JP5465100B2 - 像加熱装置 - Google Patents

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    • G03G2215/2035Heating belt the fixing nip having a stationary belt support member opposing a pressure member

Description

本発明は、記録材上の画像を加熱する像加熱装置に関するものである。
像加熱装置としては、記録材上の未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢増大化装置を挙げることができる。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置において、記録材にトナー像を定着させるために使用される像加熱装置たる定着装置としては、定着部材に弾性層を有する熱ローラ方式のものが良く知られている。熱ローラ方式の定着装置は、定着ローラ及び加圧ローラからなる温度調整された2個の加熱ローラが当接する定着ニップを、未定着トナー像を載せた記録材が通過するように構成されている。そして、未定着トナー像を載せた記録材が定着ニップを通過する際に、未定着トナー像は定着ローラ及び加圧ローラにより加熱、加圧されて、記録材上に完成画像として定着される。一方、クイックスタートや省エネルギーの観点から、フィルム(ベルト部材)を用いたフィルム加熱方式の定着装置(特許文献1)や、フィルム(ベルト部材)自体が発熱する電磁誘導加熱方式の定着装置(特許文献2)も実用化されている。
近年、プリンタや複写機などの画像形成装置におけるカラー化が進んできている。カラー画像形成装置では、写真画像などの出力のために、グロス(光沢度)が要求されている。
こうした中、特許文献3は、エネルギー効率が優れており、しかも光沢度の高い画像をムラなく出力するために、次のような定着装置を提案する。即ち、定着装置は、定着フィルム(ベルト部材)と、加圧ローラと、を有する。そして、定着フィルムの内側には、定着フィルムを介して加圧ローラに押し付けられて、定着フィルムと加圧ローラとが接触する定着ニップを形成する、突起形状を有する摺動部材(パッド部材)が配置される。これにより、記録材の搬送方向において定着ニップの中心より下流側に圧力分布のピークが設けられる。
特開平4−44075号公報 特開2001−42670号公報 特開2004−184518号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載の定着装置は、次のような課題を有する。即ち、剛性が低い記録材(コシの弱い薄紙や薄フィルム材など)を用いる場合、定着ニップに送り込まれた記録材が、加熱溶融されたトナーを介して定着フィルムに付着して、定着フィルムの表面に巻き付く、所謂、巻き付きジャムが発生する可能性がある。
これは、第1には、次のような理由によるものと考えられる。即ち、定着フィルムと記録材との間で軟化したトナーが粘着性を有することから、記録材の定着フィルムの表面への粘着性が増大する。又、第2には、次のような理由によるものと考えられる。即ち、記録材の搬送方向においてパッド部材の突起部が定着ニップの領域内にあることにより、パッド部材の突起部で記録材が下向き(加圧ローラ側)に押される。そして、その反動で記録材の先端が上向き(定着フィルム側)になり、記録材の定着フィルムからの分離性が悪化する。このようにして、定着フィルムの表面に対する記録材の巻き付きが助長されることとなる。
従って、本発明の目的は、像加熱装置の回転体の表面へ巻き付きやすい記録材の良好な分離性能と、光沢度の高い画像が得られる良好な画像加熱性能とを両立することのできる像加熱装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る像加熱装置にて達成される。要約すれば、本発明は、回転可能なベルト部材と、前記ベルト部材を圧し、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する回転部材と、前記ベルト部材の内部に設けられ、前記ニップ部を形成するニップ形成部材と、前記ニップ形成部材のニップ部側の面に設けられ、ニップ部側に向かって突出している突起部と、を有し、記録材上の画像を加熱する像加熱装置において、第一の厚みの記録材上に形成された画像を加熱する際に前記突起部をニップ領域内に配置させて画像を加熱する第一画像加熱モードと、第一の厚みよりも薄い第二の厚みの記録材上に形成された画像を加熱する際に前記突起部をニップ領域外に配置させて画像を加熱する第二画像加熱モードと、を実行する実行部を有することを特徴とする像加熱装置である。
本発明の他の態様によると、回転可能なベルト部材と、前記ベルト部材を圧し、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する回転部材と、前記ベルト部材の内部に設けられ、前記ニップ部を形成するニップ形成部材と、前記ニップ形成部材のニップ部側の面に設けられ、ニップ部側に向かって突出している突起部と、を有し、記録材上の画像を加熱する像加熱装置において、秤量が基準値以上の記録材上に形成された画像を加熱する際に前記突起部をニップ領域内に配置させて画像を加熱する第一画像加熱モードと、秤量が前記基準値未満の記録材上に形成された画像を加熱する際に前記突起部をニップ領域外に配置させて画像を加熱する第二画像加熱モードと、を実行する実行部を有することを特徴とする像加熱装置が提供される。
本発明によれば、像加熱装置の回転体の表面へ巻き付きやすい記録材の良好な分離性能と、光沢度の高い画像が得られる良好な画像加熱性能とを両立することができる。
本発明の一実施例に係る定着装置を用いる画像形成装置の概略断面図である。 本発明の一実施例に係る定着装置の概略断面図である。 (a)加圧パッドの一例の断面図、(b)斜視図である。 加熱ユニットの移動の制御態様を説明するブロック図である。 本発明に従う画像出力動作の一例のフローチャート図である。 (a)通常モード時の定着装置の概略断面図、(b)通常モード時の定着ニップの圧力分布及び温度分布を示すグラフ図である。 (b)薄紙モード時の定着装置の概略断面図、(b)薄紙モード時の定着ニップの圧力分布及び温度分布を示すグラフ図である。 薄紙モード時における定着ニップからの記録材の排出状態を説明する模式図である。 加熱ユニットの移動方法を説明するための定着装置の概略側面図である。 加熱ユニットの移動方法を説明するための定着装置の概略上面図である。 本発明に従う画像出力動作の一例のタイミングチャート図である。 加圧パッドの他の例の断面図である。 加圧パッドの更に他の例の断面図である。 本発明に従う画像出力動作の他の例のフローチャート図である。 本発明に従う画像出力動作の他の例のタイミングチャート図である。 トナーの理想配列状態時の各種パラメータについて説明するための図である。 加圧パッドの更に他の例の断面図である。
以下、本発明に係る像加熱装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
1.画像形成装置
図1は、本発明の一実施例に係る定着装置を用いる画像形成装置100の概略断面を示す。この画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することのできる中間転写方式を採用したタンデム型のレーザビームプリンタである。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdを有する。本実施例では、各画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdの構成及び動作は、使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同一である。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの画像形成部用の要素であることを表すために図中符号に与えた添え字は省略して、当該要素について総括的に説明する。
