JP5465992B2 - 水晶振動子、電子部品および水晶振動子の製造方法 - Google Patents

水晶振動子、電子部品および水晶振動子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水晶振動子および水晶振動子の製造方法に関する。
デジタル機器のクロックパルス発生や無線機器などにおいては、周波数の温度依存性が小さい水晶振動子が利用されている。
水晶振動子を製造する際には種々の方法が用いられるが、特に水晶振動子が小型である場合には、リソグラフィおよびウェットエッチングによる製造方法が好適である。リソグラフィおよびウェットエッチングで水晶振動子を形成する場合には、水晶基板から枠部を形成し、その枠部に支持部によって水晶振動子が保持されるように形成すると、水晶振動子が個別に分離されないので、続けて電極もリソグラフィを用いて高精度かつ多数の水晶振動子に一括して形成することができる。このようにして水晶振動子を形成したのち、支持部から折り取って各水晶振動子チップを得ることができる。
しかしながら、水晶振動子を支持部から折り取る際に、うまく支持部から折れず、水晶振動子が破損したり、水晶振動子に支持部の一部が残ったりするという不具合があった。
そこで、これらの問題を解決するために種々の方法が提案されている。例えば特許文献1によれば、支持部と水晶振動子とが接続する部分を水晶基板の璧開面と一致させた水晶振動子が提供されている。
このように構成された水晶振動子について、図11から図13を参照して説明する。図11は水晶振動子101の平面図を、図12は図11のEE線における断面図を示している。また、図13は水晶振動子101をパッケージに実装した平面図を示している。
水晶振動子101は、支持部102によって枠部103に保持されている。水晶振動子101と支持部102との境界は水晶基板の璧開面と平行であるように配置されている。
このように構成された水晶振動子101の先端に力を加えると、水晶振動子101と支持部102の境界に応力が集中して璧開が発生し、水晶振動子101を支持部102から折り取ることができる。また、水晶振動子101と支持部102の境界に水晶基板の璧開面と平行であるように溝104を形成すると、機械的な強度が局所的に小さくなるため、容易に水晶振動子101を支持部102から折り取ることができる。さらに、水晶振動子101に設けられた実装電極105の近くに水晶振動子101と支持部102の境界が配置されているため、折り取った水晶振動子101をパッケージ106に実装する場合には、図11に示すように折り取った部分を導電性接着剤107で覆って、実装電極105とパッケージ電極108とを電気的に接続するとともに、折り取った部分で発生する不要な振動モードを抑制することができる。
特開2005−130070
しかしながら、このように構成された水晶振動子101では、水晶振動子101と支持部102の境界および該境界に設けられた溝104が水晶基板の璧開面に平行になるように配置されているので、水晶振動子101の平面形状は理想的な形状である矩形ではなく六角形となる。そのため、水晶振動子101の輪郭形状に起因する不要な振動モードが励起されるという問題があった。
また、水晶振動子101を小型化すると、パッケージ106に実装する場合、導電性接着剤107を用いると実装電極105同士が短絡してしまう。それを防ぐためにはフリップチップボンディングが用いられるが、フリップチップボンディングを用いると水晶振動子101から支持部102を折り取った部分を固定できず、水晶振動子101の平面形状が矩形でないために励起される不要な振動モードの抑制が難しいという問題があった。
本発明の目的は上記のような事情に考慮してなされたもので、容易に水晶振動子を支持部から折り取ることができると同時に不要な振動モードの励起を防ぐ水晶振動子および水晶振動子の製造方法を提供することである。
本発明は上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
