JP5480656B2 - 横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルおよび燃料電池 - Google Patents

横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルおよび燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルおよびそれを収納容器内に収納してなる燃料電池に関する。
近時、次世代エネルギーとして、燃料電池バンドルを備える燃料電池が種々提案されている。前記燃料電池バンドルは、複数の燃料電池セルを接続してなるセルスタックの複数個を、セルスタック間接続部材を介して電気的に接続してなる。
前記燃料電池セルとしては、例えば固体高分子形燃料電池セル、リン酸形燃料電池セル、溶融炭酸塩形燃料電池セル、固体酸化物形燃料電池セル等が知られている。特に、固体酸化物形燃料電池セルは、発電効率が高く、また作動温度が600〜1000℃と高いため、その排熱を利用できる等の利点を有しており、研究開発が推し進められている。
図11は、従来公知の固体酸化物形燃料電池セルを複数備える固体酸化物形燃料電池セルスタックの一部を示す拡大縦断面図である。同図に示す固体酸化物形燃料電池セルスタックは、いわゆる「横縞型」であり、電気絶縁体である中空平板状の多孔質支持体121(以下、支持体と言うことがある。)の表面に、内側電極層としての燃料極層123a、固体電解質層123bおよび外側電極層としての空気極層123cがこの順に積層された多層構造の固体酸化物形燃料電池セル123(以下、燃料電池セルと言うことがある。)を、支持体121の長手方向G(紙面上下方向)に複数並設して電気的に接続することにより構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
互いに隣接する燃料電池セル123,123は、セル間接続部材としてのインターコネクタ124により電気的に直列に接続されている。すなわち、一方の燃料電池セル123の燃料極層123aと、他方の燃料電池セル123の空気極層123cとが、インターコネクタ124により電気的に接続されている。また、支持体121の内部には、1つまたは複数のガス流路127が支持体121の長手方向Gに沿って形成されている。
支持体121上に、燃料極層123a、固体電解質層123bおよび空気極層123cをこの順に積層してなる燃料電池セル123を複数並設してなる固体酸化物形燃料電池セルスタックでは、固体電解質層123bの酸素イオン伝導性が600℃以上で高くなるため、このような温度の際に燃料電池セル123の周囲に酸素を含むガス(空気)を流し、ガス流路127に水素を含むガス(燃料ガス)を流すと、空気極層123cと燃料極層123aとの酸素濃度差が大きくなり、空気極層123cと燃料極層123aとの間で電位差が発生する。
この電位差により、酸素イオンは、空気極層123cから固体電解質層123bを通じて燃料極層123aへ移動する。移動した酸素イオンは、燃料極層123aで水素と結合して水となり、同時に燃料極層123aで電子が発生する。すなわち、空気極層123cでは、下記式(1)の電極反応が生じ、燃料極層123aでは、下記式(2)の電極反応が生じる。
Figure 0005480656
そして、燃料極層123aと空気極層123cとを電気的に接続することにより、燃料極層123aから空気極層123cへの電子の移動が起こり、両極層間で起電力が生じる。このように、燃料電池セル123では、酸素と水素を供給することにより、前記反応を連続して起こし、起電力を生じさせて発電する(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、上述したような従来の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックにおいては、多孔質支持体の一端側より他端側に向けてガス流路内を燃料ガス等の反応ガスが流れるため、下流側(他端側)に配置される燃料電池セルに供給される反応ガスの組成は、上流側(一端側)に配置される燃料電池セルの発電の影響を受けることとなる。すなわち、最下流側に配置された燃料電池セルに供給される反応ガスは、上流側の燃料電池セルの発電により反応ガスが消費されることや、上流側の燃料電池セルの発電により生じる排ガスが含まれる。したがって、下流側に配置された燃料電池セルには、反応ガスの不足等により破損する可能性が生じる。
横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックは、各燃料電池セルが電気的に直列に接続されていることから、1つの燃料電池セルに破損等が生じると、横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック全体が発電できなくなる。その結果、横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックの複数個を、セルスタック間接続部材を介して電気的に接続してなる横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルや、該横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルを備える燃料電池も発電できなくなるおそれがある。
特開平10−3932号公報 特開2006−269276号公報