画像形成部Sは、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(感光体)、即ち、感光ドラム101を有する。感光ドラム101は、図示矢印R1方向(反時計回り)に回転駆動される。感光ドラム101の外周には、次の各手段が設置されている。先ず、帯電手段たる帯電部材(接触帯電器)としての帯電ローラ102である。次に、現像手段としての現像器104である。次に、1次転写手段たる1次転写部材(接触帯電器)としての1次転写ローラ105である。次に、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーナ106である。
又、各画像形成部Sa〜Sdの各感光ドラム101a〜101dの上方には、露光手段として各感光ドラム101a〜101dを像露光する露光装置103が設置されている。露光装置103は、光源装置、ポリゴンミラーなどを有する。
更に、各画像形成部Sa〜Sdの各感光ドラム101a〜101dに対向して、中間転写体としての無端状ベルトで形成された中間転写ベルト107が配置されている。中間転写ベルト107は、駆動ローラ171、テンションローラ172、2次転写ローラ173に掛け回されている。中間転写ベルト107は、駆動ローラ171に回転駆動力が伝達されることによって、図示矢印R2方向(時計回り)に回転(周回移動)する。各1次転写ローラ105a〜105dは、中間転写ベルト107の内周面側に配置されている。各1次転写ローラ105a〜105dは、中間転写ベルト107を各感光ドラム101a〜101dに向けて押圧することで、各感光ドラム101a〜101dと中間転写ベルト107とが接触する1次転写部T1a、T1b、T1c、T1dを形成している。又、中間転写ベルト107の外周面側には、2次転写対向ローラ173と対向する位置に、2次転写手段たる2次転写部材(接触帯電器)としての2次転写ローラ108が配置されている。2次転写ローラ108は、中間転写ベルト107を2次転写対向ローラ173との間に挟持して、中間転写ベルト107と2次転写ローラ108とが接触する2次転写部T2を形成している。
例えば、フルカラー画像の形成時を例として、画像出力動作について説明する。先ず、各画像形成部Sa〜Sdにおいて、各感光ドラム101a〜101dが、各帯電ローラ102a〜102dによって一様に帯電処理される。次に、露光装置103において、光源装置から発せられたレーザー光が、回転するポリゴンミラーによって走査され、その走査光の光束が反射ミラーによって偏向される。この偏向された光束が、fθレンズにより各感光ドラム101a〜101dの母線上に集光されて、各感光ドラム101a〜101dは露光される。これにより、各感光ドラム101a〜101d上に色分解された画像信号に応じた静電潜像(静電像)が形成される。次に、各感光ドラム101a〜101d上に形成された静電潜像は、各現像器104a〜104dによってトナー像として現像される。
各現像器104a〜104dには、現像剤として、主に非磁性トナー粒子(トナー)と、磁性キャリア粒子(キャリア)とが混合された2成分現像剤が収容されており、現像器104a〜104d内を循環搬送されている。各現像器104a〜104dには、トナーとして、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーが収容されている。尚、画像形成により消費された現像器104a〜104d内のトナーを補うため、トナー供給装置141a〜141dにより新しいトナーが供給される。
画像出力動作が開始され、中間転写ベルト107が所定の位置にあることが確認されると、駆動ローラ171により駆動されて中間転写ベルト107が回転する。これと同時に画像書き出し信号がオンとなり、それを基準としてあるタイミングで、第1の画像形成部Saの感光ドラム101aに対する上述の如き画像形成が行われる。
そして、第1の画像形成部Saの感光ドラム101a上に形成されたトナー像は、1次転写部T1aにおいて1次転写ローラ105aが電界又は電荷を付与することにより、中間転写ベルト107に1次転写される。この1色目のトナー像は、第2の画像形成部Sbの1次転写部T1bに搬送される。
その後、第2〜第4の画像形成部Sb〜Sdにおいても、第1の画像形成部Saと同様に、トナー像の形成及び中間転写ベルト107へのトナー像の1次転写が行われる。そして、4色のトナー像が重ね合わせて1次転写された中間転写ベルト107は、2次転写部T2に搬送される。
一方、記録材Pは記録材カセット109a、109bに収容され、そこから複数の搬送ローラ及びレジストローラ110を経て、2次転写部T2に搬送される。そして、中間転写ベルト107上のトナー像は、2次転写部T2において、2次転写ローラ108が電界又は電荷を付与することにより、記録材P上に一括して2次転写される。
その後、未定着トナー像を担持した記録材Pは、像加熱装置としての定着装置6に搬送される。記録材P上の未定着トナー像は、定着装置6において加熱、加圧されることによって記録材Pに定着される。定着装置6については、後述して詳しく説明する。
その後、記録材Pは、画像形成装置100の外部に排出される。一方、1次転写後に感光ドラム101上に残留したトナーは、ドラムクリーナ106によって回収される。又、2次転写後に中間転写ベルト107上に残留したトナーは、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーナ174によって回収される。
本実施例では、各画像形成部Sa〜Sd、中間転写ベルト107、2次転写ローラ108などで、記録材Pにトナー像を形成する画像形成手段が構成される。
本実施例では、トナーとして、平均粒径5.5μm、比重1.1g/cm3のものを使用した。又、本実施例では、記録材P上の単色ベタトナー載り量は0.5mg/cm2であり、最大トナー載り量は1.0mg/cm2である。単色ベタトナー載り量とは、最高濃度階調レベルの画像を単色のトナーで現像した際の単位面積当たりのトナーの質量である。又、本実施例におけるトナーの平均粒径は、以下の測定法で得られた重量平均粒径である。まず、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸)を数ml加えた電界水溶液100〜150ml(例えば約1%NaCl水溶液)を作成し、トナー2〜20mgを加え、超音波分散器で数分分散処理を行う。次に、この溶液をコールターカウンター(ベックマン・コールター社製TA−II)を用いて測定することにより、重量平均粒径を求めた。
2.定着装置
次に、定着装置6について説明する。図2は、本実施例における定着装置6の概略断面を示す。
本実施例では、定着装置6は、所謂、フィルム加熱方式の定着装置である。定着装置6は、回転可能なベルト部材(加熱回転体)としての定着フィルム11を有する。又、定着装置6は、定着フィルム11を圧し、記録材Pを挟持搬送するニップ部を形成する回転部材(加圧回転体)としての加圧ローラ21を有する。又、定着装置6は、定着フィルム11の内部に設けられ、ニップ部(定着ニップ)Nを形成するニップ形成部材としての加圧パッド13を有する。更に、定着装置6は、IHコイル31、サイドコア32、センターコア33、加圧パッド支持部材12などを有する。定着フィルム11、加圧パッド支持部材12、加圧パッド13などによって、加熱ユニット10が構成される。加圧ローラ21は、加圧ユニット20を構成する。又、熱源としてのIHコイル31、サイドコア32、センターコア33などによって、定着フィルム11の加熱手段30が構成される。