本発明の水晶振動子は、平面視略矩形である上面及び下面を有する平板状の水晶片と、前記水晶片の上面及び下面に配置された導電性材料からなる駆動電極と、前記上面及び前記下面に設けられ、前記駆動電極に電気的に接続された実装電極と、を備えた水晶振動子において、前記上面又は下面の第1の短辺側の側面は、第1の傾斜面と第2の傾斜面とからなる切妻状に形成され、前記1つの短辺と反対に位置する第2の短辺側の側面は、前記第1の短辺側の側面の少なくとも1つの傾斜面と略平行な傾斜面を有することを特徴とする。
また、本発明の水晶振動子は、前記第1の傾斜面は、前記上面となす角度が鈍角であり、前記第2の傾斜面は、前記下面となす角度が鈍角であることを特徴とする。
また、本発明の水晶振動子は、前記第2の短辺側の側面は、第3の傾斜面と第4の傾斜面とからなり、第3の傾斜面は、前記上面となす角度が鈍角であり、かつ前記第2の傾斜面と略平行に形成され、前記第4の傾斜面は、前記下面となす角度が鈍角であり、かつ前記第1の傾斜面と略平行に形成されることを特徴とする。
本発明にかかる水晶振動子は、水晶片が平面視略矩形に形成されているので、輪郭形状に起因する不要な振動モードの励起を抑制することができる。また、第2の短辺側の側面が第3の傾斜と第4の傾斜を備えているので、第2の短辺側の側面に支持部を接続して多数の水晶片を一括して製造することができるとともに、第3の傾斜面と第4の傾斜面を利用して容易に水晶片を支持部から折り取ることができる。
また、本発明の水晶振動子は、前記第3の傾斜面と前記第4の傾斜面とが接続することを特徴とする。
また、本発明の水晶振動子は、前記第3の傾斜面の前記上面から前記第4の傾斜面までの長さと、前記第4の傾斜面の前記下面から前記第3の傾斜面までの長さと、が異なることを特徴とする。
本発明にかかる水晶振動子は、水晶片を支持部から折り取った際に現れる切り口が第3の傾斜面または第4の傾斜面に一致するので、水晶片を支持部から折り取ることによる形状の乱れを最小限にとどめ、輪郭形状の乱れに起因する不要な振動モードの励起を抑制することができる。
また、本発明の水晶振動子の製造方法は、水晶平板の上面及び下面に開口部を有する保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記開口部に位置する前記水晶平板を除去し、平面視略矩形形状の水晶片と、前記水晶片の第2の短辺に接続する支持部と、前記支持部に接続する枠部と、を形成する工程と、前記第2の短辺と反対に位置する第1の短辺側の側面を第1の傾斜面と第2の傾斜面とからなる切妻状に形成する工程と、前記第2の短辺と前記支持部との境界に沿って、前記上面に形成された断面視略V字状の第1の溝と、前記下面に形成された断面視略V字状の第2の溝と、を形成する工程と、を備えた水晶片形成工程と、前記上面及び前記下面に導電性材料からなる駆動電極を形成する電極形成工程と、前記水晶片を前記支持部から分離する水晶片個片化工程と、を備えることを特徴とする。
また、前記水晶片形成工程は、前記水晶平板をフッ酸又はフッ化アンモニウムの少なくとも一方を含む水溶液に浸漬させ、前記水晶片と、前記支持部と、前記枠部と、前記第1の溝と、前記第2の溝と、を同時に形成することを特徴とする。
また、前記水晶片形成工程において、前記第1の傾斜面及び前記第2の傾斜面の少なくとも一方が、前記第1の溝を構成する少なくとも1つの面と略平行に形成されることを特徴とする。
また、前記水晶片形成工程において、前記第1の傾斜面及び前記第2の傾斜面の少なくとも一方が、前記第2の溝を構成する少なくとも1つの面と略平行に形成されることを特徴とする。
本発明にかかる水晶振動子の製造方法は、第1の溝および第2の溝が形成された部分は水晶平板の厚さが薄くなっているので、水晶片を支持部から容易に折り取ることができる。また、水晶平板をエッチングにより貫通して水晶片および支持部並びに枠部を形成すると同時に、同一工程で一括して第1の溝および第2の溝を形成することができるので、水晶片を支持部から折り取る際に精度よく折り取ることができるとともに、工数を削減することができる。さらに、水晶の結晶異方性を利用して水晶片および第1の溝並びに第2の溝を容易に形成することができる。
