JP5472781B2 - シフトレジスタ及び表示装置並びにシフトレジスタの駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シフトレジスタ及びそれを用いた表示装置、並びにシフトレジスタの駆動方法に関し、特に、NMOS又はPMOSの薄膜トランジスタのいずれか一方のみを有するシフトレジスタ及びそれを用いた表示装置、並びにシフトレジスタの駆動方法に関する。
近年、液晶表示装置に代表される平面表示装置は、薄型、軽量、かつ低消費電力であることから、各種機器の表示装置として用いられている。最近では、さらなる薄型化、軽量化、低コスト化を実現するために、従来のアモルファスシリコン薄膜トランジスタと比較して電子移動度が高い低温ポリシリコン薄膜トランジスタを用いて駆動回路を構成し、この駆動回路をガラス基板上に一体的に形成する技術が確立されている。
一般に、駆動回路として、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを組み合わせたCMOS(Complementary MOS)回路が使用されている。しかしながら、CMOSの製造プロセスは工程数が多く、製造コストが高いという問題がある。この問題の解決手段として、NMOSトランジスタ又はPMOSトランジスタのいずれか一方の極性のトランジスタのみで構成された駆動回路が提案されている。特許文献1において、PMOSトランジスタのみで構成されたシフトレジスタが記載されている(特許文献1の図2)。特許文献1のシフトレジスタは、PMOSトランジスタT1〜T8で構成され、電源VDD、入力信号IN、クロック信号C1〜C3を入力することにより、出力信号OUTを発生させる回路である。
また、液晶表示装置の高解像度化への要求が日増しに高まってきている。解像度が上がることにより、一度に表示し得る情報量が多くなるため、液晶表示装置の付加価値が向上するからである。
表示装置の画素構造は、一般に、赤を表示するためのサブ画素、緑を表示するためのサブ画素、及び青を表示するためのサブ画素で構成されており、それぞれのサブ画素は、表示面の横方向に配列されている。このような画素構造は、縦ストライプと呼ばれている。一方、表示面の縦方向に配列されている横ストライプと呼ばれる画素も提案されている。特許文献2において、横ストライプの画素構造が記載されている(特許文献2の図2)。特許文献2の図2を参照すると、画素110は、R、G、Bのサブ画素120が縦方向に配列されている。各サブ画素120の走査線311を駆動する走査回路350は、出力Y1−R、Y1−G、Y1−B〜Y320−R、Y320−G、Y320−Bを備える。液晶パネル100の有効画素は、横方向について240、縦方向について320であるため、走査回路350は、縦方向の画素数320の3倍の出力を備える。
また、特許文献3において、横ストライプの画素構造に関する他の技術が記載されている(特許文献3の図2及び図3)。特許文献3の図2及び図3を参照すると、表示画素10は、水平方向に左目用と右目用のサブ画素に分割されていて、さらに垂直方向にR、G、B用のサブ画素に分割されている。すなわち、一つの画素が6個のサブ画素から構成される。表示画素10を駆動するゲート線駆動回路8は、Y(1)〜Y(1440)なる出力を備える。つまり、ゲート線駆動回路8は、縦方向の画素数480の3倍の出力を備える。
なお、特許文献4には、部分表示が可能な走査線駆動回路において、少ない素子数で部分表示機能を実現する技術が記載されている(特許文献4の図4)。
特開2002−313093号公報(図2) 特開2006−317566号公報(図2) 特開2006−030512号公報(図2、図3) 特開2008−140490号公報(図4)
以下の分析は、本発明者によってなされたものである。上記の特許文献に記載された技術に基づいて高精細又は横ストライプ構造の画素を有する表示装置を実現する場合には、次に述べるような問題がある。
一般に、画素の配置ピッチと、走査回路を構成しているシフトレジスタの配置ピッチとは同じ長さであることが望ましい。これは、走査回路から出力される信号を伝達する電気配線のレイアウトの観点から明らかである。表示装置の高解像度化に伴い、画素の配置ピッチと、シフトレジスタの配置ピッチは、ともに小さくなる。すなわち、図21を参照すると、画素21の配置ピッチの縮小化に伴い、シフトレジスタ1の回路幅Lは増大する。画素構造が横ストライプの場合は、シフトレジスタの配置ピッチは画素の配置ピッチの1/3となることから、さらに、Lが増大してしまう。Lが増大することによって、表示装置において、走査回路が配置される側の額縁が大きくなってしまう問題が生じ、作製プロセスの限界により回路をレイアウトすることができないという問題も生じうる。したがって、上記の特許文献に記載の技術に基づいて、高精細又は画素構造が横ストライプの表示装置を実現しようとする際には、狭ピッチ化と狭額縁化の両立が困難となる。
そこで、高精細又は画素構造が横ストライプの表示装置において、狭ピッチ化と狭額縁化とを両立させることが課題となる。
本発明の第1の視点に係るシフトレジスタは、
第1のクロック信号によって制御され、第1の出力信号線に信号を出力するように構成された第1の出力回路と、
前記第1のクロック信号と位相が異なる第2のクロック信号によって制御され、第2の出力信号線に信号を出力するように構成された第2の出力回路と、
前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路に接続された第1の制御信号線及び第2の制御信号線と、を備える。
本発明の第2の視点に係るシフトレジスタの駆動方法は、
第1の出力回路及び第2の出力回路を備えるシフトレジスタの駆動方法であって、
前記第1の出力回路を第1のクロック信号によって制御することにより、第1の出力信号線に信号を出力する工程と、
前記第2の出力回路を前記第1のクロック信号と位相が異なる第2のクロック信号によって制御され、第2の出力信号線に信号を出力する工程と、
前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路に接続された第1の制御信号線及び第2の制御信号線によって、前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路を制御する工程と、を含む。
本発明の第3の視点に係る表示装置は、
表示部および走査回路を備えた表示装置であって、
前記走査回路は、複数のシフトレジスタを備え、互いに位相の異なる第1ないし第4のクロック信号を受信し、
各シフトレジスタは、第1の出力回路および第2の出力回路を備え、
前記第1の出力回路は、前記第1ないし第4のクロック信号のうちのいずれか1つのクロック信号、第1の制御信号および第2の制御信号によって制御され、
前記第2の出力回路は、前記第1ないし第4のクロック信号のうちの前記第1の出力回路を制御するクロック信号以外のいずれか1つのクロック信号、前記第1の制御信号および前記第2の制御信号によって制御され、
前記第1の出力回路から出力された信号は、前記表示部に設けられた画素回路の制御に用いられ、
前記第2の出力回路から出力された信号は、前記画素回路の制御に用いられるとともに、次段のシフトレジスタの入力信号として用いられ、
前記第1の制御信号および前記第2の制御信号は、前記第1ないし第4のクロック信号、および、前段のシフトレジスタの前記第2の出力回路から出力された信号のうちの少なくともいずれかと同期して変動する。
本発明の第4の視点に係る表示装置は、
表示部および走査回路を備えた表示装置であって、
前記走査回路は、複数のシフトレジスタを備え、互いに位相の異なる第1ないし第5のクロック信号を受信し、
各シフトレジスタは、第1の出力回路、第2の出力回路および第3の出力回路を備え、
前記第1の出力回路は、前記第1ないし第5のクロック信号のうちのいずれか1つのクロック信号、第1の制御信号および第2の制御信号によって制御され、
前記第2の出力回路は、前記第1ないし第5のクロック信号のうちの前記第1の出力回路を制御するクロック信号以外のいずれか1つのクロック信号、前記第1の制御信号および前記第2の制御信号によって制御され、
前記第3の出力回路は、前記第1ないし第5のクロック信号のうちの前記第1の出力回路を制御するクロック信号および前記第2の出力回路を制御するクロック信号以外のいずれか1つのクロック信号、前記第1の制御信号および前記第2の制御信号によって制御され、
前記第1の出力回路および前記第2の出力回路から出力された信号は、前記表示部に設けられた画素回路の制御に用いられ、
前記第3の出力回路から出力された信号は、前記画素回路の制御に用いられるとともに、次段のシフトレジスタの入力信号として用いられ、
前記第1の制御信号および前記第2の制御信号は、前記第1ないし第5のクロック信号、および、前段のシフトレジスタの前記第2の出力回路から出力された信号のうちの少なくともいずれかと同期して変動する。
