JP5473443B2 - カテーテル - Google Patents

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Description

本発明は医療用途に使用されるカテーテルに関し、さらに詳しくは末梢血管成形、冠状動脈成形及び弁膜成形等を実施する際の経皮的血管形成術(PTA:Percutaneous Transluminal Angioplasty,PTCA:Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)において使用されるマイクロカテーテルや狭窄部貫通用の穿通カテーテル、局所部位に治療物質を投与可能な注入カテーテル、ガイディングカテーテル等に関するものである。
従来より、経皮的血管形成術は血管内腔の狭窄部や閉塞部などを拡張治療し、冠動脈や末梢血管などの血流の回復または改善を目的として広く用いられている。バルーンカテーテルを用いたPTCAの一般的な術例は以下のとおりである。まず、ガイディングカテーテルを大腿動脈、上腕動脈、橈骨動脈等の穿刺部位から挿通し大動脈を経由させて冠状動脈の入口にその先端を配置する。次に前記ガイドワイヤルーメンに挿通したガイドワイヤを冠状動脈の狭窄部位を越えて前進させ、このガイドワイヤに沿ってバルーンカテーテルを挿入してバルーンを狭窄部に一致させる。次いで、インデフレータ等のデバイスを用いてインフレーションルーメンを経由して圧力流体を前記バルーンに供給し、前記バルーンを膨張させることで当該狭窄部を拡張治療する。当該狭窄部を拡張治療した後は、バルーンを減圧収縮させて体外へ抜去することでPTCAを終了する。
狭窄度が非常に高い病変や慢性完全閉塞病変等に対しては、狭窄部位を越えてガイドワイヤを前進させられず治療が行えない場合がある。このような場合にはマイクロカテーテル、穿通カテーテルが使用され、狭窄部位を越えてのガイドワイヤの前進が実現される。
また、PTCAに際して、狭窄部位への治療物質の局所投与が必要となる場合がある。血栓溶解剤を局所投与して血栓を溶解させる治療等が一例として挙げられる。このような場合には治療物質を局所投与する注入カテーテルが使用される。
医療用拡張カテーテルを使用した治療対象のうちでも特に冠動脈血管における慢性完全閉塞(CTO)病変に対する拡張治療は特殊であり、拡張前に行うガイドワイヤやバルーンカテーテルの病変部への通過操作は困難を極める。
上記のような特殊な病変に対しては、ガイドワイヤをマイクロカテーテル、穿通カテーテル等によりバックアップしながらガイドワイヤを病変部に通過させる。さらには、バルーンカテーテルやステントデリバリーカテーテル等の拡張治療デバイスの狭窄部通過を容易にするためにマイクロカテーテルや穿通カテーテルを狭窄部に予め通過させる場合がある。また、マイクロカテーテルや穿通カテーテル等を狭窄部に通過させた後にガイドワイヤの交換が行われる場合もある。このように狭窄の厳しい病変部に対して、柔軟なカテーテルを通過させるとき、場合によっては、カテーテルの先端に配置しているX線不透過マーカーが狭窄部に引っ掛かる場合がある。このとき、無理にカテーテルを引き抜くとX線不透過マーカーが脱落し、体内に残留するリスクが非常に高くなる。この対策として、一般的に外径を増大させることによるカテーテル断面積の増大による先端部破断強度の向上や先端部の外層樹脂の剛直化によりは先端部破断強度の向上が図られるが、これらは屈曲の厳しい血管や厳しい狭窄病変の通過を行うためのカテーテルに適応した場合、意図する性能を実現できない。
上記に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、屈曲した血管内の遠位側にあるCTO病変のように狭窄の厳しい病変部においても容易にデリバリーや病変通過が可能となるようなシャフト柔軟性を有し、かつ、カテーテル先端部に配置したX線不透過マーカーの引っ掛かりを低減し、かつ万が一引っ掛かった場合においてもリングマーカーを含む先端チップの脱落リスクを低減するカテーテルを提供することである。
発明のカテーテルは内層と前記内層の外側に位置する補強層と、前記補強層の外側に位置する外層と、X線不透過マーカーと、を含む。そして、このカテーテルでは、前記X線不透過マーカーは、中間層を介して、前記補強層上に配置され、前記中間層は、前記外層よりも硬度が高く、前記X線不透過マーカーよりも先端側および基端側では、前記中間層の無い複層部分が存在することを特徴とする