本発明の課題は、高い長期信頼性を有する横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルおよびそれを用いた燃料電池を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルが独立した電流経路を複数備える場合には、反応ガスの不足等によって1つの電流経路を構成する燃料電池セルの1つあるいは複数が破損した場合であっても、他の電流経路によって継続して発電を行うことができるという新たな事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルは、一端側に反応ガス導入口を、他端側に反応ガス出口を有するガス流路を内部に備えた電気絶縁性の多孔質支持体の表面に、内側電極層、固体電解質層および外側電極層をこの順に積層してなる燃料電池セルを、前記多孔質支持体の一端側から他端側に向けて複数並設してなる横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックの複数個を、セルスタック間接続部材を介して電気的に接続してなるものであって、前記セルスタック間接続部材は、隣接する前記横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック間のそれぞれに複数配置されているとともに、隣接する一方の前記横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックに接続される一方側セルスタック間接続部材の1つと、該一方側セルスタック間接続部材の1つに対応して隣接する他方の前記横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックと接続される他方側セルスタック間接続部材の1つとが電気的に接続されて構成された前記多孔質支持体の一端側から他端側に向けて独立した2つの電流経路を備え、前記多孔質支持体の一端側に位置する前記電流経路を構成する前記燃料電池セルの発電面積の合計が、前記多孔質支持体の他端側に位置する前記電流経路を構成する前記燃料電池セルの発電面積の合計よりも大きいことを特徴とする。
このような横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルは、独立した2つの電流経路を備えるので、1つの電流経路を構成する燃料電池セルの1つあるいは複数に破損等が生じた場合であっても、他の電流経路によって継続して発電を行うことができる。
また、反応ガス導入口側を流れる多孔質支持体の一端側に位置する電流経路を構成する燃料電池セルの発電面積の合計が、他の電流経路を構成する燃料電池セルの発電面積の合計よりも大きいので、反応ガス排出口側に位置する燃料電池セルが反応ガスの不足等により破損した場合には、反応ガス導入口側を流れる電流経路により多くの電流を流すことができ、発電量の低減を抑制することができる。
また、本発明の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルは、以下の構成を有するのが好ましい。すなわち、前記横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックは、前記多孔質支持体が、一端側に前記ガス流路の反応ガス導入口を有し、他端側に前記ガス流路の反応ガス排出口を有する平板状であり、前記燃料電池セルが、前記多孔質支持体の片面および他面に複数並設されて構成されているとともに、前記一方側セルスタック間接続部材は、前記多孔質支持体の片面の長手方向に沿って前記一端側から2つが順次配置され、前記他方側セルスタック間接続部材は、前記多孔質支持体の他面の長手方向に沿って前記一端側から2つが順次配置され、前記2つの電流経路が、前記多孔質支持体の一端側から同じ順位に位置する前記一方側セルスタック間接続部材と前記多孔質支持体の一端側から同じ順位に位置する前記他方側セルスタック間接続部材とが電気的に接続されたそれぞれ独立した電流経路を備える。
このような横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルも、独立した2つの電流経路を備えるので、1つの電流経路を構成する燃料電池セルの1つあるいは複数に破損等が生じた場合であっても、他の電流経路によって継続して発電を行うことができる。
本発明の燃料電池は、上述のうちいずれかに記載の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルと、該横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルを作動させるための補機とを収納容器内に収納してなることを特徴とする。
このような燃料電池は、上述した横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルを備えているので、信頼性の向上した燃料電池とすることができる。
本発明の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルによれば、独立した2つの電流経路を備えるので、1つの電流経路を構成する燃料電池セルの1つあるいは複数に破損等が生じた場合であっても、他の電流経路によって継続して発電を行うことができ、長期信頼性を向上することができる。また、反応ガス排出口側に位置する燃料電池セルが反応ガスの不足等により破損した場合には、反応ガス導入口側を流れる電流経路により多くの電流を流すことができ、発電量の低減を抑制することができる。本発明の燃料電池によれば、本発明の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルを備えているので、長期信頼性が向上した燃料電池とすることができる。
本発明の一実施形態にかかる横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルを示す縦断面図である。 本発明の一実施形態にかかる横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す縦断面図である。 図2に示す横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックの横断面図である。 (a),(b)は、図2に示す横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料電池セルを流れる電流を示す概略説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す縦断面図である。 従来の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックの一部を拡大して示す縦断面図である。
