JP5473597B2 - アシルペルオキシドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、未反応のヒドロペルオキシドを回収し、かつ反応に返送することにより、有機ヒドロペルオキシドからアシルペルオキシドを製造する方法に関する。
アシルペルオキシドは、通常、一連のカルボン酸クロリド、カルボン酸無水物およびクロロホルミエートからのアシル化合物を有機ヒドロペルオキシドと反応させることによって製造される。この反応は、塩基の水溶液を添加しながら行なわれ、アシル化合物とヒドロペルオキシドとの反応の際に遊離する酸が結合する。この場合、この反応は、2相の反応混合物中で行なわれ、発熱を伴いながら進行する。
後の使用のためには、アシルペルオキシドは、使用されたアシル化合物をできるだけ含有していてはならない。従って、通常、有機ヒドロペルオキシドは、アシル化合物に対して化学量論的過剰量で使用され、アシル化合物のできるだけ完全な反応が達成される。更に、反応の場合、未反応の有機ヒドロペルオキシドは、残留したままである。
米国特許第2567615号明細書には、カルボン酸クロリドまたはカルボン酸無水物を第3アルキルヒドロペルオキシドとアルカリ金属水酸化物の存在で反応させることによるペルオキシエステルの製造が開示されている。アルキルヒドロペルオキシドが過剰量で使用される実施例8、9および10の記載から明らかなように、反応の際に得られた、炭酸ナトリウム10質量%および水を有する有機相を洗浄した場合に、ペルオキシエステルと共になお未反応のアルキルヒドロペルオキシドを含有する生成物が得られる。
米国特許第3138627号明細書には、溶剤を使用しながら低級脂肪族カルボン酸の第三ブチルペルオキシエステルを同様に製造することが開示されている。この刊行物は、当業者に、ペルオキシエステルをアルカリ性混合物とできるだけ迅速に分離し、塩基性溶液によって鹸化を回避するという教示を与える。
米国特許第4075236号明細書には、カルボン酸クロリドを過酸化水素およびアルカリ金属水酸化物と反応させることにより、ペルオキシエステルを製造するための連続的方法が開示されており、この場合には、2相の反応混合物が得られる。反応の場合、ヒドロペルオキシドは、0〜50%の過剰量で使用される。この場合、水相のpH値は、10〜14の範囲内にある。反応後、水相は、分離され、有機相は、複数の混合機−沈降タンク段階で洗浄される。水相は、全て廃棄される。未反応のヒドロペルオキシドの回収は、開示されていない。
米国特許第3849468号明細書には、2相の反応混合物中でカルボン酸クロリドを過酸化水素または第3ヒドロペルオキシドと、溶剤の存在で反応させることにより、アシルペルオキシドを製造するための連続的方法が開示されており、この場合には、水酸化ナトリウムが添加され、pH値は、3〜10の範囲内で調節される。この場合、第3ヒドロペルオキシドは、10〜20%のモル過剰量で使用される。この方法の場合には、反応は、環状反応器中で行なわれ、この環状反応器から反応混合物のそれぞれの循環の際に有機相および水相の一部分は、取り出され、洗浄塔に供給され、この洗浄塔中で有機相は、水との向流で洗浄される。洗浄塔中で生じる水相は、廃棄される。未反応のヒドロペルオキシドの回収は、開示されていない。
従って、未反応のヒドロペルオキシドを回収することができ、反応中に返送することができ、および僅かな含量の未反応のヒドロペルオキシドを有するアシルペルオキシドが得られる、有機ヒドロペルオキシドからアシルペルオキシドを製造するための方法が必要とされている。
本発明の対象は、次の工程:
a)アシル化合物と有機ヒドロペルオキシドと塩基の水溶液とを、2相の反応混合物を維持しながら反応させ、
b)工程a)で得られた反応混合物の水相のpH値を6〜13、特に11〜12.5の範囲内の値に調節し、
c)工程b)で得られた2相の混合物を水相と有機相とに分離し、
d)工程c)で得られた有機相を塩基の水溶液で抽出し、および
e)工程d)で得られた水性抽出物を工程a)に返送することを含む、一連のカルボン酸クロリド、カルボン酸無水物およびクロロホルミエートからのアシル化合物を有機ヒドロペルオキシドと反応させることによってアシルペルオキシドを製造する方法である。
