JP3740808B2 - 拡張カテーテル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は拡張操作を目的とする手術に使用される拡張カテーテルに関するもので、特に血管拡張用カテーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
拡張カテーテルは主に狭窄、又は閉塞した血管に対しての血管形成治療に用いられている。一般に拡張カテーテルは、内部に複数のルーメンを有するチューブ状のカテーテルシャフトの先端部に、圧力流体を供給する拡張用ルーメンに連通した拡張体を有するとともに、基端部に各ルーメンに連通したポートを有するマニホールドを接続した構造のものであり、通常の状態では、前記拡張体はカテーテルシャフトに対して折り畳まれている。そして、この治療においては拡張カテーテルの拡張体部は、例えば患者の大動脈を経て冠状動脈の狭窄部位中に挿入され、そこで圧力流体を拡張体の内部に導入することにより拡張され、狭窄、又は閉塞した患部を拡げる。
【0003】
拡張カテーテルは、主に治療対象の体内通路に挿入され治療箇所で内圧を導入されることで拡張治療を行われるため、求められる機能的性質としては拡張に必要な圧力を導入した際に拡張体が破壊されないように充分な強度を有すること、また所望の拡張サイズに安全に制御可能なことである。
【0004】
また、多くの場合において、特に血管系においてカテーテルのその目的のため挿入口から病変部、所定部位まで血管に沿って挿入することが必要であり、そのためカテーテルの操作性が重要である。カテーテルは一般に筒状の細長い部材から構成されており、挿入口より体外側からカテーテルを操作して体内の屈曲した部位や、狭窄して狭くなった部位を通過させねばならなく、そのためにカテーテル体外側から加えた力が先端部まで効果的に伝達されなければならなく、かつ屈曲部に対応できるような柔軟性が必要である。加えて、通常、内部にガイドワイヤーを通して使用されるため力の伝達の無駄がないように、常にスムーズにカテーテルを動かせるようにガイドワイヤーとの摩擦抵抗が少ないことも重要な性質の一つである。それらの操作性を得るために、一般的な拡張カテーテルの構成として、先端(遠位)部分は屈曲体内通路に対して追随性が良いように柔軟性が、手元(近位)部分は先端への力の伝達性が良いようにある程度の強度が、ガイドワイヤーを通過させる内側チューブには摩擦抵抗を低く押さえるため低摩擦性、高摺動性であることが求められており、これらを満足するためにポリエチレン製であることが多い。
【0005】
柔軟性に関して特に重要なのは、カテーテルの遠位端であるところの拡張体部分とその近傍の柔軟性である。この部分は柔らかいことはもちろん、屈曲部分に挿入されることが多く、また内部に挿入されるガイドワイヤーの最も柔らかい部分と摺動することから、その柔軟性に不連続性が無いことが求められる。これは屈曲部分にカテーテルが配置された場合に、柔軟性に不連続があると結果としてカテーテルの曲がり方に不連続が生じ、その部分でガイドワイヤーとの摩擦抵抗が著しく大きくなり、操作性の低下の原因となるからである。また、一般的にカテーテルの遠位端では、拡張体とガイドワイヤーを通過させるための管状部材の接着部分が最先端部「チップ」として存在するが、このチップ部分が堅いとチップから出ているガイドワイヤーとの柔軟性の差が大きくなり、この箇所でガイドワイヤーが曲がりやすくなり、その結果として操作性の低下の大きな要因となる。
【0006】
また、石灰化が進行した病変部位の場合、そのような病変部位にガイドワイヤーを通過させた後、それに沿って拡張カテーテルを通過させようと試みた場合、チップ部分が堅いと石灰化して堅くなった病変部に引っかかり通過させられないという現象が非常に多く見られる。
【0007】
更に近年、血管拡張治療術においては一般にステントと称される金属製の留置拡張器具が多用され、ステント拡張後の成形拡張(post−dilatation)を行うためにまた、ステント内再狭窄、ステント遠位側の狭窄発生時には拡張カテーテルをステント内を通過させなければならないが、その際には、石灰化病変と同様にチップ部分が堅いと金属製のステントに引っ掛かって通過しないという問題が発生するようになった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
