JP5452077B2 - 溶着樹脂体及び駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ樹脂溶着方法により2つの樹脂部材を溶着した溶着樹脂体の溶着構造の改良、及びその溶着樹脂体に係る溶着技術を使ったステッピングモータやアクチュエータとして用いられる駆動装置に関し、特に2つのボビンを備え、その2つのボビンをレーザ樹脂溶着方法により直接又は間接的に溶着する溶着樹脂体及び駆動装置に関する。
近年、各種装置の小型化に伴い、その装置に組み込まれるステッピングモータやアクチュエータ等の駆動装置にも必然的に小型化が要求されている。これに伴って、駆動装置の組立精度や駆動精度等の向上が要求されており、更に生産性の向上も求められている。
このような要求に応える駆動装置の1つとしてのステッピングモータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。以下に、特許文献1に開示されたステッピングモータについて、図を参照しながら説明する。図16は特許文献1に開示されたステッピングモータの概略構成を示す分解斜視図であり、図17はこのステッピングモータの軸方向の概略の内部構造を示す断面図である。
図16及び図17に示されるステッピングモータは、マグネット101と、コア102と、回転軸103と、2つの軸受104と、第1のボビン105と、第1のステータ106と、第2のボビン107と、第2のステータ108とから構成されている。
マグネット101は円筒形状を有しており、その外周面が円周方向にN分割されると共に、S極及びN極が交互に着磁された着磁部(不図示)を備えている。また、コア102は電磁軟鉄等の軟磁性材料から成る。マグネット101と、コア102と、回転軸103とによって、ロータユニット(回転軸ユニット)が構成されている。
第1のボビン105は、例えば、液晶ポリマー等の耐熱性を有し、且つ、乳白色でレーザ光透過性を有する樹脂を射出成形したものである。第1のボビン105は、第2のボビン107の桟橋形状部107a(後述)と嵌合する内周部105aと、第1のコイル(不図示)を巻回するコイル巻回枠部105bとを備えている。また、第1のボビン105は、軸心中央部位に開口した中心穴105cと、第1のステータ106の複数の磁極部106a(後述)がそれぞれ貫通する複数の穴部105dとを備えている。
第1のステータ106には、軟磁性材料から成る磁極部106aが形成されており、軸受104には、回転軸103を軸承する軸受け部104aと鍔部104bが形成されている。
ステッピングモータの組立では、第1のボビン105の穴部105dに、第1のステータ106の磁極部106aを貫通させる。そして、一方の軸受104の円筒部を、第1のボビン105の中心穴105cに貫通させた後、第1のステータ106の中心穴106bに圧入する。この組込工程により、第1のボビン105と第1のステータ106とがこの一方の軸受104によって径方向と軸方向の所定の位置関係で固定される。こうして、第1のステータユニットが構成される。
第2のボビン107は、例えば、液晶ポリマー等の耐熱性を有する材料に黒色のカーボン等を混入することでレーザ光吸収性が付与されたレーザ光溶融性樹脂を射出成形したものである。尚、図16及び図17から明らかなように、第1のボビン105と第2のボビン107の形状は異なっている。
第2のボビン107は、第1のボビン105の内周部105aと嵌合する桟橋形状部107aと、第2のコイル(不図示)を巻回するコイル巻回枠部107bを備えている。また、第2のボビン107は、軸心中央部位に開口した中心穴107cと、第2のステータ108の複数の磁極部108a(後述)がそれぞれ貫通する複数の穴部107dとを備えている。第2のステータ108には軟磁性材料から成る磁極部108aが形成されており、軸受104には、回転軸103を軸承する軸受け部104aと鍔部104bが形成されている。
ステッピングモータの組立では、第2のボビン107の穴部107dに第2のステータ108の磁極部108aを貫通させる。また、他方の軸受104の円筒部を第2のボビン107の中心穴107cに貫通させた後、第2のステータ108の中心穴108bに圧入する。この組込工程により、第2のボビン107と第2のステータ108とがこの他方の軸受104によって径方向と軸方向の所定の位置関係で固定される。こうして、第2のステータユニットが構成される。
更に、ロータユニットの回転軸103をその軸方向の前後から、第1のステータユニットの軸受104の内径と第2のステータユニットの軸受104の内径に嵌め合わせると共に、第1のボビン105の内周部105aに第2のボビン107の桟橋形状部107aを嵌め合わせる。こうして、ステッピングモータの前組立工程が終了する。その後の工程では、前組立工程により第1のボビン105の内周部105aと第2のボビン107の桟橋形状部107aとが重畳している状態にある重畳部分に、第1のボビン105側からレーザ光LQ照射を行って重畳部分を溶着させる。こうして、ステッピングモータを完成させている。
すなわち、特許文献1に開示するステッピングモータでは、第1,第2のボビン105,107を溶着する工程において、第1,第2のボビン105,107を嵌合し、第1のボビン105の内周部105aと第2のボビンの桟橋形状部107aとを重畳させることで互いに同軸上に位置決めすると共に、その重畳部分にレーザ光を照射し、第1,第2のボビン105,107を溶着固定させている。
特開2007−068267
