JP6178300B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者によるステアリングホイール等の操舵部材の手動操作に係る補助力を操舵系統に与えるアシストモータを有する電動パワーステアリング装置に関する。
従来、運転者がステアリングホイール等の操舵部材を手動操作する際の身体的な負担を軽減するために、運転者による操舵部材の手動操作に係る補助力を、操舵部材及び転舵装置を含む操舵系統に伝えるためのアシストモータを有する電動パワーステアリング装置が知られている。
こうした電動パワーステアリング装置では、車両の低速走行時において十分な大きさの操舵補助力を確保すると同時に、高速走行時において操舵制御の応答性を担保することが求められている。そこで、従来の電動パワーステアリング装置では、操舵トルクを検出するためのトルクセンサが出力するトルク情報に対する位相補償が施される。かかる位相補償の施行によって、トルク情報のゲイン及び位相の遅れ又は進みが適切に設定される結果、良好な操舵フィーリングを実現するようにしている。
例えば特許文献1には、操舵トルクセンサとして高精度の磁歪式トルクセンサを用いて、アシストモータに供給するためのアシスト電流の値が大きいほど、操舵トルクセンサから出力されるトルク情報に対して大きな遅れ位相補償(小さな進み位相補償)を施すようにした電動パワーステアリング装置の技術が開示されている。特許文献1に係る電動パワーステアリング装置において、アシスト電流の値が大きい領域では、小さな進み位相補償の施行によって操舵制御の安定性を担保するとともに、操舵フィーリングが低下する可能性のあるアシスト電流の値が小さい領域では、大きな進み位相補償の施行によって良好な操舵フィーリングが得られるように操舵制御を行う。
特許文献1に係る電動パワーステアリング装置によれば、車速の高低に関わらず、操舵制御の安定性を担保すると共に、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
特開2012−228925号公報
しかしながら、特許文献1に係る電動パワーステアリング装置では、操舵トルクセンサとして例えば磁歪式トルクセンサを用いた際に、車室内で不快な雑音が生じるという新規な課題が見出された。特に、この課題は、運転者がステアリングホイール等の操舵部材から手を放している場合に顕在化する傾向があることがわかった。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、運転者が操舵部材から手を放している場合であっても、車室内での不快な雑音の発生を抑制しながら、操舵フィーリングを良好に維持可能な電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らは、操舵トルクセンサとして磁歪式トルクセンサを用いた電動パワーステアリング装置において、運転者が操舵部材から手を放している(運転者が操舵部材を緩やかに支えているケースを含む)場合に、車室内で不快な雑音が生じる実態について調査・研究を行った。
そうしたところ、磁歪式トルクセンサでは、操舵部材に連結される操舵軸部材の剛性が、トーションバー式のトルクセンサにおける操舵軸部材の剛性と比べて数十倍程度と格段に高いことが、車室内での不快な雑音の発生に密接に関与していると考えられた。また、操舵部材からの手放し時には、運転者が操舵部材を支えることで本来なら抑制される操舵部材の振動成分が、そのまま増幅されて雑音の要因になっていると考えられた。さらに、雑音の周波数帯域はおよそ100Hzを超えること、操舵部材の振動成分に関与しているのは、主として操舵部材に係る操舵トルクの微分信号であることがわかった。
特に、車両の走行速度が低速(停止を含む)である際には、車両の走行に伴うタイヤやエンジンの振動等に由来する雑音が小さいのに加えて、運転者が操舵部材から手を放す蓋然性が高いため、車室内での不快な雑音が顕著に感じられるものと考えられた。
そこで、本発明者らは、運転者が操舵部材から手を放しているか否かを判定する手放し判定部を設け、手放し判定部により運転者が操舵部材から手を放している旨の判定が下された場合に、操舵部材に係る操舵トルクの微分信号に基づくアシストモータの制御量を低減させることで、車室内での不快な雑音の発生を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
(1)に係る発明は、車両に設けた操舵部材の手動操作に係る補助力を、該操舵部材及び転舵装置を含む操舵系統に伝えるためのアシストモータを有する電動パワーステアリング装置であって、前記操舵系統に作用する操舵トルクを検出する磁歪式の操舵トルク検出部と、前記操舵トルク検出部により検出されたトルク信号に基づいて前記アシストモータの駆動制御を行う制御部と、所定の条件を充足した場合に、運転者が前記操舵部材から手を放している旨の判定を下す手放し判定部と、を備える。
前記制御部は、前記車両の停止時で前記手放し判定部により運転者が前記操舵部材から手を放している旨の判定が下された手放し判定時に、前記トルク信号に基づく前記アシストモータの制御量を、前記手放し判定部により運転者が前記操舵部材から手を放していない旨の判定が下された非手放し判定時と比べて低減させることを最も主要な特徴とする。
(1)に係る発明では、制御部は、手放し判定部により運転者が操舵部材から手を放している旨の判定が下された手放し判定時に、トルク微分信号に基づくアシストモータの制御量を、手放し判定部により運転者が操舵部材から手を放していない旨の判定が下された非手放し判定時と比べて低減させる。そのため、通常運転時である非手放し判定時には、通常のトルク微分信号に基づくアシストモータの制御量をもって、操舵制御に係る応答性を重視したアシストモータの駆動制御が行われる一方、手放し判定時には、非手放し判定時と比べて低減されたトルク微分信号に基づくアシストモータの制御量をもって、操舵制御に係る安定性を重視すると共に、車室内での不快な雑音の発生を抑制すべくアシストモータの駆動制御が行われる。
(1)に係る発明によれば、運転者が操舵部材から手を放している場合であっても、車室内での不快な雑音の発生を抑制しながら、操舵フィーリングを良好に維持することができる
また、(2)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の電動パワーステアリング装置であって、前記手放し判定部は、前記操舵トルク情報に基づく操舵トルク絶対値が所定のトルク閾値に満たない旨の前記所定の条件を充足した場合に、運転者が前記操舵部材から手を放している旨の判定を下すことを特徴とする。
(2)に係る発明では、運転者が操舵部材から手を放している旨の判定を下す際の基礎となる情報として、操舵トルク情報に基づく操舵トルク絶対値を採用することとした。操舵トルク情報に基づく操舵トルク絶対値は、操舵部材に対する運転者の操舵力と同義であるため、前記の基礎となる情報として適切だからである。
(2)に係る発明によれば、手放し判定部は、操舵トルク情報に基づく操舵トルク絶対値が所定のトルク閾値に満たない旨の所定の条件を充足した場合に、運転者が操舵部材から手を放している旨の判定を下すため、(1)に係る発明の作用効果に加えて、運転者が操舵部材から手を放している旨の判定を的確に行うことができる。
