JP5477756B2 - 半導体封止材料及びそれを用いて封止してなる半導体素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体、特に、可視域に光を発する半導体を封止するための半導体封止材料及びその封止材料を用いて封止してなる半導体素子に関するものである。
発光デバイス等の半導体素子は、半導体(発光チップ)、金属、セラミック等の各部品、或いは各部品同士を封止することにより製造される。封止に用いられる材料には、強固に接着できること、低温で封止できること以外にも、半導体から発せられる光量を低下させないこと、耐候性を有すること等が求められるため、軟化点が低く、高い透過率と耐候性を有する鉛系ガラスが用いられている。しかし、近年では、環境の観点から、鉛等の環境負荷物質を含有しないことも求められているため、特許文献1に示すように軟化点の低い非鉛系ガラスからなる封止材料を用いることが提案されている。
特開2005−11933号公報
特許文献1で開示されている封止材料は、低温で封止することが可能であるが、一般に、ガラスの軟化点が低くなる程、ガラスの耐候性が低くなるため、高温多湿の過酷な環境下において、長期間に亘って使用し続けると、水分が封止材料中に侵入して、封止材料が変質して半導体素子の光学特性を低下させたり、半導体自身を劣化させて半導体の動作を阻害するという問題があった。また、半導体を封止する際に、ガラスと半導体が反応し、封止材料であるガラスの透過率が低下したり、半導体から発せられる光量が低下する等、半導体素子の特性に悪影響を及ぼす可能性があった。
本発明の目的は、低温で封止することができ、高い透過率と優れた耐候性を有し、しかも、半導体と反応し難い非鉛系ガラスからなる半導体封止材料及びそれを用いて封止してなる半導体素子を提供することである。
本発明の半導体封止材料は、可視域において光を発する半導体を封止するための封止材料であって、厚さ1mm、波長588nmにおける内部透過率が80%以上であり、1.5〜2.2の屈折率(nd)を有し、且つ、400℃以下の軟化点を有し、B を1〜30モル%含有するSnO−P−B系ガラスのみからなることを特徴とする。
また、本発明の半導体素子は、上記封止材料を用いて半導体を封止してなることを特徴とする。
本発明によれば、軟化点が低く、高い透過率と優れた耐候性を有し、しかも、半導体と反応し難い非鉛系ガラスを用いてなるため、低温で、しかも、半導体を劣化させることなく封止することができる。また、得られた半導体素子は、耐候性に優れ、長期間に亘って使用しても劣化が少なく、しかも、光学特性にも優れている。それ故、半導体、特に、可視域に光を発する半導体を封止するための封止材料及び半導体素子として好適である。
本発明の半導体封止材料は、厚さ1mm、波長588nmにおいて80%以上の内部透過率を有するガラスを用いてなる。ガラスの内部透過率を80%以上にすることにより、半導体から発せられる光量の損失を小さくすることができ、光学特性に優れた半導体素子を得ることができる。ガラスの内部透過率が、80%より低くなると、半導体から発せられる光量の損失が大きくなり、半導体素子の光学特性が低下し易くなる。ガラスの内部透過率の好ましい範囲は92%以上であり、より好ましくは93%以上である。
また、400℃以下の軟化点を有するガラスを用いてなる。軟化点を400℃以下とすることにより、低温で半導体を封止することが可能となり、半導体の劣化を抑えることができる。軟化点が400℃を超えると、半導体の発光特性が低下したり、発光波長が変化し易くなり、半導体が劣化する傾向にある。軟化点のより好ましい範囲は380℃以下であり、より好ましくは360℃以下である。
さらに、比較的容易に高い透過率と低い軟化点を得やすいSnO−P系ガラスに、Bを含有させたSnO−P−B系ガラスを主成分としている。一般に、低融点ガラスであるSnO−P系ガラスは、耐候性が低く、使用中に封止材料が変質して半導体素子の光学特性を低下させたり、半導体を劣化させたりする可能性がある。また、半導体を封止する際に、ガラスと半導体が反応し、封止材料であるガラスの透過率が低下したり、半導体から発せられる光量が低下して、半導体素子の特性に悪影響を及ぼす可能性があるが、本発明では、半導体との反応を抑えるとともに耐候性を向上させる成分であるBを含有させている。そのため、軟化点の低い非鉛ガラスからなる封止材料であっても、半導体との反応が少なく、優れた耐候性を有することができる。