しかしながら、特許文献1に開示された、上述の構造を有するステッピングモータには、以下に図18及び図19を参照して説明する問題がある。図18は、図16に示すステッピングモータのレーザ溶着後の溶着部の溶着状態の一例を示す断面拡大図であり、図19は、図16に示すステッピングモータのレーザ溶着後の溶着部の溶着状態の別の例を示す断面拡大図である。
すなわち、レーザ光LQを第2のボビン107の桟橋形状部107aに照射して桟橋形状部107aを溶融すると、図18に示されるように、溶融し膨張した樹脂が、桟橋形状で撓み易い桟橋形状部107aを内側に撓ませる。この現象は、第1,第2のボビン105,107の嵌合部に寸法誤差が生じないようにかなり厳しく寸法を管理したとしても、生じやすい。この撓みが原因で、同軸上に位置決めすべき第1,第2のボビン105,107の軸心がずれた場合、ロータユニットが傾いたり、撓んだ桟橋形状部107aがロータユニットと接触したりすることで、作動不良を起こすおそれがある。
また、第1のボビン105の内周部105aと第2のボビン107の桟橋形状部107aとの重畳部分の密着性は、桟橋形状部107aが溶融して生成した溶融樹脂の熱により内周部105aをも溶融させることによって、高められる。そこで、内周部105aへの溶融樹脂の熱伝導性を高めるため、内周部105aと桟橋形状部107aとを、設計上、通常は、圧接気味に重畳させる。
しかし、レーザ光による第2のボビン107の桟橋形状部107aの溶融に伴う桟橋形状部107aの撓みが原因で、重畳部分に隙間が生じ、徐々にその隙間が広がり、溶融樹脂がその隙間に流出するおそれがある。このような溶融樹脂の流出により、第1のボビン105の内周部105aへの溶融樹脂の熱伝導性が低下するという問題が生じる。その結果、内周部105aの溶融が殆ど進まず、溶着不良が生じるおそれがある。この場合、図18に示されるように、内周部105aと桟橋形状部107aとは、内周部105aの平面とd寸法で示す桟橋形状部107aの浅い溶融部分で溶着保持されることとなるため、軸方向の引っ張り力に弱くなる。
更に、図19に示されるように、第2のボビン107の桟橋形状部107aを第2のステータ108の磁極部108aで支えた構造を仮定する。この場合、レーザ光LQを桟橋形状部107aに照射して桟橋形状部107aを溶融すると、溶融し膨張した樹脂は、第1のボビン105の内周部105aを溶かしながら、内周部105aを外側に湾曲変形させる。このように湾曲変形した状態で溶融樹脂が固化すると、溶融樹脂は固化の際に収縮するため、図19中に点Aで示す空洞が生じる。この空洞により、溶着面積が激減する溶着不良が生じ、軸方向の引っ張り力が弱くなるおそれがある。このような溶着不良は、ステッピングモータの生産性を低下させる。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、部品の寸法管理を厳密に行わなくても溶着不良を起こさず、確実なレーザ溶着加工を行うことができ、しかも生産性に優れた溶着樹脂体、及び溶着樹脂体に係る溶着技術を用いた駆動装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の溶着樹脂体は、レーザ光透過性樹脂からなる第1の部材とレーザ光溶融性樹脂からなる第2の部材とを備える溶着樹脂体であって、前記第1の部材には、前記第2の部材と重なり合う第1の部分が形成され、前記第2の部材には、前記第1の部分と重なり合う第2の部分が形成され、前記第1の部分と前記第2の部分との少なくとも一方には、突起が形成され、前記第1の部分と前記第2の部分とが重なり合うとき、前記第1の部分と前記第2の部分との少なくとも一方の弾性変形により前記突起が圧接される圧接領域にレーザ光を照射することで、前記第1の部分と前記第2の部分とが溶着されることを特徴とする。
本発明の駆動装置は、回転可能に支持される円筒形状のマグネットと、レーザ光透過性樹脂からなり、前記マグネットと同心に配置されるコイルが巻回されるボビンと、前記マグネットの外周面に対向して前記コイルにより励磁される磁極部を備え、前記ボビンに同軸に組み合わされるステータと、レーザ光溶融性樹脂からなり、前記ボンを位置決めする中間部材と、を具備する駆動装置であって、前記ボビンには、前記中間部材と重なり合う第1の部分が形成され、前記中間部材には、前記第1の部分と重なり合う第2の部分が形成され、前記第1の部分と前記第2の部分との少なくとも一方には、突起が形成され、前記第1の部分と前記第2の部分とが重なり合うとき、前記第1の部分と前記第2の部分との少なくとも一方の弾性変形により前記突起が圧接される圧接領域にレーザ光を照射することで、前記第1の部分と前記第2の部分とが溶着されることを特徴とする。
本発明に係る溶着樹脂体によれば、レーザ溶着される領域において、レーザ光を照射する前から圧接状態を安定して維持することができ、もって、特別な圧接装置を用いることなく、レーザ溶着を確実に行うことができる。その結果、厳密な部品の寸法管理を行わなくとも、溶着不良を起こすことなく、生産性に優れた溶着樹脂体を提供することができる。
