JP5464004B2 - Iii族窒化物半導体結晶の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体結晶の製造方法 Download PDF

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本発明は、フラックス法によって種結晶上にIII 族窒化物半導体結晶を製造する方法に関するものであり、転位の少ないIII 族窒化物半導体結晶を得ることができる製造方法に関する。
GaNなどのIII 族窒化物半導体結晶の製造方法として、いわゆるNaフラックス法が知られている。これは、Na(ナトリウム)とGa(ガリウム)との混合融液を約800℃、数十気圧下で窒素とを反応させて、GaNを結晶成長させる方法である。
このNaフラックス法では、種結晶して、たとえば、サファイア基板上にHVPE法やMOCVD法などによってGaNを成長させたテンプレート基板や、GaN自立基板を用いる。
Naフラックス法において、III 族窒化物半導体結晶の成長速度を制御する方法として、特許文献1に記載の方法がある。特許文献1には、窒素の流量によって成長速度を制御し、成長速度を一定に保つことで均質なGaN結晶を製造する方法が記載されている。しかし、成長速度を故意に変化させてGaN結晶を成長させることは記載がない。
特開2009−263169
本発明者はNaフラックス法におけるGaN結晶の成長速度について検討したところ、25〜30μm/hの成長速度では、インクルージョンが多く発生してしまう場合があり、このインクルージョンによって転位の伝搬が阻止されることで、GaN結晶の転位密度が減少することがわかった。ここでインクルージョンとは、GaN結晶の育成中にNaフラックス法で用いる混合融液が取り込まれ、GaN結晶中にその混合融液が残って包含されたものである。また、8〜15μm/hの成長速度では、インクルージョンは減少するが、転位密度は減少しなかった。すなわち、インクルージョン発生の抑制と、転位密度の低減とを両立させることはできなかった。
そこで本発明の目的は、フラックス法によるIII 族窒化物半導体結晶の製造方法において、III 族窒化物半導体結晶にインクルージョンを発生させず、かつ転位密度を低減することができる製造方法を提供することである。
第1の発明は、III 族金属とアルカリ金属とを少なくとも含む混合融液と、少なくとも窒素を含む気体とを反応させ、種結晶にIII 族窒化物半導体を結晶成長させるIII 族窒化物半導体結晶の製造方法において、7μm/h以下の成長速度でIII 族窒化物半導体結晶の成長を開始する第1工程と、第1工程の後、成長速度を段階的または連続的に上げて7μm/hよりも速い成長速度でIII 族窒化物半導体結晶を成長させる第2工程と、を有し、第1工程では、混合融液全体に対するIII 族金属のモル比を13%以下とすることで、III 族窒化物半導体結晶の成長速度を7μm/h以下とし、第2工程では、混合融液にIII 族金属を供給し、混合融液のアルカリ金属に対するIII 族金属のモル比を18〜30%とすることで、III 族窒化物半導体結晶の成長速度を7μm/hよりも速くする、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体結晶の製造方法である。
第2の発明は、III 族金属とアルカリ金属とを少なくとも含む混合融液と、少なくとも窒素を含む気体とを反応させ、種結晶にIII 族窒化物半導体を結晶成長させるIII 族窒化物半導体結晶の製造方法において、7μm/h以下の成長速度でIII 族窒化物半導体結晶の成長を開始し、種結晶上にIII 族窒化物半導体結晶を厚さ0.4mm以上成長させる第1工程と、第1工程の後、成長速度を段階的または連続的に上げて7μm/hよりも速い速成長速度でIII 族窒化物半導体結晶を成長させる第2工程と、を有することを特徴とするIII 族窒化物半導体結晶の製造方法である。
ここでIII 族窒化物半導体とは、一般式Alx Gay Inz N(x+y+z=1、0≦x、y、z≦1)で表される半導体であり、Al、Ga、Inの一部を他の第13族元素(第3B族元素)であるBやTlで置換したもの、Nの一部を他の第15族元素(第5B族元素)であるP、As、Sb、Biで置換したものをも含むものとする。より一般的には、Gaを少なくとも含むGaN、InGaN、AlGaN、AlGaInNを示す。
III 族金属は、Ga、Al、Inのうち少なくとも1つであり、特にGaのみを用いてGaN結晶を製造するのが望ましい。