本発明の展開形態のシフトレジスタは、
前記第1のクロック信号及び前記第2のクロック信号と周期が同一である第3のクロック信号によって活性化され、前記第1の制御信号線を駆動することにより、前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路をリセットするように構成されたリセット回路を備えることが好ましい。
本発明の展開形態のシフトレジスタは、
前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路が、それぞれ第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを備え、
前記第1の出力回路における前記第1のトランジスタは、ゲートが前記第1の制御信号線に接続され、第1の端子が電源に接続され、第2の端子が前記第1の出力信号線に接続され、
前記第1の出力回路における前記第2のトランジスタは、ゲートが前記第2の制御信号線に接続され、第1の端子が前記第1のクロック信号に対する信号線に接続され、第2の端子が前記第1の出力信号線に接続され、
前記第2の出力回路における前記第1のトランジスタは、ゲートが前記第1の制御信号線に接続され、第1の端子が前記電源に接続され、第2の端子が前記第2の出力信号線に接続され、
前記第2の出力回路における前記第2のトランジスタは、ゲートが前記第2の制御信号線に接続され、第1の端子が前記第2のクロック信号に対する信号線に接続され、第2の端子が前記第2の出力信号線に接続されることが好ましい。
本発明の展開形態のシフトレジスタは、
前記リセット回路が、前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路における前記第1のトランジスタを導通状態と非導通状態との間で切り替えることにより、前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路をリセットすることが好ましい。
本発明の展開形態のシフトレジスタは、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタが、いずれもNMOSトランジスタであり、又はいずれもPMOSトランジスタであることが好ましい。
本発明の展開形態の表示装置は、
複数の画素が配列された画素アレイと、
上記のシフトレジスタによって前記複数の画素を活性化するように構成された走査回路と、を備えることが好ましい。
本発明の展開形態の表示装置は、前記走査回路が、前段の前記第1又は第2の出力信号線が次段の入力信号として複数縦続接続された前記シフトレジスタを備え、前記各シフトレジスタの第1及び第2の出力信号線によって前記複数の画素を活性化するように構成されていることが好ましい。
本発明の展開形態の表示装置は、前記画素を構成するサブピクセルが、前記走査回路の走査方向に配列されていることが好ましい。
本発明の展開形態のシフトレジスタの駆動方法は、
前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路が、それぞれ第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを備え、
前記第1の出力回路における前記第1のトランジスタは、ゲートが前記第1の制御信号線に接続され、第1の端子が電源に接続され、第2の端子が前記第1の出力信号線に接続され、
前記第1の出力回路における前記第2のトランジスタは、ゲートが前記第2の制御信号線に接続され、第1の端子が前記第1のクロックに対する信号線に接続され、第2の端子が前記第1の出力信号線に接続され、
前記第2の出力回路における前記第1のトランジスタは、ゲートが前記第1の制御信号線に接続され、第1の端子が前記電源に接続され、第2の端子が前記第2の出力信号線に接続され、
前記第2の出力回路における前記第2のトランジスタは、ゲートが前記第2の制御信号線に接続され、第1の端子が前記第2のクロック信号に対する信号線に接続され、第2の端子が前記第2の出力信号線に接続されることが好ましい。
本発明の展開形態のシフトレジスタの駆動方法は、
前記第1のクロック信号及び前記第2のクロック信号と周期が同一である第3のクロック信号によって前記第1の制御信号線を駆動して、前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路における前記第1のトランジスタを導通状態と非導通状態との間で切り替える工程を含むことが好ましい。
本発明の展開形態のシフトレジスタの駆動方法は、
第1のクロック期間において、前記第1の制御信号線を駆動して、前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路における前記第1のトランジスタを導通/非導通状態から非導通/導通状態に切り替える工程と、
第2のクロック期間において、前記第1の出力回路から前記第1のクロック信号が出力される工程と、
第3のクロック期間において、前記第2の出力回路から前記第2のクロック信号が出力される工程と、
第Nのクロック期間(Nは4以上の整数)において、前記第3のクロック信号によって前記第1の制御信号線を駆動して、前記第1の出力回路及び前記第2の出力回路における前記第1のトランジスタを非導通/導通状態から導通/非導通状態に切り替える工程と、を含むことが好ましい。
本発明の展開形態のシフトレジスタの駆動方法は、前記第1のクロック信号及び前記第2のクロック信号が、前記第1のクロック期間と前記第Nのクロック期間との間で位相が等しいことが好ましい。
本発明に係るシフトレジスタは、2以上の出力回路を備え、かつ、第1の制御信号線、及び第2の制御信号線が、出力回路の全てに共通して接続される。したがって、これらを制御する回路群を共通化して、シフトレジスタを構成するトランジスタの総数を削減することができるため、走査回路の狭ピッチ化と狭額縁化が可能となる。
本発明に係るシフトレジスタは、2以上出力回路を具備することにより、一つの回路から、複数本のゲートバスラインを駆動することができる。これにより、横ストライプの表示装置において、狭ピッチ化と狭額縁化とを両立させることができる。
本発明に係るシフトレジスタは、クロック信号の周期で活性化されることにより、第1の制御信号線がゲートに接続されたトランジスタ(第1のトランジスタ)を非導通(オフ)状態に設定するリセット回路を有し、かつ、第1のトランジスタを導通(オン)状態とする期間おいては、リセット回路を非活性化状態とする。したがって、第1のトランジスタをオン状態とすべき期間において、リセット回路の動作によって第1のトランジスタがオフ状態となることが防止される。
本発明に係るシフトレジスタは、NMOSトランジスタのみ、又はPMOSトランジスタのみで構成することができる。したがって、シフトレジスタを低コストで製造することが可能となる。
本発明に係る表示装置は、複数の画素が配列された画素アレイと、画素を活性化する走査回路とを備え、走査回路が、本発明のシフトレジスタにより構成される。したがって、高解像度の画素を有する表示装置を実現することが可能となる。
本発明のシフトレジスタはクロック信号の位相や相展開数を設定することにより具備する出力回路の数を設定することが可能となる。
本発明の実施形態に係るシフトレジスタについて図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るシフトレジスタの構成の一部を示すブロック図である。図1を参照すると、シフトレジスタは、第1の出力回路31と、第2の出力回路32と、第1の制御信号線51及び第2の制御信号線52と、を備える。
第1の出力回路31は、第1のクロック信号CLK1によって制御され、第1の出力信号線41に信号を出力する。第2の出力回路32は、第1のクロック信号CLK1と位相が異なる第2のクロック信号CLK2によって制御され、第2の出力信号線42に信号を出力する。第1の制御信号線51及び第2の制御信号線52は、第1の出力回路31及び第2の出力回路32に接続される。
[構成の説明]
本発明の第1の実施例に係るシフトレジスタについて図面を参照して説明する。図2は、本実施例の表示装置の構成図である。図3は、本実施例の表示装置の断面図である。図4は、本実施例の走査回路の構成を示すブロック図である。図5は、本実施例のシフトレジスタの構成を示す回路図である。図6は、本実施例の表示装置の画素部分の回路図である。
図2を参照すると、表示装置は、透明なガラス基板からなる絶縁基板3上に、表示部4、走査回路2、ゲートバスラインG1、G2、G3、・・・、Gn−1、Gn、ソースIC8、端子列9、データバスライン10、対向基板14、及びギャップ制御手段22を備える。表示部4は、図6に示す画素を複数備える。
図3は、図2の表示装置のA−A’断面図である。図3を参照すると、液晶層15は、絶縁基板3、対向基板14、及びギャップ制御手段22によって狭持されている。
