JP2006335228A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵フィーリングに干渉せず、またノイズの影響を抑えながら、運転者に不快なハンドル振動を抑制する電動パワーステアリング制御装置を得る。
【解決手段】振動を抑制する振動抑制制御トルクを演算する振動抑制制御手段と、主補助トルク制御器の出力と振動抑制制御手段の出力の差に応じたトータル補助トルクを発生させるモータと、車両の速度を検出する車速検出器とを備え、上記振動抑制制御手段は、モータ状態量検出手段と、振動周波数成分を抽出する振動周波数成分抽出手段と、車速検出器の出力により車速に応じた振動周波数を演算し、求められた振動周波数を含む周波数帯域に対してろ過特性を有するよう振動周波数成分抽出手段の定数を出力する振動周波数演算器と、モータ状態量検出手段と振動周波数成分抽出手段により、振動周波数成分が抽出されたモータ状態量に応じて、振動抑制制御量を演算する振動抑制制御量演算手段とで構成される。
【選択図】図1

Description

この発明は、モータにより操舵力を補助する電動パワーステアリング制御装置に関するものである。
電動パワーステアリング装置は、運転者がハンドルを回転させることによって生じる操舵トルクを操舵トルクセンサによって検出し、この検出されたトルクの値に応じた電流を、ステアリング装置の機構に噛み合って配置された電動モータに印加することにより上記電動モータを回転駆動し、運転者による操舵トルクを補助するために必要なアシストトルクを発生させ、転舵を行うものである。
停車時及び走行時に、ハンドルには様々な振動が伝わってくる。これらの振動は運転者にとって不快なものであるため、従来の電動パワーステアリング制御装置においては、振動抑制制御を行っている。例えば、特許文献1では、操舵フィーリングに干渉しないように、ハイパスフィルタで操舵周波数成分を除去し、その他の周波数成分に対して振動抑制を行っている。図14は従来の電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。
一方、特許文献2の技術では、ローパスフィルタを用いて操舵周波数以下の周波数成分は通過させ、振動周波数を含む高周波成分を除去しており、運転者に対し特に不快感を与える高周波振動が操舵ハンドルに伝達されることを防いでいる。
特開2000−168600号公報 特開平10−258748号公報
しかしながら、従来の特許文献1の技術では、操舵周波数成分に対しては考慮しているが、高周波の周波数成分には考慮していないため、ノイズの影響を大きく受けてしまう。ノイズの影響を抑えようとすると、振動に対しても振動抑制制御手段の出力を制限することになり、振動抑制効果が低減する。
また、従来の特許文献2の技術では、ローパスフィルタで高周波成分を除去しているが、ローパスフィルタの通過周波数帯域の上限値を高く設定すれば、振動周波数成分が残りやすく、低く設定すれば操舵フィーリングに干渉するため、あらゆる周波数に対して十分な振動抑制を行うことができない。
この発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、車速に応じた可変式振動周波数成分抽出手段を用いて振動周波数成分を主に振動抑制制御することにより、操舵フィーリングに干渉せず、またノイズの影響を抑えながら、運転者に不快なハンドル振動を抑制することを目的とするものである。
この発明に係わる電動パワーステアリング制御装置は、運転者による操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、少なくとも上記操舵トルクセンサの操舵トルク出力に応じた主補助トルクを演算し出力する主補助トルク制御器と、モータ振動,それに伴うステアリング系の振動及び外乱による振動を抑制する振動抑制制御トルクを演算し出力する振動抑制制御手段と、上記主補助トルク制御器の出力と上記振動抑制制御手段の出力の差に応じたトータル補助トルクを発生させるモータと、車両の速度を検出する車速検出器とを備え、上記振動抑制制御手段は、モータ状態量を測定または推定するモータ状態量検出手段と、
振動周波数成分を抽出する振動周波数成分抽出手段と、上記車速検出器の出力により車速に応じて主要となる振動周波数を演算し、求められた振動周波数を含む周波数帯域に対してろ過特性を有するように上記振動周波数成分抽出手段に対して上記振動周波数成分抽出手段の定数を出力する振動周波数演算器と、上記モータ状態量検出手段と上記振動周波数成分抽出手段により、振動周波数成分が抽出されたモータ状態量に応じて、振動抑制制御量を演算する振動抑制制御量演算手段とで構成されるものである。
また、運転者による操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、少なくとも上記操舵トルクセンサの操舵トルク出力に応じた主補助トルクを演算し出力する主補助トルク制御器と、モータ振動,それに伴うステアリング系の振動及び外乱による振動を抑制する振動抑制制御トルクを演算し出力する振動抑制制御手段と、上記主補助トルク制御器の出力と上記振動抑制制御手段の出力の差に応じたトータル補助トルクを発生させるモータと、車両の速度を検出する車速検出器とを備え、上記振動抑制制御手段は、モータ状態量を測定または推定するモータ状態量検出手段と、上記モータ状態量検出手段のモータ状態量出力に応じて、振動抑制制御量を演算する振動抑制制御量演算手段と、上記車速検出器の出力により車速に応じて主要となる振動周波数を演算し、求められた振動周波数を含む周波数帯域に対してろ過特性を有するように振動周波数成分抽出手段に対して上記振動周波数成分抽出手段の定数を出力する振動周波数演算器と、上記振動抑制制御量演算手段の出力から、振動周波数成分を抽出する上記振動周波数成分抽出手段とで構成されるものである。
この発明の電動パワーステアリング制御装置によれば、車速に応じた可変式振動周波数成分抽出手段を用いて振動周波数成分を主に振動抑制制御することにより、低周波において操舵フィーリングに干渉せず、また高周波においてノイズの影響を抑えながら、運転者に不快なハンドル振動を抑制することができる。
実施の形態1.
図1は実施の形態1である電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。なお、この発明はマイコンのソフトウェアを主要部として、従来技術の上記問題点を解決可能であり、ハードウェアについては従来公知の電動パワーステアリング装置を用いることができる。従来公知の電動パワーステアリング装置についてはその説明を省略する。
図1において、1は運転者が操舵した場合の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ、2は操舵トルクセンサ1の出力を位相補償してその周波数特性を改善する位相補償器、3は位相補償された操舵トルクセンサ1の出力に基づいて操舵トルクを補助する主補助トルク電流を演算し出力する主補助トルク制御器である。なお、主補助トルク電流を得るときには、舵角センサ(図示せず)の出力を加味して、導出しても良い。8は車両の速度を検出する車速検出器である。
モータ角速度センサ21は、モータ状態量を測定するモータ状態量検出手段で、例えばタコゼネレータ等で構成され、検出されたモータ角速度出力は、モータ角速度出力から振動周波数成分のみを抽出するモータ角速度BPF―C(BPF: bandpass filter )に導入される。振動周波数演算器9は、車速検出器8の出力により車速に応じて主要となる振動周波数を演算し、求められた振動周波数を含む周波数帯域に対してろ過特性を有するように、モータ角速度BPF−Cの特性を可変にするモータ角速度BPF−Cのフィルタ定数を出力する。モータ角速度BPF−Cで構成される振動周波数成分抽出手段10からは、モータ振動,モータ振動に伴うステアリング系の振動及び外乱による振動の周波数成分が抽出される。
角速度制御器12はモータ角速度BPF―Cの出力から操舵を角速度制御するための角速度制御電流を演算する。角度制御器14はモータ角速度BPF―Cの出力から積分器13によってモータ回転角を演算し、モータ回転角から操舵を角度制御するための角度制御電流を演算する。15は角速度制御器12で演算された角速度制御電流及び角度制御器14で演算された角度制御電流とを加算し、振動抑制制御電流を出力する加算器である。角速度制御器12,積分器13,角度制御器14及び加算器15で、振動抑制制御量演算手段18を構成する。また、振動周波数演算器9,振動周波数成分抽出手段10,振動抑制制御量演算手段18で、振動抑制制御手段20を構成する。
加算器4は主補助トルク制御器3で演算された主補助トルク電流から(加算器15で加算された)振動抑制制御電流を減算するように加算し、目標電流を演算する。これにより振動が抑制される目標電流が得られる。5は電流制御器であり、アシストトルクを発生すべく、電流検出器7で検出したモータ(即ち、電動パワーステアリングのモータ)6に通電される駆動電流検出値が上記目標電流に一致するように、モータ6の端子に印加する駆動電圧指令値を設定して、例えばPWM信号(PWM:pulse width modulation )として出力する。16は目標電流演算手段である。
ここで、振動周波数を演算し、振動周波数成分抽出手段10のBPFの定数を出力する振動周波数演算器9について説明する。一般に車速に比例して周波数が大きくなる振動要素があることが知られている。例えば、シミー振動が挙げられる。これは走行中に、タイヤのホイールバランスのずれを要因として発生し、車体振動とともにステアリングが回転方向に振動する。シミー振動は、車速が高くなるにつれて振動周波数が高くなるという特性をもつ。この車速依存性を利用すれば、車速から振動周波数を演算で容易に求めることができる。車速検出器8の出力に基づいて振動周波数演算器9は振動周波数を演算し、振動周波数成分抽出手段10の可変BPFの通過周波数帯域を設定する定数を出力する。
振動周波数演算器9の出力に基づいてBPFの特性を可変とし、振動周波数成分を抽出する振動周波数成分抽出手段10について説明する。一般に特定の周波数成分を抽出したい場合には、バンドパスフィルタが周波数抽出器として用いられる。振動周波数演算器9の出力に基づいて、モータ角速度BPF−Cの通過周波数帯域の設定を可変とすれば、位相ずれを生じることなくこれらの振動周波数成分のみを抽出することができる。
このように、振動周波数成分抽出手段10からは、モータ角速度の振動周波数成分を出力することができ、モータ角速度を積分した積分器13もモータ回転角度の振動周波数成分を出力することができる。したがって、振動抑制制御手段20は振動周波数成分に対する部分を主に、あるいは振動周波数成分に対してのみ制御を行うため、操舵フィーリングに干渉せず、またノイズの影響を受けない振動抑制が可能となる。
次に、上記構成の電動パワーステアリング制御装置の動作について、図2のフローチャートに基づいて説明する。まずステップS001で、操舵トルクセンサ1からの操舵トルク出力をマイコンに読み込みメモリに記憶し、ステップS002でモータ角速度センサ21からのモータ角速度出力を読み込みメモリに記憶する。またステップS003で、車速検出器8からの車速出力をマイコンに読み込みメモリに記憶する。次に、ステップS004で位相補償器2により、メモリに記憶された操舵トルク出力を読み込み位相補償演算を行い、位相補償器出力としてメモリに記憶する。
ステップS005では、主補助トルク制御器3により、メモリに記憶された位相補償器出力を読み込み、主補助トルク電流をマップ演算し、メモリに記憶する。ステップS006で振動周波数演算器9により、メモリに記憶された車速検出器8の車速出力を読み込み振動周波数を演算し、振動周波数を含むようにBPFの通過周波数帯域を設定する定数を定め、BPF定数としてメモリに記憶する。ステップS007では、モータ角速度BPF−Cにより、メモリに記憶されたモータ角速度出力を、メモリに記憶されたBPF定数で設定されたバンドパスフィルタに通し、振動周波数成分を抽出した後、モータ角速度BPF出力としてメモリに記憶する。
次に、ステップS008では、積分器13により、メモリに記憶されたモータ角速度BPF出力を積分しモータ回転角度を演算しメモリに記憶する。ステップS009では、角速度制御器12により、メモリに記憶された角速度出力から角速度制御電流を演算しメモリに記憶する。ステップS010では、角度制御器14により、メモリに記憶されたモータ回転角度から角度制御電流を演算しメモリに記憶する。ステップS011では、加算器15により、上記メモリに記憶された角速度制御電流と角度制御電流とを加算し、振動抑制制御電流としてメモリに記憶する。ステップS012では、加算器4により、上記メモリに記憶された主補助トルク電流から振動抑制制御電流を減算するように加算し、目標電流としてメモリに記憶する。
上記ステップS001からS012までの動作を制御サンプリング毎に繰り返し、位相補償された操舵トルク出力に応じた主補助トルク電流と、角速度制御器12及び角度制御器14から求めた振動抑制制御電流からモータ6の目標電流を演算する。
なお、同様にしてモータ角速度センサ21に代えて、ロータリーエンコーダ等のモータ回転角度センサでモータ回転角度信号を検出し、このモータ回転角度信号を回転角度BPFに導入し、回転角度BPF出力であるモータ回転角度信号を差分処理してモータ角速度を求めるように構成してもよい。この場合、S002は回転角度センサ出力読み込みとなり、S007はモータ回転角度信号にバンドパスフィルタを通すこととなる。
図3は実施の形態1に係わる電動パワーステアリング制御装置の他の構成を示すブロック図である。図1のブロック図では、モータ角速度センサ21(モータ状態量検出手段19)の出力をモータ角速度BPF―C(振動周波数成分抽出手段10)に加えて、モータ角速度の振動周波数成分を出力したが、図3のブロック図では、モータ角速度センサ21の出力から得た加算器15の振動抑制制御電流に、振動周波数成分抽出BPF―D(振動周波数成分抽出手段10)を通過させて、上記振動抑制制御電流の振動周波数成分を出力させ、これを加算器4に印加させるようにしてもよい。また、振動周波数成分抽出BPF―D(振動周波数成分抽出手段10)の位置は、図3のブロック図に示す位置に代わって、角速度制御器12と加算器15の間、及び角度制御器14と加算器15の間にそれぞれ挿入するようにしてもよい。
このように構成することにより、振動抑制制御手段20は、モータ状態量を測定するモータ状態量検出手段19と、上記モータ状態量検出手段19のモータ状態量出力に応じて、振動抑制制御量を演算する振動抑制制御量演算手段18と、車速検出器8の出力により車速に応じて主要となる振動周波数を演算し、求められた振動周波数を含む周波数帯域に対してろ過特性を有するように振動周波数成分抽出手段10に対して上記振動周波数成分抽出手段10の定数を出力する振動周波数演算器9と、上記振動抑制制御量演算手段18の出力から、振動周波数成分を抽出する上記振動周波数成分抽出手段10とで構成される。
以上のように、振動周波数成分抽出手段10からは、モータ角速度の振動周波数成分を出力することができと共に、モータ回転角度の振動周波数成分を出力することができる。したがって、振動抑制制御手段20は振動周波数成分に対する部分を主に、あるいは振動周波数成分に対してのみ制御を行うため、操舵フィーリングに干渉せず、またノイズの影響を受けない振動抑制が可能となる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2である電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。なお図中、各実施の形態間で、同一符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
図4において、操舵トルクセンサ1の出力から振動周波数成分のみを抽出するトルクBPF−A、電流検出器7で検出された駆動電流検出値から振動周波数成分のみを抽出する駆動電流BPF−B、車速検出器8の出力により車速に応じて主要となる振動周波数を演算し、求められた振動周波数を含む周波数帯域に対してろ過特性を有するように、トルクBPF−A及び駆動電流BPF−Bの特性を可変にするフィルタ定数を出力する振動周波数演算器9、トルクBPF−A及び駆動電流BPF−Bの出力から回転速度推定信号であるモータ角速度オブザーバ出力を発生するモータ角速度オブザーバ11を設けている。11は、例えば上記特許文献1に示されるモータの慣性モーメントを慣性項、操舵トルクセンサ1の剛性をバネ項とする振動方程式に対して構成される。トルクBPF−Aと駆動電流BPF−Bから構成される振動周波数成分抽出手段10からは、モータ振動,モータ振動に伴うステアリング系の振動及び外乱による振動の周波数成分が抽出され、モータ角速度オブザーバ11(モータ状態量検出手段19)から回転速度推定信号(モータの角速度推定信号)が得られる。
角速度制御器12はモータ角速度オブザーバ11の出力から操舵を角速度制御するための角速度制御電流を演算する、角度制御器14はモータ角速度オブザーバ11の出力から積分器13によってモータ回転角を演算し、モータ回転角から操舵を角度制御するための角度制御電流を演算する、加算器15は角速度制御器12で演算された角速度制御電流及び角度制御器14で演算された角度制御電流とを加算し、振動抑制制御電流(即ち振動抑制トルク)を出力する。角速度制御器12,積分器13,角度制御器14及び加算器15で振動抑制制御量演算手段18を構成する。また、振動周波数演算器9,振動周波数成分抽出手段10,モータ状態量検出手段19及び振動抑制制御量演算手段18で、振動抑制制御手段20を構成する。
加算器4は主補助トルク制御器3で演算された主補助トルク電流から(加算器15で加算された)振動抑制制御電流を減算するように加算し、目標電流を演算する。これにより振動が抑制される目標電流が得られる。5は電流制御器であり、アシストトルクを発生すべく、電流検出器7で検出したモータ(即ち、電動パワーステアリングのモータ)6に通電される駆動電流検出値が上記目標電流に一致するように、モータ6の端子に印加する駆動電圧指令値を設定して、例えばPWM信号(PWM:pulse width modulation )として出力する。
振動周波数演算器9の出力に基づいてBPFの特性を可変とし、振動周波数成分を抽出する振動周波数成分抽出手段10について説明する。一般に特定の周波数成分を抽出したい場合には、バンドパスフィルタが周波数抽出器として用いられる。振動周波数演算器9の出力に基づいて、トルクBPF−A及び駆動電流BPF−Bの通過周波数帯域の設定を可変とすれば、位相ずれを生じることなくこれらの振動周波数成分のみを抽出することができる。
モータ角速度オブザーバ11は振動周波数成分抽出手段10で抽出された振動周波数成分が入力されるため、モータ角速度の振動周波数成分を出力することができ、モータ角速度を積分した積分器13もモータ回転角度の振動周波数成分を出力することができる。したがって、振動抑制制御手段20は振動周波数成分に対する部分を主に、あるいは振動周波数成分に対してのみ制御を行うため、操舵フィーリングに干渉せず、またノイズの影響を受けない振動抑制が可能となる。
次に、上記構成の電動パワーステアリング制御装置の動作について、図5のフローチャートに基づいて説明する。図5は、実施の形態2における電動パワーステアリング制御装置の動作を説明するフローチャートである。なお、この発明の従来の技術と異なる点は、車速検出器8の出力を入力とする振動周波数演算器9で振動周波数を演算し、これに基づいて振動周波数成分抽出手段10のトルクBPF−A及び駆動電流BPF−Bの特性を可変にするアルゴリズムである。モータ6に通電する駆動電流の制御に関しては、PID式(PID:proportional-integral-derivative )の電流F/B制御あるいは目標電流とモータ回転信号とに基づくオープンループ制御等の一般的に行われる制御を、デジタル制御あるいはアナログ制御のいずれかの方式で実施してもよい。したがって、目標電流演算手段16におけるモータ6の目標電流を演算するまでのアルゴリズムに限定して説明を行う。なお、目標電流演算手段16は、位相補償器2,主補助トルク制御器3,振動抑制制御手段20及び加算器4で構成される。
まずステップS101で、操舵トルクセンサ1からの操舵トルク出力をマイコンに読み込みメモリに記憶し、ステップS102で電流検出器7からの駆動電流検出値を読み込みメモリに記憶する。またステップS103で、車速検出器8からの車速出力をマイコンに読み込みメモリに記憶する。次に、ステップS104で位相補償器2により、メモリに記憶された操舵トルク出力を読み込み位相補償演算を行い、位相補償器出力としてメモリに記憶する。
ステップS105では、主補助トルク制御器3により、メモリに記憶された位相補償器出力を読み込み、主補助トルク電流をマップ演算し、メモリに記憶する。ステップS106で振動周波数演算器9により、メモリに記憶された車速検出器8の車速出力を読み込み振動周波数を演算し、振動周波数を含むようにBPFの通過周波数帯域を設定する定数を定め、BPF定数としてメモリに記憶する。ステップS107ではトルクBPF−Aにより、メモリに記憶された操舵トルク出力を、メモリに記憶されたBPF定数で設定されたバンドパスフィルタに通し、振動周波数成分を抽出した後、トルクBPF出力としてメモリに記憶する。
ステップS108では、駆動電流BPF−Bにより、メモリに記憶された駆動電流検出値出力を、メモリに記憶されたBPF定数で設定されたバンドパスフィルタに通し、振動周波数成分を抽出した後、駆動電流BPF出力としてメモリに記憶する。ステップS109では、モータ角速度オブザーバ11において、メモリに記憶されたトルクBPF出力と駆動電流BPF出力とを読み込んだ後、モータ角速度推定値(モータ角速度振動信号)を演算しメモリに記憶する。
次に、ステップS110では、積分器13により、メモリに記憶されたモータ角速度推定値を積分しモータ回転角度を演算しメモリに記憶する。ステップS111では、角速度制御器12により、メモリに記憶されたモータ角速度推定値から角速度制御電流を演算しメモリに記憶する。ステップS112では、角度制御器14により、メモリに記憶されたモータ回転角度から角度制御電流を演算しメモリに記憶する。ステップS113では、加算器15により、上記メモリに記憶された角速度制御電流と角度制御電流とを加算し、振動抑制制御電流としてメモリに記憶する。ステップS114では、加算器4により、上記メモリに記憶された主補助トルク電流から振動抑制制御電流を減算するように加算し、目標電流としてメモリに記憶する。
上記ステップS101からS114までの動作を制御サンプリング毎に繰り返し、位相補償された操舵トルク出力に応じた主補助トルク電流と、角速度制御器12及び角度制御器14から求めた振動抑制制御電流からモータ6の目標電流を演算する。なお、上記実施の形態2では、振動周波数成分抽出手段10をBPFで構成したが、HPF( hi-pass filter )とLPF( low-pass filter )を組み合わせたものとしてもよい。
また、上記例では位相補償器2をデジタルで構成したが、アナログで構成してもよい。あるいは、位相補償器2をデジタルとアナログとを両方組み合わせた複数段の位相補償器としてもよい。この場合、S101は操舵トルクセンサ1の出力ではなく、操舵トルクセンサ1の出力を位相補償したアナログの位相補償器の出力を読み込んでメモリに記憶する動作を行うことになる。位相補償器をアナログのみで構成する場合はS104の演算が不要になる。また、位相補償器2をなくして、操舵トルク出力から主補助トルク電流を求めてもよい。この場合、S104のステップはなくなり、S105のステップは操舵トルク出力から主補助トルク電流を求めるようになる。
また、上記例では、モータ角速度オブザーバ11によって回転角速度を演算し、さらに積分によって回転角度を演算していたが、例えばタコゼネレータ等のモータ角速度センサで構成してもよい。この場合、S102は角速度センサ出力読み込みとなり、S107は不要となり、S108は角速度センサ出力にバンドパスフィルタを通すこととなり、S109が不要となる。また、上記例では、モータ角速度オブザーバ11によって回転速度を推定していたが、例えばロータリーエンコーダ等のモータ回転角度センサでモータ回転角信号を検出し、このモータ回転角信号を差分処理してモータ角速度を求めるように構成してもよい。この場合、S102は回転角度センサ出力読み込みとなり、S107は不要となり、S108はモータ回転角度にバンドパスフィルタを通すとなり、S109が不要となる。また、上記例では、角度制御器12と角速度制御器14の両方を用いた構成としたが、どちらか一方としてもよい。
さらに、実施の形態2では、主補助トルク制御器3の出力と角速度制御器12及び角度制御器14の出力から目標電流を求める構成としたが、従来例と同様、摩擦補償制御器および、慣性補償制御器とを備えた補償電流制御器を付加し、摩擦補償制御器出力や慣性補償制御器出力をさらに加えて目標電流を求めるような構成としてもよいことはいうまでもない。
図6は実施の形態2及び3に係わる電動パワーステアリング制御装置の他の構成を示すブロック図である。図4のブロック図では、モータ角速度オブザーバ11は振動周波数成分抽出手段10で抽出された振動周波数成分が入力されるため、モータ角速度の振動周波数成分を出力することができた。図6のブロック図では、操舵トルクセンサ1の出力と電流検出器7の出力よりモータ各速度オブザーバ11の出力を得、これより加算器15で振動抑制制御電流を得、これに振動周波数成分抽出BPF―D(振動周波数成分抽出手段10)を通過させて、上記振動抑制制御電流の振動周波数成分を出力させ、これを加算器4に印加させるようにしてもよい。
また、振動周波数成分抽出BPF―D(振動周波数成分抽出手段10)の位置は、図4のブロック図に示す位置に代わって、角速度制御器12と加算器15の間、及び角度制御器14と加算器15の間にそれぞれ挿入するようにしてもよいし、またはモータ角速度オブザーバ11の直後に挿入し、その出力を角速度制御器12と積分器13にそれぞれ入力するようにしてもよい。
このように構成することにより、振動抑制制御手段20は、モータ状態量を推定するモータ状態量検出手段19と、上記モータ状態量検出手段19のモータ状態量出力に応じて、振動抑制制御量を演算する振動抑制制御量演算手段18と、車速検出器8の出力により車速に応じて主要となる振動周波数を演算し、求められた振動周波数を含む周波数帯域に対してろ過特性を有するように振動周波数成分抽出手段10に対して上記振動周波数成分抽出手段10の定数を出力する振動周波数演算器9と、上記振動抑制制御量演算手段18の出力から、振動周波数成分を抽出する上記振動周波数成分抽出手段10とで構成される。
以上のように、振動周波数成分抽出手段10からは、モータ角速度の振動周波数成分を出力することができと共に、モータ回転角度の振動周波数成分を出力することができる。したがって、振動抑制制御手段20は振動周波数成分に対する部分を主に、あるいは振動周波数成分に対してのみ制御を行うため、操舵フィーリングに干渉せず、またノイズの影響を受けない振動抑制が可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3は、振動周波数成分抽出手段10のBPFの通過周波数帯域に制限を設けたものである。実施の形態3の構成を示すブロック図は図4と同様である。振動周波数成分抽出手段(特定周波数成分抽出手段)10のBPFの通過周波数帯域設定について説明する。上述のとおり、トルクBPF−A及び駆動電流BPF−Bの通過周波数帯域の設定は、振動周波数演算器9の出力であるBPF定数に基づいて行う。このとき、BPFの通過周波数帯域が操舵周波数帯域に重なると、操舵に影響を及ぼすことになる。操舵フィーリングに干渉せずに振動を抑制しなければならない。一般に運転者が操舵可能な周波数は3Hz程度以下である。また、例えばレーンチェンジ時の操舵周波数は0.2Hz付近であり、通常はこのような低周波の操舵を行うケースが多い。したがって、振動周波数成分抽出手段10において、トルクBPF−A及び駆動電流BPF−Bの通過周波数帯域の設定は3Hz以上で行う。
ここで、図7は振動周波数成分抽出手段10において、トルクBPF−A及び駆動電流BPF−Bの周波数特性(横軸は周波数[Hz]、縦軸はゲイン)を示した図である。例えば、図7(a)で示すように振動周波数演算器9より出力されたBPF定数に基づいて決定されたトルクBPF−A及び駆動電流BPF−Bの通過周波数帯域が操舵周波数帯域に重なった場合は、3Hz以上に所定値を設け、通過周波数帯域の下限値を所定値以上に設定する。図7(b)は通過周波数帯域の下限値を3Hzに設定した場合のトルクBPF−A及び駆動電流BPF−Bの周波数特性を示す図である。
図7(b)のように、振動周波数成分抽出手段の通過周波数帯域の下限値を運転者が可能な操舵周波数の上限値以上にすることにより、BPFの通過周波数帯域が操舵周波数帯域に重ならず、操舵に影響を及ぼすことになく、操舵フィーリングに干渉せずに振動を抑制することができる。
実施の形態4.
図8は実施の形態4における電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。図8に示すように実施の形態4は、実施の形態2又は実施の形態3に対して車速検出器8の出力に応じて角速度制御器12及び角度制御器14の出力、即ち振動抑制制御量演算手段18の出力を可変にする構成を加えたものである。
車速検出器8の出力により出力を可変にする角速度制御器12及び角度制御器14について説明する。シミー振動は、車速を上げていくと徐々に振動の振幅が大きくなり、特定の車速で振幅が最大になる。さらに車速を上げていくと、振幅は逆に小さくなるという特性を持つことが知られている。そこで、振動の振幅すなわち車速検出器8の出力によって、角速度制御器12及び角度制御器14の出力、即ち振動抑制制御量演算手段18の出力を可変にする。振動の振幅が大きい時、すなわち特定の車速において角速度制御器12及び角度制御器14の出力を大きくしてやれば、振動の大きさに対して適した値を振動抑制制御量演算手段18から出力できるため、更なる振動抑制効果が望める。
次に、上記構成の電動パワーステアリング制御装置の動作について、図9のフローチャートと共に説明する。なお、実施の形態4についても実施の形態2と同様に、目標電流演算手段16により、目標電流を演算するまでのアルゴリズムに限定して説明を行う。
まずステップS201で、操舵トルクセンサ1からの操舵トルク出力をマイコンに読み込みメモリに記憶し、ステップS202で電流検出器7からの駆動電流検出値を読み込みメモリに記憶する。またステップS203で、車速検出器8からの車速出力をマイコンに読み込みメモリに記憶する。次に、ステップS204で位相補償器2により、メモリに記憶された操舵トルク出力を読み込み位相補償演算を行い、位相補償器出力としてメモリに記憶する。
ステップS205では、主補助トルク制御器3により、メモリに記憶された位相補償器出力を読み込み、主補助トルク電流をマップ演算し、メモリに記憶する。ステップS206で振動周波数演算器9により、メモリに記憶された車速検出器8の車速出力を読み込み振動周波数を演算し、振動周波数を含むようにBPFの通過周波数帯域を設定する定数を定め、BPF定数としてメモリに記憶する。
ステップS207ではメモリに記憶された車速出力を読み込み、角速度制御器12及び角度制御器14のゲインを演算し、振動抑制制御ゲインとしてメモリに記憶する。ステップS208ではトルクBPF−Aにより、メモリに記憶された操舵トルク出力を、メモリに記憶されたBPF定数で設定されたバンドパスフィルタに通し、振動周波数成分を抽出した後、トルクBPF出力としてメモリに記憶する。ステップS209では、駆動電流BPF−Bにより、メモリに記憶された駆動電流検出値出力を、メモリに記憶されたBPF定数で設定されたバンドパスフィルタに通し、振動周波数成分を抽出した後、駆動電流BPF出力としてメモリに記憶する。
ステップS210では、モータ角速度オブザーバ11において、メモリに記憶されたトルクBPF出力と駆動電流BPF出力とを読み込んだ後、モータ角速度推定値を演算しメモリに記憶する。次に、ステップS211では、積分器13により、メモリに記憶されたモータ角速度推定値を積分しモータ回転角度を演算しメモリに記憶する。ステップS212では、角速度制御器12により、メモリに記憶されたモータ角速度推定値及び振動抑制制御ゲインを読み込み、角速度制御電流を演算しメモリに記憶する。ステップS213では、角度制御器14により、メモリに記憶されたモータ回転角度及び振動抑制制御ゲインを読み込み、角度制御電流を演算しメモリに記憶する。
ステップS214では、加算器15により、上記メモリに記憶された角速度制御電流と角度制御電流とを加算し、振動抑制制御電流としてメモリに記憶する。ステップS215では、加算器4により、上記メモリに記憶された主補助トルク電流から振動抑制制御電流を減算するように加算し、目標電流としてメモリに記憶する。上記ステップS201からS215までの動作を制御サンプリング毎に繰り返し、主補助トルク電流と、角速度制御器12及び角度制御器14から求めた振動抑制制御電流からモータ6の目標電流を演算する。
実施の形態5.
図10は実施の形態5にかかる電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。図10に示すように実施の形態5は、実施の形態2に対して振動抑制制限器17を加えたものである。なお、上記車速検出器の出力に応じて上記振動抑制制御量演算手段18の出力を可変とする実施の形態4に対しても適用は可能である。加算器15から出力された振動抑制制御電流の値を制限する振動抑制制限器17について説明する。上述のとおり、操舵周波数の範囲は0.2〜3Hzである。トルクBPF−A及び駆動電流BPF−Bの通過周波数帯域が低い場合、振動抑制制御電流において操舵による成分が残りやすくなり、振動抑制制御量演算手段18が操舵フィーリングに影響を及ぼしやすい。そこで、BPFの通過周波数帯域の下限値が操舵周波数帯域の上限値以下の場合、加算器15で出力された振動抑制制御電流を所定値以下にしてやれば操舵フィーリングへの影響を低減できる。
次に、図10に示す電動パワーステアリング制御装置の動作について、図11のフローチャートに基づいて説明する。なお、実施の形態5ついても実施の形態2〜実施の形態4と同様に、目標電流演算手段16により目標電流を演算するまでのアルゴリズムに限定して説明を行う。
まずステップS301で、操舵トルクセンサ1からの操舵トルク出力をマイコンに読み込みメモリに記憶し、ステップS302で電流検出器7からの駆動電流検出値を読み込みメモリに記憶する。またステップS303で、車速検出器8からの車速出力をマイコンに読み込みメモリに記憶する。次に、ステップS304で位相補償器2により、メモリに記憶された操舵トルク出力を読み込み位相補償演算を行い、位相補償器出力としてメモリに記憶する。
ステップS305では、主補助トルク制御器3により、メモリに記憶された位相補償器出力を読み込み、主補助トルク電流をマップ演算し、メモリに記憶する。ステップS306で振動周波数演算器9により、メモリに記憶された車速検出器8の車速出力を読み込み振動周波数を演算し、振動周波数を含むようにBPFの通過周波数帯域を設定する定数を定め、BPF定数としてメモリに記憶する。ステップS307ではトルクBPF−Aにより、メモリに記憶された操舵トルク出力を、メモリに記憶されたBPF定数で設定されたバンドパスフィルタに通し、振動周波数成分を抽出した後、トルクBPF出力としてメモリに記憶する。
ステップS308では、駆動電流BPF−Bにより、メモリに記憶された駆動電流検出値出力を、メモリに記憶されたBPF定数で設定されたバンドパスフィルタに通し、振動周波数成分を抽出した後、駆動電流BPF出力としてメモリに記憶する。ステップ309では、モータ角速度オブザーバ11において、メモリに記憶されたトルクBPF出力と駆動電流BPF出力とを読み込んだ後、モータ角速度推定値(モータ角速度振動信号)を演算しメモリに記憶する。
次に、ステップS310では、積分器13により、メモリに記憶されたモータ角速度推定値を積分しモータ回転角度を演算しメモリに記憶する。ステップS311では、角速度制御器12により、メモリに記憶されたモータ角速度推定値から角速度制御電流を演算しメモリに記憶する。ステップS312では、角度制御器14により、メモリに記憶されたモータ回転角度から角度制御電流を演算しメモリに記憶する。ステップS313では、加算器15により、上記メモリに記憶された角速度制御電流と角度制御電流とを加算し、振動抑制制御電流としてメモリに記憶する。
ステップS314では、メモリに記憶されたBPF定数を読み込み、BPFの通過周波数帯域の下限値が操舵可能周波数帯域の上限値以下かどうかを判断し、ステップの分岐を行う。上記の条件を満たせば、ステップS315に、満たさなければS316に進む。ステップS315では、振動抑制制限器17により、振動抑制制御電流を所定値以下に制限する。ステップS316では加算器4により、上記メモリに記憶された主補助トルク電流から振動抑制制御電流を減算するように加算し、目標電流としてメモリに記憶する。上記ステップS301からS316までの動作を制御サンプリング毎に繰り返し、主補助トルク電流と、角速度制御器12及び角度制御器14から求めた振動抑制制御電流からモータ6の目標電流を演算する。
実施の形態6.
図12は実施の形態6にかかわる電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。図12に示すように実施の形態6は、実施の形態5において、振動抑制制限器17の入力として主補助トルク制御器3の出力を付加した構成にしたものである。
加算器15から出力された振動抑制制御電流を制限する振動抑制制限器17の所定値の設定方法について説明する。振動抑制制限器17において、所定値を主補助トルク制御器3の出力である主補助トルク電流の値に設定し、BPFの通過周波数帯域の下限値が操舵可能周波数帯域の上限値以下の場合、振動抑制制御電流を主補助トルク制御器の出力以下に制限する。
次に、上記構成の電動パワーステアリング制御装置の動作について、図13のフローチャートに基づいて説明する。図13でステップS401〜ステップS413は、図11のS301〜ステップS313にそれぞれ相当するので、その説明を省略する。次にステップS414では、メモリに記憶されたBPF定数を読み込み、BPFの通過周波数帯域の下限値が操舵可能周波数帯域の上限値以下かを判断し、ステップの分岐を行う。上記の条件を満たせば、ステップS415に、満たさなければS416に進む。
ステップS415では、振動抑制制限器17により、メモリに記憶された振動抑制制御電流及び主補助トルク電流出力を読み込み、振動抑制制御電流を主補助トルク電流出力以下に制限する。ステップS416では加算器4により、上記メモリに記憶された主補助トルク電流から振動抑制制御電流を減算するように加算し、目標電流としてメモリに記憶する。上記ステップS401からS416までの動作を制御サンプリング毎に繰り返し、位相補償された操舵トルク出力に応じた主補助トルク電流と、角速度制御器12及び角度制御器14から求めた振動抑制制御電流からモータ6の目標電流を演算する。
実施の形態1に係わる電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1のアルゴリズムを示すフローチャートである。 実施の形態1に係わる電動パワーステアリング制御装置の他の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2及び3に係わる電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2及び3のアルゴリズムを示すフローチャートである。 実施の形態2及び3に係わる電動パワーステアリング制御装置の他の構成を示すブロック図である。 実施の形態3に係わるBPFの周波数特性を示す図である。 実施の形態4に係わる電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4のアルゴリズムを示すフローチャートである。 実施の形態5に係わる電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態5のアルゴリズムを示すフローチャートである。 実施の形態6に係わる電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態6のアルゴリズムを示すフローチャートである。 従来の電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 操舵トルクセンサ 2 位相補償器
3 主補助トルク制御器 4 加算器
5 電流制御器 6 モータ
7 電流検出器 8 車速検出器
9 振動周波数演算器 10 振動周波数成分抽出手段
A トルクBPF B 駆動電流BPF
C モータ角速度BPF D 振動周波数成分抽出BPF
11 モータ角速度オブザーバ 12 角速度制御器
13 積分器 14 角度制御器
15 加算器 16 目標電流演算手段
17 振動抑制制限器 18 振動抑制制御量演算手段
19 モータ状態量検出手段 20 振動抑制制御手段
21 モータ角速度センサ

Claims (7)

  1. 運転者による操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、
    少なくとも上記操舵トルクセンサの操舵トルク出力に応じた主補助トルクを演算し出力する主補助トルク制御器と、
    モータ振動,それに伴うステアリング系の振動及び外乱による振動を抑制する振動抑制制御トルクを演算し出力する振動抑制制御手段と、
    上記主補助トルク制御器の出力と上記振動抑制制御手段の出力の差に応じたトータル補助トルクを発生させるモータと、
    車両の速度を検出する車速検出器とを備え、
    上記振動抑制制御手段は、
    モータ状態量を測定または推定するモータ状態量検出手段と、
    振動周波数成分を抽出する振動周波数成分抽出手段と、
    上記車速検出器の出力により車速に応じて主要となる振動周波数を演算し、求められた振動周波数を含む周波数帯域に対してろ過特性を有するように上記振動周波数成分抽出手段に対して上記振動周波数成分抽出手段の定数を出力する振動周波数演算器と、
    上記モータ状態量検出手段と上記振動周波数成分抽出手段により、振動周波数成分が抽出されたモータ状態量に応じて、振動抑制制御量を演算する振動抑制制御量演算手段とで構成されることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 運転者による操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、
    少なくとも上記操舵トルクセンサの操舵トルク出力に応じた主補助トルクを演算し出力する主補助トルク制御器と、
    モータ振動,それに伴うステアリング系の振動及び外乱による振動を抑制する振動抑制制御トルクを演算し出力する振動抑制制御手段と、
    上記主補助トルク制御器の出力と上記振動抑制制御手段の出力の差に応じたトータル補助トルクを発生させるモータと、
    車両の速度を検出する車速検出器とを備え、
    上記振動抑制制御手段は、
    モータ状態量を測定または推定するモータ状態量検出手段と、
    上記モータ状態量検出手段のモータ状態量出力に応じて、振動抑制制御量を演算する振動抑制制御量演算手段と、
    上記車速検出器の出力により車速に応じて主要となる振動周波数を演算し、求められた振動周波数を含む周波数帯域に対してろ過特性を有するように振動周波数成分抽出手段に対して上記振動周波数成分抽出手段の定数を出力する振動周波数演算器と、
    上記振動抑制制御量演算手段の出力から、振動周波数成分を抽出する上記振動周波数成分抽出手段とで構成されることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  3. 上記振動周波数成分抽出手段は、バンドパスフィルタで構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 上記振動周波数成分抽出手段の通過周波数帯域の下限値を運転者が可能な操舵周波数の上限値以上にすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  5. 上記車速検出器の出力に応じて上記振動抑制制御量演算手段の入出力特性を可変とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. 上記振動抑制制御手段において、上記振動周波数演算器の出力により定められた上記振動周波数成分抽出手段の通過周波数帯域の下限値が、運転者が可能な操舵周波数帯域の上限値以下に設定された場合、上記振動抑制制御手段の出力を所定値以下に制限することを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3又は請求項5記載の電動パワーステアリング制御装置。
  7. 上記振動抑制制御手段の出力を制限する所定値は、上記振動抑制制御手段の出力が上記主補助トルク制御器の出力以下となるように定めることを特徴とする請求項6記載の電動パワーステアリング制御装置。
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