JP4466206B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、電動パワーステアリング装置は、操舵トルク及び車速から算出されたアシスト電動機の目標電流とアシスト電動機に流れる電動機電流との偏差に基づき、比例・積分制御(PI制御)若しくは比例・積分・微分制御(PID制御)を行っている。そして、従来の電動パワーステアリング装置におけるPI制御若しくはPID制御の比例要素の比例ゲイン及び積分要素の積分ゲインは、車速に基づき変更されていた(例えば、特許文献1参照)。具体的には、低車速の場合に比例・積分ゲインを小さくし、高車速の場合に比例・積分ゲインを大きくしていた。
特開平8−332969号公報
ここで、従来の電動パワーステアリング装置では、車両が低車速で走行している場合には、比例ゲイン及び積分ゲインが小さくなる。また、ステアリングホイールの中立位置付近の場合にはアシスト電動機の目標電流が小さくなる。つまり、低車速かつステアリングホイールが中立位置付近の場合には、比例ゲイン及び積分ゲインが小さくなるのに加えて目標電流も小さくなるため、ステアリングホイールを操作してから車輪が操向するまでに時間遅れがあり、操舵追従性が低下するという問題があった。
また、ステアリングホイールを最大操舵角まで操舵した場合には、車輪を操向させる部材がメカエンド部材に当たる。そして、ステアリングホイールを最大操舵角まで速く操舵した場合には、ステアリングホイールへの衝撃が大きくなり、操舵フィーリングが悪くなるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、車速に基づき比例ゲイン又は積分ゲインを変更するものではなく、ステアリングホイールの中立位置付近及びメカエンドにおいて、より良好な操舵フィーリングを得ることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、ステアリングホイールの絶対操舵角に基づきゲインを変更することを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電動パワーステアリング装置は、操舵力を補助するアシスト電動機と、ステアリング軸にかかる操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記操舵トルクに基づき前記アシスト電動機に供給する目標電流を設定する目標電流設定手段と、前記アシスト電動機に流れる電動機電流を検出する電動機電流検出手段と、前記目標電流と前記電動機電流との偏差に基づき比例要素及び積分要素の少なくとも何れか一方を含む比例積分制御手段と、前記比例積分制御手段の出力に基づき前記アシスト電動機を駆動する電動機駆動手段とを備える。そして、本発明の電動パワーステアリング装置は、さらに、絶対操舵角検出手段と、絶対操舵角ゲイン設定手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、絶対操舵角検出手段は、ステアリングホイールの絶対操舵角を検出する手段である。絶対操舵角ゲイン設定手段は、前記絶対操舵角検出手段により検出された前記絶対操舵角と、前記絶対操舵角が小さいほど前記比例要素の比例ゲイン及び前記積分要素の積分ゲインの少なくとも何れか一方が大きくなる絶対操舵角−ゲイン関係とに基づき、前記比例ゲイン及び前記積分ゲインの少なくとも何れか一方を変更して設定する手段である。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、絶対操舵角に基づき比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも何れか一方を変更している。そして、絶対操舵角が小さいほど比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも何れか一方が大きくなるようにされている。つまり、絶対操舵角が小さい場合であるステアリングホイールが中立位置付近の場合には、比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも何れか一方が大きな値となる。その結果、ステアリングホイールの中立位置付近の場合にはアシスト電動機の目標電流が小さくなるが、比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも何れか一方を大きくすることにより、ステアリングホイールを操作してから車輪が操向するまでの時間遅れが小さくなる。つまり、操舵追従性が良好となり、結果として良好な操舵フィーリングが得られる。