本発明に係る駆動装置によれば、レーザ溶着される領域において、レーザ光を照射する前から圧接状態を安定して維持することができ、もって、特別な圧接装置を用いることなく、レーザ溶着を確実に行うことができる。その結果、厳密な部品の寸法管理を行わなくとも、溶着不良を起こすことなく、生産性に優れた駆動装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータの概略構成を示す分解斜視図である。 図1のステッピングモータの組立完成状態を示す概略斜視図である。 図2のステッピングモータの径方向の内部構造を示す断面図である。 図2のステッピングモータの軸方向の内部構造を示す断面図である。 図4に示される第1,第2の重畳部分の構造を拡大して示す断面図である。 図5のZ−Z断面を示す断面図である。 図5におけるレーザ溶着後の溶着部の溶着状態を示す軸方向の要部拡大図である。 図5におけるレーザ溶着後の溶着部の溶着状態を示す径方向の要部拡大図である。 本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータの変形例において、図7と同様に、レーザ溶着後の溶着部の溶着状態を示す軸方向の要部拡大図である。 本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータの概略構成を示す分解斜視図である。 図10のステッピングモータの組立完成状態を示す概略斜視図である。 図11のステッピングモータの径方向の内部構造を示す断面図である。 図11のステッピングモータの軸方向の内部構造を示す断面図である。 図13に示される第1,第2の重畳部分の構造を拡大して示す断面図である。 図14におけるレーザ溶着後の溶着部の溶着状態を示す軸方向の要部拡大図である。 従来のステッピングモータの概略構成を示す分解斜視図である。 図16に示されるステッピングモータの軸方向の概略の内部構造を示す断面図である。 図16に示されるステッピングモータのレーザ溶着後の溶着部の溶着状態の一例を示す断面拡大図である。 図16に示されるステッピングモータのレーザ溶着後の溶着部の溶着状態の別の例を示す断面拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、このステッピングモータの組立完成状態を示す概略斜視図である。図3は、図2のステッピングモータの径方向の内部構造を示す断面図であり、図4は、図2のステッピングモータの軸方向の内部構造示す断面図である。図5は、図4に示される第1,第2の重畳部分の構造を拡大して示す断面図であり、図6は、図5のZ−Z断面を示す断面拡大図である。
図1及び図2に示されるように、ステッピングモータは、ロータユニットROと、第1のステータユニットST1と、第2のステータユニットST2と、第1のステータユニットST1と第2のステータユニットST2とを連結する中間部材10とから構成されている。ロータユニットROは、マグネット1と、コア2と、回転軸3とを備えており、第1のステータユニットST1は、第1の軸受4と、第1のボビン5と、第1のステータ6とを備えており、第2のステータユニットST2は、第2の軸受7と、第2のボビン8と、第2のステータ9とを備えている。
尚、第1のボビン5と第2のボビン8は、請求項1,2に規定する第1の部材に相当する。また、中間部材10は、請求項1,2に規定する第2の部材に相当する。よって、第1のボビン5及び第2のボビン8と中間部材10とが、溶着樹脂体を構成する。
最初に、ロータユニットROについて説明する。
マグネット1は、円筒形状を有しており、その外周面が円周方向にn分割(本実施の形態では、n=10)されると共に、図3に示されるように、S極とN極とが交互に着磁された着磁部を備えている。コア2は、電磁軟鉄等の軟磁性材料から成り、その外周部にマグネット1が固定される。回転軸3は、コア2の中心穴に圧入され、第1の軸受4により回転可能に支持される。
続いて、第1のステータユニットST1について説明する。
第1の軸受4は、軟磁性材料から成り、ロータユニットROを構成する回転軸3を円滑に回転可能に支持する。第1の軸受4は、円筒部4aと鍔部4bとから構成されている。
第1のボビン5は、レーザ光を透過することができる樹脂で形成されており、例えば、液晶ポリマー等の耐熱性を有し、且つ、乳白色でレーザ光透過性を有するレーザ光透過性樹脂を射出成形したものである。第1のボビン5の径方向断面は円環状である。第1のボビン5には、マグネット1と同心に配置される第1のコイル5fが巻回される。なお、ここでのレーザ光透過性樹脂とは、レーザ光を照射した際のレーザ光の透過率が高く、レーザ光のエネルギーによって直接には溶融しない樹脂をいう。
第1のボビン5は、桟橋形状部5aと、複数の穴部5c(本実施の形態では5個)と、嵌合穴5dとを備えている。桟橋形状部5aは、中間部材10と第1の重畳部分(後に詳述する)を構成する。第1のステータ6が第1のボビン5と組み合わされる際に、第1のステータ6の複数の磁極部6a(後述)がそれぞれ、各穴部5cを貫通する。嵌合穴5dは、第1の軸受4の円筒部4aと嵌合するように、軸心部に形成されている。
尚、穴部5cは、第1のステータユニットST1と第2のステータユニットST2がそれぞれ中間部材10を介し同軸上に組み付けられる際に、桟橋形状部5aと周方向に異なる位置になるように配置される。すなわち、レーザ溶着部(後に詳述する)となる桟橋形状部5aと、第1のステータ6の磁極部6aとは、互いに対峙しない位置に配置され、レーザ溶着部にレーザ光を照射したときの溶融熱が磁極部6aを介して発散し難くなっている。
桟橋形状部5aの内周面において、中間部材10の外周壁10aと重畳してレーザ溶着部(第1の重畳部分)が形成される部分には、突起5eが設けられている。突起5eと外周壁10aとの係合により桟橋形状部5aが弾性変形し、その弾性変形による反力で互いが圧接する方向に付勢されることで、圧接状態が常時維持される。
突起5eの先端、つまり突起5eにおける外周壁10aへの当接面は、湾曲面となっている。これにより、後述するように、外周壁10aにレーザ光LQを照射して外周壁10aを溶融させたときに、その溶融部分S(図7参照)に隙間なく突起5eを食い込ませることができ、良好な溶着を行うことができる。
