図1乃至図3は本発明の上部レール部材及び区画壁(防煙垂れ壁構造又は垂れ壁)の一例を示す。この例では、天井に取り付け可能な上部レール部材1は、アルミニウム製であり、室内の天井20に対して面接触可能な当接部(又は取付部、天壁部)2と、下端部に形成された装着部6と、前記当接部と装着部とを連結する連結部(当接部から垂下して延びる延出部、支持部)5とを備えており、前記装着部には、シート11の上端部を装着又は収容するためのアリ溝状装着凹部7が長手方向に延びて形成されている。より具体的には、上記上部レール部材1は、連結部5の軸線を中心として断面T字状又はI字状の形態を有しており、前記当接部2の両側部の内壁面には、ネジ部材8により天井壁20に上部レール部材1を取り付けるのを容易にするため、長手方向に沿って溝(この例ではV字状溝)4が形成されている。また、連結部5の両側壁には、長手方向に沿って補強リブ5aが形成されている。さらに、後述するように、ジョイント部材で複数の上部レール部材をジョイントとするため、前記連結部5の軸線の延長線上に位置する当接部2の上部壁(又は上部壁面の中央部)には、長手方向に沿って、上方に細幅で開口した断面円形状の連結凹溝(アリ溝状凹溝、連結凹部)3、すなわち上方向に向いて開口した細幅の開口部3aを有する断面円形状の連結凹溝(又は連結凹部)3が形成されている。さらには、前記連結部5の軸線の延長線上に位置する装着部(装着部に幅方向の中央部)6には、長手方向に沿って、下方に細幅で開口した断面円形状の装着凹部(アリ溝状装着凹部)7が形成されている。すなわち、装着部6には、細幅の開口部7aが下方向に向いた断面円形状の凹溝(アリ溝状装着凹部)7が形成されている。
一方、シート11は可撓性及び熱融着性を有する不燃シートで形成されており、シート11の上端部は、折り返されて(又は折り畳んで)端部がウェルド溶着などの接合手段により接合された袋縫い状の中空筒状部12を形成しており、シート11の下端部も、上端部と同じく袋縫い状の中空筒状部13を形成している。なお、符号11aは接合手段により接合された溶着部を示す。
そして、前記シート11の上端部の中空筒状部12には、アリ溝状装着凹部7の細幅の開口部7aよりも直径が大きな芯材(この例では、不燃性プラスチックチューブ)14が挿入され、補強されている。そのため、中空筒状部12に芯材14を挿入した状態で、アリ溝状装着凹部7に中空筒状部12を装着又は挿入すると、芯材14によりシート11の中空筒状部12がアリ溝状装着凹部7から脱落することがない。なお、この芯材14は、中空筒状部12の両側部を余して挿入可能な長さを有している。また、芯材14が中空筒状部12に挿入された状態で、シート11の上端部の中空筒状部12がアリ溝状装着凹部7に収容又は装着されており、前記中空筒状部12の中空部の両側部(又は両端部)には、半径方向に変形又は拡大可能な軟質の中空プラグ(この例では、不燃性プラスチック製中空プラグ)15が装着又は挿入され、この中空プラグの中空部にはネジ部材16が螺合されている。なお、中空プラグ15の軸方向には、周方向への回転を規制するための回転止め部15aが形成されている。
さらに、シート11の下端部の中空筒状部13には、シート11を縦方向に展張するため、下方向への荷重を作用させる荷重手段として長尺な棒状錘部材(この例では、ステンレススチール製の丸棒)17が装着又は収容されている。この例では、シート11の上端部の中空筒状部12と同じく、下端部の中空筒状部13でも、中空プラグ15及びネジ部材16で棒状錘部材17が中空筒状部13に脱落不能に装着又は収容されている。
このような垂れ壁又は区画構造では、前記当接部2の両側部の内壁面に溝4が形成されているため、ネジ止め部の位置ずれを防止しつつ、上部レール部材1を天井壁20にネジ部材8で取り付けることができる。また、上部レール部材1の当接部2が天井壁20と面接触可能であるため、天井壁20に対して上部レール部材1を安定して取り付けることができる。また、シート11の上端部の中空筒状部12に芯材14を挿入して、アリ溝状装着凹部7に装着又は収容し、前記中空筒状部12の中空部の両側部(又は両端部)に中空プラグ15を装着又は挿入して、中空プラグの中空部にネジ部材16を螺合すると、ネジ部材16の前進動に伴って中空プラグ15が半径方向に拡がり、上部レール部材1のアリ溝状装着凹部7にシート11を緊密に取り付けることができる。その際、芯材14が補強部材として機能するため、中空筒状部12をアリ溝状装着凹部7に円滑に装着又は収容できる。さらに、中空プラグ15の軸方向に回転止め部15aが形成されているため、中空プラグ15の回転を抑制しつつ、ネジ部材16の螺合により中空プラグ15を効率よく半径方向に拡げることができ、上部レール部材1のアリ溝状装着凹部7に対してシート11を効率よくかつ緊密に取り付けることができる。さらに、芯材14によりシート11の上端部の中空筒状部12がアリ溝状装着凹部7から脱落するのを確実に防止しつつ、シート11の上端部の中空筒状部12に挿入された芯材14及びシート11の下端部の中空筒状部13に装着又は収容された棒状錘部材17により、シート11を長手方向(又は横方向)に展張でき、前記棒状錘部材17により、シート11を縦方向に展張できる。なお、前記と逆の操作により、上部レール部材1のアリ溝状装着凹部7に装着されたシート11を容易に取り外すこともできる。
前記のように、当接部2の上部壁(又は上部壁面の中央部)に、長手方向に沿って、細幅の開口部3aを有する断面円形状の連結凹溝(アリ溝状凹溝)3が形成された上部レール部材1は、ジョイント部材で連結でき、施工性を向上させるのに有用である。図4は、複数の上部レール部材の連結状態を示す概略図である。なお、図1〜図3に示すのと同じ要素又は部材については、同じ符号を付して説明する(以下、同じ)。
上部レール部材1を延長して施工する場合、開口部3aよりも直径の大きな連結棒状体又は連結棒(この例では、ジョイントとしての丸棒体)10を、隣接する上部レール部材1,1の断面円形状の連結凹溝(アリ溝状凹溝、連結凹部)3,3に装着又は挿入すると、隣接する上部レール部材1,1が長手方向に対して交差する方向へ変位するのを防止できる。そのため、連結棒状体10をアリ溝状凹溝3,3(連結凹部)に装着又は挿入して隣接する上部レール部材1,1の端面を突き合わせ、上部レール部材1,1を天井壁20にネジ部材8でネジ止めすることにより、隣接する上部レール部材1,1を正確に位置決めしつつ延長して天井壁20に取り付けることができる。
なお、上部レール部材は天井に取り付け可能であればよく、前記当接部(取付部)を利用することなく、連結部やブラケットなどを利用して上部レール部材を天井に取り付けてもよい。図5は本発明の他の上部レール部材を示す概略断面図である。
この例では、上部レール部材21は、連結部25の軸線を中心として断面I字状の形態を有しており、前記連結部25の軸線の延長線上に位置する当接部22の上部壁(又は上部壁面の中央部)には、長手方向に沿って、細幅の開口部23aが上方に向いて開口した断面円形状の連結凹溝(アリ溝状凹溝)23が形成され、前記連結部25の軸線の延長線上に位置する装着部(装着部の幅方向の中央部)26には、長手方向に沿って、細幅の開口部27aが下方に向いて開口した断面円形状の装着凹部(アリ溝状装着凹部)27が形成されている。
この例では、前記当接部22の両側部の内壁面には、ネジ部材により天井壁に上部レール部材21を取り付けるための溝を形成することなく、ブラケット29を利用して上部レール部材21を天井壁に取り付けている。すなわち、ブラケット29は、概略L字状に屈曲しており、上部レール部材21の連結部25に沿わせて配置でき(又は連結部25に対応して形成され)、かつネジ28aで連結部25と締結するための締結壁29aと、天井壁に沿わせて配置でき、かつネジ28bにより天井壁に取り付けるための取り付け壁29cと、前記締結壁29aと取り付け壁29cとの間に介在する傾斜壁29bとを有している。また、ブラケット29は、上部レール部材21を位置決めしつつ天井壁に取り付けるため、当接部22の側部の端部と係合又は接触可能な位置決め段部壁29dを有している。なお、ブラケット29の締結壁29a及び取り付け壁29cには、それぞれ、ネジ28a,28bが螺合可能な螺合孔が形成されている。
このようなブラケットを利用しても、上部レール部材を正確に位置決めしながら、上部レール部材を天井壁に取り付け、防煙垂れ壁構造又は区画壁構造を効率よく形成できる。
シートを縦方向に展張するため、シートの下端部に装着又は収容可能な荷重手段(錘部材など)を備えていてもよい。図6は本発明の他の上部レール部材を示す概略斜視図である。
