JP5834734B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
その結果、大きな検出操舵トルクが生じている場合には、アシスト力を増加させ、検出操舵トルクを低減できる。一方、検出操舵トルクが小さくなれば、アシスト力も減少させることができるので、簡素な構成にて効果的に車両の偏向が抑えられ、快適な操舵フィーリングを得ることができる。
その結果、操舵トルク波形形状補正手段で補正された補正操舵トルクの立ち上がりが速くなるので、検出操舵トルクとアシスト補正電流の前回値の符号が異なる場合には、アシスト補正電流の立ち上がりが速く、アシスト補正電流値も大きくなるので、検出操舵トルクの大きさを速く小さくでき、快適な操舵フィーリングを得ることができる。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。
図2に示すように、ECU11は、モータ制御信号を出力するマイコン21と、そのモータ制御信号に基づいて、モータ12に駆動電力を供給する駆動回路24とを備えて構成されている。
次に、本実施形態におけるリードプル補正制御の態様について説明する。
上述のように、カント路走行等、車両の偏向を誘引する因子、(例えば、走行路面の傾斜)を打ち消すための操舵トルクの入力が長時間に亘る場合、その継続的な負荷が、疲労として運転者に蓄積されることになる。
リードプル補正制御部27には、操舵トルクτ、車速V、及びモータ回転角θが入力される。操舵トルクτは、絶対値処理部30で絶対値操舵トルク|τ|に変換され、操舵トルク波形形状補正部32に入力される。操舵トルク波形形状補正部32は、ローパスフィルタを主部として構成されている。絶対値操舵トルク|τ|は、操舵トルク波形形状補正部32で高周波ノイズの除去、及び操舵トルク波形形状が補正された補正操舵トルクTcに変換される。尚、操舵トルク波形形状補正部32の時定数T1は、操舵トルクτ及びリードプル補正量前回値Iip*(n−1)を入力とする、操舵トルク波形形状補正部時定数T1演算部31で演算される。
その結果、操舵トルクτは大きな値となり、運転者に安定感を感じさせることができる。
マイコン21は、操舵トルクτ(n)を取り込む(ステップS101)。次に、マイコン21は、図5に示された操舵トルクτ(n)/ゲインKマップ40から、ステップS101で取り込まれた操舵トルクτ(n)に対応した操舵トルク波形形状補正部ゲインKを演算する(ステップS102)。そして、マイコン21は、決定された操舵トルク波形形状補正部ゲインKを操舵トルク波形形状補正部32のゲインとして出力する(ステップS103)。操舵トルクτ(n)/ゲインKマップ40は、操舵トルクτ(n)が大きいほど、操舵トルク波形形状補正部ゲインKは漸増している。即ち、操舵トルクτ(n)が大きいほど、リードプル補正量Iip*は大きくなる。
その結果、操舵トルクτは小さくなり、運転者が疲労感を感じることはない。
マイコン21は、操舵トルクτ(n)を取り込む(ステップS201)。次に、マイコン21は、リードプル補正量前回値Iip*(n−1)を取り込む(ステップS202)。そして、マイコン21は、操舵トルクτ(n)とリードプル補正量前回値Iip*(n−1)の乗算符号が負か否かを判定する(ステップS203)。ここで、操舵トルクτ(n)とリードプル補正量前回値Iip*(n−1)の乗算符号が負ということは、操舵トルクτ(n)に対して、リードプル補正量前回値Iip*(n−1)が逆補正を行なっているということであり、リードプル補正量Iip*を早く零にする必要がある。これは、車両がカント路走行状態からレーンチェンジ状態に入った場合などに起こる現象である。
リードプル補正制御部27には、トルクセンサ15から検出された操舵トルクτの波形形状を補正する操舵トルク波形形状補正成手段32と、操舵トルク波形形状補正手段32から補正された補正操舵トルクTcと操舵トルクτとを乗算する乗算手段38が設けられている。
そして、乗算手段38から出力された演算操舵トルクTtから、リードプル補正量Iip*生成マップ33によりリードプル補正量Iip*を算出する。そして、制御手段は、算出されたリードプル補正量Iip*を加算器28において、基本アシスト制御部26の演算する基礎成分としての基本アシスト制御量Ias*に重畳することにより、そのパワーアシスト制御における目標アシスト力としての電流指令値Iq*を演算する。
・上記各実施形態では、本発明を、所謂コラム型のEPS1に具体化したが、本発明は、所謂ピニオン型やラックアシスト型のEPSに適用してもよい。
3:ステアリングシャフト、4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、
6:タイロッド、7:転舵輪、8:コラムシャフト、
9:インターミディエイトシャフト、10:ピニオンシャフト、11:ECU、
12:モータ、13:EPSアクチュエータ、14:減速機構、
15:トルクセンサ、16:車速センサ、18:モータ回転角センサ、
21:マイコン、22:電流指令値演算部、23:モータ制御信号出力部、
24:駆動回路、25:電流センサ、26:基本アシスト制御部、
27:リードプル補正制御部、28:加算器、30:絶対値処理部、
31:操舵トルク波形形状補正部時定数T1演算部、32:操舵トルク波形形状補正部、
33:リードプル補正量Iip*生成マップ、
34:モータ回転角速度ゲインKω生成マップ、35:車速ゲインKv生成マップ、
36:微分器、38:乗算器、40:操舵トルクτ(n)/ゲインKマップ、
V:車速、τ:操舵トルク、Tc:補正操舵トルク、Tt:演算操舵トルク、
θ:モータ回転角、I:実電流値、ω:モータ回転角速度、Iq*:電流指令値、
Ias*:基本アシスト制御量、Iip*:リードプル補正量、
Iip*(n−1):リードプル補正量前回値、
Iu,Iv,Iw:相電流値、Vu*,Vv*,Vw*:相電圧指令値、
Kω:モータ回転角速度ゲイン、Kv:車速ゲイン、
K:操舵トルク波形形状補正部ゲイン、T1:操舵トルク波形形状補正部32の時定数、
τs、τl:操舵トルク波形形状補正部32の時定数の所定値
Claims (2)
- 操舵系にステアリング操作を補助するアシスト力を付与すべく設けられた操舵力補助装置と、
前記操舵力補助装置の駆動源であるモータに対して駆動電力を供給することにより、操舵力補助装置の作動を制御する制御手段と、
操舵トルクを検出するトルクセンサと、
前記トルクセンサから検出された検出操舵トルクの高周波成分を除去するローパスフィルタであり、車両の偏向により生じる前記検出操舵トルクの波形形状を補正する操舵トルク波形形状補正手段と、
前記操舵トルク波形形状補正手段から補正された補正操舵トルクと前記検出操舵トルクとを乗算する乗算手段と、
前記乗算手段から出力された演算操舵トルクから、アシスト補正電流を算出する操舵トルク/アシスト補正電流マップとを備え、
前記制御手段は、前記操舵トルク/アシスト補正電流マップより出力された前記アシスト補正電流の値により、前記アシスト力を増減すること、を特徴とした電動パワーステアリング装置。 - 前記操舵トルク波形形状補正手段は、前記検出操舵トルクと前記アシスト補正電流の前回値を乗算した結果の符合が負の場合には、前記ローパスフィルタの時定数を小さくすること、を特徴とした請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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