JP5464292B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
この種の電動パワーステアリング装置では、搭載対象車両が大型化することにより、電動パワーステアリング装置の高出力化が進み、モータトルクが増大すると共に大電流化が加速している。
従来、操舵トルクセンサ等の異常が発生した場合、電動パワーステアリング装置を停止させて安全を確保するようにしていたが、手動操舵に必要な操舵トルクが大きくなりすぎて操舵が困難となっているので、操舵トルクセンサ等の異常が発生した場合でも電動モータを駆動制御して操舵補助力の発生を継続することが望まれている。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、路面から実際に発生した反力を考慮して操舵補助力の発生を継続することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
前記操舵トルク検出手段の異常を検出するトルク検出部異常検出手段と、
車両の左右の車輪回転速度を検出する車輪回転速度検出手段と、
該車輪回転速度検出手段で検出した車輪回転速度に基づいて第2のトルク指令値を演算する第2のトルク指令値演算手段と、
前記トルク検出部異常検出手段で前記トルク検出手段の異常を検出したときに、前記第1のトルク指令値演算手段に代えて、前記第2のトルク指令値演算手段を選択して前記モータ制御手段に第2のトルク指令値を出力する異常時切換手段とを備え、
前記第2のトルク指令値演算手段は、前記車輪回転速度に基づいて前記ステアリング機構に路面側から伝達されるセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定手段と、該セルフアライニングトルク推定手段で推定したセルフアライニングトルクにゲインを乗算して前記第2のトルク指令値を演算するゲイン調整手段とを備え、
前記セルフアライニング推定手段は、前記車輪回転速度検出手段で検出した前記左右の車輪回転速度VwL及びVwRに基づいて、車速に応じた左右の車輪回転速度差ΔVwを算出し、前記左右の車輪回転速度差ΔVwをもとに、セルフアライニングトルク算出マップを参照してセルフアライニングトルクSATiを算出するものであり、
前記セルフアライニングトルク算出マップは、前記左右の車輪回転速度差ΔVwが零である状態では、セルフアライニングトルクSATが“0”であり、前記左右の車輪回転速度差ΔVwが正値となると、セルフアライニングトルクSATが増加し、その後前記左右の車輪回転速度差ΔVwが所定値ΔVw1以上となると、前記左右の車輪回転速度差ΔVwの増加に応じてセルフアライニングトルクSATの増加率が徐々に低下する特性線に設定され、一方、前記左右の車輪回転速度差ΔVwが負値となると、セルフアライニングトルクSATが“0”より左右の車輪回転速度差ΔVwが所定値−ΔVw1となるまでは減少し、前記左右の車輪回転速度差ΔVwが所定値−ΔVw1を越えるとセルフアライニングトルクSATの減少率が徐々に減少する特性曲線に設定されていることを特徴としている。
ΔVw=(VwL−VwR)/{(VwL+VwR)/2}・・・(1)
図1は、本発明に一実施形態を示す概略構成図であって、図中、SMはステアリング機構である。このステアリング機構SMは、ステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が伝達される入力軸2aとこの入力軸2aに図示しないトーションバーを介して連結された出力軸2bとを有するステアリングシャフト2を備えている。このステアリングシャフト2は、ステアリングコラム3に回転自在に内装され、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は図示しないトーションバーに連結されている。
また、減速機構11のステアリングホイール1側に連接されたハウジング13内に操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ14が配設されている。この操舵トルクセンサ14は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を非接触の磁気センサで検出するように構成されている。
第2のトルク指令値演算部32は、ステアリング機構に路面から伝達されるセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定手段としてのセルフアライニングトルク推定部32Aと、このセルフアライニングトルク推定部321で推定したセルフアライニングトルクSATに“1”未満のゲインで増幅して第2の操舵補助トルク指令値Iref2を算出するゲイン調整手段としての増幅部32Bとで構成されている。
