JP5454599B2 - 船舶用耐食鋼材およびその製造方法 - Google Patents

船舶用耐食鋼材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、石炭船、鉱石船、鉱炭兼用船、原油タンカー、LPG船、LNG船、ケミカルタンカー、コンテナ船、ばら積み船、木材専用船、チップ専用船、冷凍運搬船、自動車専用船、重量物船、RORO船、石灰石専用船およびセメント専用船等の船舶用の鋼材、特に海水による厳しい腐食環境下にあるバラストタンク等に用いて好適なGKd[、しかもこのような船舶用の鋼材を大入熱溶接する場合に、溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材およびその製造方法に関するものである。
本発明において、船舶用耐食鋼材とは、厚鋼板をはじめとして、薄鋼板、形鋼および棒鋼等を含むものである。
また、本発明において、大入熱溶接とは、入熱量が60kJ/cm以上の溶接を指し、REMは希土類元素を指すものとする。
船舶のバラストタンクは、積荷がない時には、海水を注入して船舶の安定航行を可能にする役目を担うものであり、極めて厳しい腐食環境下におかれている。そのため、バラストタンクに用いられる鋼材の防食には、通常、エポキシ系塗料による防食塗膜の塗装と電気防食とが併用されている。
しかしながら、それらの防食対策を講じても、バラストタンクの腐食状態は依然として激しい状態にある。
すなわち、バラストタンクに海水を注入したとき、海水に完全に浸されている部分については、電気防食が機能している場合、腐食の進行を抑えることができる。しかしながら、バラストタンクの最上部付近、特に上甲板の裏側は、海水に漬からず、海水の飛沫を浴びる状態におかれているため、このような部位では、電気防食が機能しない。さらに、この部位は、太陽光によって鋼板の温度が上昇するため、より厳しい腐食環境となり、激しい腐食を受ける。また、バラストタンクに海水が注入されていない場合には、バラストタンク全体で、電気防食が全く働かないため、残留付着塩分の作用によって、激しい腐食を受ける。
このような厳しい腐食環境下にあるバラストタンクの防食塗膜の寿命は、一般に約10〜15年といわれており、船舶の寿命(20〜25年)の約半分である。従って、残りの約10年は、補修塗装を行うことよって耐食性を維持しているのが実情である。しかしながら、バラストタンクは、上記のように厳しい腐食環境にあるため、補修塗装を行ってもその効果を長時間持続させることが難しい。また、補修塗装は、狭い空間での作業となるため、作業環境としても好ましいものではない。
そのため、補修塗装までの期間をできる限り延長でき、かつ補修塗装作業をできるだけ軽減できる耐食性に優れた鋼材の開発が望まれている。
そこで、バラストタンク等の厳しい腐食環境にある部位に用いられる鋼材自体の耐食性を向上させる技術が、幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、C:0.20mass%以下の鋼に、耐食性改善元素としてCu:0.05〜0.50mass%、W:0.01〜0.05mass%未満を添加した耐食性低合金鋼が開示されている。
また、特許文献2には、C:0.20mass%以下の鋼材に、耐食性改善元素としてCu:0.05〜0.50mass%、W:0.05〜0.5 mass%を添加し、さらにGe,Sn,Pb,As,Sb,Bi,Te,Beのうちの1種もしくは2種以上を0.01〜0.2 mass%添加した耐食性低合金鋼が開示されている。
さらに、特許文献3には、C:0.15mass%以下の鋼に、Cu:0.05〜0.15mass%未満、W:0.05〜0.5mass%を添加した耐食性低合金鋼が開示されている。
その他、特許文献4には、C:0.15mass%以下の鋼に、耐食性改善元素としてP:0.03〜0.10mass%、Cu:0.1〜1.0mass%、Ni:0.1〜1.0mass%を添加した低合金耐食鋼材に、タールエポキシ塗料、ピュアエポキシ塗料、無溶剤型エポキシ塗料およびウレタン塗料等の防食塗料を塗布し、樹脂被覆したバラストタンクが開示されている。この技術は、鋼材自身の耐食性向上により防食塗装の寿命を延長し、船舶の使用期間である20〜30年に亘ってメンテナンスフリー化を実現しようとするものである。
特許文献5には、C:0.15mass%以下の鋼に、耐食性改善元素としてCr:0.2〜5mass%を添加して耐食性を向上し、船舶のメンテナンスフリー化を実現しようとする提案がなされている。
特許文献6には、C:0.15mass%以下の鋼に、耐食性改善元素としてCr:0.2〜5mass%を添加した鋼材を構成材料として使用すると共に、バラストタンク内部の酸素ガス濃度を大気中の値に対して50%以下の比率とすることを特徴とするバラストタンクの防食方法が提案されている。
また、特許文献7には、C:0.1 mass%以下の鋼に、Cr:0.5〜3.5mass%を添加することによって耐食性を向上させ、船舶のメンテナンスフリー化を実現しようとする提案がなされている。
特許文献8には、C:0.001〜0.025mass%の鋼に、Ni:0.1〜4.0mass%を添加することによって耐塗膜損傷性を向上させ、補修塗装などの保守費用を軽減する船舶用鋼材が開示されている。
さらに、特許文献9には、C:0.01〜0.25mass%の鋼に、Cu:0.01〜2.00 mass%、Mg:0.0002〜0.0150mass%を添加することで、船舶外板、バラストタンク、カーゴオイルタンクおよび鉱炭石カーゴホールド等の使用環境において耐食性を向上させた船舶用鋼が開示されている。
特許文献10には、C:0.001〜0.2mass%の鋼において、Mo,WとCuとを複合添加し、不純物であるP,Sの添加量を限定することにより、原油油槽で生じる全面腐食、局部腐食を抑制した鋼が開示されている。
しかしながら、上記の特許文献1〜3では、バラストタンク等を構成する鋼材に対して一般的に塗布されているエポキシ系塗料等の塗膜存在下での耐食性については、検討がなされておらず、従って、上記のような塗膜存在下での耐食性向上については、別途検討の必要があった。
また、特許文献4の鋼材は、下地金属の耐食性を向上させるために、Pを0.03〜0.10mass%と比較的多量に添加しているため、溶接性および溶接部靭性の面から問題が残る。