ここで、絶対操舵角−ゲイン関係が、絶対操舵角が小さいほど比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも何れか一方が大きくなる関係であるということは、言い換えると、絶対操舵角が大きくなるにつれて比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも何れか一方が小さくなる関係であることになる。
つまり、絶対操舵角が最大操舵角付近の場合である車輪を操向させる部材がメカエンド部材に当たる付近では、比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも何れか一方が小さな値となる。つまり、車輪を操向させる部材がメカエンド部材に当たる付近の操舵追従性を低下させている。ここで、操舵追従性を低下させるということは、ステアリングホイールを速く操舵した場合の操舵追従性を特に低下させ、ステアリングホイールをゆっくり操舵した場合にはそれほど影響はない。
従って、ステアリングホイールを速く操舵した場合であって、車輪を操向させる部材とメカエンド部材との当接位置付近においては、操舵追従性が特に低下するので、両部材が当接した場合であってもステアリングホイールへの衝撃を小さくすることができる。また、ステアリングホイールをゆっくり操舵した場合であって、車輪を操向させる部材とメカエンド部材との当接位置付近においては、操舵追従性への影響はないが、両部材が当接した場合であってもゆっくり操舵した場合のステアリングホイールへの衝撃はそもそも小さい。なお、アシスト電動機により操舵力を補助するアシスト力は変更することなく、ゲインを変更することにより操舵追従性を変更している。つまり、車輪を操向させる部材がメカエンド部材に当接したとき、ステアリングホイールを速く操舵した場合もゆっくり操舵した場合も、アシスト力は維持しつつ、ステアリングホイールへの衝撃を小さくすることができるので、操舵フィーリングが良好となる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本発明の電動パワーステアリング装置は、上述したように、アシスト電動機と、操舵トルク検出手段と、目標電流設定手段と、電動機電流検出手段と、比例積分制御手段と、電動機駆動手段と、絶対操舵角検出手段と、絶対操舵角ゲイン設定手段とを備える。ここで、絶対操舵角検出手段は、ステアリング軸に取付けられた角度センサとしてもよい。ただし、絶対操舵角度を検出することが出来る限り、他のセンサを用いてもよい。
また、本発明の電動パワーステアリング装置は、さらに、前記ステアリングホイールの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、前記操舵角速度に基づき前記比例ゲイン及び前記積分ゲインの少なくとも何れか一方を変更して設定する操舵角速度ゲイン設定手段と、を備えるようにしてもよい。操舵角速度に基づきゲインを変更することにより、操舵角速度に応じて操舵追従性を変化させることができる。
特に、前記操舵角速度ゲイン設定手段を、前記操舵角速度が大きくなるにつれて前記比例ゲイン及び前記積分ゲインの少なくとも何れか一方が大きくなる操舵角速度−ゲイン関係に基づき、前記比例ゲイン及び前記積分ゲインの少なくとも何れか一方を変更して設定することが好ましい。これにより、ステアリングホイールを速く操舵した場合(急操舵時)の操舵追従性を良好とすることができる。