ΔVw=(VwL−VwR)/{(VwL+VwR)/2} …………(1)
次いで、左右の車輪回転速度差ΔVwをもとに、図4に示すセルフアライニングトルク算出マップを参照してセルフアライニングトルクSATiを算出する。
そして、慣性補償部44で算出された慣性補償値Iiと収斂性補償部43で算出された収斂性補償値Icとが加算器45で加算されて指令補償値Icomが算出され、この指令補償値Icomが加算器46で前述した操舵補助トルク指令値演算部21から出力される操舵補助トルク指令値Irefに加算されて補償後操舵補助トルク指令値Iref′が算出され、この補償後操舵補助トルク指令値Iref′が電流制限部23に出力される。
今、操舵トルクセンサ14が正常状態であるものとすると、トルク指令値演算部21に設けられたトルクセンサ異常検出部33において操舵トルクセンサ14で検出した操舵トルクTがトルクセンサ異常検出条件を満足しないことにより、論理値“0”の異常検出信号Saが指令値選択部34に出力される。このため、指令値選択部34で第1の操舵補助トルク指令値演算部31が選択されて、この第1の操舵補助トルク指令値演算部31から出力される第1の操舵補助トルク指令値Iref1が操舵補助トルク指令値Irefとして加算器46に出力される。
この車両の停車状態で、ステアリングホイール1を操舵して所謂据え切りを行うと、これに応じて操舵トルクセンサ14で検出される操舵トルクTが比較的大きな値となることにより、第1の操舵補助トルク指令値演算部31で算出される操舵補助トルク指令値Iref1が操舵トルクTに応じて急増する。
このため、加算器46から操舵補助トルク指令値Irefがそのまま電流制限部23に供給され、この電流制限部23から最大値が制限された補償後操舵補助トルク指令値Iref″がモータ駆動回路24に出力される。
この電動モータ12で発生された操舵補助力は、減速機構11を介してステアリングホイール1からの操舵力が伝達されたステアリングシャフト2に伝達されることにより、操舵力及び操舵補助力がステアリングギヤ機構8で車幅方向の直線運動に変換されてタイロッド9を介して左右の転舵輪WL,WRが転舵されて、軽い操舵トルクで転舵輪WL,WRを転舵することができる。
この車両の走行中で、直進走行状態にあるときには、前記(1)式で算出される車輪回転速度差ΔVwが“0”であることからセルフアライニングトルク初期推定値SATiも“0”となって、電動モータ12は停止状態を維持する。
さらにまた、上記第1の実施形態においては、コントローラ15をハードウェアで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、マイクロコンピュータを適用して、回転情報演算部20、操舵補助トルク指令値演算部21、指令値補償部22、電流制限部23、モータ駆動回路の機能をソフトウェアで処理することもできる。この場合の処理としては、マイクロコンピュータで図5に示す操舵トルクセンサ異常検出処理及び図6に示す操舵補助制御処理を実行するようにすればよい。
この図5の処理がトルク検出部異常検出手段に対応し、図6の処理において、ステップS12の処理が異常時切換手段に対応し、ステップS13〜S16の処理が第1のトルク指令値演算手段に対応し、ステップS17及びS18の処理が第2のトルク指令値演算手段に対応し、ステップS19〜S25の処理がモータ制御手段に対応している。
この第2の実施形態では、第2の操舵補助トルク指令値演算部32のゲイン調整手段となる増幅器32Bに代えて複数の調整部を有するゲイン調整部を適用するようにしたものである。 なお、この第2の実施形態では、回転センサ17を含んで回転情報演算部20が構成され、車輪回転速度センサ18が前輪の左右輪の車輪速度VwFL,VwFR及び後輪の左右輪の車輪速度VwRL,VwRRを検出し、左側の車輪速度VwFL及びVwRLの平均値を左側車輪速度VwLとし、右側の車輪速度VwFR及びVwRRの平均値を右側車輪速度VwRとしている。
ゲイン調整部32Cは、操舵状態ゲイン調整部36、車速ゲイン調整部37、セルフアライニングトルクゲイン調整部38、及び駆動輪スリップゲイン調整部39を有する。
車速ゲイン算出部37Aは、入力される車速Vsに基づいて図10に示す車速感応ゲイン算出マップを参照して車速感応ゲインK1を算出する。ここで、車速感応ゲイン算出マップは、図10に示すように、車速Vsが零から所定値Vs1迄の間では所定値Kvを維持し、車速Vsが所定値Vs1を超えると、車速Vsの増加に応じて比較的大きな勾配でゲインが減少し、車速Vsが所定値Vs1より大きい所定値Vs2を超えると、車速Vsの増加に応じて比較的小さな勾配でゲインが減少するように特性線Lvが設定されている。