また、(3)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の電動パワーステアリング装置であって、前記操舵部材の操舵速度を検出する操舵速度検出部をさらに備え、前記手放し判定部は、前記操舵トルク情報に基づく操舵トルク絶対値が所定のトルク閾値に満たず、かつ、前記アシストモータの回転速度が所定の速度閾値に満たない旨の前記所定の条件を充足した場合に、運転者が前記操舵部材から手を放している旨の判定を下すことを特徴とする。
前記の(2)に係る発明にように、運転者が操舵部材から手を放している旨の判定を下す条件として、操舵トルク情報に基づく操舵トルク絶対値が所定のトルク閾値に満たないことのみを単独で採用した場合、操舵フィーリングの毀損を生じることが懸念される。
仮に、操舵トルク情報に基づく操舵トルク絶対値が所定のトルク閾値に満たないが、操舵部材が戻し方向に所定の速度閾値以上で動いている状況下において、運転者が操舵部材から手を放しているとみなしてアシストモータの制御量を低減させる制御を行うと、操舵フィーリングの毀損を生じることが懸念される。また、操舵部材が前記のように戻し方向に動いている状況下では、操舵部材の作動音が支配的であり、本発明が対象とする雑音を抑制する要請が相対的に低い。
そこで、(3)に係る発明では、手放し判定部は、操舵トルク情報に基づく操舵トルク絶対値が所定のトルク閾値に満たず、かつ、アシストモータの回転速度が所定の速度閾値に満たない旨の前記所定の条件を充足した場合に、運転者が操舵部材から手を放している旨の判定を下す構成を採用することとした。
(3)に係る発明によれば、運転者が操舵部材から手を放している場合であっても、車室内での不快な雑音の発生を抑制しながら、操舵フィーリングを良好に維持する効果をより高い水準で発揮することができる。
また、(4)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の電動パワーステアリング装置であって、前記手放し判定部は、前記所定の条件に対し、ヒステリシス特性を設定することを特徴とする。
(4)に係る発明において、前記所定の条件に対し、ヒステリシス特性を設定するとは、例えば、当該所定の条件を充足するタイミングと該所定の条件をいったん充足した後に該所定の条件を充足しなくなるタイミングとを、時間的に相互にずらすことによって、当該所定の条件をいったん充足した後では、その状態を安定して維持する傾向を助長することを意味する。
(4)に係る発明によれば、手放し判定部は、手放し判定を行う際の前記所定の条件に対し、ヒステリシス特性を設定するため、当該所定の条件をいったん充足した後では、手放し判定時期、又は、手放し非判定時期を安定して維持する傾向を助長する結果として、操舵制御に係る安定性と、操舵制御に係る応答性とを確保しながら、操舵フィーリングを良好に維持することができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、運転者が操舵部材から手を放している場合であっても、車室内での不快な雑音の発生を抑制しながら、操舵フィーリングを良好に維持することができる。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の周辺部を含むブロック図である。 第1実施形態に係る第1EPS制御装置の内部構成を表すブロック図である。 第1EPS制御装置において、イナーシャ電流を設定する際に参照されるイナーシャマップのトルク微分信号−イナーシャ電流に係る第1の特性線図を表す説明図である。 第1EPS制御装置において、イナーシャ電流を設定する際に参照されるイナーシャマップのトルク微分信号−イナーシャ電流に係る第2の特性線図を表す説明図である。 第1EPS制御装置において、イナーシャ電流を設定する際に参照されるイナーシャマップのトルク微分信号−イナーシャ電流に係る第3の特性線図を表す説明図である。 第1EPS制御装置において、利得を設定する際に参照される周波数−利得特性を表す説明図である。 第1EPS制御装置において、位相を設定する際に参照される周波数−位相特性を表す説明図である。 第1EPS制御装置の動作説明に供するフローチャート図である。 第2実施形態に係る第2EPS制御装置の内部構成を表すブロック図である。 第2EPS制御装置の動作説明に供するフローチャート図である。
以下、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に示す図において、共通の機能を有する部材間、又は、相互に対応する機能を有する部材間には、原則として共通の参照符号を付するものとする。また、説明の便宜のため、部材のサイズ及び形状は、変形又は誇張して模式的に表す場合がある。
〔電動パワーステアリング装置11と連係する操舵装置10の構成〕
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置11の説明に先だって、電動パワーステアリング装置11と連係する操舵装置10の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置11の周辺部を含むブロック構成図である。
操舵装置10は、図1に示すように、ステアリングホイール13、操舵補助装置15、転舵装置17を備える。
本発明の“操舵部材”に相当するステアリングホイール13は、車両(不図示)の進行方向を、運転者が所望の方向に変えようとする際に操作される部材である。ステアリングホイール13の中央部には、操舵軸19の一方の端部が連結されている。操舵軸19は、上部筺体21における下部、上部のそれぞれに設けた軸受23a,23bを介して、上部筺体21に対して回動自在に支持されている。操舵軸19は、本発明の“回転軸部”に相当する。
操舵軸19には、ステアリングホイール13の操舵角を検出する操舵角センサ26が設けられている。操舵角センサ26で検出された操舵角情報θsは、通信媒体24を介して、EPS制御装置51に供給される。
操舵軸19のうち、ステアリングホイール13が設けられた一方の端部とは反対側の他方の端部には、中間軸部27及び一対の自在継手29を直列に介して、転舵軸31が連結されている。転舵軸31は、下部筺体32における下部及び上部のそれぞれに設けた一対の軸受33a,33bを介して、下部筺体32に対して回動自在に支持されている。
下部筺体32の内部には、転舵軸31を囲むように、磁歪式の操舵トルクセンサ25が設けられている。転舵軸31のうち操舵トルクセンサ25と対向する位置には、転舵軸31の周方向全周を覆うように、例えばNi−Feメッキよりなる磁歪膜(不図示)が設けられている。操舵トルクセンサ25は、ステアリングホイール13、操舵軸19、中間軸部27及び一対の自在継手29を介して転舵軸31に入力される操舵トルクの大きさを、例えばソレノイド型の第1及び第2コイル25a,25bを用いて、転舵軸31に対し非接触で検出する機能を有する。操舵トルクセンサ25は、本発明の“操舵トルク検出部”に相当する。