定着フィルム11は、内面側から外面側に順に、基層、弾性層、離型層の3層の複合構造である。本実施例では、定着フィルム11の直径は30mmである。基層は、IHコイル31によって発生した交番磁場により内部に渦電流を発生する金属発熱層である。基層は、鉄、ステンレス、ニッケルなどの材料で形成される。基層の厚さは、10μm以上100μm以下が好ましい。10μm未満であると、定着フィルム11としての耐久性に劣り、ほとんどの電磁エネルギーが吸収しきれないため、効率が悪くなることがある。100μmを超えると、フィルムの剛性が高くなり、屈曲性が悪くなって、回転体として使用するには現実的でない。弾性層は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどの材料で形成される。又、弾性層は、耐熱性がよく、熱伝導がよく低硬度な材料で構成される。弾性層の厚さは、10μm以上500μm以下が好ましい。離型層の材料には、フッ素樹脂(PTFE、PFA、FEPなど)、シリコーン樹脂、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどの離型性且つ耐熱性に優れた材料を選択するのが好ましい。離型層の厚さは、1μm以上100μm以下が望ましい。1μm未満であると、離型層の摩耗のため、トナーオフセット現象が生じることがある。100μmを超えると、発熱層で発生した熱を十分に記録材P及びトナーに伝えることができず、定着不良が発生することがある。
加圧ローラ21は、芯金の上に、シリコーンゴムなどの弾性層を設けて硬度を下げたものである。加圧ローラ21は、表面性を向上させるために、外周にPTFE、PFA、FEPなどのフッ素樹脂層を設けてもよい。又、加圧ローラ21は、芯金の回転軸方向の両端部が、定着装置6のシャーシー(図示せず)の左右の側板間に軸受部材を介して回転自在に軸受保持されている。本実施例では、加圧ローラ21の直径は30mmである。
定着フィルム11を介して加圧ローラ21と加圧パッド13とが押圧されることで、定着フィルム11と加圧ローラ21との間に定着ニップ(圧接部)Nが形成される。この定着ニップNにて記録材Pを挟持して搬送しながら、この記録材Pに形成されたトナー像を加熱及び加圧する。これにより、トナー像を記録材Pに定着させる。
ニップ形成部材としての加圧パッド13は、耐熱性を有し、加圧ローラ21に対して定着フィルム11を圧迫できる適当な剛性を有する材料で形成される。本実施例では、加圧パッド13は、耐熱エンジニアリングプラスチックで形成される。又、加圧パッド13は、定着フィルム11の基層金属との摺動性を高めるため、表面に摺動カバー処理が施されている。摺動カバー処理は、加圧パッド13の表面を、PTFEをコーティングしたガラスクロスシートなどの滑性シートで覆うことで施すことができる。更に、潤滑材としてシリコンオイルを塗布してもよい。
図3(a)は、本実施例における加圧パッド13の断面図である。図3(b)は、本実施例における加圧パッド13の斜視図である。加圧パッド13は、記録材Pの搬送方向と略直交する方向に延びる板状の主部13Bを有する。又、加圧パッド13は、主部13Bの定着フィルム11が摺動する面13B1側(即ち、加圧ローラ21側)に、主部13Bの長手方向略全域にわたり形成された突起部(凸部)13Aを有する。主部13Bの定着フィルム11が摺動する面13B1は、定着ニップNにおける記録材Pの搬送方向と略平行であり、本実施例では略水平である。そして、記録材Pの搬送方向の下流側端部に、断面形状が三角形の突起部13Aが形成されている。
より詳細には、本実施例では、記録材Pの搬送方向における加圧パッド13の幅は10mmである。そして、突起部13Aは、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の中心位置から下流側に3.5mmの位置から同方向下流側端部までの幅1.5mmの範囲に、最大高さ0.75mmとなるように形成されている。即ち、本実施例では、突起部13Aの三角形の頂点は、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の中心位置から下流側に4.25mmに位置し、当該三角形の頂角αは90度、当該三角形の一辺と面13B1との成す角βは45度である。
本実施例では、突起部13Aは、加圧パッド13に一体に形成されている。しかし、突起部13Aは、ニップ形成部材のニップ部側の面に設けられ、ニップ部側に向かって突出していればよく、加圧パッド13とは別体の突起部13Aが、面13B1に接着などの任意の結合手段によって取り付けられていてもよい。
本実施例では、突起部13Aの高さ(三角形の頂点の面13B1からの垂直方向高さ)が0.75mmあることにより、定着ニップNの最大ピーク圧力を高くすることができる。詳しくは後述するが、本実施例では、記録材Pの種類に応じて、加圧パッド13の突起部13Aの位置を移動させる。
加圧パッド支持部材12は、ステンレス、アルミなどの金属で形成される。加圧パッド支持部材12は、加圧パッド13を、定着フィルム11を介して加圧ローラ21に押し付ける機能を有する。
IHコイル31には、励磁回路(図示せず)が接続されている。励磁回路は、20kHzから100kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるようになっている。
サイドコア32及びセンターコア33は、フェライトなどの強磁性体で形成される。サイドコア32及びセンターコア33は、IHコイル31によって発生した磁場による磁気結合を行っている。特に、IHコイル31の巻き中心にセンターコア33、側面にサイドコア32を配置することで、磁気的な結合を強めている。
尚、本実施例では、IHコイル31によるフィルム加熱手段を用いているが、フィルム外部から加熱部材を押し当ててフィルムを加熱する方法でも構わない。又、本実施例では、IHコイルを熱源とするフィルム加熱定着方式を用いているが、熱源がハロゲンヒータであるフィルム加熱定着方式にも本発明を適用でき、同様の効果を得られる。
3.定着装置の動作
記録材P上に形成された未定着トナー像のトナーは粉体の状態であり、定着装置6の定着ニップNを通過することによって、加熱及び加圧されて、記録材P上に固着する。
定着装置6では、IHコイル31に電流が印加されることによって交番磁場が発生し、定着フィルム11内の金属基層に渦電流が生じて、定着フィルム11が加熱される。定着フィルム11が十分に加熱された段階で、加圧ローラ21を、定着フィルム11を介して加圧パッド13に押し付けて、定着ニップNを形成する。又、加圧ローラ21が回転駆動されることで、定着フィルム11は加圧ローラ21に従動して回転する。そして、記録材Pが、定着フィルム11と加圧ローラ21とに挟持されて、定着ニップNを通過する際に、記録材P上のトナーへ熱と圧力が加わる。これによって、記録材Pのトナーは、記録材P上に固着する。
本実施例では、以下に詳しく説明するように、操作者が画像形成装置100の操作部1で記録材Pの種類を選択すると、その種類に応じて、加圧パッド13の突起部13Aの位置が、予め設定された位置に自動的に切り替えられて、定着処理が行われる。
次に、加熱ユニット10(即ち、加圧パッド13の突起部13A)の位置を移動させる方法について説明する。図4は、定着フィルム11、及びその内部の加圧パッド13や加圧パッド支持部材12などから成る加熱ユニット10を移動させるための制御態様を示す。
先ず、操作者が画像形成装置100の操作部1において画像出力に使用する記録材Pの種類を指定する。その情報が、制御部7の制御手段としてのCPU2に転送される。CPU2は、指定された記録材Pの坪量が80g/m2以上か否かを、制御部7の記憶手段としてのメモリ5を参照して判別する。メモリ5には、予め記録材Pの種類と秤量との関係が設定されている。
CPU1による上記判別結果に係る情報が、制御部7の移動モータ制御部4に転送され、移動モータ制御部4が定着装置6の加熱ユニット10を移動する必要があるか否かを判断する。