m:車両質量
I:車両慣性モーメント
lf:車両重心点と前軸間の距離
lr:車両重心点と後軸間の距離
Kf:前輪タイヤのコーナリングパワー
Kr:後輪タイヤのコーナリングパワー
V:車速
N:オーバーオール舵角比
θ:推定操舵角
δf:実舵角(δf=θ/N)
β:車両重心点の横滑り角
γ:ヨーレート
ε:トレール
すなわち、推定操舵角としてのモータ角度θが1/Nを乗算する乗算器381aに入力されて実舵角δfを算出する。この乗算器381aから出力される実舵角δfが、前述した(2)式の係数b11を乗算する乗算器381bに供給され、この乗算器381bの出力が加算器381cに供給される。この加算器381cの加算出力は積分器381dに入力されて積分されることにより、車両重心点の横滑り角βを算出し、算出された車両重心点の横滑り角βが前記(3)式の係数C11を乗算する乗算器381eに供給されるとともに、前記(2)式の係数a11を乗算する乗算器381f及び前記(2)式の係数a21を乗算する乗算器381gに供給される。そして、乗算器381f及び後述する乗算器381nの乗算出力が加算器381cに供給されて、乗算器381bの乗算出力に加算されることにより、横滑り角速度β′が算出される。この横滑り角速度β′が積分器381dで積分されて横滑り角度βが算出される。
そして、乗算器381mの乗算出力及び前述した乗算器381gの乗算出力が加算器381iに供給されて、乗算器381hの乗算出力に加算されてヨー角加速度γ′が算出され、このヨー角加速度γ′が積分器381jで積分されてヨーレートγが算出される。
また、ゲイン算出部384では、絶対値演算部383から出力されるセルフアライニングトルク偏差の絶対値|ΔSAT|をもとに図13に示すセルフアライニングトルクゲイン算出マップを参照してセルフアライニングトルクゲインK2を算出する。
トルク制限値設定部40は、車速Vs及びモータ角速度ωが入力され、車速Vsに基づいて図16(a)に示す車速制限値算出マップを参照して車速制限値Limvを算出すると共に、モータ角速度ωに基づいて図16(b)に示すモータ角速度制限値算出マップを参照してモータ角速度制限値Limmを算出し、車速制限値Limv及びモータ角速度制限値Limmを比較して何れか小さい値を制限値Limとしてリミッタ部41に出力する。
また、モータ角速度制限値算出マップは、図16(b)に示すように、モータ角速度ωが零から運転者の操舵又は路面反力によって発生する設定角速度ω2に達する迄の間は最大制限値Limmaxを維持し、モータ角速度ωが設定角速度ω2を超えると、モータ角速度ωの増加に伴って比較的大きな勾配でモータ角速度制限値Limmが減少する特性線Lωが設定されている。
操舵トルクセンサ14が正常である場合には、前述した第1の実施形態と同様に、トルクセンサ異常検出部33で論理値“0”の異常検出信号Saが指令値選択部34に出力される。このため、指令値選択部34で第1の操舵補助トルク指令値演算部31が選択されて、この第1の操舵補助トルク指令値演算部31から出力される第1の操舵補助トルク指令値Iref1が操舵補助トルク指令値Irefとして加算器46に出力される。このため、操舵トルクセンサ14で検出した操舵トルクTに応じた操舵補助制御が行われて、電動モータ12から操舵トルクTに応じた操舵補助力が発生され、これが減速機構11を介してステアリングホイール1からの操舵力が伝達されたステアリングシャフト2に伝達されることにより、操舵力及び操舵補助力がステアリングギヤ機構8で車幅方向の直線運動に変換されてタイロッド9を介して左右の転舵輪WL,WRが転舵されて、軽い操舵トルクで転舵輪WL,WRを転舵することができる。
すなわち、車速Vsが設定車速Vs1より小さい場合には、比較的大きな車速感応ゲインK1が設定されることにより、据え切り時等の大きな操舵補助力を発生する第2の操舵補助力を発生させる第2の操舵補助トルク指令値Iref2を算出することができる。
このため、何れかのタイヤがパンクして応急タイヤを装着したり、タイヤの空気圧のバラツキが生じたり、左右輪の摩耗度合いが異なることにより、左右輪でタイヤ外径が異なる場合や、左右の一方側が雪路、凍結路、轍、水溜まり等の低摩擦係数路面となり、他方側が乾燥路面等の高摩擦係数路面となる所謂スプリットμ路を走行する場合では車両の左右で車輪速度差を生じることになる。