先述したように拡張カテーテルの先端部分、特にチップ部分を柔軟に、カテーテルの他の部分と堅さの差が大きくないようにすることは重要である。しかし従来のカテーテルは、ガイドワイヤーを通過させるための管状部材に、ポリオレフィン材料であるところのポリエチレン、特に低摩擦特性の高い高密度ポリエチレンを用いることが多かった。ポリエチレンは低摩擦性としては優れた材料であるが、他種材料との熱溶着性、接着性に関しては悪く、柔軟性も低摩擦特性に優れた高密度ポリエチレンほど堅いという性質がある。また、結晶性高分子であるため、ある程度以上の熱を加えると結晶化が進行してより堅さが増すという性質も有している。即ち、ガイドワイヤー通過用管状部材にポリエチレンを用い熱溶着を試みた場合は、ポリオレフィン系の拡張体以外は熱溶着性が悪く用いることができず、熱溶着されたチップは加熱細径化処理によって細く成形可能であるが、いずれにしても熱による結晶化進行によって非常に堅くなった。接着剤を用いて接着を試みる場合は、ポリエチレンの接着性を向上させるために表面処理操作が必要であり、その堅さも接着剤による接着層が加わるため、また加熱細径化処理ができないためチップ部分は堅くなる。また、ガイドワイヤー通過用チューブを内側ポリエチレン、外側ポリアミドの2層チューブで構成し、拡張体としてポリアミドを用いた市販カテーテルが存在するが、一般にポリアミドの弾性率はポリエチレンよりはるかに大きく、また、ポリアミドも結晶性の樹脂であるため上記と同様にチップ部分は堅くなり先端部の柔軟性は無く、ポリアミド材料とポリエチレンの相溶性が悪いため2層間の剥離、分解の危険が存在していた。本発明が解決しようとする課題は、改善されたカテーテル遠位最先端部分であるところのチップ部分に柔軟性を有した操作性、安全性に優れた拡張カテーテルを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、選択された材料、構造を配置することにより拡張カテーテルの遠位側最先端部、チップ部分の柔軟性を向上させ、ガイドワイヤー、カテーテル拡張体近傍との硬度差を極力低減することで操作性に優れたカテーテルを提供するものである。
【0010】
即ち、前述の課題を解決するためになされた本発明は、複数の管状部材と拡張体からなる拡張カテーテルにおいて、摺動可能なガイドワイヤーを内部に通過させることを目的の一つとする管状部材が拡張体内部を通して配置され、カテーテルの遠位端近傍で拡張体と該管状部材の外面が同心的に接続されているような構造を有し、該管状部材の内側部がポリオレフィン材料、外側部がポリエステルエラストマーを主構成成分とする材料で構成されており、拡張体はポリエステルエラストマー又はポリエステルを主構成成分とする高分子材料より構成されていることを特徴とする拡張カテーテルである。
また、本発明は、複数の管状部材と拡張体からなる拡張カテーテルにおいて、摺動可能なガイドワイヤーを内部に通過させることを目的の一つとする管状部材が拡張体内部を通して配置され、カテーテルの遠位端近傍で拡張体と該管状部材の外面が同心的に接続されているような構造を有し、該管状部材の内側部がポリオレフィン材料、外側部がポリアミドエラストマーを主構成成分とする材料で構成されており、拡張体はポリアミドエラストマー又はポリアミドを主構成成分とする高分子材料より構成されていることを特徴とする拡張カテーテルである。
更にこの場合に、前記管状部材の外側部が拡張体と相溶性を有し、内側部を構成するポリオレフィン材料よりも引張弾性率が小さい高分子材料から構成させていることが好ましい。
【0011】
また、前記管状部材と拡張体が熱溶着されたことが好ましい。そして、前記管状部材の外側部を構成する高分子材料の構成成分の少なくとも一つにスチレン系熱可塑性エラストマーを含むことが更に好ましい。
【0012】
また、本発明は、複数の管状部材と拡張体からなる拡張カテーテルにおいて、摺動可能なガイドワイヤーを内部に通過させることを目的の一つとする管状部材が拡張体内部を通して配置され、カテーテルの遠位端近傍で拡張体と該管状部材の外面が同心的に接続されているような構造を有し、前記管状部材の外側部がポリエチレンから構成され、前記拡張体がポリエステルエラストマーから構成され、その接続部分では該管状部材と拡張体の間にスチレン系熱可塑性エラストマーを存在させてそれらを熱によって溶着させた構造を有することを特徴とする拡張カテーテルである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による拡張カテーテルは複数の管状部材から構成された拡張カテーテルであり、図1は本発明に係る拡張カテーテルを簡略的に示した全体図、図2は本発明の拡張カテーテルの遠位部分の例を示した断面図、図3は図2のA−A線断面図である。拡張カテーテルは、カテーテルシャフト1の遠位端に拡張体2を設けるとともに、近位端にマニホールド3を接続した基本構造を有している。