さらに、特許文献5および特許文献6の鋼材はCrを0.2〜5mass%、特許文献7の鋼材はCrを0.5〜3.5mass%と比較的多く含有しているため、いずれも溶接性および溶接部靭性に問題がある他、製造コストが高くなるという問題があった。また、特許文献8の鋼材は、C含有量が比較的低く、Ni含有量が比較的高いため、製造コストが高くなるという問題があった。
また、特許文献9の鋼材は、Mgの添加を必須としているが、Mgは製鋼歩留りが安定しないため、鋼材の機械的特性が安定しないという問題があった。さらに、特許文献10の鋼材は、原油油槽内というH2Sが存在する環境下で使用される耐食鋼であるため、H2Sが存在しないバラストタンクでの耐食性は不明であり、さらにバラストタンク用鋼材に一般的に使用されているエポキシ系塗料が塗布された状態での耐食性については検討がなされていないため、バラストタンクに適用するには、別途検討の必要があった。
一方、造船分野における鋼構造物は、一般に鋼材を溶接により接合し、所望の形状に組み立てられることが多い。こうした溶接構造物に使用される鋼材には、安全性確保の観点から、母材靭性は勿論のこと、溶接部靭性にも優れることが要求される。
しかるに、近年、溶接構造物の大型化に伴い、構造物の施工効率の向上と施工コストの低減の観点から溶接効率の向上が求められ、溶接入熱の増大が指向されてきた。その際、最も問題となるのは溶接ボンド部の靭性である。溶接ボンド部は、溶接時に溶融点直下の高温に曝され、結晶粒が最も粗大化しやすく、しかも溶接入熱が増大するに伴い冷却速度が低下するため、脆弱な上部ベイナイト組織が形成されやすくなる。さらに、溶接ボンド部では、ウィドマンステッテン組織や島状マルテンサイトといった脆化組織が生成しやすく、靭性が低下しやすい。
この間題に対し、溶接ボンド部あるいはその近傍の溶接熱影響部の靭性改善を図る手段として以下のような提案がなされている。
すなわち、特許文献11および特許文献12では、Ti量、N量およびTi量とN量の比であるTi/Nを規定し、TiN粒子とMnSを複合化して、オーステナイト粒の粗大化を抑制している。
特許文献13では、Ti量およびN量を規定し、TiN粒子とREMオキシサルファイドを複合してオーステナイト粒の粗大化を抑制している。
特許文献14では、REMとTiとを複合添加し、オーステナイトの粒成長を抑制している。
特許文献15および特許文献16では、Ti酸化物を微細分散させ、フェライト変態の核生成サイトとして利用している。
特許文献17では、溶接時の冷却過程でTiNなどの上に析出するBNをフェライト変態の核として利用している。
特許文献18および特許文献19では、CaやREMを添加して硫化物の形態制御を行っている。
しかしながら、溶接部靭性に関しては、上述のように種々の改善手段が提案されているものの、以下のような問題があった。
Ti酸化物を用いる手段では、酸化物を均一かつ微細に分散させるのが困難なため、溶接部靭性のばらつきが大きくなる。
また、TiNを用いる手段では、その分散制御に注意を要する。すなわち、微細TiNの生成量が少ない場合、結晶粒微細化作用が失われて、溶接部靭性が向上しない。
さらに、AlやCaを活用する手段では、酸化物がクラスター化し、破壊の起点となって靭性が低下する場合がある。
しかも、従来のCaやREMを使用した硫化物形態制御方法の場合、溶接入熱が60kJ/cm以上の大入熱溶接部では、高靭性を確保することが困難という問題があった。
特開昭48−50921号公報 特開昭48−50922号公報 特開昭48−50924号公報 特開平7−34197号公報 特開平7−34196号公報 特開平7−34270号公報 特開平7−310141号公報 特開2002−266052号公報 特開2000−17381号公報 特開2004−204344号公報 特開平2−250917号公報 特開平2−254118号公報 特公平3−53367号公報 特開昭60−184663号公報 特開昭60−245768号公報 特開昭61−79745号公報 特開昭61−253344号公報 特開昭60−204863号公報 特公平4−14180号公報
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、船舶のバラストタンク等の厳しい海水腐食環境下においても、優れた塗装耐食性を発揮して、補修塗装までの期間の延長が可能で、しかも補修塗装の作業軽減を図ることができ、加えて、大入熱溶接部靭性にも優れた船舶用耐食鋼材を提案することを目的とする。
一般に、船舶は、厚鋼板や薄鋼板、形鋼、棒鋼等の鋼材を溶接して建造されており、その鋼材の表面には防食塗装が施されて使用される。この防食塗装は、一次防錆としてジンクプライマーを塗付し、小組み後あるいは大組み後に、二次塗装(本塗装)としてエポキシ系の塗装が施されるのが一般的である。したがって、船舶の鋼材表面の大部分は、ジンクプライマーとエポキシ塗装の2層構造となっている。
しかしながら、溶接部は、溶接熱によりジンクプライマーが焼失するため、溶接後から本塗装までの間の防錆のために、タッチアップとしてジンクプライマーを再塗装する。ただし、本塗装までの期間が短い場合には、ジンクプライマーの再塗装を行わないこともある。
船舶で最も腐食の厳しい部位は、バラストタンクであるが、バラストタンクにおける塗膜劣化は、塗膜損傷部、塗膜ピンホール、塗膜薄膜部からの腐食進行に起因する。ジンクプライマー+エポキシ塗装の2層構造部位では、船舶就航後から数年は、ジンクプライマーの作用により、腐食進行が遅く、塗膜劣化も軽微であるが、数年以降では、ジンクプライマーは腐食により徐々に消失し、塗膜劣化が顕著となる。したがって、ジンクプライマーが存在しない状態(ジンクプライマーの助けを借りない)で、塗装耐食性を発揮する鋼材の開発が望まれている。
そこで、発明者らは、上記の要請に応えるために、塗装耐食性の向上、特にジンクプライマーが存在しない状態での塗装耐食性の向上について、鋭意研究、検討を重ねた結果、以下に述べる知見を得た。ここで、塗装耐食性とは、塗料を塗布して表面に塗膜を形成した鋼材において、その表面に存在する塗膜欠陥部から発生する塗膜膨れを低減する性能である。
(1-1) 塗膜欠陥部でのさび層が、海水に含まれる塩化物イオンに対する保護皮膜となることが有効である。
(1-2) 塗膜欠陥部の低pH局部アノード部の腐食進行を抑制することが有効である。