画像出力に使用する記録材Pの坪量が80g/m2以上の場合、移動モータ制御部4は、加熱ユニット10を移動させる駆動手段としての移動モータ3を動作させない。そして、定着フィルム11と加圧ローラ21とを圧接させ、定着フィルム11と加圧ローラ21を、それぞれ300mm/sの周速度で回転させる(通常モード)。
一方、画像出力に使用する記録材Pの坪量が80g/m2未満の場合、移動モータ制御部4は、加圧パッド13の突起部13Aの位置を移動させるために、移動モータ3を動作させて、加熱ユニット10を移動させる。加熱ユニット10を移動させると、定着フィルム11、加圧パッド支持部材12及び加圧パッド13は、一体的に、加圧ユニット20を構成する加圧ローラ21に対して相対移動する。その後、定着フィルムと加圧ローラ21とを圧接させ、定着フィルム11と加圧ローラ21を、それぞれ300mm/sの周速度で回転させ(薄紙モード)。
加熱ユニット10を移動させた場合は、その情報をメモリ5が保持し、移動モータ制御部4が、定着装置6の現在の状態を把握することができるようになっている。
移動モータ制御部4は、移動モータ3を駆動させ、定着装置6の加熱ユニット10をデフォルト位置から移動させた場合、次に移動モータ3を駆動させた時に加熱ユニット10がデフォルト位置に戻るように制御する。即ち、移動モータ制御部4は、移動モータ3に印加する電圧を反転させて、移動モータ3を逆回転させ得るように制御する。
本実施例の「通常モード(第一画像加熱モード)」とは、坪量が基準値以上(本実施例では80g/m2以上)の記録材Pを使用し、高グロス、高発色性の画像を出力するモードである。又、本実施例の「薄紙モード(第二画像加熱モード)」とは、坪量が基準値未満(本実施例では80g/m2未満)の剛性が低い記録材Pを使用しても、巻き付きジャムが発生すること無く、定着装置6から安定して画像を出力するモードである。
図5は、加熱ユニット10を移動させる動作のフローを示す。
操作者が画像形成装置100の操作部1で画像出力に使用する記録材Pの種類を設定すると(S101)、その情報が制御部7のCPU2に送信される(S102)。その情報に基づいて、CPU2は、指定された記録材Pの秤量が80g/m2以上であるか否かを判断する(S103)。CPU2は、S103にて記録材Pの坪量が80g/m2以上であると判断した場合には、メモリ5にフラグ0を代入する(S110)。この場合、加熱ユニット10は、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aが定着ニップNの領域内にある、デフォルトの位置である通常モードの位置にある。そして、画像形成が開始され(S106)、定着処理が行われる(ステップS107)。
一方、CPU2は、S103にて記録材Pの坪量が80g/m2未満であると判断した場合には、メモリ5にフラグ1を代入する(S104)。そして、CPU2からの情報に応じて移動モータ制御部4が制御することによって、移動モータ3が動作し、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向に1.0mm移動する(S105)。これにより、加熱ユニット10は、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aが定着ニップNの領域外に出る薄紙モードの位置に移動する。その後、画像形成が開始され(S106)、定着処理が行われる(S107)。
その後、ジョブ(一の開始指示による単一又は複数の記録材に対する一連の画像出力動作)が終了していなければ(S108)、S106に戻り、画像形成及び定着処理が行われる。一方、ジョブが終了したならば(S108)、加熱ユニット10が薄紙モードの位置にあるか否かを、メモリ5に格納されているフラグを参照して、CPU2が判断する(S109)。その結果、薄紙モードの位置にはないと判断した場合は、CPU2は、画像出力動作を終了させる。一方、薄紙モードの位置にあると判断した場合は、CPU2は、その情報を移動モータ制御部4に送り、移動モータ制御部4は、その情報に従って移動モータ3を動作させる。これにより、移動モータ3が動作して、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向とは逆方向に1.0mm移動する(S111)。これにより、加熱ユニット10は、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aが定着ニップNの領域内にある通常モードの位置に戻される。その後、CPU2は、画像出力動作を終了させる。
ここで、通常、秤量が80g/m2以上の記録材P(普通紙など)は、秤量が80g/m2未満の記録材P(薄紙など)よりも、厚さが厚く、剛性が高く、巻き付きジャムは発生し難い。従って、本実施例において、「通常モード(第一画像加熱モード)」は、第一の厚みの記録材Pを使用し、高グロス、高発色性の画像を出力するモードとすることができる。又、「薄紙モード(第二画像加熱モード)」は、第一の厚みよりも薄い第二の厚みの記録材Pを使用しても、巻き付きジャムが発生すること無く、定着装置6から安定して画像を出力するモードとすることができる。この場合、操作者が操作部1において記録材Pの種類を指定すると、CPU2は、指定された記録材Pの第一の厚みの記録材Pであるか、第二の厚みの記録材Pであるかを、制御部7の記憶手段としてのメモリ5を参照して判別する。メモリ5には、予め記録材Pの種類と厚みとの関係が設定されている。そして、第一の厚みであると判断した場合には、上述の秤量が80g/m2以上であると判断した場合と同様の制御を行い、第二の厚みであると判断した場合には、上述の秤量が80g/m2未満であると判断した場合と同様の制御を行えばよい。
このように、定着装置6は、動作モードとして、秤量が基準値以上の記録材上(或いは、第一の厚みの記録材上)に形成された画像を加熱する際に突起部13Aをニップ領域内に配置させて画像を加熱する第一画像加熱モード(通常モード)を有する。又、定着装置6は、動作モードとして、秤量が基準値未満の記録材上(或いは、第一の厚みよりも薄い第二の厚みの記録材上)に形成された画像を加熱する際に突起部13Aをニップ領域外に配置させて画像を加熱する第二画像加熱モードを有する(薄紙モード)。そして、本実施例では、制御部7が、第一画像加熱モードと、第二画像加熱モードと、を実行する、像加熱装置の実行部として機能する。
尚、本実施例では、記録材Pの秤量(或いは厚さ)を基準に加熱ユニット10の移動を制御するものとして説明したが、これに限定されるものではない。「普通紙」、「写真印刷用紙」、「OHPフィルム」、「薄紙」といった、予め秤量、厚さ、コシの強さ、剛性などとの相関が求められ、定着フィルム11への巻き付き易さが求められている、定性的な記録材の種類分けを基準として制御してもよい。定着フィルム11に巻き付きやすいか否かによって記録材Pの種類が判別できればよい。
4.突起部の作用
本実施例では、記録材Pの種類に応じて、加圧パッド13の突起部13Aの位置を、記録材Pの搬送方向において定着ニップNの内側又は外側の位置に切り替えており、加圧パッド13の突起部13Aの使用方法は2つある。
図6(a)は通常モード時の定着装置6の概略断面を示し、図6(b)は通常モード時に定着ニップNで記録材Pにかかる圧力分布及び温度分布を示す。図7(a)は薄紙モード時の定着装置6の概略断面を示し、図7(b)は薄紙モード時に定着ニップNで記録材Pにかかる圧力分布及び温度分布を示す。又、図8は、薄紙モード時に定着ニップNから記録材Pが排出される様子を示す。
加圧パッド13の突起部13Aの使用方法の1つ目は、図6(a)に示すように、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aが定着ニップNの領域内にある場合(通常モード時)の使用方法である。この場合、定着ニップN内の記録材Pの搬送方向の圧力分布は、図6(b)に示すようになる。即ち、この場合、記録材Pの搬送方向において定着ニップNの中心より下流側に圧力分布のピークが設けられる。これにより、定着ニップNの記録材Pの搬送方向下流端部側の、記録材P上の温度が高い状態で、記録材Pに大きな圧力をかけることができる。そのため、トナーを効率的に広げることができ、出力画像のグロスを上げることができる。通常モードでは、定着ニップNにおいて記録材Pにかかる最大ピーク圧力は0.4Mpaであり、坪量80g/m2の普通紙を使用した場合のその時の紙上の温度は100℃である。
