JP5965968B2 - 電動パワーステアリング装置及び保舵支援制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置及び保舵支援制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5965968B2
JP5965968B2 JP2014234527A JP2014234527A JP5965968B2 JP 5965968 B2 JP5965968 B2 JP 5965968B2 JP 2014234527 A JP2014234527 A JP 2014234527A JP 2014234527 A JP2014234527 A JP 2014234527A JP 5965968 B2 JP5965968 B2 JP 5965968B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
vehicle
yaw rate
torque
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014234527A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016097737A (ja
Inventor
亮太 茂瀬
亮太 茂瀬
田村 憲史
憲史 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2014234527A priority Critical patent/JP5965968B2/ja
Priority to CN201510673708.8A priority patent/CN105599806B/zh
Priority to US14/944,613 priority patent/US9463827B2/en
Publication of JP2016097737A publication Critical patent/JP2016097737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5965968B2 publication Critical patent/JP5965968B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
    • B62D5/046Controlling the motor
    • B62D5/0463Controlling the motor calculating assisting torque from the motor based on driver input

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Description

本発明は、操舵部材に作用する操舵力に応じてアシストモータの駆動制御を行うことにより、車両の操舵系に操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置及び保舵支援制御装置に関する。
従来、ステアリングホイール等の操舵部材に作用する操舵力に応じてアシストモータの駆動制御を行うことにより、車両の操舵系に操舵補助力を付与する構成の電動パワーステアリング装置が知られている。
例えば特許文献1に係る電動パワーステアリング装置では、実操舵角や目標操舵角などに基づいてステアリングホイールに付与すべき付加摩擦トルクを設定すると共に、この付加摩擦トルクをステアリングホイールに付与する制御を行う。付加摩擦トルク変更部は、旋回時間の長さに基づいて、付加摩擦トルクを変更する。
特許文献1に係る電動パワーステアリング装置によれば、車両の旋回時間が長い場合に、腕の疲れを考慮した大きさの付加摩擦トルクをステアリングホイールに付与するため、旋回保舵時における運転者の腕の疲れを軽減させることができる。
特開2010−149781号公報
特許文献1に係る電動パワーステアリング装置では、旋回保舵時における運転者の腕の疲れを軽減させるために、車両の旋回時間が長いほど、ステアリングホイールに付与される付加摩擦トルクを大きな値に変更している。このため、旋回保舵時においてさらなる操舵を試みた際に、運転者がステアリングホイールを切る手応えを重く感じてしまうおそれがあった。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、旋回保舵時の操舵フィーリングを良好に維持可能な電動パワーステアリング装置及び保舵支援制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、(1)に係る発明は、操舵部材に作用する操舵力に応じてアシストモータの駆動制御を行うことにより、車両の操舵系に操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置であって、前記車両の測定ヨーレートを取得する測定ヨーレート取得部と、前記車両の速度を検出する車速検出部と、前記操舵部材の操舵角を検出する操舵角検出部と、前記車両の速度及び前記操舵部材の操舵角を用いて舵角規範ヨーレートを算出する舵角規範ヨーレート算出部と、前記測定ヨーレート又は前記舵角規範ヨーレートのうちいずれか一方と前記車両の速度とに基づいて前記車両の転舵輪に生じるセルフアライニングトルクを推定し、該推定されたセルフアライニングトルクに基づいて前記操舵補助力を補正するトルク推定装置と、を備え、前記トルク推定装置は、前記測定ヨーレート又は前記舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方と前記車両の速度とに基づいて前記セルフアライニングトルクを推定することを最も主要な特徴とする。
(1)に係る発明は、ステアリングホイール等の操舵部材に作用する操舵力に応じてアシストモータの駆動制御を行うことにより、車両の操舵系に操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置が前提となる。
(1)に係る発明において、測定ヨーレート取得部は、車両の測定ヨーレートを取得する。車速検出部は、車両の速度を検出する。操舵角検出部は、操舵部材の操舵角を検出する。舵角規範ヨーレート算出部は、車両の速度及び操舵部材の操舵角を用いて舵角規範ヨーレートを算出する。トルク推定装置は、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方と車両の速度とに基づいてセルフアライニングトルク(以下において、セルフアライニングトルクを“SAT”と省略する場合がある。)を推定し、該推定されたセルフアライニングトルクに基づいて操舵補助力を補正する。これにより、旋回保舵時の操舵トルクを軽減する。
ここで、トルク推定装置が、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方と車両の速度とに基づいてセルフアライニングトルクを推定する意義について説明する。
第1の意義は、例えば、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうちいずれかが本来の値と比べて大きな値になった際の、電動パワーステアリング装置の信頼性確保のためである。
