JP2017210009A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】PI制御のゲインを変更することなく、モータ速度(舵角速度×ギア比)に基づいて、ハンドルの慣性やトーションバーのバネ性に起因するハンドル振動(異音)を抑制し、運転者に不快感を与えないようにした電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値演算部で演算された電流指令値によってモータを駆動し、減速機構を介して車両の操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、少なくとも振動抑制フィルタを備え、操舵トルクの振動成分を抑制した電流指令値を出力する微分補償部と、モータ速度若しくは舵角速度及び減速機構のギア比の乗算値に基づいて、ハンドルの慣性及びトーションバーのバネ性による振動を抑制するための制振補償指令値を演算する制振補償部とを具備しており、それぞれの指令値を組み合わせてモーターを駆動する。【選択図】図4

Description

本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて演算された電流指令値により、車両の操舵系にモータによるアシスト力を、減速機構を介して付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特にハンドルの慣性やトーションバーのバネ性に起因するハンドル振動(異音)を抑制すると共に、操舵トルクに対する制振効果を高めた電動パワーステアリング装置に関する。
車両のステアリング機構にモータの回転力で操舵補助力(アシスト力)を付与する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機構を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置(EPS)は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速機構の減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクThを検出するトルクセンサ10及び操舵角θを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速機構の減速ギア(ギア比n)3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Vsとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによってモータ20に供給する電流を制御する。舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良い。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)50が接続されており、車速VsはCAN50から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN50以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN51も接続可能である。
コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCU等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTh及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN50からの)車速Vsは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTh及び車速Vsに基づいて、図3に示すような特性のアシストマップを用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部39Aに入力される。なお、図3のアシストマップでは操舵トルクThを正負にしているが、操舵トルクThの絶対値で電流指令値Iref1を演算する特性であっても良い。
また、制御の応答性を高めるための微分部39が設けられており、操舵トルクThを微分して(必要に応じてゲインを乗算し)電流換算した電流指令値Idが加算部39Aに入力され、加算部39Aで電流指令値演算部31からの電流指令値Iref1と加算されて微分補償される。
微分補償された電流指令値Iref2は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差ΔI(=Irefm−Im)が演算され、その偏差ΔIが操舵動作の特性改善のためのPI制御部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。インバータ37は駆動素子としてFETが用いられ、FETのブリッジ回路で構成されている。
また、加算部32Aには補償信号生成部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部34は、セルフアライニングトルク(SAT)343と慣性342を加算部344で加算し、その加算結果に更に収れん性341を加算部345で加算し、加算部345の加算結果を補償信号CMとしている。