尚、半導体から発せられる光量の損失をより小さくするため、1.5〜2.2の屈折率(nd)を有するガラス用いられる。ガラスの屈折率が小さくなると、封止材料と半導体の界面での光の反射損失が大きくなり、結果として、半導体から発せられる光量の損失が大きくなる。一方、ガラスの屈折率が大きくなると、封止材料内部での散乱損失が大きくなり、結果として、半導体から発せられる光量の損失が大きくなる。ガラスの屈折率のより好ましい範囲は1.6〜2.15であり、さらに好ましくは1.7〜2.1である。
また、SnO−P−B系ガラスにおいて、半導体との反応を抑えると共に、耐候性を向上させるには、Bを1モル%以上含有させることが好ましい。しかし、Bの含有量が多くなると、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、半導体を低温で封止し難くなり、半導体が劣化し易くなる。また、逆に、半導体と反応したり、耐候性が低下しやすくなるため、30モル%以下にすることが好ましい。Bのより好ましい範囲は2〜20%であり、さらに好ましくは4〜20%であり、最も好ましくは5〜18%である。
さらに、SnO/Pの値をモル比で、0.9〜16の範囲にすることが好ましい。SnO/Pの値が0.9より小さくなると、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、半導体を低温で封止し難くなり、半導体が劣化し易くなる。また、耐候性が著しく低下する傾向にある。一方、SnO/Pの値が16より大きくなると、ガラス中にSnに起因する失透ブツが析出し、ガラスの透過率が低下する傾向にあり、結果として、光学特性に優れた半導体素子が得難くなる。SnO/Pのより好ましい範囲は1.5〜16であり、さらに好ましくは1.5〜10であり、最も好ましくは2〜5である。
また、本発明におけるSnO−P−B系ガラスは、厚さ1mm、波長588nmにおいて80%以上の内部透過率と、400℃以下の軟化点を有し、半導体と反応し難く、しかも、優れた耐候性を有するガラスであれば、制限はないが、特に、モル百分率で、SnO 35〜80%、P 5〜40%、B 1〜30%、Al 0〜10%、SiO 0〜10%、LiO 0〜10%、NaO 0〜10%、KO 0〜10%、LiO+NaO+KO 0〜10%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜10%を含有し、SnO/Pが0.9〜16であるガラスを使用することが好ましい。
本発明においてガラスの組成を上記のように限定した理由は、次のとおりである。
SnOはガラスの骨格を形成すると共に、軟化点を下げる成分である。その含有量は35〜80%である。SnOの含有量が少なくなると、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、半導体を低温で封止し難くなり、半導体が劣化し易くなる。一方、含有量が多くなると、ガラス中にSnに起因する失透ブツが析出し、ガラスの透過率が低下する傾向にあり、結果として、光学特性に優れた半導体素子が得難くなる。また、ガラス化し難くなる。SnOのより好ましい範囲は40〜70%であり、さらに好ましくは50〜70%であり、最も好ましくは55〜65%である。
はガラスの骨格を形成する成分である。その含有量は5〜40%である。Pの含有量が少なくなると、ガラス化し難くなる。一方、含有量が多くなると、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、半導体を低温で封止し難くなり、半導体が劣化し易くなる。また、耐候性が著しく低下する傾向にある。Pのより好ましい範囲は10〜30%であり、さらに好ましくは15〜24%である。
尚、軟化点を低下させ、しかも、ガラスを安定化させるには、SnO/Pの値を、モル比で、0.9〜16の範囲にすることが好ましい。SnO/Pの値が0.9より小さくなると、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、半導体を低温で封止し難くなり、半導体が劣化し易くなる。また、耐候性が著しく低下する傾向にある。一方、SnO/Pの値が16より大きくなると、ガラス中にSnに起因する失透ブツが析出し、ガラスの透過率が低下する傾向にあり、結果として、光学特性に優れた半導体素子が得難くなる。SnO/Pのより好ましい範囲は1.5〜16であり、さらに好ましくは1.5〜10であり、最も好ましくは2〜5である。
は半導体との反応を抑えると共に、耐候性を向上させる成分である。また、ガラスを安定化させる成分でもある。その含有量は1〜30%である。Bの含有量が少なくなると、上記効果が得難くなる。一方、含有量が多くなると、逆に、半導体と反応したり、耐候性が低下しやすくなる。また、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、半導体を低温で封止し難くなり、半導体が劣化し易くなる。Bのより好ましい範囲は2〜20%であり、さらに好ましくは4〜18%である。