加圧パッド13の突起部13Aの使用方法の2つ目は、図7(a)に示すように、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aが定着ニップNの領域外にある場合(薄紙モード時)の使用方法である。この場合、加圧パッド13の突起部13Aによって定着フィルム11が下側(加圧ローラ側)に凸形状に変形する。そのため、図8に示すように、記録材Pは定着ニップNから下向き(加圧ローラ)に排出され、記録材Pを定着フィルム11から分離させやすくすることができる。
ここで、薄紙モード時においても、グロスは損なわれることはない。なぜなら、比較的秤量の小さい、厚みの薄い薄紙などの記録材Pは、比較的秤量の大きい、厚みの厚い普通紙などの記録材Pに比べて、熱容量が小さい。そのため、定着ニップNにおいて記録材Pに奪われる熱量が少なく、記録材Pの搬送方向における定着ニップNの中央部において、記録材P上の温度が高くなる。従って、定着ニップNにおいてトナーが十分に押し広げられ、グロスが損なわれることはない。薄紙モードでは、定着ニップNにおいて記録材Pにかかる最大ピーク圧力は0.3Mpaであり、坪量64g/m2の薄紙を使用した場合のその時の紙上の温度は110℃である。薄紙モードでは、通常モードと比べて、加熱ユニット10(即ち、加圧パッド13の突起部13A)の位置を、記録材Pの搬送方向に移動距離Dとして1.0mm移動させている。
尚、定着ニップNにおける温度は、記録材P上に熱電対((株)アンベ エスエムティ、極細薄熱電対KFST−10−100−200)を貼り付けて定着ニップNを通過させることにより計測することができる。又、定着ニップNにおける圧力分布は、タクタイルセンサ(ニッタ(株)、シーラー)を用いて計測することができる。
本実施例では、通常モード時は、図6(a)に示すように、加圧パッド13の突起部13Aの位置が定着ニップN内にある状態である。そのため、通常モードでは、記録材P上の画像のグロスを上げることができる。又、本実施例では、薄紙モード時は、図7(a)に示すように、加熱ユニット10を記録材Pの搬送方向に1.0mm移動させ、加圧パッド13の突起部13Aが定着ニップNより下流側に配置されている状態である。これにより、定着フィルム11の軌道が定着ニップNより下流側で、下側(加圧ローラ側)に凸になり、記録材Pが下向き(加圧ローラ側)に排出される。そのため、記録材Pの定着フィルム11から分離性を良化することができる。
5.加熱ユニットの移動
次に、加熱ユニット10の移動方法を説明する。図9は、定着装置6の概略側面図である。又、図10は定着装置6の概略上面図である。
定着フィルム11は、定着フィルムフランジ14によって回転可能に保持されている。定着フィルムフランジ14には、ギア15が一体に形成されている。この定着フィルムフランジ14は、第1の保持板金40に保持される。第1の保持板金40の、フィルムフランジ14に形成されたギア15が挿入される箇所には、このギアと噛み合う歯41が設けられている。又、加圧ローラ21は、第2の保持板金50に回転可能に保持されている。
図10に示すように、定着フィルムフランジ14、第1の保持板金40、第2の保持板金50、ギア15、移動モータ3は、定着フィルム11の長手方向(回転方向と略直交する方向)両側にそれぞれ設けられている。これら両側の各部材は同期して動作する。
移動モータ3が回転することにより、ギア15が回転し、加熱ユニット10が第1の保持板金40上を移動し、加熱ユニット10を記録材Pの搬送方向へ移動させる。その結果、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aの位置を定着ニップNの外に出すことができる。本実施例では、薄紙モード時に、加熱ユニット10を記録材Pの搬送方向に1.0mm移動させており、そのときに移動モータ3を2回転させている。本実施例では、定着フィルムフランジ14、ギア15、歯41を有する第1の保持板金40及びモータ3、移動モータ制御部4などによって、加圧パッド13の突起部13Aを移動させる、像加熱装置の移動手段が構成される。
図11(a)は通常モード時、図11(b)は薄紙モード時の画像出力動作における各部のON、OFFタイミングを示す。
移動モータ3がONの場合は、移動モータ3が作動し、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向に1.0mm移動する。再び移動モータ3がONになった場合は、加熱ユニット10は記録材Pの搬送方向とは逆方向に1.0mm移動する。一方、移動モータ3がOFFの場合は、移動モータ3は作動せず、加熱ユニット10は移動しない。画像形成動作がONの場合は、帯電、露光、現像、1次転写、2次転写の各工程により記録材P上にトナー像を形成している。画像形成動作がOFFの場合は、記録材P上へのトナー像の形成をしていない。又、定着処理がONの場合は、定着フィルム11と加圧ローラ21とを圧接させ、定着フィルム11を300mm/sの周速度で回転させ、記録材P上のトナーの定着処理を行っている。一方、定着処理がOFFの場合は、定着フィルム11と加圧ローラ21とが離間されており、定着フィルム11は100mm/sの周速度で回転している。そのため、定着処理は行われない。又、後回転とは、画像出力動作を終了する際の整理又は準備動作であって、この時加熱ユニット10の位置をデフォルト位置(通常モード時の位置)に戻す作業を行う。
図11(a)を参照して、通常モード時では、加熱ユニット10は、定着装置6の加圧パッド13の突起部13Aの位置が記録材Pの搬送方向において定着ニップNの下流側端部に来るように配置されている。この状態がデフォルト状態である。従って、通常モードでは、移動モータ3はOFFのままである。その後、画像形成動作が行われ、定着処理が行われる。
図11(b)を参照して、薄紙モード時では、先ず、移動モータ3が作動し、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向に1.0mm移動する。その後、画像形成動作が行われ、定着処理が行われる。そして、再び移動モータ3を作動し、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向とは逆方向に1.0mm移動する。
尚、加熱ユニット10の移動は、定着処理を行う前に完了していればよいので、画像形成動作がONとなっているタイミングと、移動モータ3がONとなっているタイミングが重なっていても良い。
本実施例では、通常モード時の定着フィルム11の温調温度は180℃に設定しており、薄紙モード時の定着フィルム11の温調温度は165℃に設定している。本実施例では、定着フィルム11の温調温度を通常モード時と薄紙モード時とで変更しているが、変更しなくても良い。又、通常モード時、薄紙モード時のいずれにおいても、記録材Pの搬送方向における定着ニップNの幅は10mmに設定している。
尚、本実施例では、前述のように、通常モード時には、定着ニップNの圧力分布の最大ピーク圧力の位置が、記録材Pの搬送方向における定着ニップNの中心より下流側にある。これにより、出力画像のグロスを上げることができる。これに対して、普通紙よりも坪量の大きい記録材P(例えば、秤量80g/m2以上)を用いる場合に、グロスを向上させるために、定着ニップN内の圧力分布の最大ピークの位置を変えずに、定着フィルム11の温度の調整だけを行う場合を考える。この場合、記録材Pの繊維上のトナーが溶融過多になり、トナーが定着フィルム11に付着するホットオフセットという弊害が発生する可能性がある。