ここで、磁歪式の操舵トルクセンサ25における操舵トルクの検出原理について説明する。転舵軸31に操舵トルクが入力されると、転舵軸31の表面には、張力方向(+45°方向)及び圧縮方向(−45°方向)の歪みが発生する。このとき、張力方向では透磁率が増加する一方、圧縮方向では透磁率が減少する。この現象を“磁歪効果”と呼ぶ。透磁率が増加する方向に沿って磁束が通過するように、第1コイル25aを設ける。一方、透磁率が減少する方向に沿って磁束が通過するように、第2コイル25bを設ける。
すると、透磁率が増加する方向に沿って磁束が通過するように設けた第1コイル25aではインダクタンスが増加する一方、透磁率が減少する方向に沿って磁束が通過するように設けた第2コイル25bではインダクタンスが減少する。第1コイル25aと第2コイル25bとをブリッジ接続して、差動増幅回路(不図示)において差動電圧を増幅し出力する。これにより、操舵トルクに比例した出力電圧、すなわち、操舵トルクの相関値(操舵トルク情報VT)を検出することができる。
操舵トルクセンサ25で検出された操舵トルク情報VTは、後記する電動パワーステアリング制御装置(以下、“EPS制御装置”と省略する場合がある。)51に供給される。ただし、操舵トルク情報VTが、例えばCAN(Controller Area Network)のような通信媒体24を介して、EPS制御装置51に供給される構成を採用してもよい。
転舵軸31に設けられる操舵補助装置15は、運転者によるステアリングホイール13の手動操作に係る補助力を与える機能を有する。操舵補助装置15は、運転者の手動操作によるステアリングホイール13の操舵トルクを軽減(手応えの調整を含む)するための補助力(操舵反力)を供給するアシストモータ35、及び、減速機構37を備えて構成される。
減速機構37は、アシストモータ35の出力軸部39に連結されるウォームギア41及びウォームギア41に噛合するウォームホイールギア43を有する。ウォームホイールギア43は、転舵軸31の軸方向における中間部分に、転舵軸31と一体に回動可能に設けられている。減速機構37は、アシストモータ35の出力軸部39及び転舵軸31の間に介在するように設けられている。
これにより、ウォームホイールギア43は、アシストモータ35の駆動力を、減速機構37、転舵軸31、操舵軸19等を介してステアリングホイール13に伝えると同時に、転舵装置17を介して転舵輪61a,61bに伝える役割を果たす。
アシストモータ35には、その回転角度情報Nmを検出・出力するレゾルバ(不図示)が一体に設けられている。レゾルバで検出されたアシストモータ35の回転角度情報Nmは、EPS制御装置51に供給される。
転舵装置17は、ステアリングホイール13及び操舵軸19を介して入力された運転者の操舵力(操舵トルク)を、転舵輪61a,61bに伝達する機能を有する。転舵装置17は、転舵軸31に設けられたピニオンギア63と、ピニオンギア63に噛合するラック歯65を有して車幅方向に往復運動可能なラック軸67と、ラック軸67の両端側にそれぞれ設けられるタイロッド69a,69bと、タイロッド69a,69bをそれぞれ介して回動可能に設けられる転舵輪61a,61bと、を含んで構成されている。
〔本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置11の構成〕
次に、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置11の構成について、図面を参照して説明する。
電動パワーステアリング装置11は、図1に示すように、操舵補助装置15及びEPS制御装置51を含んで構成されている。EPS制御装置51は、通信媒体24に接続されている。通信媒体24には、前記の操舵角センサ26の他に、自車両の速度(車速)を検出する車速センサ53、ブレーキペダル(不図示)の踏み込みストロークを検出するブレーキセンサ55、及び、アクセルペダル(不図示)の踏み込みストロークを検出するアクセルセンサ57がそれぞれ接続されている。
以下、複数の実施形態に係るEPS制御装置51について、図2〜図6を参照して説明する。便宜上、第1実施形態に係るEPS制御装置に符号“51A”を、第2実施形態に係るEPS制御装置に符号“51B”を、それぞれ付するものとする。第1〜第2実施形態に係るEPS制御装置51A,51Bのそれぞれに関する説明において、基本的に共通の機能を有する部材には共通の符号を付し、その重複した説明を省略する。第1〜第2実施形態に係るEPS制御装置51A,51Bを総称するときは、EPS制御装置51と呼ぶ。
(EPS制御装置51の基本構成)
EPS制御装置51は、操舵トルクセンサ25により時々刻々と検出される操舵トルク情報VT、操舵角センサ26により検出される操舵角情報θs、車速センサ53により検出される車速情報Vs、レゾルバにより検出されるアシストモータ35の回転角度情報Nmなどの各種情報を参照して、アシストモータ35に供給すべき目標電流値Itarを算出し、アシストモータ35に流れる実電流値が目標電流値Itarに追従するように制御する(制御量を調整する)ことで、運転者がステアリングホイール13を操舵する際に要する操舵力を軽減する機能を有する。EPS制御装置51は、演算処理を行うマイクロコンピュータ、及び、アシストモータ35の駆動制御回路を含む各種の周辺回路を含んで構成される。EPS制御装置51は、本発明の“制御部”に相当する。
(第1実施形態に係る第1EPS制御装置51Aの構成)
次に、第1実施形態に係る第1EPS制御装置51Aの内部構成について、図2を参照して説明する。図2は、第1EPS制御装置51Aの内部構成を表すブロック図である。
第1EPS制御装置51Aは、図2に示すように、基本アシスト制御部71、イナーシャ(慣性)制御部73、ダンパ制御部75、フリクション(摩擦)付与制御部77、及びハンドル戻し制御部79を備える。
基本アシスト制御部71は、位相補償部81、アシスト電流設定部85、及びトルク値減算部87を備える。
位相補償部81は、操舵トルクセンサ25による操舵トルク情報VTの検出時と、減速機構37による操舵軸19への操舵に係る補助力の付与時との間に存する応答時間遅れ分の位相を補償する機能を有する。位相補償部81は、アシスト電流Iaを参照し、操舵トルク情報VTに乗じるための利得G[dB]に係る線図、及び、位相θ[deg]補償処理後の操舵トルク情報VTpを生成することによって、位相補償を行うように動作する。
アシスト電流設定部85は、基本的には、補償処理後の操舵トルク情報VTp、及び、補償処理後の操舵トルク情報VTpの変化に対し基本アシスト電流Ia0を関連付けたVTp−Ia0に係る関係情報を記憶するアシストマップ86に基づいて、基本アシスト電流Ia0を設定する機能を有する。
アシストマップ86には、概ね、補償処理後の操舵トルク情報VTpの値が大きくなるほど基本アシスト電流Ia0の値が高くなるVTp−Ia0に係る正の関係情報が記憶されている。VTp−Ia0に係る正の関係情報では、基本アシスト電流Ia0の値は、概ね、補償処理後の操舵トルク情報VTpの値の増大に応じて増大する。その結果、運転者の要請に従う基本的な操舵補助力を、アシストモータ35によって発生させることができる。