Alはガラスを安定化させる成分である。その含有量は0〜10%である。Alの含有量が多くなると、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、半導体を低温で封止し難くなり、半導体が劣化し易くなる。Alのより好ましい範囲は0〜7%であり、さらに好ましくは1〜5%である。
SiOはAlと同様にガラスを安定化させる成分である。その含有量は0〜10%である。SiOの含有量が多くなると、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、半導体を低温で封止し難くなり、半導体が劣化し易くなる。また、ガラスが分相しやすくなる。SiOのより好ましい範囲は0〜7%であり、さらに好ましくは0〜5%である。
LiO、NaO及びKOは、ガラスの軟化点を低下させる成分である。その含有量はそれぞれ0〜10%である。これら成分の含有量が多くなると、ガラスが著しく不安定になりやすくガラス化し難くなる。これら成分のより好ましい範囲はそれぞれ0〜7%であり、さらに好ましくは0〜5%である。
尚、LiO、NaO及びKOを合量で0〜10%にすることが好ましい。これら成分の合量が10%より多くなると、ガラスが不安定になりやすくガラス化し難くなる。LiO+NaO+KOのより好ましい範囲は0〜7%であり、さらに好ましくは1〜5%である。
MgO、CaO、SrO、BaOはガラスを安定化させてガラス化しやすくする成分である。その含有量は0〜10%である。これら成分の含有量が多くなると、ガラスが失透しやすく、ガラスの透過率が低下する傾向にあり、結果として、光学特性に優れた半導体素子が得難くなる。これら成分のより好ましい範囲はそれぞれ0〜7%であり、さらに好ましくは0〜5%である。
尚、MgO、CaO、SrO及びBaOを合量で0〜10%にすることが好ましい。これら成分の合量が10%より多くなると、ガラスが失透しやすく、ガラスの透過率が低下する傾向にあり、結果として、光学特性に優れた半導体素子が得難くなる。MgO+CaO+SrO+BaOのより好ましい範囲は0〜7%であり、さらに好ましくは1〜5%である。
また、上記成分以外にも、本発明の主旨を損なわない範囲で種々の成分を添加することができる。例えば、耐候性を向上させるために、ZnO、Ta、TiO、Nb、Gd、Laを合量で10%まで添加してもよい。
本発明の半導体封止材料は、上記組成となるように、ガラス原料を調合し、溶融してガラス化することで得ることができる。尚、溶融する際には、SnOがSnOに酸化されないように溶融することが重要であり、そのためには、原料中に還元剤を添加したり、中性或いは還元性雰囲気(非酸化性雰囲気)で溶融すればよい。
尚、封止材料の形態としては、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス成型体、ガラス粉末、ガラス粉末成型体、ガラス粉末成型体を焼成した焼成体、ペーストまたはグリーンシートの何れの形態であってもよい。
本発明の半導体封止材料をガラス成型体の形態にするには、溶融して得られたガラスを所望のサイズに切断、研磨加工することにより得ることができる。
また、ガラス粉末の形態にするには、溶融して得られたガラスをらいかい機等の粉砕機を用いて粉砕し、所望の粒度分布となるように分級ことにより得ることができる。
また、ガラス粉末成型体の形態にするには、上記のようにして得たガラス粉末に、必要に応じて樹脂バインダーを5質量%まで添加した後、金型で加圧成型することにより得ることができる。
また、焼成体の形態にするには、上記のようにして得たガラス粉末成型体を300〜400℃程度で焼成することにより得ることができる。尚、樹脂バインダーを添加したガラス粉末成型体を焼成する場合は、250℃以下の温度で脱バインダーを行った後、300〜400℃程度で焼成することにより得ることができる。また、焼成にあたっては、1気圧(1.013×10Pa)よりも低い気圧で焼成することが望ましい。このようにすることで、焼成体の気孔率(焼成体に残存する泡の占める割合)を小さくでき、光の散乱を少なくすることができる。
樹脂バインダーとしては、樹脂の分解終了温度が250℃以下のものを用いることが望ましく、例えば、ニトロセルロース、ポリイソブチルアクリレート、ポリエチルカーボネート等が挙げられる。これらを単独または混合して使用することができる。
また、ペーストの形態にするには、上記のようにして得たガラス粉末に、結合剤、溶剤等を添加し混練することにより得ることができる。