この例では、上部レール部材31は、装着部36が断面四角形状に形成されていることを除いて、前記図1〜図3の上部レール部材1と同様に形成されている。すなわち、上部レール部材31は、アルミニウム製であり、当接部32の上壁面に長手方向に沿って形成され、細幅の開口部33aが上方を向いて開口したアリ溝状凹部33と、下端部に形成された装着部36と、前記当接部32と装着部とを連結する連結部(当接部32から延出した延出部)35と、前記装着部36の下壁面に長手方向に沿って形成され、細幅の開口部37aが下方を向いて開口したアリ溝状装着凹部37とを備えている。このアリ溝状装着凹部37には、前記と同様にして、シート11の上端部にウェルド加工により形成された中空筒状部12と、芯材14と、中空プラグ15と、ネジ部材16とを利用して、シート11の上端部が装着される。
一方、シートの下端部に荷重を作用させるための荷重手段は、断面四角形状の金属製棒状体(又は棒状ブロック体)41と、この棒状体の上壁面に長手方向に沿って形成され、細幅の開口部42aが上方を向いて開口したアリ溝状装着凹部42とを備えている。このアリ溝状装着凹部42には、前記シートの上端部と同様に、シート11の下端部を装着又は収容した状態で、アリ溝状装着凹部42に抜け止め部材を装置することにより、シート11の下端部を装着している。すなわち、前記と同様に、シート11の下端部にウェルド加工により形成された中空筒状部(袋縫い部)13と、この中空筒状部の中空部に挿入可能な芯材47(前記芯材14と同様のチューブ状芯材)と、前記中空筒状部(袋縫い部)13の両端部に装着又は挿入可能な中空プラグ48と、この中空プラグの中空部に螺合可能なネジ部材49とを利用して、シート11の下端部が棒状体(又は棒状ブロック体)41のアリ溝状装着凹部42に抜け不能に装着される。
このような形態の荷重手段を利用すると、シート11を展張した状態で防煙区画(防煙壁)を円滑に形成できる。しかも、シート11の上端部及び下端部が上部レール部材31及び棒状体(又は棒状ブロック体)41から脱離するのを簡便かつ確実に防止できる。特に、装着部36及び棒状体(又は棒状ブロック体)41が断面四角形状であるため、シート11の左右両側部を板状の保持部材(又は側部挟持部材)で縦方向に挟み込んで保持すると、前記保持部材の上下端面を、装着部36の下端面及び棒状体(又は棒状ブロック体)41の上端面に沿わせて安定に配置できる。さらに、シート11を隣接させて配置する場合、シート11,11の隣接する側部を板状の保持部材(又は側部挟持部材)で縦方向に挟み込んで保持すると、保持部材の両側壁面を突き合わせた形態で、シート11,11の隣接側部を安定に配置できる。さらに、シート11の左右両側部の少なくとも一方の側部が室内の壁面側(壁側)に位置するとき、挟持部(挟持壁)と取付部(取付壁)とが断面L字状に屈曲した形態の一対の保持体(断面L字状の一対の保持体)を用い、一対の保持体の挟持部でシート11の側部の両面を断面T字状の形態で(又は断面L字状保持体の取付部を側部に位置させて)挟持してシート11を取り付け、一対の保持体により断面T字状に拡がった取付部の端面を室内の壁面に対向させ、必要であれば面接触させることにより安定に配置又は取り付けることができる。
レール部材(上部レール部材を含む)は直線的形状である必要はなく、アール部を有する湾曲形状、例えば、緩やかにカーブした形状、波形形状などであってもよい。図7は湾曲した上部レール部材及び防煙垂れ壁構造の一例を示す概略分解斜視図である。
この例では、上部レール部材51は、アルミニウム製であり、湾曲度300R(mm)及び角度90°で曲げ加工されている。また、上部レール部材51は、前記と同様に、アリ溝状凹部53を有する当接部52と、この当接部から延びる延出部55と、この延出部の下端部に形成され、アリ溝状装着凹部57を有する装着部56とを備えている。
図8は本発明の区画壁の他の例を示す概略部分分解斜視図である。
この例では、上部レール部材61は、アリ溝状連結凹部63が、上方を向いて開口した細幅の開口部63aから深部に位置すること、装着部66が上部側壁に狭まった傾斜面を有する断面台形状に形成されていることを除いて、前記図6に示すレール部材と同様に形成されている。すなわち、上部レール部材61は、当接部62の上壁面に長手方向に沿って形成され、細幅の開口部63aの深部に形成された螺合部(又は螺合孔、アリ溝状の連結凹溝又は連結凹部)63と、下端部に形成された装着部66と、前記当接部62と装着部66とを連結する連結部65と、前記装着部66の下壁面に長手方向に沿って形成され、細幅の開口部67aが下方を向いて開口したアリ溝状装着凹部67とを備えている。このアリ溝状装着凹部67には、前記と同様に、シート11の上端部に形成された中空筒状部と、この中空筒状部に挿入又は装着された芯材14と、中空プラグ15と、ネジ部材16とを利用して、シート11の上端部が装着される。なお、前記螺合部(又は螺合孔)63には、ネジ部材87が螺合可能である。
一方、荷重手段(又は錘部材)を構成するアルミニウム製の下部レール部材71は、断面中空四角形状のレール本体72と、このレール本体の上壁面が長手方向に沿って断面円弧状又はU字状の形態で凹設され、細幅の開口部73aが上方を向いて開口したアリ溝状装着凹部73と、四角枠状レール本体72の下部両側のコーナー部に形成され、かつ細幅の開口部74aが斜め内方を向いて開口した螺合部(又は螺合孔、アリ溝状の連結凹溝又は連結凹部)74とを備えている。前記アリ溝状装着凹部73には、前記と同様に、シートの下端部が装着可能であり、螺合部(又は螺合孔)74にはネジ部材90が螺合可能である。
一対のレール部材61,71の両端部には、平板状の縦枠部材81が取り付けられる。この縦枠部材81には、上部レール部材61の前記螺合部(又は螺合孔)63に対応して形成された孔部82と、前記装着凹部67に対応して形成された孔部83と、下部レール部材71のアリ溝状装着凹部73に対応して形成された孔部85と、前記螺合部(又は螺合孔)74に対応して形成された孔部86とが形成されている。なお、この例では、平板状の縦枠部材81の下部には横方向(幅方向)に間隔をおいて2つの螺合孔(又は連結凹部)74が形成されている。
さらに、縦枠部材81の下部に形成された孔部85及び孔部86は、それぞれ縦方向に延びた長孔(縦長孔)の形態で形成されている。そのため、上部レール部材61の上部に形成された孔部82を利用して、前記螺合部(又は螺合孔)63にネジ部材87を螺合し、孔部83を利用して、中空プラグ15及びネジ部材16を前記装着凹部67に装着及び螺合して、シート11の上端部を固定できる。そして、下部レール部材71の下部に形成された前記孔部85及び孔部86が長孔(縦長孔)の形態であるため、中空プラグ15を長孔部85に沿ってスライドさせ、シート11を下方向に引っ張って展張させた位置で、長孔部85を利用してアリ溝状装着凹部73に中空プラグ15及びネジ部材16を装着及び螺合できる。また、ネジ部材90も長孔部86に沿ってスライドさせて、シート11を下方向に展張させ、長孔部86を利用して、前記螺合部(又は螺合孔)74にネジ部材90を螺合できる。そのため、シート11を下方向に展張した状態でレール部材71に固定し、取り付けることができる。
なお、一対のレール部材61,71に対して縦枠部材81を螺合又は装着により取り付けるための孔部(孔部82,83、長孔部85,86)は座ぐり加工され、ネジ部材87,90,16及びプラグ15の頭部が縦枠部材81の表面から突出するのを防止している。そのため、縦枠部材81を壁面に沿わせて配設でき、ネジ部材89により縦枠部材81を壁面に効率よく取り付けることができる。
また、縦枠部材81には、ネジ部材89により縦枠部材81を壁面に取り付けるため、取付孔84が形成されている。この例では、取付孔84は縦枠部材81の縦方向において異なる箇所(複数箇所)に形成されている。
さらに、シート11の長手方向(横方向)の中間部は、シート11が揺れたりばたつくのを防止するため、一対の板状保持部材(中間部材)91により挟持して保持されている。
なお、上記形態のレール部材及び区画壁では、前記連結凹部3と同じく、螺合部(又は螺合孔)63,74に、ジョイント部材(ジョイントピン、連結棒、丸棒体などの棒状体など)を装着することにより、隣接する下部レール部材71をジョイント又は延長可能である。そのため、螺合部(又は螺合孔)63,74は連結凹部として機能させることができる。
また、長孔(縦長孔)85,86は縦枠部材81の下部に限らず、縦枠部材81の上部又は下部の一方に形成してもよい。各縦枠部材(特に、下部レール部材に対応する部位)に、縦長孔を形成し、この縦長孔を通じて、下部レール部材の両端部に縦枠部材を取り付けると、上下レールレール部材間でーシートを縦方向(高さ方向)に展張させてことができる。