(1-3) 腐食による鋼材からの溶出イオンが、鋼材表面へ吸着することが、腐食進行の抑制に有効である。
(1-4) 塗膜欠陥部の鋼材表面の低pH化を促進する元素、あるいは水素過電圧が小さく塗膜膨れを助長する元素の鋼中への含有を低減することが有効である。
また、上記(1-1)〜(1-4)のための好適元素については、次のとおりである。
(1-5) 上記(1-1)に対しては、鋼材が腐食するのに伴い、鋼材から溶出するイオンが酸素酸となって、さび層に取り込まれる合金元素の選択が有効であり、W,Moが有効である。
(1-6) 上記(1-2)に対しては、鋼材へのSn,Sbの含有が有効である。また、低pH環境で安定な腐食生成物となるFeWO4を形成するWが有効である。
(1-7) 上記(1-3)に対しては、WO4 2-となって、鋼材表面へ吸着するWが有効である。
(1-8) (1-4)に対しては、Cr,Cu,Ni,Coの低減が有効である。
上記した(1-1)〜(1-8)のコンセプトに基づき、各元素の塗装耐食性を実験検証した結果を、図1に示す。
実験方法として、3mmt×50mmW×150mmLの試験片を採取し、その後、その試験片の表面をショットブラストして、表面のスケールや油分を除去したのち、試験片表面に、タールエポキシ樹脂塗料(厚み:約100μm)の単層被膜を塗装した試験片を作製した。
ついで、塗膜の上からカッターナイフで地鉄表面まで達する80mm長さのスクラッチ疵を一文字状に付与しておき、下記条件の腐食試験後に、スクラッチ疵の周囲に発生した塗膜膨れ面積を測定した(図2参照)。
腐食試験は、実船のバラストタンクの上甲板裏に相当する腐食環境を模擬し、(35℃、5%NaCl溶液噴霧、2hr)→(60℃、RH25%、4hr)→(50℃、RH95%、2hr)を1サイクルとする試験を132サイクル行った。
塗装耐食性は、基本組成の試験片の塗膜膨れ面積を1.0とし、この面積に対する各元素を添加したときの塗膜膨れ面積の相対比で評価した。
図1に示したとおり、Sn,W,Mo,Sbは塗装耐食性の改善に有効である一方、Cr,Cu,Ni,Coは塗装耐食性を劣化させており、従って、塗装耐食性向上の観点からは、Sn,W,Mo,Sbの鋼中への添加と、Cr,Cu,Ni,Coの低減が有効であることが分かる。
さらに、発明者らは、塗装耐食性向上の観点から、これらの元素の複合化についてさらに研究、検討を重ねた結果、次式(1)で示される実験的塗装耐食性指標式を見出した。
(1-9) ACP={1−(0.8×W+0.5×Mo)0.3}×{1−(Sn+0.4×Sb)0.3
×(1+Cr)×(1+0.7×Cu)×(1+0.5×Ni)×(1+0.5×Co) --- (1)
但し、W,Mo,Sn,Sb,Cr,Cu,Ni,Coはそれぞれ、各元素の成分含有量(mass%)
そして、このACP値が、0.50以下になるように、鋼中元素を調整することにより、所望の塗装耐食性が得られることが究明された。
(1-10) 但し、Sn,W,Mo,SbならびにCr,Cu,Ni,Coの含有は、溶接部靭性の確保の観点から、次式(2)の関係を満足させる必要があることも究明された。
WI=C+Mn/6+Cr/5+Mo/5+V/5+Ni/15+Cu/15+W/10+Co/15+Sn/2+Sb/2
≦0.50 --- (2)
但し、C,Mn,Cr,Mo,V,Ni,Cu,W,Co,Sn,Sbはそれぞれ、各元素の成分含有量(mass%)
一方で、大入熱溶接部靭性の高位安定化に向けて、該靭性に影響を及ぼす種々の要因についても研究、検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
(2-1) 大入熱溶接部とくに溶接ボンド部の靭性は、脆化組織の生成の有無に大きく影響される。
(2-2) 上記脆化組織の生成は、高温に加熱された領域におけるオーステナイトの粗大化抑制および冷却時にフェライト変態を促進するフェライト生成核の微細分散により防止できる。従来は、これらが不十分であったため、溶接部靭性の高位安定化を実現し得なかったものと考えられる。
(2-3) オーステナイトの粗大化抑制および冷却時のフェライト変態の促進のためには、TiNの微細分散が有効であるが、従来からのTi量やN量、さらにTi量とN量の比であるTi/Nのみの規定では、所望の溶接熱影響部組織を得られない場合があった。その場合、微細なTiN粒子の分散密度は小さい。
(2-4) 鋼中におけるTiNの分散状態は、Ti量やN量の他、TiNの析出過程が影響しており、溶解−鋳込み段階におけるスラブ冷却速度が影響している。すなわち、スラブ鋳込み速度やスラブサイズに起因して、スラブ冷却速度は変化するが、スラブ冷却速度が遅い場合には粗大TiNが生成し、スラブ冷却速度が速い場合には微細TiN粒子が分散生成する。
(2-5) したがって、溶接熱影響部組織制御のための、より直接的な指標が必要であり、Ti:0.005〜0.030mass%、N:0.0015〜0.0070mass%に制御した上で、さらに鋼中に円相当直径で50nm以下の微細なTiN粒子が、単位面積当たり5×107個/cm2以上存在する場合に、溶接熱影響部の組織は微細な組織となり、溶接熱影響部靭性も良好となる。また、50nm以下の微細なTiN粒子を、5×107個/cm2以上得るための好適な製造条件としては、Ti量とN量を上記の範囲に調整した上で、スラブ冷却速度を1400〜1250℃の範囲で0.05℃/s以上に制御することが好ましい。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を加えた末に完成されたもので、その要旨構成は次のとおりである。
1.C:0.01〜0.25mass%、
Si:0.05〜0.50mass%、
Mn:0.1〜2.0mass%、
P:0.035mass%以下、
S:0.01mass%以下、
Al:0.10mass%以下、
Ti:0.005〜0.030mass%および
N:0.0015〜0.0070mass%
を含有し、かつ
W:0.01〜0.5mass%および
Mo:0.02〜0.5mass%
のうちから選んだ1種または2種を含有し、かつ
Sn:0.001〜0.2mass%
を含有し、さらにCu,Ni,CrおよびCoの混入をそれぞれ
Cu:0.05mass%未満、
Ni:0.05mass%未満、
Cr:0.05mass%未満および
Co:0.05mass%未満