本発明による方法は、工程a)で、水溶液の添加下での一連のカルボン酸クロリド、カルボン酸無水物およびクロロホルミエートからのアシル化合物と有機ヒドロペルオキシドとの反応を含む。塩基としては、水溶性金属水酸化物、水溶性第四アンモニウムヒドロキシドまたは水溶性第三アミンが使用される。好ましくは、塩基として、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物、特に有利に水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが使用される。この反応の場合、有機相と水相を含む2相の反応混合物が得られる。有機相は、反応の際に形成されるアシルペルオキシドを含有する。水相は、アシル化合物とヒドロペルオキシドとの反応の際に形成されたクロリド塩またはカルボキシレート塩を含有する。付加的に、水相には、アシル化合物と塩基との反応によって形成されたカルボキシレート塩が含有されていてよい。未反応の有機ヒドロペルオキシドは、有機相中に含有されていてもよいし、脱プロトン化された形でヒドロペルオキシド塩として水相中に含有されていてよく、この場合有機相と水相との間でのヒドロペルオキシドの分布は、水相のpH値および水相と有機相との間の有機ヒドロペルオキシドの分布係数に依存する。
次の工程b)で、工程a)で得られる2相の反応混合物中で、水相のpH値は、6〜13、特に11〜12.5の範囲内の値に調節される。この場合、pH値は、特に、未反応の有機ヒドロペルオキシドが有機相中で50%を超えて、特に有利に80%を超えて存在し、僅かな部分だけが脱プロトン化された形でヒドロペルオキシド塩として水相中に存在するように、低くなるように選択される。十分に低いpH値を選択することによって、工程c)で水相と分離される有機ヒドロペルオキシドの割合は、僅かになるように維持され、未反応のヒドロペルオキシドの大部分が工程e)で反応に返送されうるように、前記割合は、保証される。他面、特に、反応混合物中に存在するカルボン酸が80%を超えて、特に有利に90%を超えてカルボキシレート塩の形で水相中に存在し、僅かな部分だけが遊離カルボン酸の形で有機相中に存在するように、pH値は、高く選択される。十分に高いpH値を選択することによって、工程d)で不要な塩基がカルボン酸の脱プロトン化によって使用され、工程e)でカルボン酸をカルボキシレート塩の形で反応に返送され、そこで蓄積されることは、回避される。
工程a)で得られた反応混合物が既に本発明による範囲内のpH値を有する水相を有し、有機ヒドロペルオキシドが、望まれるように主に有機相中に存在する場合には、工程b)で塩基または酸を添加することは、不必要である。一般に、工程b)では酸の添加は、必要とされ、望ましいpH値および水相と有機相との間での有機ヒドロペルオキシドの望ましい分布が達成される。更に、特に、工程b)で鉱酸、特に有利に硫酸または塩酸は、添加され、pH値が調節される。しかし、酸無水物をアシル化合物として使用する場合には、塩基の添加が要求されてもよく、望ましいpH値が達成される。
引続き、さらに工程c)では、工程b)で得られた2相の混合物が水相と有機相とに分離される。工程b)で行なわれる、pH値の調節によって、工程c)で分離された水相は、極めて微少量の有機ヒドロペルオキシドを含有し、したがって一般に、さらに前処理することなく、生物学的排水処理に供給されることができる。これとは異なり、水相は、反応の際に形成されたカルボキシレート塩の大部分を含有し、このカルボキシレート塩の大部分は、工程c)でアシルペルオキシドから分離される。
その後に、工程d)では、工程c)で得られた有機相は、塩基の水溶液で抽出される。この塩基の濃度は、特に、抽出の際に有機相中に含有されている有機ヒドロペルオキシドの大部分、特に有利に95%超がヒドロペルオキシド塩の形で水相中に抽出され、こうして有機相中に残留するアシルペルオキシドから分離される。抽出に使用される、塩基の水溶液の量は、特に、該水溶液中に含有されている塩基の量が工程a)で反応に必要とされる塩基の量を上廻らないように選択される。
引続き、工程e)では、工程d)で得られた水性抽出物が該水性抽出物中にヒドロペルオキシド塩の形で含有されている有機ヒドロペルオキシドと一緒に工程a)に返送される。未反応の有機ヒドロペルオキシドの返送によって、過剰量で使用される有機ヒドロペルオキシドの場合にもアシルペルオキシドへのヒドロペルオキシドの殆んど完全な変換が達成されうる。
本発明による方法は、個々の工程で連続的ならびに非連続的に実施されることができ、この場合連続的な工程は、非連続的な工程と組み合わされていてもよい。
工程a)では、アシル化合物と有機ヒドロペルオキシドとの反応は、特に、2相の反応混合物の良好な分散が大きな相境界面の形成下に保証されているような、1個以上の十分に混合された反応器中で行なわれる。適当な十分に混合する反応器は、例えば攪拌釜反応器、環状反応器または乱流を有する管状反応器であり、この場合乱流は、場合によっては取付け物によって発生されうる。特に、冷却された反応器が使用され、遊離する反応熱は、ほぼ一定の温度で導出される。特に好ましくは、工程a)での反応は、連続的に直列接続された十分に混合する複数の反応器からなる装置中で実施される。
使用される反応条件下で液状であるアシルペルオキシドを製造する場合には、工程a)での反応は、特に溶剤なしに実施される。