ペースト全体に占めるガラス粉末の割合としては、30〜90質量%が一般的である。
結合剤は、乾燥後の膜強度を高め、また柔軟性を付与する成分であり、その含有量は、0.1〜20質量%程度が一般的である。結合剤としては、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、エチルセルロース、ニトロセルロース等が挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。
溶剤は、材料をペースト化するために用いられ、その含有量は10〜50質量%程度が一般的である。溶剤としては、テルピネオール、酢酸イソアミル、トルエン、メチルエチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3ペンタジオールモノイソブチレート等が挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。
また、グリーンシートの形態にするには、上記のようにして得たガラス粉末に、結合剤、可塑剤、溶剤等を添加してスラリーとし、このスラリーをドクターブレード法によって、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフィルムの上にシート状に成型する。続けて、シートを成型した後、乾燥させることによって、有機系溶剤等を除去することで得ることができる。
グリーンシート中に占めるガラス粉末の割合は、50〜80質量%程度が一般的である。
結合剤及び溶剤としては、上記ペーストの調製に用いられるのと同様の結合剤及び溶剤を用いることができる。結合剤の混合割合としては、0.1〜30質量%程度が一般的であり、溶剤の混合割合としては、1〜40質量%程度が一般的である。
可塑剤は、乾燥速度をコントロールすると共に、乾燥させた膜に柔軟性を与える成分であり、その含有量は、0〜10質量%程度が一般的である。可塑剤としは、フタル酸ジブチル、ブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジブチルフタレート等が挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。
以下に、図1を用いて本発明の半導体素子を説明するが、本発明はこれに限定されない。
図1は本発明の半導体素子の断面図の一例である。1はマウント部、2は半導体(発光チップ)、3は封止材料、4はハウジングである。
1のマウント部は、電気的絶縁性に優れる樹脂、セラミックス、ガラス等からなるものが例示される。封止時にマウント部1が形成されている場合には、封止する際に温度が上昇してもその形状を安定に保持できるようなものでなければならず、例えば、アルミナからなるものが好ましい。
2の半導体は、典型的には波長が360〜480nmの紫外光または青色光を放出する半導体であり、GaNにInを添加したInGaNを発光層とする量子井戸構造の半導体(InGaN系発光素子)等が例示される。尚、半導体には電流を流すための電極及びリードフレーム、また、上面にはサファイア等からなる基板が存在するが図示はしていない。
3の封止材料は、半導体2を封止し、半導体素子の表面が大気に露出しないよう保護し、且つ光を透過させることによって半導体2から発する光を効果的に前面に導くためのものである。
ハウジング4は、通常、金属板の中央に孔が形成されたものである。この孔の内面は、発光素子2から水平方向に放出された光を反射して発光素子上面から効率よく取り出すために、図1に示すようにテーパー状とすることが好ましい。また、前記孔の形状は典型的には円であるが、これに限定されず、楕円、四角等でもよい。金属板としては、アルミニウム板またはアルミニウム合金板が例示される。この場合、紫外光および可視光に対する反射率は90%以上であるので発光素子からの光取り出し効率を高くできる。
また、電極とハウジング4の間には、電極とハウジング4を電気的に絶縁するための絶縁層が存在し、樹脂、セラミックス、ガラス等からなるものが例示されるが、図1には示していない。
本発明の半導体素子は、上記の封止材料を用いて半導体を封止することで得ることができる。
尚、ガラスバルクを所望の形状に加工した封止材料を用いて半導体を封止する場合、半導体を覆うようにガラス成型体の封止材料を配置し、加熱して封止材料を軟化させて融着させることで本発明の半導体素子を得ることができる。
また、ガラス粉末に加工した封止材料を用いて半導体を封止する場合、半導体を覆うように粉末状の封止材料を充填し、加熱して封止材料を軟化させて融着させることで本発明の半導体素子を得ることができる。