なお、アシストマップ86に係る特性として、車速Vsが速くなるほど基本アシスト電流Ia0が低くなる特性を組み合わせて用いてもよい。この場合、基本アシスト電流Ia0は、概ね、車速Vsが速くなるほど減少する。その結果、高速時の走行安定性に優れた操舵補助力を、アシストモータ35によって発生させることができる。
イナーシャ制御部73は、トルク微分部89及びイナーシャ電流設定部91を備える。トルク微分部89は、ステアリングホイール13の切り出し又は切り戻し操作時におけるアシストモータ35に係る回転子の慣性(慣性モーメント)による応答性の低下を補償するため、操舵トルク情報VTにおける立ち上がり部(立ち下がり部)の過度応答をトルク微分信号dVT/dt(dは微分演算子)として生成し出力する。操舵トルク情報VTに係るトルク微分信号dVT/dtは、車速Vsによる車両応答性変化に応じた係数が乗算された後、イナーシャ電流設定部91に供給される。
トルク微分部89は、ゲイン・位相補正部90を有する。ゲイン・位相補正部90は、後記する第1手放し判定部93Aにより、運転者がステアリングホイール13から手を放している旨の判定が下された場合に、トルク微分信号dVT/dtのうち対象となる雑音に係る周波数成分を抑制するように、利得G[dB]及び位相θ[deg]を補正する機能を有する。これについて、詳しくは後記する。
イナーシャ電流設定部91は、操舵トルク情報VTに係るトルク微分信号dVT/dt、及び、同トルク微分信号dVT/dtの変化に対応するイナーシャ電流Iiを関連付けたdVT/dt−Iiに係る関係情報を記憶するイナーシャマップ92に基づいて、イナーシャ電流Iiを設定する機能を有する。イナーシャ電流設定部91で設定されたイナーシャ電流Iiは、電流加減算部95において、アシスト電流設定部85で設定されたアシスト電流Ia0に加算される。なお、イナーシャ電流設定部91の詳細な機能について、詳しくは後記する。
イナーシャマップ92には、概ね、トルク微分信号dVT/dtの値が大きくなるほどイナーシャ電流Iiの値が高くなるdVT/dt−Iiに係る正の関係情報が記憶されている。dVT/dt−Iiに係る正の関係情報では、イナーシャ電流Iiの値は、概ね、トルク微分信号dVT/dtの値の増大に応じて増大する。その結果、運転者の要請に従う基本的な操舵補助力を、アシストモータ35によって発生させることができる。
なお、イナーシャマップ92に係る特性として、車速Vsが速くなるほどイナーシャ電流Iiの値が低くなる特性を組み合わせて用いてもよい。この場合、イナーシャ電流Iiは、概ね、車速Vsが速くなるほど減少する。その結果、高速時の走行安定性に優れた操舵補助力を、アシストモータ35によって発生させることができる。
ダンパ制御部75は、ステアリングホイール13の収斂性を向上させるために、アシストモータ35に係る回転速度Nm及び車速Vsに基づいて、ダンパマップ76を参照し、回転速度Nm及び車速Vsが速くなるほど大きくなるように、ダンパ電流Idを算出する機能を有する。ダンパ電流Idは、電流加減算部95において、アシスト電流Ia0とイナーシャ電流Iiとの加算値から減算される。こうして得られたアシスト電流Ia1は、アシストモータ35の回転速度を抑制するように機能する。このステアリングダンパ効果により、ステアリングホイール13の収斂性を向上させることができる。
フリクション付与制御部77は、アシストモータ35に係る回転速度Nm及び車速Vsに基づいて、付与フリクショントルクVTfを算出するとともに、付与フリクショントルクVTfを電流に変換した付与フリクション電流Ifを算出する機能を有する。付与フリクショントルクVTfは、トルク値減算部87において、補償処理後の操舵トルク情報VTpの値から減算される。付与フリクション電流Ifは、電流減算部97において、アシスト電流Ia1から減算される。これにより、電動パワーステアリング装置11に対する機械的なフリクションを電気的に付与することができる。
ハンドル戻し制御部79は、ステアリングホイール13の戻り(切り戻し)性能を向上させるために、操舵角θs及び車速Vsに基づいてハンドル戻し電流Ibを算出する機能を有する。ハンドル戻し制御部79は、ステアリングホイール13の戻し時にセルフアライニングトルクによるステアリングホイール13の戻し作用を円滑に働かせるように、ハンドル戻し電流Ibを算出する。ここで算出されたハンドル戻し電流Ibは、電流減算部99において、アシスト電流Ia2から減算される。これにより、アシストモータ35の回転トルクを操舵角θsの減少に応じて円滑に減少させることができる。
アシストモータ35に流すべき目標電流Itarは、次の(1)式により算出される。
Itar=Ia0+Ii−Id−If−Ib
=Ia1−If−Ib
=Ia2−Ib・・・(1)
ところで、電動パワーステアリング装置11における位相補償処理は、操舵制御に係る安定性を担保する目的で施行される。仮に、例えば、操舵トルク情報VTに係る周波数帯域が1[Hz]〜100[Hz]程度である際において、操舵トルク情報VTに乗じる利得Gを1(0[dB])未満とし、かつ、位相θを遅れ位相に設定することで、操舵制御に係る安定性を重視すると、操舵フィーリングの低下を招いてしまう。例えば、特許文献(特開2004−98754号公報)のように、車速が低くなるほど利得を小さくし、より大きな遅れ位相補償(小さな進み位相補償)を施すようにすると、低速域での操舵フィーリングが低下してしまう。
そこで、第1EPS制御装置51Aに係る位相補償部81では、例えば、操舵トルク情報VTが入力されると、利得GをGmin、位相θをθminに初期設定し、この初期設定値を用いて位相補償を行い、補償処理後の操舵トルク情報VTpを出力する。なお、初期設定値としては、利得GをGminとGmaxとの間の中央値、位相θをθminとθmaxとの間の中央値などに適宜設定してもよい。
トルク値減算部87は、補償処理後の操舵トルク情報VTpの値からフリクショントルクVtfを減算し、この減算により得られた操舵トルク情報VTpの値をアシスト電流設定部85に与える。アシスト電流設定部85は、アシストマップ86を参照し、車速Vs及び補償処理後の操舵トルク情報VTpに対応するアシスト電流Ia0を算出し、この算出により得られたアシスト電流Ia0を位相補償部81にフィードバックする。位相補償部81のアシストゲイン算出部83は、次の(2)式からアシスト利得Gaを算出する。
Ga=Ia0/VT・・・(2)
すなわち、アシスト利得Gaは、アシスト電流設定部85で設定されたアシスト電流Ia0を、操舵トルクセンサ25により検出される操舵トルク情報VTで割った除算値(商)として算出される。
この場合、位相補償部81は、利得Gの設定に関し、アシスト利得Ga(Ga=Ia0/VT)が大きいほど、利得Gが小さくなる最小利得特性Gmin側に沿うように設定し、逆に、アシスト利得Gaが小さくなるに従い利得Gが大きくなる最大利得特性Gmax側に沿う利得Gを設定する。
位相補償部81は、位相θの設定に関し、アシスト利得Gaが大きいほど、最大位相遅れ特性θmax側に沿う位相θに設定し、逆に、アシスト利得Gaが小さくなるに従い最小位相遅れ特性θmin側に沿う位相θに設定する。換言すると、アシスト利得Gaが大きいほど、低い利得G、かつ、大きな遅れ位相θ(小さな進み位相)となるように、位相補償部81における位相補償特性が設定される。