以下、本発明の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルの一実施形態について、図1〜図4を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態にかかる横縞型固体酸化物形燃料電池バンドル1(以下、バンドルと言うことがある。)は、横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック2(以下、セルスタックと言うことがある。)の複数個、通常、3〜40個を、セルスタック間接続部材15を介して電気的に接続してなる。
各セルスタック2は、図2,図3に示すように、内部にガス流路12を有する電気絶縁性の多孔質支持体11(以下、支持体と言うことがある。)の片面11aおよび他面11bに、セルスタック間接続部材15が複数配置されている。そして、これらセルスタック間接続部材15から一端側および他端側に、複数個の燃料電池セル13が並設されている。
燃料電池セル13は、支持体11上に、内側電極層としての燃料極層13a、固体電解質層13bおよび外側電極層としての空気極層13cをこの順に積層してなる多層構造を有している。
複数個の燃料電池セル13のうち、後述する第1の一方側セルスタック間接続部材15a1,第1の他方側セルスタック間接続部材15b1から一端側(図2においては下方側)に配置された各燃料電池セル13は、セル間接続部材としてのインターコネクタ14により電気的に接続されている。また、後述する第2の一方側セルスタック間接続部材15a2,第2の他方側セルスタック間接続部材15b2から他端側(図2においては上方側)に配置された各燃料電池セル13も、インターコネクタ14により電気的に接続されている。
これら複数個の燃料電池セル13のうち、互いに隣接する燃料電池セル13,13は、一方の燃料電池セル13の燃料極層13aと他方の燃料電池セル13の空気極層13cとがインターコネクタ14により直列に接続された構造となっている。空気極層13cは、インターコネクタ14の表面(上面)を覆うように配置されている。
このように構成されたセルスタック2では、ガス流路12内に水素を含有する反応ガス(燃料ガス)を流して支持体11を還元雰囲気に曝し、空気極層13cの表面に空気等の酸素含有ガスを流して空気極層13cを酸化雰囲気に曝すと、燃料極層13aおよび空気極層13cにおいて、上述した式(1),(2)に示す電極反応が生じ、両極間に電位差が発生し、発電する。
以下、セルスタック2を構成する各部材について、詳細に説明する。支持体11は、中空平板状に形成されている。これにより、支持体11の体積当たりの燃料電池セル13の面積を増加することができ、セルスタック2の体積当たりの発電量を大きくすることができる。それゆえ、必要とする発電量を得るためのセルスタック2の個数・容積を低減することができる。その結果、セルスタック2の構造が簡易になり、組み立てが簡単になるとともに、該セルスタック2を複数個備えるバンドル1、および該バンドル1を備える燃料電池の信頼性を向上させることができる。
また、支持体11の内部には、複数のガス流路12が設けられている。これにより、各燃料電池セル13に効率よく反応ガス(燃料ガス等)を供給することができる。なお、支持体11のうち、燃料電池セル13が配置されていない領域には、支持体11からのガスリークを抑制する目的で、固体電解質層13bが設けられている。
支持体11は、燃料電池セル13との電気的ショートを防止する観点から、電気抵抗値を、通常、10Ω・cm以上の範囲に設定することが好ましい。本発明では、この範囲を電気絶縁性という。前記電気抵抗値は、角柱状の試料片の両端部に電圧、電流の両端子を接続する4端子法により測定することができる。
支持体11は、一対の平坦部n,nとそれらの両端を繋ぐ弧状部m,mとを有しており、断面における両端の弧状部m,m間の距離に相当する長径の寸法を、例えば30〜100mm、一対の平坦部n,n間の距離に相当する短径の寸法を、例えば2〜4mmの範囲とすることができる。
支持体11は、ガス流路12内を流れる燃料ガスを燃料極層13aの表面まで導入する上で多孔質であることが好ましい。具体的には、支持体11の開気孔率を、例えば25%以上、好ましくは30〜45%の範囲に設定するのがよい。これにより、ガス流路12内を流れる燃料ガスを燃料極層13aの表面まで流通させることができる。前記開気孔率は、アルキメデス法に従って、測定および算出することができる。
支持体11は、例えばNiもしくはNi酸化物(NiO)と、アルカリ土類元素酸化物および希土類元素酸化物を含有して形成することができる。前記NiあるいはNiOは、NiO換算で10〜25体積%、好ましくは15〜20体積%の範囲で支持体11中に含有されているのがよい。なお、前記NiOは、発電時には、通常、水素ガスにより還元されてNiとして存在する。
前記アルカリ土類元素酸化物を構成するアルカリ土類元素としては、例えばMg等が挙げられ、アルカリ土類元素酸化物としては、例えばMg酸化物(MgO)等が挙げられる。また、前記希土類元素酸化物を構成する希土類元素としては、例えばY、La、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Pr等が挙げられ、希土類元素酸化物としては、例えばY23、Yb23等が挙げられ、特にY23が好ましい。