図9は本発明の区画壁のさらに他の例を示す概略部分分解斜視図である。この例では、上下一対のレール部材を用いている。すなわち、一対のレール部材101,111の主要部は、前記図8に示す下部レール部材と同様の構造を有しており、断面中空四角形状(四角枠状)のレール本体102,112と、このレール本体の下壁面(又は上壁面)が長手方向に沿って断面円弧状又はU字状の形態で凹設され、細幅の開口部103a,113aが下方(又は上方)を向いて開口したアリ溝状装着凹部103,113と、四角枠状レール本体102,112の上部両側(又は下部両側)のコーナー部に形成され、かつ細幅の開口部104a,114aが斜め内方を向いて開口した螺合部(又は螺合孔、アリ溝状連結凹溝又は連結凹部)104,114とを備えている。なお、上部レール部材101のレール本体102は、上部壁から側方に延びる取付壁105を備えており、この取付壁はネジ部材106により天井壁に取り付け可能である。
前記一対のレール部材101,111は、アリ溝状装着凹部103,113を対向させて配設され、前記アリ溝状装着凹部103,113には、前記と同様に、抜け止め手段と協働してシートの上端部又は下端部が装着可能であり螺合部(又は螺合孔)104,114には縦枠部材を取り付けるためのネジ部材が螺合可能である。
さらに、上下一対のレール部材は、中実の断面形状であってもよいが、中空の断面形状、例えば、断面円形状、断面楕円形状などであってもよく、断面多角形状(四角形状など)である場合が多い。また、互いに同じ断面形状を有する上下一対のレール部材を備えていてもよい。また、縦方向だけに限らず、シートを横方向に牽引又は展張する手段を備えていてもよい。さらに、レール部材及び区画壁を形成する部材は、それぞれ対称構造又は同一形状に形成し、部品点数を低減するとともに、組立効率を高めてもよい。
図10は本発明のさらに他の区画壁を示す概略部分分解斜視図であり、図11は図10の取付枠体による取付構造を示す概略図であり、図12はシートの側部の挟持機構を説明するための概略斜視図である。
この例では、互いに同じ断面形状を有する上下一対のレール部材121,131と、上下一対のレール部材間で展張して配設されるシート11と、このシートの長手方向(横方向)の側部を挟持する左右一対の挟持部材141,151と、上下一対のレール部材の両端部及び前記挟持部材の端部に配設される左右一対の縦枠部材161,171と、前記上下一対のレール部材を取り付けるための上下一対の取付枠体181,191とを備えている。
上下一対のレール部材121,131は、それぞれ、縦断面形状が、2つの側壁間に縦方向の異なる箇所でブリッジ部が架設された形態(概略断面中空四角形状(又は四角枠状))を有し、かつ同一形状に形成され、断面円弧状のアリ溝状装着凹部127,137の細幅の開口部127a,137aが互いに対向して配設されている。一対のレール部材121,131は、前記一対の取付枠体181,191に収容して接触可能な当接部(上壁部又は下壁部)122,132と、下部に形成されたアリ溝状装着凹部(断面円弧状装着凹部)127,137を有する装着部126,136と、前記当接部122,132と装着部126,136とを連結する連結部(左右両側壁)125,135とを備えている。アリ溝状装着凹部(断面円弧状装着凹部)127,137は、細幅の開口部127a,137aが下方を向いて開口し、装着部126,136の長手方向に延びて形成されている。なお、装着部126,136の装着凹部(断面円弧状装着凹部)127,137には、前記と同様に、シート11の上下両端部の中空筒状部に補強芯材14が挿入又は装着され、中空筒状部の両端部に中空プラグ15及びネジ部材16を装着及び螺合することにより、シート11の両端部が抜け止め状態で装着されている。
また、一対のレール部材121,131の両端部に縦枠部材161,171を取り付けるため、一対のレール部材121,131の当接部(上壁部又は下壁部)122,132の内壁部(上部又は下部の第1のブリッジ部)には、細幅の開口部123a,133aが内方(下方又は上方)に向いて断面円弧状の螺合部(又は螺合孔,アリ溝状螺合凹部)123,133が形成され、前記装着部126,136の内壁部(下部又は上部の第2のブリッジ部)には、前記装着凹部(断面円弧状装着凹部)127,137に隣接して、装着凹部(断面円弧状装着凹部)127,137とは反対方向に細幅の開口部128a,138aが開口した断面円弧状の螺合部(又は螺合孔,アリ溝状螺合凹部)128,138が形成されている。下部の螺合孔123,133と上部の螺合孔128,138は縦方向に間隔をおいて対峙している。
さらに、一対のレール部材121,131を上下一対の取付枠体181,191に取り付けるため、一対のレール部材121,131の当接部(上壁部又は下壁部)122,132には長手方向に沿って凹溝122a,132aが形成され、当接部122,132に隣接する連結部(左右両側壁)125,135の側壁には長手方向に沿って凹溝125a,135aが形成されている。
さらに、左右一対の挟持部材(又は保持部材)141,151は、それぞれ同一形状に形成されており、一対の挟持部材(又は保持部材)141,151を突き合わせた状態では、概略断面U字状又はコ字状であり、開口部側が側部方向に拡がった形態を有している。すなわち、一対の挟持部材141,151は、シート11の側部を挟持するための湾曲又は屈曲基部142,152と、この基部から延びる延出部143,153と、この延出部の途中部から突出し、シート11(例えば、シートの先端部)を挟持可能な突き合わせ部144,154と、前記延出部の先端部から側方に延び、かつ縦枠部材161,171の案内凹部162,172に沿って案内可能な案内部145,155とを備えている。このような一対の挟持部材141,151では、シート11の長手方向(横方向)の側部を基部142,152と突き合わせ部144,154とで挟持し、一対の挟持部材141,151(この例では、基部142,152と突き合わせ部144,154との間)をネジ部材(ネジ棒)147とボルト148とで締結し、シート11と一対の挟持部材141,151とを一体化できる。一対の挟持部材141,151の締結状態では、突き合わせ部144,154の側部方向(前方方向又は側部外方向)の端面に、所定間隔をおいて端部が互いに対向した形態の対向溝部(断面U字状の対向溝部)146が形成される。この対向溝部は、延出部143,153の先端部の案内部145,155間に形成されるため、縦枠部材161,171の案内凹部に沿って案内部145,155を案内すると、対向溝部146と縦枠部材161,171の螺合孔とを位置あわせできる。
左右一対の縦枠部材161,171は、それぞれ同じ断面H形状に形成されており、前記のように、縦枠部材161,171には長手方向に沿って案内凹部162,172を有している。また、一対の縦枠部材161,171には、一対のレール部材121,131の螺合部(又は螺合孔)123,133、螺合部(又は螺合孔)128,138及びアリ溝状装着凹部(断面円弧状装着凹部)127,137に対応して、それぞれ孔部が形成されている。なお、シート11を高さ方向(縦方向)に展張するため、一対の縦枠部材161,171のうち、下部レール部材131の下部に形成された螺合部(又は螺合孔)133から螺合部(又は螺合孔)138に至る部位には、縦方向に延び、かつネジ部材167,168,177,178がスライド可能な長孔部(縦長孔)163,173が形成されている。
上記一対のレール部材121,131を必要に応じて連結して延長し、上部レール部材121を天井壁に取り付け、下部レール部材131をシート11の下端部に取り付けると、レール部材121,131が上下方向に傾斜又は波打ったり左右方向に蛇行し、直線的に取り付けることができない場合がある。そのため、この例では、上下一対の取付枠体181,191を用いて、前記一対のレール部材121,131を直線的に配列させている。すなわち、一対の取付枠体181,191は、同じ断面コ字状に形成され、長手方向に沿って、前記一対のレール部材121,131の当接部122,132が収容可能なガイド凹部181a,191aを有している。上部の取付枠体181は天井壁にネジ部材(ピアスビスなど)182で取り付け可能であり、下部の取付枠体191は下部レール部材131の当接部132の凹溝132a部にネジ部材(ピアスビスなど)192で取り付け可能である。