このような電動パワーステアリング装置のCPU(マイクロコンピュータ等)は、上述のようにPI制御によって、モータを制御するための電圧制御指令値を生成する。PI制御のゲインは、車両の種類毎に適切な値に調整される。
PI制御のゲインを大きくすると、ノイズ等に起因する異音や振動が発生する。そのため、PI制御のゲインは、振動や異音が発生しないように制限しておく必要があるが、このようにPI制御のゲインを制限すると、電流制御の周波数特性が低下し、操舵補助の応答性を高めるのが困難である。また、PI制御のゲインを十分に低くした場合であってもなお、操舵系の共振周波数付近での振動を完全には回避することができず、必ずしも良好な操舵フィーリングが得られていなかった。
このような問題を解決するものとして、例えば特開2006−188183号公報(特許文献1)に示される電動パワーステアリング装置が提案されている。即ち、特許文献1の電動パワーステアリング装置は、操作部材の振動を検出する振動検出手段を設け、振動検出手段によって操作部材の振動が検出されたときに、PI制御の比例ゲイン及び積分ゲインのうちの少なくともいずれか一方を低下させるゲイン変更手段を備えている。
特開2006−188183号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置では、振動抑制のために、電流制御のPI制御のゲイン(比例ゲイン及び積分ゲインの少なくともいずれか一方)を変更するようになっている。そのため、ゲインの変更が、他の制御や操舵フィーリングに影響してしまう恐れがある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、PI制御のゲインを変更することなく、モータ速度や舵角速度及びギア比の要因に基づいて、ハンドルの慣性やトーションバーのバネ性に起因するハンドル振動(異音)を抑制し、運転者に不快感を与えないようにした電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値演算部で演算された電流指令値1によってモータを駆動し、減速機構を介して車両の操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、少なくとも振動抑制フィルタを備え、前記操舵トルクの振動成分を抑制した電流指令値2を出力する微分補償部と、モータ速度、若しくは舵角速度及び前記減速機構のギア比の乗算値に基づいて、ハンドルの慣性及びトーションバーのバネ性による振動を抑制するための制振補償指令値を演算する制振補償部とを具備しており、前記制振補償指令値がゼロとなるタイミングが、前記モータ速度若しくは前記乗算値がゼロとなるタイミングより早くなり、前記電流指令値2を前記電流指令値1に加算した電流指令値3を、前記制振補償指令値で補正した電流指令値4によって前記モータを駆動することにより達成される。
本発明の上記目的は、前記微分補償部が、前記操舵トルクを微分する微分部を有しており、前記微分部により微分された微分操舵トルクが前記振動抑制フィルタに入力されるようになっていることにより、或いは前記振動抑制フィルタがノッチフィルタであることにより、或いは前記振動抑制フィルタが、前記操舵トルクを入力する第1BPFと、前記第1BPFの出力を前記操舵トルクに感応してゲイン倍する第1トルク感応ゲイン部と、前記第1トルク感応ゲイン部からの出力を前記車速に感応してゲイン倍する第1車速感応ゲイン部と、前記操舵トルクから前記第1車速感応ゲイン部の出力を減算する減算部とで構成されていることにより、或いは前記微分補償部が、前記操舵トルクを微分する微分部を有しており、前記微分部により微分された微分操舵トルクが前記第1BPFに入力されるようになっていることにより、或いは前記制振補償部が、前記ハンドルが正反転振動することにより正弦波状に変化する前記モータ速度若しくは前記乗算値を、前記モータ速度に同期した台形波状の制振補償値1に変換する速度感応テーブルと、前記制振補償値1をBPF濾過処理して前記慣性及び前記バネ性による振動の周波数成分を残して制振補償値2を出力する第2BPFと、前記第2BPFの出力を前記操舵トルクに感応してゲイン倍する第2トルク感応ゲイン部と、前記第2トルク感応ゲイン部からの出力を前記車速に感応してゲイン倍する第2車速感応ゲイン部とで構成されていることにより、或いは前記速度感応テーブル及び前記第2BPFを速度感応テーブルで置き換えることにより、より効果的に達成される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、モータ速度、舵角速度及びギア比の要因(乗算値)に基づいて、操舵反転時のみに、速度感応テーブルとBPF(バンドパスフィルタ)を用いて制振補償指令値を演算しているので、ハンドル慣性とトーションバーバネ性による生じるハンドルの振動を抑制し、運転者の不快に感じる振動や異音の抑制を実現することができる。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、PI制御のゲインを変更することなく、ブレーキジャダーやシミーなどの車両の足回りの共振の影響によるハンドル振動の低減を図ることができると共に、悪路走行中に路面から操舵系に力が伝達されることによるハンドル振動や、その他の要因によるハンドル振動の低減を図ることができる。