しかしながら、車両左側の車輪速度VwLが右側の車輪速度VwRに比較して速いので、セルフアライニングトルク推定部32Aでは、右旋回状態と誤判断することになり、右旋回走行を補助するようなセルフアライニングトルク推定値SATが算出される。このため、このセルフアライニングトルク推定値SATを第2の操舵補助トルク指令値Iref2とした場合には、電動モータ12で、右操舵を補助する逆方向の操舵補助力が発生される制御異常状態となってしまう。
このため、セルフアライニングトルク推定値SATを抑制する必要はないことになるが、左輪側の駆動輪が低摩擦係数路面を走行するので、車輪速度が急増することになり、左右の車輪速度差ΔVwが急増して、この分セルフアライニングトルク推定値SATも実際のセルフアライニングトルクより大きな値となる。したがって、そのままでは第2の操舵補助トルク指令値Iref2が大きな値となって、電動モータ12で発生する操舵補助力が過多となるセルフステア状態となる。
これらステップS35〜ステップS38では、前述した第1の実施形態における図6のステップS13〜ステップS16と同様の処理を行って第1の操舵補助トルク指令値Iref1を算出し、算出した第1の操舵補助トルク指令値Iref1を操舵補助トルク指令値Irefとして所定の指令値記憶領域に更新記憶してからステップS50に移行する。
次いで、ステップS40に移行して、算出したセルフアライニングトルク推定値SATとモータ角速度ωとに基づいて切増し状態、切戻し状態及び保舵状態の何れの操舵状態であるかを判定し、判定された操舵状態に応じて図9の操舵状態感応ゲイン算出マップを参照して操舵状態感応ゲインK0を算出する。
次いで、ステップS42に移行して、車速Vsに基づいて図10に示す車速感応ゲイン算出マップを参照して車速感応ゲインK1を算出し、次いでステップS43に移行して、算出した車速感応ゲインK1をゲイン倍出力Iref3に乗算してゲイン倍出力Iref4(=Iref3*K1)を算出する。
次いで、ステップS46に移行して、4輪車輪速度VwFL〜VwRRに基づいて前述した駆動輪スリップ率ΔVwを算出し、その絶対値|ΔVw|に基づいて図15の駆動輪スリップゲイン算出マップを参照して駆動輪スリップゲインK3を算出する。
次いで、ステップS48に移行して、車速Vsに基づいて図16(a)に示す車速制限値算出マップを参照して車速制限値Limvを算出すると共に、モータ角速度ωに基づいて図16(b)に示すモータ角速度制限値算出マップを参照してモータ角速度制限値Limmを算出し、算出した車速制限値Limv及びモータ角速度制限値Limmのうち何れか小さい値を制限値Limとして設定する。
このステップS50では、モータ角速度ωに収斂性ゲインKcを乗算して収斂性補償値Ic(=Kc*ω)を算出し、次いでステップS51に移行して、モータ角加速度αに基づいて慣性補償値Tiを算出する。
次いで、ステップS53に移行して、算出した補償後操舵補助トルク指令値Iref′を最大電流制限処理して、制限後操舵補助トルク指令値Iref″を算出し、次いでステップS54に移行して、算出した制限後操舵補助トルク指令値Iref″をモータ愚答回路24に出力して、電動モータ12を駆動してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
また、上記実施形態では、車速感応ゲイン調整部37で車速Vsに基づいて車速感応ゲインK1を算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、4輪の車輪速VwFL〜VwRRの平均値又は従動輪の車輪速の平均値を車速として適用するようにしても良い。
この第3の実施形態では、前述した第1及び第2の実施形態におけるセルフアライニングトルク初期推定部321で推定したセルフアライニングトルク初期推定値SATiに対してモータ角速度ωに基づく角速度補正値で補正するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、回転情報演算部20で演算されたモータ角速度ωを角速度ゲインKhysが設定された増幅器326に供給してヒステリシス補正値Ahysを算出し、算出したヒステリシス補正値Ahysをセルフアライニングトルク初期推定部321及びローパスフィルタ322間に介装した加算器327に供給して、セルフアライニングトルク初期推定値SATiのヒステリシス特性を補正する。
この第4の実施形態では、セルフアライニングトルク推定値を車輪回転速度VwL及びVwRから直接的に算出する場合に代えて、車輪回転速度VwL及びVwRに基づいて車両横滑り角βを推定し、推定した車両横滑り角βに基づいてセルフアライニングトルク初期推定値SATiを算出するようにしたものである。