図4を参照すると、走査回路2は、複数のシフトレジスタ1(SR1、SR2、SR3、・・・、SRn−1、SRn)、及び、配線群(CLK1、CLK2、CLK3、CLK4、及びST)を備える。図4におけるSTは、スタート信号が入力される端子を示し、シフトレジスタ1(SR1)のIN(n−1)端子に接続される。ゲートバスラインG1〜G2nは、それぞれ、走査回路2の各シフトレジスタ1のOUT1端子又はOUT2端子に接続される。SR1のOUT2端子は、図4のAを経由して、ゲートバスラインG2、及びSR2のIN(n−1)端子と接続される。
図5(A)を参照すると、本実施例のシフトレジスタ1は、NMOSトランジスタTr1〜Tr8を備え、端子IN(n−1)、DRV1、DRV2、REF、OUT1、OUT2、及びVSSを備える。ここで、IN(n−1)端子は、スタート信号ST又は隣接するシフトレジスタ1のOUT2端子からの信号を受信する。図4を参照すると、DRV1、DRV2、及びREF端子は、クロック信号CLK1〜CLK4のいずれかの信号を受信する。また、OUT1及びOUT2端子には、シフトレジスタ1の動作によって、Highレベル又はLowレベルの信号が出力される。VSS端子はLow信号と同等の一定電圧を印加される。また、ノードA(第1の制御信号線)は、Tr5及びTr7のゲートに接続される。また、ノードB(第2の制御信号線)は、Tr6及びTr8のゲートに接続される。
図5(B)は、本実施例のシフトレジスタ1に対する他の構成(すなわち、PMOSトランジスタによる構成)を示す。本実施例のシフトレジスタ1の他の構成は、PMOSトランジスタTr1〜Tr8を備え、端子IN(n−1)、DRV1、DRV2、REF、OUT1、OUT2、及びVDDを備える。ここで、IN(n−1)端子は、スタート信号ST又は隣接するシフトレジスタ1のOUT2端子からの信号を受信する。図4を参照すると、DRV1、DRV2、及びREF端子は、クロック信号CLK1〜CLK4のいずれかの信号を受信する。また、OUT1及びOUT2端子は、シフトレジスタ1の動作によって、High又はLowの信号を出力し、接続されたゲートバスラインGi(i=1〜2n)は、出力された信号を印加される。VDD端子は、High信号と同等の一定電圧を印加される。図5(B)におけるノードA及びノードBは、図5(A)に示したノードA及びノードBと同等である。
図5を参照すると、Tr5及びTr6で構成された出力回路(第1の出力回路)と、Tr7及びTr8で構成された出力回路(第2の出力回路)は、シフトレジスタ1に設けられる。ノードA及びノードBは、これら2個の出力回路に対して共通に接続される。Tr6のソース又はドレイン端子はDRV1に接続され、Tr8のソース又はドレイン端子はDRV2に接続される。ここで、DRV1及びDRV2には、クロック信号CLK1〜CLK4に対する配線のうちの異なるものが接続されている。したがって、異なるクロック信号によって制御された出力信号が、1つのシフトレジスタ1からOUT1端子及びOUT2端子に出力される。かかる構成によると、シフトレジスタを2個並列した従来の構成と比較して、シフトレジスタを構成するトランジスタの個数を大幅に削減することができる。
図6(A)を参照すると、画素は、スイッチトランジスタ13、液晶部11、保持容量12、データバスライン10、ゲートバスライン7、及び共通配線16を備える。スイッチトランジスタ13は、NMOSトランジスタで形成され、ゲートにゲートバスライン7が接続され、ソースにデータバスライン10、ドレインに液晶部11、及び保持容量12の電極がそれぞれ接続されている。保持容量12の他方の電極は、共通配線16と接続される。また、図6(B)は、スイッチトランジスタ13をPMOSトランジスタとしたときの、画素の構成を示す。
図2を参照すると、ソースIC8は、外部接続機器(非図示)から端子列9を経由して入力された映像表示用データ信号を受信して、データバスライン10に供給する。ソースIC8は、絶縁基板3とは異なる基板上に形成されたトランジスタ回路チップを、絶縁基板3上にCOG(Chip On Glass)実装したものである。
[動作の説明]
図7は、本実施例のシフトレジスタの動作を表すタイミングチャートである。図7(A)は、シフトレジスタ1を図5(A)に示す構成としたときのタイミングチャートである。まず、図7(A)を用いて本実施例の動作について説明する。
図7(A)の期間1において、STはLowレベルからHighレベルに遷移する。シフトレジスタ1(SR1)におけるIN(n−1)端子にSTのHighレベルが印加されると、Tr1はオン状態となるため、ノードAはLowレベルに遷移する。このとき、同時にTr3もオン状態となるため、ノードBにはHighレベル(実際は、Highレベルの電位から、Tr3のしきい値電圧分低下した電圧)に設定される。
期間2において、STがLowレベルに遷移すると、Tr1及びTr3がともにオフ状態となる。Tr3がオフ状態となることから、ノードBはフローティング状態となる。この状態において、DRV1端子に接続されているCLK1がLowレベルからHighレベルへ遷移すると、ブートストラップ効果によって、ノードBの電位がHighレベルよりも高い電位まで上昇する。したがって、Tr6及びTr8のゲートにはHighレベル以上のゲート電圧が印加された状態となる。このとき、CLK1のHighレベルは、電位低下することなくTr6を経由してOUT1端子に出力される。ここで、OUT1端子はゲートバスラインG1に接続されているため、G1の電位もHighレベルに遷移する。
期間3において、CLK1がHighレベルからLowレベルに遷移すると、OUT1端子もLowレベルに設定される。また、CLK2は、LowレベルからHighレベルに遷移することにより、ノードBはHighレベルよりも高い電位に設定される。したがって、Highレベルは、電位低下することなくTr8を経由してOUT2端子に転送される。OUT2端子の信号は、ゲートバスラインG2に接続されているため、G2の電位もHighレベルに遷移する。
期間4において、CLK3はHighレベルに遷移する。REF端子にはCLK3が接続されていることから、Tr2はオン状態となり、ノードAはHighレベル(実際は、Highレベルの電位から、Tr2のしきい値電圧分低下した電圧)に設定される。したがって、Tr5及びTr7はともにオン状態となり、OUT1及びOUT2端子はLowレベルに遷移する。一方、Tr4がオン状態となることから、ノードBはLowレベルとなる。これにより、Tr6及びTr8はともにオフ状態となり、DRV1及びDRV2端子はそれぞれOUT1及びOUT2端子から電気的に分離される。
次に、シフトレジスタ1(SR2)の動作について説明する。シフトレジスタ1(SR1)が期間3において出力したOUT2端子の信号は、分岐されて、図4のAを経由してシフトレジスタ1(SR2)のIN(n−1)に転送される。したがって、このタイミングにおいて、シフトレジスタ1(SR2)のTr1及びTr3はともにオン状態となり、前述のシフトレジスタ1(SR1)と同様の動作を行う。また、期間4において、CLK3のHighレベルは、電位低下することなく、OUT1端子に出力される。OUT1端子は、ゲートバスラインG3に接続されていることから、前述のG1、及びG2と同様、Highレベルに遷移する。このように、シフトレジスタ1(SR2)以降のシフトレジスタは、前段のOUT2信号をトリガーとしてゲートバスラインGi(i=1〜2n)の駆動と、次段のシフトレジスタ1への転送を行う。同様の動作は、シフトレジスタ1(SRn)に至る
まで、繰り返される。
以上説明したシフトレジスタ1の動作により、ゲートバスライン7がHighレベルに遷移すると、図2における表示部4の画素群のうち、当該ゲートバスライン7に接続されている画素21内のスイッチトランジスタ13が全てオン状態となる。一方、外部接続機器(非図示)から出力された映像信号は、端子列9及びソースIC8を経由してデータバスライン10に転送される。この状態において、前述の活性化された画素群に対して、対応するデータバスライン10から転送された映像信号が入力される。各スイッチトランジスタ13は、入力された映像信号電圧を、保持容量12及び液晶部11に転送することにより、光源(非図示)の透過率を制御する。このように、1フレーム期間内に全ゲートバスラインG1〜Gnを選択し、各ゲートバスラインGi(i=1〜n)に接続された画素に対応した映像信号を各画素に入力することにより、1フレーム期間内に全ての画素の表示状態を変更することができる。したがって、表示部4は1フレーム期間毎に表示状態を切り替えることにより、表示装置としての機能を果たすことができる。