燃料極層13aは、例えば希土類元素が固溶したZrO2(安定化ジルコニア)と、Niおよび/またはNiOとからなる多孔質の導電性サーメット等で形成することができる。前記安定化ジルコニアとしては、例えば8モル%のYが固溶した安定化ZrO2(8モル% Yttria Stabilized Zirconia、以下、「8YSZ」と言う。)等が挙げられる。また、燃料極層13aは、後述する固体電解質層13bの材料と同じ材料を用いて形成することもできる。
燃料極層13aにおいて、安定化ジルコニアの配合割合は、燃料極層13aの総量に対して35〜65体積%の範囲が好ましく、Niの配合割合は、NiO換算で、燃料極層13aの総量に対して35〜65体積%の範囲が好ましい。また、燃料極層13aの開気孔率としては、例えば15%以上、好ましくは20〜40%の範囲とするのがよい。燃料極層13aの厚みとしては、良好な集電性能を発揮させる上で、例えば10〜100μmの範囲とするのがよい。
なお、燃料極層13aは、2層として形成することもできる。この場合には、支持体11の表面に形成される第1の層である燃料極層(集電燃料極層)を、Niおよび/またはNiOとY23等の希土類元素酸化物から形成することができる。また、第1の層の上面に形成される第2の層である燃料極層(活性燃料極層)は、Y等の希土類元素が固溶したZrO2と、Niおよび/またはNiOとからなる多孔質の導電性サーメットで形成することができる。
固体電解質層13bは、例えば希土類元素またはその酸化物が固溶したZrO2、すなわち安定化ZrO2からなる緻密質のセラミックス等で形成することができる。前記ZrO2に固溶させる希土類元素としては、例えばSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が挙げられる。特に、安価であるという上で、Y、Yb、またはこれらの酸化物であるY23、Yb23を用いることが好ましい。より具体的には、固体電解質層13bとして、上述の8YSZを用いるのが好ましい。また、収縮率が8YSZとほぼ等しいランタンガレート系(LaGaO3系)も好適である。
固体電解質層13bは、その厚みを10〜100μmとすることが好ましく、アルキメデス法による相対密度を93%以上、より好ましくは95%以上の範囲に設定するのがよい。このような固体電解質層13bは、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有するとともに、燃料ガスまたは酸素含有ガスのリーク(ガス透過)を防止するためのガス遮断性を有する。
空気極層13cは、例えば導電性セラミックス等から形成される。前記導電性セラミックスとしては、例えばABO3型のペロブスカイト型酸化物等が挙げられる。前記ペロブスカイト型酸化物としては、例えばLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物等の遷移金属型ペロブスカイト酸化物が挙げられ、AサイトにLaを有する遷移金属型ペロブスカイト酸化物が好適である。特に、600〜1000℃程度の比較的低温における電気伝導性が高い上で、LaCoO3系酸化物を用いることが好ましい。また、前記したペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaおよびSrが共存してもよく、BサイトにFe、CoおよびMnのいずれかが共存してもよい。このような空気極層13cは、前記した式(1)の電極反応を生ずることができる。
また、空気極層13cの開気孔率としては、例えば20%以上、好ましくは30〜50%の範囲に設定するのがよい。これにより、空気極層13cが良好なガス透過性を有するようになる。空気極層13cの厚みとしては、例えば30〜200μmの範囲に設定するのが好ましい。これにより、空気極層13cが良好な集電性を有するようになる。
インターコネクタ14は、隣接する一方の燃料電池セル13の燃料極層13aと他方の燃料電池セル13の空気極層13cとを電気的に接続するものであり、例えば導電性セラミックス等から形成することができる。前記導電性セラミックスとしては、例えばランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)等が挙げられる。LaCrO3系酸化物は、耐還元性、耐酸化性が良好であるため、インターコネクタ14の腐食や劣化を有効に抑制することができる。
また、インターコネクタ14を形成する前記導電性セラミックスは、アルキメデス法による相対密度を、例えば93%以上、好ましくは95%以上の範囲に設定するのがよい。これにより、前記導電性セラミックスを緻密質とすることができ、支持体11内のガス流路12を通る燃料ガスと空気極層13cの外部を通る酸素含有ガスとのリークを有効に抑制することができる。また、インターコネクタ14と固体電解質層13bとの接続部には、適宜、Y23等の接合層を介在させて、シール性を向上させることもできる。
このようなセルスタック2の複数個がセルスタック間接続部材15を介して電気的に接続されてなるバンドル1においては、図1に示すように、反応ガスマニホールド50に導入された反応ガス(図1に示す構成においては燃料ガス)が、各セルスタック2のガス流路12内を矢印Aに示す方向に向けて流れる。
ここで、セルスタック間接続部材15に対してセルスタックの上流側を反応ガス導入口側B、下流側を反応ガス排出口側Cとしたとき、反応ガス排出口側Cにおいては、反応ガス導入口側Bに比べて燃料電池セル13に供給される反応ガス(燃料ガス等)の量が減少し、それゆえ反応ガス排出口側Cの燃料電池セル13において反応ガス(燃料ガス等)が不足することがある。その結果、反応ガス(燃料ガス等)が不足した燃料電池セル13において破損等が生じる場合がある。
従来のように、支持体上に配置された複数個の燃料電池セルのそれぞれを電気的に直列に接続している場合、すなわち燃料電池セルの発電により生じる電流の流れる電流経路が1つの場合には、燃料電池セルのいずれか1つに破損等が生じると、セルスタック全体が発電できないことになり、該セルスタックを備えるバンドルや、該バンドルを収納容器内に収納してなる燃料電池も発電できなくなるおそれがある。