【0014】
更に詳しくは、前記カテーテルシャフト1は、ガイドワイヤー通過用ルーメンと前記拡張体2へ圧力液体を供給するための膨張、収縮用ルーメンとを設けるべく、内外二重管構造となっている。即ち、カテーテルシャフト1は、外側管状部材4と内側管状部材5とを同心状に配し、内側管状部材5は外側管状部材4よりも先端側へ延びている構造であり、図2に示すように外側管状部材4と内側管状部材5の遠位端にそれぞれ拡張体2の両端部を固着している。ここで、前記内側管状部材5の内部はガイドワイヤーを通過させるためのルーメンとなっている。また、前記拡張体2の内部中心部であって内側管状部材5の周囲にはX線造影用リング6が取付けられている。
【0015】
そして、本発明における特徴は、前記拡張体2の遠位端と内側管状部材5の遠位端とを溶着したチップ部分7にあり、内側管状部材5の内側部5Aがポリオレフィン材料、外側部5Bが共重合体高分子材料又はポリマーブレンド材料で構成されており、拡張体2は前記内側管状部材5の外側部の共重合体高分子材料又はポリマーブレンド材料と同種の材料、又は共重合体高分子材料又はポリマーブレンド材料の少なくとも一つの構成成分と相溶性を有する高分子材料より構成されていることにある。
【0016】
ここで、内側部5Aと外側部5Bの材料が異なる管状部材は公知の共押出技術により作製可能であり、本発明のように内側部5Aがポリオレフィン材料の場合は外側部5Bを形成する材料にポリオレフィンと相溶性の良い材料又は、相溶化作用を付与するような材料を添加、ブレンドすることによりポリオレフィン材料との界面が実質上存在しないように作製されることが拡張カテーテルに組み立てる際に、使用時の特性、安全性の面から好ましい。管状部材の外側部5Bを形成する材料の物性としては、拡張体2と熱溶着可能であることが好ましく、加熱によって過度の結晶化による硬化が起こらないように低結晶性の材料であることが好ましい。また、カテーテルのチップ部分7の柔軟性を増すために、なるべく柔らかい材料であることが好ましく、内側部5Aを構成するポリオレフィン材料よりも引張弾性率的に小さい材料であることが好ましい。
【0017】
【実施例】
以下に本発明の具体的実施例について説明するが、本発明は実施例に記載の材料種に制限されるものではない。
【0018】
(実施例1)
共押出によって外側部5Bが引張弾性率24MPaであるような共重合体高分子材料である酸変性スチレン系熱可塑性エラストマー、内側部5Aが引張弾性率789MPaであるような高密度ポリエチレン(HDPE)から構成された管状部材を成形し、それを内側管状部材5として、またポリエチレンテレフタレート(PET)製の拡張体2とカテーテル遠位端部で溶着して図2に示されるような拡張カテーテルを作製した。チップ部分7は酸変性スチレン系熱可塑性エラストマー材料とPET材料の相溶性があるため溶着可能であり、溶着と同時に自由に熱加工、特に細径化が可能であった。更に、比較的柔らかく、結晶性の少ない材料である共重合体高分子材料が存在するため成形後も柔軟であった。また、内側管状部材5の外側部5Bを構成する共重合体高分子材料が酸変性スチレン系熱可塑性エラストマーであったため内側部5Aを構成するHDPEと完全に一体化しており、組立工程中、使用に際しても剥離、分解するおそれは全く存在しなかった。
【0019】
(実施例2)
共押出によって外側部5Bが引張弾性率24MPaであるような共重合体高分子材料である酸変性スチレン系熱可塑性エラストマー、内側部5Aが引張弾性率789MPaであるようなHDPEから構成された管状部材を成形し、それを内側管状部材5として、またPETとスチレン系熱可塑性エラストマーのポリマーブレンド材料製の拡張体2とカテーテル遠位端部で溶着して図2に示されるような拡張カテーテルを作製した。チップ部分7は酸変性スチレン系熱可塑性エラストマー材料とPETとスチレン系熱可塑性エラストマー材料の相溶性があるため溶着可能であり、溶着と同時に自由に熱加工、特に細径化が可能であった。更に、比較的柔らかく、結晶性の少ない材料である共重合体高分子材料が存在するため成形後も柔軟であった。また、内側管状部材5の外側部5Bを構成する共重合体高分子材料が酸変性スチレン系熱可塑性エラストマーであったため内側部5Aを構成するHDPEと完全に一体化しており、組立工程中、使用に際しても剥離、分解するおそれは全く存在しなかった。