使用される反応条件下で固体であるアシル化合物および/または有機ヒドロペルオキシドは、工程a)で特に溶剤中の溶液の形で使用される。この場合、溶剤としては、反応条件下でアシル化合物とも反応しないし、有機ヒドロペルオキシドまたは塩基とも反応しない、当業者に公知の全ての溶剤が適している。特に、使用された反応温度の場合に1g/l未満の水中での溶解度を有する溶剤が使用される。適当な溶剤は、例えばトルエンおよびイソドデカンである。
使用される反応条件下で固体であるアシルペルオキシドを製造する場合には、特にアシルペルオキシドのための溶剤は、工程a)で、有機相として溶剤中のアシルペルオキシドの液状溶液が得られることを保証する量で添加される。特に、使用された反応温度の場合に1g/l未満の水中での溶解度を有する溶剤が使用される。適当な溶剤は、例えばトルエンおよびイソドデカンである。
有機ヒドロペルオキシドとアシル化合物とのモル比は、工程a)での反応の際に特に1.01:1〜2:1、特に有利に1.05:1〜1.5:1の範囲内にある。このモル比は、工程e)での水性抽出物の返送によって反応に戻される有機ヒドロペルオキシドの量も含む。この場合、アシル化合物に対する有機ヒドロペルオキシドの過剰量は、特に、工程a)で90%を上廻る、特に有利に93%を上廻るアシル化合物の変換率が達成されるように選択される。
構造式R1C(O)Clのカルボン酸クロリドまたは構造式R1C(O)OC(O)R1のカルボン酸無水物を構造式R2OOHのヒドロペルオキシドと反応させる場合には、工程a)で構造式R1C(O)OOR2のペルカルボン酸エステルが得られる。この場合、アシル化合物とヒドロペルオキシドは、特に1:1.10〜1:2、特に有利に1:1.01〜1:1.5のモル比で使用される。アシル化合物と塩基(有利にアルカリ金属水酸化物)とのモル比は、特に1:0.8〜1:5、特に有利に1:1〜1:3.5の範囲内にある。工程e)で返送される水性抽出物に加えて工程a)でさらに塩基の水溶液を添加する場合には、この添加は、特に、反応混合物の水相中で8〜14、特に11〜14の範囲内のpH値が生じるように行なわれる。反応は、特に−10〜50℃、特に有利に10〜40℃の範囲内の温度で行なわれる。
構造式R1OC(O)Clのクロロホルミエートと構造式R2OOHのヒドロペルオキシドとの反応の場合には、工程a)で構造式R1OC(O)OOR2のペルオキソモノカーボネートが得られる。この場合、クロロホルミエートとヒドロペルオキシドは、特に1:1.01〜1:2、特に有利に1:1.01〜1:1.5のモル比で使用される。クロロホルミエートと塩基(有利にアルカリ金属水酸化物)とのモル比は、特に1:1〜1:2、特に有利に1:1.2〜1:1.5の範囲内にある。工程e)で返送される水性抽出物に加えて工程a)でさらに塩基の水溶液を添加する場合には、この添加は、特に、反応混合物の水相中で8〜14、特に10〜14の範囲内のpH値が生じるように行なわれる。反応は、特に−10〜50℃、特に有利に10〜40℃の範囲内の温度で行なわれる。
カルボン酸クロリドとしては、特に一連の塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチリル、塩化イソブチリル、塩化バレロイル、2−メチルブチリルクロリド、塩化ピバロイル、2−メチルペンタノイルクロリド、2−エチルブチリルクロリド、2−エチルヘキサノイルクロリド、塩化ノナノイル、2,4,4−トリメチルペンタノイルクロリド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルクロリド、塩化デカノイル、塩化ネオデカノイル、塩化ラウロイル、塩化ベンゾイル、2−メチルベンゾイルクロリド、4−メチルベンゾイルクロリド、4−クロロベンゾイルクロリド、2,4−ジクロロベンゾイルクロリドおよび塩化ナフトイルが使用される。特に有利には、カルボン酸クロリドとして塩化ピバロイル、2−エチルヘキサノイルクロリドまたは塩化ベンゾイルが使用される。
カルボン酸無水物としては、特に一連の無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸および無水フタル酸が使用される。
クロロホルミエートとしては、特に一連のメチルクロロホルミエート、エチルクロロホルミエート、n−プロピルクロロホルミエート、イソプロピルクロロホルミエート、n−ブチルクロロホルミエート、第二ブチルクロロホルミエート、2−エチルヘキシルクロロホルミエート、イソトリデシルクロロホルミエート、ミリスチルクロロホルムエート、セチルクロロホルミエート、ステアリルクロロホルミエート、シクロヘキシルクロロホルミエート、4−第三ブチルシクロヘキシルクロロホルミエート、ベンジルクロロホルミエートおよび2−フェノキシエチルクロロホルミエートが使用される。特に有利には、クロロホルミエートとして2−エチルヘキシルクロロホルミエートが使用される。