本実施形態にかかるセルスタック2は、燃料電池セル13を流れる電流が、互いに独立した第1の電流経路と第2の電流経路とを流れるように構成されている。すなわち、セルスタック2は、独立した電流経路を2つ備えているので、該セルスタック2の複数個がセルスタック間接続部材15を介して電気的に接続されてなるバンドル1自体も独立した電流経路を2つ備えることになる。
具体的に説明すると、図2に示すように、支持体11の片面11aには、一端側から順に第1の一方側セルスタック間接続部材15a1と、第2の一方側セルスタック間接続部材15a2とが配置されている。これと同様に、支持体11の他面11bにも、一端側から順に第1の他方側セルスタック間接続部材15b1と、第2の他方側セルスタック間接続部材15b2とが配置されている。
前記第1の電流経路は、支持体11の一端側から同じ順位に位置する第1の一方側セルスタック間接続部材15a1と、支持体11の一端側から同じ順位に位置する第1の他方側セルスタック間接続部材15b1とが、電気的に接続されることによって構成されている。これと同様に、前記第2の電流経路は、支持体11の一端側から同じ順位に位置する第2の一方側セルスタック間接続部材15a2と、支持体11の一端側から同じ順位に位置する第2の他方側セルスタック間接続部材15b2とが、電気的に接続されることによって構成されている。なお、同じ順位に位置するとは、支持体11の一端より燃料電池セル13の順番を数えた場合に、同じ順番となることを意味している。
したがって、前記第1の電流経路では、隣接する一方側のセルスタック2より流れて各燃料電池セル13を流れる電流が、第1の一方側セルスタック間接続部材15a1から一端側、すなわち支持体11の片面11aを矢印Iに示す方向に向けて流れた後、導電部材14cを介して、支持体11の他面11bの一端側から第1の他方側セルスタック間接続部材15b1に向けて、すなわち支持体11の他面11bを矢印IIIに示す方向に流れる。
また、前記第2の電流経路では、隣接する一方側のセルスタック2より流れて各燃料電池セル13を流れる電流が、第2の一方側セルスタック間接続部材15a2から他端側、すなわち支持体11の片面11aを矢印IVに示す方向に向けて流れた後、導電部材14cを介して、支持体11の他面11bの他端側から第2の他方側セルスタック間接続部材15b2に向けて、すなわち支持体11の他面11bを矢印VIに示す方向に流れる。
より具体的に説明すると、第1,第2の一方側セルスタック間接続部材15a1,15a2は、それぞれ導電部材14bを介してインターコネクタ14aに接続されている。第1,第2の一方側セルスタック間接続部材15a1,15a2を構成する材料としては、インターコネクタ14a,空気極層13cと電気的に接続可能な限り特に制限はなく、例えばインターコネクタ14と同様の材料から形成することができる。
インターコネクタ14aは、各電流経路の始端となる燃料電池セル13の燃料極層13aと電気的に接続されている。隣接するインターコネクタ14a,14a間には、固体電解質層13bが充填されている。インターコネクタ14aは、上述のインターコネクタ14で例示したランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)等の導電性セラミックスから形成することができる。
導電部材14bは、インターコネクタ14aの表面(上面)を覆うように配置されている。隣接する導電部材14b,14b間にも、固体電解質層13bが充填されている。導電部材14bは、Ag−Pd系合金の他、例えばLaCoO3系酸化物等を用いて形成することができる。
支持体11の片面11aに配置された複数個の燃料電池セル13は、第1,第2の一方側セルスタック間接続部材15a1,15a2から支持体11の両端側に向けて、配列方向が互いに逆方向となるように配置されている。これにより、図4(a)に示すように、隣接する一方側のセルスタック2より流れて各燃料電池セル13を流れる電流は、第1,第2の一方側セルスタック間接続部材15a1,15a2を起点として、第1の電流経路と第2の電流経路とを、それぞれ独立に流れるようになる。
支持体11の片面11a,他面11bにおける両端側に配置された燃料電池セル13同士は、導電部材14cにより電気的に接続されている。すなわち、導電部材14cは、支持体11の片面11aの一端側(図2においては下方側)の端部に配置された燃料電池セル13の空気極層13cと、支持体11の他面11bの一端側の端部に配置されたインターコネクタ14とを電気的に接続するように設けられている。これにより、隣接する一方側のセルスタック2より流れた電流は、支持体11の片面11aに配置された燃料電池セル13を一端側に流れた後、導電部材14cを介して矢印IIに示す方向に向けて流れ、支持体11の他面11bの一端側に配置された燃料電池セル13に流れる。
これと同様に、支持体11の片面11aの他端側(図2においては上方側)の端部に配置された燃料電池セル13も、支持体11の他面11bの他端側の端部に配置された燃料電池セル13と、導電部材14cを介して電気的に接続されている。これにより、隣接する一方側のセルスタック2より流れた電流が、支持体11の片面11aに配置された燃料電池セル13を他端側に流れた後、導電部材14cを介して矢印Vに示す方向に向けて流れ、支持体11の他面11bの他端側に配置された燃料電池セル13に流れる。導電部材14cとしては、Ag−Pd系合金の他、例えばLaCoO3系酸化物等を用いて形成することができる。
また、支持体11の他面11bには、支持体11の両端側から第1,第2の他方側セルスタック間接続部材15b1,15b2に向けて、配列方向を互いに逆方向とした燃料電池セル13が配置されている。したがって、支持体11の片面11aを流れた電流は、その後、図4(b)に示すように、支持体11の他面11bに配置された第1,第2の他方側セルスタック間接続部材15b1,15b2に流れる。