アルカリ金属は、通常はNa(ナトリウム)を用いるが、K(カリウム)を用いてもよく、NaとKの混合物であってもよい。さらには、Li(リチウム)やアルカリ土類金属を混合してもよい。また、混合融液には、結晶成長させるIII 族窒化物半導体の伝導型、磁性などの物性の制御や、結晶成長の促進、雑晶の抑制、成長方向の制御、などの目的でドーパントを添加してもよい。たとえばC(炭素)を添加すると、雑晶の抑制や結晶成長促進の効果を得られる。また、n型ドーパントしてGe(ゲルマニウム)などを用いることができ、p型ドーパントとしてZn(亜鉛)などを用いることができる。
また、窒素を含む気体とは、窒素分子や、アンモニア等の窒素を構成元素として含む化合物の気体であり、それらの混合ガスでもよく、さらには希ガス等の不活性ガスを含んでいてもよい。
成長速度の制御は、温度、圧力、混合融液全体に対するIII 族金属のモル比、などによって制御することができる。混合融液全体とは、III 族金属とアルカリ金属とを合わせたモル数であり、混合融液に含まれるIII 族金属やアルカリ金属以外のドーパント等をも含めた全体のモル数であってもよい。
第1工程におけるIII 族窒化物半導体結晶の成長速度は、1μm/h以上とすることが望ましい。これよりも遅い成長速度では、III 族窒化物半導体結晶の成長に多大な時間がかかり、生産性の点で問題があるため望ましくない。より望ましい第1工程における成長速度は、3〜7μm/hである。
第1工程において成長させるIII 族窒化物半導体結晶の厚さは、0.4mm以上とすることが望ましい。0.4mm以上とすれば、転位密度を十分に低減することができる。ただし、第1工程において成長させるIII 族窒化物半導体結晶の厚さは2mm以下とすることが望ましい。これより厚くすると、第1工程による転位密度の低減効果が飽和してしまい、厚くする意義がないからである。より望ましくは0.5〜1.5mmである。
第1工程においてGaNがステップフロー成長し易くするために、種結晶の転位密度は1×108 /cm2 以下とすることが望ましく、特にIII 族窒化物半導体自立基板であることが望ましいが、テンプレート基板を用いてもよい。テンプレート基板は、サファイア基板等の異種基板上にHVPE法やMOCVD法などによってIII 族窒化物半導体層を形成した基板である。
第2工程におけるIII 族窒化物半導体結晶の成長速度は、8〜20μm/hとすることが望ましい。インクルージョンが発生しなくなり、かつ、第1工程において成長させたGaN結晶と同等の転位密度とすることができる。より望ましい第2工程における成長速度は、8〜15μm/hである。
第3の発明は、第1、2の発明において、第2工程は、7μm/hよりも速く25μm/hよりも遅い成長速度とする、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体結晶の製造方法である。
第4の発明は、第3の発明において、第2工程の後、25μm/h以上の成長速度でIII 族窒化物半導体結晶を成長させる第3工程をさらに有することを特徴とするIII 族窒化物半導体結晶の製造方法である。
発明において、第1工程は、混合融液のアルカリ金属に対するIII 族金属のモル比を13%以下とすることで、III 族窒化物半導体結晶の成長速度を7μm/h以下とし、第2工程は、混合融液にIII 族金属を供給し、混合融液のアルカリ金属に対するIII 族金属のモル比を18〜30%とすることで、III 族窒化物半導体結晶の成長速度を7μm/hよりも速くしてもよい
第5の発明は、第1の発明から第4の発明において、種結晶のIII 族窒化物半導体を結晶成長させる表面は、1×108 /cm2 以下の転位密度である、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体結晶の製造方法である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明において、種結晶は、III 族窒化物半導体自立基板であることを特徴とするIII 族窒化物半導体結晶の製造方法である。
発明において、第1工程は、種結晶上にIII 族窒化物半導体結晶を厚さ0.4mm以上成長させる工程であってもよい
第1、2の発明のように、7μm/h以下の成長速度でIII 族窒化物半導体結晶の成長を開始することにより、III 族窒化物半導体結晶の成長がステップフロー成長となり、種結晶の転位がIII 族窒化物半導体結晶の成長中に効率的に曲げられるので、転位はIII 族窒化物半導体結晶の主面に垂直な方向には伝搬せず、III 族窒化物半導体結晶の転位密度を低減することができる。そして、転位密度が低減された後に成長速度を7μm/hより速くすることで、良質で厚く、インクルージョンの少ないIII 族窒化物半導体結晶を得ることができる。