有機ヒドロペルオキシドとしては、特に一連の第三ブチルヒドロペルオキシド、第三アミルヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、テトラリンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、4−第三ブチルクメンヒドロペルオキシド、1,3−ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシドおよび1,4−ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシドが使用される。特に有利には、有機ヒドロペルオキシドとして第三ブチルヒドロペルオキシドが使用される。
工程b)でpH値の調節は、特に連続的に駆動する攪拌釜中で行なわれ、この場合水相のpH値は、望ましい値への酸またはアルカリ液の添加によるpHの調節によって維持される。
工程c)での相分離は、公知方法で行なわれる。特に、工程b)およびc)は、当業者に混合機−沈降タンクとして公知の装置中で連続的に実施される。
工程d)での抽出は、特に0.5mol/lを上廻る、特に有利に2モルを上廻る塩基を含有する水溶液で実施される。
有利には、塩基としてアルカリ金属水酸化物、特に有利に水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが使用される。高い濃度の塩基を使用することによって、工程e)で工程a)の反応へ返送される水の量は、少なく維持されうる。これは、工程a)〜d)で使用される装置が小さな容積を有しうるという利点を有する。
工程d)での抽出のためには、当業者に公知の全ての液液抽出用装置を使用することができる。好ましくは、抽出は、連続的に、特に有利に有機層と塩基の水溶液とが向流で抽出装置に貫流されるような向流抽出の形で実施される。この場合、向流抽出は、特に、水相中への有機ヒドロペルオキシドの抽出のために2〜10段の理論段の分離作用が達成されるように設計されている。
工程d)での抽出は、特に、有機相と水溶液との接触時間が20分未満、特に有利に2分未満であるように実施される。接触時間を制限することによって、アシルペルオキシドが塩基の水溶液によって鹸化され、カルボキシレート塩およびヒドロペルオキシドに変わることは、十分に回避することができる。更に、鹸化による生成物の損失は、抽出を特に10〜50℃、特に有利に15〜30℃の範囲内の温度で実施することにより、僅かに維持することができる。
1つの特に好ましい実施態様において、工程d)での抽出は、遠心抽出器中で実施され、この遠心抽出器は、多工程での向流抽出が2分未満の有機相と水溶液との接触時間で行なわれるように設計されている。適した遠心抽出器は、公知技術水準、例えばUllmann's Encyclopedia of Chemical Technology, Vol. B3, 第6-21〜6-22頁の記載から当業者に公知である。
工程d)での抽出により得られる有機相は、アシルペルオキシドおよび場合によっては工程a)で添加された溶剤を含有する。この有機相は、特になお少なくとも1つの洗浄に掛けられ、有機相中に分散された、塩基的に反応する水相の残分および場合によってはヒドロペルオキシドの残分が除去される。洗浄は、特に、ヒドロペルオキシドの除去のために適した、特に有機相中で殆んど可溶性でない還元剤を添加することができる水性酸を用いて行なわれる。遠心抽出器を使用する場合には、洗浄は、有利に工程d)の抽出に後接続された、装置の区間内で行なうことができ、この区間から使用された洗浄液は、工程d)の水性抽出物とは別個に得られる。
工程d)で得られた有機相から、場合によっては早期の洗浄後に、特になお有機相中に溶解されたおよび/または分散された水は、乾燥によって除去される。この場合、乾燥は、水を吸収する吸収剤によって、真空中での乾燥によって、またはガス流でのストリッピングによって引き起こすことができる。特に、乾燥は、ガス流でのストリッピングによって20〜100ミリバールの範囲内の圧力および10〜50℃の範囲内の温度で実施される。
本発明による方法は、反応のために化学量論的量と比較して高められた量のヒドロペルオキシドを使用することなしに、過剰量のヒドロペルオキシドを使用しながらアシル化合物および有機ヒドロペルオキシドからのアシルペルオキシドの製造を実施することを可能にする。過剰量のヒドロペルオキシドを使用することによって、反応は、迅速にアシル化合物への高い変換率を生じることができ、したがって工程a)でよりいっそう少ない反応容量が必要とされ、このことは、装置の場合の節約と共に反応器中でのアシルペルオキシドが微少量であるためのよりいっそう高い安全性を生じる。本発明による方法の場合には、取り出される水相と共に微少量の溶解されたヒドロペルオキシドが搬出されるので、本発明による方法の場合も微少量の排水負荷が生じる。更に、未反応のヒドロペルオキシドを分離することによって、本発明による方法でよりいっそう高い純度を有する生成物が得られる。