このような区画壁の部材(組立セット)を用いると、少ない部品点数で整然と配列した区画壁を効率よく形成できる。すなわち、前記のように、シート11の上下両端部の中空筒状部に補強芯材14を挿入又は装着し、前記一対のレール部材121,131の装着部126,136のアリ溝状装着凹部127,137に装着又は収容する。その際、アリ溝状装着凹部127,137を対向させた状態で、シート11の両端部を上下一対のレール部材121,131に効率よく取り付けることができる。特に、一対のレール部材121,131が同一構造を有しているため、いずれのレール部材121,131を上部レール部材又は下部レール部材として使用して配設しても、同じ区画壁を形成でき、取り間違えることがない。
左右一対の挟持部材141,151でシート11の長手方向(左右方向)の両側部をそれぞれ挟持し、前記一対の挟持部材141,151を締結することにより、基部142,152と突き合わせ部144,154とでシート11を挟持できる。
前記上下一対のレール部材121,131には、前記左右一対の縦枠部材161,171が取り付けられる。すなわち、左右一対の縦枠部材161,171の案内凹部162,172に沿って一対の挟持部材141,151の案内部145,155を案内して位置決めし、上部レール部材121の螺合部(又は螺合孔)123,128にネジ部材(ピアスビスなど)164,165,174,175を螺合するとともに、アリ溝状装着凹部(断面円弧状装着凹部)127に装着されたシート11の上端部の中空筒状部(補強芯材14の両端部)に中空プラグ15及びネジ部材16を装着及び螺合することにより、シート11の上端部を上部レール部材121に抜け止め状態で装着できる。さらに、下部レール部材131のアリ溝状装着凹部137に装着されたシート11の下端部の中空筒状部(補強芯材14の両端部)に中空プラグ15及びネジ部材16を装着及び螺合することにより、シート11の下端部を下部レール部材131に抜け止め状態で装着できる。
そして、左右一対の縦枠部材161,171の下部に形成された縦長孔163,173に沿ってネジ部材(ピアスビスなど)167,168,177,178が移動可能であるため、前記シート11を縦方向に展張させ、前記上下一対のレール部材121,131の両端部に前記左右一対の縦枠部材161,171を取り付けることができる。さらに、一対の挟持部材141,151の側部方向の端面(屈曲壁などの適所)と縦枠部材161,171とをネジ部材(図示せず)で締結してもよい。このような締結により、前記一対の挟持部材141,151の端部に縦枠部材161,171を取り付けることができる。
さらに、天井壁にネジ部材(ピアスビスなど)182で取り付けられた長尺の上部取付枠体181のガイド凹部181aに、上部レール部材121(上部レール部材121の当接部122)を案内又は嵌め込んで位置決めし、上部取付枠体181の側壁にネジ部材(ピアスビスなど)183を螺合することにより、上部取付枠体181を介して上部レール部材121を天井壁に取り付けることができる。また、長尺の下部取付枠体191のガイド凹部191aに下部レール部材131(下部レール部材131の当接部132)を案内又は嵌め込んで位置決めし、ネジ部材(ピアスビスなど)192の螺合により下部取付枠体191を下部レール部材131に取り付けることができる。特に、前記上部取付枠体181を介して上部レール部材121を天井壁に取り付けた状態で、下側から下部取付枠体191を介して下部レール部材131にネジ部材192を螺合すると、左右一対の縦枠部材161,171の下部に形成された縦長孔163,173を利用して前記シート11を縦方向に展張させた状態で、シート11を下方に牽引でき、シート11を縦方向に展張できる。
なお、複数の一対のレール部材121,131を隣接させて取り付けることもできる。この場合、上記一対のレール部材121,131、一対の挟持部材141,151及び一対の縦枠部材161,171で形成される1区画を、上部取付枠体181及び下部取付枠体191に隣接させて取り付けることにより区画壁を形成できる。
このような簡単な操作により、シート11を縦方向及び横方向に展張した状態で、シート区画が整然と配列した区画壁を形成できる。また、ネジ部材が螺合する部位がいずれも凹部の形態で形成されているため、ネジ部材を螺合しても、孔部を座ぐり加工することなくネジ部材の頭部が突出することもない。
なお、左右一対の挟持部材141,151の側部方向(前方方向又は側部外方向)の端面に、前記縦枠部材161,171を介して、ネジ部材を螺合すると、ネジ部材の螺合(前進動)に伴って前記シート11が長手方向(横方向)に牽引又は引っ張られて展張される。左右一対の挟持部材141,151の側部方向(前方方向又は側部外方向)の端面には、螺合部(例えば、端部が互いに対向した形態の対向溝部(断面U字状の対向溝部)146)を形成し、前記縦枠部材161,171を介して、螺合部にネジ部材(対向溝部の間隔よりもネジ部の直径が大きいネジ部材)を螺合すると、ネジ部材の螺合(前進動)に伴って前記シート11が長手方向(横方向)に牽引又は引っ張られて展張される。そのため、前記シート11を長手方向(横方向)に牽引又は引っ張って展張しつつ、前記一対の挟持部材141,151の端部に縦枠部材161,171を取り付けてもよい。なお、シート11の上下両端部の中空筒状部に補強芯材14を挿入し、中空筒状部の両端部に中空プラグ15及びネジ部材16を装着及び螺合すると、横方向へのシート11の移動が規制される。そのため、中空筒状部の両端部に中空プラグ16を装着した状態で、又は中空筒状部の両端部に中空プラグ16を装着することなく、一対のレール部材121,131、一対の挟持部材141,151及び一対の縦枠部材161,171で1区画を形成した後、中空プラグ16の中空部にネジ部材16を螺合したり、中空筒状部の両端部に中空プラグ16を装着して中空プラグ16の中空部にネジ部材16を螺合すると、シート11を長手方向(横方向)にも有効に展張できる。
なお、図10〜図12に示す例において、上下一対のレール部材121,131、左右一対の挟持部材141,151、左右一対の縦枠部材161,171、及び上下一対の取付枠体181,191は、必ずしもそれぞれ同じ断面形状に形成する必要はないが、部品点数を少なくするとともに、誤って取り付けるのを防止する上では、同じ断面形状に形成するのが有利である。
さらに、取付枠体の両側壁の幅(縦方向の長さ)は、図10〜図12に示す例よりも小さくてもよく、大きくてもよい。また、ネジ部材183による取付枠体に対するレール部材の取付部位は、取付枠体に対して取付可能であれば特に制限されず、通常、レール部材の装着凹部(アリ溝状装着凹部)や螺合部(又は螺合孔部、アリ溝状連結凹溝又は連結凹部)にネジ部材183が至らない部位(例えば、前記連結部の縦方向の中央部など)であってもよい。
図13は、本発明のさらに他のレール部材を示す概略断面図である。この例では、互いに同一断面形状を有し、互いに対向して配設可能な上下一対のレール部材のうち上部レール部材が図示されている。このレール部材201は、2つの側壁間に縦方向の異なる箇所でブリッジ部が架設された形態(概略断面中空四角形状(又は四角枠状))を有しており、天井壁に取付可能な断面コ字状の取付枠体211に収容可能当接部(上壁部又は下壁部)202と、下方を向いて細幅の開口部207aが開口して長手方向に延びる断面円弧状のアリ溝状装着凹部(断面円弧状装着凹部)207を有する装着部206と、前記当接部202と装着部206とを連結する連結部(左右両側壁)205とを備えている。なお、レール部材201の当接部202の上壁部には長手方向に沿って凹溝202aが形成されている。
レール部材201の当接部(上壁部又は下壁部)202の内壁部(上部の第1のブリッジ部)には、細幅の開口部203aが内方(下方又は上方)に向いて断面円弧状の螺合部(又は螺合孔)203が形成され、前記装着部206の内壁部(下部の第2のブリッジ部)には、前記装着凹部(断面円弧状装着凹部)207の開口方向に細幅の開口部208aが開口した断面円弧状の螺合部(又は螺合孔)208が形成されている。
なお、装着部206の装着凹部(断面円弧状装着凹部)207には、前記と同様に、シート11の上下両端部の中空筒状部に補強芯材14が挿入又は装着され、中空筒状部の両端部に中空プラグ15及びネジ部材16を装着及び螺合することにより、シート11の両端部が抜け止め状態で装着されている。また、上部取付枠体211をネジ部材(ピアスビスなど)182で天井壁に取り付けて、取付枠体211にレール部材201を収容し、上部取付枠体211の側壁(この例では、連結部205のうち第1のブリッジ部と第2のブリッジ部との間の側壁)にネジ部材(ピアスビス、タッピングビスなど)183を螺合することにより、上部取付枠体211を介して上部レール部材201を天井壁に取り付けることができる。
また、上記レール部材201は装着部206の装着凹部(断面円弧状装着凹部)207の開口部207aを互いに対向させて配設され、一対のレール部材201,201の両端部には、前記と同様に一対の挟持部材及び縦枠部材が取り付け可能である。