また、第の発明のように、第2工程で成長速度を7μm/hより速く25μm/hよりも遅くすることで、よりインクルージョンが少なく、良質なIII 族窒化物半導体結晶を得ることができる。
また、第の発明によると、より厚くて良質なIII 族窒化物半導体結晶を得ることができる。
また、発明のように、III 族窒化物半導体結晶の成長速度は、混合融液のアルカリ金属に対するIII 族金属のモル比によって制御することができ、モル比を13%以下とすることで、混合融液の粘性が小さくなり、成長速度が7μm/h以下となるため、ステップフロー成長を起こすことができる。
また、第5の発明のように、転位密度が1×108 /cm2 以下の種結晶を用いる場合に本発明は効果的である。転位密度が1×108 /cm2 よりも高いと、ステップフロー成長が起こりにくく、本発明により転位密度を十分に低減することができないためである。
また、第6の発明のように、種結晶としてIII 族窒化物半導体自立基板を用いることができる。このような自立基板は、通常、テンプレート基板のIII 族窒化物半導体よりも転位密度が低く、ステップフロー成長が起こりやすいため、本発明による転位密度の低減効果が高い。
また、発明のように、第1工程においてIII 族窒化物半導体結晶を0.4mm以上に成長させれば、ステップフロー成長による転位の伝搬阻止効果が十分に高くなり、III 族窒化物半導体結晶の転位密度を十分に低減することができる。
実施例1のGaN結晶の製造に用いる製造装置1の構成を示した図。 実施例1のGaN結晶の製造工程を示した図。 実施例1のGaN結晶の製造工程を示した図。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1のGaN結晶の製造方法に用いる製造装置1の構成を示した図である。製造装置1は、圧力容器10と、反応容器11と、坩堝12と、加熱装置13と、供給管14、16と、排気管15、17と、Ga供給管19と、Ga保持容器20と、によって構成されている。
圧力容器10は、円筒形のステンレス製であり、耐圧性を有している。また、圧力容器10には、供給管16、排気管17が接続されている。圧力容器10の内部には、反応容器11と加熱装置13が配置されている。反応容器11は耐熱性を有している。反応容器11内には、坩堝12が配置される。坩堝12は、たとえばW(タングステン)、Mo(モリブデン)、BN(窒化ホウ素)、アルミナ、YAG(イットリウムアルミニウムガーネット)などである。坩堝12には、GaとNaを含む混合融液21が保持され、混合融液21中には種結晶18が保持される。反応容器11には、供給管14、排気管15が接続されており、供給管14、排気管15に設けられた弁(図示しない)により反応容器11内の換気、窒素の供給、反応容器11内の圧力の制御、を行う。また、圧力容器10にも供給管16より窒素が供給され、供給管16、排気管17の弁(図示しない)で窒素の供給量、排気量を調整することで、圧力容器10内の圧力と反応容器11内の圧力とがほぼ同じになるよう制御する。また、加熱装置13により、反応容器11内の温度を制御する。また、反応容器11には、Ga供給管19が接続されており、Ga保持容器20からGa供給管19を介して坩堝12内に液体のGaを供給することができる。
なお、反応容器11として耐圧性を有したものを使用すれば、必ずしも圧力容器10は必要ではない。また、坩堝12を回転あるいは揺動させて坩堝12中に保持される混合融液21を攪拌することができる装置を設け、GaN結晶の育成中に混合融液21を撹拌して混合融液21中のNa、Ga、窒素の濃度分布が均一となるようにするとよい。GaN結晶を均質に育成することができる。また、Ga供給管19を坩堝12に接続し、坩堝12内に直接液体Gaを供給するようにしてもよい。また、GaN結晶育成中のNaの蒸発を防止するために、坩堝12には蓋を設けてもよい。
次に、製造装置1を用いたGaN結晶の製造方法について説明する。
まず、種結晶18として、GaNからなる自立基板を用意する。この自立基板のGaNを成長させる側の表面は転位密度が1×108 /cm2 以下である。