図1は、遠心抽出器を使用しながらの本発明による方法の1つの好ましい実施態様を示す。
図1に示された好ましい実施態様の場合、工程a)は、冷却ジャケット(1)を備えた攪拌釜中で実施され、この冷却ジャケットには、アシル化合物(2)および有機ヒドロペルオキシド(3)が供給される。工程b)は、攪拌容器(4)中で実施され、この攪拌容器には、工程a)からの2相の反応混合物が供給される。攪拌容器(4)中で、酸(5)を水相に添加することによって、望ましいpH値は調節される。工程b)で得られた2相の混合物は、容器(6)に供給され、工程c)で水相と有機相への分離が行なわれる。工程c)で得られた水相(7)は、取り出される。工程c)で得られた有機相は、遠心抽出器(8)に供給され、この遠心抽出器中で前記有機相は、工程d)でアルカリ金属水酸化物の水溶液(9)で抽出される。工程d)で得られた水性抽出物は、工程e)で導管(10)を介して工程a)の攪拌釜(1)中に返送される。工程a)で付加的に、溶液(9)中に含有されている量のアルカリ金属水酸化物に必要とされる量のアルカリ金属水酸化物は、アルカリ金属水酸化物の水溶液(11)として工程a)に供給される。アシルペルオキシドを含有しかつ未反応のヒドロペルオキシドから除去された、工程e)で得られる有機相は、洗浄および乾燥のために他の図示されていない工程に掛けることができる。
遠心抽出器を使用しながらの本発明による方法を実施するための装置の1つの好ましい実施態様を示す系統図。
次の実施例は、本発明による方法を説明するものであるが、しかし、これに限定されるものではない。
試験の実施
反応は、1m3/hの流速を有するポンプで反応混合物を熱交換器に導通させる、2.2 lの溶液を有する環状反応器と、それぞれ1.7 lの容積の重なり合って配置された6個の室を有する後接続された攪拌セル型反応器と、共通の冷却ジャケットとからなる反応装置中で行なわれ、この場合隣接した室は、それぞれ通路を介して互いに結合されている。それぞれの室内には、攪拌機が取り付けられており、この場合全ての攪拌機は、共通の軸上で運転される。それ故に、攪拌セル型反応器は、直列接続された6個の連続的な攪拌釜反応器に相当する。使用物質を、環状反応器中で循環ポンプの直前で結合導管中へ供給する。環状反応器から取り出された反応混合物を、攪拌セル型反応器の最下の室へ供給し、変換された反応混合物を、攪拌セル型反応器の最上の室から溢流管により取り出す。次に、反応混合物を、冷却された連続した攪拌釜に供給し、この攪拌釜中で塩酸水溶液の添加により10〜12の範囲内のpH値への部分的な中和を行ない、場合によっては溶剤を添加する。その後に、部分的に中和された反応混合物を、沈殿容器中で水相と有機相とに分離する。引続き、有機相を遠心抽出器中で水酸化カリウムの水溶液との向流で抽出し、得られた水性抽出物を環状反応器中へ返送する。有機相を抽出後に洗浄し、ストリッピングによって充填塔内で真空中で乾燥する。
実施例1
第三ブチルペルオキシピバレートの製造
環状反応器を反応開始前に水中の第三ブチルヒドロペルオキシド26.0質量%および水酸化カリウム16.2質量%の溶液で充填する。次に、環状反応器に水中の第三ブチルヒドロペルオキシド70質量%の溶液26.0kg/h、水中の水酸化カリウム45質量%の溶液25.0kg/h、水26.4kg/hおよび塩化ピバロイル18.0kg/hを供給する。冷却水での冷却により、環状反応器中の内部温度を15℃に維持し、攪拌セル型反応器中の内部温度を10℃に維持する。部分的中和を31質量%塩酸6.0kg/hでイソドデカン8.2kg/hの添加下に8℃の温度で行なう。有機相の抽出を水酸化カリウム20質量%の溶液33.2kg/hで行なう。この場合、第三ブチルヒドロペルオキシド11.6質量%および水酸化カリウム17.6質量%を有する水性抽出物37.4kg/hが得られ、この水性抽出物を環状反応器中へ返送する。水性抽出物が環状反応器中へ返送される時点から、使用物質の計量供給量を水中の第三ブチルヒドロペルオキシド70質量%の溶液19.8kg/h、水中の水酸化カリウム45質量%の溶液10.2kg/hおよび水9.8kg/hへ変える。有機相を抽出後に亜硫酸ナトリウム1質量%および硫酸0.2質量%の溶液36.0kg/hで洗浄し、ストリッピングによって20℃および45ミリバールで乾燥する。イソドデカン中の第三ブチルペルオキシピバレートの75.3質量%溶液32.4kg/hが得られる(塩化ピバロイルに対して93.7%)。