第1のボビン5においてレーザ溶着部(第1の重畳部分)と異なる位置に、嵌合壁5bが設けられている。嵌合壁5bは、中間部材10の外周壁10bと嵌め合い公差の隙間を持って弾性変形することなく嵌合し、第2のボビン8と同軸上に位置決めする為の位置決め部(第2の重畳部分)を構成する。
嵌合壁5bによる位置決めによって、レーザ溶着部である第1の重畳部分を構成する桟橋形状部5aと中間部材10の外周壁10aとの重畳位置が規制される。また、桟橋形状部5aが弾性変形して外周壁10aに重なり合う際に、その弾性変形の反力によって位置決め部にも逃げ隙間が生じないようにする。こうして、桟橋形状部5aの弾性変形による反力で、常に、第1のボビン5と中間部材10との圧接状態が安定に維持されるようになっている。
第1のステータ6は、軟磁性材料から成り、マグネット1の外周面に対向するように配置される。第1のステータ6は、その本体から軸方向に延出された歯形状の複数(本実施の形態では5本)の磁極部6aを備えている。磁極部6aは、所定のピッチ(本実施の形態では72度)で、且つ、所定の幅で形成されている。
第1のステータ6の磁極部6aが第1のボビン5の穴部5cに挿入された状態で、第1の軸受4の円筒部4aを第1のボビン5の嵌合穴5dを貫通させて第1のステータ6の中心穴6bに圧入し、円筒部4aの先端突出部を加絞める。この加絞めにより第1の軸受4の鍔部4bと先端突出部との間に、第1のボビン5と第1のステータ6とが一体に挟み込まれる。つまり、第1の軸受4と第1のボビン5と第1のステータ6とが一体的に固定され、第1のステータユニットST1としてステッピングモータに組み込まれる。こうして、第1の軸受4と第1のステータ6とが磁気的に接続される。また、第1の軸受4が、その内径部において回転軸3と嵌合することにより、回転軸3を回転可能に保持することで、その嵌合部において第1の軸受4と回転軸3とが磁気的に接続される。
以上の構成により、第1の軸受4を介して第1のステータ6と回転軸3とが磁気的に接続され、第1のコイル5fにより発生する磁束が流れる結果、第1のステータ6の磁極部6aが制御回路(不図示)により第1のコイル5fに供給される電流の方向によって、N極又はS極に選択的に励磁される。
次に、第2のステータユニットST2について説明する。
第2のステータユニットST2は、第1のステータユニットST1とほぼ同一構造を有している。但し、後述するように、第1のステータユニットST1と第2のステータユニットST2とを同軸上に組み込んだ際に、第1のボビン5の穴部5cと第2のボビン8の穴部8cとが対峙する位置は異なる。これは、第1のステータ6の磁極部6aと第2のステータ9の磁極部9a(後述)とを、所定の磁気位相をもって配置させるためである。
第2の軸受7は、軟磁性材料から成り、ロータユニットROを構成する回転軸3を円滑に回転可能に支持する。第2の軸受7は、円筒部7aと鍔部7bとから構成されている。
第2のボビン8はレーザ光を透過することができる樹脂で形成されており、例えば、液晶ポリマー等の耐熱性を有し、且つ、乳白色でレーザ光透過性を有するレーザ光透過性樹脂を射出成形したものである。第2のボビン8の径方向断面は円環状である。第2のボビン8には、マグネット1と同心に配置される第2のコイル8fが巻回される。
また、第2のボビン8は、桟橋形状部8aと、複数(本実施の形態では5個)の穴部8cと、嵌合穴8dとを備えている。桟橋形状部8aは、中間部材10と第1の重畳部分を構成する。第2のステータ9が第2のボビン8と組合わされる際に、第2のステータ9の複数の磁極部9aがそれぞれ各穴部8cを貫通する。嵌合穴8dは、第2の軸受7の円筒部7aと嵌合するように軸心部に形成されている。
尚、第2のボビン8の穴部8cは、第1のステータユニットST1と第2のステータユニットST2がそれぞれ中間部材10を介し同軸上に組み付けられる際に、桟橋形状部8aと周方向に異なる位置になるように配置される。すなわち、レーザ溶着部となる桟橋形状部8aと、第2のステータ9の磁極部9aとは、互いに対峙しない位置に配置され、レーザ溶着部にレーザ光を照射したときの溶融熱が磁極部9aを介して発散し難くなっている。
第2のボビン8の桟橋形状部8aの内周面において、中間部材10の外周壁10aと重畳するレーザ溶着部(第1の重畳部分)には、突起8eが形成されている。この突起8eと中間部材10の外周壁10aとの係合により桟橋形状部8aが弾性変形し、その弾性変形による反力で互いが圧接する方向に付勢されることで、圧接状態が常時維持される。
第2のボビン8においてレーザ溶着部(第1の重畳部分)と異なる位置に、嵌合壁8bが設けられている。嵌合壁8bは、中間部材10の外周壁10bと嵌め合い公差の隙間を持って弾性変形することなく嵌合し、第1のボビン5と同軸上に位置決めする為の位置決め部(第2の重畳部分)を構成する。
嵌合壁8bによる位置決めによって、レーザ溶着部となる第1の重畳部分を構成する第2のボビン8の桟橋形状部8aと中間部材10の外周壁10aとの重畳位置が規制される。また、桟橋形状部8aが弾性変形して外周壁10aに重なり合う際に、その弾性変形の反力によって位置決め部にも逃げ隙間が生じないようにする。こうして、桟橋形状部8aの弾性変形による反力で、常に第2のボビン8と中間部材10との圧接状態が安定に維持されるようになっている。
第2のステータ9は、軟磁性材料から成り、マグネット1の外周面に対向するように配置される。第2のステータ9は、その本体から軸方向に延出された歯形状の複数(本実施の形態では5本)の磁極部9aを備えている。磁極部9aは、所定のピッチ(本実施の形態では72度)で、且つ、所定の幅で形成されている。