上記においては、NMOSトランジスタで形成されたシフトレジスタ1及び画素21の駆動方法について説明した。一方、PMOSトランジスタでシフトレジスタを構成した場合には、PMOSトランジスタはLowレベルの信号でオン状態となり、Highレベルでオフ状態となることから、図7(B)に示す動作となる。したがって、極性の違いはあるものの、基本的な動作は図5(A)のNMOSトランジスタで構成されたシフトレジスタ1の動作と同様である。また、画素21の駆動についても、スイッチトランジスタ13が、ゲートバスライン7がLowレベルに遷移した場合にオン状態になることを除いては基本的な動作はNMOSトランジスタの場合と同様である。したがって、PMOSトランジスタで形成された場合においても、本実施例の表示装置は、表示機能を果たすことができる。
このように、本実施例の表示装置は、表示部4と走査回路2とを備え、走査回路2は、複数のシフトレジスタ1を備える。シフトレジスタ1は、Tr5及びTr6、又は、Tr7及びTr8から構成された2つの出力回路を備えることにより、一つの回路から、2本のゲートバスラインGi(i=1〜2n)を駆動することができる。したがって、出力回路以外のトランジスタTr1〜Tr4を両出力回路に対する共通の回路とすることができるため、シフトレジスタ1を構成するトランジスタの数を削減することができる。したがって、表示部4の高解像度化に伴い、画素ピッチや、シフトレジスタ1の図5における縦方向の長さが短くなったとしても、表示装置の額縁(図5における横方向の長さに相当する)が大きくなってしまうという問題を回避することができる。
また、本実施例のシフトレジスタ1は、1クロック周期毎にノードAを任意の電位に設定することができる。ノードAにおいて、Tr1やTr2のリーク電流や、外部からのノイズ等で電位変動が発生し、Tr4がオフ状態となると、ノードBはフローティング状態となり、DRV1又はDRV2端子に接続されているクロック信号に振られることによって、Tr6又はTr8がオン状態となり、クロック信号がOUT1又はOUT2端子へ出力されてしまう。このとき、シフトレジスタ1は本来出力をすべきでないタイミングにおいて出力をしてしまうという誤動作を引き起こす。ところが、前述のように1クロック周期毎にノードAをTr5及びTr7をオフ状態に維持できるように設定しているので、ノードAの電位変動起因による回路の誤動作を防止することができる。
[構成の説明]
本発明の第2実施例について図面を参照して詳細に説明する。図8は、本実施例の走査回路の構成を示すブロック図である。図9は、本実施例のシフトレジスタの構成を示す回路図である。本実施例の表示装置は、第1実施例(図2)と同様である。また、図3に示す表示装置の断面図についても第1実施例と同様である。
本実施例においては、図2における走査回路2の構成、及び走査回路2を構成するシフトレジスタ1の構成について第1実施例とは異なっている。そこで、図8及び図9を参照して、走査回路2及びシフトレジスタ1について説明する。走査回路2は、図8を参照すると、複数のシフトレジスタ1(SR1、SR2、・・・、SRn−1、SRn)、及び、配線群(CLK1、CLK2、CLK3、CLK4、CLK5、及びST)を備える。ゲートバスラインGi(i=1〜3n)は、それぞれ走査回路2の各シフトレジスタ1のOUT1、OUT2、及びOUT3端子のいずれかに接続される。OUT1〜OUT3端子から出力された信号は、各端子が接続されたゲートバスラインGi(i=1〜3n)に転送される。
図9(A)を参照すると、本実施例のシフトレジスタ1は、NMOSトランジスタTr1〜Tr10を備え、端子IN(n−1)、DRV1、DRV2、DRV3、REF、OUT1、OUT2、OUT3、及びVSSを備える。図5(A)に示された第1実施例のシフトレジスタ1との違いは、DRV1及びDRV2端子に加えてDRV3端子を備えていることと、OUT1及びOUT2端子に加えてOUT3端子を備えていることである。つまり、本実施例のシフトレジスタ1は、一つのシフトレジスタから3つの出力信号を生成する構成である。ここで、IN(n−1)端子は、スタート信号ST又は隣接するシフトレジスタ1のOUT3端子から出力された信号を受信する。図8を参照すると、DRV1、DRV2、DRV3及びREF端子は、クロック信号CLK1〜CLK5のいずれかの信号を受信する。また、OUT1、OUT2及びOUT3端子は、シフトレジスタ1の動作によって、High又はLowの信号を出力し、ゲートバスラインGi(i=1〜3n)は、出力された信号を印加される。VSS端子はLow信号と同等の一定電圧を印加される。
一方、図9(B)は、本実施例のシフトレジスタ1の他の構成として、PMOSトランジスタを備えるものである。本実施例のシフトレジスタ1の他の構成は、PMOSトランジスタTr1〜Tr10を備え、端子IN(n−1)、DRV1、DRV2、DRV3、REF、OUT1、OUT2、OUT3、及びVDDを備える。IN(n−1)端子は、隣接するシフトレジスタ1のOUT3端子から出力された信号を受信する。DRV1、DRV2、DRV3、及びREF端子は、クロック信号CLK1〜CLK5のいずれかの信号をそれぞれ受信する。また、OUT1、OUT2及びOUT3端子は、シフトレジスタ1の動作により、High又はLowの信号を出力し、ゲートバスラインGi(i=1〜3n)は、出力された信号を印加される。VDD端子はHigh信号と同等の一定電圧を印加される。
本実施例においては、1個のシフトレジスタに3個の出力回路を有する構成とした。しかし、シフトレジスタの出力回路の個数は4個以上としてもよい。この場合には、DRV端子及びOUT端子が出力回路数に合わせて増大する。したがって、対応するクロック信号の数を増大させることにより、1個のシフトレジスタから複数の出力信号を生成することができる。
[動作の説明]
本実施例の動作を表すタイミングチャートを図10に示す。図10(A)は、シフトレジスタ1を図9(A)に示す構成とした場合のタイミングチャートである。まず、図10(A)を参照して、本実施例のシフトレジスタ1の動作について説明する。
図10(A)の期間1において、STはLowレベルからHighレベルに遷移する。シフトレジスタ1(SR1)におけるIN(n−1)端子がSTのHighレベルを印加されると、Tr1はオン状態となることから、ノードAはLowレベルに遷移する。同時にTr3もオン状態となることから、ノードBはHighレベル(実際は、Highレベルの電位から、Tr3のしきい値電圧分低下した電圧)に設定される。
期間2において、STがLowレベルに遷移すると、Tr1及びTr3がともにオフ状態となる。Tr3がオフ状態となることから、ノードBはフローティング状態となる。この状態において、DRV1端子に接続されているCLK1がLowレベルからHighレベルへ遷移すると、ブートストラップ効果によって、ノードBの電位がHighレベルよりも高い電位にまで上昇する。これにより、Tr6、Tr8、及びTr10のゲートにはHighレベル以上のゲート電圧が印加された状態となる。したがって、CLK1のHighレベルは、電位低下することなくTr6を経由してOUT1端子に出力される。ここで、OUT1端子はゲートバスラインG1に接続されていることから、G1の電位もHighレベルに遷移する。
次に、期間3において、CLK1がHighレベルからLowレベルに遷移すると、OUT1端子及びゲートバスラインG1もLowレベルに設定される。また、CLK2がLowレベルからHighレベルへ遷移することにより、ノードBはHighレベルよりも高い電位に設定される。したがって、CLK2のHighレベルは、電位低下することなくTr8を経由してOUT2端子に転送される。OUT2端子の信号は、ゲートバスラインG2に接続されていることから、G2の電位もHighレベルに遷移する。
次に、期間4において、CLK2がHighレベルからLowレベルに遷移すると、OUT2端子及びゲートバスラインG3もLowレベルに設定される。CLK3はLowレベルからHighレベルへ遷移することから、ノードBはHighレベルよりも高い電位に設定される。したがって、Highレベルは、電位低下することなくTr10を経由してOUT3端子に転送される。OUT3端子の信号はゲートバスラインG3に接続されていることから、G3の電位もHighレベルに遷移する。
次に、期間5において、CLK4がLowレベルからHighレベルに遷移すると、REF端子に接続されているTr2はオン状態となり、ノードAはHighレベル(実際は、Highレベルの電位から、Tr2のしきい値電圧分低下した電圧)に設定される。したがって、Tr5、Tr7、及びTr9はともにオン状態となり、OUT1、OUT2、及びOUT3端子はそれぞれLowレベルとなる。一方、Tr4がオン状態となることから、ノードBはLowレベルとなる。このとき、Tr6、Tr8及びTr10はともにオフ状態となり、DRV1、DRV2及びDRV3端子はそれぞれOUT1、OUT2及びOUT3端子から電気的に分離される。