抽出された第三ブチルヒドロペルオキシドの返送の運転中、使用物質の第三ブチルヒドロペルオキシドと塩化ピバロイルとのモル比は、1.03:1である。
実施例2
第三ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートの製造
環状反応器を反応開始前に水中の第三ブチルヒドロペルオキシド25.8質量%および水酸化カリウム16.4質量%の溶液で充填する。次に、環状反応器に最初に、水中のブチルヒドロペルオキシド70質量%の溶液24.6kg/h、水中の水酸化カリウム45質量%の溶液24.0kg/h、水17.4kg/hおよび2−エチルヘキサノイルクロリド24.0kg/hを供給する。冷却水での冷却により、環状反応器中の内部温度を35℃に維持し、攪拌セル型反応器中の内部温度を27℃に維持する。部分的中和を31質量%塩酸5.4kg/hで水6.0kg/hの添加下に18℃の温度で行なう。有機相の抽出を水酸化カリウムの15質量%水溶液26.0kg/hで行なう。この場合、第三ブチルヒドロペルオキシド10.8質量%および水酸化カリウム13.4質量%を有する水性抽出物29.2kg/hが得られ、この水性抽出物を環状反応器中へ返送する。水性抽出物が環状反応器中へ返送される時点から、使用物質の計量供給量を水中の第三ブチルヒドロペルオキシド70質量%の溶液20.0kg/h、水中の水酸化カリウム45質量%の溶液15.4kg/hおよび水1.4kg/hへ変える。有機相を抽出後に亜硫酸ナトリウム1質量%および硫酸0.2質量%の溶液36.0kg/hで洗浄し、ストリッピングによって33℃および40ミリバールで乾燥する。99.3%の純度を有する第三ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート31.6kg/hが得られる(2−エチルヘキサノイルクロリドに対して98.5%)。
抽出された第三ブチルヒドロペルオキシドの返送の運転中、使用物質の第三ブチルヒドロペルオキシドと塩化ピバロイルとのモル比は、1.03:1である。
実施例3
第三アミルペルオキシピバレートの製造
環状反応器を反応開始前に水中の第三アミルヒドロペルオキシド23.1質量%、水酸化カリウム9.9質量%および水酸化ナトリウム8.3質量%の溶液で充填する。次に、環状反応器に水中の第三アミルヒドロペルオキシド88質量%の溶液20.0kg/h、水中の水酸化カリウム45質量%の溶液15.8kg/h、水中の水酸化ナトリウム50質量%の溶液11.8kg/h、水24.2kg/hおよび塩化ピバロイル18.0kg/hを供給する。冷却水での冷却により、環状反応器中の内部温度を18℃に維持し、攪拌セル型反応器中の内部温度を10℃に維持する。部分的中和を31質量%塩酸11.4kg/hでイソドデカン7.4kg/hの添加下に10℃の温度で行なう。有機相の抽出を水酸化カリウムの16質量%水溶液27.8kg/hで行なう。この場合、第三アミルヒドロペルオキシド5.8質量%および水酸化カリウム15.1質量%を有する水性抽出物29.4kg/hが得られ、この水性抽出物を環状反応器中へ返送する。水性抽出物が環状反応器中へ返送される時点から、使用物質の計量供給量を水中の第三ブチルヒドロペルオキシド88質量%の溶液18.2kg/h、水中の水酸化カリウム45質量%の溶液5.8kg/hおよび水6.6kg/hへ変える。有機相を抽出後に亜硫酸ナトリウム5質量%および硫酸0.2質量%の溶液36kg/hで洗浄し、ストリッピングによって20℃および45ミリバールで乾燥する。イソドデカン中の第三アミルペルオキシピバレートの76.6質量%溶液34.4kg/hが得られる(塩化ピバロイルに対して93.9%)。
抽出された第三ブチルヒドロペルオキシドの返送の運転中、使用物質の第三ブチルヒドロペルオキシドと塩化ピバロイルとのモル比は、1.03:1である。
実施例4
第三ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエートの製造
環状反応器を反応開始前に水中の第三ブチルヒドロペルオキシド25.7質量%および水酸化カリウム15.0質量%の溶液で充填する。次に、環状反応器に水中の第三ブチルヒドロペルオキシド70質量%の溶液20.2kg/h、水中の水酸化カリウム45質量%の溶液18.2kg/h、水16.2kg/hおよび3,5,5−トリメチルヘキサノイルクロリド19.2kg/hを供給する。冷却水での冷却により、環状反応器中および攪拌セル型反応器中の内部温度をそれぞれ25℃に維持する。部分的中和を4質量%塩酸27.6kg/hで15℃の温度で行なう。有機相の抽出を水酸化カリウムの20質量%溶液23.6kg/hで行なう。