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 アシストマップの一例を示す特性図である。 本発明の全体構成例を示すブロック図である。 微分補償部の構成例を示すブロック図である。 トルク感応ゲイン部の特性例を示す特性図である。 車速感応ゲイン部の特性例を示す特性図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。 本発明の動作例を示すタイミングチャートである。 振動抑制フィルタの構成例を示すブロック図である。 本発明の効果を示すシミュレーション図である。 速度感応テーブルの他の特性例を示す図である。 制振補償部の他の構成例を示すブロック図である。
本発明では、ハンドルの慣性やトーションバーのバネ性等に起因するハンドルの振動(異音)を抑制し、運転者の不快に感じる振動を抑制する。
このため、本発明の電動パワーステアリング装置では制振補償部を設け、舵角センサで検出された舵角θ(若しくは推定された舵角)を微分して得られる舵角速度を求めると共に、減速機構での減速ギア比を求めておき、モータ速度、或いは舵角速度(舵角θの微分成分)及びギア比の要因(舵角速度×ギア比)に応じた速度感応テーブルを通して決定されるテーブル出力値(制振補償値1)をBPF(バンドパスフィルタ)に通し、BPFの出力値(制振補償値2)に対し、操舵トルクに基づいたゲイン及び車速に基づいたゲインを乗算して制振補償指令値を演算する。また、電流指令値演算部における電流指令値の演算に合わせて、操舵系の安定性を高める微分補償部を設けると共に、微分補償部に振動抑制フィルタ(ノッチフィルタ等)を配設して、振動や異音発生の一層の抑制を図るために、操舵トルクの振動成分を除去若しくは抑制された電流指令値を得ている。
制振補償部で演算された制振補償指令値を、振動を抑制された電流指令値から減算して補正し、補正された電流指令値でモータを駆動することで、ハンドルの振動を抑制している。なお、舵角速度×ギア比の要因は、モータ速度ωに相当している。
本発明によれば、モータ速度、若しくは舵角速度×ギア比の要因に感応する速度感応テーブルとBPFを用いて制振補償指令値を演算しているので、操舵反転時のみに制振補償指令値が発生し、他の制御や操舵フィーリングへの影響を最低限に収めることができる。また、電流指令値は振動抑制フィルタを経て出力されるので、振動成分を除去若しくは抑制された電流指令値を生成でき、より的確に振動や異音の発生を抑制することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図4は本発明の構成例を図2に対応させて示しており、本発明では、モータ速度ω(若しくは舵角速度及び減速機構のギア比の乗算値で良いが、以下では単に「モータ速度ω」で説明する)に基づいて、ハンドルの慣性及びトーションバーのバネ性による振動を抑制するための制振補償指令値VCcを演算する制振補償部40を設けると共に、電流指令値演算部31に操舵トルクThに対する微分補償を行う微分補償部60を設けている。即ち、制振補償部40は、モータ速度ωを入力し、モータ速度ωのゼロ前後で台形波状の制振補償値VC1を出力する速度感応テーブル41と、速度感応テーブル41からの制振補償値VC1をバンドパス濾過するBPF(バンドパスフィルタ)42と、BPF42からの制振補償値VC2を操舵トルクThに応じてゲインGt倍するトルク感応ゲイン部43と、トルク感応ゲイン部43からの制振補償値VC3を車速Velに応じてゲインGv倍し、制振補償指令値VCcとして出力する車速感応ゲイン部44とで構成されている。制振補償指令値VCcは加減算部32Cに減算入力される。
また、微分補償部60は図5に示すように、操舵トルクを微分する微分部61と、操舵トルクThに関する振動抑制を図る振動抑制フィルタ62とで構成されており、振動抑制フィルタ62から振動成分を除去若しくは抑制された電流指令値Irefxを出力するようになっている。電流指令値Irefxは加算部32Dに入力され、加算された電流指令値Irefdが加減算部32Cに加算入力される。
本発明では、加減算部32Cに振動抑制された電流指令値Irefd及び補償信号CMを加算入力すると共に、制振補償部40で演算された制振補償指令値VCcを減算入力し、上述のようにして生成された電流指令値Iref1を補正して電流指令値Iref2を求めている。電流指令値Iref2以降の動作は、前述の図2の場合と全く同様である。
なお、本発明では、補償信号生成部34による補償信号CMによる補償は、必須のものではない。
制振補償部40内のトルク感応ゲイン部43は、操舵トルクThに対して図6に示すように、所定トルク値1(本例では0.5Nm)まで一定ゲインGtを保持し、所定トルク値1から所定トルク値2(本例では1.0Nm)まではゲインGtが増加し、所定トルク値2以上で一定ゲインGtを保持する特性となっている。つまり、低トルク時に小さい値で、あるトルク(所定トルク値1)から徐々に増加して行き、ある値(所定トルク値2)で飽和する特性である。こうすることで、ハンドル振動が発生し易い操舵トルクの状態(捩れ角を検出している操舵トルクが大きい)において、より効果を出やすくできる。