に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、しかも鋼中に円相当直径で10〜50nmのTiN粒子が5×107個/cm2以上存在し、さらに下記(1)′式で 示すACP値が0.50以下、かつ下記(2)′式で示すWI値が0.50以下を満足することを特徴とする大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。

ACP={1−(0.8×W+0.5×Mo)0.3}×{1−Sn0.3
×(1+Cr)×(1+0.7×Cu)×(1+0.5×Ni)×(1+0.5×Co)--- (1)′
但し、W,Mo,Sn,Cr,Cu,Ni,Coはそれぞれ、各元素の成分含有量(mass%)
WI=C+Mn/6+Cr/5+Mo/5+V/5+Ni/15+Cu/15+W/10+Co/15+Sn/2
--- (2)′
但し、C,Mn,Cr,Mo,V,Ni,Cu,W,Co,Snはそれぞれ、各元素の成分含有量(mass%)
2.鋼材が、さらに
Zr:0.001〜0.1mass%および
V:0.002〜0.2mass%
のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする前記1に記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
3.鋼材が、さらに、
B:0.0002〜0.003mass%
を含有することを特徴とする前記1または2に記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
4.鋼材が、さらに、
Ca:0.0001〜0.01mass%
Mg:0.0001〜0.01mass%および
Y:0.0001〜0.1mass%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
5.鋼材が、さらに、
Se:0.0005〜0.50mass%
を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
6.前記鋼材の表面に、エポキシ系塗膜を塗装してなることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
7.前記鋼材の表面に、ジンクプライマー塗膜を塗装してなることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
8.前記鋼材の表面に、ジンクプライマー塗膜とエポキシ系塗膜とを塗装してなることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
9.前記1〜5のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材の製造方法であって、前記1〜5のいずれか1項に記載の目標組成に溶製後、凝固させて鋼素材とするに際し、凝固段階における冷却速度、1400〜1250℃の範囲において0.05℃/s以上とすることを特徴とする大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材の製造方法。
本発明によれば、船舶のバラストタンク等の厳しい海水腐食環境下においても、優れた塗装耐食性を発揮して、補修塗装までの期間の延長が可能で、しかも補修塗装の作業が軽減可能な船舶用耐食鋼材を得ることができる。
また、本発明によれば、上記の塗装耐食性に加え、大入熱溶接部靭性にも優れた船舶用耐食鋼材を得ることができる。
鋼中元素であるW,Mo,Sn,Sb,Cu,Ni,CrおよびCoが塗装耐食性に及ぼす影響を示したグラフである。 塗装耐食性の評価試験要領を示した図である。 ACP値と塗膜膨れ面積との関係を示した図である。 TiN粒子個数密度と再現熱サイクルシャルピー衝撃試験における−20℃の吸収エネルギー[vE(-20℃)]との関係を示した図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において、鋼材の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。
C:0.01〜0.25mass%
Cは、鋼材強度を上昇させるのに有効な元素であり、本発明では所望の強度を得るために0.01mass%以上の含有を必要とする。一方、0.25mass%を超える含有は、溶接熱影響部の靭性を低下させる。よって、Cは0.01〜0.25mass%の範囲とする。好ましくは0.03〜0.20mass%の範囲であり、さらに好ましくは0.05〜0.16mass%の範囲である。
Si:0.05〜0.50mass%
Siは、脱酸剤として、また鋼材の強度向上を目的として添加される元素であり、本発明では0.05mass%以上を含有させる。しかしながら、0.50mass%を超える添加は、鋼の靭性を劣化させるので、Siの上限は0.50mass%とする。
Mn:0.1〜2.0mass%
Mnは、熱間脆性を防止し、鋼材の強度向上に有用な元素であるので、0.1mass%以上添加する。しかしながら、2.0mass%を超える添加は、鋼の靭性および溶接性を低下させるため、Mnは2.0mass%以下とする。好ましくは0.9〜1.6mass%の範囲である。
P:0.035mass%以下
Pは、鋼の母材靭性のみならず、溶接性および溶接部靭性を劣化させる有害な元素であるので、極力低減することが望ましい。特に、Pの含有量が0.035mass%を超えると、母材靭性および溶接部靭性の低下が大きくなる。よって、Pは0.035mass%以下とする。好ましくは0.025mass%以下である。
S:0.01mass%以下
Sは、鋼の靭性および溶接性を劣化させる有害な元素であるので、極力低減することが望ましく、本発明では0.01mass%以下に制限した。
Al:0.10mass%以下
Alは、脱酸剤として添加するが、0.10mass%を超える含有は、溶接部靭性に悪影響を及ぼすので、0.10mass%以下に制限した。
W:0.01〜0.5mass%およびMo:0.02〜0.5mass%のうちから選んだ1種または2種
Wは、前述したように、ジンクプライマーが存在しない状態でも、エポキシ塗膜の存在下で耐食性を顕著に向上する。従って、本発明の鋼材においては、最も重要な耐食性向上元素の1つである。上記の効果は、W:0.01mass%以上の含有で発現する。しかしながら、W量が0.5mass%超えると、その効果が飽和する。よって、W量は0.01〜0.5mass%の範囲に限定した。好ましくは0.02〜0.3mass%の範囲である。