本発明によって、X線不透過マーカーが強固に中間層にのめりこみ、密着することによりX線不透過マーカーを含む先端部の脱落強度を向上することが可能となる。さらには、硬度の硬い中間層が補強層の変形を抑制することにより、カテーテル全体を引っ張った場合に補強層の縮径を抑制し、X線不透過マーカーの脱落強度を向上することが可能となる。さらには、補強層の縮径を抑制することにより、X線不透過マーカー部分前後の縮径が低減され、段差が発生しにくくなることにより病変部等への引っかかりの低減も可能となる。さらには、本来X線不透過マーカーの脱落強度を向上させるために用いられる外層を柔軟にすることが可能となり、屈曲の激しい血管内でもスムースに進入していくことが可能となる。さらには、外層の肉厚も低減可能となり、細径化が可能となる。
また、本発明のカテーテルでは、前記中間層の長さは、X線不透過マーカー前後の前記補強層の縮径を低減させられるだけの長さであると望ましい。
また、本発明のカテーテルでは、前記中間層の長さは、前記X線不透過マーカーと同じまたはそれ以上の長さであると望ましい
また、本発明のカテーテルでは、前記中間層は、前記外層と同材料であると望ましい。
また、本発明のカテーテルは、さらに、前記X線不透過マーカーの少なくとも一部分に切り欠き部分を有し、前記切り欠き部分を介して中間層と外層が接合していると望ましい。
本発明によって、X線不透過マーカーが強固に中間層にのめりこみ、密着することによりX線不透過マーカーを含む先端部の脱落強度を向上することが可能となる。さらには、硬度の硬い中間層が補強層の変形を抑制することにより、カテーテル全体を引っ張った場合に補強層の縮径を抑制し、X線不透過マーカーの脱落強度を向上することが可能となる。さらには、補強層の縮径を抑制することにより、X線不透過マーカー部分前後の縮径が低減され、段差が発生しにくくなることにより病変部等への引っかかりの低減も可能となる。さらには、本来X線不透過マーカーの脱落強度を向上させるために用いられる外層を柔軟にすることが可能となり、屈曲の激しい血管内でもスムースに進入していくことが可能となる。さらには、外層の肉厚も低減可能となり、細径化が可能となる。さらには、切り欠き部分を介して中間層と外層が接合していることにより、外層がX線不透過マーカーの脱落阻害効果が発現し、X線不透過マーカーを含む先端部の脱落強度のさらなる向上が可能となる。
また、本発明のカテーテルは、さらに、前記補強層は前記中間層の内側に穴を有しており、前記穴を介して前記内層と中間層が密着していると望ましい。
本発明によって、X線不透過マーカーが強固に中間層にのめりこみ、密着することによりX線不透過マーカーを含む先端部の脱落強度を向上することが可能となる。さらには、硬度の硬い中間層が補強層の変形を抑制することにより、カテーテル全体を引っ張った場合に補強層の縮径を抑制し、X線不透過マーカーの脱落強度を向上することが可能となる。さらには、補強層の縮径を抑制することにより、X線不透過マーカー部分前後の縮径が低減され、段差が発生しにくくなることにより病変部等への引っかかりの低減も可能となる。さらには、本来X線不透過マーカーの脱落強度を向上させるために用いられる外層を柔軟にすることが可能となり、屈曲の激しい血管内でもスムースに進入していくことが可能となる。さらには、外層の肉厚も低減可能となり、細径化が可能となる。さらには、切り欠き部分を介して中間層と外層が接合していることにより、外層がX線不透過マーカーの脱落阻害効果が発現し、X線不透過マーカーを含む先端部の脱落強度のさらなる向上が可能となる。
さらには、補強層が前記中間層の内側に穴を有し、前記穴を介して前記内層と中間層が密着することで中間層が強固に固定され、X線不透過マーカーを含む先端部の脱落強度のさらなる向上が可能となる。
本発明の上記各特徴、およびその他の特徴およびそれらの利点は、以下の実施形態および図面によって明らかにされる。
本発明のカテーテルは、カテーテルの細径化および柔軟化を実現しつつ、X線不透過マーカーの引っ掛かりを低減し、X線不透過マーカーを含むカテーテル先端部の脱落強度を向上させることが可能なカテーテルを提供することである。
本発明の実施形態におけるカテーテルのうち、オーバー・ザ・ワイヤ型(OTW型)の全体図である。 本発明の実施形態におけるカテーテルのうち、高速交換型(RX型)の全体図である。 本発明の一つの実施形態におけるカテーテルの駆動部についてのカテーテル長軸方向断面模式図、およびA−A’面におけるカテーテル短軸方向断面模式図である。 本発明の別の実施形態におけるカテーテルの先端部についてのカテーテル長軸方向断面模式図である。