仮に、車両の測定ヨーレートを取得する測定ヨーレート取得部(例えばヨーレトセンサ)が異常状態に陥って本来の値と比べて大きな値を測定ヨーレートとして出力し、この大きな値をとる測定ヨーレートに基づいて、トルク推定装置がセルフアライニングトルクを推定したとする。かかるケースでは、トルク推定装置は、本来の値と比べて大きな値を、セルフアライニングトルクとして推定し、大きな値をとるセルフアライニングトルクに基づいて操舵補助力を補正する。その結果、本来の値と比べて過大な操舵補助力を出力してしまうおそれがあった。
また、例えば車速センサ又は操舵角センサが異常状態に陥って本来の値と比べて大きな値を出力し、この大きな値に基づいて、舵角規範ヨーレート算出部が舵角規範ヨーレートを算出し、この算出された大きな値をとる舵角規範ヨーレートに基づいて、トルク推定装置がセルフアライニングトルクを推定したとする。かかるケースでは、前記と同様に、トルク推定装置は、本来の値と比べて大きな値を、セルフアライニングトルクとして推定し、大きな値をとるセルフアライニングトルクに基づいて操舵補助力を補正する。その結果、本来の値と比べて過大な操舵補助力を出力してしまうおそれがあった。
前記のようなケースにおいて、電動パワーステアリング装置が、本来の値と比べて過大な操舵補助力を車両の操舵系に付与してしまうと、電動パワーステアリング装置の信頼性が損なわれるため、好ましくない。
第2の意義は、例えば、車両が旋回中に正カント路を走行する場合に、操舵部材がセルフステア状態に陥る事態を回避するためである。操舵部材がセルフステア状態に陥るとは、運転者の意図とは無関係の方向に操舵部材が切れてゆく状態をいう。また、正カント路とは、車両の進行方向に対して道路の幅方向に傾いた路面であって、旋回中の車両の外側方向が内側方向に対して高位になっている道路をいう。
車両が旋回中に正カント路を走行する場合、測定ヨーレートは、平面路でのそれと同様の値になるのに対し、舵角規範ヨーレートは、操舵角が平面路でのそれと比べて小さくなるため、路面環境の実態にしたがって、平面路でのそれと比べて小さな値になる。要するに、車両が旋回中に正カント路を走行するケースでは、測定ヨーレートは、本来の値と比べて大きな値をとる。
このとき、本来の値と比べて大きな値をとる測定ヨーレートに基づいて、トルク推定装置がセルフアライニングトルクを推定したとする。かかるケースでは、トルク推定装置は、本来の値と比べて大きな値を、セルフアライニングトルクとして推定してしまう。これを受けて補正部は、大きな値をとるセルフアライニングトルクに基づいて操舵補助力を補正する。その結果、本来の値と比べて過大な操舵補助力を出力してしまうおそれがあった。
こうしたケースにおいて、電動パワーステアリング装置が、本来の値と比べて過大な操舵補助力を車両の操舵系に付与してしまうと、操舵部材がセルフステア状態に陥る事態が懸念されるなど、電動パワーステアリング装置の信頼性が損なわれるため、好ましくない。
そこで、(1)に係る発明では、トルク推定装置は、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方と車両の速度とに基づいてセルフアライニングトルクを推定し、該推定されたセルフアライニングトルクに基づいて操舵補助力を補正する構成を採用することとした。
(1)に係る発明によれば、仮に、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうちいずれかが、本来の値と比べて異常値(大きな値)をとるような事態に陥ったとしても、かかる異常値の影響を未然に回避することにより、旋回保舵時の操舵フィーリングを良好に維持して、電動パワーステアリング装置の信頼性を確保することができる。
一方、(2)に係る発明は、車両が旋回中に保舵状態にあるか否かを判定し、当該車両が旋回中に保舵状態にある旨の判定が下された場合に、操舵部材に作用する操舵力に応じてアシストモータの駆動制御を行い、当該車両の操舵系に操舵補助力を付与することにより、当該車両の保舵状態を支援する制御を行う保舵支援制御装置が前提となる。
(2)に係る発明において、舵角規範ヨーレート算出部は、車両の速度及び操舵部材の操舵角を用いて舵角規範ヨーレートを算出する。トルク推定装置は、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方と車両の速度とに基づいてセルフアライニングトルクを推定し、該推定されたセルフアライニングトルクに基づいて操舵補助力を補正する。これにより、旋回保舵時の操舵トルクを軽減する。
(2)に係る発明によれば、(1)に係る発明と同様に、仮に、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうちいずれかが、本来の値と比べて異常値(大きな値)をとるような事態に陥ったとしても、かかる異常値の影響を未然に回避することにより、旋回保舵時の操舵フィーリングを良好に維持して、電動パワーステアリング装置が有する保舵支援制御装置の信頼性を確保することができる。
また、(3)に係る発明は、(2)に係る発明に記載の保舵支援制御装置であって、前記車両が旋回中に保舵状態にある旨の判定は、前記測定ヨーレートが旋回閾値を超えており、前記操舵部材の操舵速度が速度閾値に満たず、かつ、当該車両に搭載されたクルーズコントロール装置が作動中である状態が、予め定められる所定時間を超えて継続した場合に下されることを特徴とする。
(3)に係る発明において、車両が旋回中に保舵状態にある旨の判定は、測定ヨーレートが旋回閾値を超えており、操舵部材の操舵速度が速度閾値に満たず、かつ、当該車両に搭載されたクルーズコントロール装置が作動中である状態が、予め定められる所定時間を超えて継続した場合に下される。
(3)に係る発明によれば、車両が旋回中に保舵状態にある旨の判定を下す際の条件を明確に定義することにより、本発明に係る保舵支援制御装置を車両に実装する際の設計上の便宜を図ることができる。
また、(4)に係る発明は、(3)に係る発明に記載の保舵支援制御装置であって、前記車両の保舵状態を支援する制御は、前記測定ヨーレートが旋回閾値に満たない、前記クルーズコントロール装置が作動中でない、又は、前記操舵部材に作用する操舵力が舵力閾値を超えている、のうちいずれかの条件を充足した場合に停止されることを特徴とする。
(4)に係る発明において、車両の保舵状態を支援する制御は、測定ヨーレートが旋回閾値に満たない、クルーズコントロール装置が作動中でない、又は、操舵部材に作用する操舵力が舵力閾値を超えている、のうちいずれかの条件を充足した場合に停止される。
(4)に係る発明によれば、車両の保舵状態を支援する制御を停止させる際の条件を明確に定義することにより、本発明に係る保舵支援制御装置を車両に実装する際の設計上の便宜を図ると共に、省エネルギーに貢献することができる。
本発明によれば、旋回保舵時の操舵フィーリングを良好に維持可能な電動パワーステアリング装置及び保舵支援制御装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成図である。 保舵支援制御装置を含むEPS制御装置のブロック構成図である。 保舵支援制御装置に内包されたSAT推定装置のブロック構成図である。 保舵判定部の動作説明に供する論理回路図である。 手放し判定部の動作説明に供する論理回路図である。 異常診断部の動作説明に供する論理回路図である。 保舵支援制御装置の動作説明に供するフローチャート図である。
以下、本発明の複数の実施形態に係る電動パワーステアリング装置について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に示す図において、共通の機能を有する部材間、又は、相互に対応する機能を有する部材間には、原則として共通の参照符号を付するものとする。また、説明の便宜のため、部材のサイズ及び形状は、変形又は誇張して模式的に表す場合がある。