図14は本発明の区画壁の挟持構造の他の例を示す概略断面図である。この例では、一対の挟持部材でシートの側部を強固に挟持又は把持するための構造(挟持又は把持部材)が示されている。
すなわち、一対の挟持部材221,231は、長尺のプレートで形成され、シート11の側部を抜き出し不能に挟持するため、断面形状がジグザク状に屈曲した形態(V字状溝が連続した形態)の突き合わせ面(対向面)224,234を有する挟持部を備えており、内側の基部(シート11側の端部)はそれぞれ断面コ字状屈曲した形態を有し、対向面を互いに突き合わせた状態では断面山字状(横方向の両端部が屈曲した断面T字状)の形態の案内部222,232を形成している。また、一対の挟持部材221,231の外側の端部(縦枠部材側の端部)には、断面V字状の溝部(対向V溝部)226が形成されているともに、縦枠部材243の案内凹部242に沿って装着するため、案内部(凸状装着部)235,235が形成されている。
このような一対の挟持部材221,231でシート11の側部を挟持し、一対の挟持部材221,231をネジ部材147とビスナット148とで締結すると、前記突き合わせ面224,234のV字状の屈曲部でシート11を強固に挟持して保持でき、シート11を横方向に牽引して展張しても、シート11が位置ずれすることがない。
このようにして形成された区画壁の側部には縦枠部材が位置し、区画壁の側部端面(縦枠部材)を壁面に隙間なく取り付けることが困難な場合がある。また、前記把持部材(一対の挟持部材)及び縦枠部材これらの部材の側部及び端部にはネジ部材などが露呈し、外観を損なう場合がある。本発明では、縦枠部材が区画壁の側部に位置していても、またネジ部材などを用いても、壁面に対して緊密に取り付けることができるとともに、区画壁の美観を高めることができる。
図15は図14の挟持部材と側部取付枠体とを有する区画壁の部分分解斜視図であり、図16は図15の側部取付枠体を用いた区画壁構造を示す概略断面図である。
この例では、区画壁261,262の側部に位置する把持部材(一対の挟持部材)221,231及び縦枠部材241,243を側部取付枠体253,254の断面コ字状部内に収容した状態で装着している。すなわち、壁面側に位置する区画壁261の側部には、区画壁の側部(少なくとも把持部材221,231及び縦枠部材243)を収容した状態で装着可能な断面コ字状の側部取付枠体253が位置し、隣接する区画壁261,262の間には、区画壁261,262の隣接する側部(少なくとも把持部材及び縦枠部材)を収容した状態で装着可能な断面H字状の側部取付枠体(断面コ字状の装着部が背中合わせの状態で形成された側部取付枠体)254が位置している。さらに、各側部取付枠体253,254の断面コ字状部は、区画壁261,262の側部を収容するため、区画壁261,262の側部に対応した幅を有し、かつ区画壁261,262の側部よりも深く形成されているとともに、区画壁261,262の側部を緊密に保持又は嵌入するため、区画壁261,262の側部が進入する開口部側が幅狭に形成されている。また、区画壁261,262の側部を円滑に嵌入するため、各側部取付枠体253,254の断面コ字状部の開口端面は面取り又は丸め加工されている。なお、互換性をもたせ、部品点数を少なくするため、各側部取付枠体253,254の断面コ字状部は上部取付枠体及び下部取付枠体の断面コ字状部と同様に形成されている。
このような側部取付枠体253,254を用いると、ネジ部材255により壁面に側部取付枠体253を緊密に取り付け、区画壁261の一方の側部を側部取付枠体253の断面コ字状部に嵌入でき、隣接する区画壁261,262の側部をそれぞれ断面H字状の側部取付枠体254の断面コ字状部に嵌入できる。そのため、簡単な操作で、隣接する区画壁261,262の側部を側部取付枠体253,254に収容した状態で装着できる。また、壁面に対して区画壁の側部を緊密に取り付けることができるとともに、各側部取付枠体253,254により区画壁261,262の美観を高めることができる。
前記区画壁は、所望の構造又は形状に応じて、種々の形態で形成できる。
図17は基準部材と区画壁の配列形態との関係を示す概略斜視図であり、図18は基準部材に対する区画壁の配列形態を示す概略断面図である。この例では、基準部材を中心として放射方向に区画壁を配列している。
すなわち、この区画壁構造は、断面中空正四角形状の基準部材271と、この基準部材の隣接する3つの面に対してそれぞれ面接触して配置された断面コ字状の配列取付枠体281,282,283とを備えており、基準部材271と配列取付枠体281,282,283とは互いにネジ部材285で取り付けられている。また、配列取付枠体281,282,283の断面コ字状部には区画壁241,242,243の側部が嵌入され収容した状態で装着されており、所定の形態(この例では、平面形状がT字状の形態)で配列した区画壁を形成している。なお、これらの配列取付枠体281,282,283は、前記断面コ字状の上部取付枠体及び下部取付枠体並びに側部取付枠体と同様の形態を有している。そのため、部材の互換性を高めることができるとともに、部品点数を低減できる。
なお、基準部材には配列取付枠体が種々の形態で配置可能である。図19は基準部材に対する区画壁の多の配列形態を示す概略断面図である。例えば、図19(A)に示すように、前記断面中空正四角形状の基準部材271の互いに隣接する2つの面に対して配列取付枠体281,282の断面コ字状部を面接触させて配置し、それぞれの配列取付枠体281,282の断面コ字状部に区画壁241,242の側部を嵌入することにより、平面形状がL字状の形態で区画壁241,242を配列できる。また、図19(B)に示すように、前記断面中空正四角形状の基準部材271の4つの周面に、それぞれ配列取付枠体281,282,283,284の断面コ字状部を面接触させて配置し、それぞれの配列取付枠体281,282,283,284の断面コ字状部に区画壁241,242,243,244の側部を嵌入することにより、平面形状が十字状の形態で区画壁241,242,243,244を配列できる。このように、1つの基準部材271を中心として、種々の配列形態で区画壁を形成できる。
レール部材
レール部材の構造は特に制限されず、天井に直接的又は間接的に取り付け可能であり、室内の上部空間を仕切るためのシートが装着可能な装着凹部を有していればよい。装着凹部は、抜け止め部材(又は抜け止め手段)と協働して少なくともシートの端部を装着又は収容できればよく、抜け止め部材(又は抜け止め手段)によりシートの端部は前記装着凹部に装着又は固定可能である。レール部材は、天井に対して直接的又は間接的に接触可能(複数箇所での点接触、線接触又は面接触可能)な当接部(天壁部)と、アリ溝状装着凹部を有する前記装着部と、前記当接部と装着部とを連結する連結部(接続部)とを備えていてもよい。連結部(又は接続部)は、前記のように、特定の態様では、当接部から垂下して延びる延出部(又は垂下延出部)を形成してもよく、この延出部に装着部を形成してもよい。
レール部材は、その断面形状を対称形状に形成する必要はないが、施工性を向上させるためには、断面形状が対称形状であるのが有利である。レール部材の縦断面形状は、アリ溝状装着凹部を中心として左右対称形状に形成でき、例えば、断面T字状、I字状、H字状などの他、例えば、断面多角形状(四角形、六角形など)、断面円形状、断面楕円形状などの形態を有していてもよい。なお、前記当接部及び延出部を有するレール部材では、前記のように、連結部(又は延出部)の軸線を中心として当接部及び装着部が対称形状、例えば、連結部(又は延出部)の軸線を中心として断面T字状又はI字状の形態に形成してもよい。また、当接部の上部壁(延出部の軸線の延長線上に位置する当接部の上部壁(当接部の両側壁の中央部))に、長手方向に沿って、上部が細幅で開口した断面円形状又は断面円弧状の凹溝(連結凹溝)を形成し、装着部(装着部の幅方向の中央部)に、長手方向に沿って、下部が細幅で開口した断面円形状又は断面円弧状装着凹部(凹溝)を形成してもよい。レール部材の縦断面形状は、断面中空状、例えば、断面円形状、断面楕円形状、断面多角形状(断面中空四角形状など)などであってもよい。また、レール部材は、装着部のアリ溝状装着凹部と、アリ溝状装着凹部に対して平行に形成された連結凹溝及び/又は螺合部(螺合凹部)とを有している場合が多く、1又は複数の連結凹溝及び/又は螺合部(螺合凹部)を形成してもよい。装着凹部(アリ溝状装着凹部など)及び連結凹溝(アリ溝状連結凹溝など)の断面形状は特に制限されないが、通常、細幅の開口部を有し、断面円形状又は断面円弧状(断面半円形状など)、断面楕円形状、断面多角形状(断面三角形状、断面四角形状など)などであってもよい。断面形状が対称形状(例えば、左右対称形状)のレール部材では、装着部(例えば、連結部の軸線の延長線上に位置する装着部)に、長手方向に沿って、下方に細幅で開口したアリ溝状装着凹部を形成してもよい。
