JP2011088491A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両側の機械的な構造との共振により生ずる操舵系の振動を効果的に抑制することのできる電動パワーステアリング装置を提供する
【解決手段】基礎補償量制御部は、ステップ102においてモータ回転角θから抽出された特定周波数帯域の周波数成分に対し、位相進みフィルタ処理を施すことにより、該周波数成分に対して位相進み補償を行い(ステップ104)、振動抑制基礎補償量εvs(振動抑制補償量)の位相特性を調整するようにした。
【選択図】図9

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
従来、車両用のパワーステアリング装置には、モータを駆動源とした電動パワーステアリング装置(EPS)があり、このようなEPSは、レイアウト自由度が高く、且つエネルギー消費量が小さいという特徴を有している。そのため、近年では、小型車両から大型車両までの幅広い車種において、その採用が進められている。
ところで、モータを駆動源とするEPSでは、同モータにおいて、コギングトルク、或いは巻線コイルに生ずる誘起電圧波形の歪みを原因としてトルクリップルが発生する。また、モータの回転を減速して出力する減速機構(例えばウォーム&ホイール等)におけるギアの噛み合い等の機械的要素を原因としてもトルクリップルが発生する。そして、EPSにおいては、このようなトルクリップルによる出力トルクの変動がその操舵フィーリングに直接反映されることになる。このため、EPSにおいては、こうした操舵系の振動(トルクリップル)を抑制すべく、種々の対策がなされている。
例えば、特許文献1には、トルクセンサにより検出される操舵トルクを微分したトルク微分値に応じて補償制御量を演算し、該補償制御量を操舵系に付与するアシスト力の基礎成分である基本アシスト制御量に重畳することで、操舵系の振動を抑制するようにしたEPSが開示されている。
特開2004−276804号公報
ところで、一般にトルクセンサは、トーションバーの捩れに基づいて操舵トルクを検出するため、トルクリップルによってトーションバーが捩られた後でなければ該トルクリップルを検出することができず、トルクリップルの検出がその発生時点よりも時間的に遅れる。この点、上記特許文献1では、操舵トルクを微分して位相を進めたトルク微分値に基づいて補償制御量を演算しているため、操舵系に生じる振動抑制に一定の効果を奏するようにはできるものの、操舵系の振動を完全に抑制することはできず、操舵フィーリングに影響を与えないような小さな振動は残ることになる。
一方、EPSにおいて発生するトルクリップルには、様々な周波数成分のものがあり、車両側の機械的な構造(例えばフレームやボディー等)と共振する特定周波数帯域(例えば40Hz前後)の周波数成分も含まれる。そして、このような周波数成分のトルクリップルが発生する場合には、上記のトルク微分値に基づく補償制御により、該トルクリップルが抑制されたとしても、車両側の機械的な構造と共振することによりその振幅が増幅されてしまい、操舵フィーリングを悪化させたり、音及び振動を発生させたりする虞がある。
そこで、トルクリップルの影響が時間的に遅れずに反映されるモータの回転状態を示す信号(例えば、モータ回転角信号)から、車両側の機械的な構造と共振する特定周波数帯域の周波数成分(トルクリップル)を抽出し、当該周波数成分を打ち消すための振動抑制補償量を基本アシスト制御量に付加することが考えられる。ここで、車両側の機械的な構造と共振するトルクリップルを打ち消すためには、その値が素早く変化する振動抑制補償量を付加する必要がある。しかし、振動抑制補償量が素早く変化する場合には、モータコイルのインダクタンスの影響によって、振動抑制補償量の位相に対する実電流値の位相遅れが大きくなりやすい。そのため、モータ信号から特定の周波数成分を抽出し、当該周波数成分を打ち消すための振動抑制補償量を付加したとしても、上記実電流値の位相遅れにより、トルクリップルを十分に抑制できず、操舵系の振動や振動音を効果的に抑制できない虞があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、車両側の機械的な構造との共振により生ずる操舵系の振動や振動音を効果的に抑制することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、モータを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、操舵トルクに基づき前記操舵力補助装置に発生させるべき前記アシスト力の基本アシスト成分を演算する電動パワーステアリング装置において、前記モータの回転状態を示すモータ信号から、車両側の機械的な構造と共振する特定周波数帯域の周波数成分を抽出する特定周波数抽出手段と、前記特定周波数抽出手段より抽出された周波数成分に基づいて、操舵系の振動を低減すべく振動抑制基礎成分を演算する振動抑制基礎成分演算手段とを備え、前記制御手段は、前記振動抑制基礎成分演算手段により演算された前記振動抑制基礎成分に基づいて振動抑制補償成分を演算し、該振動抑制補償成分を前記基本アシスト成分に重畳することにより、前記操舵力補助装置に発生させるべき目標アシスト力を演算するものであって、前記特定周波数抽出手段により抽出された周波数成分に対して位相進み補償を行うことにより、前記振動抑制補償成分の位相特性を調整する位相進み補償手段を備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、特定周波数抽出手段により抽出された特定周波数帯域の周波数成分に対し、位相進み補償手段によって位相進み補償が行われることにより、振動抑制基礎成分(振動抑制補償成分)の位相特性が調整される。