また、本発明の電動パワーステアリング装置は、さらに、前記絶対操舵角に基づき前記ステアリングホイールの中立位置からの回転方向の反転を検出する回転方向反転検出手段と、前記回転方向の反転を検出した場合に前記比例積分制御手段の出力をフィルタリングするフィルタ手段とを備え、前記電動機駆動手段は、前記フィルタ手段によりフィルタリングされた前記比例積分制御手段の出力に基づき前記アシスト電動機を駆動するようにしてもよい。上述したように、ステアリングホイールの中立位置付近においては、比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも何れか一方を大きくしている。また、ステアリングホイールの中立位置付近では、ステアリングホイールの中立位置からの回転方向が右回転から左回転へ、若しくは、左回転から右回転へというように、反転している。さらに、ステアリングホイールから車輪へ回転を伝達する機構には、複数のギヤを備えている。つまり、ステアリングホイールの中立位置からの回転方向が反転すると、複数のギヤのバックラッシュによりアシスト電動機に流れる電流が急激に大きくなるおそれがある。このため、音や振動が発生するおそれがある。
しかし、ステアリングホイールの中立位置付近からの回転方向が反転した場合に、比例積分制御手段の出力をフィルタリングすることにより、アシスト電動機に流れる電流を抑制することができる。その結果、音や振動の発生を低減することができる。
なお、前記フィルタ手段は、前記回転方向の反転を検出したときから所定時間経過するまでの間前記比例積分制御手段の出力をフィルタリングするようにしてもよいし、前記回転方向の反転を検出したときから前記電動機電流が所定閾値を下回るまでの間前記比例積分制御手段の出力をフィルタリングするようにしてもよい。これらにより、適切な時間のみをフィルタリングすることができる。
次に、実施例を挙げて、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。電動パワーステアリング装置の全体構成のブロック図を図1に示す。図1に示すように、電動パワーステアリング装置は、操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)1と、車速センサ2と、操舵角速度センサ(操舵角速度検出手段)3と、絶対操舵角センサ(絶対操舵角検出手段)4と、目標電流設定部(目標電流設定手段)5と、第1比例・積分ゲイン設定部(操舵角速度ゲイン設定手段)6と、第2比例・積分ゲイン設定部(絶対操舵角ゲイン設定手段)7と、減算器8と、比例制御部(比例積分制御手段)9と、積分制御部(比例積分制御手段)10と、加算器11と、反転検出部(回転方向反転検出手段)12と、フィルタ部(フィルタ手段)13と、制御信号発生部14と、電動機駆動部(電動機駆動手段)15と、電動機電流検出部(電動機電流検出手段)17と、アシスト電動機16とから構成される。
(1)各種センサ1〜4
操舵トルクセンサ1は、ステアリング軸(図示せず)にかかる操舵トルクTsを検出するセンサである。ここで、ステアリングホイールに連結されたステアリング軸は、トーションバーを備えている。このトーションバーに操舵トルクセンサ1が取り付けられている。そして、ステアリングホイールが回転することによりトーションバーに回転力が加わり、その加わった回転力に応じてトーションバーが捻れる。このトーションバーの捻れに対応したステアリング軸にかかる操舵トルクが、操舵トルクセンサ1により検出される。車速センサ2は、車両の走行速度Vsを検出するセンサである。この車速センサ2は、車両の前輪に取り付けられている。
絶対操舵角センサ4は、ステアリング軸に取付けられており、ステアリングホイールの絶対操舵角Sθを検出するセンサである。具体的には、ステアリングホイールが中立位置からの操舵角度Sθが検出される。すなわち、ステアリングホイールが中立位置から右回転に操舵された場合には、中立位置から右回転方向の回転角度が検出される。この場合の絶対操舵角Sθは、正の値とされる。また、ステアリングホイールが中立位置から左回転に操舵された場合には、中立位置から左回転方向の回転角度が検出される。この場合の絶対操舵角Sθは、負の値とされる。
操舵角速度センサ3は、ステアリングホイールの操舵角速度strを検出するセンサである。ただし、操舵角速度センサ3は、ステアリングホイールの操舵角速度strを直接的に検出するセンサを用いてもよいし、上述した絶対操舵角センサ4により検出されたステアリングホイールの絶対操舵角Sθに基づき操舵角速度strを算出してもよい。すなわち、絶対操舵角Sθの微分値が操舵角速度strとなる。
(2)目標電流設定部5
目標電流設定部5は、まず、操舵トルクセンサ1により検出された操舵トルクTs及び車速センサ2により検出された車速Vsを入力する。そして、入力された操舵トルクTsの位相補償処理を行う。この位相補償処理が行われた操舵トルクTsと入力された車速Vsとに基づき、アシスト電動機16に供給する目標電流Itを設定する。この目標電流Itの設定は、予め記憶された操舵トルクTs及び車速Vsに対する目標電流Itの関係を示す目標電流マップに基づき行われる。