さらに、レール部材には、レール部材の側部に配してもよい縦枠部材との螺合部(螺合孔、螺合凹部など)を形成してもよい。なお、螺合部は、凹部、溝状などの形態であってもよく、前記装着凹部や連結凹部などの形態(断面中空の形態、例えば、多角形状、断面楕円形状又は断面円形状など)であってもよい。螺合部は、通常、装着凹部と所定間隔離れて、装着凹部と平行に長手方向に形成してもよい。螺合部は、レール部材の適所、例えば、当接部、連結部及び装着部のうち少なくとも1つの部位に長手方向に沿って形成できる。ネジ部材によりレール部材に縦枠部材を取り付けるため、通常、レール部材には、1又は複数の螺合部(螺合孔、螺合凹部)が形成されている。なお、螺合部は、隣接するレール部材をジョイント部材(連結棒状体)で連結するためにも利用できる。なお、螺合孔又は螺合凹部は、通常、ラセン状の内周壁ではなく、平滑な内周壁を有している場合が多い。
好ましい態様では、断面形状が対称形状のレール部材は、断面多角形状(断面中空四角形状など)などの断面中空四角部を含む枠状に形成し、この多角枠状(四角枠部など)のレール部材の壁部(内壁部など)に、装着凹部(アリ溝状装着凹部など)と連結凹溝(アリ溝状連結凹溝など)及び/又は螺合部(螺合凹部)とを、それぞれ開口部が細幅の断面円形状、断面楕円形状、断面多角形状(特に、断面円形状)の形態で形成してもよい。なお、レール部材には、複数の連結凹溝(アリ溝状連結凹溝など)を形成することができ、後述するように、連結凹溝(アリ溝状連結凹溝など)はネジ部材が螺合可能な螺合部(螺合凹部)として利用してもよい。
レール部材には、互いに連接又は連結するための連結凹溝は必ずしも必要ではないが、連結凹溝又は連結凹部を利用して複数のレール部材を接続して延長するのが有利である。互いに連接又は連結可能なレール部材は、長手方向に沿って単一又は複数の連結凹溝(特に、細幅で開口したアリ溝状凹部又は凹溝)を形成するのが有利である。連結凹部は、レール部材の適所(例えば、当接部、連結部及び装着部のうち少なくとも1つの部位の適所)に、前記アリ溝状装着凹部に対して平行に形成してもよい。連結凹溝の開口部の向きは、特に制限されず、外方(上部外方、側部外方、下部外方など)、内方(上部内方、側部内方、下部内方など)、斜め方向などであってもよい。連結凹溝に連結棒状体(棒状連結部材)を装着又は挿入すると、連結棒状体(棒状連結部材)を介して、複数のレール部材が連設可能である。なお、アリ溝状の連結凹溝から連結棒状体が抜けるのを防止するため、連結棒状体の直径は、通常、連結凹溝の細幅の開口部の幅よりも大きい。
連結部の側壁には、必ずしも補強リブは必要ではないが、補強リブを形成してもよく、補強リブは長手方向及び/又は縦方向に形成してもよい。連結部の長さは特に制限されず、当接部と装着部とを連結していればよい。
レール部材をネジ部材などの固定手段で天井壁に直接的又は間接的に取り付ける場合、レール部材には固定位置の指標となる溝や凹部又は孔を形成してもよい。例えば、当接部の両側部(両側壁)の内壁面(下部壁面)に、長手方向に沿って溝を形成したり、又は当接部の両側部に、長手方向に間隔をおいて凹部又は孔を形成すると、これらの溝や凹部などを固定手段による固定位置の指標とすることができ、施工性及び位置決め精度を向上できる。
なお、レール部材は、平面L字状又はU字状の形態で湾曲していてもよく、湾曲度は、適用箇所に応じて、例えば、200〜700R(mm)、好ましくは300〜500R(mm)程度で曲げ加工されていてもよく、レール部材の湾曲角度(二辺の交差角度)は、例えば、45〜160°、好ましくは90〜135°程度であってもよい。レール部材が湾曲していても、抜け止め手段と協働させてシートの端部を装着凹部に装着又は収容することにより、湾曲した区画壁を容易に形成できる。
シート
シートは、通常、少なくとも端部(上端部)が可撓性を有し、前記装着部の装着凹部に装着又は収容可能なシートであればよい。シートは、難燃性又は不燃性シート、例えば、不燃性合成樹脂シート、ガラス繊維強化合成樹脂シート(ガラス繊維基布含有シートなど)などであってもよい。シートとしては、少なくとも端部が折り返し可能な不燃性シート、可撓性を有する不燃性シート、特に可撓性と溶着性とを有する不燃性シートが使用される。シートは、不透明であってもよいが、通常、透明又は半透明である場合が多い。また、シートは、必要により着色していてもよい。
前記シートの端部は装着凹部に装着又は収容可能であり、装着凹部は、抜け止め手段又は部材と協働して、前記シートの端部を装着又は固定する。すなわち、シートの取り付け又は装着構造は、前記シートの端部が装着凹部に装着又は収容された状態で、少なくとも装着凹部に装着又は嵌合された抜け止め手段により、装着凹部からの前記シートの抜けを防止する。
上記シートの端部は、アリ溝状装着凹部への装着又は収容を容易にするため、折り曲げ又は折り畳み加工されていてもよく、中空形状などに加工されていてもよい。例えば、上記シートの端部は、折り畳み縫合(例えば、折り重ね部の縫合)などにより補強径大部を形成してもよく、折り返されて(又は折り畳んで)、ウェルダーなどの溶着手段、縫合手段などで端部が接合した袋縫い状の中空筒状部を形成してもよい。さらに、上記シートの端部(上記中空筒状部など)は、樹脂含浸、補強材などにより補強されていてもよい。なお、シートの上端部は予め加工されていてもよく、施工現場で所定の加工を施してもよい。シートの端部は、予めウェルド(溶着)加工により袋縫い状に加工され、中空筒状部が形成されている場合が多い。
シートの抜け止め構造は特に制限されないが、通常、シートの端部を装着凹部内に装着(保持又は収容)するため、径大化加工されたシート端部(折り返し又は折り畳まれた端部の接合、端部の厚肉成形加工などの加工が施された端部)と、加工されたシート端部をアリ溝状装着凹部内で固定又は抜け止めするため、抜け止め部材(又は抜け止め手段)とで構成できる。例えば、シートの端部に装着凹部の開口部の幅よりも大きな径大部(例えば、折り畳み部の縫合又は接合、厚肉成形などにより形成された補強径大部など)が形成され、シートの端部の径大部が装着凹部に収容された状態で、前記装着凹部の両端部に、前記装着凹部からの前記径大部の脱落を規制するための規制部材(抜け止め部材)が装着されていてもよい。
抜け止め部材(又は抜け止め手段)は、装着凹部へ装着又は嵌合可能な嵌合部材(例えば、棒状又は短辺状嵌合部材)であってもよいが、少なくとも装着凹部の開口部よりもサイズが大きな部材(例えば、前記中空筒状部に挿入可能な棒状芯材)を備えている。このような部材を用いる場合、シートの端部を装着凹部に装着又は収容した状態で、装着凹部の両側部をキャップ部材などで封止又は閉止してもよい。好ましい態様では、抜け止め部材(又は抜け止め手段)として、シートの上下端部を補強するための補強部材(シートの上下端部に形成された中空筒状部を補強するための補強部材など)と、前記中空筒状部の中空部の両側部に装着又は挿入可能な中空プラグと、この中空プラグの中空部に螺合するためのネジ部材とを備えている。具体的には、シートの端部が中空筒状(折り返し(又は折り曲げ)端部が接合した袋縫い状の形態、又は袋縫い状の中空筒状)に形成され、この中空筒状部の中空部に装着凹部の開口部よりも直径が大きな芯材(中空又は中実な芯材、補強芯材又は棒状体)が挿入された状態(特に、中空部の両側部を余して、補強芯材が挿入された状態)で、前記中空筒状部がアリ溝状装着凹部に収容され、前記中空筒状部の中空部の両側部に中空プラグ(又は半径方向に変形可能な中空部材)が装着又は挿入され、この中空プラグの中空部にネジ部材が螺合されていてもよい。補強部材は、シートの端部に形成された中空筒状部(袋縫い状の中空部など)に挿入可能な芯材(中空又は中実な芯材)、例えば、中空筒状部の長さよりも短く、両側部を余して(例えば、中空プラグの装着又は挿入長さを残して)、中空筒状部に挿入可能な芯材(中空又は中実な芯材)であってもよい。なお、芯材が半径方向に変形可能な中空の芯材(ネジ部材の螺合により半径方向に拡大可能な中空の芯材)である場合には、シートの端部の中空筒状部の全長に亘り芯材を挿入してもよい。芯材は、不燃性である場合が多く、例えば、プラスチック製棒状体(中空又は非中空チューブ)、アルミニウムやステンレス製棒状体(中空又は非中空丸棒)などが使用できる。好ましい芯材は、ポリエチレンなどで形成された中空プラスチックチューブである。
