mm、長さ580mm)に投入し、遠心成型機で1時間遠心成型した。更に50℃で72時間養生後、シール部の端部を切断して中空糸を開口させ、膜モジュールを作製した。
<膜モジュールの熱サイクル試験>
上記膜モジュールについて、120℃飽和蒸気圧のオートクレーブに2時間静置後0℃の恒温槽中にに24時間静置するという冷熱の繰り返しを10サイクル行った後、ポリカーボネート円筒容器とシール材との間に剥離がないか観察した。本試験は10本の試験用膜モジュールを用いて行った。
上記膜モジュールについて、120℃飽和蒸気圧のオートクレーブに2時間静置後0℃の恒温槽中にに24時間静置するという冷熱の繰り返しを10サイクル行った後、ポリカーボネート円筒容器とシール材との間に剥離がないか観察した。本試験は10本の試験用膜モジュールを用いて行った。
<膜モジュールの加圧耐久性試験>
実施例1〜5の膜モジュールを用いて、0℃と80℃でそれぞれ最高水圧200kPaで濾過と逆洗の繰り返し試験を2000回行った。また、比較例1は80℃で、比較例2は0℃で同様の試験を行った。
実施例1〜5の膜モジュールを用いて、0℃と80℃でそれぞれ最高水圧200kPaで濾過と逆洗の繰り返し試験を2000回行った。また、比較例1は80℃で、比較例2は0℃で同様の試験を行った。
実施例1〜5及び比較例1〜3の性能評価結果
実施例1〜5の硬化物の貯蔵弾性率は0℃、80℃で差が小さくいずれも515〜830MPaの範囲にあり、また硬度も0℃、80℃で差が小さくいずれも41〜64の範囲であり、温度依存性が小さく、低温特性、耐熱性ともに良いことが判る。
また、実施例1〜5の硬化物はいずれも良好な耐薬品性を示した。
実施例1〜5の硬化物の貯蔵弾性率は0℃、80℃で差が小さくいずれも515〜830MPaの範囲にあり、また硬度も0℃、80℃で差が小さくいずれも41〜64の範囲であり、温度依存性が小さく、低温特性、耐熱性ともに良いことが判る。
また、実施例1〜5の硬化物はいずれも良好な耐薬品性を示した。
実施例1〜5の膜モジュールの熱サイクル試験ではいずれも剥離は認められなかった。また、実施例1〜5の膜モジュールは、加圧耐久性試験においていずれもリークを発生しなかった。これに対して、比較例1の膜モジュールを用いて、同条件で80℃の試験を行ったところ、350回目でリークが発生した。膜モジュールを観察するとモジュールケースとシール材の界面に剥離が見られた。比較例2の膜モジュールを用いて、同条件で0℃の試験を行ったところ、550回目でリークが見られた。膜モジュールを観察すると、中空糸膜とシール材との接着界面で中空糸膜の破断が見られた。
本発明の膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物は、中空糸型血液処理器及び中空糸型水処理器等のシール材として特に好適に使用される。
Claims (4)
- イソシアネート成分(I)を含有する主剤と、活性水素成分(H)を含有する硬化剤とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂形成性組成物であって、前記(H)を構成する化合物としてソルビトールとヒマシ油脂肪酸及び/又はヒマシ油とを反応させて得られるエステルポリオール(A)を含有し、及び/又は、前記(I)と前記(H)の少なくとも一方が前記(A)を用いて製造される化合物を含有することを特徴とする中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
- 前記(A)を用いて製造される化合物が、前記(A)とポリイソシアネートとを反応して得られる末端にイソシアネート基又は水酸基を有する化合物である請求項1記載の組成物。
- 前記エステルポリオール(A)の水酸基価が130〜400mgKOH/gである請求項1又は2記載の組成物。
- 請求項1〜3のいずれか記載の組成物を硬化してなる中空糸膜モジュール用シール材。
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