Wが、上記の耐食性向上効果を呈する理由は、鋼板が腐食するに伴って、生成する錆の中にWO4 2-が生成し、このWO4 2-の存在によって、塩化物イオンが鋼板表面に侵入するのが抑制され、さらに鋼板表面のアノード部などのpHが下がった部位で、難溶性のFeWO4が生成し、このFeWO4の存在によっても、塩化物イオンの鋼板表面への侵入が抑制され塩化物イオンの鋼板表面への侵入が抑制されることによって、鋼板の腐食が効果的に抑制されるからである。また、WO4 2-の鋼材表面への吸着によるインヒビター作用によっても、 鋼の腐食が抑制されるからである。
Moは、ジンクプライマーが存在しない状態でも、エポキシ塗膜の存在下で耐食性を向上させる。従って、本発明の鋼材においては、重要な耐食性向上元素の1つである。上記の効果は、Mo:0.02mass%以上の含有で発現する。しかしながら、Mo量が0.5mass%超えると、その効果が飽和する。よって、Mo量は0.02〜0.5mass%の範囲に限定した。好ましくは0.03〜0.35mass%の範囲である。
Moが、上記の耐食性向上効果を有する理由は、Wと同様、鋼板が腐食するのに伴って、生成する錆の中にMoO4 2-が生成し、このMoO4 2-の存在によって、塩化物イオンが鋼板表面に侵入するのが抑制され、塩化物イオンの鋼板表面への侵入が抑制されることによって、鋼板の腐食が効果的に抑制されるからである。
WとMoは、酸素酸を形成する点において一致するので、両元素を選択あるいは併用して含有させることができる。
なお、Moに対し、Wは、低pH環境でも難溶性のFeWO4が生成し易く、また鋼材表面への吸着によるインヒビター効果が高いという利点があり、そのため、WはMoよりもその含有量が少なくても、優れた耐食性を発揮する。
Sn:0.001〜0.2mass%
Snは、ジンクプライマーが存在しない状態でも、耐食性を向上させる効果がある。このSnの効果は、鋼板表面のアノード部など、pHが下がった部位での腐食を抑制するためである。この効果は、0.001mass%以上の含有で発現するが、0.2mass%超えでは、母材靭性および溶接熱影響部靭性を劣化させる。それ故、Snは0.001〜0.2mass%の範囲に限定した。
Cu:0.05mass%未満、Ni:0.05mass%未満、Cr:0.05mass%未満およびCo:0.05mass%未満
Cu,Ni,CrおよびCoはいずれも、ジンクプライマーが存在しない状態で塗装耐食性を劣化させるため、塗装耐食性の観点からは、これらの含有量をできるだけ低減するのが好ましい。しかしながら、スクラップ等を使用した場合の不可避的不純物としての混入が避けられない元素である。そこで、発明者らは、これらの元素の許容範囲について検討したところ、Cu,Ni,Cr,Coはいずれも0.05mass%未満であれば、塗装耐食性に対する悪影響がほとんどなく、許容できることが判明した。より好ましくは、いずれも0.02mass%以下、さらに好ましくは0.01mass%以下である。
本発明では、上記の成分組成範囲を満足するだけでは不十分で、次式(1)′,(2)′で示すACP値およびWI値について所定の範囲を満足させる必要がある。
ACP値:0.50以下
ACP={1−(0.8×W+0.5×Mo)0.3}×{1−Sn0.3
×(1+Cr)×(1+0.7×Cu)×(1+0.5×Ni)×(1+0.5×Co)--- (1)′
但し、W,Mo,Sn,Cr,Cu,Ni,Coはそれぞれ、各元素の成分含有量(mass%)
この ACP値は、塗装耐食性の指標となるものであり、塗装耐食性に有効なW,Mo,Snの含有量が多いほど、また塗装耐食性に有害であるCr,Cu,Ni,Coの含有量が少ないほど、塗装耐食性は向上し、ACP値が0.50以下で所望の塗装耐食性を得ることができる。
WI値:0.50以下
WI=C+Mn/6+Cr/5+Mo/5+V/5+Ni/15+Cu/15+W/10+Co/15+Sn/2
--- (2)′
但し、C,Mn,Cr,Mo,V,Ni,Cu,W,Co,Snはそれぞれ、各元素の成分含有量(mass%)
このWI値は、溶接部靭性の指標となるものであり、このWI値が0.50以下の範囲での各元素の含有であれば、所望の溶接部靭性を得ることができる。
また、本発明では、上記した成分の他、以下に述べる成分を必要に応じて適宜含有させることができる。
Zr:0.001〜0.1mass%およびV:0.002〜0.2mass%のうちから選んだ1種または2
Zr,Vはいずれも、鋼材強度を高める元素であり、必要とする強度に応じて選択して含有させることができる。このような効果を得るためには、Zrは0.001mass%以上、Vは0.002mass%以上含有させることが好ましい。しかしながら、Zrは0.1mass%を超えて、Vは0.2mass%を超えて含有されると、靭性が低下するため、Zr,Vはそれぞれ、上記の範囲で含有させることが好ましい。
B:0.0002〜0.003mass%
Bは、鋼材の強度を高める元素であり、必要に応じて含有させることができる。上記の効果を得るためには、0.0002mass%以上含有させることが好ましいが、0.003mass%を超えて添加すると靭性が劣化する。よって、Bは0.0002〜0.003mass%の範囲で含有させることが好ましい。
Ca:0.0001〜0.01mass%、Mg:0.0001〜0.01mass%およびY:0.0001〜0.1mass%のうちから選んだ1種または2種以上
Ca,Mg,Yはいずれも、溶接熱影響部の靭性向上に有効な元素であり、必要に応じて含有させることができる。この効果は、Ca:0.0001mass%以上、Mg:0.0001mass%以上、Y:0.0001mass%以上の含有で得られるが、Caは0.01mass%を超えて、Mgは0.01mass%を超えて、Yは0.1mass%を超えてそれぞれ含有されると、かえって靭性の低下を招くので、Ca,Mg,Yはそれぞれ、上記の範囲で含有させることが好ましい。
Se:0.0005〜0.50mass%
Seは、鋼材の強度を高める元素であり、必要に応じて含有させることができる。この効果を得るためには、0.0005mass%以上含有させることが好ましいが、0.50mass%を超えて含有されると、靭性が劣化する。よって、Seは0.0005〜0.50mass%の範囲で含有させることが好ましい。