(3)第1比例・積分ゲイン設定部6
第1比例・積分ゲイン設定部6は、操舵角速度strに基づく第1比例ゲインKsp及び第1積分ゲインKsiを設定する。なお、第1比例ゲインKsp及び第1積分ゲインKsiは、後述する比例制御部9の比例要素の比例ゲイン及び積分制御部10の積分要素の積分ゲインに相当する。
ここで、第1比例・積分ゲイン設定部6の処理について、図2及び図3を参照して詳細に説明する。第1比例・積分ゲイン設定部6には、予め、図2に示す操舵角速度−第1比例ゲイン関係マップ及び図3に示す操舵角速度−第1積分ゲイン関係マップが記憶されている。ここで、操舵角速度−第1比例ゲイン関係マップは、図2に示すように、操舵角速度strが小さいときには第1比例ゲインKspは一定の小さな値とし、操舵角速度strが所定角速度に達すると徐々に第1比例ゲインKspが大きくなるようにしている。そして、操舵角速度strが所定角速度より大きくなると第1比例ゲインKspは一定の大きな値としている。また、操舵角速度−第1積分ゲイン関係マップは、図3に示すように、操舵角速度strが小さいときには第1積分ゲインKsiは一定の小さな値とし、操舵角速度strが所定角速度に達すると徐々に第1積分ゲインKsiが大きくなるようにしている。そして、操舵角速度strが所定角速度より大きくなると第1積分ゲインKsiは一定の大きな値としている。
そして、第1比例・積分ゲイン設定部6は、操舵角速度センサ3により検出又は算出された操舵角速度strを入力する。続いて、入力された操舵角速度strと、上述した操舵角速度−第1比例ゲイン関係マップ及び操舵角速度−第1積分ゲイン関係マップとに基づき、第1比例ゲインKsp及び第1積分ゲインKsiを設定する。つまり、入力された操舵角速度strに対応した第1比例ゲインKsp及び第1積分ゲインKsiが設定される。
(4)第2比例・積分ゲイン設定部7
第2比例・積分ゲイン設定部7は、絶対操舵角Sθに基づく第2比例ゲインKap及び第2積分ゲインKaiを設定する。なお、第2比例ゲインKap及び第2積分ゲインKaiは、後述する比例制御部9の比例要素の比例ゲイン及び積分制御部10の積分要素の積分ゲインに相当する。
ここで、第2比例・積分ゲイン設定部7の処理について、図4及び図5を参照して詳細に説明する。第2比例・積分ゲイン設定部7には、予め、図4に示す絶対操舵角−第2比例ゲイン関係マップ及び図5に示す絶対操舵角−第2積分ゲイン関係マップが記憶されている。ここで、絶対操舵角−第2比例ゲイン関係マップは、図4に示すように、絶対操舵角Sθの絶対値が小さいときには第2比例ゲインKapは大きな値とし、絶対操舵角Sθの絶対値が大きくなるにつれて第2比例ゲインKapが小さくなるようにしている。また、絶対操舵角−第2積分ゲイン関係マップは、図5に示すように、絶対操舵角Sθの絶対値が小さいときには第2積分ゲインKaiは大きな値とし、絶対操舵角Sθの絶対値が大きくなるにつれて第2積分ゲインKaiが小さくなるようにしている。
つまり、絶対操舵角Sθの絶対値が最も小さい場合、すなわちステアリングホイールの回転位置が中立位置付近にある場合に第2比例ゲインKap及び第2積分ゲインKaiが最も大きな値となる。そして、ステアリングホイールの回転位置が中立位置から遠ざかるにつれて第2比例ゲインKap及び第2積分ゲインKaiが徐々に小さくなる。そして、ステアリングホイールの絶対操舵角Sθが最大操舵角付近の場合には、第2比例ゲインKap及び第2積分ゲインKaiは最も小さな値としている。なお、絶対操舵角Sθが最大操舵角の場合とは、車輪を操向させる部材がメカエンド部材に当たる場合である。
そして、第2比例・積分ゲイン設定部7は、絶対操舵角センサ4により検出された絶対操舵角Sθを入力する。続いて、入力された絶対操舵角Sθと、上述した絶対操舵角−第2比例ゲイン関係マップ及び絶対操舵角−第2積分ゲイン関係マップとに基づき、第2比例ゲインKap及び第2積分ゲインKaiを設定する。つまり、入力された絶対操舵角Sθに対応した第2比例ゲインKap及び第2積分ゲインKaiが設定される。
(5)減算器8