第2のステータ9の磁極部9aが第2のボビン8の穴部8cに挿入された状態で、第2の軸受7の円筒部7aを第2のボビン8の嵌合穴8dを貫通させて第2のステータ9の中心穴9bに圧入し、円筒部7aの先端突出部を加絞める。この加絞めにより第2の軸受7の鍔部7bと先端突出部との間に第2のボビン8と第2のステータ9とが一体に挟み込まれる。つまり、第2の軸受7と第2のボビン8と第2のステータ9とが一体的に固定され、第2のステータユニットST2としてステッピングモータに組み込まれる。こうして、第2の軸受7と第2のステータ9とが磁気的に接続される。また、第2の軸受7が、その内径部において回転軸3と嵌合することにより回転軸3を回転可能に保持することで、その嵌合部において第2の軸受7と回転軸3とが磁気的に接続される。
以上の構成により、第2の軸受7を介して第2のステータ9と回転軸3とが磁気的に接続され、第2のコイル8fにより発生する磁束が流れる結果、第2のステータ9の磁極部9aが制御回路(不図示)により第2のコイル8fに供給される電流の方向によって、第1のステータ6の磁極部6aが励磁される極とは常に異なるN極又はS極に選択的に励磁される。
次に、中間部材10について説明する。
中間部材10は、リング形状を有し、例えば、液晶ポリマー等の耐熱性を有する材料に黒色のカーボン等を混入することでレーザ光吸収性が付与されたレーザ光溶融性樹脂を射出成形したものである。中間部材10の径方向断面は円環状である。
中間部材10の内周面には、第1のステータ6の磁極部6aを挿入して位置決めするための位置決め部10d(本実施の形態では5箇所)と、第2のステータ9の磁極部9aを挿入して位置決めするための位置決め部10cが形成されている。これらの位置決め部10d,10cは、磁極部6a,9aがそれぞれ所定の間隔を隔て噛み合って配置される位相位置を決めるための位相決めに用いられる。
次に、ステッピングモータを構成する各種部材の配置について説明する。
上述したように、ステッピングモータの組立時には、第1のボビン5と第1のステータ6は、第1の軸受4により径方向と軸方向とにおいてそれぞれ所定の位置関係で結合される。また、第2のボビン8と第2のステータ9は、第2の軸受7により径方向と軸方向とにおいてそれぞれ所定の位置関係で結合される。
ステッピングモータ組立後の第1のボビン5と第2のボビン8のそれぞれが中間部材10と重畳する重畳部分は、第1の重畳部分と第2の重畳部分とに大別される。
第1の重畳部分は、図5に示されるように、第1のボビン5の桟橋形状部5aと中間部材10の外周壁10aとの重畳部分、及び、第2のボビン8の桟橋形状部8aと中間部材10の外周壁10aとの重畳部分である。第1の重畳部分は、桟橋形状部5aと桟橋形状部8aの弾性変形による反力で互いに圧接する方向に付勢され、溶着固定される。
第2の重畳部分は、第1のボビン5の嵌合壁5bと中間部材10の外周壁10bとの重畳部分、及び、第2のボビン8の嵌合壁8bと中間部材10の外周壁10bとの重畳部分である。第2の重畳部分において、嵌合壁5b,8bと外周壁10bは、嵌め合い公差による隙間で弾性変形することなく嵌合し、位置決めされる。
尚、前述の通り、本実施例では、第1のボビン5の桟橋形状部5aに突起5eが、第2のボビン8の桟橋形状部8aに突起8eがそれぞれ形成されており、第1の重畳部分において、これらの突起5e,8eが中間部材10の外周壁10aに圧接する。突起5e、8eにより、桟橋形状部5a,8aはそれぞれ、図5に示されるように弾性変形し、圧接状態が維持される。
図3に示されるように、ロータユニットROの回転軸3を中心に、径方向外側から内側に向かって順に、第1のボビン5の桟橋形状部5a及び第2のボビン8の桟橋形状部8a、中間部材10、第1のステータ6の磁極部6a及び第2のステータ9の磁極部9a、マグネット1が配置される。マグネット1の一部を磁極部6a,9aで覆うことで、磁気ステータが構成されている。また、磁極部6a,9aはそれぞれ、桟橋形状部5a,8aと対峙しない位置に配置され、後述するレーザ溶着の際に、レーザ光LQによる溶融熱が、磁極部6a,9aを介して発散し難い構成となっている。
次に、ステッピングモータの組立工程について説明する。
先ず、マグネット1とコア2を一体化した後、コア2の中心穴に回転軸3を圧入し、マグネット1、コア2、回転軸3によりロータユニットROを作り込む。
次に、第1のボビン5の穴部5cに第1のステータ6の磁極部6aを貫通させ、第1の軸受4の円筒部4aを第1のボビン5の中心穴5dに貫通させ、第1のボビン5が第1の軸受4の鍔部4bにより固定された後、第1のステータ6の中心穴6bに第1の軸受4の円筒部4aを圧入する。この際、第1の軸受4により第1のボビン5と第1のステータ6が径方向と軸方向の所定の位置関係で固定されることで、第1のステータユニットST1を作り込む。
同様に、第2のボビン8の穴部8cに第2のステータ9の磁極部9aを貫通させ、第2の軸受7の円筒部7aを第2のボビン8の中心穴8dに貫通させ、第2のボビン8が第2の軸受7の鍔部7bにより固定された後、第2のステータ9の中心穴9bに第2の軸受7の円筒部7aを圧入する。この際、第2の軸受7により第2のボビン8と第2のステータ9が径方向と軸方向の所定の位置関係で固定されることで、第2のステータユニットST2を作り込む。