上記した成分組成範囲および上掲式(1)′,(2)′の範囲を満足させることによって、所望強度を確保した上で、塗装耐食性に優れた船舶用耐食鋼材を得ることができる。
本発明では、上記の優れた塗装耐食性を備えた上で、さらに大入熱溶接を行ったとしても溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材を提供する。
この場合、TiとNを必須元素として含有させ、かつこのTi量およびN量を以下の範囲に制御する必要がある。
Ti:0.005〜0.030mass%
Tiは,Nとの親和力が強くTiNとして析出して、溶接熱影響部でのオーステナイト粒の粗大化を抑制し、あるいはフェライト生成核として溶接熱影響部の高靭性化に寄与する。かような効果は、0.005mass%以上の含有で認められるが、0.030mass%を超えて含有されるとTiN粒子が粗大化して所望の効果が期待できなくなる。このため、Tiは0.005〜0.030mass%の範囲で含有させるものとする。
N:0.0015〜0.0070mass%
Nは、Tiと結合してTiNとして析出し、溶接熱影響部でのオーステナイト粒の粗大化を抑制し、あるいはフェライト生成核として溶接熱影響部の高靭性化に寄与する。このような効果を有するTiNを必要量確保するためには、Nは0.0015mass%以上含有させる必要がある。一方、0.0070mass%を超えて含有されると、溶接熱によりTiNが溶解する温度まで加熱される領域では固溶N量が増加し、靭性の著しい低下を招く。このため、Nは0.0015〜0.0070mass%の範囲で含有させるものとする。
上記したようにTi量およびN量を制限した上で、後述するように、鋼材の製造工程中、とくに凝固段階の1400〜1250℃の温度域における冷却速度を0.05℃/s以上に制御することによって、鋼中に微細なTiN粒子を析出させ、もって大入熱溶接の際における溶接熱影響部靭性の向上を図ることができる。
この場合、微細TiN粒子の析出形態は以下の範囲とする必要がある。
円相当直径で10〜50nmのTiN粒子:5×107個/cm2以上
鋼中に円相当直径で10〜50nmの微細なTiN粒子が、個数で5×107個/cm2以上含有する場合、溶接時に高温に加熱される溶接熱影響部において、オーステナイト粒の粗大化が抑制され、また冷却時にフェライト変態が促進されて、熱影響部の組織は微細となり、靭性が向上する。TiN粒子径が50nmを超えた粒子、あるいは径が10〜50nmの粒子でもその個数が5×107個/cm2未満の場合には、オーステナイト粒の粗大化抑制効果が小さく、またフェライト変態促進効果が小さいため、満足いくほどの靭性向上効果は得られない。
なお、粒子径が10〜50nmのTiN粒子の個数について、特に上限を規定すべきものではないが、1×1012個/cm2以下程度とすることが好ましい。
本発明の鋼材において、上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。但し、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記以外の成分の含有を拒むものではない。
次に、本発明に係る耐食鋼材の好適製造方法について説明する。
上記した好適成分組成になる溶鋼を、転炉や電気炉等の公知の炉で溶製し、連続鋳造法や造塊法等の公知の方法でスラブやビレット等の鋼素材とする。なお、溶鋼に、取鍋精錬や真空脱ガス等の処理を付加しても良いことは言うまでもない。
ここで、連続鋳造法や造塊法等の方法で鋼素材とするときの、冷却速度は、微細なTiN粒子を分散析出させる観点からは、凝固過程における少なくとも1400〜1250℃の温度域の冷却速度を0.05℃/s以上とする必要がある。というのは、この温度域における冷却速度が0.05℃/sを下回ると、上で規定した「10〜50nmのTiN粒子の個数≧5×107個/cm2」を満足することができないからである。より好ましい冷却速度は0.10℃/s以上、さらに好ましくは0.15℃/s以上である。
ついで、上記鋼素材を、結晶粒粗大化防止の観点から、好ましくは1050〜1250℃の温度に加熱したのち所望の寸法形状に熱間圧延するか、あるいは鋼素材の温度が熱間圧延可能な程度に高温である場合には加熱することなく、あるいは均熱する程度で直ちに所望の寸法形状の鋼材に熱間圧延することが好ましい。
なお、熱間圧延では、強度を確保するために、熱間仕上圧延終了温度および熱間仕上圧延終了後の冷却速度を適正化することが好ましく、熱間仕上圧延終了温度は700℃以上、熱間仕上圧延終了後の冷却は、空冷または冷却速度:150℃/s以下の加速冷却とすることが好ましい。なお、冷却後、再加熱処理を施してもよい。
参考例として、表1に示す成分組成になる溶鋼を、真空溶解炉で溶製または転炉溶製後、連続鋳造によりスラブとした。ついで、スラブを加熱炉に装入して1150℃に加熱後、熱間圧延により30mm厚の鋼板とした。これらの鋼板について、母材の引張特性および衝撃特性を調査した。また、溶接部靭性として、入熱:50kJ/cmの溶接熱影響部1mm(ヒュージョンラインから母材側に1mm入った箇所)相当の再現熱サイクルを付与し、シャルピー衝撃試験により−20℃での吸収エネルギーvE(−20℃)を測定した。
さらに、上記の鋼板から、3mmt×50mmW×150mmLの試験片を採取し、その試験片の表面をショットブラストして、表面のスケールや油分を除去したのち、試験片表面にタールエポキシ樹脂塗料(約100μm)の単層被膜を塗装した試験片を作製した。
耐食性は、塗膜の上からカッターナイフで地鉄表面まで達する80mm長さのスクラッチ疵を一文字状に付与しておき、以下の条件の腐食試験後に、スクラッチ疵の周囲に発生した塗膜膨れ面積により評価した。
・腐食試験:実船のバラストタンクの上甲板裏に相当する腐食環境を模擬した、(35℃、5%NaCl溶液噴霧、2hr)→(60℃、RH25%、4hr)→(50℃、RH95%、2hr)を1サイクルとする試験を132サイクル行った。
表2に腐食試験結果と機械的特性調査結果を示す。
また、図3に、後述の表4および表6に示す結果も併せて、ACP値と塗膜膨れ面積との関係について調べた結果を示す。
Figure 0005454599
Figure 0005454599