6.変形例
加圧パッド13の形状は、本実施例のものに限定されるものではなく、図12、図13に示す断面形状を有するものでも良い。
図12に示す加圧パッド13は、主部13Bの定着フィルム11が摺動する面側に、加圧ローラ21の回転中心から曲率半径17.5mmのR形状の断面を有する突起部13Aを有する。これにより、突起部13Aは、記録材Pの搬送方向の下流側に行くに従って次第に突出高さが高くなる、下側(加圧ローラ側)に凸の形状になっている。図示の例では、記録材Pの搬送方向下流端部における突起部13Aの最大高さは0.75mmとなっている。又、加圧パッド13の記録材Pの搬送方向の幅は10mmである。
図13に示す加圧パッド13は、主部13Bの定着フィルム11が摺動する面側に、断面が四角形の突起部13Aを有する。突起部13Aは、加圧パッド13の中心位置から記録材Pの搬送方向下流側に3.5mmの位置から同方向下流側に設けられ、高さが0.5mm、幅が1.0mmの四角形状の断面を有する。
又、本実施例では、加圧パッド13の突起部13Aの位置を定着ニップNの内外に移動させるために、加熱ユニット10を移動させたが、これに限定されるものではない。例えば、加圧パッド13の突起部13Aの位置を定着ニップNの内外に移動させるために、加圧ローラ21側を移動させても良い。
又、本実施例では、画像出力に使用する記録材Pの種類の選択方法として、操作者が操作部から指定することによる方法を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、記録材Pの種類の自動検知手段が、記録材Pの厚さ、表面状態、重量などを画像形成装置100に設けられたセンサーを用いて検知し、記録材Pの種類を判断するようにしても良い。
以上、本実施例では、記録材Pの種類に応じて、加圧パッド13の突起部13Aの位置を切り替える。これにより、定着フィルム11の表面へ巻き付きやすい記録材Pの定着フィルム11からの良好な分離性能と、光沢度の高い画像が得られる良好な画像加熱性能とを両立することができる。このように、本実施例によれば、光沢性を維持しつつ、剛性が低い記録材Pでも良好に分離できる定着装置6を提供することができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置と同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1では、画像出力に使用する記録材Pの種類は1回のジョブ中には変更されないものとして説明した。これに対して、本実施例では、ジョブの途中で画像出力に使用する記録材Pの種類を変更する場合について説明する。
実施例1と同様、本実施例の「通常モード(第一画像加熱モード)」とは、坪量が80g/m2以上の記録材Pを使用し、高グロス、高発色性の画像を出力するモードである。又、本実施例の「薄紙モード(第二画像加熱モード)」とは、坪量が80g/m2未満の剛性が低い記録材Pを使用しても、巻き付きジャムが発生すること無く、定着装置6から安定して画像を出力するモードである。又、実施例1同様、「通常モード(第一画像加熱モード)」は、第一の厚みの記録材Pを使用し、高グロス、高発色性の画像を出力するモードとすることができる。又、「薄紙モード(第二画像加熱モード)」は、第一の厚みよりも薄い第二の厚みの記録材Pを使用しても、巻き付きジャムが発生すること無く、定着装置6から安定して画像を出力するモードとすることができる。
本実施例では、図1に示す1番目のカセット109aには普通紙、2番目のカセット109bには薄紙が給紙されている。カセット番号とそれに収容された記録材Pの種類との関係は、画像形成装置100の操作部1において制御部7のメモリ5に登録されている。
図14は、本実施例における加熱ユニット10を移動させる動作のフローを示す。
操作者が画像形成装置100の操作部1において、画像出力に使用する記録材Pを自動で選択するように設定すると(S201)、先ず1番目のカセット109aに収容された記録材Pから使用され、その情報が制御部7のCPU2に送信される(S202)。その情報と、メモリ5に予め登録されている情報とに基づいて、CPU2は、画像出力に使用する記録材Pの秤量が80g/m2以上であるか否かを判断する(S203)。CPU2は、S203にて記録材Pの坪量が80g/m2以上であると判断した場合には、メモリ5にフラグ0を代入する(S211)。この場合、加熱ユニット10は、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aが定着ニップNの領域内にある、デフォルトの位置である通常モードの位置にある。そして、画像形成が開始され(S206)、定着処理が行われる(S207)。
一方、CPU2は、S203にて記録材Pの坪量が80g/m2未満であると判断した場合には、メモリ5にフラグ1を代入する(S204)。そして、CPU2からの情報に応じて移動モータ制御部4が制御することによって、移動モータ3が動作し、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向に1.0mm移動する(S205)。これにより、加熱ユニット10は、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aが定着ニップNの領域外に出る薄紙モードの位置に移動する。その後、画像形成が開始され(S206)、定着処理が行われる(S207)。
その後、CPU2は、今まで使用していた記録材Pが無くなり、使用するカセットを1番目のカセット109aから2番目のカセット2番目のカセット109bに変更する必要があるか否かを判断する(S208)。使用するカセットを変更する必要が無ければ、CPU2は、ジョブが終了したか否かを判断する(S209)。一方、使用するカセットを変更する必要がある場合は、使用するカセットを1番目のカセット109aから2番目のカセット109bに変更し、S203に戻り、再度記録材Pの種類の判別から制御を行う。
S209において、ジョブが終了していなければ、S206に戻り、画像形成及び定着処理が行われる。一方、S209において、ジョブが終了したならば、加熱ユニット10が薄紙モードの位置にあるか否かを、メモリ5に格納されているフラグを参照して、CPU2が判断する(S210)。その結果、薄紙モードの位置にはないと判断した場合、CPU2は、画像出力動作を終了させる。一方、薄紙モードの位置にあると判断した場合は、CPU2は、その情報を移動モータ制御部4に送り、移動モータ制御部4は、その情報に従って移動モータ3を動作させる。これにより、移動モータ3が動作して、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向とは逆方向に1.0mm移動する(S212)。これにより、加熱ユニット10は、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aが定着ニップNの領域内にある通常モードの位置に戻される。その後、CPU2は、画像出力動作を終了させる。
本実施例では、通常モード時は、図6(a)に示すように、加圧パッド13の突起部13Aの位置が定着ニップN内にある状態である。そのため、通常モードでは、記録材P上の画像のグロスを上げることができる。又、本実施例では、薄紙モード時は、図7(a)に示すように、加熱ユニット10を記録材Pの搬送方向に1.0mm移動させ、加圧パッド13の突起部13Aが定着ニップNより下流側に配置されている状態である。これにより、定着フィルム11の軌道が定着ニップNより下流側で、下側(加圧ローラ側)に凸になり、記録材Pが下向き(加圧ローラ側)に排出される。そのため、記録材Pの定着フィルム11から分離性を良化することができる。
図15(a)はジョブの途中で通常モードから薄紙モードに移行する場合、図15(b)はジョブの途中で薄紙モードから通常モードに移行する場合の、画像出力動作における各部のON、OFFタイミングを示す。尚、カセットの切り替えが無い場合の各部のON、OFFタイミングは、実施例1で説明した図10(a)、(b)に示すものと同様である。