以上の各工程によって作り込まれた各ユニットを用い、先ず、ロータユニットROの回転軸3を、その軸方向の前後から、第1のステータユニットST1の第1の軸受4の内径と、第2のステータユニットST2の第2の軸受7の内径に嵌め合わせる。続いて、第1のボビン5の桟橋形状部5a及び第2のボビン8の桟橋形状部8aをそれぞれ中間部材10の外周壁10aに嵌合し、第1のボビン5の嵌合壁5b及び第2のボビン8の嵌合壁8bをそれぞれ外周壁10bに嵌合する。こうして、ステッピングモータの仮組立が終了する。
この仮組立の状態において、図5に示されるように、第1のボビン5の嵌合壁5bと第2のボビン8の嵌合壁8bが、硬性で弾性変形し難い円筒状の中間部材10と嵌め合い公差の間隔をもって嵌合することで、第2の重畳部分が構成されている。その結果、第2の重畳部分によって、第1のボビン5及び第2のボビン8は、同軸上に正確に位置決めされる。
第1のステータユニットST1を構成する第1の軸受4、第1のボビン5及び第1のステータ6の磁極部6aと、第2のステータユニットST2を構成する第2の軸受7、第2のボビン8及び第2のステータ9の磁極部9aは、ロータユニットROの回転軸3に対し、同軸上に位置決めされる。従って、ロータユニットROを偏心なく回転可能で、回転斑がなく、円滑に回転(駆動)させることができる。
一方、第1のボビン5の桟橋形状部5aと第2のボビン8の桟橋形状部8aの各基端部は、第2の重畳部分によって中間部材10の外周壁10aに対して強固に位置決めされた状態となる。この状態において、第1の重畳部分、つまり、桟橋形状部5aに設けられた突起5eと外周壁10aとの重畳部分、及び、桟橋形状部8aに設けられた突起8eと外周壁10aとの重畳部分はそれぞれ、図5及び図6に示される状態となっている。
すなわち、桟橋形状部5a,8aは共に、突起5e,8eが外周壁10aに当接することによって、外周壁10aに対して外方に押し出されるように弾性変形した状態となる。この結果、桟橋形状部5a,8aは、弾性変形による反力Fによって外周壁10aへの圧接状態が維持され、圧接冶具等を特に用いずとも、常時、圧接状態を維持し得る。
次に、ステッピングモータのレーザ溶着工程について説明する。
まず、仮組立の状態にあるステッピングモータを所定の冶具にセットする。次に、第1のボビン5の桟橋形状部5aに設けられた突起5eと、第2のボビン8の桟橋形状部8aに設けられた突起8eとがそれぞれ中間部材10の外周壁10aと重畳している部分(第1の重畳部分)に、レーザ光LQを照射する。レーザ光LQは、図2及び図3中に矢印で示されるように、ステッピングモータの外周側で軸方向に直交する方向から、レーザ照射装置を用いて所定量照射される。
レーザ光LQは、レーザ光透過性樹脂からなる第1のボビン5の桟橋形状部5a及び第2のボビン8の桟橋形状部8aを透過して、レーザ光溶融性樹脂からなる中間部材10の外周壁10aの表面部分に照射される。これにより外周壁10aにおいて桟橋形状部5a,8aにそれぞれ設けられた突起5e,8eが圧接する表面部分が、レーザ光LQのエネルギーを吸収して溶融する。そして、溶融熱の伝播により突起5e,8eが溶融する。この溶融により両溶融部が融合して互いに溶着される。
続いて、図3に示されるように、ステッピングモータを所定角度(本実施の形態では72度)回転させて、レーザ光LQの照射位置を、第1のボビン5の桟橋形状部5aと第2のボビン8の桟橋形状部8aの次の位相位置にセットし、レーザLQを照射して溶着する。この操作を更に2度繰り返し、4回で計8箇所の桟橋形状部5a,8aに対してレーザ光LQ照射による溶着を行う。こうして、ステッピングモータが完成する。
図7は図5におけるレーザ溶着後の溶着部の溶着状態を示す軸方向の要部拡大図であり、図8は図5におけるレーザ溶着後の溶着部の溶着状態を示す径方向の要部拡大図である。図7及び図8に示す溶着状態は、レーザ光LQを、第1,第2のボビン5,8の各桟橋形状部5a,8aにそれぞれ設けられた突起5e,8eの長手方向(図1参照)に沿って移動させながら照射し、溶着した状態を示している。
レーザ光LQにより照射された中間部材10の外周壁10aの表面部分が熱を吸収し溶け始める。突起5e,8eは、外周壁10aの溶融部分Sに、弾性反力により押し込まれ、食い込む。突起5e,8eの食い込みによって押し出された溶融樹脂は、突起5e,8eの突出面に付着した状態となる。その状態で、レーザ光LQ照射が終了すると、溶融樹脂が収縮しながら固化を開始し、溶融樹脂の収縮に応じて、突起5e,8eが弾性反力により外周壁10aの溶融部分Sに食い込む。
このように、突起5e,8eが外周壁10aの溶融部分Sへ食い込みながら、桟橋形状部5a,8aと外周壁10aとの圧接状態が維持されることで、単に2枚の平面を重ねた従来のレーザ溶着に比べて、隙間のない広い溶着面積を確保することができる。こうして、桟橋形状部5a,8aと外周壁10aとの溶着力を格段に高めることができる。
尚、本実施の形態では、レーザ光LQ照射による溶着を行うに際して、ワークであるステッピングモータを回転させる方法を用いているが、これに限定されるものではない。例えば、予め複数のレーザ光照射部を設置し、ワークであるステッピングモータを回転させずに、複数のレーザ光照射部からレーザ光LQをワークに照射する方法を用いてもよい。
また、本実施の形態では、レーザ光LQを照射する位置、すなわち、第1の重畳部分が位置する範囲には、図3に示すように、第1のステータ6の磁極部6a及び第2のステータ9の磁極部9aが対峙しないように配置している。これは、レーザ光LQの溶融熱を逃げ難くし、中間部材10の外周壁10aを確実に溶融させるためである。しかし、レーザ光LQの照射能力が十分に高い場合には、桟橋形状部5a,8aの内側に磁極部6a,9aが対峙した配置にすることで、レーザ光LQがロータユニットROにあたらないように保護することも可能である。