従って、振動抑制補償成分が素早く変化することにより、モータコイルのインダクタンスの影響によって生じる実電流値の位相遅れを低減できるため、振動抑制補償成分を基本アシスト成分に重畳することで、車両側の機械的な構造との共振によって生じる操舵系の振動や振動音を効果的に抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、前記位相進み補償手段は、前記モータの回転角速度が大きくなるほど、前記特定周波数抽出手段により抽出された周波数成分の位相進み量を大きくすることを要旨とする。
モータの回転角速度が大きくなるほど、モータの逆起電力が大きくなるため、電流指令値に対する実電流値の位相遅れが大きくなりやすく、トルクリップルを十分に抑制できなくなる虞がある。この点、上記構成によれば、モータの回転角速度が大きくなるほど、特定周波数抽出手段により抽出された周波数成分の位相進み量を大きくするため、モータの逆起電力が大きくなることで生じる実電流値の位相遅れが低減され、車両側の機械的な構造との共振により生じる操舵系の振動や振動音をより効果的に抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置において、前記特定周波数抽出手段により抽出された周波数成分のうち、運転者がステアリングを操舵する操舵周波数帯域の周波数成分を減衰させるフィルタ手段を備えたことを要旨とする。
運転者がステアリングを操舵する操舵周波数帯域の周波数成分は、ほとんど操舵フィーリングに影響を与えないため、該操舵周波数帯域の周波数成分を打ち消すような振動抑制補償成分が基本アシスト成分に重畳されると、かえって操舵フィーリングを悪化させる虞がある。この点、上記構成によれば、特定周波数抽出手段により抽出された特定の周波数成分からステアリングを操舵する操舵周波数帯域の周波数成分がフィルタ手段によって減衰されるため、不要な補償成分が基本アシスト成分に重畳されず、操舵フィーリングの悪化を防止できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、操舵速度に基づいて前記振動抑制補償成分を変更するようにしたことを要旨とする。
上記構成によれば、操舵速度に基づいて振動抑制補償成分が変更されるため、例えば運転者がトルクリップルを感じやすい操舵速度領域外の操舵速度である場合には、振動抑制補償成分を小さくする等、操舵速度に応じて好適な振動抑制補償成分を基本アシスト成分に重畳させることができる。このため、不要な補償成分が付加されることにより操舵フィーリングが悪化することを防止できる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電動パワーステアリング装置において、前記操舵力補助装置は、ステアリングシャフトに連結されるウォームホイールと、前記モータに連結されるウォームギアとを噛合させた減速機構を備え、該減速機構を介して前記モータの回転を操舵系に付与するものであって、前記制御手段は、ステアリングの操舵速度が前記減速機構において前記ウォームホイールと前記ウォームギアとの噛み合いにより前記特定周波数帯域の周波数成分が前記モータ信号に発生しやすい所定操舵速度領域内にないときに、前記振動抑制補償成分を小さくするようにしたことを要旨とする。
ウォームホイールとウォームギアとからなる減速機構においては、これらが回転してウォームホイールの歯とウォームギアの歯とが噛み合う際に、トルクリップルが発生する。そのため、ウォームホイールの歯数との関係において、単位時間当たりにウォームギアの歯とウォームホイールの歯とが噛み合う回数が、車両側の機械的な構造と共振する周波数と一致するような操舵速度でステアリングを操舵すると、共振する特定周波数帯域のトルクリップルが発生しやすく、特定周波数帯域の周波数成分がモータ信号に発生しやすい。この点を踏まえ、上記構成によれば、ステアリングの操舵速度が、所定操舵速度領域内にない場合には、振動抑制補償成分を小さくするため、不要な補償成分が付加されることにより操舵フィーリングが悪化することを防止できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、車速の増大に基づいて前記振動抑制補償成分を小さくするようにしたことを要旨とする。
トルクリップルの影響は、車両の振動・騒音が小さい低車速域で顕著になりやすく、車両の振動・騒音が大きくなる高車速域では問題となり難い。この点を踏まえ、上記構成によれば、車速の増大に基づいて振動抑制補償成分を小さくするため、不要な補償成分が付加されることにより操舵フィーリングが悪化することを防止できる。