ここで、各燃料電池セル13を流れる電流は、燃料極層13a,固体電解質層13b,空気極層13cを流れてインターコネクタ14を介して隣接する燃料電池セル13の燃料極層13aに流れる。それゆえ、各セルスタック2の支持体11の他面11bにおいて、支持体11の両端側より流れる電流の終端は、第1の電流経路の終端および第2の電流経路の終端に配置される各燃料電池セル13の空気極層13cとなる。
各電流経路の終端に配置される燃料電池セル13,13の空気極層13c,13c間には、固体電解質層13bが充填されている。したがって、第1,第2の他方側セルスタック間接続部材15b1,15b2に流れた電流は、隣接して配置される他方側のセルスタック2にそれぞれ独立して流れるようになる。
このようにセルスタック2は互いに独立した電流経路を2つ有するので、該セルスタック2の複数個がセルスタック間接続部材15を介して電気的に接続されてなるバンドル1も独立した電流経路を2つ備える。したがって、一方の電流経路を構成する燃料電池セル13が破損等した場合には、他方の電流経路によって継続して発電を行うことができ、それゆえ長期信頼性が向上する。
なお、各電流経路の終端を構成する燃料電池セル13の燃料極層13a,13a間には、固体電解質層13bが充填されている。これにより、支持体11の他面11bからの燃料ガスのリークを抑制することができる。また、各電流経路の終端を構成する燃料電池セル13,13では、固体電解質層13bを共用しているので、各電流経路の終端を構成する燃料電池セル13,13の一部が接合された構成となっている。このような構成であっても、燃料電池セル13としては、それぞれ別個の燃料電池セルを構成する。
一方、上記したセルスタック2は、2つの電流経路を流れる電流の量を調整することもでき、それに伴って電流経路を構成する燃料電池セルの数や、燃料電池セルの発電面積の合計を変えることもできる。このようなセルスタックとしては、例えば図5〜図8に示す構成を有するものが挙げられる。
図5に示すセルスタック3は、同一の発電面積を有する燃料電池セル23の複数個を支持体11上に配置している。発電面積とは、燃料極層23a、固体電解質層23bおよび空気極層23cが重なり合っている部分における平面視での面積を意味する。
そして、第1の電流経路を構成する燃料電池セル23の合計が6個であり、第2の電流経路を構成する燃料電池セル23の合計が6個である。すなわち、第1の電流経路を構成する燃料電池セル23の合計と、第2の電流経路を構成する燃料電池セル23の合計とが同じである。
このようなセルスタック3においては、第1の電流経路を構成する燃料電池セル23の合計と第2の電流経路を構成する燃料電池セル23の合計とが同じであることから、一方の電流経路を構成する燃料電池セル23が破損した場合であっても、他方の電流経路によって定格運転の半分の出力にて発電を継続することができる。したがって、セルスタック3の複数個を備えるバンドルも安定した発電を行うことができる。
なお、第1の電流経路および第2の電流経路を構成する燃料電池セル23の個数は、いずれも合計6個であるが、燃料電池セル23の個数はこれに限定されるものではなく、所望の個数を採用することができる。その他の構成は、前記した一実施形態にかかるセルスタック2と同様である。
図6に示すセルスタック4では、同一の発電面積を有する燃料電池セル33の複数個を支持体11上に配置している。そして、第1の電流経路および第2の電流経路を構成する燃料電池セル33の数が、支持体11の片面11aではそれぞれ3個、他面11bではそれぞれ3個である。すなわち、セルスタック4は、第1の電流経路および第2の電流経路を構成する燃料電池セル33の数が、支持体11の片面11aおよび他面11bにおいて同数である。
したがって、セルスタック4は、上述したセルスタック3と同様に、一方の電流経路を構成する燃料電池セル33が破損した場合であっても、他方の電流経路によって定格運転の半分の出力にて発電を継続することができ、該セルスタック4の複数個を備えるバンドルも安定した発電を行うことができる。
また、セルスタック4は、支持体11の片面11aと他面11bに配置される燃料電池セル33の数が同じであることから、第1の一方側セルスタック間接続部材15a1,第1の他方側セルスタック間接続部材15b1を対称に配置することができ、第2の一方側セルスタック間接続部材15a2,第2の他方側セルスタック間接続部材15b2も対称に配置することができる。したがって、セルスタックの作製が容易となる。
なお、第1の電流経路および第2の電流経路を構成する燃料電池セル33の数は、支持体11の片面11aおよび他面11bにおいて、いずれも3個であるが、燃料電池セル33の個数はこれに限定されるものではなく、所望の個数を採用することができる。その他の構成は、前記した一実施形態にかかるセルスタック2と同様である。
一方、セルスタックの構成において、上述したように同一の発電面積を有する燃料電池セル23,33を配列するほか、発電面積がそれぞれ異なる燃料電池セルを配置することもできる。
図7に示すセルスタック5は、発電面積がそれぞれ異なる燃料電池セル43A,43B,43Cを支持体11上に配置している。具体的には、燃料電池セル43A,43B,43Cのうち、燃料電池セル43Aの発電面積が最も大きく、燃料電池セル43Bの発電面積が最も小さい。
そして、第1の電流経路を構成する燃料電池セル43A,43B,43Cの発電面積の合計と、第2の電流経路を構成する燃料電池セル43A,43B,43Cの発電面積の合計とが、等しくなるよう構成されている。
したがって、セルスタック5は、一方の電流経路を構成する燃料電池セル43A,43B,43Cが破損した場合であっても、他方の電流経路によって定格運転の半分の出力にて発電を継続することができ、該セルスタック5の複数個を備えるバンドルも安定した発電を行うことができる。その他の構成は、前記した一実施形態にかかるセルスタック2と同様である。