また、前記水晶片形成工程は、前記1の溝を構成する1つの面と前記2の溝を構成する1つの面とを略同一平面上に形成することを特徴とする。
本発明にかかる水晶振動子の製造方法は、第1の溝を構成する面のうち一つの面と、第2の溝を構成する面のうち一つの面とが略同一平面上に配置されているので、水晶片を支持部から容易に折り取ることができるとともに、折り取った切り口の形状の乱れを最小限にとどめることができ、輪郭形状の乱れに起因する不要な振動モードの励起を抑制することができる。
また、前記水晶片個片化工程は、前記水晶片を前記支持部から折り取った切り口と、前記第1の溝を構成する1つの面又は前記第2の溝を構成する1つの面と、を同一平面状に形成することを特徴とする。
本発明にかかる水晶振動子および水晶振動子の製造方法は、容易に水晶振動子を支持部から折り取ることができると同時に不要な振動モードの励起を防ぐ水晶振動子を提供することができる。
第1実施形態の水晶振動子1を示す平面図である。 図1に示す第1実施形態の水晶振動子1のAA線における断面図である。 図2に示す第1実施形態の水晶振動子1の円Bを拡大した断面図である。 図2に示す第1実施形態の水晶振動子1の円Cを拡大した断面図である。 第1実施形態の水晶振動子1を支持部2から折り取った状態を示す断面図である。 第1実施形態の水晶振動子1をパッケージ21に実装した状態を示す平面図である。 第1実施形態の水晶振動子1の製造方法を示す断面図である。 第2実施形態の水晶振動子1を示す断面図である。 図8に示す第2実施形態の水晶振動子1の円Dを拡大した断面図である。 第2実施形態の水晶振動子1を支持部2から折り取った状態を示す断面図である。 従来の水晶振動子101を示す平面図である。 図11に示す従来の水晶振動子101のEE線における断面図である。 従来の水晶振動子101をパッケージ106に実装した状態を示す平面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる第1実施形態を、図1から図6を参照して説明する。図1は、第1実施形態にかかる水晶振動子1を複数一括して形成した状態を示す平面図であり、図2は図1のAA線における断面図、図3は図2の円Bを拡大した断面図、図4は図2の円Cを拡大した断面図、図5は水晶振動子1を支持部2から折り取った状態を示す断面図、図6は水晶振動子1をパッケージに実装した状態を示す平面図である。
平板状の水晶振動子1は支持部2によって枠部3に固定されている。水晶振動子1および支持部2並びに枠部3は同一の、たとえばATカット水晶基板から、例えばフォトリソグラフィ技術およびウェットエッチング技術によって複数一括して形成される。
水晶振動子1は平面視略矩形形状の水晶片14と、水晶片14の主面9aおよび9b上に水晶片14を挟んで対向するように形成された金やアルミニウムなどの導電性薄膜からなる駆動電極5と、を備えている。
水晶振動子1と支持部2の境界には、支持部2が水晶振動子1に接続する一辺と略平行に、断面形状略V字型の溝4aおよび4bが、水晶片14を挟んで対向するように、それぞれ水晶片14の主面である上面9aおよび下面9b上に設けられている。
溝4aおよび4bはウェットエッチング技術によって形成されるので、結晶面によってエッチング速度が異なる結晶異方性の影響を受ける。その結果、溝4aを構成する面7aおよび7b、溝4bを構成する面8aおよび8bはエッチング速度の遅い結晶面によって構成される。
同様に、水晶片14もウェットエッチング技術によって形成され、結晶異方性の影響を受ける。その結果、水晶振動子1の側面はエッチング速度の遅い結晶面によって構成されている。例えば、図4に示すように、水晶片14の自由端側短辺である第1の短辺側の側面を構成する第1の傾斜面6aおよび第2の傾斜面6bは断面形状が切妻状となる。なお、図示しないが、水晶片14の長辺側の側面も、第1の短辺側の側面と同様の方法によって形成することができる。その場合、長辺側の側面は結晶面で構成することができ、断面形状を切妻状にしたり、垂直にしたりすることも可能である。