位相補償部81は、操舵トルクセンサ25により検出される操舵トルク情報VTに対して、前記設定された利得G及び位相θを用いて補償した補償処理後の操舵トルク情報VTpを算出する。アシスト電流設定部85は、アシストマップ86を参照して、補償処理後の操舵トルク情報VTpに応じたアシスト電流Ia0(アシスト利得Gaを考慮したもの)を算出する。
ここで、第1EPS制御装置51Aは、特徴的な構成として第1手放し判定部93Aを有する。第1手放し判定部93Aは、運転者がステアリングホイール13から手を放しているか否かを判定する機能を有する。具体的には、第1EPS制御装置51Aの第1手放し判定部93Aは、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが、第1トルク閾値TRth1未満か否かを判定し、操舵トルク絶対値TRabが、第1トルク閾値TRth1未満である際に、運転者がステアリングホイール13から手を放している旨の判定を下す。なお、第1トルク閾値TRth1としては、運転者がステアリングホイール13から手を放しているとみなせる操舵トルク絶対値TRabの値を、実験等を通じて適宜設定すればよい。
また、第1EPS制御装置51Aの第1手放し判定部93Aは、手放し判定時の動作を起点として計時を開始する待機時間カウンタがタイムアップした後、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが、第2トルク閾値TRth2以上か否かを判定する。ここで、第1手放し判定部93Aは、操舵トルク絶対値TRabが第2トルク閾値TRth2以上である際に、ステアリングホイール13から手を放していた運転者が、ステアリングホイール13を握りなおした旨の判定を下す。なお、第2トルク閾値TRth2(ただし、第1トルク閾値TRth1>第2トルク閾値TRth2)としては、運転者がステアリングホイール13を握りなおしたとみなせる操舵トルク絶対値TRabの値を、実験等を通じて適宜設定すればよい。
運転者がステアリングホイール13から手を放している旨の判定が下されると、第1手放し判定部93Aは、手放し判定フラグをオンに設定する。手放し判定フラグとは、運転者がステアリングホイール13から手を放しているか否かの情報を記憶する変数である。第1EPS制御装置51Aでは、第1手放し判定部93Aにおける判定結果(手放し判定フラグがオンかオフかに係る記憶内容)は、イナーシャ制御部73のうち、トルク微分部89及びイナーシャ電流設定部91の両方に与えられる。
第1手放し判定部93Aにおける判定結果を受けて、イナーシャ制御部73は、第1手放し判定部93Aにより運転者がステアリングホイール13から手を放している旨の判定が下された手放し判定時に、トルク微分信号dVT/dtに基づくアシストモータ35の制御量を、第1手放し判定部93Aにより運転者がステアリングホイール13から手を放していない旨の判定が下された非手放し判定時(通常運転時)と比べて低減させる。その結果、手放し判定時におけるトルク微分信号dVT/dtに基づくイナーシャ電流Iiは、非手放し判定時におけるトルク微分信号dVT/dtに基づくイナーシャ電流Iiと比べて小さい値に設定される。
次に、手放し判定時にイナーシャ制御部73が、トルク微分信号dVT/dtに基づくアシストモータ35の制御量を、非手放し判定時と比べて低減させる複数の実施例について、図3A〜図3Eを参照して説明する。図3A〜図3Cは、第1EPS制御装置51Aにおいて、イナーシャ電流Iiを設定する際に参照されるイナーシャマップ92のトルク微分信号dVT/dt−イナーシャ電流Iiに係る第1〜第3の特性線図をそれぞれ表す説明図である。図3Dは、第1EPS制御装置51Aにおいて、利得を設定する際に参照される周波数−利得特性を表す説明図である。図3Eは、第1EPS制御装置51Aにおいて、位相を設定する際に参照される周波数−位相特性を表す説明図である。
第1〜第3実施例では、イナーシャ電流設定部91は、イナーシャマップ92に予め記憶される、トルク微分信号dVT/dtの変化に対応するイナーシャ電流Iiを関連付けたdVT/dt−Iiに係る関係情報を用いて、イナーシャ電流Iiを設定する。第1〜第3実施例では、イナーシャ電流Iiの値が、“トルク微分信号dVT/dtに基づくアシストモータ35の制御量”に相当する。
すなわち、第1実施例では、図3Aに示すように、イナーシャマップ92に記憶されたトルク微分信号dVT/dt−イナーシャ電流Iiとして第1の特性線図を用いる。第1の特性線図では、共通のトルク微分信号dVT/dtの値で比べると、手放し判定時におけるイナーシャ電流Iiの値が、非手放し判定時(通常運転時)におけるイナーシャ電流Iiの値と比べて、およそ35%程度(低減率は、適宜の値に設定すればよい。)に低減されている。
第2実施例では、図3Bに示すように、イナーシャマップ92に記憶されたトルク微分信号dVT/dt−イナーシャ電流Iiとして第2の特性線図を用いる。第2の特性線図では、トルク微分信号dVT/dtに係る値が小さいデータ領域に対応するイナーシャ電流Iiの値が“0”となる、不感帯領域が設定されている。ただし、第2実施例において、トルク微分信号dVT/dtに係る値が大きいデータ領域では、手放し判定時におけるイナーシャ電流Iiの値が、非手放し判定時(通常運転時)におけるイナーシャ電流Iiの値と同じになる部分が存在する。
第3実施例は、第1及び第2実施例を組み合わせて適用したものである。すなわち、第3実施例では、図3Cに示すように、イナーシャマップ92に記憶されたトルク微分信号dVT/dt−イナーシャ電流Iiとして第3の特性線図を用いる。第3の特性線図では、トルク微分信号dVT/dtに係る値が小さいデータ領域に対応するイナーシャ電流Iiの値が“0”となる、不感帯領域が設定されると共に、不感帯領域を除くデータ領域では、共通のトルク微分信号dVT/dtの値で比べると、手放し判定時におけるイナーシャ電流Iiの値が、非手放し判定時(通常運転時)におけるイナーシャ電流Iiの値と比べて、およそ35%程度に低減されている。
第4〜第5実施例では、トルク微分部89のゲイン・位相補正部90は、トルク微分信号dVT/dtに係る周波数帯域のうち、雑音の発生に関係する臨界周波数(およそ100Hz程度;実験結果に基づく)辺りの周波数帯域について、利得又は位相を低減するように補正を行う。これを受けてイナーシャ電流設定部91は、前記補正後のトルク微分信号dVT/dtを用いて、イナーシャ電流Iiを設定する。第4〜第5実施例では、第1〜第3実施例と同様に、イナーシャ電流Iiの値が、“トルク微分信号dVT/dtに基づくアシストモータ35の制御量”に相当する。
すなわち、第4実施例では、トルク微分部89のゲイン・位相補正部90は、図3Dに示すように、手放し判定時の周波数−利得特性として第4の特性線図を用いる。これにより、臨界周波数よりも高い周波数帯域において、手放し判定時の周波数−利得特性が、非手放し判定時の周波数−利得特性と比べて低減される。