また、ガラス粉末を加圧成型した封止材料を用いて半導体を封止する場合、半導体上にガラス粉末成型体の封止材料を配置し、加熱して封止材料を軟化流動させることで本発明の半導体素子を得ることができる。
また、上記のようにして得たガラス粉末成型体を焼成した封止材料を用いて半導体を封止する場合、半導体上に焼成体の封止材料を配置し、加熱して封止材料を軟化流動させることで本発明の半導体素子を得ることができる。
ペースト状に加工した封止材料を用いて半導体を封止する場合、半導体を覆うようにペースト状の封止材料を塗布または充填し、乾燥させ、加熱することで本発明の半導体素子を得ることができる。
グリーンシート状に加工した封止材料を用いて半導体を封止する場合、半導体上にグリーンシート状の封止材料を配置し、加熱することで本発明の半導体素子を得ることができる。
尚、半導体の封止にあたっては、400℃以下の温度で封止することが好ましい。このようにすることで、半導体の劣化を抑え、光学特性に優れた半導体素子を得ることができる。封止温度が400℃より高くなると、半導体が劣化しやすくなる。封止温度のより好ましい範囲は380℃以下であり、より好ましくは360℃以下である。
また、1気圧(1.013×10Pa)よりも低い気圧、または、中性或いは還元性雰囲気(非酸化性雰囲気)で、半導体を封止することが好ましい。このようにすることで、雰囲気中の酸素の量を少なくすることができるため、半導体の酸化による劣化を防止することができる。また、SnO−P−B系ガラス中のSnOの酸化を防止でき、ガラスの透過率の低下を防止することができる。その結果、光学特性に優れた半導体素子を得ることができる。
特に、粉末状、粉末を加圧成型した成型体、ペースト状またはグリーンシート状に加工された封止材料を用いて半導体を封止する場合は、1気圧(1.013×10Pa)よりも低い気圧で半導体を封止することがより好ましい。このようにすることで、封止材料が軟化して融着する際に生じる泡が抜けやすくなり、封止部の気孔率(封止部に残存する泡の占める割合)を小さくでき、光の散乱が少なく透過率が高くなる。その結果、より光学特性に優れた半導体素子を得ることができる。封止雰囲気を1気圧以上にして焼成すると、封止時に、半導体やガラスが酸化されて劣化され易くなったり、また、封止時に泡が抜け難くなり、光学特性に優れた半導体素子が得難くなる。封止雰囲気の気圧の好ましい範囲は0.9×10Pa以下であり、より好ましくは1000Pa以下であり、更に好ましくは200Pa以下であり、特に好ましくは0.001〜200Paである。
以下、実施例に基づき本発明を説明する。
表1〜表4は、本発明の実施例(試料No.1〜23)及び比較例(試料No.24〜26)をそれぞれ示している。
Figure 0005477756
Figure 0005477756
Figure 0005477756
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表の各試料は、次のようにして調製した。
まず、表に示すガラス組成となるように原料を調合し、均一に混合した。次いで、調合した原料をアルミナ坩堝に入れてN雰囲気中で、900℃、2時間溶融(No.26のみ1200℃で2時間溶融)した後、ガラス融液の一部をカーボン板の上に流し出して、板状に成形し、残りをローラー成型器を用いてフィルム状に成形した。続いて、得られたフィルム状のガラスをらいかい機で粉砕した後、325メッシュの篩に通して分級し、ガラス粉末を得た。得られた板状ガラスについては、アニール後、切断、研磨加工を行い、ガラスの内部透過率及び屈折率の測定し、ガラス粉末については、軟化点を測定した。これらの測定結果を表に示した。
次に、得られたガラス粉末を金型に入れて加圧成形し、直径10mm、厚さ0.8mmの円盤状の成型体を作製し、封止材料を得た。
次に、アルミナ基板上に市販のチップ型青色LED(3×2×1.3mm)を設置した後、LED上に加圧成型した上記の封止材料を配置し、その後、これを表に示す圧力下及び温度で20分間加熱封止して半導体素子(発光素子)を得た。
このようにして得られた試料について、封止前、封止後及び耐候性試験後の発光効率を測定し、封止材料と半導体素子との反応性及び耐候性を評価し、結果を表に示した。
表から明らかなように、試料No.1〜22は、ガラスの軟化点が395℃以下と低いため、400℃以下の温度でLEDを封止することができた。また、ガラスの内部透過率が87%以上、屈折率(nd)が1.72〜1.85であるガラスからなる封止材料を用いてLEDを封止しているため、封止後の発光効率は8.2lm/W以上と高く、光学特性に優れていた。さらに、耐候性試験後の発光効率も7.0lm/W以上で、耐候性試験による発光効率の低下率(1−封止後の発光効率/耐候性試験後の発光効率)も30%以下と低く、耐候性にも優れていた。尚、試料No.23については、1気圧の圧力下の雰囲気で封止したため、封止する際に、封止部に微小な泡が多く残存し、封止部での散乱損失が大きくなり、試料No.1〜22に比べて、封止後の発光効率が7.9lm/Wと低かった。