移動モータ3がONの場合は、移動モータ3が作動し、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向に1.0mm移動する。再び移動モータ3がONになった場合は、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向とは逆方向に1.0mm移動する。一方、移動モータ3がOFFの場合は、移動モータ3は作動せず、加熱ユニット10は移動しない。画像形成動作がONの場合は、帯電、露光、現像、1次転写、2次転写の各工程により記録材P上にトナー像を形成している。画像形成動作がOFFの場合は、記録材P上へのトナー像の形成をしていない。又、定着処理がONの場合は、定着フィルム11と加圧ローラ21とを圧接させ、定着フィルム11を300mm/sの周速度で回転させ、記録材P上のトナーの定着処理を行っている。一方、定着処理がOFFの場合は、定着フィルム11と加圧ローラ21とが離間されており、定着フィルム11は100mm/sの周速度で回転している。そのため、定着処理は行われない。又、後回転とは、画像出力動作を終了する際の整理又は準備動作であって、この時加熱ユニット10の位置をデフォルト位置(通常モード時の位置)に戻す作業を行う。
本実施例では、通常モード時の定着フィルム11の温調温度は180℃に設定しており、薄紙モード時の定着フィルム11の温調温度は165℃に設定している。本実施例では、定着フィルム11の温調温度を通常モード時と薄紙モード時とで変更しているが、変更しなくても良い。又、通常モード時、薄紙モード時のいずれにおいても、記録材Pの搬送方向における定着ニップNの幅は10mmに設定している。
図15(a)を参照して、ジョブの途中で通常モードから薄紙モードに移行する場合について説明する。先ず、加熱ユニット10は、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aの位置が定着ニップN内にあるデフォルト位置にある。通常モードでは、加熱ユニット10をデフォルト位置として定着処理を行うので、移動モータ3は作動せず、加熱ユニット10は移動しない。この状態で、画像形成動作が行われ、定着処理が行われる。その後、現在使用中のカセットに収容された普通紙が無くなって、薄紙を収容するカセットに切り替えられるので、調整時間を設け、その調整時間中に、移動モータ3が作動し、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向に1.0mm移動する。それに加えて、定着フィルム11の温調温度が180℃から165℃に低下する。その後、画像形成動作が行われ、定着処理が行われる。ジョブが終了した場合は、加熱ユニット10をデフォルト位置に戻すために、再び移動モータ3が作動する。
図15(b)を参照して、ジョブの途中で薄紙モードから通常モードに移行する場合について説明する。先ず、加熱ユニット10は、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aの位置が定着ニップN内にあるデフォルト位置にある。薄紙モードでは、加熱ユニット10を、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の突起部13Aの位置が定着ニップN外にある薄紙モードの位置として定着処理を行うので、移動モータ3が作動し、加熱ユニット10が記録材Pの搬送方向に1.0mm移動する。この状態で、画像形成動作が行われ、定着処理が行われる。その後、現在使用中のカセットに収容された薄紙が無くなって、普通紙を収容するカセットに切り替えられるので、調整時間を設け、その調整時間中に、移動モータ3が作動し、加熱ユニット10を記録材Pの搬送方向とは逆方向に1.0mm移動する。それに加えて、定着フィルム11の温調温度が165℃から180℃に上昇する。その後、画像形成動作が行われ、定着処理が行われる。ジョブが終了した場合は、加熱ユニット10はデフォルト位置にあるため、移動モータ3は作動しない。
以上、本実施例によれば、ジョブの途中で記録材Pの種類が変わる場合であっても、記録材Pの種類に応じて、加圧パッド13の突起部13Aの位置を切り替えることにより、光沢性と分離性とを両立することができる。
実施例3
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置と同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1及び2は、記録材P上の単色ベタトナー載り量が比較的多い状態の実施例である。これに対して、本実施例は、記録材P上の単色ベタトナー載り量が比較的少ない系の実施例である。
近年、環境対応、低コスト化への要求が高まり、トナー消費量低減化技術が非常に重要となってきた。特に、このトナー消費量を少なくする技術は、トナーを記録材に固着させる過程で発生するエネルギーを減少させるという観点から重要な役割を持つようになってきた。
そこで、トナー消費量低減化のために、トナー中の顔料量を増やし、その分トナーの総載り量を減らすことでトナーの消費量を減らすことが可能となる。しかし、トナーの載り量を減らしていくと、単色ベタにおけるトナーが少なくなることで、トナー間が密着できなくなり、凹凸がある記録材Pの表面をトナーで隠蔽できなくなる現象が起こる。
特に、表面の凹凸が大きく、熱容量が大きい記録材Pを使った場合は、トナー溶融が進まず、特に反射濃度が低下してしまう。
ここで、トナーが理想配列状態の時の記録材上の単色ベタトナー載り量について説明する。
図16は、トナーが理想配列状態の時の各種パラメータを示す。トナーの粒径(トナーの直径)をL[μm]とする。トナーの体積をV[μm3]とする。平面的なトナーの投影面積をSa[μm2]とする。トナー1つ分が含まれる単位面積をSb[μm2]とする。この時、V、Sa、Sbは、それぞれ次のようになる。
Figure 0005465100
Figure 0005465100
Figure 0005465100
トナーが最密に並んだ時の単層(1色)の載り量H[μm](単位面積あたりの体積=平均高さ)は次のように算出される。
Figure 0005465100
上記式では、トナーの配列状態を考えるために、記録材上の単色ベタトナー載り量は、「単位面積あたりのトナー体積[μm]」(=平均高さ)であるものとした。しかし、通常、トナーの載り量を計測管理する際には、「単位面積あたりの重さ[mg/cm2]」を用いる。従って、上記の理想配列状態(真球形トナーの最密状態)を表す式を、密度ρ[g/cm3]を考慮して、次のように、記録材上の単色ベタトナー載り量A[mg/cm2]として変換する。下記式(1)中、1/10は単位合わせるためのものである。
Figure 0005465100
記録材P上の単色ベタトナー載り量(単色画像のベタ部でのトナー載り量)が上記式(1)で算出される値よりも少ない場合、即ち、次の式(2)の関係を満たす場合は、反射濃度が損なわれてしまう。
A<ρπL/(30√3) ・・・(2)
本実施例は、記録材上の単色ベタトナー載り量が上記式(1)で算出される値より少ない場合の実施例である。具体的には、本実施例では、平均粒径が5.5μm、比重が1.1g/cm3のトナーを使用しており、記録材上の単色ベタトナー載り量は0.3mg/cm2であり、記録材上の最大トナー載り量は0.6mg/cm2である。
前述のように、トナー載り量が少ないと記録材(特に、紙)の繊維の表面を隠蔽することができず、反射濃度が低下する。そのため、反射濃度を向上するためには、定着装置において、トナーを大きく広げることが好ましい。