また、第5実施例では、トルク微分部89のゲイン・位相補正部90は、図3Eに示すように、手放し判定時の周波数−位相特性として第5の特性線図を用いる。これにより、臨界周波数付近の周波数帯域において、手放し判定時の周波数−位相特性が、非手放し判定時の周波数−位相特性と比べて低減される。
その後、手放し判定時において、非手放し判定時と比べて小さい値に補正されたイナーシャ電流Iiなどから、上記の(1)式に基づき目標電流Itarが算出され、こうして算出された目標電流Itarが、アシストモータ35に供給される。第1EPS制御装置51Aでは、アシストモータ35に流れるモータ電流Imが目標電流Itarに追従するように、フィードバック制御が行われる。
したがって、手放し判定時には、通常運転時である非手放し判定時と比べて小さい値に設定されるイナーシャ電流Iiに基づく目標電流Itarをもって、操舵制御に係る安定性を重視すると共に、車室内での不快な雑音の発生を抑制すべくアシストモータ35の駆動制御が行われる。
(第1実施形態に係る第1EPS制御装置51Aの動作)
次に、第1実施形態に係る第1EPS制御装置51Aの動作について、図4を参照して説明する。図4は、第1EPS制御装置51Aの動作説明に供するフローチャート図である。
図4に示すステップS11において、第1EPS制御装置51Aは、操舵トルクセンサ25により時々刻々と検出される操舵トルク情報VT、操舵角センサ26により検出される操舵角情報θs、車速センサ53により検出される車速情報Vs、レゾルバにより検出されるアシストモータ35の回転角度情報Nmなどの各種情報を取得する。
ステップS12−1において、第1EPS制御装置51Aの第1手放し判定部93Aは、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが、第1トルク閾値TRth1未満か否か、つまり、運転者がステアリングホイール13から手を放しているか否かを判定する。ステップS12−1の判定の結果、操舵トルク絶対値TRabが第1トルク閾値TRth1以上である(運転者がステアリングホイール13から手を放していない)旨の判定が下された場合(ステップS12−1のNo)、第1EPS制御装置51Aは、処理の流れを次のステップS13へと進ませる。一方、ステップS12−1の判定の結果、操舵トルク絶対値TRabが第1トルク閾値TRth1未満である(運転者がステアリングホイール13から手を放している)旨の判定が下された場合(ステップS12−1のYes)、第1EPS制御装置51Aは、処理の流れをステップS15へと進ませる。
ステップS13において、第1EPS制御装置51Aの第1手放し判定部93Aは、手放し判定フラグをオフに設定する。これを受けて、トルク微分部89は、通常運転時である非手放し判定時の動作を行う。つまり、トルク微分部89は、操舵トルク情報VTに係るトルク微分信号dVT/dtに対し、利得G[dB]及び位相θ[deg]の補正処理を施すことなしに、トルク微分信号dVT/dtを出力する。
ステップS14において、イナーシャ電流設定部91は、通常運転時である非手放し判定時のトルク微分信号dVT/dt−イナーシャ電流Iiに係る関係情報(図3A〜図3C参照)を用いて、イナーシャ電流Iiを設定する。
一方、ステップS15において、第1EPS制御装置51Aの第1手放し判定部93Aは、手放し判定フラグをオンに設定する。これを受けて、トルク微分部89は、手放し判定時の動作を行う。つまり、トルク微分部89は、必要に応じて、操舵トルク情報VTに係るトルク微分信号dVT/dtに対し、利得G[dB]及び/又は位相θ[deg]の補正処理を施した後、同処理後のトルク微分信号dVT/dtを出力する。
ステップS16において、第1EPS制御装置51Aは、手放し判定時の動作を起点として計時を開始する待機時間カウンタに所定の待機時間をセットする。これにより、待機時間カウンタの計時を開始させる。
ステップS17において、イナーシャ電流設定部91は、手放し判定時のトルク微分信号dVT/dt−イナーシャ電流Iiに係る関係情報(図3A〜図3C参照)を用いて、イナーシャ電流Iiを設定する。
ステップS18において、第1EPS制御装置51Aは、アシスト電流Ia0やイナーシャ電流Iiなどから、前記の(1)式に基づき目標電流Itarを算出し、算出された目標電流Itarを、アシストモータ35に供給する。第1EPS制御装置51Aは、アシストモータ35に流れるモータ電流Imが目標電流Itarに追従するように、フィードバック制御を行う。
したがって、手放し判定時には、通常運転時である非手放し判定時と比べて小さい値に設定されるイナーシャ電流Iiに基づく目標電流Itarをもって、操舵制御に係る安定性を重視すると共に、車室内での不快な雑音の発生を抑制すべくアシストモータ35の駆動制御が行われる。
ステップS19において、第1EPS制御装置51Aの第1手放し判定部93Aは、手放し判定フラグがオンに設定されているか否かを判定する。ステップS19の判定の結果、手放し判定フラグがオフに設定されている旨の判定が下された場合(ステップS19のNo)、第1EPS制御装置51Aは、処理の流れをステップS11に戻して、以降の処理を順次実行させる。一方、ステップS19の判定の結果、手放し判定フラグがオンに設定されている旨の判定が下された場合(ステップS19のYes)、第1EPS制御装置51Aは、処理の流れを次のステップS20へと進ませる。
ステップS20において、第1EPS制御装置51Aは、待機時間カウンタにセットされた待機時間がアップしたか否かを判定する。ステップS20の判定は、待機時間カウンタにセットされた待機時間がタイムアップするまで繰り返される。
ステップS20の判定の結果、待機時間カウンタにセットされた待機時間がタイムアップした旨の判定が下された場合(ステップS20のYes)、第1EPS制御装置51Aは、処理の流れを次のステップS21へと進ませる。
ステップS21において、第1EPS制御装置51Aの第1手放し判定部93Aは、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが、第2トルク閾値TRth2以上か否か、つまり、ステアリングホイール13から手を放していた運転者が、所定の待機時間が経過した後(ステップS20のYes)に、ステアリングホイール13を握りなおしたか否かを判定する。ステップS21の判定は、操舵トルク絶対値TRabが第2トルク閾値TRth2以上(ステアリングホイール13を握りなおした;ステップS21のYes)になるまで繰り返される。
ステップS21の判定の結果、操舵トルク絶対値TRabが第2トルク閾値TRth2以上(ステアリングホイール13を握りなおした)である旨の判定が下された場合(ステップS21のYes)、第1EPS制御装置51Aは、処理の流れをステップS13に戻して、以降の処理を順次実行させる。
なお、ステップS19〜S21の処理は、運転者がステアリングホイール13から手を放している旨の判定を下す際に用いる所定の条件(ステップS12−1参照)に対し、ヒステリシス特性を設定するために行われる。
(第1実施形態に係る第1EPS制御装置51Aの作用効果)