ところで、セルスタックでは、上述したように、反応ガス排出口側Cに位置する燃料電池セルに供給される反応ガス(燃料ガス等)量が少なくなるため、複数個の燃料電池セルのうち、特に反応ガス排出口側Cに位置する燃料電池セルが破損するおそれがある。したがって、反応ガス導入口側Bの電流経路に多くの電流が流れるようにセルスタックを構成すれば、反応ガス排出口側Cに位置する燃料電池セルが破損等した場合に多くの電流を継続して発電することができる。
図8に示すセルスタック6は、反応ガス導入口側Bを流れる第1の電流経路を構成する燃料電池セル53Aの発電面積の合計が、反応ガス排出口側Cを流れる第2の電流経路を構成する燃料電池セル53Bの発電面積の合計よりも大きい。
これにより、反応ガス排出口側Cに位置する燃料電池セル53Bが反応ガス(燃料ガス等)の不足等で破損した場合において、発電面積の合計が大きい反応ガス導入口側Bの第1の電流経路を構成する燃料電池セル53Aにて発電を継続することで、発電量の低減を抑制することができる。その他の構成は、前記した一実施形態にかかるセルスタック2と同様である。
一方、上述の説明において、セルスタックを構成する燃料電池セルを、燃料極層、固体電解質層、空気極層を順に配置してなる構成としたが、各燃料電池セルを流れる電流が、さらに効率よく流れるように、燃料電池セルを他の構成とすることもできる。
図9に示すセルスタック7では、各燃料電池セル63を構成する空気極層63c上に導電部材64cが設けられている。該導電部材64cは、空気極層63cを覆うように配置されている。
第1,第2の一方側セルスタック間接続部材15a1,15a2の下方には、導電部材64aと、空気極層63cと、インターコネクタ14aとが、この順に配置されている。空気極層63cは、インターコネクタ14aの表面を覆うように配置されており、その上方には空気極層63cを覆うように導電部材64aが設けられている。
第1,第2の一方側セルスタック間接続部材15a1,15a2と、各電流経路を構成する燃料電池セル63において始端となる燃料電池セル63の燃料極層63aとが、導電部材64aと、空気極層63cと、インターコネクタ14aとを介して電気的に接続されている。
一方、第1,第2の他方側セルスタック間接続部材15b1,15b2の下方には、各電流経路を構成する燃料電池セル63において終端となる燃料電池セル13の空気極層63cの上方に設けられた導電部材64cが配置されている。そして、この導電部材64cと第1,第2の他方側セルスタック間接続部材15b1,15b2とが接続されている。
これにより、第1,第2の他方側セルスタック間接続部材15b1,15b2を起点とし、第1,第2の他方側セルスタック間接続部材15b1,15b2を終点とする、第1の電流経路および第2の電流経路が構成されている。
すなわち、第1,第2の一方側セルスタック間接続部材15a1,15a2を起点とする電流は、各セルスタック間接続部材の下方に配置された導電部材64a,空気極層63c,インターコネクタ14aを介して、これに隣接する燃料電池セル63の燃料極層63aへと流れる。この燃料極層63aを流れる電流は、該燃料極層63aの上方に配置された固体電解質層63b,空気極層63cを介して導電部材64cへと流れる。この導電部材64cを流れた電流は、空気極層63cを介してインターコネクタ14へ流れた後、隣接する燃料電池セル63の燃料極層63aに流れ、これにより隣接する燃料電池セル63,63同士が、電気的に接続される。
支持体11の片面11aの一端側の端部(または他端側の端部)に位置する燃料電池セル63を流れた電流は、支持体11の他面11bの一端側の端部(または他端側の端部)に配置される導電部材64c,インターコネクタ14を介して、これに隣接する燃料電池セル63の燃料極層63a,固体電解質層63b,空気極層63c,導電部材64cへと順に流れた後、インターコネクタ14を介して、隣接する燃料電池セル63の燃料極層63aに流れる。そして、前記電流は、支持体11の他面11bに配置された第1,第2の他方側セルスタック間接続部材15b1,15b2を介して、隣接する他方側のセルスタック7に流れる。
導電部材64a,導電部材64cは、例えばAg−Pd系合金の他、ランタンストロンチウムコバルトタイト(LSC)等により形成することができる。その他の構成は、前記した一実施形態にかかるセルスタック2と同様である。
一方、前記した各セルスタックは、独立した電流経路を2つ備えているが、本発明にかかるセルスタックは、3つ以上の電流経路を備えていてもよい。図10に示すセルスタック8は、独立した電流経路を3つ備えている。
すなわち、支持体11の片面11aには、一端側から順に第1の一方側セルスタック間接続部材15a1と、第2の一方側セルスタック間接続部材15a2と、第3の一方側セルスタック間接続部材15a3とが配置されている。これと同様に、支持体11の他面11bにも、一端側から順に第1の他方側セルスタック間接続部材15b1と、第2の他方側セルスタック間接続部材15b2と、第3の他方側セルスタック間接続部材15b3とが配置されている。
そして、隣接する一方側のセルスタック2より流れた電流が矢印I,II,IIIに示す方向に順次流れる第1の電流経路は、支持体11の一端側から同じ順位に位置する第1の一方側セルスタック間接続部材15a1と、支持体11の一端側から同じ順位に位置する第1の他方側セルスタック間接続部材15b1とが、電気的に接続されることによって構成されている。