次に、シフトレジスタ1(SR2)の動作について説明する。シフトレジスタ1(SR1)が期間4において出力したOUT3端子の信号は、分岐されて、図8のAを経由してシフトレジスタ1(SR2)のIN(n−1)に転送される。したがって、シフトレジスタ1(SR2)のTr1、及びTr3はともにオン状態となり、前述のシフトレジスタ1(SR1)と同様の動作を行う。また、期間5において、CLK4のHighレベルは電位低下することなく、OUT1端子に出力される。OUT1端子は、ゲートバスラインG4に接続されていることから、前述のG1、G2、及びG3と同様、Highレベルに遷移する。このように、シフトレジスタ1(SR2)以降のシフトレジスタは、前段のOUT3端子の信号をトリガーとしてゲートバスラインGi(i=1〜3n)の駆動と、次段のシフトレジスタ1への転送を行う。同様の動作は、シフトレジスタ1(SRn)に至るまで繰り返される。
以上説明したシフトレジスタ1の動作により、ゲートバスライン7がHighレベルに遷移すると、図2における表示部4の画素群のうち、当該ゲートバスライン7に接続されている画素21内のスイッチトランジスタ13はすべてオン状態となる。一方、外部接続機器(非図示)から出力された映像信号は、端子列9、ソースIC8を経由してデータバスライン10に転送される。この状態において、活性化された画素群に対して、対応するデータバスライン10から転送された映像信号が入力される。各スイッチトランジスタ13は、入力された映像信号電圧を、保持容量12、及び液晶部11へ転送することにより、光源(非図示)の透過率を制御する。このように、1フレーム期間内に全ゲートバスラインG1〜Gnを選択し、各ゲートバスラインGi(i=1〜n)に接続された画素に対応した映像信号を各画素に入力することにより、1フレーム期間内に全ての画素の表示状態を変更することができる。したがって、表示部4は1フレーム期間毎に表示状態を切り替えることにより、表示装置としての機能を果たすことができる。
上記においては、NMOSトランジスタで形成されたシフトレジスタ1及び画素21の駆動方法について説明した。シフトレジスタがPMOSトランジスタで形成された場合については、図10(B)を参照すると、PMOSトランジスタはLowレベルの信号でオン状態となり、Highレベルの信号でオフ状態となることから、極性の違いはあるものの、基本的な動作は図9(A)に示したNMOSトランジスタで形成されたシフトレジスタ1の動作と同様である。また、画素21の駆動についてもスイッチトランジスタ13は、ゲートバスライン7がLowレベルに遷移した場合にオン状態になることを除いて、基本的な動作はNMOSトランジスタの場合と同様である。したがって、PMOSトランジスタで形成された場合においても、本実施例に係る表示装置は、表示機能を果たすことができる。
このように、本実施例は、表示部4の傍らに走査回路2を備え、走査回路2は、複数のシフトレジスタ1を備える。シフトレジスタ1は、Tr5及びTr6、Tr7及びTr8、又は、Tr9及びTr10から構成された3つの出力回路を備えることにより、一つの回路から、3本のゲートバスラインGi(i=1〜3n)を駆動することができる。したがって、出力回路以外のTFT(Tr1〜Tr4)を共通回路とすることができるため、シフトレジスタ1を構成するTFTの数を削減することができる。本実施例における削減効果は、第1実施例の場合におけるものよりも大きい。したがって、表示部4の高解像度化に伴い、画素ピッチや、シフトレジスタ1の図9における縦方向の長さが短くなったとしても、表示装置の額縁(図9における横方向の長さに相当する)が大きくなってしまうという問題を回避することが可能となる。
また、本実施例のシフトレジスタ1についても、第1実施例と同様、1クロック周期毎にノードAを任意の電位に設定していることから、トランジスタのリークや、ノイズ等による電位変動を抑制することができる。したがって、電位変動起因による回路の誤動作を防止した走査回路及びその走査回路を用いた表示装置を提供することができる。
[構成の説明]
本発明の第3実施例について図面を参照して詳細に説明する。図11及び図12は、本実施例のシフトレジスタ1の構成を示す回路図を示す。本実施例の表示装置は、第1実施例及び第2実施例におけるものと同様である。また、図3に示した断面図についても第1実施例及び第2実施例と同様である。また、図2における走査回路2については、図4又は図8に示した構成とする。本実施例は、走査回路2を構成するシフトレジスタ1の構成が第1実施例又は第2実施例と異なる。そこで、シフトレジスタの構成について、図11及び図12を参照して説明する。
図11(A)に示すとおり、本実施例のシフトレジスタ1は、NMOSトランジスタTr1〜Tr8及びTr11、Tr12を備え、端子IN(n−1)、DRV1、DRV2、REF、OUT1、OUT2、VSS及びVDDを備える。本実施例におけるシフトレジスタ1は、Tr11及びTr12を追加することにより、Tr6及びTr8のゲート電極を、ノードBと分離している。ここでは、Tr6のゲート電極をノードC1、Tr8のゲート電極をノードC2とする。
図11(B)は、本実施例のシフトレジスタ1の他の構成として、図11(A)のシフトレジスタをPMOSトランジスタによって構成したものを示す。図11(A)の構成と同様に、Tr11及びTr12が追加されていることから、Tr6のゲート電極をノードC1、Tr8のゲート電極をノードC2とすると、ノードC1及びC2はノードBから分離されている。
図11(C)は、図11(A)におけるTr11及びTr12をTr11のみとした構成である。このとき、ノードBがTr6及びTr8のゲート電極と分離される点では図11(A)と同じである。しかし、Tr6のゲート電極及びTr8のゲート電極をノードCとして共通化している点において図11(A)とは異なる。
図12(A)は、本実施例のシフトレジスタ1の他の構成として、図9(A)に示したシフトレジスタ1にTr11〜Tr13を付加した構成を示す。このとき、Tr6、Tr8、及びTr10のゲート電極をそれぞれノードC1〜C3とすると、ノードC1〜C3は、ノードBと分離されている。
また、図12(B)は、本実施例のシフトレジスタ1の他の構成として、図12(A)をPMOSトランジスタによって構成したものである。図12(A)の構成と同様、Tr11〜Tr13を付加した構成であることから、Tr6、Tr8、及びTr10のゲート電極をそれぞれノードC1〜C3とすると、ノードC1〜C3はノードBと分離されている。
図12(C)は、図12(A)におけるTr11、Tr12、及びTr13をTr11のみとした構成である。このとき、ノードBは、Tr6、Tr8及びTr10のゲート電極と分離される点では図12(A)と同様である。しかし、Tr6のゲート電極、Tr8のゲート電極、及びTr10のゲート電極をノードCとして共通化している点において図12(A)とは異なる。
図11(A)〜(C)に示したシフトレジスタ1(SR)は、シフトレジスタ1から2つの出力信号を発生させる構成であることから、図4に示した走査回路2に適合する。また、図12(A)〜(C)に示したシフトレジスタ1(SR)は、シフトレジスタ1から3つの出力信号を発生させる構成であることから、図8に示した走査回路2に適合する。
[動作の説明]
図13は、本実施例のシフトレジスタの動作を表すタイミングチャートである。本実施例におけるシフトレジスタ1の動作と、第1実施例及び第2実施例におけるシフトレジスタの動作との違いは、ノードB、及び、新たに追加されたノードC1、C2、ノードC1〜C3、又はノードCの電位状態である。そこで、これらの相違点について説明する。
図13(A)は、シフトレジスタ1が図11(A)の場合のタイミングチャートである。期間1において、Tr3がオン状態となることにより、ノードB、ノードC1、及びノードC2はHighレベルに遷移する。期間2において、Tr3はオフ状態となる。したがって、ノードB、ノードC1及びノードC2は、フローティング状態となる。ここでCLK1がHighレベルに遷移すると、ノードC1はブートストラップ効果によりHighレベルよりも高い電位に上昇する。このとき、CLK1のHighレベルはTr6を経由してOUT1端子に転送される。
期間3においてCLK2がHighに遷移すると、ノードC2はブートストラップ効果によりHighレベルよりも高い電位に上昇する。このとき、CLK2のHighレベルはTr8を経由してOUT2端子に転送される。本実施例のシフトレジスタ1は、ノードBとTr6及びTr8のゲート電極が、それぞれTr11及びTr12によって分離されていることから、CLK1及びCLK2がそれぞれHighレベルになったときに発生するブートストラップ効果による電位上昇は、ノードBではなく、ノードC1又はノードC2において発生する。このとき、ノードBとVDDとの間に設置されているTr4には電源電圧(ここではHighレベル−Lowレベル間の電圧)以上の電圧はかからない。したがって、第1実施例及び第2実施例と比較して、Tr4のドレインストレスが緩和される。また、ノードC1及びノードC2の電圧がブートストラップ効果により電源電圧以上の電圧に増加する期間は、図7(A)のノードBと比較してそれぞれ短くなっている。したがって、Tr6及びTr8のゲート電極にかかる電圧ストレスは緩和される。