次に本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下、穿通カテーテルを例示するが、本発明はこれに限られるものではない。本発明のカテーテルには、バルーンやステント等を有する血管治療カテーテル、又は、医療用デバイスを挿入するためのガイドワイヤ導入用のカテーテル(マイクロカテーテルを含む)、ガイディングカテーテルら、当業者に周知のあらゆるカテーテルが含まれる。
1.カテーテルの構造
図1は、本発明の実施形態におけるカテーテルのうち、オーバー・ザ・ワイヤ型(OTW型)の全体図である。図2は、本発明の実施形態におけるカテーテルのうち、高速交換型(RX型)の全体図である。図3は、本発明の一つの実施形態におけるカテーテルの先端部についてのカテーテル長軸方向断面模式図、およびA−A’面におけるカテーテル短軸方向断面模式図である。
カテーテル21は、ルーメン11を備える。ルーメン11は、先端側開口部12からカテーテル21の基端側開口部13にわたってある。ルーメン11の外側にルーメンを形成する内層1を備える。内層1の外側に補強層3を備え、さらに、補強層3の外側に外層2を備える。
カテーテル21の先端側開口部12付近には、X線不透過マーカー4を備える。カテーテル21の基端側開口部13にはハブ5を備える。
中間層8はX線不透過マーカー4に対するカテーテル長さ方向への長さの制限はないが、X線不透過マーカーと同じ長さの場合、X線不透過マーカーの脱落を最大限抑制しつつ、シャフトを柔軟かつ細径にすることが可能であるため、好ましい。また、X線不透過マーカーよりも長い場合、カテーテルを引っ張ったときにX線不透過マーカー直近の手元側の補強層が伸びて、縮径することを抑制するため、病変部等に対してX線不透過マーカー手元側部分に発生する可能性のある引っかかりを軽減することが可能となるため好ましい。
前記X線不透過マーカー4の少なくとも一部分は前記中間層8に密着されていることが、X線不透過マーカー4を含む先端部の脱落強度の向上という点で好ましく、工程の簡便さから考えると、X線不透過マーカー4を中間層にかしめて固定することがより好ましい。ここでいう密着とは、圧着や張り付き等、接することが可能なすべての状態を意味する。
さらには、X線不透過マーカーは切り欠きを有していても構わない。X線不透過マーカー4に切り欠きが開いた場合、後に被覆する外層2を溶融させた段階で切り欠き部分に外層が流れて中間層層と接することにより、樹脂のアンカー効果が生まれ、外径の増大を抑制しながら、X線不透過マーカーを含む先端部の引っ張り破断強度を向上させることが可能となるためより好ましい。ここで言う切り欠きとは、穴、割れ目、X線不透過マーカーをコイル構造にした場合のピッチ等、内層1と外層2が接することが可能である全ての構造を含む。また、ここで言う「接する」とは溶着などの化学的接合、圧着、密着、接着などの物理的接合等を含むすべての接触を含む。
2.内層
内層1は、カテーテル21の全長にわたって配置されても構わないが、内層1の遠位端は外層2の遠位端より近位端側の途中に備えることも可能である。内層1は、単一部材であることが製造の容易さの面で好ましいが、例えば、内層1により剛性の変化をつけなければいけない場合は、カテーテル21の途中で複数の部材を継いでも構わない。
内層1の内側はガイドワイヤ、薬液等が通過することが可能である。内層1は単一の内径であることが製造の容易さの面で好ましいが、例えばCTO病変への通過性をさらに向上させるために、カテーテル21の先端側に向けて、外径を小さくすると同時に内径を小さくしても構わない。
内層1は、耐薬品性、抗血栓性およびガイドワイヤの摺動性が良好になる材料、例えば、フッ素系樹脂、高密度ポリエチレン等が好ましい。また、例えば抗血栓性等、内層に要求される特性が付与されていない材料を使用する場合には、コーティングを施すことにより、内層に要求される特性を付与しても構わない。
内層1の肉厚については特に制限を受けないが、カテーテル21の外径を抑制するためには、内層1の破断強度が実使用に耐えうる範囲で薄肉化することが好ましい。
3.補強層
補強層3は耐キンク性を向上することが可能となる構造であれば、特に制限を受けない。補強層3は内層1と中間層8が接合可能となるようにX線不透過マーカーの下側に穴が形成されていることが好ましい。このことにより中間層8がより強固に固定され、X線不透過マーカー4を含むカテーテル先端部の脱落強度の向上することが可能となる。穴の形状や大きさ、個数等に制限はないが、耐キンク性を向上することが可能となる構造を採用することが好ましい。好適なものとして、金属コイル、金属編組、金属芯線、樹脂コイル、樹脂編組、樹脂線或いはそれらに準ずるもの等が挙げられる。また、レーザー等により補強層に2次的に穴を開けることも可能である。