〔本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置11と連係する操舵装置10の構成〕
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置11の説明に先だって、電動パワーステアリング装置11と連係する操舵装置10の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成図である。
操舵装置10は、図1に示すように、ステアリングホイール13、操舵補助装置15、転舵装置17を備える。
本発明の“操舵部材”に相当するステアリングホイール13は、車両(不図示)の進行方向を、運転者が所望の方向に変えようとする際に操作される部材である。ステアリングホイール13の中央部には、操舵軸19の一方の端部が連結されている。操舵軸19は、上部筺体21における下部、上部のそれぞれに設けた軸受23a,23bを介して、上部筺体21に対して回動自在に支持されている。
操舵軸19には、ステアリングホイール13の操舵角を検出する操舵角センサ26が設けられている。操舵角センサ26で検出された操舵角情報は、通信媒体24を介して、EPS制御装置51に供給される。
操舵軸19のうち、ステアリングホイール13が設けられた一方の端部とは反対側の他方の端部には、中間軸部27及び一対の自在継手29を直列に介して、転舵軸31が連結されている。転舵軸31は、下部筺体32における下部及び上部のそれぞれに設けた一対の軸受33a,33bを介して、下部筺体32に対して回動自在に支持されている。
下部筺体32の内部には、転舵軸31を囲むように、磁歪式の操舵トルクセンサ25が設けられている。転舵軸31のうち操舵トルクセンサ25と対向する位置には、転舵軸31の周方向全周を覆うように、例えばNi−Feメッキよりなる磁歪膜(不図示)が設けられている。操舵トルクセンサ25は、ステアリングホイール13、操舵軸19、中間軸部27及び一対の自在継手29を介して転舵軸31に入力される操舵トルクの大きさを、例えばソレノイド型の第1及び第2コイル25a,25bを用いて、転舵軸31に対し非接触で検出する機能を有する。
ここで、磁歪式の操舵トルクセンサ25における操舵トルクの検出原理について説明する。転舵軸31に操舵トルクが入力されると、転舵軸31の表面には、張力方向(+45°方向)及び圧縮方向(−45°方向)の歪みが発生する。このとき、張力方向では透磁率が増加する一方、圧縮方向では透磁率が減少する。この現象を“磁歪効果”と呼ぶ。透磁率が増加する方向に沿って磁束が通過するように、第1コイル25aを設ける。一方、透磁率が減少する方向に沿って磁束が通過するように、第2コイル25bを設ける。
すると、透磁率が増加する方向に沿って磁束が通過するように設けた第1コイル25aではインダクタンスが増加する一方、透磁率が減少する方向に沿って磁束が通過するように設けた第2コイル25bではインダクタンスが減少する。第1コイル25aと第2コイル25bとをブリッジ接続して、差動増幅回路(不図示)において差動電圧を増幅し出力する。これにより、操舵トルクに比例した出力電圧(操舵トルク情報)を検出することができる。
操舵トルクセンサ25で検出された操舵トルク情報は、後記する電動パワーステアリング制御装置(以下、“EPS制御装置”と省略する場合がある。)51に供給される。ただし、操舵トルク情報が、例えばCAN(Controller Area Network)のような通信媒体24を介して、EPS制御装置51に供給される構成を採用してもよい。
転舵軸31に設けられる操舵補助装置15は、運転者によるステアリングホイール13の手動操作に係る補助力を与える機能を有する。操舵補助装置15は、運転者の手動操作によるステアリングホイール13の操舵トルクを軽減(手応えの調整を含む)するための補助力(操舵反力)を供給するアシストモータ35、及び、減速機構37を備えて構成される。
減速機構37は、アシストモータ35の出力軸部39に連結されるウォームギア41及びウォームギア41に噛合するウォームホイールギア43を有する。ウォームホイールギア43は、転舵軸31の軸方向における中間部分に、転舵軸31と一体に回動可能に設けられている。減速機構37は、アシストモータ35の出力軸部39及び転舵軸31の間に介在するように設けられている。
これにより、ウォームホイールギア43は、アシストモータ35の駆動力を、減速機構37、転舵軸31、操舵軸19等を介してステアリングホイール13に伝えると同時に、転舵装置17を介して転舵輪61a,61bに伝える役割を果たす。
アシストモータ35には、その回転角度情報を検出・出力するレゾルバ(不図示)が一体に設けられている。レゾルバで検出されたアシストモータ35の回転角度情報は、EPS制御装置51に供給される。
転舵装置17は、ステアリングホイール13及び操舵軸19を介して入力された運転者の操舵力(操舵トルク)を、転舵輪61a,61bに伝達する機能を有する。転舵装置17は、転舵軸31に設けられたピニオンギア63と、ピニオンギア63に噛合するラック歯65を有して車幅方向に往復運動可能なラック軸67と、ラック軸67の両端側にそれぞれ設けられるタイロッド69a,69bと、タイロッド69a,69bをそれぞれ介して回動可能に設けられる転舵輪61a,61bと、を含んで構成されている。
〔本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置11の構成〕
次に、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置11の構成について、図1を参照して説明する。
電動パワーステアリング装置11は、図1に示すように、操舵補助装置15及びEPS制御装置51を含んで構成されている。EPS制御装置51は、通信媒体24に接続されている。通信媒体24には、前記の操舵角センサ26の他に、自車両の速度(車速)を検出する車速センサ53、自車両の測定ヨーレートを検出して出力するヨーレートセンサ55、及び、自車両の定速走行制御を行うクルーズコントロール装置(以下、“CC装置”と省略する。)57がそれぞれ接続されている。CC装置57の作動状態を含むCC作動情報は、通信媒体24を介して、EPS制御装置51に供給される。
(EPS制御装置51の構成)
次に、保舵支援制御装置71を含むEPS制御装置51について、図2〜図3を参照して説明する。図2は、保舵支援制御装置71を含むEPS制御装置51のブロック構成図である。図3は、保舵支援制御装置71に内包されたSAT推定装置77のブロック構成図である。
EPS制御装置51は、操舵トルクセンサ25により時々刻々と検出される操舵トルク情報、操舵角センサ26により検出される操舵角情報、車速センサ53により検出される車速情報、レゾルバにより検出されるアシストモータ35の回転角度情報などの各種情報を参照して、アシストモータ35に供給すべき目標電流(アシスト電流)の値を算出し、アシストモータ35に流れる実電流値がアシスト電流に追従するように制御することで、運転者がステアリングホイール13を操舵する際に要する操舵力を軽減する機能を有する。EPS制御装置51は、演算処理を行うマイクロコンピュータ、及び、アシストモータ35の駆動制御回路を含む各種の周辺回路を含んで構成される。
詳しく述べると、EPS制御装置51は、図2に示すように、保舵支援制御装置71、第1トルク電流変換部73、及び加算部75を備えて構成されている。