この種結晶18を、坩堝12の底面に配置し、Na、Gaを坩堝12内に配置し、その坩堝12を反応容器11の中に入れて封をし、さらに反応容器11を圧力容器10内に配置して封をした。NaやGaは、固体の状態で坩堝12内に配置してもよいし、液体のNa、Gaをそれぞれ坩堝12内に入れたり、液体のNa、Gaを混合してから坩堝12内に入れてもよい。Naに対するGaのモル比は7%とした。次に、加熱装置13により加熱して坩堝12内にGaとNaの混合融液21を生じさせ、混合融液21の温度を860℃とした。また、供給管14、排気管15により反応容器11内に窒素を供給して、反応容器11内の圧力を4.2MPaとした。また、圧力容器10内にも供給管16、排気管17より窒素を供給して、圧力容器10内の圧力が反応容器11内の圧力と同程度となるようにした。種結晶18は混合融液21中に保持される。この温度、圧力を100時間維持し、種結晶18の表面に厚さ0.6mmのGaN結晶100を成長させた。GaNの成長速度は6μm/hである。
ここで、混合融液21全体に対するGaのモル比を7パーセントとしており、混合融液21中のGa量が少ないため、混合融液21の粘性が小さく、横方向に成長しやすい条件となっていて、ステップフロー成長が起こりやすくなっている。ステップフロー成長とは、結晶表面のテラスからの結晶成長が少なく、ステップから横方向(結晶表面に水平な方向)に結晶が成長する結晶成長モードである。また、混合融液21中のGa量が少ないためにGaNの成長速度が6μm/hと遅くなっており、これもGaN結晶100がステップフロー成長しやすい条件となっている。さらに、種結晶18のGaN結晶100を成長させる側表面の転位密度を1×108 /cm2 以下としていることも、ステップフロー成長を発生させやすくする要因となっている。その結果、種結晶18上に成長するGaN結晶100は、ステップフロー成長が支配的な成長となる。このステップフロー成長によって、種結晶18から伝搬する転位101の大部分はGaN結晶100中において横方向(GaN結晶100の主面に水平な方向)に曲げられ、GaN結晶100の主面に垂直な方向への転位の伝搬は阻害される(図2参照)。その結果、種結晶18上に育成されたGaN結晶100の表面は、種結晶18の表面よりも転位密度が減少している。
上記のGaN結晶100を成長させる工程では、混合融液21全体に対するGaのモル比を7%とすることによってGaN結晶100の成長速度を6μm/hとしているが、GaN結晶100のステップフロー成長が発生しやすくし、転位密度を低減するためには、GaN結晶100の成長速度を7μm/h以下とすればよく、このとき、混合融液21全体に対するGaのモル比は13%以下とすればよい。より望ましいGaN結晶100の成長速度は1〜7μm/hである。GaN結晶100の成長速度がこの範囲となるためには、混合融液21全体に対するGaのモル比を4〜13%とすればよい。また、上記工程では、GaN結晶100を厚さ0.6mm成長させているが、GaN結晶100の転位密度を十分に低減するためには0.4mm以上の厚さに成長させればよい。より望ましくは0.5〜1.5mmである。
次に、Ga供給管19を介してGa保持容器20中の液体Gaを坩堝12内に供給し、坩堝12内の混合融液21全体に対するGaのモル比を18〜30%とした。そして、混合融液の温度を860℃、圧力を3.7MPaとして、GaN結晶100上にさらにGaN結晶102を100時間育成した。GaN結晶102の成長速度は15μm/hであり、GaN結晶100とGaN結晶102を合わせた厚さは約2mmである。液体Gaを坩堝12内に供給する際、坩堝12内のGa量を連続的に増加させていって、成長速度が連続的に6μm/hから15μm/hまで連続的に上げるするようにしてもよい。
ここで、前工程においてGaN結晶100の転位は十分に減少しているため、GaN結晶102の成長速度を成長速度7μm/hよりも速くしても転位が増加してしまうことはない。また、GaN結晶102の成長速度を25μm/hよりも遅くしているため、インクルージョンの発生を抑制することができる。したがって、良質なGaN結晶102をGaN結晶100よりも速い速度で育成することができる。なお、GaN結晶100の成長速度はGaN結晶102よりも遅いのであるから、当然にGaN結晶100もインクルージョンの発生が抑制されている。
上記のGaN結晶102を成長させる工程では、混合融液21全体に対するGaのモル比を18〜30%とすることによってGaN結晶102の成長速度を15μm/hとしているが、GaN結晶102の成長速度は7μm/hよりも速く、25μm/hよりも遅い速度であればよい。より望ましいGaN結晶102の成長速度は、8〜15μm/hである。
その後、GaN結晶102上に、成長速度25μm/h以上でGaN結晶を育成してもよい。
次に、加熱、加圧を停止して常温、常圧に戻し、GaN結晶102の結晶成長を終了させ、種結晶18および種結晶18上に成長したGaN結晶100、102を取り出し、付着したNaをエタノールなどによって除去する。