装着凹部からのシートの端部の脱離を防止するための抜け止め手段は、上記のように、前記径大部(シートの端部に形成された中空筒状部(例えば、袋縫い状の中空筒状部)を補強するための補強部材)と、前記規制部材(又はプラグ及びネジ部材)とで構成できる。ネジ部材を用いることなく規制部材としてプラグを単独で用いる場合、プラグは中空である必要はなく中実プラグであってもよい。中空又は中実プラグの装着により、装着凹部からのシートの径大部の脱落を規制するため、プラグは、細い先端部から次第に直径が大きくなる軸部を備えていてもよく、この軸部の周面には螺旋状などのネジ部や環状のリング部などを形成してもよい。
中空プラグは、通常、ネジ部材の螺合に伴って半径方向に拡大させため、半径方向に変形可能なプラグ、例えば、プラスチック製プラグ(難燃性又は不燃性プラグ)などが使用できる。プラグには、必ずしも回転止め部は必要ではないが、装着性及び施工性を高めるため、軸方向に延びる突片状又は凸条の回転止め部(又は回転規制部)を形成するのが有利である。この回転止め部は、プラグの軸方向の適所、例えば、先端部、中間部などに形成してもよいが、最も強い螺合力が作用する基部(ネジ部材が挿入して螺合される開口端側)に形成するのが有利である。プラグには、プラグの周方向に間隔をおいて、軸方向に延びる複数の回転止め部(回転規制部)を形成してもよい。このようなプラグは、ネジ部材の螺合に伴って回転を規制できるため、ネジ部材の螺合に伴ってプラグを半径方向に有効に拡大させることができ、装着凹部に対して経大部を緊密に装着できる。また、中空プラグは、軸方向にスリット(特に、基部を余した先端部側に軸方向に延びるスリット)を形成し(例えば、先割れ状プラグの形態とし)、半径方向への拡大性を大きくしてもよい。なお、ネジ部材は、通常、先端部が細く、この先端部から次第に直径が大きくなるネジ部を備えている。
荷重手段(錘部材)
組立セット、防煙壁又は区画構造は、シートの下端部(下縁部)に下方向への荷重を作用させてシートを縦方向に展張するため、シートの下端部に装着又は収容可能な荷重手段(錘部材など)を備えていてもよい。シートの下端部(又は下縁部)に荷重を作用させるための荷重手段としては、シートを展張可能な種々の錘部材、例えば、棒状体又は板状体(アルミニウム、ステンレス、鉛などの金属製丸棒など)、金属製鎖又はチェーンなどであってもよい。このような荷重手段は、例えば、前記のように、シートの下端部に形成した中空筒状部の中空部(袋縫い部)や輪状部に挿入又は装着又は収容してもよく、必要であれば、シートの下端部に垂下状態で取り付けてもよい。
荷重手段又は錘部材は、棒状部材(又はブロック体)(例えば、断面円形状、断面楕円形状などであってもよく、断面多角形状(四角形状など)の棒状体)である場合が多い。棒状体(棒状荷重体又は棒状ブロック体)は、プラスチック製(難燃性又は不燃性プラスチック)であってもよいが、荷重を作用させるため、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属製である場合が多い。
なお、棒状部材には、上記と同様に、シートの下端部が装着又は収容可能なアリ溝状装着凹部(シートの上端部と同様の形態で、シートの下端部が装着又は収容可能なアリ溝状装着凹部)を有する装着部を形成し、このアリ溝状装着凹部にシートの下端部が装着又は収容された状態でアリ溝状装着凹部に抜け止め部材(前記と同様の抜け止め部材)を装着又は嵌合し、装着凹部からのシートの下端部の脱落又は抜けを防止してもよい。
さらに、荷重手段(又は錘部材)は、前記上部レール部材のアリ溝状連結凹部と同様に、ジョイント部材(ジョイントピン、連結棒など)で連結可能な連結凹部を有していてもよい。なお、隣接する荷重手段(又は錘部材)を連結するための連結凹部は、荷重手段(又は錘部材)の適所、例えば、コーナー部に限らず、アリ溝状装着凹部との対向部、荷重手段(又は錘部材)の外周壁(側壁、下部壁)などに形成してもよい。
さらに、荷重手段(又は錘部材)は、棒状部材としての下部レール部材で構成してもよい。すなわち、上部レール部材と錘部材(又は棒状部材)は、上下一対のレール部材で構成してもよい。例えば、アリ溝状装着凹部が形成された一対のレール部材を用い、前記アリ溝状装着凹部を互いに対向させて配設した状態で、上部レール部材のアリ溝状装着凹部に、シートの上端部を装着又は収容し、下部レール部材のアリ溝状装着凹部に、シートの下端部を装着又は収容してもよい。さらには、レール部材と棒状部材(例えば、下部レール部材)との両端部には、縦枠部材を取り付けてもよい。
縦枠部材
縦枠部材は、平板状であってもよく、断面I字状、H字状であってもよく、一方の側面にだけ長手方向に延びる凹溝を形成してもよい。上部レール部材及び棒状部材(又は下部レール部材)の少なくとも一方の端部に(又は両端部にそれぞれ)取り付け可能な縦枠部材は、上部レール部材及び下部レール部材の少なくとも一方の端面(又はそれぞれの両端面)に螺合部(例えば、アリ溝状の螺合孔、連結凹溝)を形成し、上部レール部材の少なくとも一方の端面(又はそれぞれの両端面)に縦枠部材を配設し、前記螺合部に対して螺合可能なネジ部材で、上部レール部材の端部に縦枠部材を取り付け、下部レール部材の螺合部に対して螺合可能なネジ部材で、下部レール部材の少なくとも一方の端部(又はそれぞれの両端部)に縦枠部材を取り付け(又は締結)してもよい。
また、縦枠部材には、縦方向にシートを展張するため、縦方向に長く、ネジ部材を縦方向に移動又は案内可能な長孔を形成するのが有利である。このような長孔は、縦枠部材の上部に形成してもよいが、通常、下部に形成する場合が多い。また、縦枠部材の上部及び/又は下部には、レール部材の螺合部に対応させて1又は複数の縦長孔を形成してもよく、複数の縦長孔は、縦方向に間隔をおいて形成してもよく、横方向(幅方向)に間隔をおいて形成してもよい。
さらに、縦枠部材は把持部材(又は挟持部材)と一体化できればよく必ずしも孔部は必要ではないが、縦枠部材には、牽引部材(ネジ部材など)が装着又は貫通可能な孔部(ネジ部材のネジ部が貫通可能な孔部など)を有する場合が多い。
縦枠部材の長手方向(高さ方向)には必ずしも案内凹部は必要ではないが、把持部材(又は挟持部材)の装着性や位置決め性を高めたるため、縦枠部材は案内凹部を有する場合が多い。また、側部取付枠体を用いる場合には、縦枠部材には、側部取付枠体に対する案内部を形成するのが好ましい。
なお、縦枠部材をレール部材に取り付けて1区画を形成する場合、隣接する縦枠部材の対向面には、互いに位置決め可能又は嵌合可能な凹凸部(縦方向に散在する凹凸部、縦方向に延びる凹溝及び凸条など)を形成してもよい。
把持又は挟持部材(及び牽引部材)
把持部材(又は挟持部材)は、区画壁の構造及び部位に応じて、シートの両側部のうち少なくとも一方の側部又は端部を挟持すればよく、シートの両側部を挟持する場合が多い。挟持部材は、シートを挟持するための挟持部を備えていればよく、板状の形態でシートの側部を全体に亘り挟持していてもよく、シートを部分的に(例えば、シート側部の縦方向の複数箇所で)挟持してもよい。例えば、挟持部材の挟持部を縦方向に規則的又は不規則的に散在させて形成し、シートを複数箇所で部分的に挟持してもよく、挟持部はチャッキング機構であってもよい。シートを緊密かつ強固に挟持するためには、一対の挟持部材の挟持部でシートを挟持し、一対の挟持部材をネジやボルトなどの締結手段(締結部材)で一体化するのが有利である。なお、一対の挟持部材を締結するためのネジ部材(ネジ棒)147はシートを貫通可能であればよく、必要であれば、シートに貫通孔などを形成してもよく、ネジ部材の先端部を、シートを貫通可能な形態(例えば、先鋭な先端など)にしてもよい。
さらに、把持部材(挟持部材)の突き合わせ面は湾曲又は屈曲した突き合わせ面であってもよく、必ずしも連続した断面V字状溝の形態を有する必要はない。例えば、突き合わせ面は、1又は複数のV字状溝が形成された屈曲した形態であってもよく、1又は複数の波形状部などが形成された湾曲した形態であってもよく、波形状などの湾曲部とV字状などの屈曲部とを組み合わせてもよい。なお、V字状溝や湾曲部は、連続して又は所定間隔をおいて形成してもよい。