ここで、溝4aを構成する面のうち支持部2側の面7aと、溝4bを構成する面のうち水晶片14側の面8bと、第1の短辺側の側面のうち上面9a側の第1の傾斜面6aと、は同一の結晶面から構成されており、それぞれ互いに平行である。
同様に、溝4aを構成する面のうち水晶片14側の面7bと、溝4bを構成する面のうち支持部2側の面8aと、第1の短辺側の側面のうち下面9b側の第2の傾斜面6bと、は同一の結晶面から構成されており、それぞれ互いに平行である。
支持部2側の面7aは図3に示すように、上面9aに対して特定の角θ1をなし、水晶片14側の面7bは上面9aに対して特定の角θ2をなす。溝4aの幅をw、深さをdとすると、これらの間には次のような関係が成立する。溝4aの深さと幅との関係式を数1に示す。
Figure 0005465992
溝4bの深さと幅との間の関係も同様である。
従って、溝4aおよび4bの幅を適切に設定すると、所定の深さの溝4aおよび4bを得ることができる。
水晶片14を支持部2から折り取って分離すると、図5に示すように溝4aおよび4bを構成していた側壁のうち、水晶片14側の面7bおよび面8bが水晶片14の第2の短辺側の側面の一部として残る。なお、水晶片14側の面7bおよび面8bは、それぞれ第2の短辺側の第3の傾斜面および第4の傾斜面を構成する。
次に、このように構成された水晶振動子1の製造方法について、図7を参照して説明する。
図7は図1のAA線における断面図での水晶振動子1の製造方法を示している。
まず、保護膜形成工程を行う。図7(a)に示すように、所定の厚さに形成された水晶平板10を準備する。次に図7(b)に示すように、水晶平板10の上面9aおよび下面9bの表面に、水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12を形成する。水晶片形成用保護膜11は水晶片14と略一致する平面視形状を備えている。また、支持部形成用保護膜12は支持部2および枠部3と略一致する平面視形状を備えている。
また、水晶片形成用保護膜11と支持部形成用保護膜12の間には、溝4aおよび4bと略一致する平面視形状を備えた開口部13が形成されている。開口部13の幅は、溝4aおよび4bが所定の深さとなるように、数1の関係式から算出して設定する。
水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12の材料としては、例えばフォトレジストや金、モリブデンなどフッ酸に対する耐食性を備えた材料を選択できる。
水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12の詳細な形成工程の一例を以下に示す。
水晶平板10の表面に水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12の材料となる金やモリブデンからなる薄膜をスパッタリングや蒸着などにより成膜する。金などは水晶表面に対する密着力が弱く剥離しやすいので、水晶平板10の表面にあらかじめクロムなどの密着性を向上する薄膜を成膜したのち、水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12の材料となる薄膜を成膜してもよい。
次に、成膜した薄膜の上に図示しないフォトレジストからなるエッチングマスクを成膜する。このエッチングマスクの所定の部分をリソグラフィ技術を用いて除去し、除去により露出した水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12の材料となる薄膜を所定のエッチャントを用いてエッチングし、所定の形状の水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12を得る。水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12の材料が金からなる場合には、エッチャントとして例えばヨウ素ヨウ化カリウム水溶液や王水などを選択することができる。