保舵支援制御装置71は、図2に示すように、車両の転舵輪(不図示)に生じるセルフアライニングトルクを推定し、該推定されたセルフアライニングトルクに基づいて操舵補助力を補正するSAT推定装置77、第2トルク電流変換部79、保舵判定部81、手放し判定部83、異常診断部85、許可判定部87、及び電流制限部89を備えて構成されている。
SAT推定装置77は、図3に示すように、舵角規範ヨーレート算出部91、低値選択部93、及びSAT推定部95を備えて構成されている。
舵角規範ヨーレート算出部91は、操舵角センサ26により検出された操舵角データと車速センサ53により検出された車速データとを用いて舵角規範ヨーレートを算出する機能を有する。舵角規範ヨーレート算出部91により算出された舵角規範ヨーレートは、低値選択部93に出力される。
低値選択部93は、ヨーレートセンサ55により実測された測定ヨーレートデータと、舵角規範ヨーレート算出部91により算出された舵角規範ヨーレートとのうち、低い値をとるヨーレートデータを選択する。ここで選択されたヨーレートデータは、制御用ヨーレートデータとしてSAT推定部95に出力される。
SAT推定部95は、車両の転舵輪に生じるセルフアライニングトルク(SAT)を推定し、該推定されたセルフアライニングトルクに基づいて操舵補助力を補正する機能を有する。具体的には、SAT推定部95は、制御用ヨーレートデータ(測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方)及び車速データに基づいて、車両の諸元に由来するSAT定数を考慮し、車両の旋回中に転舵輪に生じるセルフアライニングトルクを推定し、この推定により得られたセルフアライニングトルクを打ち消すための要求アシストトルクを演算により求める。ここで、セルフアライニングトルクは、例えば、制御用ヨーレートデータ、車速データ、及びSAT定数の関数として推定することができる。
なお、セルフアライニングトルクを推定するに際しては、例えば特開2007−50743号公報に開示されているような公知の手法を適宜用いればよい。
こうして求められた要求アシストトルクは、図2に示す保舵支援制御装置71においてSAT推定装置77の後段に位置する、第2トルク電流変換部79に出力される。
ここで、保舵支援制御装置71の説明に戻る。第2トルク電流変換部79は、図2に示すように、SAT推定装置77から出力されてきた要求アシストトルクを、アシストモータ35に係る補正電流に変換する機能を有する。第2トルク電流変換部79で変換されたアシストモータ35に係る補正電流は、許可判定部87に出力される。
保舵判定部81は、車両が旋回中に保舵状態にあるか否かを判定する機能を有する。保舵判定部81による判定結果は、許可判定部87に送られる。保舵判定部81の判定手順について、図4を参照して説明する。図4は、保舵判定部81の動作説明に供する論理回路図である。
車両が旋回中に保舵状態にあるとして保舵判定部81が保舵判定フラグをオンにする条件は次の通りである。すなわち、図4に示すように、測定ヨーレートが旋回閾値(例えば、1deg/sなどの適宜設定される値)を超えており(車両が旋回中)、操舵部材の操舵速度が速度閾値(例えば、30deg/sなどの適宜設定される値)に満たず(ステアリングホイール13の操舵位置がほぼ一定)、かつ、CC装置57が作動中である状態が、予め定められる所定時間(例えば、1秒間などの適宜設定される値)を超えて継続した場合に、車両が旋回中に保舵状態にある旨の判定が下されて、保舵判定部81は、保舵判定フラグをオンにする。
一方、図4に示すように、測定ヨーレートが前記旋回閾値(1deg/sなど)以下である(車両が旋回中でない)か、CC装置57が不作動であるか、又は、操舵トルクがトルク閾値(例えば、3N・mなどの適宜設定される値)未満である(保舵状態でない)場合に、車両が旋回中でも保舵状態でもない旨の判定が下されて、保舵判定部81は、保舵判定フラグをオフする。
手放し判定部83は、運転者がステアリングホイール13から手を放しているか否かを判定する機能を有する。手放し判定部83による判定結果は、許可判定部87に送られる。手放し判定部83の存在意義は、次の通りである。すなわち、車両の旋回中での保舵状態を支援する保舵支援制御が開始後の期間では、セルフアライニングトルクを打ち消すようにアシストモータ35の駆動制御が行われるため、旋回が終了する屈曲路の出口付近において、ステアリングホイール13が中立位置へと戻りにくくなる現象が生じる。
そこで、運転者がステアリングホイール13から手を放した(ステアリングホイール13の把持力を弱める態様を含む)か否かを判定し、この手放し判定結果を保舵支援制御にフィードバックする(例えば、手放し判定がなされた場合に、アシストモータ35による操舵補助力を弱める)ことにより、ステアリングホイール13が中立位置へと戻りにくくなる現象を抑制している。
次に、手放し判定部83の判定手順について、図5を参照して説明する。図5は、手放し判定部83の動作説明に供する論理回路図である。
運転者がステアリングホイール13から手を放しているとして手放し判定部83が手放し判定フラグをオンにする条件は次の通りである。すなわち、図5に示すように、アシストモータ35による操舵補助力(操舵トルク)の向きとステアリングホイール13の操舵方向とが同一であり、かつ、操舵トルクが所定のトルク閾値を超えている旨の第1の条件が成立する(運転者が通常の運転操作を行っているケース)か、又は、操舵速度が速度閾値(積極的な操舵が行われていないとみなせる値)未満であり、かつ、操舵トルクが所定のトルク閾値を超えている旨の第2の条件が成立する(車両が保舵状態にあるケース)場合に、運転者がステアリングホイール13から手を放していない旨の判定が下されて、手放し判定部83は、手放し判定フラグをオフする。
一方、図5に示すように、前記第1の条件が不成立(運転者が通常の運転操作を行っていない、例えば停車中のケース)であり、かつ、前記第2の条件が不成立(車両が保舵状態にない、例えば停車中のケース)の場合に、運転者がステアリングホイール13から手を放している旨の判定が下されて、手放し判定部83は、手放し判定フラグをオンする。
異常診断部85は、操舵角センサ26、車速センサ53、車輪速センサ(不図示)、及びヨーレートセンサ55を含む各種センサ類の異常診断を行う機能を有する。異常診断部85による異常診断結果は、許可判定部87に送られる。異常診断部85の異常診断手順について、図6を参照して説明する。図6は、異常診断部85の動作説明に供する論理回路図である。
各種センサ類のうちいずれかが異常状態に陥っているとして異常診断部85が異常診断フラグをオンにする条件は次の通りである。すなわち、図6に示すように、ヨーレートセンサ55が異常状態に陥っている旨の異常診断フラグがオンか、車輪速センサが異常状態に陥っている旨の異常診断フラグがオンか、操舵角センサ26が異常状態に陥っている旨の異常診断フラグがオンか、又は、車速センサ53が異常状態に陥っている旨の異常診断フラグがオンか、のうちいずれかの条件が成立した場合に、各種センサ類のうちいずれかが異常状態に陥っている旨の判定が下されて、異常診断部85は、異常診断フラグをオンにする。
一方、図6に示すように、ヨーレートセンサ55が異常状態に陥っている旨の異常診断フラグがオフであり、車輪速センサが異常状態に陥っている旨の異常診断フラグがオフであり、操舵角センサ26が異常状態に陥っている旨の異常診断フラグがオフであり、かつ、車速センサ53が異常状態に陥っている旨の異常診断フラグがオフである旨の条件が成立した場合に、各種センサ類が全て正常状態にある旨の判定が下されて、異常診断部85は、異常診断フラグをオフにする。