また、車速感応ゲイン部44は、車速Velに対して図7に示すように、所定車速1(本例では50kph)まで一定ゲインGvを保持し、所定車速1から所定車速2(本例では100kph)まではゲインGvが増加し、所定車速2以上で一定ゲインGvを保持する特性となっている。つまり、低速時に小さい値で、ある速度(所定車速1)から徐々に増加して行き、ある値(所定車速2)で飽和する特性である。こうすることで、ハンドル振動が発生し易い車速状態において、より効果を出やすくできる。
なお、トルク感応ゲイン部43と車速感応ゲイン部44の配置順序は、逆であっても良い。また、振動が発生し易い、トルクの状態や車速状態に合わせるのが良い。
微分補償部60内の振動抑制フィルタ62はノッチフィルタを用いることができ、ノッチフィルタの特性は、例えば下記数1で示される。なお、減衰周波数をfとして、ω=ω=2π×f、sはラプラス演算子、ζ、ζは減衰係数である
Figure 2017210009
このような構成において、その動作例を図8のフローチャートを参照して説明する。
操舵トルクThを入力し(ステップS1)、車速Vsを入力し(ステップS2)、微分補償部60内の微分部61で微分を行い、振動抑制フィルタ(ノッチフィルタ)62で振動抑制を行い(ステップS2A)、振動抑制フィルタ62からの電流指令値Irefxは加算部32Dに入力される。電流指令値演算部31では、操舵トルクTh及び車速Vsに基づいて電流指令値Iref1を演算し、電流指令値Iref1は加算部32Dに入力される(ステップS3)。この演算順序は逆であっても良い。電流指令値Iref1及びIrefxは加算部32Dで加算され、加算結果が電流指令値Irefdとして出力される(ステップS3)。
また、制振補償部40はモータ速度ωを入力し(ステップS10)、速度感応テーブル41で舵角速度に応じた制振補償値VC1を求める(ステップS11)。舵角速度は、舵角θを入力して後に微分演算して舵角速度を求めるようにしても良い。
次に、制振補償値VC1をBPF42に入力してBP濾過処理を行い(ステップS12)、BP濾過処理された制振補償値VC2をトルク感応ゲイン部43に入力し、操舵トルクThに応じてゲインGt倍する(ステップS13)。ゲインGt倍された制振補償値VC3は車速感応ゲイン部44に入力され(ステップS14)、車速Vsに応じてゲインGv倍されて制振補償指令値VCcが出力される(ステップS15)。
更に、補償信号生成部34では、前述したように、収れん性341、慣性342及びSAT343に基づく補償信号CMを生成して出力する(ステップS20)。
なお、電流指令値Irefdの演算(ステップS1〜S3)、制振補償指令値VCcの演算(ステップS10〜S15)、補償信号CMの生成(ステップS20)の順番は適宜変更可能である。
上述のようにして求められた電流指令値Irefd、制振補償指令値VCc及び補償信号CMは、加減算部32Cに入力されて加減算処理され、電流指令値Iref2を生成する(ステップS30)。電流指令値Iref2は前述のように電流制限部33で制限されて後にPI制御で電流制御され(ステップS31)、モータ20が駆動制御される(ステップS32)。
モータ速度ωは図9(A)に示すように正弦波状に振動しており、モータ速度ωが速度感応テーブル41に入力されると、速度感応テーブル41は舵角速度のゼロ前後で台形波状の制振補償値VC1を出力する特性を有している。そのため、速度感応テーブル41から出力される制振補償値VC1は、図9(B)に示す台形波状である。速度感応テーブル41からの制振補償値VC1はBPF42に入力され、高周波成分(例えば20Hz以上)及び低周波成分(例えば5Hz以下)が除去された中周波成分のみが通過し、図9(B)に示すような制振補償値VC2を出力する。
図9(A)及び(B)に示すように、速度感応テーブル41で台形波状とされた制振補償値VC1をBPF42でバンドパス濾過処理することにより、モータ速度ω及び制振補償値VC1がゼロクロスする時点t2よりも、制振補償値VC2を遅らせる(時点t1)ことができる。制振補償値VC2の成分がハンドル振動の抑制のための電流指令値(制振補償指令値VCc)になり、この制振補償指令値VCcを、操舵の振動を抑制された電流指令値Irefdから減算する。これにより、モータ速度ωがゼロと交差するタイミングに合わせて、舵角速度の振動を遅らせて、結果的にモータ速度の振幅を抑えることが可能となる。
上述では振動抑制フィルタ62を数1で示されるノッチフィルタとしているが、図10に示すような構成としても良い。即ち、微分された操舵トルクThaを入力するBPF62−1を設け、BPF62−1でバンドパス濾過処理された操舵トルクTha1を操舵トルクThに感応するトルク感応ゲイン部62−2に入力し、その出力である操舵トルクTha2を車速Vsに感応する車速感応ゲイン部62−3に入力する。そして、減算部62−4において、操舵トルクThaから車速感応ゲイン部62−3の出力である操舵トルクTha3を減算し、その減算結果(=Tha−Tha3)を電流指令値Irefxとして出力する。なお、トルク感応ゲイン部62−2のゲインと車速感応ゲイン部62−3のゲインを乗算した値は、“0”より大きく、“1”より小さい値となっており、図6及び図7と同様な特性となっている。また、BPF62−1は、sをラプラス演算子として下記数2で表わされる構成である。
Figure 2017210009