図13(B)は、シフトレジスタ1が図11(B)の場合のタイミングチャートである。図13(B)に示すとおり、PMOSトランジスタによって構成されたシフトレジスタ1の動作は、NMOSトランジスタによって構成されたシフトレジスタ1と極性が異なる。つまり、図11(B)におけるノードB、ノードC1及びノードC2の電位は、図13(A)の場合と極性が逆になっている。この場合においても、ノードBがTr11及びTr12によって分離されていることから、ノードC1及びノードC2はそれぞれブートストラップ効果によってLowレベルよりも低い電位に降下する。一方、ノードBはLowレベル(実際は、Tr3のしきい値分だけ上昇した電位)を維持している。このとき、ノードBとVSSとの間に設置されているTr4には電源電圧(ここではHighレベル−Lowレベル間の電圧)以上の電圧はかからない。したがって、第1実施例及び第2実施例と比較してTr4のドレインストレスが緩和される。また、図13(A)と同様に、Tr6及びTr8のゲート電極にかかる電圧ストレスも緩和される。
図13(C)は、シフトレジスタ1を図12(A)とした場合のタイミングチャートである。期間1において、Tr3がオン状態となることにより、ノードB、ノードC1、ノードC2及びノードC3はHighレベルに遷移する。期間2において、Tr3はオフ状態となる。したがって、ノードB、ノードC1、ノードC2及びノードC3は、フローティング状態となる。ここでCLK1がHighレベルに遷移すると、ノードC1がブートストラップ効果によりHighレベルよりも高い電位に上昇する。このとき、CLK1のHighレベルは、Tr6を経由してOUT1端子へ転送される。
期間3においてCLK2がHighレベルに遷移すると、ノードC2はブートストラップ効果によってHighレベルよりも高い電位に上昇する。このとき、CLK2のHighレベルは、Tr8を経由してOUT2端子へ転送される。
さらに、期間4においてCLK3がHighに遷移すると、ノードC3はブートストラップ効果によってHighレベルよりも高い電位に上昇する。このとき、CLK3のHighレベルは、Tr10を経由してOUT3端子へ転送される。
本実施例のシフトレジスタ1は、ノードBとTr6、Tr8及びTr10のゲート電極が、それぞれTr11、Tr12及びTr13によって分離されている。したがって、CLK1、CLK2、及びCLK3がそれぞれHighレベルになったときに発生するブートストラップ効果による電位上昇は、ノードBではなく、ノードC1、ノードC2又はノードC3において発生する。このとき、ノードBとVDDとの間に設置されているTr4には電源電圧(ここではHighレベル−Lowレベル間の電圧)以上の電圧はかからない。したがって、第1実施例及び第2実施例と比較してTr4のドレインストレスが緩和される。また、図13の場合と同じ理由により、Tr6、Tr8及びTr10のゲート電極にかかる電圧ストレスも緩和される。
図13(D)は、シフトレジスタ1を図12(B)とした場合のタイミングチャートである。図13(D)を参照すると、PMOSトランジスタによって形成されたシフトレジスタ1の動作は、NMOSトランジスタで形成されたシフトレジスタ1と極性が異なる。すなわち、図12(B)におけるノードB、ノードC1、ノードC2及びノードC3の電位は、図13(C)の場合と極性が逆となっている。この場合においても、ノードBはTr11、Tr12及びTr13によって分離されている。したがって、ノードC1、ノードC2及びノードC3は、それぞれブートストラップ効果によってLowレベルよりも低い電位に降下する。一方、ノードBはLowレベル(実際は、Tr3のしきい値分だけ上昇した電位)を維持している。このとき、ノードBとVSSとの間に設置されているTr4には電源電圧(ここではHighレベル−Lowレベル間の電圧)以上の電圧はかからない。したがって、第1実施例及び第2実施例と比較してTr4のドレインストレスが緩和される。また、図13の場合と同じ理由により、Tr6、Tr8及びTr10のゲート電極にかかる電圧ストレスも緩和される。
以上説明したとおり、本実施例は、第1実施例及び第2実施例において説明した効果のみならず、シフトレジスタ1を構成するトランジスタのドレイン間の電圧、及びゲート電圧によるストレスを緩和することができる。
[構成の説明]
第4実施例の構成について図面を参照して詳細に説明する。図14及び図16は、本実施例の走査回路の構成を示すブロック図である。図15及び図17は、本実施例のシフトレジスタの構成を示す回路図である。
本実施例の表示装置は、第1実施例と同様であり、図2に示した構成を備える。また、図3に示した断面図についても第1実施例と同様である。本実施例は、図2における走査回路2及び走査回路2を構成するシフトレジスタ1の構成において第1実施例とは異なる。そこで、図14〜図17を参照して、これらの構成について説明する。
走査回路2は、図14に示すとおり、複数のシフトレジスタ1(SR1、SR2、SR3、・・・、SRn−1、SRn)、及び、配線群(CLK1、CLK2、CLK3、及びST)を備える。ゲートバスラインGi(i=1〜2n)は、走査回路2の各々のシフトレジスタ1のOUT1又はOUT2端子のいずれかに接続される。OUT1端子又はOUT2端子から出力された信号は、接続されたゲートバスラインGi(i=1〜2n)に転送される。第1実施例と同様に、一つのシフトレジスタ1に対して2つの出力信号端子(OUT1、OUT2)を備える。第1実施例との違いは、クロック信号がCLK1、CLK2及びCLK3を含む点である。
図15(A)に示すとおり、本実施例のシフトレジスタ1は、NMOSトランジスタTr1〜Tr8及びTr11〜Tr13を備え、端子IN(n−1)、DRV1、DRV2、REF、OUT1、OUT2、VDD、及びVSSを備える。図5(A)に示した第1実施例のシフトレジスタ1との違いは、Tr11〜Tr13を付加し、Tr2の配線接続を変更している点である。ここで、レシオ回路を実現するために、Tr11の電流駆動能力をTr13よりも大きくする必要がある。具体的には、Tr11のトランジスタサイズを、Tr13よりも大きくすることが好ましい。ここで、IN(n−1)端子は、隣接するシフトレジスタ1のOUT2端子からの信号が入力される。DRV1、DRV2及びREF端子は、CLK1〜CLK3のいずれかの信号を受信する。また、OUT1及びOUT2端子は、シフトレジスタ1の動作により、High又はLowの信号を出力し、ゲートバスラインGi(i=1〜2n)はその信号を印加される。最後に、VDD及びVSS端子は、それぞれHigh信号及びLow信号と同等の一定電圧を印加される。
一方、図15(B)は、本実施例のシフトレジスタ1の他の構成として、PMOSトランジスタを備える構成を示す。本実施例のシフトレジスタ1の他の構成は、PMOSトランジスタTr1〜Tr8、及びTr11〜Tr13を備え、端子IN(n−1)、DRV1、DRV2、REF、OUT1、OUT2、VSS、及びVDDを備える。Tr11とTr13は、図15(A)と同様に、Tr11のトランジスタサイズをTr13よりも大きくすることが好ましい。ここで、IN(n−1)端子は、隣接するシフトレジスタ1のOUT2端子からの信号を受信する。DRV1、DRV2及びREF端子は、CLK1〜CLK3のいずれかの信号を受信する。また、OUT1及びOUT2端子は、シフトレジスタ1の動作により、High又はLowの信号を出力し、ゲートバスラインGi(i=1〜2n)は出力された信号を印加される。最後に、VDDは、High信号と同等の一定電圧を印加される。
また、図16は、本実施例の走査回路2の他の構成を示す。図16を参照すると、走査回路2は、複数のシフトレジスタ1(SR1、SR2、・・・、SRn−1、SRn)、及び、配線群(CLK1、CLK2、CLK3、CLK4、及びST)を備える。ゲートバスラインGi(i=1〜3n)は、走査回路2の各々のシフトレジスタ1のOUT1端子、OUT2端子、又はOUT3端子のいずれかに接続される。OUT1端子、OUT2端子、又はOUT3端子から出力された信号は、接続されたゲートバスラインGi(i=1〜3n)に転送される。第2実施例と同様、一つのシフトレジスタ1に対し、3つの出力信号端子(OUT1、OUT2、OUT3)を設けた構成である。第2実施例との違いは、クロック信号がCLK1、CLK2、CLK3及びCLK4を含む点である。
図17(A)を参照すると、本実施例のシフトレジスタ1は、NMOSトランジスタTr1〜Tr13を備え、端子IN(n−1)、DRV1、DRV2、DRV3、REF、OUT1、OUT2、OUT3、VDD、及びVSSを備える。図9(A)に示した第2実施例のシフトレジスタ1との違いは、Tr11〜Tr13を付加し、Tr2の配線接続を変更している点である。図15と同様に、Tr11のトランジスタサイズはTr13よりも大きいことが好ましい。ここで、IN(n−1)端子は、隣接するシフトレジスタ1のOUT3端子からの信号を受信する。DRV1、DRV2、DRV3及びREF端子は、CLK1〜CLK4のいずれかの信号をそれぞれ受信する。また、OUT1、OUT2及びOUT3端子には、シフトレジスタ1の動作により、High又はLowの信号を出し、ゲートバスラインGi(i=1〜3n)は出力された信号を印加される。VDD及びVSSは、それぞれHigh信号及びLow信号と同等の一定電圧を印加される。