許可判定部87は、第2トルク電流変換部79で変換されたアシストモータ35に係る補正電流を、後段の電流制限部89に出力するか否かを判定する関門としての機能を有する。詳しく述べると、許可判定部87は、車両が旋回中に保舵状態にあり(保舵判定フラグ:オン)、運転者がステアリングホイール13から手を放しておらず(手放し判定フラグ:オフ)、かつ、各種センサ類が全て正常状態にある(異常診断フラグ:オフ)場合に、第2トルク電流変換部79で変換されたアシストモータ35に係る補正電流を、後段の電流制限部89に出力する許可判定を行う。
電流制限部89は、許可判定部87の許可判定を受けて通過してきた、第2トルク電流変換部79で変換されたアシストモータ35に係る補正電流を、適宜の値に制限する機能を有する。具体的には、電流制限部89は、アシストモータ35に係る補正電流の値が、所定の下限値及び上限値により規定される許容範囲に収束するように電流制限を行う。この所定の下限値及び上限値により規定される許容範囲は、セルフアライニングトルクを打ち消すための補正値として適切であることを考慮して適宜設定すればよい。電流制限部89で処理後のアシストモータ35に係る補正電流は、加算部75に出力される。
なお、電流制限部89は、アシストモータ35に係る補正電流の値を、予め定められる遅延時間をもって、徐々に増やす(徐々に減じる)ように加算部75に出力するのが好ましい。ステアリングホイール13に係るアシスト力が急変すると、運転者に違和感を与えてしまうからである。また、前記の遅延時間は、補正電流に係る絶対値の大きさに応じて、補正電流に係る絶対値が大きい際の遅延時間を、補正電流に係る絶対値が前記と比べて小さい際の遅延時間に対して長くするように、可変設定してもよい。
第1トルク電流変換部73は、操舵トルクセンサ25により検出される操舵トルク情報を、アシストモータ35に係るベース電流の値に変換する機能を有する。第1トルク電流変換部73で変換後のアシストモータ35に係るベース電流は、加算部75に出力される。
加算部75は、第1トルク電流変換部73で変換後のアシストモータ35に係るベース電流の値と、電流制限部89で処理後のアシストモータ35に係る補正電流の値とを加算し、アシストモータ35に係るアシスト電流として出力する機能を有する。EPS制御装置51は、アシストモータ35に流れる実電流値が、加算部75で加算処理後のアシストモータ35に係るアシスト電流に追従するように制御することで、運転者がステアリングホイール13を操舵する際に要する操舵力を軽減するように動作する。
〔本発明の実施形態に係る保舵支援制御装置71の動作〕
次に、本発明の実施形態に係る保舵支援制御装置71の動作について、図7を参照して説明する。図7は、保舵支援制御装置71の動作説明に供するフローチャート図である。
ステップS11において、舵角規範ヨーレート算出部91は、操舵角センサ26により検出された操舵角データと車速センサ53により検出された車速データとを用いて舵角規範ヨーレートを算出する。
ステップS12において、低値選択部93は、ヨーレートセンサ55により実測された測定ヨーレートデータと、舵角規範ヨーレート算出部91により算出された舵角規範ヨーレートとのうち、低い値をとるヨーレートデータを選択し、選択されたヨーレートデータを、制御用ヨーレートデータとしてSAT推定部95に出力する。
ステップS13において、SAT推定部95は、前記制御用ヨーレートデータ及び車速データに基づいて、車両の旋回中に転舵輪に生じるセルフアライニングトルクを推定し、この推定により得られたセルフアライニングトルクを打ち消すための要求アシストトルクを演算により求める。
ステップS14において、第2トルク電流変換部79は、SAT推定装置77から出力されてきた要求アシストトルクを、アシストモータ35に係る補正電流に変換する。
ステップS15において、保舵判定部81は、車両が旋回中に保舵状態にあるか否か(保舵判定フラグがオンか否か)を判定する。ステップS15の判定の結果、車両が旋回中に保舵状態にある(保舵判定フラグがオン)旨の判定が下された場合(ステップS15のYes)、保舵支援制御装置71は、処理の流れを次のステップS16へと進ませる。
一方、ステップS15の判定の結果、車両が旋回中に保舵状態にない(保舵判定フラグがオフ)旨の判定が下された場合(ステップS15のNo)、保舵支援制御装置71は、処理の流れを終了させる。
ステップS16において、手放し判定部83は、運転者がステアリングホイール13から手を放していないか否か(手放し判定フラグがオフか否か)を判定する。ステップS16の判定の結果、運転者がステアリングホイール13から手を放していない(手放し判定フラグがオフ)旨の判定が下された場合(ステップS16のYes)、保舵支援制御装置71は、処理の流れを次のステップS17へと進ませる。
一方、ステップS16の判定の結果、運転者がステアリングホイール13から手を放している(手放し判定フラグがオン)旨の判定が下された場合(ステップS16のNo)、保舵支援制御装置71は、処理の流れを終了させる。
ステップS17において、異常診断部85は、各種センサ類のうちいずれかが異常状態に陥っていないか否か(異常診断フラグがオフか否か)を判定する。ステップS17の判定の結果、各種センサ類が全て正常状態にある(異常診断フラグ:オフ)旨の判定が下された場合(ステップS17のYes)、保舵支援制御装置71は、処理の流れを次のステップS18へと進ませる。
一方、ステップS17の判定の結果、各種センサ類のうちいずれかが異常状態に陥っている(異常診断フラグがオン)旨の判定が下された場合(ステップS17のNo)、保舵支援制御装置71は、処理の流れを終了させる。
ステップS18において、許可判定部87は、車両が旋回中に保舵状態にあり(ステップS15のYes:保舵判定フラグオン)、運転者がステアリングホイール13から手を放しておらず(ステップS16のYes:手放し判定フラグオフ)、かつ、各種センサ類が全て正常状態にある(ステップS17のYes:異常診断フラグオフ)場合に、第2トルク電流変換部79で変換されたアシストモータ35に係る補正電流を、後段の電流制限部89に出力する許可判定を行う。セルフアライニングトルクを打ち消すための補正電流を、アシストモータ35に与える場面として適切だからである。
ステップS19において、電流制限部89は、許可判定部87の許可判定を受けて通過してきた、第2トルク電流変換部79で変換されたアシストモータ35に係る補正電流を、適宜の値に制限する処理(電流制限処理)を行う。
ステップS20において、保舵支援制御装置71は、電流制限部89で電流制限処理後のアシストモータ35に係る補正電流を加算部75に出力した後、処理の流れを終了させる。
その後、EPS制御装置51の加算部75は、第1トルク電流変換部73で変換後のアシストモータ35に係るベース電流の値と、電流制限部89で電流制限処理後のアシストモータ35に係る補正電流の値とを加算し、アシストモータ35に係るアシスト電流として出力する。これを受けてEPS制御装置51は、アシストモータ35に流れる実電流値が、加算部75で加算処理後のアシストモータ35に係るアシスト電流に追従するように制御することで、運転者がステアリングホイール13を操舵する際に要する操舵力を軽減するように働く。
〔本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置11及び保舵支援制御装置71が奏する作用効果〕