4.外層
外層2は、樹脂製のチューブであれば、特に制限を受けない。好適なものとして、例えば、ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン及びポリウレタンエラストマー等が挙げられる。外層3は剛性の変化が緩やかに構成されるように、様々な硬度の樹脂が接続されることが好ましい。さらには、CTO病変への通過性をさらに向上させる等のために、カテーテル21の先端に向けて、外層2の外径を小さくしても構わない。さらには、柔軟な材質を使うことも可能である。
5.中間層
中間層8は外層2よりも硬度が高ければ、特に材質は問わないが、内層1、外層2との密着を考慮すると樹脂製であることが、好ましい。外層と同材料である場合、外層と溶融することが可能となり、X線不透過マーカー4を含むカテーテル先端部の脱落強度を向上させることが可能となる点で好ましい。また、中間層8と内層1が異なる材質の場合、表面処理、改質等を行って、密着性を高めることも可能である。このことによりX線不透過マーカー4を含むカテーテル先端部の脱落強度を向上することが可能となる点で好ましい。
また、中間層8は接着剤であっても構わない。接着剤により形成された中間層8である場合、内層1、補強層、との密着が強固になることで、X線不透過マーカー4を含むカテーテル先端部の脱落強度を向上することが可能となる点で好ましい。さらには、X線不透過マーカー4に切り欠き7を形成した場合、外層2との密着も強固になることでさらに好ましい。接着剤を使用する場合、接着剤の組成及び化学構造、硬化形式は限定されない。つまり、組成及び化学構造の点からは、ウレタン型、シリコーン型、エポキシ型、シアノアクリレート型棟の接着剤が好適に使用され、硬化形式の点からは、2液混合型、UV硬化型、吸水硬化型、加熱硬化型等の接着剤が好適に使用される。接着剤を使用する場合、接合部位の剛性が、該接合部位の前後で不連続に変化しない程度の硬化後の硬度を有する接着剤を使用することが好ましく、接合部位の材質、寸法、剛性等を考慮して接着剤を選択することが可能である。また、該接合部位の細径化を実現するために接合部を加熱処理しても良く、ポリオレフィン等の難接着性の材質の場合は、接合部位を酸素ガス等でプラズマ処理し接着性を向上させた上で接着しても良い。
6.親水性コーティング
カテーテル21の外面には、血管内或いはガイドカテーテル内への挿入を容易にする為に親水性のコーティングを施すことができる。すなわち、外層2の血液と接触する部位の少なくとも一部に血液と接触した際に潤滑性を呈する親水性のコーティングを施すことが可能である。但し、親水性のコーティングを施す部位、施す長さについてはカテーテルの使用目的に応じて決定できる。親水性のコーティングの種類は本発明の効果を制限するものではなく、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタアクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)等の親水性ポリマーが好適に使用でき、コーティング方法も限定されない。
該カテーテルがバルーンカテーテルである場合、使用目的によっては、バルーンの拡張時にバルーンがスリッピングを生じないように、バルーンの外面に疎水性のコーティングを施すことができる。疎水性のコーティングの種類は特に限定されず、シリコーン等の疎水性ポリマーが好適に使用できる。
7.X線不透過マーカー
カテーテル21の先端側開口部付近にはX線不透過マーカー4を備えることが可能である。X線不透過マーカー4の材質としては、実質的にX線不透過性である限り特に限定されず、金属や樹脂の材料の種類は問わない。X線不透過マーカー4には、1つのマーカーのみが含まれていてもよいし、または2以上のマーカーが含まれていてもよい。前記X線不透過マーカー4の少なくとも一部分は前記中間層8に密着されていることが、X線不透過マーカー4を含む先端部の脱落強度の向上という点で好ましく、工程の簡便さから考えると、X線不透過マーカー4を中間層にかしめて固定することがより好ましい。ここでいう密着とは、圧着や張り付き等、接することが可能なすべての状態を意味する。