以上に述べた実施例1のGaN結晶の製造方法によれば、インクルージョンを有さず、かつ転位密度が種結晶18よりも低減されたGaN結晶を製造することができる。
なお、実施例1では、主として混合融液のNaに対するGaのモル比を変えることでGaNの成長速度を制御しているが、Gaのモル比を制御せずに温度や圧力の制御によってGaNの成長速度を制御してもよいし、温度、圧力、混合融液のNaに対するGaのモル比、のいずれか2以上を制御することでGaNの成長速度を制御してもよい。また、不純物を添加することで成長速度を制御してもよい。また、実施例1では、育成中にGaを供給してGaのモル比を制御しているが、低いGaモル比でGaN結晶の育成を行い、一旦育成を終了した状態で、Gaを追加して高いGaモル比としてGaN結晶の育成を再度実施するようにしてもよい。
また、実施例1では、種結晶としてGaN自立基板を用いたが、テンプレート基板を用いてもよい。テンプレート基板は、サファイア基板等の異種基板上にHVPE法やMOCVD法などによってGaN層を形成した基板である。テンプレート基板を用いる場合も、テンプレート基板のGaN層表面の転位密度を1×108 /cm2 以下としてステップフロー成長を発生させやすくすることが望ましい。
また、実施例1は、GaN結晶の製造方法であったが、本発明はGaN以外のIII 族窒化物半導体、たとえばAlGaN、InGaN、AlGaInNなどの製造にも適用可能である。
本発明によるIII 族窒化物半導体は、III 族窒化物半導体からなる電子デバイス(たとえばLED、LDなどの発光デバイスや、HEMTなどの電界効果トランジスタ)を作製する際の成長基板として利用することができる。
10:圧力容器
11:反応容器
12:坩堝
13:加熱装置
14、16:供給管
15、17:排気管
18:種結晶
19:Ga供給管
20:Ga保持容器
100、102:GaN結晶
101:転位

Claims (6)

  1. III 族金属とアルカリ金属とを少なくとも含む混合融液と、少なくとも窒素を含む気体とを反応させ、種結晶にIII 族窒化物半導体を結晶成長させるIII 族窒化物半導体結晶の製造方法において、
    7μm/h以下の成長速度でIII 族窒化物半導体結晶の成長を開始する第1工程と、
    前記第1工程の後、成長速度を段階的または連続的に上げて7μm/hよりも速い速成長速度でIII 族窒化物半導体結晶を成長させる第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程では、前記混合融液全体に対するIII 族金属のモル比を13%以下とすることで、III 族窒化物半導体結晶の成長速度を7μm/h以下とし、
    前記第2工程では、前記混合融液に前記III 族金属を供給し、前記混合融液のアルカリ金属に対するIII 族金属のモル比を18〜30%とすることで、III 族窒化物半導体結晶の成長速度を7μm/hよりも速くする、
    ことを特徴とするIII 族窒化物半導体結晶の製造方法。
  2. III 族金属とアルカリ金属とを少なくとも含む混合融液と、少なくとも窒素を含む気体とを反応させ、種結晶にIII 族窒化物半導体を結晶成長させるIII 族窒化物半導体結晶の製造方法において、
    7μm/h以下の成長速度でIII 族窒化物半導体結晶の成長を開始し、前記種結晶上にIII 族窒化物半導体結晶を厚さ0.4mm以上成長させる第1工程と、
    前記第1工程の後、成長速度を段階的または連続的に上げて7μm/hよりも速い速成長速度でIII 族窒化物半導体結晶を成長させる第2工程と、
    を有することを特徴とするIII 族窒化物半導体結晶の製造方法。
  3. 前記第2工程は、7μm/hよりも速く25μm/hよりも遅い成長速度とする、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体結晶の製造方法。
  4. 前記第2工程の後、25μm/h以上の成長速度でIII 族窒化物半導体結晶を成長させる第3工程をさらに有することを特徴とする請求項に記載のIII 族窒化物半導体結晶の製造方法。
  5. 前記種結晶のIII 族窒化物半導体を結晶成長させる表面は、1×108 /cm2 以下の転位密度である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体結晶の製造方法。
  6. 前記種結晶は、III 族窒化物半導体自立基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体結晶の製造方法。
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