図3より、ACP値が小さいほど、塗膜膨れ面積が小さくなっていることが分かる。また、表2から、ACP値を満たす参考例のNo.Al〜A26の鋼は、ベース鋼であるNo.A27の鋼に対して、塗膜膨れ面積が50%以下であり、良好な塗装耐食性を有していることが分かる。さらに、参考例のNo.Al〜A26の鋼は、母材機械的特性および溶接部衝撃特性も良好な値を示している。
これに対して、ACP値を満たさないNo.A28〜A38の鋼の塗膜膨れ面積は、ベース鋼であるNo.A27の鋼に対して、小さくなっているものの、その面積はベース鋼に対して50%超えであり、十分な塗装耐食性を有しているとは言えない。また、No.A39の鋼は,ACP値が規定を満たさないため,塗膜膨れ面積はベース鋼に対して50%超えとなっており,十分な塗装耐食性を有していない。No.A40,No.A41の鋼は、塗膜膨れ面積はベース鋼に対して50%以下となっており,十分な塗装耐食性を示したが、No.A40の鋼はWI値が0.50を超えているため、またNo.A41の鋼はN量が上限を超えているため、溶接部衝撃特性が50J以下であり、十分な衝撃特性が得られていない。
表3に示す成分組成になる溶鋼を、真空溶解炉で溶製または転炉溶製後、連続鋳造によりスラブとした。ついで、スラブを加熱炉に装入して1150℃に加熱後、熱間圧延により30mm厚の鋼板とした。これらの鋼板について、母材の引張特性および衝撃特性を調査した。また、大入熱溶接部靭性として、入熱:150kJ/cmの溶接熱影響部1mm(ヒュージョンラインから母材側に1mm入った箇所)相当の再現熱サイクルを付与し、シャルピー衝撃試験により−20℃での吸収エネルギーvE(−20℃)を測定した。
さらに、上記の鋼板から、3mmt×50mmW×150mmLの試験片を採取し、その試験片の表面をショットブラストして、表面のスケールや油分を除去したのち、試験片表面にタールエポキシ樹脂塗料(約100μm)の単層被膜を塗装した試験片を作製した。
耐食性は、塗膜の上からカッターナイフで地鉄表面まで達する80mm長さのスクラッチ疵を一文字状に付与しておき、以下の条件の腐食試験後に、スクラッチ疵の周囲に発生した塗膜膨れ面積により評価した。
・腐食試験:実船のバラストタンクの上甲板裏に相当する腐食環境を模擬した、(35℃、5%NaCl溶液噴霧、2hr)→(60℃、RH25%、4hr)→(50℃、RH95%、2hr)を1サイクルとする試験を132サイクル行った。
また、表3および後述の表5中のTiN粒子の観察とその密度測定は、以下の手順に従って行った。
(1)鋼板の板厚1/4tの位置より、ミクロ組織観察用サンプルを採取し、これを導電性カーボン樹脂に埋め込み、研磨した。
(2) その後、以下の条件で、電解研磨を行い、アルコール洗浄後、乾燥し、Ptコーティング(10秒程度)を行った。
・電解液:4%サリチル酸メチル−1%サリチル酸−1%TMAC−メタノール
・電解電位:−300mV(vs.SCE)
・電解量:0.5μm以上
(3) その後、加速電圧:30kVでSEM(走査型電子顕微鏡)観察を行った。倍率は、TiNの分布状況により決定するが、本調査では20000倍で観察を行った。観察視野は10視野とした。
(4) TiN粒子はSEM写真において、白く現出するので、この白い粒子を、画像解析装置を用い、観察した10視野について、粒径分布、密度を測定し、10視野分の面積について、粒径分布、密度を算出した。
なお、本手法の測定対象は10〜50nmの微細な粒子であり、μmオーダーの酸化物および硫化物の介在物は対象外としている。
表3に、TiN粒子の個数密度を示すと共に、表4に腐食試験結果と機械的特性調査結果を示す。
また、図4に、後述の表6に示す結果も併せて、TiN粒子個数密度と再現熱サイクルシャルピー衝撃試験における−20℃での吸収エネルギー値との関係について調べた結果を示す。
Figure 0005454599
Figure 0005454599
表4に示したとおり、本発明の成分組成およびACP値を満たす発明例のNo.Bl〜B26(但し、No.B2,B4,B6〜B26は参考例)の鋼は、ベース鋼であるNo.B27の鋼に対して、塗膜膨れ面積が50%以下であり、良好な塗装耐食性を有していることが分かる。また、発明例のNo.Bl〜B26(但し、No.B2,B4,B6〜B26は参考例)の鋼は、母材機械的特性および溶接部衝撃特性も良好な値を示している。
さらに、図4に示したとおり、TiN粒子個数密度が5×107個/cm2以上では、溶接部において良好な吸収エネルギー値が得られている。
これに対して、本発明の成分組成およびACP値を満たさないNo.B28〜B38の鋼の塗膜膨れ面積は、ベース鋼であるNo.B27の鋼に対して、小さくなっているものの、その面積はベース鋼に対して50%超えであり、十分な塗装耐食性を有しているとは言えない。また、No.B39の鋼は、ACP値が規定を満たさないため、塗膜膨れ面積はベース鋼に対して50%超えとなっており,十分な塗装耐食性を有していない。No.B40〜B44の鋼は、塗膜膨れ面積はベース鋼に対して50%以下となっており、十分な塗装耐食性を示すが、No.B40の鋼はTi量が上限を超えているため、No.B41の鋼はN量が上限を超えているため、No.B42の鋼はTi量が下限未満かつTiN粒子個数密度が下限未満であるため、No.B43の鋼はTiN粒子個数密度が下限未満であるため、No.B44の鋼はWI値が0.50を超えているため、いずれも溶接部衝撃特性が50J以下であり、十分な衝撃特性が得られていない。
表5に示す成分組成になる溶鋼を、真空溶解炉で溶製または転炉溶製後、連続鋳造によりスラブとした。ついで、スラブを加熱炉に装入して1150℃に加熱後、熱間圧延により30mm厚の鋼板とした。これらの鋼板について、母材の引張特性および衝撃特性を調査した。また、大入熱溶接部靭性として、入熱:150kJ/cmの溶接熱影響部1mm(ヒュージョンラインから母材側に1mm入った箇所)相当の再現熱サイクルを付与し、シャルピー衝撃試験により−20℃での吸収エネルギーvE(−20℃)を測定した。
さらに、上記の鋼板から、3mmt×50mmW×150mmLの試験片を採取し、その試験片の表面をショットブラストして、表面のスケールや油分を除去したのち、試験片表面にタールエポキシ樹脂塗料(約100μm)の単層被膜を塗装した試験片を作製した。