次に、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置11及び保舵支援制御装置71が奏する作用効果について説明する。
第1の観点(請求項1に対応)に基づく電動パワーステアリング装置11は、ステアリングホイール(操舵部材)13に作用する操舵力に応じてアシストモータ35の駆動制御を行うことにより、車両の操舵系に操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置11であって、車両の測定ヨーレートを取得するヨーレートセンサ(測定ヨーレート取得部)55と、車両の速度を検出する車速センサ(車速検出部)53と、ステアリングホイール(操舵部材)13の操舵角を検出する操舵角センサ(操舵角検出部)26と、車両の速度及びステアリングホイール(操舵部材)13の操舵角を用いて舵角規範ヨーレートを算出する舵角規範ヨーレート算出部91を有し、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうちいずれか一方と車両の速度とに基づいて車両の転舵輪に生じるセルフアライニングトルクを推定し、該推定されたセルフアライニングトルクに基づいて操舵補助力を補正するトルク推定装置77と、を備える。
ここで、トルク推定装置77は、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方と車両の速度とに基づいてセルフアライニングトルクを推定する。
トルク推定装置77が、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方と車両の速度とに基づいてセルフアライニングトルクを推定する意義はふたつある。第1の意義は、例えば、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうちいずれかが本来の値と比べて大きな値になった際の、電動パワーステアリング装置11の信頼性確保のためである。第2の意義は、例えば、車両が旋回中に正カント路を走行する場合に、ステアリングホイール(操舵部材)13がセルフステア状態に陥る事態を回避するためである。
第1の観点に基づく電動パワーステアリング装置11に係る発明によれば、仮に、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうちいずれかが、本来の値と比べて異常値(大きな値)をとるような事態に陥ったとしても、かかる異常値の影響を未然に回避することにより、旋回保舵時の操舵フィーリングを良好に維持して、電動パワーステアリング装置11の信頼性を確保することができる。
一方、第2の観点(請求項2に対応)に基づく保舵支援制御装置71に係る発明は、車両が旋回中に保舵状態にあるか否かを判定し、車両が旋回中に保舵状態にある旨の判定が下された場合に、ステアリングホイール(操舵部材)13に作用する操舵力に応じてアシストモータ35の駆動制御を行い、車両の操舵系に操舵補助力を付与することにより、車両の保舵状態を支援する制御を行う保舵支援制御装置71が前提となる。
第2の観点に基づく保舵支援制御装置71に係る発明において、トルク推定装置77が有する舵角規範ヨーレート算出部91は、車両の速度及びステアリングホイール(操舵部材)13の操舵角を用いて舵角規範ヨーレートを算出する。トルク推定装置77は、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方と車両の速度とに基づいてセルフアライニングトルクを推定し、該推定されたセルフアライニングトルクに基づいて操舵補助力を補正する。これにより、旋回保舵時の操舵トルクを軽減する。
第2の観点に基づく保舵支援制御装置71に係る発明によれば、第1の観点に基づく電動パワーステアリング装置11に係る発明と同様に、仮に、測定ヨーレート又は舵角規範ヨーレートのうちいずれかが、本来の値と比べて異常値(大きな値)をとるような事態に陥ったとしても、かかる異常値の影響を未然に回避することにより、旋回保舵時の操舵フィーリングを良好に維持して、電動パワーステアリング装置11が有する保舵支援制御装置71の信頼性を確保することができる。
また、第3の観点(請求項3に対応)に基づく保舵支援制御装置71に係る発明では、車両が旋回中に保舵状態にある旨の判定は、測定ヨーレートが旋回閾値を超えており、ステアリングホイール(操舵部材)13の操舵速度が速度閾値に満たず、かつ、車両に搭載されたクルーズコントロール装置57が作動中である状態が、予め定められる所定時間を超えて継続した場合に下される。
第3の観点に基づく保舵支援制御装置71に係る発明によれば、車両が旋回中に保舵状態にある旨の判定を下す際の条件を明確に定義することにより、本発明に係る保舵支援制御装置71を車両に実装する際の設計上の便宜を図ることができる。
また、第4の観点(請求項4に対応)に基づく保舵支援制御装置71に係る発明では、車両の保舵状態を支援する制御は、測定ヨーレートが旋回閾値に満たない、クルーズコントロール装置57が作動中でない、又は、ステアリングホイール(操舵部材)13に作用する操舵力が舵力閾値を超えている、のうちいずれかの条件を充足した場合に停止される。
第4の観点に基づく保舵支援制御装置71に係る発明によれば、車両の保舵状態を支援する制御を停止させる際の条件を明確に定義することにより、本発明に係る保舵支援制御装置71を車両に実装する際の設計上の便宜を図ると共に、省エネルギーに貢献することができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
11 電動パワーステアリング装置
13 ステアリングホイール(操舵部材)
26 操舵角センサ(操舵角検出部)
35 アシストモータ
53 車速センサ(車速検出部)
55 ヨーレートセンサ(測定ヨーレート取得部)
57 クルーズコントロール装置
77 SAT推定装置(トルク推定装置)
91 舵角規範ヨーレート算出部

Claims (4)

  1. 操舵部材に作用する操舵力に応じてアシストモータの駆動制御を行うことにより、車両の操舵系に操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置であって、
    前記車両の測定ヨーレートを取得する測定ヨーレート取得部と、
    前記車両の速度を検出する車速検出部と、
    前記操舵部材の操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記車両の速度及び前記操舵部材の操舵角を用いて舵角規範ヨーレートを算出する舵角規範ヨーレート算出部と、
    前記測定ヨーレート又は前記舵角規範ヨーレートのうちいずれか一方と前記車両の速度とに基づいて前記車両の転舵輪に生じるセルフアライニングトルクを推定し、該推定されたセルフアライニングトルクに基づいて前記操舵補助力を補正するトルク推定装置と、を備え、
    前記トルク推定装置は、前記測定ヨーレート又は前記舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方と前記車両の速度とに基づいて前記セルフアライニングトルクを推定する
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 車両が旋回中に保舵状態にあるか否かを判定し、当該車両が旋回中に保舵状態にある旨の判定が下された場合に、操舵部材に作用する操舵力に応じてアシストモータの駆動制御を行い、当該車両の操舵系に操舵補助力を付与することにより、当該車両の保舵状態を支援する制御を行う保舵支援制御装置であって、