なお、水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12はフォトレジストのみ、金またはモリブデンのみで形成することも可能である。水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12の形状を形成する方法としては、リソグラフィ技術およびエッチングによる方法のほかに、シャドーマスクを用いたマスク成膜や、リフトオフ技術なども用いることができる。
次に、水晶片形成工程を行う。図7(c)に示すように、水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12によって保護されていない水晶平板10の所定の領域を、フッ酸やフッ化アンモニウムなどを含む水溶液を用いてエッチングして除去し、水晶片14、支持部2、枠部3並びに溝4aおよび4bを同時に形成する。
水晶平板10をエッチングしていくと、開口部13の部分から露出した水晶はエッチングとともに除去されていくが、その際エッチングに対して耐性のある結晶面が現れて、断面視略V字状の溝4aおよび4bが形成されていく。結晶面同士が溝4aおよび4bの底部で会合すると、エッチングがそれ以上進行しなくなる。また、支持部2側と反対側の側面は切妻状に形成される。一方、開口部13以外の水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12によって保護されていない領域は十分に広く配置されているので、エッチングに対して耐性のある結晶面同士が会合することなく、水晶平板10が貫通されるまでエッチングが進行する。このようにして、水晶平板10が貫通されるまでエッチングして水晶片14、支持部2および枠部3を形成すると同時に、溝4aおよび4bを形成することができる。
エッチングが終了して水晶片14、支持部2、枠部3並びに溝4aおよび4bが形成されると、水晶片形成用保護膜11および支持部形成用保護膜12を除去する。
次に、電極形成工程を行う。図7(d)に示すように、水晶片14の上面9aおよび下面9bに、所定の形状の導電性薄膜を成膜し、駆動電極5を形成して、水晶振動子1を得る。
駆動電極5を形成する方法としては、例えば水晶片14の上面9aおよび下面9bの全面に導電性薄膜を成膜したのち、リソグラフィおよびエッチングを用いて所定の形状を得る方法が利用できる。また、リソグラフィであらかじめ駆動電極5を形成する領域以外を保護する保護膜(図示しない)を形成したのちに導電性薄膜を成膜し、保護膜を除去して所定の形状を得る方法も利用できる。また、所定の形状のシャドーマスクを通して導電性薄膜を成膜し、所定の形状を得る方法なども選択することができる。
駆動電極5を形成する導電性薄膜は、様々な材料を選択することができるが、例えば金を選択すると、大気中の酸素などと反応しにくいため、得られる水晶振動子1の振動特性を安定したものにすることができる。また、金は他の材料に比べて密度が大きいため、水晶振動子1に対しては錘となってその共振周波数を低下させる。従って、駆動電極5を形成したのちに、イオンビームやレーザーなどの照射によって駆動電極5を所定の量だけ蒸発させ、水晶振動子1の周波数調整を行うことができる。
なお、保護膜形成工程において、水晶片形成用保護膜11を金で形成した場合、そのまま駆動電極5として利用することができる。その際、駆動電極5の部分以外の水晶片形成用保護膜を除去することが望ましい。
最後に、水晶振動子個片化工程を行う。図7(e)に示すように、溝4aおよび4bに沿って水晶片14を支持部2から折り取り、水晶振動子1を得る。溝4aおよび4bが配置された部分は水晶平板10の厚さが薄くなっているので、水晶片14に力を加えると容易に水晶片14と支持部2の境界で水晶片14を折り取ることができる。
以上に説明したように、本実施例に従えば、溝4aおよび4bが水晶振動子1と支持部2の境界に配置されているので、水晶振動子1を支持部2から折り取る際、溝4aおよび4bによって挟まれた部分に応力が集中し、容易に水晶振動子1を折り取ることができる。
また、折り取った水晶振動子1は平面視形状が矩形となり、不要な振動モードの励起を防ぐことができる。