これに対して、比較例である試料No.24は、軟化点が410℃高いため、封止時半導体が劣化し、封止後の発光効率が5.5lm/wと低かった。また、耐候性試験による発光効率の低下率は36%であり、耐候性も低かった。また、試料No.25は、封止する際に、封止材料とLEDが反応して半導体が劣化したため、発光しなかった。また、封止部には着色が認められた。さらに、試料No.26は、ガラスの軟化点が570℃と高いため、封止温度も高くなり、封止時に半導体が劣化し、発光しなかった。
尚、ガラスの内部透過率については、板状に成形したガラスを肉厚が1mmになるように光学研磨加工を行って、分光光度計を用いて波長588nmにおける透過率及び反射率を測定し、内部透過率(透過率に試料両面での反射率を加えた値)を求めた。
屈折率(nd)については、カルニュー屈折率計にてヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値で示した。
軟化点については、マクロ型示差熱分析計を用いて測定し、第四の変曲点の値を軟化点とした。
発光効率については、半導体素子を電流20mAで操作し、積分球内で、試料上面から発せられる光のエネルギー分布スペクトルを測定し、得られたスペクトルに標準比視感度を掛け合わせて全光束を計算し、得られた全光束を光源の電力(0.072W)で除して算出した。
また、封止材料と半導体素子との反応性の評価については、封止前後の発光効率の差で評価した。尚、この差が小さい程、半導体素子を封止する際の熱によって、封止材料が半導体素子と反応しにくいことを意味する。
また、耐候性の評価については、封止後の半導体素子をプレッシャークッカー試験機にて気圧2気圧、湿度95%、温度121℃の条件下に24時間放置し、耐候性試験前後の発光効率の差で評価した。尚、この差が小さい程、封止材料が耐候性に優れていることを意味する。
本発明の封止材料及び半導体素子は、LED用途に限られるものではなく、レーザーダイオード等のように、ハイパワーの励起光を発するものに用いることも可能である。
本発明の半導体素子の断面図の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 マウント部
2 半導体(発光チップ)
3 封止材料
4 ハウジング

Claims (7)

  1. 可視域において光を発する半導体を封止するための封止材料であって、厚さ1mm、波長588nmにおける内部透過率が80%以上であり、1.5〜2.2の屈折率(nd)を有し、且つ、400℃以下の軟化点を有し、B を1〜30モル%含有するSnO−P−B系ガラスのみからなることを特徴とする半導体封止材料。
  2. SnO−P−B系ガラスが、モル比で、SnO/P 0.9〜16であることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の半導体封止材料。
  3. SnO−P−B系ガラスが、モル百分率で、SnO 35〜80%、P 5〜40%、B 1〜30%、Al 0〜10%、SiO 0〜10%、LiO 0〜10%、NaO 0〜10%、KO 0〜10%、LiO+NaO+KO 0〜10%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜10%、SnO/P 0.9〜16であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体封止材料。
  4. ガラス成型体、ガラス粉末、ガラス粉末成型体または焼成体に加工されてなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の半導体封止材料。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の封止材料を用いて半導体を封止してなることを特徴とする半導体素子。
  6. 400℃以下の温度で半導体を封止してなることを特徴とする請求項に記載の半導体素子。
  7. 1気圧(1.013×10Pa)よりも低い気圧で半導体を封止してなることを特徴とする請求項またはに記載の半導体素子。
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