耐食性は、塗膜の上からカッターナイフで地鉄表面まで達する80mm長さのスクラッチ疵を一文字状に付与しておき、以下の条件の腐食試験後に、スクラッチ疵の周囲に発生した塗膜膨れ面積により評価した。
・腐食試験:実船のバラストタンクの上甲板裏に相当する腐食環境を模擬した、(35℃、5%NaCl溶液噴霧、2hr)→(60℃、RH25%、4hr)→(50℃、RH95%、2hr)を1サイクルとする試験を132サイクル行った。
表5に、鋼材の凝固過程中、1400〜1250℃の温度域における冷却速度および鋼材中のTN粒子の個数密度について調べた結果を示す。
また、表6に、腐食試験結果と機械的特性調査結果を示す。
Figure 0005454599
Figure 0005454599
表6から明らかなように、本発明の成分組成およびACP値を満たす発明例のNo.Cl〜C14(但し、No.C2,No.C4〜C14は参考例)の鋼は、ベース鋼であるNo.C15の鋼に対して、塗膜膨れ面積が50%以下であり、良好な塗装耐食性を有していることが分かる。また、発明例のNo.Cl〜C14(但し、No.C2,No.C4〜C14は参考例)の鋼は、母材機械的特性および溶接部衝撃特性も良好な値を示している。
これに対して、本発明のACP値を満たさないNo.C16の鋼の塗膜膨れ面積は、ベース鋼で あるNo.C15の鋼に対して、小さくなっているものの、その面積はベース鋼に対して50%超えであり、十分な塗装耐食性を有しているとは言えない。また、No.C15〜C17の鋼は、TiN個数粒子密度が本発明の下限未満となっている。従って、溶接部衝撃特性が50J以下であり、十分な衝撃特性が得られていない。
本発明の船舶用耐食鋼材は、バラストタンク内の腐食環境下で、優れた塗装耐食性を示すので、過酷な腐食環境に置かれるバラストタンクヘ適用した場合、その優れた塗装耐食性から、補修再塗装等の保守費用を大幅に削減することができる。さらに、優れた大入熱溶接部靭性を示すので、造船時に大入熱溶接を適用して溶接施工の高能率化を図ることができ、産業上その貢献度は極めて大である。なお、本発明の鋼材は、海水による腐食環境下で優れた塗装耐食性を示すので、船舶のバラストタンクだけでなく、他の類似の海水による腐食環境で使用される用途にも用いることができるのはいうまでもない。

Claims (9)

  1. C:0.01〜0.25mass%、
    Si:0.05〜0.50mass%、
    Mn:0.1〜2.0mass%、
    P:0.035mass%以下、
    S:0.01mass%以下、
    Al:0.10mass%以下、
    Ti:0.005〜0.030mass%および
    N:0.0015〜0.0070mass%
    を含有し、かつ
    W:0.01〜0.5mass%および
    Mo:0.02〜0.5mass%
    のうちから選んだ1種または2種を含有し、かつ
    Sn:0.001〜0.2mass%
    を含有し、さらにCu,Ni,CrおよびCoの混入をそれぞれ
    Cu:0.05mass%未満、
    Ni:0.05mass%未満、
    Cr:0.05mass%未満および
    Co:0.05mass%未満
    に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、しかも鋼中に円相当直径で10〜50nmのTiN粒子が5×107個/cm2以上存在し、さらに下記(1)′式で示すACP値が0.50以下、かつ下記(2)′式で示すWI値が0.50以下を満足することを特徴とする大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。

    ACP={1−(0.8×W+0.5×Mo)0.3}×{1−Sn0.3
    ×(1+Cr)×(1+0.7×Cu)×(1+0.5×Ni)×(1+0.5×Co)--- (1)′
    但し、W,Mo,Sn,Cr,Cu,Ni,Coはそれぞれ、各元素の成分含有量(mass%)
    WI=C+Mn/6+Cr/5+Mo/5+V/5+Ni/15+Cu/15+W/10+Co/15+Sn/2
    --- (2)′
    但し、C,Mn,Cr,Mo,V,Ni,Cu,W,Co,Snはそれぞれ、各元素の成分含有量(mass%)
  2. 鋼材が、さらに
    Zr:0.001〜0.1mass%および
    V:0.002〜0.2mass%
    のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
  3. 鋼材が、さらに、
    B:0.0002〜0.003mass%
    を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
  4. 鋼材が、さらに、
    Ca:0.0001〜0.01mass%
    Mg:0.0001〜0.01mass%および
    Y:0.0001〜0.1mass%
    のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
  5. 鋼材が、さらに、
    Se:0.0005〜0.50mass%
    を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
  6. 前記鋼材の表面に、エポキシ系塗膜を塗装してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
  7. 前記鋼材の表面に、ジンクプライマー塗膜を塗装してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
  8. 前記鋼材の表面に、ジンクプライマー塗膜とエポキシ系塗膜とを塗装してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材の製造方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の目標組成に溶製後、凝固させて鋼素材とするに際し、凝固段階における冷却速度、1400〜1250℃の範囲において0.05℃/s以上とすることを特徴とする大入熱溶接部靭性に優れた船舶用耐食鋼材の製造方法。
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