本発明によれば、車両側の機械的な構造との共振により生ずる操舵系の振動や振動音を効果的に抑制することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 本実施形態におけるEPSの制御ブロック図。 基本アシスト制御演算及びアシスト勾配の概要を示す説明図。 トルク慣性補償制御部の制御ブロック図。 位相補償処理についてのアシスト勾配補償制御の態様を示す説明図。 アシスト勾配とアシスト勾配ゲインとの関係を示す説明図。 振動抑制補償制御部の制御ブロック図。 電動パワーステアリング装置におけるモータ・駆動回路系の周波数特性を示すボード線図。 振動抑制基礎補償量演算の処理手順を示すフローチャート。 第1のハイパスフィルタの周波数特性を示すボード線図。 ローパスフィルタの周波数特性を示すボード線図。 第2のハイパスフィルタの周波数特性を示すボード線図。 時定数T(カットオフ周波数Fc)と、モータ角速度ωとの関係を示す説明図。 位相進みフィルタの周波数特性を示すボード線図。 操舵速度と操舵速度ゲインとの関係を示す説明図。 車速と車速ゲインとの関係を示す説明図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、電動パワーステアリング装置(EPS)1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。なお、ステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
また、EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ21と、該EPSアクチュエータ21の作動を制御する制御手段としてのECU22とを備えている。
EPSアクチュエータ21は、所謂コラム型のEPSアクチュエータであり、その駆動源であるモータ23は、減速機構25を介してコラムシャフト8と駆動連結されている。なお、本実施形態では、減速機構25は、コラムシャフト8に連結されたウォームホイール26と、モータ23に連結されたウォームギア27とを噛合することにより構成されており、モータ23の回転は減速機構25により減速されてコラムシャフト8に伝達される。また、モータ23は、ブラシレスモータであり、ECU22から三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。そして、モータ制御装置としてのECU22は、このモータ23が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。
ECU22には、車速センサ30及びトルクセンサ31が接続されている。なお、本実施形態のトルクセンサ31は、コラムシャフト8の途中、詳しくは、その上記減速機構25よりもステアリング2側に設けられたトーションバー32と、同トーションバー32の両端に設けられた一対の回転角センサ(レゾルバ)33,34を備えた所謂ツインレゾルバ型のトルクセンサとして構成されている。そして、ECU22は、これら車速センサ30及びトルクセンサ31によりそれぞれ検出される操舵トルクτ(τ_na)及び車速Vに基づいて、EPSアクチュエータ21の作動、即ちパワーアシスト制御を実行する。
次に、本実施形態のEPSの電気的構成について説明する。
図2は、EPSの制御ブロック図である。同図に示すように、ECU22は、モータ制御信号を出力するマイコン41と、モータ制御信号に基づいてモータ23に三相の駆動電力を供給する駆動回路42とを備えている。
ECU22には、モータ23に通電される実電流値Iを検出するための電流センサ43、及びモータ回転角θを検出するための回転角センサ44が接続されている。そして、マイコン41は、上記各車両状態量、並びにこれら電流センサ43及び回転角センサ44により検出されたモータ23の実電流値I及びモータ回転角θに基づいて、駆動回路42に出力するモータ制御信号を生成する。
詳述すると、マイコン41は、操舵系に付与するアシスト力の目標値、即ち目標アシスト力に対応した電流指令値I*を演算する電流指令値演算部46と、電流指令値演算部46により算出された電流指令値I*に基づいてモータ制御信号を出力するモータ制御信号出力部47とを備えている。
電流指令値演算部46が出力する電流指令値I*は、電流センサ43により検出された実電流値I、及び回転角センサ44により検出されたモータ回転角θとともに、モータ制御信号出力部47に入力される。そして、モータ制御信号出力部47は、この目標アシスト力に対応する電流指令値I*に実電流値Iを追従させるべくフィードバック制御を実行することによりモータ制御信号を演算する。
具体的には、モータ制御信号出力部47は、実電流値Iとして検出されたモータ23の相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q座標系のd,q軸電流値に変換(d/q変換)することにより、上記電流フィードバック制御を行う。
即ち、電流指令値I*は、q軸電流指令値としてモータ制御信号出力部47に入力され、モータ制御信号出力部47は、回転角センサ44により検出されたモータ回転角θに基づいて相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q変換する。また、モータ制御信号出力部47は、そのd,q軸電流値及びq軸電流指令値に基づいてd,q軸電圧指令値を演算する。そして、そのd,q軸電圧指令値をd/q逆変換することにより相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を演算し、当該相電圧指令値に基づいてモータ制御信号を生成する。
そして、本実施形態のECU22は、上記のように生成されたモータ制御信号をマイコン41が駆動回路42に出力し、該駆動回路42がそのモータ制御信号に基づく三相の駆動電力をモータ23に供給することにより、EPSアクチュエータ21の作動を制御する構成となっている。
次に、電流指令値演算部46による電流指令値演算の詳細について説明する。
電流指令値演算部46は、EPSアクチュエータ21に発生させるべきアシスト力の基礎成分である基本アシスト制御量Ias*を演算する基本アシスト制御部51を備えている。また、電流指令値演算部46は、基本アシスト制御量Ias*に付加する補償成分として、操舵トルクτの微分値(操舵トルク微分値dτ)に基づくトルク慣性補償量Iti*を演算するトルク慣性補償制御部52を備えている。さらに、電流指令値演算部46は、基本アシスト制御量Ias*に付加する補償成分として、車両側の機械的な構造(例えばフレームやボディ)と共振する特定周波数帯域(例えば40Hz前後)のトルクリップルを打ち消すための振動抑制補償量Ivs*を演算する振動抑制補償制御部53を備えている。
本実施形態では、トルクセンサ31の出力する検出信号としての操舵トルクτ_naは、先ず、位相補償制御部55に入力される。そして、電流指令値演算部46には、この位相補償制御部55において位相補償処理(フィルタ処理)が施された後の操舵トルクτが入力される。
そして、図3に示すように、基本アシスト制御部51は、その入力される操舵トルクτの絶対値が大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きな絶対値を有する基本アシスト制御量Ias*を演算する。なお、本実施形態では、特に操舵トルクτとの関係において、当該操舵トルクτが大きいほど、その操舵トルクτの変化に対する基本アシスト制御量Ias*の変化の割合であるアシスト勾配Raが大きくなるように設計されている。
一方、本実施形態のトルク慣性補償制御部52には、操舵トルク微分値dτに加え、車速Vが入力される。そして、トルク慣性補償制御部52は、これらの各状態量に基づいてトルク慣性補償制御を実行する。なお、「トルク慣性補償制御」は、モータ等、EPSの慣性による影響を補償する制御、即ちステアリング操作における「切り始め」時の「引っ掛かり感(追従遅れ)」、及び「切り終わり」時の「流れ感(オーバーシュート)」を抑制するための制御である。また、このトルク慣性補償制御には、モータ23のコギングトルクや誘起電圧波形の歪み、或いは減速機構25におけるギアの噛み合い等に起因して操舵系に生じる振動を抑制する効果がある。
具体的には、図4に示すように、トルク慣性補償制御部52は、操舵トルク微分値dτとトルク慣性基礎補償量εtiとが関連付けられたマップ56a、及び車速Vと補間係数Aとが関連付けられたマップ56bを備えている。マップ56aにおいて、トルク慣性基礎補償量εtiは、入力される操舵トルク微分値dτの絶対値が大きいほど、基本アシスト制御部51において演算された基本アシスト制御量Ias*(の絶対値)をより増加させる値となるように設定されている。また、マップ56bにおいて、補間係数Aは、低車速領域では車速Vが大きくなるほど大きな値となるように、高車速領域では、車速が大きくなるほど小さな値となるように設定されている。そして、トルク慣性補償制御部52は、これらの各マップ56a,56bを参照することにより求められたトルク慣性基礎補償量εti及び補間係数Aを乗ずることによりトルク慣性補償量Iti*を演算する。
さらに、電流指令値演算部46には、アシスト勾配補償制御部57が設けられており、同アシスト勾配補償制御部57には、上記のアシスト勾配Raが入力される。そして、アシスト勾配補償制御部57は、その入力されるアシスト勾配Raに応じて各種補償制御の特性を変更すべく、当該各補償制御に対応した制御信号を生成する(アシスト勾配補償制御)。
さらに詳述すると、アシスト勾配補償制御部57には、フィルタ定数Afを演算するフィルタ定数演算部58と、アシスト勾配ゲインKaを演算するアシスト勾配ゲイン演算部59とが備えられており、アシスト勾配補償制御部57は、これらのフィルタ定数Af及びアシスト勾配ゲインKaを上記特性変更のための制御信号として出力する。そして、本実施形態では、位相補償制御部55及びトルク慣性補償制御部52が、これら各フィルタ定数Af及びアシスト勾配ゲインKaに基づいて、その位相補償処理及びトルク慣性補償制御の特性を変更する構成となっている。
ここで、アシスト勾配の変化は、ステアリングシャフト3の途中に設けられたトルクセンサ31を構成するトーションバー32のバネ定数の変化と等価である。従って、アシスト勾配が大きくなるほど、振動が発生しやすくなる傾向があるが、こうしたアシスト勾配の上昇に伴う振動増大の問題は、位相補償制御の特性変更、具体的には、その位相補償処理におけるフィルタ特性のゲインを低く抑えることにより抑制することが可能である。そして、上記フィルタ定数演算部58が、図5に示されるような、アシスト勾配Raの上昇に応じてフィルタ特性のゲインを低減するようなフィルタ定数Afを演算することにより、アシスト勾配Raの上昇に伴う振動増大を抑制する構成となっている。
また、操舵トルク微分値dτに基づくトルク慣性補償制御には、操舵系に生じる振動を抑制する効果があるものの、その過大なアシストトルクの立ち上がりにより、操舵フィーリングが悪化する(所謂切り始めの「抜け感」)、或いは制御上の不安定化(振動)が引き起こされるおそれがある。
この点を踏まえ、本実施形態では、アシスト勾配ゲイン演算部59が、図6に示されるような、急速にアシストトルクを立ち上げる必要性の低いアシスト勾配の小さな領域では、トルク慣性補償量Iti*を低減するアシスト勾配ゲインKaを出力する。そして、これにより、上記位相補償制御の特性変更と併せ、良好な操舵フィーリングの実現を図る構成となっている。
図2に示すように、基本アシスト制御部51において演算された基本アシスト制御量Ias*及びトルク慣性補償制御部52において演算されたトルク慣性補償量Iti*は、加算器60に入力される。また、後述する振動抑制補償制御部53において演算された振動抑制補償量Ivs*も、加算器60に入力される。そして、電流指令値演算部46は、この加算器60において基本アシスト制御量Ias*にトルク慣性補償量Iti*及び振動抑制補償量Ivs*を加算した値に基づき電流指令値I*を演算する。
(振動抑制補償制御)
次に、振動抑制補償制御部による振動抑制補償量の演算について詳細に説明する。
振動抑制補償制御部53には、モータ回転角θ、及びモータ回転角θの微分値(モータ角速度ω)及び車速Vが入力される。そして、振動抑制補償制御部53は、これらの各状態量に基づいて振動抑制補償量Ivs*を演算する。
詳述すると、図7に示すように、振動抑制補償制御部53は、回転角センサ44から出力されるモータ信号としてのモータ回転角θに基づいて、車両側の機械的な構造と共振する特定周波数帯域のトルクリップルを低減するための振動抑制基礎補償量εvsを演算する基礎補償量制御部71を備えている。また、振動抑制補償制御部53は、操舵速度ωsに基づいて振動抑制基礎補償量εvsを補正するための操舵速度ゲインKωsを演算する操舵速度ゲイン演算部72と、車速Vに基づいて振動抑制基礎補償量εvsを補正するための車速ゲインKvを演算する車速ゲイン演算部73とを備えている。
これら基礎補償量制御部71により演算された振動抑制基礎補償量εvs、操舵速度ゲイン演算部72により演算された操舵速度ゲインKωs及び車速ゲイン演算部73により演算された車速ゲインKvは乗算器74に入力される。続いて、乗算器74において、振動抑制基礎補償量εvsに操舵速度ゲインKωs及び車速ゲインKvが乗算された値が、補正振動抑制基礎補償量εvsaとしてガード処理部75に入力される。そして、振動抑制補償制御部53は、ガード処理部75において、補正振動抑制基礎補償量εvsaの絶対値が共振する特定周波数帯域のトルクリップルを抑制するのに必要な所定値を超えないようにガード処理を施した値を、振動抑制補償量Ivs*として上記加算器60(図2参照)に出力する構成となっている。
ところで、振動抑制補償量Ivs*は、車両側の機械的な構造と共振するトルクリップルを打ち消すべく、その値が素早く変化するものであるため、モータコイルのインダクタンスの影響によって、電流指令値I*に対する実電流値Iの位相遅れが大きくなりやすい(図8参照)。なお、図8は、ブラシレスモータを使用した電動パワーステアリング装置におけるモータ・駆動回路系の周波数特性を示すボード線図である。
この点を踏まえ、基礎補償量制御部71は、モータ回転角θから、車両側の機械的な構造と共振する特定周波数帯域の周波数成分(トルクリップル)を抽出し、該周波数成分に対して位相進み補償を行い、振動抑制基礎補償量εvs(振動抑制補償量Ivs*)の位相特性を調整するようにしている。
また、モータ23の回転角速度を示すモータ角速度ωが大きくなるほど、モータ23の逆起電力が大きくなるため、電流指令値I*に対する実電流値Iの位相遅れが大きくなりやい(図8参照)。そこで、基礎補償量制御部71は、上記位相進み補償を行う際に、モータ角速度ωが大きくなるほど、モータ回転角θから抽出した特定の周波数成分(の信号)の位相進み量が大きくするようにしている。
詳述すると、図9のフローチャートに示すように、基礎補償量制御部71は、モータ回転角θが入力されると(ステップ101)、フィルタ処理を実行し、特定周波数帯域の周波数成分を抽出する(ステップ102)。なお、本実施形態では、上記ステップ102において、先ず第1のハイパスフィルタ処理を実行し(ステップ102a)、続いてローパスフィルタ処理を実行する(ステップ102b)ことにより、特定周波数帯域の周波数成分を抽出する。従って、本実施形態では、ステップ102の処理が特定周波数抽出手段に相当する。
ここで、本実施形態のステップ102aに示す第1のハイパスフィルタ処理は、下記(1)式の伝達関数で表される特性を有している。
Figure 2011088491
なお、「s」はラプラス演算子であり、「T」は時定数である。この時定数Tは、カットオフ周波数Fc(=1/2πT)が、例えば「400」となるように設定されている。また、図10は、カットオフ周波数Fc=400としたときの上記(1)式の周波数特性を示すボード線図である。
また、本実施形態のステップ102bに示すローパスフィルタ処理は、下記(2)式の伝達関数で表される特性を有している。
Figure 2011088491
なお、「s」はラプラス演算子であり、「T」は時定数である。この時定数Tはカットオフ周波数Fc(=1/2πT)が、例えば「400」となるように設定されている。また、図11は、カットオフ周波数Fc=400としたときの上記(2)式の周波数特性を示すボード線図である。
次に、基礎補償量制御部71は、ステップ102においてフィルタ処理が行われたモータ回転角θに対して第2のハイパスフィルタ処理を実行し、操舵周波数帯域の周波数成分を減衰させる(ステップ103)。従って、本実施形態では、ステップ103の処理がフィルタ手段に相当する。なお、操舵周波数帯域とは、運転者がステアリング2を操舵する周波数、換言すれば運転者がステアリング2を操舵可能な周波数であり、0〜10Hz程度である。
ここで、本実施形態のステップ103に示す第2のハイパスフィルタ処理は、下記(3)式の伝達関数で表される特性を有している。
Figure 2011088491
なお、「s」はラプラス演算子であり、「T」は時定数である。この時定数Tは、カットオフ周波数Fc(=1/2πT)が、上記カットオフ周波数Fcよりも小さい値、例えば「10」となるように設定されている。また、図12は、カットオフ周波数Fc=10としたときの上記(3)式の周波数特性を示すボード線図である。これにより、モータ回転角θに含まれる周波数成分のうち、操舵周波数帯域の周波数成分は、上記した第1のハイパスフィルタ処理に加えて、第2のハイパスフィルタ処理が施される。このように操舵周波数帯域の周波数成分は二段階でハイパスフィルタ処理が施されるため、その振幅が十分に減衰されるようになっている。なお、操舵周波数帯域よりも高周波域の周波数成分は、第1のハイパスフィルタ処理が施されるのみであるため、操舵系に生じる振動を抑制可能な振幅が維持される。
次に、基礎補償量制御部71は、ステップ103において第2のハイパスフィルタ処理がなされた周波数成分に対して位相進みフィルタ処理を実行し、その位相特性を調整する(ステップ104)。具体的には、電流指令値I*に対する実電流値Iの位相遅れに対応した位相進み量が補償される。従って、本実施形態では、ステップ104の処理が位相進み補償手段に相当する。
ここで、本実施形態のステップ104に示す位相進みフィルタ処理は、下記(4)式の伝達関数で表される特性を有している。
Figure 2011088491
なお、「s」はラプラス演算子であり、「T」及び「T」は時定数である。この時定数Tは、カットオフ周波数Fc(=1/2πT)が、例えば「400」となるように設定されている。
そして、図13に示すように、時定数Tは、モータ角速度ωが大きくなるにつれて大きな値となるように、すなわちカットオフ周波数Fc(=1/2πT)はモータ角速度ωが大きくなるにつれて小さくなるように変更可能に構成されている。なお、図13において、時定数Tを実線で示し、カットオフ周波数Fcを破線で示す。これにより、モータ角速度ωが大きくなるほど、ステップ103において第2のハイパスフィルタ処理がなされた周波数成分の振幅が大きくなるとともに、その位相の進み量が大きくなるようになっている(図14参照)。また、図14は、カットオフ周波数Fc=400としたときの上記(4)式の周波数特性を示すボード線図であり、モータ角速度ωが大きくなるほど、上記(4)式の伝達関数のゲインが大きくなるとともに、位相の進み量が大きくなるように構成されている。
なお、本実施形態では、図7に示すように、振動抑制補償制御部53には、モータ角速度ωに応じて時定数Tを演算する時定数演算部76が設けられており、基礎補償量制御部71は、時定数演算部76から出力される時定数Tに応じて、上記ステップ104の位相進みフィルタ処理を実行するようになっている。
次に、基礎補償量制御部71は、ステップ104において位相進みフィルタ処理がなされた周波数成分に対して所定のゲイン(本実施形態では負の値であり、例えば「−0.2」)を乗算し、この所定のゲインが乗算された値を振動抑制基礎補償量εvsとして出力する(ステップ105)。従って、本実施形態では、ステップ105の処理が振動抑制基礎成分演算手段に相当する。
このようにして、本実施形態では、ステップ104での位相進みフィルタ処理により、ステップ102においてモータ回転角θから抽出された特定周波数帯域の周波数成分に対し、位相進み補償が行われることで、振動抑制基礎補償量εvs(振動抑制補償量Ivs*)の位相特性が調整される。これにより、モータコイルのインダクタンスの影響によって生じる電流指令値I*に対する実電流値Iの位相遅れが低減される。
また、操舵速度ゲイン演算部72は、その入力されるモータ角速度ωに基づいて操舵速度ωsを算出し、図15に示すように、該操舵速度ωsが特定周波数帯域のトルクリップルが発生しやすい所定操舵速度領内にないときには、振動抑制補償量Ivs*を減少させるような操舵速度ゲインKωsを演算するよう構成されている。具体的には、操舵速度ωsが所定操舵速度領域内にない場合には、「1」未満の操舵速度ゲインKωsを演算し、これを乗算器74において振動抑制基礎補償量εvsに乗算させることで、振動抑制補償量Ivs*を小さくするように構成されている。
なお、本実施形態の所定操舵速度領域は、所定の操舵速度ωs1よりも大きい操舵速度領域に設定されている。ここで、減速機構25ではウォームホイール26の歯とウォームギア27の歯とが噛み合う際に、トルクリップルが発生する。そのため、ウォームホイール26の歯数との関係において、単位時間当たりにウォームホイール26の歯とウォームギア27の歯とが噛み合う回数が、特定周波数帯域(40Hz前後)の周波数と一致するような操舵速度で操舵した場合には、特定周波数帯域のトルクリップルが発生しやすいと考えられる。従って、所定の操舵速度ωs1は、単位時間当たりにウォームホイール26の歯とウォームギア27の歯とが噛み合う回数が、特定周波数帯域の周波数と一致するような操舵速度、例えばウォームホイール26の歯数が40であれば、「ωs1=360°/sec」となる。
さらに、図16に示すように、車速ゲイン演算部73は、車速Vの増大に基づいて振動抑制補償量Ivs*を小さくするような車速ゲインKvを演算するよう構成されている。具体的には、車速Vが所定の車速V1(例えば、4km/h)よりも大きい場合には、「1」未満の車速ゲインKvを演算し、これを乗算器74において振動抑制基礎補償量εvsに乗算させることで、振動抑制補償量Ivs*を小さくするように構成されている。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)基礎補償量制御部71は、ステップ102においてモータ回転角θから抽出された特定周波数帯域の周波数成分に対し、位相進みフィルタ処理を施すことにより、該周波数成分に対して位相進み補償を行い(ステップ104)、振動抑制基礎補償量εvs(振動抑制補償量Ivs*)の位相特性を調整するようにした。
上記構成によれば、振動抑制基礎補償量εvs(振動抑制補償量Ivs*)の位相が進められるため、振動抑制補償量Ivs*が素早く変化することによりモータコイルのインダクタンスの影響によって生じる実電流値Iの位相遅れを低減できる。そのため、振動抑制補償量Ivs*を基本アシスト制御量Ias*に重畳することで、車両側の機械的な構造との共振によって生じる操舵系の振動や振動音を効果的に抑制することができる。
(2)基礎補償量制御部71は、ステップ104において、モータ角速度ωが大きくなるほど、ステップ102でモータ回転角θから抽出された特定周波数帯域の周波数成分の位相進み量が大きくするようにした。上記構成によれば、モータ角速度ωが大きくなるほど、ステップ104の位相進みフィルタによる位相進み量を大きくするため、モータ23の逆起電力が大きくなることで生じる実電流値Iの位相遅れが低減され、車両側の機械的な構造との共振により生じる操舵系の振動や振動音をより効果的に抑制することができる。
(3)基礎補償量制御部71は、ステップ103において、ステップ102でモータ回転角θから抽出された特定の周波数成分から、運転者がステアリング2を操舵する操舵周波数帯域の周波数成分を減衰させる第2のハイパスフィルタ処理を行うようにした。
ここで、運転者がステアリング2を操舵する操舵周波数帯域の周波数成分は、ほとんど操舵フィーリングに影響を与えないため、該操舵周波数帯域の周波数成分を打ち消すような振動抑制補償量Ivs*が基本アシスト制御量Ias*に重畳されると、かえって操舵フィーリングを悪化させる虞がある。この点、上記構成によれば、ステップ103の第2のハイパスフィルタ処理により、ステップ102でモータ回転角θから抽出された特定の周波数成分から、操舵周波数帯域の周波数成分が除かれるため、不要な補償制御量が基本アシスト制御量Ias*に重畳されず、操舵フィーリングの悪化を防止できる。
(4)EPSアクチュエータ21は、コラムシャフト8に連結されるウォームホイール26と、モータ23に連結されるウォームギア27とを噛合させた減速機構25を備えた。そして、振動抑制補償制御部53は、操舵速度ωsが所定操舵速度領域内にないときに、振動抑制補償量Ivs*を小さくするような操舵速度ゲインKωsを演算する操舵速度ゲイン演算部72を備えた。上記構成によれば、ステアリング2の操舵速度ωsが、所定操舵速度領域内にない場合には、振動抑制補償量Ivs*を小さくするため、不要な補償成分が付加されることにより操舵フィーリングが悪化することを防止できる。
(5)振動抑制補償制御部53は、車速Vの増大に基づいて振動抑制補償量Ivs*を小さくするような車速ゲインKvを演算する車速ゲイン演算部73を備えた。上記構成によれば、車速の増大に基づいて振動抑制補償成分を小さくするため、車両の振動・騒音が大きくなり、トルクリップルによる振動が問題となりにくい高車速域において、不要な補償成分が付加されることにより操舵フィーリングが悪化することを防止できる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、基礎補償量制御部71は、ステップ102において、モータ信号としてのモータ回転角θに対し、第1のハイパスフィルタ処理とローパスフィルタ処理と施すことにより、特定周波数帯域の周波数成分を抽出するようにした。しかし、モータ信号としてモータ角速度ωを基礎補償量制御部71に入力するようにし、該モータ角速度ωに対してローパスフィルタ処理のみを施すことにより、特定周波数帯域の周波数成分を抽出するようにしてもよい。
・上記実施形態では、振動抑制補償制御部53は、振動抑制基礎補償量εvsに操舵速度ゲインKωs及び車速ゲインKvを乗算することにより、振動抑制補償量Ivs*を演算するようにしたが、これに限らず、その他のゲインを乗算するようにしてもよい。例えば、アシスト勾配Raが小さい領域では、振動抑制補償量Ivs*を小さくするようなアシスト勾配ゲインを乗算するようにしてもよい。
また、振動抑制補償制御部53は、振動抑制基礎補償量εvsに上記各ゲインを乗算せず、振動抑制基礎補償量εvsをそのまま振動抑制補償量Ivs*として出力するようにしてもよい。なお、このように構成しても、上記実施形態の(1)〜(3)に準じた作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、所定の操舵速度領域を所定の操舵速度ωs1よりも大きい操舵速度領域に設定し、図15に示すように操舵速度に応じて操舵速度ゲインKωsが変化するようにしたが、同図に示す以外の態様で操舵速度ゲインKωsが変化するようにしてもよい。
・上記実施形態では、図16に示すように車速Vの増大に基づいて車速ゲインKvが減少するようにしたが、これに限らず、同図に示す以外の態様で車速ゲインKvが変化するようにしてもよい。
・上記実施形態では、基礎補償量制御部71は、ステップ104において、モータ角速度ωが大きくなるほど、ステップ102でモータ回転角θから抽出された特定周波数帯域の周波数成分の位相進み量が大きくするようにしたが、これに限らず、モータ角速度ωとは無関係に、位相進みフィルタ処理による位相進み量を一定にしてもよい。なお、このように構成しても、上記実施形態の(1),(3)に準じた作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、基礎補償量制御部71は、ステップ103において、ステップ102でモータ回転角θから抽出された特定周波数帯域の周波数成分のうち、運転者がステアリング2を操舵する操舵周波数帯域の周波数成分を減衰させる第2のハイパスフィルタ処理を行うようにしたが、同ステップ103の処理を行わないようにしてもよい。なお、このように構成しても、上記実施形態の(1),(2)に準じた作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、モータ回転角θから図9に示すステップ102〜105の順序で各処理を施すことにより振動抑制基礎補償量εvsを演算するようにしたが、これに限らない。例えば、ステップ102の処理によってモータ回転角θから抽出された特定周波数帯域の周波数成分に対し、位相進みフィルタ処理を実行した後に、第2のハイパスフィルタ処理を実行するなど、各処理をその他の順序で実行することにより振動抑制基礎補償量εvsを演算してもよい。
・上記実施形態では、本発明をコラムアシスト型のEPSに具体化したが、所謂ラックアシスト型等、その他型式のEPSに適用してもよい。
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリング、3…ステアリングシャフト、21…EPSアクチュエータ、22…ECU、23…モータ、25…減速機構、26…ウォームホイール、27…ウォームギア、30…車速センサ、31…トルクセンサ、44…回転角センサ、53…振動抑制補償制御部、71…基礎補償量制御部、72…操舵速度ゲイン演算部、73…車速ゲイン演算部、I*…電流指令値、Ivs*…振動抑制補償量、Kωs…操舵速度ゲイン、Kv…車速ゲイン、V…車速、τ…操舵トルク、εvs…振動抑制基礎補償量、ωs…操舵速度。

Claims (6)

  1. モータを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、操舵トルクに基づき前記操舵力補助装置に発生させるべき前記アシスト力の基本アシスト成分を演算する電動パワーステアリング装置において、
    前記モータの回転状態を示すモータ信号から、車両側の機械的な構造と共振する特定周波数帯域の周波数成分を抽出する特定周波数抽出手段と、
    前記特定周波数抽出手段より抽出された周波数成分に基づいて、操舵系の振動を低減すべく振動抑制基礎成分を演算する振動抑制基礎成分演算手段とを備え、
    前記制御手段は、前記振動抑制基礎成分演算手段により演算された前記振動抑制基礎成分に基づいて振動抑制補償成分を演算し、該振動抑制補償成分を前記基本アシスト成分に重畳することにより、前記操舵力補助装置に発生させるべき目標アシスト力を演算するものであって、
    前記特定周波数抽出手段により抽出された周波数成分に対して位相進み補償を行うことにより、前記振動抑制補償成分の位相特性を調整する位相進み補償手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記位相進み補償手段は、前記モータの回転角速度が大きくなるほど、前記特定周波数抽出手段により抽出された周波数成分の位相進み量を大きくすることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記特定周波数抽出手段により抽出された周波数成分のうち、運転者がステアリングを操舵する操舵周波数帯域の周波数成分を減衰させるフィルタ手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、操舵速度に基づいて前記振動抑制補償成分を変更するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項4に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵力補助装置は、ステアリングシャフトに連結されるウォームホイールと、前記モータに連結されるウォームギアとを噛合させた減速機構を備え、該減速機構を介して前記モータの回転を操舵系に付与するものであって、
    前記制御手段は、ステアリングの操舵速度が前記減速機構において前記ウォームホイールと前記ウォームギアとの噛み合いにより前記特定周波数帯域の周波数成分が前記モータ信号に発生しやすい所定操舵速度領域内にないときに、前記振動抑制補償成分を小さくするようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、車速の増大に基づいて前記振動抑制補償成分を小さくするようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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