これと同様に、隣接する一方側のセルスタック2より流れた電流が矢印IV,V,VIに示す方向に順次流れる第2の電流経路は、支持体11の一端側から同じ順位に位置する第2の一方側セルスタック間接続部材15a2と、支持体11の一端側から同じ順位に位置する第2の他方側セルスタック間接続部材15b2とが、電気的に接続されることによって構成されている。隣接する一方側のセルスタック2より流れた電流が矢印VII,VIII,IXに示す方向に順次流れる第3の電流経路は、支持体11の一端側から同じ順位に位置する第3の一方側セルスタック間接続部材15a3と、支持体11の一端側から同じ順位に位置する第3の他方側セルスタック間接続部材15b3とが、電気的に接続されることによって構成されている。その他の構成は、前記した一実施形態にかかるセルスタック2と同様である。
上述したようなバンドルと、該バンドルを作動させるための補機とを収納容器内に収納することにより、本発明の燃料電池とすることができる。該燃料電池は、上述した本発明のバンドルを備えているので、長期信頼性に優れる。
以上、本発明にかかる好ましい実施形態を説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において種々の改善や変更が可能である。例えば前記した実施形態では、支持体11が中空の板状で内部に複数のガス流路12を有する場合について説明したが、支持体11は円筒状でもよく、ガス流路12の数は1つでもよく、さらに絶縁体であればその材質も問わない。
また、前記した実施形態において、支持体11の表面に形成される燃料電池セル13は、内側電極層が燃料極層13aであって、外側電極層が空気極層13cである多層構造の場合について説明したが、両電極層の位置関係を逆としてもよい。すなわち、支持体11の表面に、空気極層13c、固体電解質層13bおよび燃料極層13aをこの順で積層した燃料電池セル13を配置することもできる。この場合、支持体11のガス流路12内には、空気等の酸素含有ガスを流通させ、外側電極層としての燃料極層13aの表面には、水素含有ガス等の燃料ガスを流通させる。その他の構成は、前記した一実施形態にかかるセルスタックと同様である。
1 横縞型固体酸化物形燃料電池バンドル
2 横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック
11 多孔質支持体
11a 片面
11b 他面
12 ガス流路
13 燃料電池セル
13a 燃料極層
13b 固体電解質層
13c 空気極層
14,14a インターコネクタ
14b,14c 導電部材
15 セルスタック間接続部材
15a1 第1の一方側セルスタック間接続部材
15a2 第2の一方側セルスタック間接続部材
15b1 第1の他方側セルスタック間接続部材
15b2 第2の他方側セルスタック間接続部材

Claims (3)

  1. 一端側に反応ガス導入口を、他端側に反応ガス出口を有するガス流路を内部に備えた電気絶縁性の多孔質支持体の表面に、内側電極層、固体電解質層および外側電極層をこの順に積層してなる燃料電池セルを、前記多孔質支持体の一端側から他端側に向けて複数並設してなる横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックの複数個を、セルスタック間接続部材を介して電気的に接続してなる横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルであって、
    前記セルスタック間接続部材は、隣接する前記横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック間のそれぞれに複数配置されているとともに、
    隣接する一方の前記横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックに接続される一方側セルスタック間接続部材の1つと、該一方側セルスタック間接続部材の1つに対応して隣接する他方の前記横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックと接続される他方側セルスタック間接続部材の1つとが電気的に接続されて構成された前記多孔質支持体の一端側から他端側に向けて独立した2つの電流経路を備え、前記多孔質支持体の一端側に位置する前記電流経路を構成する前記燃料電池セルの発電面積の合計が、前記多孔質支持体の他端側に位置する前記電流経路を構成する前記燃料電池セルの発電面積の合計よりも大きいことを特徴とする横縞型固体酸化物形燃料電池バンドル。
  2. 前記横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックは、前記多孔質支持体が、一端側に前記ガス流路の反応ガス導入口を有し、他端側に前記ガス流路の反応ガス排出口を有する平板状であり、前記燃料電池セルが、前記多孔質支持体の片面および他面に複数並設されて構成されているとともに、
    前記一方側セルスタック間接続部材は、前記多孔質支持体の片面の長手方向に沿って前記一端側から2つが順次配置され、
    前記他方側セルスタック間接続部材は、前記多孔質支持体の他面の長手方向に沿って前記一端側から2つが順次配置され、
    前記2つの電流経路が、
    前記多孔質支持体の一端側から同じ順位に位置する前記一方側セルスタック間接続部材と前記多孔質支持体の一端側から同じ順位に位置する前記他方側セルスタック間接続部材とが電気的に接続されたそれぞれ独立した電流経路を備えることを特徴とする請求項1に記載の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドル。
  3. 請求項1または2に記載の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルと、該横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルを作動させるための補機とを収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池。
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