図11は、意図的にハンドルの振動が発生し易くした状態において、ハンドルが手放しで外乱トルクを加えたときの検出トルク(トーションバー捩れ角に比例)の時間応答の一例を示しており、制振補償及びトルク補償有り(本発明)と制振補償無し(従来)での特性を比較している。なお、制振補償部40内のトルク感応ゲイン及び車速感応ゲインは一定値としており、数1における微分ノッチには、下記数3の数値を設定している。
(数3)
ωn=2π×10[rad/s]、ωd=2π×10[rad/s]、ζn=0.2、ζd=0.22

この図11の特性例からも制振補償有り(補償1)の方が、制振補償無し(従来)より振動が収束するのが早く、また、図4及び図5(若しくは図10)に示す“制振補償(補償1)+微分補償”による補償2の方が、補償1よりも一層振動が抑制されているのが分かる。
上述の実施形態では、制振補償部40を速度感応テーブル41、BPF42で構成しているが、速度感応テーブル41及びBPF42の代わりに、図12に示すようなモータ速度ω(舵角速度×ギア比)の方向に応じたヒステリシス特性を有する速度感応テーブル41Aを用いても良い。その場合の制振補償部40の構成は図13となる。
なお、トルク感応ゲインGtは図5の特性に限定されるものではなく(例えば非線形の増加)、車速感応ゲインGvは図6の特性に限定されるものではない(例えば非線形の増加)。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 舵角センサ
20 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
33 電流制限部
34 補償信号生成部
35 PI制御部
36 PWM制御部
37 インバータ回路
39、61 微分部
40 制振補償部
41、41A 速度感応テーブル
42、62−1 BPF(バンドパスフィルタ)
43、62−2 トルク感応ゲイン部
44、62−3 車速感応ゲイン部
50 CAN
60 微分補償部
62 振動抑制フィルタ

Claims (7)

  1. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値演算部で演算された電流指令値1によってモータを駆動し、減速機構を介して車両の操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    少なくとも振動抑制フィルタを備え、前記操舵トルクの振動成分を抑制した電流指令値2を出力する微分補償部と、
    モータ速度、若しくは舵角速度及び前記減速機構のギア比の乗算値に基づいて、ハンドルの慣性及びトーションバーのバネ性による振動を抑制するための制振補償指令値を演算する制振補償部と、
    を具備しており、
    前記制振補償指令値がゼロとなるタイミングが、前記モータ速度若しくは前記乗算値がゼロとなるタイミングより早くなり、
    前記電流指令値2を前記電流指令値1に加算した電流指令値3を、前記制振補償指令値で補正した電流指令値4によって前記モータを駆動することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記微分補償部が、前記操舵トルクを微分する微分部を有しており、前記微分部により微分された微分操舵トルクが前記振動抑制フィルタに入力されるようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記振動抑制フィルタがノッチフィルタである請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記振動抑制フィルタが、
    前記操舵トルクを入力する第1BPFと、前記第1BPFの出力を前記操舵トルクに感応してゲイン倍する第1トルク感応ゲイン部と、前記第1トルク感応ゲイン部からの出力を前記車速に感応してゲイン倍する第1車速感応ゲイン部と、前記操舵トルクから前記第1車速感応ゲイン部の出力を減算する減算部とで構成されている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記微分補償部が、前記操舵トルクを微分する微分部を有しており、前記微分部により微分された微分操舵トルクが前記第1BPFに入力されるようになっている請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記制振補償部が、
    前記ハンドルが正反転振動することにより正弦波状に変化する前記モータ速度若しくは前記乗算値を、前記モータ速度に同期した台形波状の制振補償値1に変換する速度感応テーブルと、前記制振補償値1をBPF濾過処理して前記慣性及び前記バネ性による振動の周波数成分を残して制振補償値2を出力する第2BPFと、前記第2BPFの出力を前記操舵トルクに感応してゲイン倍する第2トルク感応ゲイン部と、前記第2トルク感応ゲイン部からの出力を前記車速に感応してゲイン倍する第2車速感応ゲイン部とで構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記速度感応テーブル及び前記第2BPFを速度感応テーブルで置き換えた請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。

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