さらには、X線不透過マーカーは切り欠きを有していても構わない。X線不透過マーカー4に切り欠きが開いた場合、後に被覆する外層2を溶融させた段階で切り欠き部分に外層が流れて中間と接することにより、樹脂のアンカー効果が生まれ、外径の増大を抑制しながら、X線不透過マーカーを含む先端部の引っ張り破断強度を向上させることが可能となるためより好ましい。ここで言う切り欠きとは、穴、割れ目、X線不透過マーカーをコイル構造にした場合のピッチ等、内層1と外層2が接することが可能である全ての構造を含む。また、ここで言う「接する」とは溶着などの化学的接合、圧着、密着、接着などの物理的接合等を含むすべての接触を含む。また、X線不透過部材4の形状は問わないが、中空のリング状形状であることが好ましい。中空のリング状形状は、X線造影下において、カテーテル21の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため視覚化が容易である。また、容易に製造できる。
8.ハブ
カテーテル21の基端側開口部13付近には、ハブ5を備えることも可能である。ハブ5を構成する材質としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリサルホン、ポリアリレート、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリオレフィン等の樹脂が好適に使用できる。
ハブ5とカテーテル21の接合方法は特に限定されず、公知の技術を応用することが可能である。例を挙げると接着剤による接着、融着可能な材質から構成される場合は融着等の方法が使用可能である。また、接着剤を使用する場合、接着剤の組成及び化学構造、硬化形式は限定されない。つまり、組成及び化学構造の点からは、ウレタン型、シリコーン型、エポキシ型、シアノアクリレート型棟の接着剤が好適に使用され、硬化形式の点からは、2液混合型、UV硬化型、吸水硬化型、加熱硬化型等の接着剤が好適に使用される。接着剤を使用する場合、接合部位の剛性が、該接合部位の前後で不連続に変化しない程度の硬化後の硬度を有する接着剤を使用することが好ましく、接合部位の材質、寸法、剛性等を考慮して接着剤を選択することが可能である。また、該接合部位の細径化を実現するために接合部を加熱処理しても良く、ポリオレフィン等の難接着性の材質の場合は、接合部位を酸素ガス等でプラズマ処理し接着性を向上させた上で接着しても良い。
9.バルーン
該カテーテル21がバルーンカテーテルの場合、カテーテル21の先端側開口部12付近にはバルーンを備えることも可能である。内圧調節により膨張・収縮可能なバルーンの製造方法としてはディッピング成形、ブロー成形等があり、使用用途に応じて適当な方法を選択することができる。PTCA用のバルーンカテーテルの場合は、十分な耐圧強度を得るためにブロー成形が好ましい。ブロー成形によるバルーンの製造方法の一例を以下に示す。まず、押出成形等により任意寸法のチューブ状パリソンを成形する。このチューブ状パリソンを当該バルーン形状に一致する型を有する金型内に配置し、二軸延伸工程により軸方向と径方向に延伸することにより、前記金型と同一形状のバルーンを成形する。尚、二軸延伸工程は加熱条件下で行われても良いし、複数回行われても良い。また、軸方向の延伸は径方向の延伸と同時に若しくはその前後に行われても良い。さらに、バルーンの形状や寸法を安定させるために、アニーリング処理を実施しても良い。
バルーンは直管部とその先端側及び後端側に接合部を有し、直管部と接合部の間にテーパー部を有している。バルーンの寸法はバルーンカテーテルの使用用途により決定されるが、内圧の調節により拡張されたときの直管部の外径が1.50mmから35.00mm、好ましくは1.50mmから30.00mmであり、直管部の長さが5.00mmから80.00mm、好ましくは7.00mmから60.00mmである。
前記チューブ状パリソンの樹脂種は特に限定されるものではなく、例えば、ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン及びポリウレタンエラストマーなどが使用可能であり、これらの樹脂の2種類以上を混合したブレンド材料や2種類以上を積層した多層構造を有する材料であっても構わない。
10.側孔
カテーテル21が注入カテーテルである場合、カテーテル21の先端側開口部付近に側孔を設けても良い。側孔の大きさ、位置、数等は本発明の効果を制限するものでなく、使用する治療物質の特性に合わせて任意に設定できる。また、側孔の作製方法も特に限定されず、切削加工、レーザー加工等が使用可能である。
11.カテーテルの機能例
上述した各カテーテルは、ルーメン11の長さにより大きく2つに分類される。以下ではカテーテル21の先端側開口部付近12にバルーンが接続され、ハブ5にバルーン6の内圧調節用の圧力流体を供給するポートを有する一般的なバルーンカテーテルを例に説明する。