第1EPS制御装置(制御部)51Aは、第1手放し判定部93Aにより運転者がステアリングホイール(操舵部材)13から手を放している旨の判定が下された手放し判定時に、トルク微分信号dVT/dtに基づくアシストモータ35の制御量を、第1手放し判定部93Aにより運転者がステアリングホイール(操舵部材)13から手を放していない旨の判定が下された非手放し判定時と比べて低減させる。そのため、通常運転時である非手放し判定時には、通常のトルク微分信号dVT/dtに基づくアシストモータ35の制御量をもって、操舵制御に係る応答性を重視したアシストモータ35の駆動制御が行われる一方、手放し判定時には、非手放し判定時と比べて低減されたトルク微分信号dVT/dtに基づくアシストモータ35の制御量をもって、操舵制御に係る安定性を重視すると共に、車室内での不快な雑音の発生を抑制すべくアシストモータ35の駆動制御が行われる。
第1実施形態に係る第1EPS制御装置(制御部)51Aを備える電動パワーステアリング装置11によれば、運転者がステアリングホイール(操舵部材)13から手を放している場合であっても、車室内での不快な雑音の発生を抑制しながら、操舵フィーリングを良好に維持することができる。
また、第1手放し判定部93Aは、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが第1トルク閾値TRth1に満たない旨の所定の条件を充足した場合に、運転者がステアリングホイール(操舵部材)13から手を放している旨の判定を下すため、前記の作用効果に加えて、手放し判定を的確に行うことができる。
また、第1手放し判定部93Aは、運転者がステアリングホイール(操舵部材)13から手を放している旨の判定を下す際に用いる所定の条件に対し、ヒステリシス特性を設定する構成を採用してもよい。
ここで、前記所定の条件に対し、ヒステリシス特性を設定するとは、例えば、当該所定の条件を充足するタイミングと該所定の条件をいったん充足した後に該所定の条件を充足しなくなるタイミングとを、時間的に相互にずらすことによって、当該所定の条件をいったん充足した後では、その状態を安定して維持する傾向を助長することを意味する。
なお、運転者がステアリングホイール(操舵部材)13から手を放している旨の判定を下す際に用いる、操舵トルク絶対値TRabに係る閾値(第1トルク閾値TRth1)を、初めて下回った際と、いったん下回った後との間で異ならせることで、前記のヒステリシス特性を設定してもよい。具体的には、操舵トルク絶対値TRabが初めて閾値を下回ったことで手放し判定が下された際のその閾値(第1トルク閾値TRth1)と比べて、手放し判定を解除する際に用いる閾値(第2トルク閾値TRth2)を低く設定することによって、ヒステリシス特性を設定してもよい。
このように構成すれば、前記所定の条件をいったん充足した後では、手放し判定時期、又は、手放し非判定時期を安定して維持する傾向を助長する結果として、操舵制御に係る安定性と、操舵制御に係る応答性とを確保しながら、操舵フィーリングを良好に維持することができる。
また、操舵トルク検出部としては、ステアリングホイール(操舵部材)13に連結された操舵軸(回転軸部)19をトーションバーとして用いる方式のトルクセンサを採用してもよいし、また、ステアリングホイール(操舵部材)13に連結された高いねじり剛性を有する操舵軸(回転軸部)19の周囲に設けられる磁歪式のトルクセンサ25を採用してもよい。
操舵トルク検出部の態様として、磁歪式のトルクセンサ25を採用すれば、前記の作用効果に加えて、高精度で検出された操舵トルク情報(トルク微分信号を含む)に基づいて、高い精度をもってアシストモータ35の駆動制御を行うことができる。
(第2実施形態に係る第2EPS制御装置51Bの構成)
次に、第2実施形態に係る第2EPS制御装置51Bの内部構成について、図5を参照して説明する。図5は、第2EPS制御装置51Bの内部構成を表すブロック図である。
第1実施形態に係る第1EPS制御装置51Aと、第2実施形態に係る第2EPS制御装置51Bとの間には、相互に共通の機能部分が存在する。そこで、第2実施形態に係る第2EPS制御装置51Bに特異な構成部分である第2EPS制御装置51Bに着目し、この第2EPS制御装置51Bの説明を行うことにより、第2EPS制御装置51Bの説明に代えることとする。
第1EPS制御装置51Aでは、第1手放し判定部93Aは、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが、第1トルク閾値TRth1未満か否かを判定し、操舵トルク絶対値TRabが、第1トルク閾値TRth1未満である際に、運転者がステアリングホイール13から手を放している旨の判定を下す。
ところが、第1手放し判定部93Aのように、運転者がステアリングホイール13から手を放している旨の判定を下す条件として、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが、第1トルク閾値TRth1に満たないことのみを単独で採用した場合、操舵フィーリングの毀損を生じることが懸念される。
仮に、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが、第1トルク閾値TRth1に満たないが、ステアリングホイール13が戻し方向に所定の速度閾値以上で動いている状況下において、運転者がステアリングホイール13から手を放しているとみなしてアシストモータ35の制御量を低減させる制御を行うと、操舵フィーリングの毀損を生じることが懸念される。また、ステアリングホイール13が前記のように戻し方向に動いている状況下では、ステアリングホイール13の作動音が支配的であり、本発明が対象とする雑音を抑制する要請が相対的に低い。
そこで、第2EPS制御装置51Bでは、第2手放し判定部93Bは、操舵トルク絶対値TRabが、第1トルク閾値TRth1に満たず、かつ、アシストモータ35の回転速度が所定の速度閾値に満たない際に、運転者がステアリングホイール13から手を放している旨の判定を下す構成を採用することとした。なお、アシストモータ35の回転速度に係る所定の速度閾値としては、運転者がステアリングホイール13から手を放しているとみなせるアシストモータ35の回転速度の値を、実験等を通じて適宜設定すればよい。
(第2実施形態に係る第2EPS制御装置51Bの動作)
次に、第2実施形態に係る第2EPS制御装置51Bの動作について、図6を参照して説明する。図6は、第2EPS制御装置51Bの動作説明に供するフローチャート図である。
第1実施形態に係る第1EPS制御装置51Aの動作と、第2実施形態に係る第2EPS制御装置51Bの動作との間には、相互に共通の存在する。そこで、第2実施形態に係る第2EPS制御装置51Bに特異な動作部分であるステップS12−2に着目し、このステップS12−2の説明を行うことにより、第2EPS制御装置51Bの動作説明に代えることとする。