この場合、第三ブチルヒドロペルオキシド9.6質量%および水酸化カリウム18.0質量%を有する水性抽出物26.2kg/hが得られ、この水性抽出物を環状反応器中へ返送する。水性抽出物が環状反応器中へ返送される時点から、使用物質の計量供給量を水中の第三ブチルヒドロペルオキシド70質量%の溶液16.6kg/h、水中の水酸化カリウム45質量%の溶液7.8kg/hおよび水4.8kg/hへ変える。有機相を抽出後に亜硫酸ナトリウム3質量%および硫酸1質量%の溶液33.8kg/hで洗浄し、ストリッピングによって34℃および45ミリバールで乾燥する。99.9%の純度を有する第三ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート24.6kg/hが得られる(3,5,5−トリメチルヘキサノイルクロリドに対する収率98.2%)。
抽出された第三ブチルヒドロペルオキシドの返送の運転中、使用物質の第三ブチルヒドロペルオキシドと塩化ピバロイルとのモル比は、1.03:1である。
実施例5
第三ブチルペルオキシイソブチレートの製造
環状反応器を反応開始前に水中の第三ブチルヒドロペルオキシド24.4質量%および水酸化カリウム12.70質量%の溶液で充填する。次に、環状反応器に水中の第三ブチルヒドロペルオキシド70質量%の溶液33.6kg/h、水中の水酸化カリウム45質量%の溶液27.0kg/h、水35.0kg/hおよびイソブチロイルクロリド18.4kg/hを供給する。冷却水での冷却により、環状反応器中の内部温度を11℃に維持し、攪拌セル型反応器中の内部温度を12℃に維持する。部分的中和を31質量%塩酸3.6kg/hでイソドデカン8.0kg/hの添加下に8℃の温度で行なう。有機相の抽出を水酸化カリウムの15質量%水溶液33.0kg/hで行なう。この場合、第三ブチルヒドロペルオキシド17,1質量%および水酸化カリウム12.2質量%を有する水性抽出物39.8kg/hが得られ、この水性抽出物を環状反応器中へ返送する。水性抽出物が環状反応器中へ返送される時点から、使用物質の計量供給量を水中の第三ブチルヒドロペルオキシド70質量%の溶液23.8kg/h、水中の水酸化カリウム45質量%の溶液16.0kg/hおよび水15.8kg/hへ変える。有機相を抽出後に亜硫酸ナトリウム3質量%および硫酸1質量%の溶液36kg/hで洗浄し、ストリッピングによって18℃および58ミリバールで乾燥する。イソドデカン中の第三ブチルペルオキシイソブチレートの76.5質量%溶液33.4kg/hが得られる(イソブチロイルクロリドに対して収率92.8%)。
抽出された第三ブチルヒドロペルオキシドの返送の運転中、使用物質の第三ブチルヒドロペルオキシドと塩化ピバロイルとのモル比は、1.07:1である。
実施例6
第三ブチルペルオキシベンゾエートの製造
環状反応器を反応開始前に水中の第三ブチルヒドロペルオキシド19.6質量%および水酸化ナトリウム9.0質量%の溶液で充填する。次に、環状反応器に最初に、水中の第三ブチルヒドロペルオキシド70質量%の溶液18.4kg/h、水中の水酸化ナトリウム50質量%の溶液11.8kg/h、水35.2kg/hおよび塩化ベンゾイル18.0kg/hを供給する。冷却水での冷却により、環状反応器中の内部温度を12℃に維持し、攪拌セル型反応器中の内部温度を11℃に維持する。部分的中和を31質量%塩酸2.2kg/hで水6.0kg/hの添加下に16℃の温度で行なう。有機相の抽出を水酸化ナトリウムの15質量%水溶液17.2kg/hで行なう。この場合、第三ブチルヒドロペルオキシド6.3質量%および水酸化ナトリウム14.1質量%を有する水性抽出物18.4kg/hが得られ、この水性抽出物を環状反応器中へ返送する。水性抽出物が環状反応器中へ返送される時点から、使用物質の計量供給量を水中の第三ブチルヒドロペルオキシド70質量%の溶液16.8kg/h、水中の水酸化ナトリウム50質量%の溶液6.6kg/hおよび水23.0kg/hへ変える。有機相を抽出後に亜硫酸ナトリウム1質量%および硫酸0.4質量%の溶液36.0kg/hで洗浄し、ストリッピングによって35℃および43ミリバールで乾燥する。99.7%の純度を有する第三ブチルペルオキシベンゾエート23.8kg/hが得られる(塩化ベンゾイルに対して収率95.3%)。
抽出された第三ブチルヒドロペルオキシドの返送の運転中、使用物質の第三ブチルヒドロペルオキシドと塩化ベンゾイルとのモル比は、1.02:1である。
1 冷却ジャケット、 2 アシル化合物、 3 有機ヒドロペルオキシド、 4 攪拌容器、 5 酸、 6 容器 、7 水相、 8 遠心抽出器、 9 アルカリ金属水酸化物の水溶液、 10 導管、 11 アルカリ金属水酸化物の水溶液

Claims (13)

  1. 一連のカルボン酸クロリド、カルボン酸無水物およびクロロホルミエートからのアシル化合物を有機ヒドロペルオキシドと反応させることによってアシルペルオキシドを製造する方法において、次の工程:
    a)アシル化合物と有機ヒドロペルオキシドと塩基の水溶液とを反応させ、2相の反応混合物を得て、
    b)工程a)で得られた反応混合物の水相のpH値を6〜13の範囲内の値に調節し、
    c)工程b)で得られた2相の混合物を水相と有機相とに分離し、
    d)工程c)で得られた有機相を塩基の水溶液で抽出し、および
    e)工程d)で得られた水性抽出物を工程a)に返送することを含むことを特徴とする、一連のカルボン酸クロリド、カルボン酸無水物およびクロロホルミエートからのアシル化合物を有機ヒドロペルオキシドと反応させることによってアシルペルオキシドを製造する方法。
  2. 工程a)で有機ヒドロペルオキシドのアシル化合物に対するモル比は、1.01〜2の範囲内にある、請求項1記載の方法。
  3. 工程a)で有機ヒドロペルオキシドのアシル化合物に対するモル比は、1.05〜1.5の範囲内にある、請求項2記載の方法。
  4. 工程a)で得られた反応混合物の水相のpH値を11〜12.5の範囲内の値に調節する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程d)で塩基の水溶液は、0.5mol/lを上廻る塩基の含量を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程d)で塩基の水溶液は、2mol/lを上廻る塩基の含量を有する、請求項5記載の方法。
  7. 工程d)での抽出を向流抽出として実施する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程d)で有機相と水溶液との接触時間は、20分未満である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程d)で有機相と水溶液との接触時間は、2分未満である、請求項8記載の方法。
  10. 抽出を遠心抽出器中で実施する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. アシル化合物は、一連の塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチリル、塩化イソブチリル、塩化バレロイル、2−メチルブチリルクロリド、塩化ピバロイル、2−メチルペンタノイルクロリド、2−エチルブチリルクロリド、2−エチルヘキサノイルクロリド、塩化ノナノイル、2,4,4−トリメチルペンタノイルクロリド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルクロリド、塩化デカノイル、塩化ネオデカノイル、塩化ラウロイル、塩化ベンゾイル、2−メチルベンゾイルクロリド、4−メチルベンゾイルクロリド、4−クロロベンゾイルクロリド、2,4−ジクロロベンゾイルクロリドおよび塩化ナフトイルからのカルボン酸クロリドである、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. アシル化合物は、一連のメチルクロロホルミエート、エチルクロロホルミエート、n−プロピルクロロホルミエート、イソプロピルクロロホルミエート、n−ブチルクロロホルミエート、第二ブチルクロロホルミエート、2−エチルヘキシルクロロホルミエート、イソトリデシルクロロホルミエート、ミリスチルクロロホルエート、セチルクロロホルミエート、ステアリルクロロホルミエート、シクロヘキシルクロロホルミエート、4−第三ブチルシクロヘキシルクロロホルミエート、ベンジルクロロホルミエートおよび2−フェノキシエチルクロロホルミエートからのクロロホルミエートである、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 有機ヒドロペルオキシドは、一連の第三ブチルヒドロペルオキシド、第三アミルヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、テトラリンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、4−第三ブチルクメンヒドロペルオキシド、1,3−ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシドおよび1,4−ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシドから選択される、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
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