減算器8は、目標電流設定部5にて設定された目標電流Itから後述する電動機電流検出部17にて検出された電動機電流Idを減算された偏差電流(偏差)ΔI(=It−Id)を算出する。
(6)比例制御部9
比例制御部9は、減算器8にて算出された偏差電流ΔIを入力し、入力された偏差電流ΔIに比例要素の比例ゲインKpを乗算して得られる比例要素電流Ipを算出する。なお、比例ゲインKpが大きく設定された場合には、電動機電流Idを目標電流Itに速やかに収束させることができる。ここで、比例制御部9は、比例要素の比例ゲインKpを算出するために、第1比例・積分ゲイン設定部6及び第2比例・積分ゲイン設定部7にて設定された第1比例ゲインKsp及び第2比例ゲインKapを入力する。この入力された第1比例ゲインKsp及び第2比例ゲインKapに基づき、数1に示すように、比例ゲインKpを算出する。
Figure 0004466206
(7)積分制御部10
積分制御部10は、減算器8にて算出された偏差電流ΔIを入力し、入力された偏差電流ΔIに積分ゲインKiで積分制御を行った積分要素電流Iiを算出する。なお、積分要素の積分ゲインKiが大きく設定された場合には、電動機電流Idを目標電流Itに速やかに収束させることができる。ここで、積分制御部10は、積分要素の積分ゲインKiを算出するために、第1比例・積分ゲイン設定部6及び第2比例・積分ゲイン設定部7にて設定された第1積分ゲインKsi及び第2積分ゲインKaiを入力する。この入力された第1積分ゲインKsi及び第2積分ゲインKaiに基づき、数2に示すように、積分ゲインKiを算出する。
Figure 0004466206
(8)加算器11
加算器11は、比例制御部9にて算出された比例要素電流Ipと積分制御部10にて算出された積分要素電流Iiとを加算して、比例積分電流Ipi(=Ip+Ii)を算出する。
(9)反転検出部12
反転検出部12は、絶対操舵角センサ4により検出された絶対操舵角Sθを入力する。そして、入力された絶対操舵角Sθに基づき、ステアリングホイールの中立位置からの回転方向の反転を検出する。この回転方向の反転とは、ステアリングホイールの中立位置から回転方向が、右回転から左回転へ、若しくは、左回転から右回転へ操舵された場合である。つまり、絶対操舵角Sθが、正の値から負の値に、若しくは、負の値から正の値に変化した場合である。そして、反転検出部12は、ステアリングホイールの回転方向の反転を検出した場合には、後述するフィルタ部13に反転検出信号を出力している。
(10)フィルタ部13
フィルタ部13は、加算器11により算出された比例積分電流Ipi及び反転検出部12により検出された反転検出信号を入力する。そして、反転検出信号が入力された場合に、比例積分電流Ipiをフィルタリングしている。つまり、反転検出信号が入力されない場合には、加算器11から入力された比例積分電流Ipiがそのまま後述する制御信号発生部14に出力している。
以下に、フィルタ部13について図6を参照して詳細に説明する。図6は、フィルタ部13の構成を示すブロック図である。図6に示すように、フィルタ部13は、ローパスフィルタ部131と、第1フィルタ切替部132と、タイマ133とから構成される。ローパスフィルタ部131は、加算器11により算出された比例積分電流Ipiを入力する。このローパスフィルタ部131は、入力された比例積分電流Ipiに対してローパスフィルタによりフィルタリングを行うことなくそのまま出力する場合と、入力された比例積分電流Ipiに対してローパスフィルタによりフィルタリングを行う場合との切替可能な構成とされている。この切替は、第1フィルタ切替部132により行われる。
第1フィルタ切替部132は、反転検出部12から反転検出信号を入力する。そして、反転検出信号が入力された場合には、第1フィルタ切替部132は、ローパスフィルタ部131に対してフィルタリングを行うように切り替える。さらに、第1フィルタ切替部132は、反転検出信号が入力された場合に、タイマ133を始動させる。そして、タイマ133が始動してから予め設定した所定時間経過した場合に、第1フィルタ切替部132はタイマ133から所定時間経過信号を入力する。そうすると、第1フィルタ切替部132は、ローパスフィルタ部131に対してフィルタリングを行わないように切り替える。
つまり、フィルタ部13は、反転検出部12がステアリングホイールの回転方向が反転された場合に、反転されたときから所定時間経過するまでの間、比例積分電流Ipiをフィルタリングして出力している。