1つは図1に示すようにルーメン11がカテーテル21の全長にわたって設けられ、ハブ5にルーメンの後端側開口部13が設けられ、バルーン6の最先端部またはバルーンの最先端部よりも先端側にルーメン11の先端側開口部12が設けられているオーバー・ザ・ワイヤ型(OTW型)である。もう1つは図2に示すようにルーメン11がカテーテル21の先端側にのみ存在し、ガイドワイヤルーメンの後端側開口部13がカテーテル21のシャフトの途中に設けられている高速交換型(RX型)である。OTW型はバルーンカテーテル21の全長にわたってルーメン11が存在するため、ガイドワイヤを通過させるのが困難な病変に対して、バックアップ用としてガイドワイヤを通過させるためにしばしば用いられる。一方、RX型ではガイドワイヤを病変部に留置したままバルーンカテーテルを抜去することは容易であるため、用いられる場合もある。
以下に本発明に係る具体的な実施例について詳説するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。以下、実施例としてのチューブの構造を明確にするために、便宜上、各要素の名称、および各要素に付された符号(例えばチューブ1、2等)は、それぞれ、上述の実施形態で説明した各図中の、各要素の名称、および同一の符号で示される要素に対応するものとして説明する。
実施例1では、補強層3を被覆した内層1の外側に中間層8として外層2よりも硬度の高い樹脂を1mmにカットして、被覆した。その外側にX線不透過マーカーをかしめて固定し、中間層8と同素材で中間層8よりも硬度の小さい外層2を被覆した。これをサンプル1とした。
実施例2では、補強層3を被覆した内層1の外側に中間層8として外層2よりも硬度の高い樹脂を1mmにカットして、被覆した。その外側に予め穴を3箇所に開けたX線不透過マーカー4をかしめて固定し、中間層8と同素材で中間層8よりも硬度の小さい外層2を被覆した。これをサンプル2とした。
実施例3では、補強層3を被覆した内層1の外側に中間層8として外層2よりも硬度の高い接着剤を1mmの長さだけ塗布した。その外側に予め穴を3箇所に開けたX線不透過マーカー4をかしめて固定し、中間層8よりも硬度の小さい外層2を被覆した。これをサンプル3とした。
実施例4では、内層1に中間層8と密着可能となるように表面処理を行った。その他については、サンプル2と同じであった。これをサンプル4とした。

比較例5では、補強層3を被覆した内層1の外側にX線不透過マーカー4を密着させた。その後、外層を被覆してサンプル5とした。
以上のサンプルについて引張破断強度を測定したところ、サンプル1〜サンプル4はサンプル5の引張破断強度を上回った。
1.内層
2.外層
3.補強層
4.X線不透過マーカー
5.ハブ
6.バルーン
7.切り欠き
8.中間層
11.ルーメン
12.先端側開口部
13.基端側開口部
21.カテーテル

Claims (6)

  1. 内層と、前記内層の外側に位置する補強層と、前記補強層の外側に位置する外層と、X線不透過マーカーと、を含むカテーテルであって、
    前記X線不透過マーカーは、中間層を介して、前記補強層上に配置され、
    前記中間層は、前記外層よりも硬度が高く、
    前記X線不透過マーカーよりも先端側および基端側では、前記中間層の無い複層部分が存在することを特徴とするカテーテル。
  2. 前記中間層の長さは、X線不透過マーカー前後の前記補強層の縮径を低減させられるだけの長さであることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記中間層の長さは、前記X線不透過マーカーと同じまたはそれ以上の長さであることを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載のカテーテル。
  4. 前記中間層は、前記外層と同材料であることを1〜3のいずれか1項に記載のカテーテル。
  5. 前記X線不透過マーカーの少なくとも一部分に切り欠き部分を有し、前記切り欠き部分
    を介して中間層と外層が接合していることを特徴とする1〜4のいずれか1項に記載のカテーテル。
  6. 前記補強層は前記中間層の内側に穴を有しており、前記穴を介して前記内層と中間層が
    密着していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカテーテル。
JP2009166371A 2009-07-15 2009-07-15 カテーテル Active JP5473443B2 (ja)

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