そこで、本実施例では、トナーを大きく広げるために、定着装置6は、図17に示す断面形状を有する加圧パッド13を有する構成とする。本実施例で用いた加圧パッド13は、実施例1のものと概略同様の構成であり、主部13Bと、主部13Bの定着フィルム11が摺動する面13B1側に形成された突起部Aと、を有する。
より詳細には、本実施例では、記録材Pの搬送方向における加圧パッド13の幅は10mmである。そして、突起部13Aは、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の中心位置から下流側に3.2mmの位置から同方向下流側端部までの幅1.8mmの範囲に、最大高さが0.9mmとなるように形成されている。即ち、本実施例では、突起部13Aの三角形の頂点は、記録材Pの搬送方向において加圧パッド13の中心位置から下流側に4.1mmに位置し、当該三角形の頂角αは90度、当該三角形の一辺と面13B1との成す角βは45度である。
本実施例では、突起部13Aの高さを実施例1及び2よりも高くすることにより、実施例1及び2よりも定着ニップNにおける圧力を高くすることができ、定着装置6においてトナーを大きく広げることができ、反射濃度を向上させることができる。
本実施例の突起部13Aの高さが0.9mmの加圧パッド13を使用した場合と、実施例1の突起部13Aの高さが0.75mmの加圧パッド13のを使用した場合とにおける定着ニップNの最大ピーク圧力を表1に示す。又、坪量が80g/m2の普通紙に、単色ベタトナー載り量が0.3mg/cm2の未定着画像を形成し、これを本実施例の加圧パッド13と実施例1の加圧パッド13を使用してそれぞれ定着処理した時の反射濃度を表1に示す。
尚、圧力分布はタクタイルセンサ(ニッタ(株)、シーラー)を用いて計測した。又、反射濃度は(X−Rite社製503分光濃度計)を使用して測定した。
Figure 0005465100
表1より、本実施例の突起部13Aの高さが0.9mmの加圧パッド13を使用することにより、定着ニップNにおける最大ピーク圧力を上げることができる。これにより、トナーを定着装置6で大きく広げることができ、トナー載り量が少なくても反射濃度を上げることができる。
そして、本実施例においても、画像出力に使用する記録材Pが普通紙など(秤量が80g/m2以上、或いは第一の厚み)の場合は、加熱ユニット10を、次のような配置とする。即ち、加圧パッド13の突起部13Aの位置が記録材Pの搬送方向において定着ニップNの下流端部に来るように配置する。これにより、記録材P上のトナーに対して、温度が高い箇所で大きな圧力を加えるようにして、トナーを広げ、記録材Pの繊維をトナーで隠蔽できるようにする。
一方、画像出力に使用する記録材Pが薄紙など(秤量が80g/m2未満、或いは第一の厚みよりも薄い第二の厚み)の場合は、記録材Pの熱容量が小さいので、記録材P上のトナー温度がすぐに上がる。そのため、定着ニップNの下流端部で大きな圧力を加えなくても、トナーを大きく広げることができる。従って、この場合は、本実施例においても、加熱ユニット10を、加圧パッド13の突起部13Aの位置が記録材Pの搬送方向において定着ニップNから出た箇所に来るように配置する。これにより、記録材Pの定着フィルム11からの分離性を良化する。
加圧パッド13の突起部13Aの位置の変更方法は、実施例1及び2と同様とすることができる。
以上、本実施例によれば、記録材P上の単色ベタトナー載り料が少ない系においても、記録材Pの種類に応じて、加圧パッド13の突起部13Aの位置を切り替えることにより、光沢性と分離性とを両立することができる。
その他の実施例
本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の各実施例に限定されるもではない。
例えば、上述の各実施例では、像加熱装置の互いに圧接する回転体として、一方がフィルム、他方がローラの場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、ローラに張架されたベルトを回転体として用い、ベルトとベルトを圧接させた構成やベルトとローラとを圧接させた構成などとしても良い。
又、上述の各実施例では、画像形成装置が1つの画像加熱加圧装置を有する場合を例示したが、画像形成装置が複数の画像加熱加圧装置を有していてもよい。例えば、1つは定着装置として、他の1つは光沢増大化装置として用いることが考えられる。この場合、複数の画像加熱加圧装置のそれぞれに本発明を適用することができ、それぞれにおいて上記各実施例と同様の効果を得ることができる。
又、上述の各実施例では、画像形成装置が画像形成部を4つ有する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、画像形成部の数は必要に応じて適宜設定すれば良い。
画像形成装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置など、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機などであって良い。
上記各実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
6 定着装置(像加熱装置)
10 加熱ユニット
11 定着フィルム
13 加圧パッド
13A 突起部
20 加圧ユニット
21 加圧ローラ
100 画像形成装置
N 定着ニップ

Claims (6)

  1. 回転可能なベルト部材と、前記ベルト部材を圧し、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する回転部材と、前記ベルト部材の内部に設けられ、前記ニップ部を形成するニップ形成部材と、前記ニップ形成部材のニップ部側の面に設けられ、ニップ部側に向かって突出している突起部と、を有し、記録材上の画像を加熱する像加熱装置において、
    第一の厚みの記録材上に形成された画像を加熱する際に前記突起部をニップ領域内に配置させて画像を加熱する第一画像加熱モードと、第一の厚みよりも薄い第二の厚みの記録材上に形成された画像を加熱する際に前記突起部をニップ領域外に配置させて画像を加熱する第二画像加熱モードと、を実行する実行部を有することを特徴とする像加熱装置。
  2. 回転可能なベルト部材と、前記ベルト部材を圧し、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する回転部材と、前記ベルト部材の内部に設けられ、前記ニップ部を形成するニップ形成部材と、前記ニップ形成部材のニップ部側の面に設けられ、ニップ部側に向かって突出している突起部と、を有し、記録材上の画像を加熱する像加熱装置において、
    秤量が基準値以上の記録材上に形成された画像を加熱する際に前記突起部をニップ領域内に配置させて画像を加熱する第一画像加熱モードと、秤量が前記基準値未満の記録材上に形成された画像を加熱する際に前記突起部をニップ領域外に配置させて画像を加熱する第二画像加熱モードと、を実行する実行部を有することを特徴とする像加熱装置。
  3. 前記基準値は、80g/m2であることを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 前記ニップ形成部材を移動させる移動手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の像加熱装置。
  5. トナーの平均粒径をL[μm]、該トナーの比重をρ[g/cm3]、単色画像のベタ部でのトナー載り量をA[mg/cm2]とした場合に、
    A<ρπL/(30√3)
    の関係を満たすことを特徴する請求項1〜4のいずれか一項に記載の像加熱装置。
  6. 前記第二画像加熱モードを実行する際には、前記突起部が記録材の搬送方向においてニップ部よりも下流側に位置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の像加熱装置。
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