【0020】
(実施例3)
共押出によって外側部5Bが引張弾性率230MPaであるような共重合体高分子材料であるポリエステル系熱可塑性エラストマー、内側部5Aが引張弾性率789MPaであるようなHDPEから構成された管状部材を成形し、それを内側管状部材5として、またポリエステル系熱可塑性エラストマー製の拡張体2とカテーテル遠位端部で溶着して図2に示されるような拡張カテーテルを作製した。チップ部分7は拡張体2と内側管状部材5の外側部5Bが共にポリエステル系熱可塑性エラストマー材料、同材料であったため溶着可能であり、溶着と同時に自由に熱加工、特に細径化が可能であった。更に、比較的柔らかく、結晶性の少ない材料である共重合体高分子材料であるポリエステル系熱可塑性エラストマーが存在するため成形後も柔軟であった。
【0021】
(実施例4)
共押出によって外側部5Bがポリエステル系熱可塑性エラストマーと酸変性スチレン系熱可塑性エラストマーのポリマーブレンド材料、内側部5AがHDPEから構成された管状部材を成形し、それを内側管状部材5として、またPETとスチレン系熱可塑性エラストマーのポリマーブレンド材料製の拡張体2とカテーテル遠位端部で溶着して図2に示されるような拡張カテーテルを作製した。チップ部分7は拡張体2と内側管状部材5の外側部5Bに酸変性スチレン系熱可塑性エラストマー材料が存在するため溶着可能であり、溶着と同時に自由に熱加工、特に細径化が可能であった。更に、比較的柔らかく、結晶性の少ない材料である共重合体高分子材料同士のブレンド、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと酸変性スチレン系熱可塑性エラストマーが存在するため成形後も柔軟であった。また、酸変性スチレン系熱可塑性エラストマーが内側管状部材5の外側部5Bを構成する材料中に存在したため内側部5Aを構成するHDPEと完全に一体化しており、組立工程中、使用に際しても剥離、分解するおそれは全く存在しなかった。
【0022】
(実施例5)
共押出によって外側部5Bがポリアミド系熱可塑性エラストマーと酸変性スチレン系熱可塑性エラストマーのポリマーブレンド材料、内側部5AがHDPEから構成された管状部材を成形し、それを内側管状部材5として、またポリアミド系熱可塑性エラストマーのポリマーブレンド材料製の拡張体2とカテーテル遠位端部で溶着して図2に示されるような拡張カテーテルを作製した。チップ部分7は拡張体2と内側管状部材5の外側部5Bにポリアミド系熱可塑性エラストマー材料が存在するため溶着可能であり、溶着と同時に自由に熱加工、特に細径化が可能であった。更に、比較的柔らかく、結晶性の少ない材料である共重合体高分子材料同士のブレンド、ポリアミド系熱可塑性エラストマーと酸変性スチレン系熱可塑性エラストマーが存在するため成形後も柔軟であった。また、酸変性スチレン系熱可塑性エラストマーが内側管状部材5の外側部5Bを構成する材料中に存在したため内側部5Aを構成するHDPEと完全に一体化しており、組立工程中、使用に際しても剥離、分解するおそれは全く存在しなかった。
【0023】
(実施例6)
押出成形によりHDPE製の管状部材を形成し、それをガイドワイヤー通過用の内側管状部材8とし、またポリエステル系熱可塑性エラストマー材料の拡張体9を作製し、それらに共に相溶性のある材料として酸変性スチレン系熱可塑性エラストマー製の管状接合部材10を、前記内側管状部材5と拡張体2間に図4に示すように配置して溶着、熱加工により、図5に示されるようなチップ部分11に成形した。チップ部分11は拡張体9と内側管状部材8間に両材料に相溶性を有する酸変性スチレン系熱可塑性エラストマーが存在するため溶着成形が可能であり、溶着と同時に自由に熱加工、特に細径化が可能であった。更に、比較的柔らかく、結晶性の少ない材料であるスチレン系熱可塑性エラストマーが存在するため成形後も柔軟であった。また、チップ部分11は溶着により一体化しており、組立工程中、使用に際しても剥離、分解するおそれは全く存在しなかった。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の拡張カテーテルは、チップ部分の柔軟性に優れるため操作性、特に高硬度病変部分への進入性に優れた拡張カテーテルが得られる。また、本発明の拡張カテーテルは、拡張体とガイドワイヤー通過用管状部材の熱溶着が可能なため組立工程上、使用時安全上、有利である。また、本発明の拡張カテーテルは、ガイドワイヤー通過用管状部材を単なる層状ではなく完全融合的に作製できるので拡張カテーテルに組み立てた後のガイドワイヤー通過用管状部材の層間剥離による破壊等の心配がない。