前記把持部材には、縦枠部材を取り付けるため、螺合可能であるのが好ましい。把持部材が軟質金属で形成されている場合には、ネジ部材の種類によっては任意の部位で螺合できる。そのため、把持部材(挟持部材)の縦枠部材側の端面は、ネジ部材が螺合可能であればよく、予め螺合部を形成する必要はないが、把持部材は螺合部を有するのが好ましい。この螺合部は、縦方向に散在していてもよいが、一対の挟持部材で形成される縦枠部材側の隙間(縦方向に連続した前記対向溝部など)で形成すると、任意の箇所で螺合でき、施工性を高めることができる。特に、ネジ部材を案内して螺合させるため、縦枠部材と対向して凹溝状の対向溝部を形成するのが有利である。この対向溝部は、前記形態に限らず、スリット状溝、凹溝などであってもよい。なお、牽引部材は、シートを把持又は挟持した状態で、把持部材(及びシート)を横方向に牽引してシートを展張してもよく、縦枠部材と把持部材(又は挟持部材)とを螺着可能なネジ機構などで構成してもよい。このネジ機構は、ネジ部の螺合に伴って縦枠部材と把持部材(又は挟持部材)とを相対的に牽引して引き寄せ可能であってもよく、ネジ部は、縦枠部材及び把持部材(又は挟持部材)の一方の部材に固定されていてもよく、ネジ機構は、ネジとナットとで構成してもよい。好ましい態様では、牽引部材は、縦枠部材を介して(縦枠部材に形成された貫通孔を通じて)、前記把持部材の螺合部(又は、前記対向溝部などの一対の挟持部材で形成される縦枠部材側の隙間など)に螺合可能なネジ部材で構成できる。このようなネジ部材では、縦枠部材を介して前記挟持部材(又は挟持部材)を横方向に牽引でき、シートを展張できる。
把持部材(又は挟持部材)は、縦枠部材に取り付ける必要はないが、通常、縦枠部材に取り付け可能である。把持部材(又は挟持部材)は、通常、シートの端部(側部)を一対の挟持部材で挟持した状態で、前記一対のレール部材の両端部に、好ましくはレール部材の両端部及び前記一対の挟持部材の端部に縦枠部材を取り付け可能である。把持部材(挟持部材)には案内部を形成する必要はないが、少なくとも縦枠部材に対する案内部を形成するのが好ましい。
取付枠体
取付枠体は必ずしも必要ではない。また、上下取付枠体のうち、下部取付枠体は必ずしも必要ではない。なお、天井面は平坦でない場合がある。また、複数のレール部材を連設又は連結する場合、全体としてレール部材が蛇行又は屈曲し直線的に配設されない場合がある。このような場合、上部レール部材を、天井に取り付け可能な上部取付枠体に取り付け又は装着すると、直線的に配列できる。また、棒状部材(又は下部レール部材)を、下部取付枠体に取り付け又は装着すると、シートの下部も直線的に配列できる。なお、取付枠体は、必ずしも直線的である必要はなく、湾曲したレール部材に対応させて湾曲していてもよい。
取付枠体は、断面コ字状部の先端部側が狭まっていてもよく、前記断面コ字状に限らず、上部レール部材の脱落を防止するとともに、ガイド凹部に沿って案内するため、開口部側が狭まって上部レール部材を係止可能な係止案内部を有していてもよい。例えば、ガイド凹部の内壁には、レール部材の当接部(両側部又は両翼部などの両側方に延出する延出部)と係止し、かつレール部材をガイド凹部に沿って案内可能な凸部を形成してもよい。
さらに、側部取付枠体も必ずしも必要ではないが、施工した区画壁の外観を損なわないために有用である。側部取付枠体の断面コ字状部の先端部側は、区画壁の側部を嵌入するため、狭まっていてもよく、区画壁の側部に対して挿入又は装着可能であってもよく、区画壁の側部と係合又は嵌合してもよい。
基準部材及び配列取付枠体
基準部材は配列取付枠体の配設面の形態に応じて配列取付枠体が種々の形態で配置可能であればよく、周面が湾曲した形状(例えば、断面円形状、楕円形状など)を有していてもよいが、周面が屈曲した断面多角形状(三角形状、四角形状、五角形状、六角形状など)であるのが好ましい。また、配列取付枠体の非開口部側にV字状に屈曲した側壁(又は側壁面)を形成し、基準部材の2つの隣接面(屈曲して突出した隣接面)に対して、このV字状側壁(又は側壁面)を配置し、基準部材と配列取付枠体とを連結してもよい。好ましい態様では、部品点数を低減するため、断面多角形状の基準部材と、この基準部材の少なくとも1つの面に対して面接触して取付可能な複数の配列取付枠体とで構成し、区画壁の側部を配列取付枠体の断面コ字状部に収容した状態で装着される。
なお、ネジ部材が螺合可能である限り、一対の挟持部材、縦枠部材、取付枠体には、必ずしも、ネジ部材の孔部(下孔)を形成する必要はない。ネジ部材としては、種々のネジが使用でき、下孔などを必要としないネジ部材、例えば、ピアスビス、ピアスネジ、ドリルネジなどを利用するのが作業効率の点から望ましい。なお、例えば、シートの端部の中空筒状部の中空プラグに螺合されるネジ部材、一対の狭圧部材の対向溝部に螺合されるネジ部材としても、前記ピアスネジなどを利用してもよいが、ネジ部の螺合侵入動に伴って半径方向に拡大させる作用又は牽引作用をもたらすネジ部材(例えば、先端部に対してネジ部の直径が大きく螺合に伴って半径方向への拡大作用をもたらすネジ部材、ネジ山間のピッチが大きく牽引作用をもたらすネジ部材など)も使用できる。
また、一対の挟持部材もネジ部材とナットとで締結する必要はなく、ネジ部材(ピアスビス、ドリルネジなど)で一体化してもよい。さらに、レール部材と取付枠体との取付構造に関し、ネジ部材183,192は、レール部材121,131の凹溝125a,135aの側壁、凹溝132aの底壁を押圧する形態で取付枠体181,191に螺合していてもよく、凹溝125a,135aの側壁、凹溝132aの底壁を貫通して取付枠体181,191に螺合していてもよい。
本発明の区画壁(又は防煙垂れ壁)構造を形成するための組立セットは、少なくとも1つのレール部材と前記シートと前記抜け止め手段とを備えていればよい。好ましい態様では、上部レール部材と棒状部材(又は下部レール部材)と、前記シートと、前記抜け止め手段と、縦枠部材とを備えており、さらに好ましくは一対の挟持部材(又は保持部材)とを備えている。さらに好ましくは取付枠体を備えている。なお、組立セットは、通常、前記ネジ部材や締結部材なども備えている。さらには、組立セットは、側部取付枠体を備えていてもよく、基準部材、配列取付枠体を備えていてもよい。
本発明は、室内の上部空間を区画する施工方法も含む。この方法では、前記のように、レール部材の装着部のアリ溝状装着凹部にシートの上端部を装着又は収容した状態で、抜け止め部材を前記アリ溝状装着凹部に装着する工程と、前記レール部材を天井に取り付ける工程とを含んでいる。なお、天井へのレール部材の取付は、ビスなどのネジ部材に限らず、種々の固定手段が利用できる。また、レール部材は、ネジ部材などの固定手段により天井へ直接的に取り付けてもよく、ブラケットなどを介して、又は前記取付枠体を介して、間接的に取り付けてもよい。
なお、シートの左右両端部の少なくとも一方の端部には、シートの端部を縦方向に挟み込んで保持する挟持部材を取り付けてもよく、シートを縦方向に両側から挟んで挟持する中間部材(保持部材)によりシートの長手方向の途中部を挟持し、シートの揺動や揺れなどを防止してもよい。
好ましい態様では、前記一対のレール部材の装着部のアリ溝状装着凹部に、シートの上下端部をそれぞれ装着又は収容した状態で、抜け止め部材を前記アリ溝状装着凹部に装着する装着工程と、前記シートを縦方向に展張させて前記一対のレール部材の両端部に前記縦枠部材を取り付ける第1の取付工程とを含んでいる。必要により、シートの長手方向の少なくとも一方の端部を(又は両端部をそれぞれ)一対の挟持部材で挟持して前記一対の挟持部材を締結する挟持工程と、前記一対の挟持部材の端部に縦枠部材を取り付ける第2の取付工程とを含んでいてもよい。さらに、一方のレール部材を長尺の上部取付枠体を介して天井に取り付けるとともに、他方のレール部材を長尺の下部取付枠体に取り付ける工程を含んでいてもよい。
なお、区画壁を構築できる限り、前記工程の順序は特に制限されず、各工程は複数の工程に分離して行うことができる。例えば、装着工程は、前記一対のレール部材の装着部のアリ溝状装着凹部に、シートの上下端部をそれぞれ装着又は収容する工程と、第1の取付工程で抜け止め部材を前記アリ溝状装着凹部に装着する工程とを含んでいてもよい。また、第1の取付工程は、上部レール部材に縦枠部材を取り付ける工程と、シートを縦方向に伸張する工程と、錘部材又は棒状部材(又は下部レール部材)に縦枠部材を取り付ける工程とを含んでいてもよい。さらに、取付枠体を利用した取付工程では、任意の段階で上部取付枠体を天井に取り付ける工程と、任意の段階で下部取付枠体を錘部材又は棒状部材(又は下部レール部材)に取り付ける工程とを含んでいてもよい。好ましい態様では、上部取付枠体を介して前記上部レール部材が天井に取り付けられた状態で、下部取付部材を介して、下方から下部レール部材にネジ部材を螺合する。このように、下部取付部材を介して、下方から下部レール部材にネジ部材を螺合すると、シートを下方に牽引して展張することができ、シートをきれいに展張できる。
なお、上記工程の後、側部取付枠体に区画壁の側部を挿入又は装着してもよく、基準部材を中心として配列取付枠体を配設し、これらの配列取付枠体に区画壁の側部を挿入又は装着してもよい。