また、折り取った水晶振動子1は平面視形状が矩形であるため、従来の水晶振動子のように折り取った部分を導電性接着剤で固定する必要がなく、図5に示すようにパッケージ21に設けられた実装電極22に、バンプ23を介してフリップチップボンディング技術を用いて実装することができ、特に水晶振動子1を小型化した場合には好適である。
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる第2実施形態を、図8から図10を参照して説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と同一箇所については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8は第2実施形態にかかる水晶振動子1を示す断面図であり、図9は図8中の円Dを拡大した断面図である。また、図10は水晶振動子1を支持部2から折り取った状態を示す断面図である。
本実施形態にかかる水晶振動子1には、図8および図9に示すように、溝4aを構成する面のうち支持部2側の面7aと、溝4bを構成する面のうち水晶片14側の面8bとが略同一平面上に配置されるように溝4aおよび4bが配置されている。支持部2側の面7aおよび水晶片14側の面8bは同方向の結晶面からなるので、溝4aおよび4bの位置を調整するだけで支持部2側の面7aと面8bとを容易に略同一平面上に配置させることができる。なお、本実施形態では一例として支持部2側の面7aと水晶片14側の面8bとを略同一平面上に配置した例を説明したが、水晶片14側の面7bと支持部2側の面8aとが略同一平面上に配置されるようにしても、違いは生じない。
このように構成された水晶振動子1の水晶片14を支持部2から折り取ると、図10に示すように、支持部2側の面7aおよび水晶片14側の面8bとを結ぶ平面上で容易に折り取ることができる。水晶片14を支持部2から折り取って分離すると、図5に示すように溝4aおよび4bを構成していた面のうち、水晶片14側の面7bおよび水晶片14側の面8bが水晶片14の側面の一部として残る。水晶片14の折り取った側面に現れた面は水晶片14側の面8bから延長された面なので、なめらかな側面を得ることができ、形状の乱れに起因する不要な振動モードの励起を防ぐことができる。このようにすることで、第2の短辺側の側面は、面7bで構成される第3の傾斜面と、面8bで構成される第4の傾斜面と、で構成することができる。
また、水晶片14を支持部2から折り取る際、折り取った断面に多少の水晶の破片や水晶片14側の面8bと一致しない面の一部が現れても、水晶片14側の面8bを構成する結晶面はエッチングに対して耐性のある結晶面なので、折り取ったのちに短時間エッチングを行えば、水晶の破片や水晶片14側の面8bと一致しない面を容易に除去して水晶片14側の面8bと略同一平面上にある結晶面を出現させることができ、水晶片14の側面をなめらかな状態とすることができる。このようにすることで、第2の短辺側の側面は、面7bで構成される第3の傾斜面と、面8bで構成される第4の傾斜面と、のみで構成することもできる。その結果、形状の乱れに起因する不要な振動モードの励起を防ぐことができる。
なお、本願発明の水晶振動子は、例えば発振器などの電子部品や、水晶振動子の電極に物質が付着すると水晶振動子の周波数が変化することを利用した膜厚センサや微小質量センサなどの電子部品に用いることができる。
1 水晶振動子
2 支持部
3 枠部
4a 第1の溝
4b 第2の溝
5 駆動電極
6a 水晶振動子の第1の側面を構成する第1の傾斜面
6b 水晶振動子の第1の側面を構成する第2の傾斜面
7a 第1の溝4aを構成する支持部側の面
7b 第1の溝4aを構成する水晶片側の面
8a 第2の溝4bを構成する支持部側の面
8b 第2の溝4bを構成する水晶片側の面
9a 上面
9b 下面
10 水晶平板
11 水晶片形成用保護膜
12 支持部形成用保護膜
13 開口部
14 水晶片
21 パッケージ
22 実装電極
23 バンプ
101 従来の水晶振動子
102 支持部
103 枠部
104 溝
105 実装電極
106 パッケージ
107 導電性接着剤
108 パッケージ電極

Claims (11)