更に、本実施の形態では、第1,第2のボビン5,8の各桟橋形状部5a,8aにそれぞれ設けられた突起5e,8eは、図1及び図5に示されるように細長形状とすることができるが、これに限定されるものではない。また、本実施の形態では、桟橋形状部5a,8aにそれぞれ突起5e,8eを設けたが、このような形態とせずに、中間部材10に突起を形成して、桟橋形状部5a,8aと重畳させてもよい。
また、図9に、上述したステッピングモータの変形例において、図7と同様に、レーザ溶着後の溶着部の溶着状態を表した軸方向の要部拡大図を示す。例えば、必要な溶着強度を得るために、図9に示されるように、突起5e,8eの突出面に凹凸部5g,8gを形成して溶着面積を拡大する等することができる。凹凸部5g,8gの形状は、図9に示されるものに限定されず、適宜、変形が可能である。
[第2の実施の形態]
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータの概略構成を示す分解斜視図であり、図11は、そのステッピングモータの組立完成状態を示す概略斜視図である。図12は、図11のステッピングモータの径方向の内部構造を示す断面図であり、図13は、図11のステッピングモータの軸方向の内部構造を示す断面図である。図14は、図13に示される第1、第2の重畳部分の構造を拡大して示す断面図であり、図15は、図14におけるレーザ溶着後の溶着部の溶着状態を示す軸方向の要部拡大図である。
尚、第2の実施の形態において、上述した第1の実施の形態と同じ構成要素については、同一符号を付し、同一機能を有するものとして説明を省略し、ここでは、上述した第1の実施の形態との相違点についてのみ説明することとする。
第1の相違点は、第2の実施の形態に係るステッピングモータを構成する第2のステータユニットST1が備える第2のボビン11の構造である。すなわち、第2の実施の形態に係るステッピングモータでは、第2のボビン11は、第1の実施の形態に係るステッピングモータで用いられる第2のボビン8と中間部材10の機能を併せ持っている。そのため、図10に示されるように、第2のボビン11は、第2のボビン8と中間部材10とを一体成形した形状を有している。第2のボビン11は、請求項1,2に規定する第2の部材に相当する。
第2のボビン11に中間部材10の機能を持たせたるために、第2のボビン11は、例えば、液晶ポリマー等の耐熱性を有する材料に黒色のカーボン等を混入することでレーザ光吸収性が付与されたレーザ光溶融性樹脂を射出成形して製造される。
第2のボビン11の内周面には、第1のステータ6の磁極部6aを挿入し位置決めする位置決め部11g(本実施の形態では5箇所)と、第2のステータ9の磁極部9aを挿入し位置決めする位置決め部11hとが形成されている。位置決め部11g,11hは、磁極部6aと磁極部9aが所定の間隔を隔て噛み合い配置される位相位置を決めるために用いられる。尚、位置決め部11g,11hのうち1箇所は、磁極部6a,9aが嵌合される回転止めとなっている。
第2のボビン11の外周壁11aは、第1外周壁部11iと第2外周壁部11jから成る。第1外周壁部11iは、中間部材10の外周壁10aに相当し、第2外周壁部11jは、中間部材10の外周壁10bに相当する。
第1のボビン5の桟橋形状部5aと第2のボビン11の第1外周壁部11iとが弾性変形による反力で互いに圧接する方向に付勢されて、第1の重畳部分が形成され、この第1の重畳部分は溶着固定される。また、嵌合壁5bと第2外周壁部11jが嵌め合い公差による隙間で弾性変形することなく嵌合して、位置決めのための第2の重畳部分が形成される。
第1の重畳部分に、第1のボビン5側から第2のボビン11に向けてレーザ照射装置によりレーザ光LQを、所定量、照射する。レーザ光透過性樹脂からなる第1のボビン5を透過したレーザ光LQは、レーザ光溶融性樹脂からなる第2のボビン11における照射表面である第1外周壁部11iを発熱させ、溶融させる。溶融熱の伝播により、桟橋形状部5aに設けられた突起5eも発熱し、溶融する。こうして、両溶融部が融合し、第1のボビン5と第2のボビン11とが溶着される。
なお、第2の実施の形態に係るステッピングモータでは、第1のボビン5が備える円筒状の嵌合壁5bと第2のボビン11が備える円筒状の第2外周壁部11jは、共に硬性で弾性変形し難い。よって、嵌合壁5bと第2外周壁部11jとを互いに嵌め合い公差の間隔をもって嵌合させて第2の重畳部分を形成することにより、図14に示されるように、仮組立の状態において、第1のボビン5と第2のボビン11とが同軸上に正確に位置決めされる。
つまり、第1のステータユニットST1を構成する第1の軸受4、第1のボビン5、第1のステータ6の磁極部6a、第2のステータユニットST2を構成する第2の軸受7、第2のボビン11、第2のステータ9の磁極部9aは全て、ロータユニットROの回転軸3に対し同軸上に位置決めされるこことなる。従って、ロータユニットROは、偏心なく回転可能で回転斑がなく、円滑な回転が可能となっている。
また、第1のボビン5の桟橋形状部5aの基端部は、嵌合壁5bと第2外周壁部11jとで形成される第2の重畳部分によって、第2のボビン11の第1外周壁部11iに対して、強固に位置決めされた状態となる。この状態における、桟橋形状部5aに設けられた突起5eと第1外周壁部11iとで形成される第1の重畳部分の形態は、図14に示されている。すなわち、桟橋形状部5aは、第1外周壁部11iに対して突起5eが第1外周壁部11iによって外方に押し出されることで、図14に示されるように弾性変形する。