第1EPS制御装置51Aでは、図4に示すステップS12−1において、第1手放し判定部93Aは、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが、第1トルク閾値TRth1未満か否か、つまり、運転者がステアリングホイール13から手を放しているか否かを判定する。ステップS12−1の判定の結果、操舵トルク絶対値TRabが第1トルク閾値TRth1以上である(運転者がステアリングホイール13から手を放していない)旨の判定が下された場合(ステップS12−1のNo)、第1EPS制御装置51Aは、処理の流れを次のステップS13へと進ませる。一方、ステップS12−1の判定の結果、操舵トルク絶対値TRabが第1トルク閾値TRth1未満である(運転者がステアリングホイール13から手を放している)旨の判定が下された場合(ステップS12−1のYes)、第1EPS制御装置51Aは、処理の流れをステップS15へと進ませる。
これに対し、第2EPS制御装置51Bでは、図6に示すステップS12−1において、第2手放し判定部93Bは、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが、第1トルク閾値TRth1未満か否かを判定する。ステップS12−1の判定の結果、操舵トルク絶対値TRabが第1トルク閾値TRth1以上である旨の判定が下された場合(ステップS12−1のNo)、第1EPS制御装置51Aは、処理の流れを次のステップS13へと進ませる。一方、ステップS12−1の判定の結果、操舵トルク絶対値TRabが第1トルク閾値TRth1未満である旨の判定が下された場合(ステップS12−1のYes)、第2EPS制御装置51Bは、処理の流れを次のステップS12−2へと進ませる。
図6に示すステップS12−2において、第2手放し判定部93Bは、アシストモータ35の回転速度が、所定の速度閾値未満か否か、つまり、運転者がステアリングホイール13から手を放しているか否かを判定する。ステップS12−2の判定の結果、アシストモータ35の回転速度が所定の速度閾値以上である(運転者がステアリングホイール13から手を放していない)旨の判定が下された場合(ステップS12−2のNo)、第1EPS制御装置51Aは、処理の流れを次のステップS13へと進ませる。一方、ステップS12−2の判定の結果、アシストモータ35の回転速度が所定の速度閾値未満である旨の判定が下された場合(ステップS12−2のYes)、第2EPS制御装置51Bは、運転者がステアリングホイール13から手を放しているとみなして、処理の流れをステップS15へと進ませる。
(第2実施形態に係る第2EPS制御装置51Bの作用効果)
第2EPS制御装置51Bでは、第2手放し判定部93Bは、操舵トルク情報VTに基づく操舵トルク絶対値TRabが第1トルク閾値TRth1に満たず、かつ、アシストモータ35の回転速度が所定の速度閾値に満たない旨の所定の条件を充足した場合に、運転者がステアリングホイール(操舵部材)13から手を放している旨の判定を下す。
したがって、第2実施形態に係る第2EPS制御装置(制御部)51Bを備える電動パワーステアリング装置11によれば、運転者が操舵部材から手を放している場合であっても、車室内での不快な雑音の発生を抑制しながら、操舵フィーリングを良好に維持する効果をより高い水準で発揮することができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば、本発明の実施形態に係る説明において、磁歪式の操舵トルクセンサ25を、転舵軸31を囲むように設ける態様を例示して説明したが、本発明はこの例に限定されない。磁歪式の操舵トルクセンサ25を、操舵軸19を囲むように設けてもよい。
また、第1実施形態に係る第1EPS制御装置51Aの説明において、第1手放し判定部93Aにより運転者がステアリングホイール13から手を放している旨の判定が下された手放し判定時に、トルク微分信号dVT/dtに基づくアシストモータ35の制御量を、第1手放し判定部93Aにより運転者がステアリングホイール13から手を放していない旨の判定が下された非手放し判定時(通常運転時)と比べて低減させる実施態様として、第1〜第5実施例をそれぞれ単独で適用する例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。
トルク微分信号dVT/dtに基づくアシストモータ35の制御量を低減させる実施態様として、例えば、第1実施例及び第4実施例、第1実施例及び第5実施例、第1実施例と第4実施例及び第5実施例、第2実施例及び第4実施例、第2実施例及び第5実施例、第2実施例と第4実施例及び第5実施例、第3実施例及び第4実施例、第3実施例及び第5実施例、並びに、第3実施例と第4実施例及び第5実施例をそれぞれ組わせて適用することにより、本発明を実施してもよい。
このことは、第2実施形態に係る第2EPS制御装置51Bにおいても同様である。
11 電動パワーステアリング装置
13 ステアリングホイール(操舵部材)
25 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出部)
35 アシストモータ
51A 第1EPS制御装置(制御部)
51B 第2EPS制御装置(制御部)
93 手放し判定部

Claims (4)

  1. 車両に設けた操舵部材の手動操作に係る補助力を、該操舵部材及び転舵装置を含む操舵系統に伝えるためのアシストモータを有する電動パワーステアリング装置であって、
    前記操舵系統に作用する操舵トルクを検出する磁歪式の操舵トルク検出部と、
    前記操舵トルク検出部により検出されたトルク信号に基づいて前記アシストモータの駆動制御を行う制御部と、
    所定の条件を充足した場合に、運転者が前記操舵部材から手を放している旨の判定を下す手放し判定部と、を備え、
    前記制御部は、前記車両の停止時で前記手放し判定部により運転者が前記操舵部材から手を放している旨の判定が下された手放し判定時に、前記トルク信号に基づく前記アシストモータの制御量を、前記手放し判定部により運転者が前記操舵部材から手を放していない旨の判定が下された非手放し判定時と比べて低減させる
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置であって、
    前記手放し判定部は、前記操舵トルク情報に基づく操舵トルク絶対値が所定のトルク閾値に満たない旨の前記所定の条件を充足した場合に、運転者が前記操舵部材から手を放している旨の判定を下す
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置であって、
    前記アシストモータの回転速度を検出する回転速度検出部をさらに備え、
    前記手放し判定部は、前記操舵トルク情報に基づく操舵トルク絶対値が所定のトルク閾値に満たず、かつ、前記アシストモータの回転速度が所定の速度閾値に満たない旨の前記所定の条件を充足した場合に、運転者が前記操舵部材から手を放している旨の判定を下す
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置であって、
    前記手放し判定部は、前記所定の条件に対し、ヒステリシス特性を設定する
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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