  1. 平面視略矩形である上面及び下面を有する平板状の水晶片と、前記上面及び前記下面に配置された導電性材料からなる駆動電極と、前記上面及び前記下面に設けられ、前記駆動電極に電気的に接続された実装電極と、
    を備えた水晶振動子において、
    前記上面又は前記下面の第1の短辺側の側面は、第1の傾斜面と第2の傾斜面とからなる切妻状に形成され、
    前記第1の短辺と反対に位置する第2の短辺側の側面は、前記第1の短辺側の側面の少なくとも1つの傾斜面と略平行な傾斜面を有し
    前記駆動電極は、前記第2の短辺側に配置され、
    前記第2の短辺側の側面は、前記駆動電極を配置する部分と異なる部分に第3の傾斜面と第4の傾斜面を有するとともに、前記駆動電極を配置する部分に前記第3の傾斜面及び前記第4の傾斜面と異なる面を有することを特徴とする水晶振動子。
  2. 前記第1の傾斜面は、前記上面となす角度が鈍角であり、
    前記第2の傾斜面は、前記下面となす角度が鈍角であることを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子。
  3. 前記第3の傾斜面は、前記上面となす角度が鈍角であり、かつ前記第2の傾斜面と略平行に形成され、
    前記第4の傾斜面は、前記下面となす角度が鈍角であり、かつ前記第1の傾斜面と略平行に形成されることを特徴とする請求項2に記載の水晶振動子。
  4. 前記第3の傾斜面と前記第4の傾斜面とが接続することを特徴とする請求項3に記載の水晶振動子。
  5. 前記第3の傾斜面の前記上面から前記第4の傾斜面までの長さと、前記第4の傾斜面の前記下面から前記第3の傾斜面までの長さと、が異なることを特徴とする請求項4に記載の水晶振動子。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の水晶振動子を用いた電子部品。
  7. 水晶平板の上面及び下面に開口部を有する保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記開口部に位置する前記水晶平板を除去し、平面視略矩形形状の水晶片と、前記水晶片の第2の短辺に接続する支持部と、前記支持部に接続する枠部と、を形成する工程と、前記第2の短辺と反対に位置する第1の短辺側の側面を第1の傾斜面と第2の傾斜面とからなる切妻状に形成する工程と、前記第2の短辺と前記支持部との境界に沿って、前記上面に形成された断面視略V字状の第1の溝と、前記下面に形成された断面視略V字状の第2の溝と、を形成する工程と、を備えた水晶片形成工程と、
    前記上面及び前記下面に導電性材料からなる駆動電極を形成する電極形成工程と、
    前記水晶片を前記支持部から分離する水晶片個片化工程と、
    を備え
    前記水晶片形成工程において、前記第1の傾斜面及び前記第2の傾斜面の少なくとも一方が、前記第1の溝を構成する少なくとも1つの面と略平行に形成されることを特徴とする水晶振動子の製造方法。
  8. 前記水晶片形成工程は、前記水晶平板をフッ酸又はフッ化アンモニウムの少なくとも一方を含む水溶液に浸漬させ、前記水晶片と、前記支持部と、前記枠部と、前記第1の溝と、前記第2の溝と、を同時に形成することを特徴とする請求項7に記載の水晶振動子の製造方法。
  9. 前記水晶片形成工程において、前記第1の傾斜面及び前記第2の傾斜面の少なくとも一方が、前記第2の溝を構成する少なくとも1つの面と略平行に形成されることを特徴とする請求項又は請求項に記載の水晶振動子の製造方法。
  10. 前記水晶片形成工程は、前記1の溝を構成する1つの面と前記2の溝を構成する1つの面とを略同一平面上に形成することを特徴とする請求項に記載の水晶振動子の製造方法。
  11. 前記水晶片個片化工程は、前記水晶片を前記支持部から折り取った切り口と、前記第1の溝を構成する1つの面又は前記第2の溝を構成する1つの面と、を同一平面状に形成することを特徴とする請求項10に記載の水晶振動子の製造方法。
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