ここで、このようにステアリングホイールの回転方向の反転に応じてフィルタリングを行う場合とフィルタリングを行わない場合とに切り替える理由について図7を参照して説明する。図7は、ステアリングホイールの回転方向が反転した場合のアシスト電動機16に流れる電動機電流について示した図である。図7に示すように、ステアリングホイールの回転方向の反転時T1直後には、電動機電流が急激に大きくなる。これは、ステアリングホイールから車輪への回転を伝達する機構が備える複数のギヤのバックラッシュの影響である。つまり、ステアリングホイールの回転方向が反転したときに、比例積分電流Ipiをフィルタリングすることにより、図7に示すような電動機電流の急激な変化を低減することができる。
(11)制御信号発生部14、電動機駆動部15、アシスト電動機16及び電動機電流検出部17
制御信号発生部14は、フィルタ部13から出力される比例積分電流Ipiに基づきPWM信号を算出して、電動機駆動部15に出力する。そして、電動機駆動部15は、制御信号発生部14から出力されたPWM信号に基づき、アシスト電動機16に電流が供給される。このアシスト電動機16に電流が供給されることにより、操舵補助力を発生させる。なお、アシスト電動機16は、例えば、ブラシレス直流モータなどである。電動機電流検出部17は、アシスト電動機16に流れる電動機電流Idを検出して、検出した電動機電流Idを減算器8に出力する。
(12)本実施例の電動パワーステアリング装置の効果
上述した電動パワーステアリング装置によれば、絶対操舵角Sθの絶対値が小さいときに比例ゲインKp及び積分ゲインKiを大きくしている。これにより、ステアリングホイールの中立位置付近における操舵追従性が非常に良好となり、良好な操舵フィーリングが得られる。これは、低車速の場合であっても高車速の場合であっても同様である。さらに、絶対操舵角Sθの絶対値が大きいときには比例ゲインKp及び積分ゲインKiを小さくしている。これにより、ステアリングホイールの絶対操舵角Sθが最大操舵角付近の場合、すなわち車輪を操向させる部材とメカエンド部材との当接位置付近において、操舵追従性が低下する。その結果、車輪を操向させる部材とメカエンド部材とが当接した場合であっても、ステアリングホイールへの衝撃が低減する。また、操舵角速度strが大きいほど比例ゲインKp及び積分ゲインKiを大きくしているので、急操舵時の操舵追従性が良好となる。
さらに、ステアリングホイールの回転方向が反転した場合に、比例積分電流Ipiをフィルタリングすることにより、バックラッシュによるアシスト電動機16に流れる電動機電流が急激に上昇することを防止することができる。つまり、電動機電流が急激に上昇することに伴う音や振動を低減することができる。
(13)他の実施例
フィルタ部13は、図8に示すような構成としてもよい。このフィルタ部13は、図8に示すように、ローパスフィルタ部131と、第2フィルタ切替部134とから構成される。ローパスフィルタ部131は、上記実施例のローパスフィルタ部131と同様である。
第2フィルタ切替部134は、反転検出部12から反転検出信号を入力する。そして、反転検出信号が入力された場合には、第2フィルタ切替部134は、ローパスフィルタ部131に対してフィルタリングを行うように切り替える。さらに、第2フィルタ切替部132は、電動機電流検出部17により検出される電動機電流Idを入力する。そして、反転検出信号が入力された後に、電動機電流検出部17から入力された電動機電流Idが所定閾値を下回った場合に、第2フィルタ切替部134はローパスフィルタ部131に対してフィルタリングを行わないように切り替える。
つまり、フィルタ部13は、反転検出部12がステアリングホイールの回転方向が反転された場合に、反転されたときから電動機電流Idが所定閾値を下回るまでの間、比例積分電流Ipiをフィルタリングして出力している。
本実施例の電動パワーステアリング装置を示すブロック図である。 操舵角速度−第1比例ゲイン関係マップを示す図である。 操舵角速度−第1積分ゲイン関係マップを示す図である。 絶対操舵角−第2比例ゲイン関係マップを示す図である。 絶対操舵角−第2積分ゲイン関係マップを示す図である。 フィルタ部13を示すブロック図である。 ステアリングホイールの回転方向が反転した場合のアシスト電動機16に流れる電動機電流について示した図である。 他の実施例におけるフィルタ部13を示すブロック図である。
符号の説明
1:操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)、 2:車速センサ、 3:操舵角速度センサ(操舵角速度検出手段)、 4:絶対操舵角センサ(絶対操舵角検出手段)、 5:目標電流設定部(目標電流設定手段)、 6:第1比例・積分ゲイン設定部(操舵角速度ゲイン設定手段)、 7:第2比例・積分ゲイン設定部(絶対操舵角ゲイン設定手段)、 8:減算器、 9:比例制御部(比例積分制御手段)、 10:積分制御部(比例積分制御手段)、 11:加算器、 12:反転検出部(回転方向反転検出手段)、 13:フィルタ部(フィルタ手段)、 14:制御信号発生部、 15:電動機駆動部(電動機駆動手段)、16:アシスト電動機、 17:電動機電流検出部(電動機電流検出手段)、 131:ローパスフィルタ部、 132:第1フィルタ切替部、 133:タイマ、 134:第2フィルタ切替部

Claims (6)

  1. 操舵力を補助するアシスト電動機と、
    ステアリング軸にかかる操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    前記操舵トルクに基づき前記アシスト電動機に供給する目標電流を設定する目標電流設定手段と、
    前記アシスト電動機に流れる電動機電流を検出する電動機電流検出手段と、
    前記目標電流と前記電動機電流との偏差に基づき比例要素及び積分要素の少なくとも何れか一方を含む比例積分制御手段と、
    前記比例積分制御手段の出力に基づき前記アシスト電動機を駆動する電動機駆動手段と、
    を備えた電動パワーステアリング装置において、
    さらに、ステアリングホイールの絶対操舵角を検出する絶対操舵角検出手段と、
    前記絶対操舵角検出手段により検出された前記絶対操舵角と前記絶対操舵角が小さいほど前記比例要素の比例ゲイン及び前記積分要素の積分ゲインの少なくとも何れか一方が大きくなる絶対操舵角−ゲイン関係とに基づき、前記比例ゲイン及び前記積分ゲインの少なくとも何れか一方を変更して設定する絶対操舵角ゲイン設定手段と、
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. さらに、前記ステアリングホイールの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、
    前記操舵角速度に基づき前記比例ゲイン及び前記積分ゲインの少なくとも何れか一方を変更して設定する操舵角速度ゲイン設定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記操舵角速度ゲイン設定手段は、前記操舵角速度が大きくなるにつれて前記比例ゲイン及び前記積分ゲインの少なくとも何れか一方が大きくなる操舵角速度−ゲイン関係に基づき、前記比例ゲイン及び前記積分ゲインの少なくとも何れか一方を変更して設定することを特徴とする請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. さらに、前記絶対操舵角に基づき前記ステアリングホイールの中立位置からの回転方向の反転を検出する回転方向反転検出手段と、
    前記回転方向の反転を検出した場合に前記比例積分制御手段の出力をフィルタリングするフィルタ手段と、を備え、
    前記電動機駆動手段は、前記フィルタ手段によりフィルタリングされた前記比例積分制御手段の出力に基づき前記アシスト電動機を駆動することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記フィルタ手段は、前記回転方向の反転を検出したときから所定時間経過するまでの間前記比例積分制御手段の出力をフィルタリングすることを特徴とする請求項4記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記フィルタ手段は、前記回転方向の反転を検出したときから前記電動機電流が所定閾値を下回るまでの間前記比例積分制御手段の出力をフィルタリングすることを特徴とする請求項4記載の電動パワーステアリング装置。
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