【0025】
そして、本発明は、チップ部分においてガイドワイヤー通過用管状部材と拡張体との間に、それらを構成する両材料に相溶性ある材料を介在させて熱溶着させたので、管状部材と拡張体とは溶着により一体化しており、組立工程中、使用に際しても剥離、分解するおそれは全く存在せず、しかも管状部材と拡張体とはそれが要求される特性を最大限に発揮する材料で作製することができるので、拡張カテーテルの性能の向上に寄与するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】拡張カテーテルの全体を示す簡略側面図である。
【図2】カテーテルの遠位側を示す簡略断面図である
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】組立途中のカテーテル遠位部を示す簡略断面図である
【図5】カテーテルの遠位側を示す簡略断面図である
【符号の説明】
1 カテーテルシャフト
2 拡張体
3 マニホールド
4 外側管状部材
5 内側管状部材
5A 内側部
5B 外側部
6 X線造影用リング
7 チップ部分
8 内側管状部材
9 拡張体
10 管状接合部材
11 チップ部分

Claims (6)

  1. 複数の管状部材と拡張体からなる拡張カテーテルにおいて、摺動可能なガイドワイヤーを内部に通過させることを目的の一つとする管状部材が拡張体内部を通して配置され、カテーテルの遠位端近傍で拡張体と該管状部材の外面が同心的に接続されているような構造を有し、該管状部材の内側部がポリオレフィン材料、外側部がポリエステルエラストマーを主構成成分とする材料で構成されており、拡張体はポリエステルエラストマー又はポリエステルを主構成成分とする高分子材料より構成されていることを特徴とする拡張カテーテル。
  2. 複数の管状部材と拡張体からなる拡張カテーテルにおいて、摺動可能なガイドワイヤーを内部に通過させることを目的の一つとする管状部材が拡張体内部を通して配置され、カテーテルの遠位端近傍で拡張体と該管状部材の外面が同心的に接続されているような構造を有し、該管状部材の内側部がポリオレフィン材料、外側部がポリアミドエラストマーを主構成成分とする材料で構成されており、拡張体はポリアミドエラストマー又はポリアミドを主構成成分とする高分子材料より構成されていることを特徴とする拡張カテーテル。
  3. 前記管状部材の外側部が、内側部を構成するポリオレフィン材料よりも引張弾性率が小さい高分子材料から構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の拡張カテーテル。
  4. 前記管状部材と拡張体が熱溶着されたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の拡張カテーテル。
  5. 前記管状部材の外側部を構成する高分子材料の構成成分の少なくとも一つにスチレン系熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の拡張カテーテル。
  6. 複数の管状部材と拡張体からなる拡張カテーテルにおいて、摺動可能なガイドワイヤーを内部に通過させることを目的の一つとする管状部材が拡張体内部を通して配置され、カテーテルの遠位端近傍で拡張体と該管状部材の外面が同心的に接続されているような構造を有し、前記管状部材の外側部がポリエチレンから構成され、前記拡張体がポリエステルエラストマーから構成され、その接続部分では該管状部材と拡張体の間にスチレン系熱可塑性エラストマーを存在させてそれらを熱によって溶着させた構造を有することを特徴とする拡張カテーテル。
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