すなわち、第4の実施形態では、図21に示すように、セルフアライニングトルク推定部32Aに車輪回転速度VwL及びVwRの他にモータ回転角θ及びモータ角速度ωが供給されている。そして、セルフアライニングトルク推定値部32Aが図22に示す構成を有する。
なお、上記第4の実施形態においては、セルフアライニングトルク初期推定部321に車輪回転速度VwL及びVwRに基づいて算出した車速相当値Vs′を供給する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車速センサ16で検出した車速Vsをセルフアライニングトルク初期推定部321に供給するようにしてもよい。
また、上記第3の実施形態及び第4の実施形態を前述した第2の実施形態に適用した場合の全体構成図は、図25及び図26に示すようになり、セルフアライニングトルク推定部32Aの入力を変更すれば良いものである。
Claims (3)
- ステアリング機構に入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて第1のトルク指令値を演算する第1のトルク指令値演算手段と、前記ステアリング機構に与える操舵補助トルクを発生する電動モータと、前記トルク指令値に基づいて前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置であって、
前記操舵トルク検出手段の異常を検出するトルク検出部異常検出手段と、
車両の左右の車輪回転速度を検出する車輪回転速度検出手段と、
該車輪回転速度検出手段で検出した車輪回転速度に基づいて第2のトルク指令値を演算する第2のトルク指令値演算手段と、
前記トルク検出部異常検出手段で前記トルク検出手段の異常を検出したときに、前記第1のトルク指令値演算手段に代えて、前記第2のトルク指令値演算手段を選択して前記モータ制御手段に第2のトルク指令値を出力する異常時切換手段とを備え、
前記第2のトルク指令値演算手段は、前記車輪回転速度に基づいて前記ステアリング機構に路面側から伝達されるセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定手段と、該セルフアライニングトルク推定手段で推定したセルフアライニングトルクにゲインを乗算して前記第2のトルク指令値を演算するゲイン調整手段とを備え、
前記セルフアライニング推定手段は、前記車輪回転速度検出手段で検出した前記左右の車輪回転速度VwL及びVwRに基づいて、車速に応じた左右の車輪回転速度差ΔVwを算出し、前記左右の車輪回転速度差ΔVwをもとに、セルフアライニングトルク算出マップを参照してセルフアライニングトルクSATiを算出するものであり、
前記セルフアライニングトルク算出マップは、前記左右の車輪回転速度差ΔVwが零である状態では、セルフアライニングトルクSATが“0”であり、前記左右の車輪回転速度差ΔVwが正値となると、セルフアライニングトルクSATが増加し、その後前記左右の車輪回転速度差ΔVwが所定値ΔVw1以上となると、前記左右の車輪回転速度差ΔVwの増加に応じてセルフアライニングトルクSATの増加率が徐々に低下する特性線に設定され、一方、前記左右の車輪回転速度差ΔVwが負値となると、セルフアライニングトルクSATが“0”より左右の車輪回転速度差ΔVwが所定値−ΔVw1となるまでは減少し、前記左右の車輪回転速度差ΔVwが所定値−ΔVw1を越えるとセルフアライニングトルクSATの減少率が徐々に減少する特性曲線に設定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記左右の車輪回転速度差ΔVwは、下記(1)式により求められることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
ΔVw=(VwL−VwR)/{(VwL+VwR)/2}・・・(1) - 前記ゲイン調整手段は、モータ回転情報検出手段で検出したモータ回転情報に基づいて、前記車輪回転速度検出手段で検出した左右の車輪回転速度に基づいて算出した車速及び車速検出手段で検出した車速の一方に基づいて、モータ回転情報検出手段で検出したモータ回転情報と前記車輪回転速度検出手段で検出した左右の車輪回転速度と基づいて、あるいは前記車輪回転速度検出手段で検出した左右の車輪回転速度に基づいて調整ゲインを算出し、算出された前記調整ゲインを前記セルフアライニングトルクに乗算して前記第2のトルク指令値を演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
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