一方、図17(B)は、本実施例のシフトレジスタ1の他の構成として、PMOSトランジスタによって構成したものである。本実施例のシフトレジスタ1の他の構成は、PMOSトランジスタTr1〜Tr13を備え、端子IN(n−1)、DRV1、DRV2、DRV3、REF、OUT1、OUT2、OUT3、VDD、及びVSSを備える。図15及び図17(A)と同様、Tr11のトランジスタサイズは、Tr13よりも大きくすることが好ましい。ここで、IN(n−1)端子は、隣接するシフトレジスタ1のOUT3端子からの信号を受信する。DRV1、DRV2、DRV3及びREF端子は、CLK1〜CLK4のいずれかの信号をそれぞれ受信する。また、OUT1端子、OUT2端子及びOUT3端子は、シフトレジスタ1の動作によって、High又はLowの信号を出し、ゲートバスラインGi(i=1〜3n)は出力された信号を印加される。VDD及びVSSは、それぞれHigh信号及びLow信号と同等の一定電圧を印加される。
[動作の説明]
本実施例の動作について、図18(A)〜(D)を参照して説明する。まず、図18(A)を用いて図15(A)に示したシフトレジスタ1の動作について説明する。
期間1において、STはLowレベルからHighレベルに遷移する。シフトレジスタ1(SR1)におけるIN(n−1)端子にSTのHighレベルが印加されると、Tr1及びTr11はオン状態となり、ノードA及びノードCはLowレベルに遷移する。ノードCがLowレベルになることから、Tr12はオフ状態となる。また、同時にTr3もオン状態となることから、ノードBはHighレベル(実際は、Highレベルの電位から、Tr3のしきい値電圧分低下した電圧)に設定される。期間1においては、REF端子が接続されたCLK3はLowレベルからHighレベルへ遷移することから、Tr2がオン状態となる。しかし、前述のとおり、Tr12はオフ状態であることから、VSS端子とノードAが短絡状態となることはない。
期間2において、STがLowレベルに遷移すると、Tr1、Tr11及びTr3は、ともにオフ状態となる。Tr11がオフ状態となることから、ノードCはHighに遷移する。したがって、Tr12はオン状態となる。一方、Tr3がオフ状態となることから、ノードBはフローティング状態となる。この状態において、DRV1端子に接続されているCLK1がLowからHighへ遷移すると、ブートストラップ効果によってノードBの電位はHighレベルよりも高い電位まで上昇する。このとき、Tr6及びTr8のゲートにはHighレベル以上のゲート電圧が印加された状態となる。したがって、CLK1のHighレベルは、電位低下することなくTr6を経由してOUT1端子に出力される。ここで、OUT1端子はゲートバスラインG1に接続されていることから、G1の電位もHighレベルに遷移する。
次に、期間3において、CLK1がHighレベルからLowレベルへ遷移すると、OUT1端子もLowレベルに設定される。また、CLK2がLowレベルからHighレベルへ遷移することにより、ノードBはHighレベルよりも高い電位に設定される。したがって、Highレベルは、電位低下することなくTr8を経由してOUT2端子に転送される。OUT2端子の信号は、ゲートバスラインG2に接続されていることから、G2の電位もHighレベルに遷移する。
次に、期間4において、CLK2がHighレベルからLowレベルに遷移すると、OUT2端子もLowレベルに設定される。ここでREF端子と接続されているCLK3がHighレベルに遷移することから、Tr2はオン状態となる。ノードCはHighレベルであることから、Tr12もオン状態となる。したがって、VDD端子とノードAがTr12及びTr2を経由して短絡状態となる。このとき、ノードAはLowレベルからHighレベル(実際はTr12、及びTr2のしきい値分低下した電位)まで上昇する。したがって、Tr5及びTr7がともにオン状態となり、OUT1及びOUT2端子はそれぞれLowレベルに維持される。一方、Tr4がオン状態となることから、Tr6及びTr8はともにオフ状態となり、DRV1及びDRV2端子はそれぞれOUT1及びOUT2端子と電気的に分離される。
図18(B)は、図15(B)に示したシフトレジスタ1の動作を表すタイミングチャートである。図15(B)に示したシフトレジスタ1は、図15(A)に示したシフトレジスタ1におけるNMOSトランジスタをPMOSトランジスタに変更したものである。したがって、オン/オフ状態となる極性が反転する点を考慮すれば、動作は図18(A)に示したタイミングチャートと同様である。DRV1端子に接続されたCLK1及びDRV2に接続されたCLK2のLowレベルは、それぞれOUT1端子及びOUT2端子に転送される。期間1においては、REF端子に接続されたCLK3はHighレベルからLowレベルへ遷移することから、Tr2はオン状態となる。しかし、上述のとおり、Tr12がオフ状態であることから、VDD端子とノードAが短絡状態となることはない。
次に、図18(C)を参照して、図17(A)に示したシフトレジスタ1の動作について説明する。期間1において、STはLowレベルからHighレベルに遷移する。シフトレジスタ1(SR1)におけるIN(n−1)端子がSTのHighレベルを印加されると、Tr1及びTr11はオン状態となり、ノードAとVSS端子、及び、ノードCとVSS端子がそれぞれ短絡する。したがって、ノードA及びノードCはLowに遷移する。ノードCがLowになることから、Tr12はオフ状態となる。また、同時にTr3もオン状態となることから、ノードBはHighレベル(実際は、Highレベルの電位から、Tr3のしきい値電圧分低下した電圧)に設定される。
期間2において、STがLowレベルに遷移すると、Tr1、Tr11、及びTr3はともにオフ状態となる。Tr11がオフ状態となることから、ノードCはHighレベルに遷移する。したがって、Tr12はオン状態となる。Tr3がオフ状態となることから、ノードBはフローティング状態となる。この状態において、DRV1端子に接続されているCLK1がLowレベルからHighレベルへ遷移すると、ブートストラップ効果によってノードBの電位はHighレベルよりも高い電位まで上昇する。このとき、Tr6及びTr8のゲートはHighレベル以上のゲート電圧を印加された状態となる。したがって、CLK1のHighレベルは、電位低下することなくTr6を経由してOUT1端子に出力される。ここで、OUT1端子は、ゲートバスラインG1に接続されていることから、G1の電位もHighレベルに遷移する。
次に、期間3において、CLK1がHighレベルからLowレベルへ遷移すると、OUT1端子もLowレベルに設定される。また、CLK2がLowレベルからHighレベルへ遷移することから、ノードBはHighレベルよりも高い電位に設定される。したがって、Highレベルは電位低下することなくTr8を経由してOUT2端子に転送される。OUT2端子の信号は、ゲートバスラインG2に接続されていることから、G2の電位もHighレベルに遷移する。
次に、期間4において、CLK2がHighレベルからLowレベルに遷移すると、OUT2端子もLowレベルに設定される。また、CLK3がLowレベルからHighレベルへ遷移することから、ノードBはHighレベルよりも高い電位に設定される。したがって、Highレベルは、電位低下することなくTr10を経由してOUT3端子に転送される。OUT3端子の信号は、ゲートバスラインG3に接続されていることから、G3の電位もHighレベルに遷移する。
期間5において、CLK3がHighレベルからLowレベルへ遷移すると、OUT3端子もLowレベルに設定される。ここで、REF端子と接続されているCLK4がHighレベルに遷移することから、Tr2はオン状態となる。ノードCはHighレベルであることから、Tr12もオン状態となる。したがって、VDD端子とノードAがTr12、及びTr2を経由して短絡状態となり、ノードAはLowレベルからHighレベル(実際はTr12、及びTr2のしきい値分低下した電位)まで上昇する。このとき、Tr5、Tr7、及びTr9はともにオン状態となり、OUT1、OUT2及びOUT3端子はそれぞれVSSと短絡されえ、Lowレベルに維持される。一方、Tr4がオン状態となることから、ノードBとVSSは短絡する。したがって、Tr6、Tr8及びTr10はともにオフ状態となり、DRV1、DRV2及びDRV3端子はそれぞれOUT1、OUT2及びOUT3端子から電気的に分離される。