    前記車両の速度及び前記操舵部材の操舵角を用いて舵角規範ヨーレートを算出する舵角規範ヨーレート算出部と、
    前記測定ヨーレート又は前記舵角規範ヨーレートのうちいずれか一方と前記車両の速度とに基づいて前記車両の転舵輪に生じるセルフアライニングトルクを推定し、該推定されたセルフアライニングトルクに基づいて前記操舵補助力を補正するトルク推定装置と、を備え、
    前記トルク推定装置は、前記測定ヨーレート又は前記舵角規範ヨーレートのうち絶対値の小さい方と前記車両の速度とに基づいて前記セルフアライニングトルクを推定する
    ことを特徴とする保舵支援制御装置。
  3. 請求項2に記載の保舵支援制御装置であって、
    前記車両が旋回中に保舵状態にある旨の判定は、前記測定ヨーレートが旋回閾値を超えており、前記操舵部材の操舵速度が速度閾値に満たず、かつ、当該車両に搭載されたクルーズコントロール装置が作動中である状態が、予め定められる所定時間を超えて継続した場合に下される
    ことを特徴とする保舵支援制御装置。
  4. 請求項3に記載の保舵支援制御装置であって、
    前記車両の保舵状態を支援する制御は、前記測定ヨーレートが旋回閾値に満たない、前記クルーズコントロール装置が作動中でない、又は、前記操舵部材に作用する操舵力が舵力閾値を超えている、のうちいずれかの条件を充足した場合に停止される
    ことを特徴とする保舵支援制御装置。
JP2014234527A 2014-11-19 2014-11-19 電動パワーステアリング装置及び保舵支援制御装置 Expired - Fee Related JP5965968B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014234527A JP5965968B2 (ja) 2014-11-19 2014-11-19 電動パワーステアリング装置及び保舵支援制御装置
CN201510673708.8A CN105599806B (zh) 2014-11-19 2015-10-16 电动助力转向装置及保持方向盘支援控制装置
US14/944,613 US9463827B2 (en) 2014-11-19 2015-11-18 Electric power steering apparatus and steering effort assist controlling apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014234527A JP5965968B2 (ja) 2014-11-19 2014-11-19 電動パワーステアリング装置及び保舵支援制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016097737A JP2016097737A (ja) 2016-05-30
JP5965968B2 true JP5965968B2 (ja) 2016-08-10

Family

ID=55960987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014234527A Expired - Fee Related JP5965968B2 (ja) 2014-11-19 2014-11-19 電動パワーステアリング装置及び保舵支援制御装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9463827B2 (ja)
JP (1) JP5965968B2 (ja)
CN (1) CN105599806B (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6380014B2 (ja) * 2014-11-04 2018-08-29 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置
US9751558B2 (en) * 2015-03-25 2017-09-05 Ford Global Technologies, Llc Handwheel obstruction detection and inertia compensation
US10322748B2 (en) * 2016-09-23 2019-06-18 Jtekt Corporation Motor controller and steering device
CN106872084B (zh) * 2017-02-15 2019-03-22 清华大学 一种汽车行驶时单轮自回正力矩测量装置和方法
US10046770B1 (en) * 2017-04-10 2018-08-14 GM Global Technology Operations LLC Systems and methods for estimating a road surface friction coefficient and vehicle lateral velocity using a decoupled dynamical model
CN107101767B (zh) * 2017-06-09 2023-10-27 北京工业大学 一种机动车方向盘力角仪自动校准装置及方法
US10996673B1 (en) 2017-09-28 2021-05-04 Apple Inc. Manual override
KR20210082156A (ko) 2018-10-30 2021-07-02 도쿄 케이키 가부시키가이샤 핸들각 제어 장치
JP7211149B2 (ja) * 2019-02-21 2023-01-24 トヨタ自動車株式会社 電動パワーステアリング装置
DE102019206980B4 (de) * 2019-05-14 2023-06-22 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren und Lenkungssteuergerät zum Ermitteln einer Stellgröße für das Einstellen eines Servolenkmoments bei einem Fahrzeuglenksystem
JP7095661B2 (ja) * 2019-07-15 2022-07-05 トヨタ自動車株式会社 車両用外乱対処システム
JP7303153B2 (ja) * 2020-05-18 2023-07-04 トヨタ自動車株式会社 車両用運転支援装置
JP2022018617A (ja) * 2020-07-16 2022-01-27 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置
JP7200210B2 (ja) * 2020-12-25 2023-01-06 本田技研工業株式会社 移動体

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5941338A (en) * 1996-08-01 1999-08-24 Michelin Recherche Et Technique S.A. Vehicle steering correction system
JP3571234B2 (ja) * 1998-10-12 2004-09-29 本田技研工業株式会社 車両用操舵制御装置