その結果、桟橋形状部5aは、その弾性変形による反力Fによって第1外周壁部11iに対する圧接状態が維持される。つまり、圧接冶具等を用いずとも、常時、圧接状態が維持され得る第1の重畳部分が形成されている。尚、第1の実施の形態に係るステッピングモータと同様に、突起5eの突出面に凹凸部5g(図9参照)を形成する等して、固着面積を拡大し、必要な溶着強度を確保するようにしてもよい。
図15に示されるように、第2のボビン11の第1外周壁部11iにおけるレーザ光LQの照射面は、レーザ光LQのエネルギーを吸収して溶け始める。こうして溶融した部分に、第1のボビン5の桟橋形状部5aに設けられた突起5eが弾性反力により押し込まれて食い込むことによって、押し出された溶融樹脂が突起5eの突出面に付着する。この状態で、レーザ光LQによる溶融を終了させると、溶融樹脂が収縮しながら固化を開始し、突起5eが弾性反力によってその収縮に追従することで、第1外周壁部11iに対する圧接状態が維持される。
すなわち、突起5eが第1外周壁部11iの溶融部分Sに食い込んで、突起5eの突出面と第1外周壁部11iの溶融樹脂とが隙間なく溶着することで、単に2枚の平面を重ねた従来のレーザ溶着に比べて、隙間のない広い溶着面積を確保することができる。こうして、桟橋形状部5aと第1外周壁部11iとの溶着力を格段に高めることができる。
[その他の実施態様]
以上の通り説明した第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、第1のステータ6の磁極部6aと第2のステータ9の磁極部9aを、その数(歯数)が5つである5極歯としたが、3極歯としたり、歯数を必要に応じて増やしたりすることもできる。
また、第1のステータ6の磁極部6aと第2のステータ9の磁極部9aを1極歯から成る半円弧に形成することで、180度以内の範囲で往復回動するアクチュエータとして用いることができる。
以上、ステッピングモータやアクチュエータ等の駆動装置に関し説明したが、本発明はレーザ樹脂溶着方法により2つの樹脂部材を溶着する構造体を構成する装置に広く適用可能である。
1 マグネット
2 コア
3 回転軸
4 第1の軸受
5 第1のボビン(第1の部材)
5a 桟橋形状部
5e 突起
6 第1のステータ
7 第2の軸受
8 第2のボビン(第1の部材)
8a 桟橋形状部
8e 突起
9 第2のステータ
10 中間部材(第2の部材)
10a 外周壁
11 第2のボビン(第2の部材)
11i 第1外周壁部
RO ロータユニット
ST1 第1のステータユニット
ST2 第2のステータユニット

Claims (9)

  1. レーザ光透過性樹脂からなる第1の部材とレーザ光溶融性樹脂からなる第2の部材とを備える溶着樹脂体であって、
    前記第1の部材には、前記第2の部材と重なり合う第1の部分が形成され、
    前記第2の部材には、前記第1の部分と重なり合う第2の部分が形成され、
    前記第1の部分と前記第2の部分との少なくとも一方には、突起が形成され、
    前記第1の部分と前記第2の部分とが重なり合うとき、前記第1の部分と前記第2の部分との少なくとも一方の弾性変形により前記突起が圧接される圧接領域にレーザ光を照射することで、前記第1の部分と前記第2の部分とが溶着されることを特徴とする溶着樹脂体。
  2. 前記圧接領域に前記レーザ光が照射されることで、前記突起が前記第2の部分に食い込んで溶着されることを特徴とする請求項1記載の溶着樹脂体。
  3. 前記突起の先端が湾曲面となっていることを特徴とする請求項1または2記載の溶着樹脂体。
  4. 前記突起の湾曲面に更に凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の溶着樹脂体。
  5. 回転可能に支持される円筒形状のマグネットと、
    レーザ光透過性樹脂からなり、前記マグネットと同心に配置されるコイルが巻回されるボビンと
    記マグネットの外周面に対向して前記コイルにより励磁される磁極部を備え、前記ボビンに同軸に組み合わされるステータと
    ーザ光溶融性樹脂からなり、前記ボンを位置決めする中間部材と、を具備する駆動装置であって、
    前記ボビンには、前記中間部材と重なり合う第1の部分が形成され、
    前記中間部材には、前記第1の部分と重なり合う第2の部分が形成され、
    前記第1の部分と前記第2の部分との少なくとも一方には、突起が形成され、
    前記第1の部分と前記第2の部分とが重なり合うとき、前記第1の部分と前記第2の部分との少なくとも一方の弾性変形により前記突起が圧接される圧接領域にレーザ光を照射することで、前記第1の部分と前記第2の部分とが溶着されることを特徴とする駆動装置。
  6. 前記突起は前記ステータの前記磁極部と重ならない位置に形成されることを特徴とする請求項記載の駆動装置。
  7. 前記圧接領域に前記レーザ光が照射されることで、前記突起が前記第2の部分に食い込んで溶着されることを特徴とする請求項5または6記載の駆動装置。
  8. 前記突起の先端が湾曲面となっていることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の駆動装置。
  9. 前記突起の湾曲面に更に凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項8記載の駆動装置。
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