図18(D)は、図17(B)に示したシフトレジスタ1の動作を表すタイミングチャートである。図17(B)に示すシフトレジスタ1は、図17(A)に示したシフトレジスタ1におけるNMOSトランジスタをPMOSトランジスタに変更したものである。したがって、オン/オフ状態となる極性が反転する点を考慮すれば、その動作は図18(C)に示したタイミングチャートと同様である。DRV1に接続されたCLK1、DRV2に接続されたCLK2、及びDRV3に接続されたCLK3のそれぞれのLowレベルがOUT1、OUT2又はOUT3端子に転送される。
以上説明したように、本実施例によると、第1実施例又は第2実施例で示した効果を有する走査回路2をより少ない本数のクロック信号線によって実現することができる。さらに、本実施例では、シフトレジスタ1においてOUT1端子に出力するCLK1よりも一つ前の位相のクロック信号(シフトレジスタ1が図15の場合にはCLK3であり、シフトレジスタ1が図17の場合にはCLK4である。)を用いてノードAをVDD(シフトレジスタ1が図15(A)及び図17(A)の場合)、又は、VSS(シフトレジスタ1が図15(B)、及び図17(B)の場合)に設定されることから、他の実施例よりもノードAの電位変動による回路の誤動作を抑制した構成をとることが可能となる。
[構成の説明]
本実施例の表示装置は、他の実施例と同様であり、図2及び図3に示した構成と同一である。また、シフトレジスタ1の構成については他の実施例において説明した構成を援用することができる。本実施例では、走査回路2の構成が異なる。そこで、図19及び図20に本実施例の走査回路のブロック図を示す。
まず、図19を用いて本実施例の走査回路の構成について説明する。走査回路2は、複数のシフトレジスタ1(SR1、SR2、SR3、・・・、SRn−1、SRn)、及び配線群(CLK1、CLK2、CLK3、ST、及びREF)を備える。他の実施例との構成上の相違点は、シフトレジスタ1のREF端子がクロック信号ではなく、隣接するシフトレジスタ1のOUT1端子と接続されていること、及び、最終段のシフトレジスタ1(SRn)のREF端子に外部からREF信号線を経由して信号が供給されること、である。シフトレジスタ1の構成は、一つのシフトレジスタ1から2本のゲートバスラインGi(i=1〜2n)を駆動する構成であればよいことから、第1実施例の図5の構成であってもよいし、第3実施例の図11の構成であっても、第4実施例の図15の構成であってもよい。
次に、図20を用いて本実施例の走査回路の別の構成について説明する。走査回路2は、複数のシフトレジスタ1(SR1、SR2、・・・、SRn−1、SRn)、及び配線群(CLK1、CLK2、CLK3、CLK4、ST、及びREF)を備える。他の実施例との構成上の相違点は、図19と同様、シフトレジスタ1のREF端子がクロック信号ではなく、隣接するシフトレジスタ1のOUT1端子と接続されていること、及び最終段のシフトレジスタ1(SRn)のREF端子に外部からREF信号線を経由して信号が供給されることである。シフトレジスタ1の構成は、一つのシフトレジスタ1から3本のゲートバスラインG1〜G3を駆動する構成であればよいことから、第2実施例の図9(A)〜(B)の構成であってもよく、第3実施例の図12(A)〜(C)の構成であっても、第4実施例の図17(A)〜(B)の構成であってもよい。
[動作の説明]
図19及び図20に示した走査回路2を構成するシフトレジスタ1は、前述のとおり他の実施例におけるシフトレジスタ1の構成を適用することができる。このとき、これらの実施例で述べた動作を行うことにより、OUT1又はOUT2端子(あるいはOUT3端子)から出力信号が生成される。本実施例では、シフトレジスタ1のREF端子はクロック信号を受信するのではなく、隣接するシフトレジスタ1のOUT1端子からの出力信号を受信し、受信した出力信号によって制御される。ただし、最終段のシフトレジスタ1(SRn)については、適当な信号が存在しないことから、外部信号REFを入力する必要がある。
本実施例によると、一つのシフトレジスタ1から2本のゲートバスラインGi(i=1〜2n)を駆動する場合には3相クロックで制御され、一つのシフトレジスタ1から3本のゲートバスラインGi(i=1〜3n)を駆動する場合には4相のクロック信号で制御される走査回路及びその走査回路を備えた表示装置が提供される。
以上、第1実施例から第5実施例について説明した。各実施例で示した回路構成又は駆動方法は一例であり、同様の機能、効果を備えるものであれば、他の回路構成又は駆動方法であってもよい。
本発明の実施形態に係るシフトレジスタの構成の一部を示すブロック図である。 第1実施例の表示装置を示す構成図である。 第1実施例の表示装置の断面図である。 第1実施例の走査回路の構成を示すブロック図である。 第1実施例のシフトレジスタの構成を示す回路図である。 第1実施例の表示装置の画素部分の回路図である。 第1実施例のシフトレジスタの動作を示すタイミングチャートである。 第2実施例の走査回路の構成を示すブロック図である。 第2実施例のシフトレジスタの構成を示す回路図である。 第2実施例のシフトレジスタの動作を示すタイミングチャートである。 第3実施例のシフトレジスタの構成を示す回路図である。 第3実施例のシフトレジスタの別の構成を示す回路図である。 第3実施例のシフトレジスタの動作を示すタイミングチャートである。 第4実施例の走査回路の構成を示すブロック図である。 第4実施例のシフトレジスタの構成を示す回路図である。 第4実施例の走査回路の構成を示すブロック図である。 第4実施例のシフトレジスタの構成を示す回路図である。 第4実施例のシフトレジスタの動作を示すタイミングチャートである。 第5実施例の走査回路の構成を示すブロック図である。 第5実施例の走査回路の別の構成を示すブロック図である。 画素ピッチと回路幅Lの説明図である。
符号の説明
1 シフトレジスタ
2 走査回路
3 絶縁基板
4 表示部
7、G1〜G3n ゲートバスライン
8 ソースIC
9 端子列
10 データバスライン
11 液晶部
12 保持容量
13 スイッチトランジスタ
14 対向基板
15 液晶層
16 共通配線
20、31、32 出力回路
21 画素
22 ギャップ制御手段
41、42 出力信号線
51、52 制御信号線

Claims (2)

  1. 表示部および走査回路を備えた表示装置であって、
    前記走査回路は、複数のシフトレジスタを備え、互いに位相の異なる第1ないし第4のクロック信号を受信し、
    各シフトレジスタは、第1の出力回路および第2の出力回路を備え、
    前記第1の出力回路は、前記第1ないし第4のクロック信号のうちのいずれか1つのクロック信号、第1の制御信号および第2の制御信号によって制御され、
    前記第2の出力回路は、前記第1ないし第4のクロック信号のうちの前記第1の出力回路を制御するクロック信号以外のいずれか1つのクロック信号、前記第1の制御信号および前記第2の制御信号によって制御され、
    前記第1の出力回路から出力された信号は、前記表示部に設けられた画素回路の制御に用いられ、
    前記第2の出力回路から出力された信号は、前記画素回路の制御に用いられるとともに、次段のシフトレジスタの入力信号として用いられ、
    前記第1の制御信号および前記第2の制御信号は、前記第1ないし第4のクロック信号、および、前段のシフトレジスタの前記第2の出力回路から出力された信号のうちの少なくともいずれかと同期して変動する、表示装置。
  2. 表示部および走査回路を備えた表示装置であって、
    前記走査回路は、複数のシフトレジスタを備え、互いに位相の異なる第1ないし第5のクロック信号を受信し、
    各シフトレジスタは、第1の出力回路、第2の出力回路および第3の出力回路を備え、
    前記第1の出力回路は、前記第1ないし第5のクロック信号のうちのいずれか1つのクロック信号、第1の制御信号および第2の制御信号によって制御され、
    前記第2の出力回路は、前記第1ないし第5のクロック信号のうちの前記第1の出力回路を制御するクロック信号以外のいずれか1つのクロック信号、前記第1の制御信号および前記第2の制御信号によって制御され、
    前記第3の出力回路は、前記第1ないし第5のクロック信号のうちの前記第1の出力回路を制御するクロック信号および前記第2の出力回路を制御するクロック信号以外のいずれか1つのクロック信号、前記第1の制御信号および前記第2の制御信号によって制御され、
    前記第1の出力回路および前記第2の出力回路から出力された信号は、前記表示部に設けられた画素回路の制御に用いられ、
    前記第3の出力回路から出力された信号は、前記画素回路の制御に用いられるとともに、次段のシフトレジスタの入力信号として用いられ、
    前記第1の制御信号および前記第2の制御信号は、前記第1ないし第5のクロック信号、および、前段のシフトレジスタの前記第2の出力回路から出力された信号のうちの少なくともいずれかと同期して変動する、表示装置。
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