ES2204459T3 (es) * 1999-12-13 2004-05-01 Kayaba Industry Co., Ltd. Direccion asistida.
US6640171B2 (en) * 1999-12-15 2003-10-28 Delphi Technologies, Inc. Motor vehicle with supplemental rear steering having open and closed loop modes
US6293366B1 (en) * 2000-02-16 2001-09-25 Ford Global Technologies, Inc. Vehicle electric power assist steering system and method using angle based torque estimation
JP2002029444A (ja) * 2000-07-19 2002-01-29 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP4021792B2 (ja) * 2003-04-14 2007-12-12 ユニシア ジェーケーシー ステアリングシステム株式会社 操舵制御装置
JP4872298B2 (ja) * 2005-10-04 2012-02-08 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4387370B2 (ja) * 2006-04-24 2009-12-16 三菱電機株式会社 車両挙動制御装置
DE602007004029D1 (de) * 2006-07-14 2010-02-11 Nsk Ltd Steuervorrichtung für eine Servolenkvorrichtung
US8983765B2 (en) * 2006-10-11 2015-03-17 GM Global Technology Operations LLC Method and system for lane centering control
GB0620962D0 (en) * 2006-10-21 2006-11-29 Trw Lucasvarity Electric Steer Steering control during split MU braking
JP5029338B2 (ja) * 2007-12-13 2012-09-19 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置
JP5272905B2 (ja) * 2008-06-10 2013-08-28 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置
JP2010149781A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Toyota Motor Corp パワーステアリング装置
US8960363B2 (en) * 2010-02-25 2015-02-24 Honda Motor Co., Ltd. Electric power steering device
JP5707790B2 (ja) * 2010-09-06 2015-04-30 日産自動車株式会社 タイヤ接地状態推定装置
JP6136136B2 (ja) * 2012-07-20 2017-05-31 日産自動車株式会社 車両用転舵装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016097737A (ja) 2016-05-30
US9463827B2 (en) 2016-10-11
CN105599806A (zh) 2016-05-25
CN105599806B (zh) 2017-12-08
US20160137221A1 (en) 2016-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5965968B2 (ja) 電動パワーステアリング装置及び保舵支援制御装置
JP5575919B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5324658B2 (ja) 操舵支援装置
JP6030459B2 (ja) 車両の操舵制御装置
JP6760569B2 (ja) 車両制御装置、車両制御方法および電動パワーステアリング装置
JP4603593B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
US8798862B2 (en) Electric power steering device
US9308935B2 (en) Electric power steering apparatus
JPWO2011048702A1 (ja) 車両の電動パワーステアリング装置
JP2010030504A (ja) 車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法
JP5509341B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6001122B1 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2011088491A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6740647B2 (ja) 操舵制御装置
JP2007296900A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2013212838A (ja) 操舵支援装置
JP2015182493A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2010188909A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6178300B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2008006919A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2009184370A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2008221869A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2010058677A (ja) 電動パワーステアリングの制御装置
JP7266056B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2014166804A (ja) 電動パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160628

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160704

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5965968

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees