JP5450895B2 - 物理気相輸送法での炭化ケイ素育成方法及び炭化ケイ素の元の位置での焼鈍方法 - Google Patents

物理気相輸送法での炭化ケイ素育成方法及び炭化ケイ素の元の位置での焼鈍方法 Download PDF

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Description

本発明は結晶体育成及び育成終了後の処理分野に応用されるものとする。具体的に言えば、本発明は物理気相輸送法での炭化ケイ素育成方法及び育成終了後炭化ケイ素の元の位置での焼鈍方法に関する。
情報技術が急速に発展している現在、半導体技術の革新がますます重要な役割を占めている。炭化ケイ素、窒化ガリウムに代表される禁制帯幅が広い半導体材料は、シリコン、ヒ化ガリウムに続いて第三世代の禁制帯幅が広い半導体材料である。シリコンとヒ化ガリウムに代表される伝統的な半導体材料に比べると、炭化ケイ素が動作温度、耐輻射、耐高電圧などの方面で優れている。現時点もっとも発展しているワイドバンドギャップ半導体材料として、炭化ケイ素は高熱伝導性、高臨界電界強度、高飽和電子速度と高結合エネルギーなどの長所を有し、その高性能が現代電子技術が高温、高周波数、高出力及び耐輻射などに対する新要求を満足することができ、半導体材料分野では最も有望視される材料の一つである。また、六方晶炭化ケイ素は窒化ガリウムに似ている格子定数と熱膨張係数をもつため、高照度の発光ダイオードの理想的な基板材料でもある。
現在一番有効な炭化ケイ素結晶体育成方法は物理気相輸送法(Journal of Crystal Growth 43 (1978) 209-212)で、一般的な成長室の構造は図1による。るつぼは上部の蓋と下部のるつぼより構成され、上部の蓋が種結晶固定用で、下部が炭化ケイ素の原料配置用である。るつぼの側壁及び上下部は耐高温の断熱材で構成され、通常は黒鉛フェルトを使用する。恒温層の側壁に石英管水冷装置があり、恒温層の熱輻射が大きいため、冷却水の流速が速いという要求がある。水冷装置の外に誘導過熱コイルがある。通常はC面をSiC結晶体育成の成長面とする。断熱フェルトの排熱孔の形状と大きさを調節することで、SiC原料の温度を高くし、種結晶の温度を低くする。高温のSiC原料が昇華分解して、Si,Si2C,SiC2などとなって気化する。これらの気体物質を温度の低い種結晶のところまで搬送すると、結晶してSiC結晶体になる。この方法で炭化ケイ素結晶体の育成する時に、成長室内の適切な温度場分布が高品質の結晶体を成長させるもっとも重要な条件である。
炭化ケイ素の成長過程が概ねに成長初期(接合成長段階)、成長初中期(径方向の拡大成長段階)、成長中後期(等径成長段階)という三つ段階に分けられることができる。単結晶成長初期において、成長室内の軸方向の温度バラツキを小さくになるように制御し、成長初期の螺旋成長センターをなるべく少なくして、高品質の初期接合成長を図る。単結晶成長初中期において、成長室内の軸方向温度のバラツキを相対的に小さくし、径方向の温度バラツキを相対的に大きくして、単結晶の成長初中期の径方向の拡大成長段階の完成を図る。単結晶成長中後期において、成長室内の軸方向温度のバラツキを相対的に大きくし、径方向の温度のバラツキを小さくして、高品質の単結晶等径成長を図る。前述から見れば、高品質炭化ケイ素を取得するために、結晶体の成長中において成長室内の温度場分布の即時の調節が必要である。
しかし、現在の炭化ケイ素の育成方法では、成長室の温度場分布は成長炉を取り付ける時設計した断熱材の排熱孔の大きさと形状を通して成長室内の温度場分布を調節する。断熱材の排熱孔の大きさと形状が変わらないもののため、結晶体の成長中において成長室内の温度場分布が変わらないものとなる。
炭化ケイ素の結晶体の育成が非平衡の状態で行われるため、育成終了後炭化ケイ素の結晶体の内部に大きい応力が残留される。それは後工程の加工中に破裂を起し、結晶体の完成品の合格率を下げる。特に大サイズの結晶体(3インチ以上)加工中では結晶体加工中の破裂現象が多い。どうやって元の位置での焼鈍方法(結晶体育成終了後炉内で直接に焼鈍を行うこと)と二次焼鈍方法(結晶体を結晶炉から出して再び焼鈍を行うこと)を改善して、炭化ケイ素の内部応力を消し、炭化ケイ素の結晶体の完成品の合格率を上げるということは、炭化ケイ素結晶体の育成分野での一つ未解決の重要技術課題である。
米国特許第5968261号明細書 米国特許第7767022号明細書 特開平11−278985号公報 中国特許出願第101984153号明細書
本発明は物理気相輸送法を用いる炭化ケイ素単結晶の育成方法および育成終了後炭化ケイ素単結晶の元の位置での焼鈍方法に関するものである。この結晶体育成方法は成長室の上部の恒温層の位置を調整することを通して成長室の温度場分布を即時に調整して、結晶体の育成中において成長室内部温度場分布を即時に調節できるようにする。成長室内の温度場分布の即時調整が可能になることが結晶体の品質と生産効率を大幅に向上させる。炭化ケイ素単結晶の育成が終了した後、成長室内の不活性ガスの気圧を増やすと同時に室内温度のバラツキを削減して、温度バラツキが小さい状態で炭化ケイ素結晶体の元の位置での焼鈍を行うことにより、結晶体とるつぼ蓋との間また炭化ケイ素結晶体内部の応力を削減して、後工程の破損率を削減して、炭化ケイ素の結晶体後工程の成功率の向上を図る。
前述の課題を実現するために、物理気相輸送法を用いる炭化ケイ素単結晶の育成方法である本発明は下記のものを含む:
結晶炉を取り付ける時に、自動搬送装置で保温層の位置を管理して、この保温層の炉内位置を記録する;成長過程で、プロセスに応じて自動搬送装置で保温層の位置を調整して、成長室内の温度場分布が期待する状態になるように図る。
更に、恒温層材料は耐高温黒鉛、固体黒鉛フェルト及び/又はソフト黒鉛フェルトを含む。
更に、恒温層の構造は柱形、円台形及び/又は円錐形の恒温層を含む。
更に、自動搬送装置は自動上昇、降下機能を備えて、どちらも一定範囲以内で走行速度と走行距離を調整することが可能で、走行速度を0.01mm/h−50mm/hで、走行距離を0−600mmで調整できるようにすることが一番良い。
更に、自動搬送装置は停止機能を備えて、この機能の保持時間が一定範囲以内で連続に調整することが可能で、停止機能の保持時間を0−100hで調整できるようにすることが一番良い。
更に、結晶体の成長速度が0.1mm/h−4mm/hに達する。
更に、結晶体の転位密度は103/cm2以下である
現在の炭化ケイ素育成方法によると、結晶炉を取り付ける時に設計した排熱孔の大きさと形状を通して成長室内の温度場分布を調節する。断熱材の排熱孔の大きさと形状が変わらないもののため、結晶体の成長中において成長室内の温度場分布が変わらないものとなる。しかし、成長室内のこういう変わらない温度場分布が大きいサイズの品質高い炭化ケイ素結晶体の成長には良くない。結晶体の成長初期において、螺旋成長センターがなるべく少なくするため、成長界面温度が相対的に高く、成長室内の軸方向の温度バラツキが相対的に小さくすることである。結晶体の成長初中期において、結晶体の径方向の拡大成長にするため、軸方向の温度バラツキを相対的に小さく、径方向の温度バラツキを相対的に大きくすることである。結晶体成長の中後期において、結晶体がより速い速度で等径成長できるようにするため、軸方向の温度バラツキを大きく、径方向の温度バラツキを小さくすることである。
成長室内の温度場分布を即時に調節できるようにするため、自動搬送装置を用いて炉内での恒温層の相対位置を制御する。結晶体の育成中、育成方法の要求に従って、自動搬送装置で恒温層の相対位置を即時に制御して、希望の温度場分布を実現する。この自動搬送装置は自動上昇、自動降下および停止機能を備えて、各機能の走行速度、走行距離および保持時間が一定範囲以内で連続に調整することが可能で、実際の育成方法の要求に満足できる。成長室内の温度場分布は実際の方法要求に従って調整可能のため、結晶体の単結晶エリアの直径を確保し、結晶体内部のマイクロパイプと転位密度を削減し、結晶体の成長速度と品質を向上させることができる。この方法で育成した結晶体転位密度が103/cm2以下で、成長速度が0.1mm/h−4mm/h以内連続に調整することができる。
前述の目的を実現するために、本発明の元の位置での焼鈍方法手順は下記のものを含む:
1)炭化ケイ素単結晶育成終了後、室内の不活性ガスの気圧を徐々に上げ、成長室内恒温性をゆっくり強化し室内の温度バラツキを小さくして、この間、成長室内の温度を育成時の温度と同じように保持する;
2)育成時の温度を約10−40時間保持する;
3)成長室内の温度を育成時の温度から室温まで下げて、下げる時間を20−50時間にする。
更に、室内の不活性ガスの気圧を10,000Pa以上(50,000Pa以上がもっと良い)になるまで徐々に上げる。
更に、前述の成長室の恒温性をゆっくり強化することは成長室に接近するように恒温層を降下させることを含む。
更に、前述の成長室温度を育成時の温度に保持することは加熱出力の即時調整を含む。
更に、前述の成長室内の温度バラツキが10℃/cm以下(5℃/cm以下がもっと良い)である。
更に、前述の不活性ガスはアルゴンとヘリウムを含む。
更に、前述の炭化ケイ素のサイズは2−8インチである。
更に、前述の炭化ケイ素の結晶構造は4H−SiC、15R−SiC及び/又は6H−SiCである。
更に、前述の炭化ケイ素の結晶体が電気伝導型及び/又は半絶縁型の炭化ケイ素結晶体を含む。
炭化ケイ素結晶体の育成が非平衡状態で行われるため、育成終了後炭化ケイ素の結晶体内部に大きい応力が残留される。それは後工程の加工中に破裂を起し、結晶体の完成品の合格率を下げる。育成終了後の炭化ケイ素の結晶体の内部応力を消すために、結晶体に元の位置での焼鈍処理を行うことが必要である。
炭化ケイ素の育成途中、炭化ケイ素の気体物質を恒温原料エリアから低温種結晶エリアまで搬送させて炭化ケイ素結晶体になるために、成長室に一定の温度バラツキと相対的に低い不活性ガス気圧(通常は1,000Pa−10,000Pa)を持つことが必要である。しかし、育成終了後、元の位置での焼鈍が行われる間、結晶体内部の応力を消すために、成長室内の温度のバラツキをなるべく小さくする必要がある。育成時の温度バラツキにも焼鈍の温度バラツキにもそれぞれ満足するために、成長室内の温度バラツキを即時に調整する必要がある。結晶体育成終了後、元の位置での焼鈍が行われる時、恒温層を成長室に接近させるように徐々に降下させて、成長室の温度保持を強化することで、成長室内の温度バラツキを小さくする;同時に、育成終了の結晶体の分解・昇華を防止するために成長室内の不活性ガスの気圧(少なくても10,000Pa以上、50,000Pa以上がもっと良い)を徐々に下げる。一方、成長室内の不活性ガスの気圧を徐々に上げることは成長室全体の温度下げに繋がり;一方、成長室内の温度保持を強化することは成長室全体の温度上げに繋がる。制御する間、両方の整合に気を付けながら、成長室内の温度を保持することが必要で、必要に応じて、元の位置での焼鈍途中に新しい応力が生じないように加熱出力を即時に調整する。
成長室内の不活性ガスの気圧を上げ、室内温度バラツキを小さくしてから、結晶体内部の応力を消すために育成時の温度を10−40時間保持する。そして、成長室内の温度を育成時の温度から室温までゆっくり冷やして、冷やす時間を20−50時間にする。ゆっくりするということは冷やす途中内部応力が再び生じることを防止するためである。要求に応じて幾つの段階に分けて温度をゆっくり下げても良い。
前述の炭化ケイ素結晶体の元の位置での焼鈍方法を通して、大部の結晶体内部応力を消すことができ、後工程の結晶体の破損率を下げ、結晶体完成品の合格率を上げることができる。更に、この元の位置での焼鈍方法を通しては育成終了後の炭化ケイ素の内部応力を削減して、炭化ケイ素の後工程の完成品合格率を上げる。
物理気相輸送法で炭化ケイ素を育成する成長室構造の説明図である。 結晶体成長初期において恒温層を使用した場合の説明図である。 結晶体成長の初中期において恒温層を予定位置までに上昇させた場合の説明図である。 結晶体成長中後期において、恒温層8が成長室から離れた場合の説明図である。 結晶体育成終了後元の位置で焼鈍が行われる時の成長室の説明図である。 円柱形の恒温層8を示す。 円錐形の恒温層8を示す。
次に、付図を用いて、物理気相輸送法での炭化ケイ素単結晶育成方法および育成終了後元の位置での焼鈍方法について詳しく説明する。図1は現在炭化ケイ素結晶体育成に広く使われる加熱コイルで加熱する結晶体成長室の構造を説明する図である。その中で、数字1は断熱材を示す;数字2は二層水冷石英パイプを示す;数字3は誘導加熱コイルを示す;数字4は炭化ケイ素原料を示す;数字5は黒鉛成長室を示す;数字6は炭化ケイ素気体物質を示す;数字7は成長中の炭化ケイ素結晶体を示す。図1に示すように、黒鉛成長室は黒鉛で加工されて、成長室の側面と上下部の断熱材は耐高温の黒鉛フェルトで加工されて、上部に排熱孔として用いられる断熱材で覆わないエリアがある。断熱材は成長室と一緒に水冷石英パイプに囲まれ、断熱材が石英パイプ内壁の輻射が大きすぎて石英パイプを壊すことを防止するために断熱材と水冷石英パイプの間に十分のクリアランスを取る;石英パイプの外側に誘導加熱コイルが配置される。
図2は成長初期において恒温層8を使用した場合の説明図である。円台形の恒温層8を追加することを除くと、図1と同じである。恒温層8も耐高温黒鉛で加工され、成長室上部にある排熱孔の大きさと整合するように上下面を設計する。結晶体の成長初期、恒温層8は成長室上部の排熱孔以内にして、成長室内の温度バラツキを相対的に小さくして、品質高い初期接合を実現する。
図3は結晶体初中期において恒温層8を上昇させた場合の説明図である。結晶体成長初中期において、恒温層8を一定の速度で予定位置にゆっくり上昇させて、成長室内の軸方向の温度バラツキを相対的に小さく、径方向の温度バラツキを相対的に大きくして、炭化ケイ素結晶体の径方向の拡大成長を完成する。
図4は結晶体成長の中後期において恒温層8が成長室から離れた場合の説明図である。結晶体成長の中後期において、恒温層8が一定の速度で成長室から離れ、成長室内の軸方向の温度バラツキを相対的に大きくして、より速い成長速度で炭化ケイ素単結晶の等径成長を完成する。
成長室の温度場分布は実際の要求により調節することができるため、この育成方法で結晶体単結晶エリアの直径を確保、結晶体内部のマイクロパイプと転位欠陥密度を削減し、結晶体の成長速度と結晶品質を上げることができる。この方法で育成した結晶体の転位密度は103/cm2以下で、成長速度が0.1mm/h−4mm/h範囲内で連続に調整することができる。
結晶体内部に応力が生じる原因はたくさんある、一般的に結晶体の成長温度のバラツキは応力が生じる主要な原因だと考えられる;他の原因は単結晶縁の多結晶と他の欠陥、結晶体とるつぼ熱膨張係数との不整合、結晶体内部不均一などがある。
背景技術で述べたように、炭化ケイ素結晶体の成長を実現するため、炭化ケイ素気体物質を高温原料エリアから低温種結晶エリアまで搬送して、炭化ケイ素結晶体になるには、成長室内にある程度の温度バラツキが必要である。この温度バラツキは結晶体の育成の間に内部応力を生じる。結晶体の内部応力を消し、後工程の破損率を下げるため、結晶体の元の位置での焼鈍を行う。しかし、成長室の温度バラツキは元の位置での焼鈍を通して結晶体内部応力を消すことには良くない。室内の温度バラツキを小さくするため、恒温層8を下げても良い。図5は結晶体育成終了後、元の位置での焼鈍が行われる時の成長室の説明図である。
この元の位置の焼鈍方法を通して大部の結晶体内部応力を消すことができて、結晶体の後工程での破損率を下げ、結晶体の完成品合格率を上げることができる。
実施例1
物理気相輸送法で2インチ6H半絶縁炭化ケイ素を育成する。結晶炉を取り付ける時に、円台形の恒温層8を成長室上部の排熱孔に配置する。成長室内に不活性ガスを流動させ、気圧を8000Paぐらいに保持する。結晶体が2時間成長し、結晶体初期の接合成長を完成してから、自動搬送装置を用いて恒温層8を0.5mm/hの速度で成長室から10mm離れる位置まで移動させる。恒温層8をその位置で20時間を保持して、結晶体初中期の径方向の拡大成長を完成する。その後、自動搬送装置を用いて恒温層8を1mm/hと10mm/hの速度で30mmと50mm上昇させ、その位置で80時間保持して、結晶体の中後期の快速等径成長を完成する。前述の結晶体成長の間、成長界面温度安定性を保持し、必要に応じて加熱出力を調整する。結晶体育成終了後、結晶体に対して元の位置での焼鈍処理を行う。10hを経て成長室内の不活性ガスの気圧を8,000Paから50,000Paまで上げ、恒温層8を25mm/hと5mm/hの速度で50mmと40mm降下させる。恒温層8を成長室上部の排熱孔に再び戻るようにする。前述の元の位置での焼鈍の間、成長温度を保持し、必要に応じて加熱出力を調整する。育成温度を10時間保持してから、30時間を経て成長室の温度を育成温度から室温に戻るまで下げる。
実施例2
物理気相輸送法で3インチ4H半絶縁炭化ケイ素を育成する。結晶炉を取り付ける時に、円台形の恒温層8を成長室上部の排熱孔に配置する。成長室内に不活性ガスを流動させ、気圧を5000Paぐらいに保持する。結晶体が5時間成長し、結晶体初期の接合成長を完成してから、自動搬送装置を用いて恒温層8を0.4mm/hの速度で成長室から10mm離れる位置まで移動させる。恒温層8をその位置で40時間を保持して、結晶体初中期の径方向の拡大成長を完成する。その後、自動搬送装置を用いて恒温層8を1mm/hと10mm/hの速度で30mmと50mm上昇させ、その位置で80時間を保持して、結晶体の中後期の快速等径成長を完成する。前述の結晶体成長の間、成長界面温度安定性を保持し、必要に応じて加熱出力を調整する。結晶体育成終了後、結晶体に対して元の位置での焼鈍処理を行う。10hを経て成長室内の不活性ガスの気圧を5,000Paから30,000Paまで上げ、恒温層8を25mm/hと5mm/hの速度で50mmと40mm降下させる。恒温層8を成長室上部の排熱孔に再び戻るようにする。前述の元の位置での焼鈍の間、成長温度を保持し、必要に応じて加熱出力を調整する。育成温度を20時間保持してから、40時間を経て成長室の温度を育成温度から室温に戻るまで下げる。
実施例3
物理気相輸送法で4インチ4H半絶縁炭化ケイ素を育成する。結晶炉を取り付ける時に、円台形の恒温層8を成長室上部の排熱孔に配置する。成長室内に不活性ガスを流動させ、気圧を3000Paぐらいに保持する。結晶体が10時間成長し、結晶体初期の接合成長を完成してから、自動搬送装置を用いて恒温層8を0.3mm/hの速度で成長室から10mm離れる位置まで移動させる。恒温層8をその位置で50時間を保持して、結晶体初中期の径方向の拡大成長を完成する。その後、自動搬送装置を用いて恒温層8を0.5mm/hと10mm/hの速度で30mmと50mm上昇させ、その位置で80時間保持して、結晶体の中後期の快速等径成長を完成する。前述の結晶体成長の間、成長界面温度安定性を保持し、必要に応じて加熱出力を調整する。結晶体育成終了後、結晶体に対して元の位置での焼鈍処理を行う。8hを経て成長室内の不活性ガスの気圧を3,000Paから30,000Paまで上げ、恒温層8を25mm/hと6.7mm/hの速度で50mmと40mm降下させる。恒温層8を成長室上部の排熱孔に再び戻るようにする。前述の元の位置での焼鈍の間、成長温度を保持し、必要に応じて加熱出力を調整する。育成温度を25時間保持してから、50時間を経て成長室の温度を育成温度から室温に戻るまで下げる。
実施例4
物理気相輸送法で6インチ6H半絶縁炭化ケイ素を育成する。結晶炉を取り付ける時に、円台形の恒温層8を成長室上部の排熱孔に配置する。成長室内に不活性ガスを流動させ、気圧を2500Paぐらいに保持する。結晶体が15時間成長し、結晶体初期の接合成長を完成してから、自動搬送装置を用いて恒温層8を0.2mm/hの速度で成長室から10mm離れる位置まで移動させる。恒温層8をその位置で65時間を保持して、結晶体初中期の径方向の拡大成長を完成する。その後、自動搬送装置を用いて恒温層8を0.5mm/hと10mm/hの速度で30mmと50mm上昇させ、その位置で85時間保持して、結晶体の中後期の快速等径成長を完成する。前述の結晶体成長の間、成長界面温度安定性を保持し、必要に応じて加熱出力を調整する。結晶体育成終了後、結晶体に対して元の位置での焼鈍処理を行う。6hを経て成長室内の不活性ガスの気圧を2,500Paから30,000Paまで上げ、恒温層8を25mm/hと10mm/hの速度で50mmと40mm降下させる。恒温層8を成長室上部の排熱孔に再び戻るようにする。前述の元の位置での焼鈍の間、成長温度を保持し、必要に応じて加熱出力を調整する。育成温度を35時間保持してから、60時間を経て成長室の温度を育成温度から室温に戻るまで下げる。
前述の具体的な実施形態は本発明に対する制限ではなく詳細的な説明だけである。請求項範囲内で趣旨に従う限り、この分野の技術者により、複数の形式と変化がある実用形態が運用されても良い。
1:断熱材
2:二層水冷石英パイプ
3:誘導加熱コイル
4:炭化ケイ素原料
5:黒鉛成長室
6:炭化ケイ素気体物質
7:成長中の炭化ケイ素結晶体
8:恒温層

Claims (10)

  1. 成長室上部恒温層の位置を調整することを通して、成長室の温度場分布を即時に調整して、結晶体の育成中において育成方法の要求に従って成長室内部の温度場分布を即時に調節できるようにする物理的気相輸送法を用いる炭化ケイ素単結晶成長育成方法であって、
    結晶炉を取付ける時に、自動搬送装置で恒温層の位置を制御すると同時に、炉内で恒温層の相対位置を記録することと、
    結晶体の育成中において、プロセスの要求に従って自動搬送装置で恒温層の位置を調整して、成長室内の温度場分布期待通りにすることと、
    上部恒温層の上面・下面の設計を成長室上部にある排熱孔と整合させること
    を含むことを特徴とする炭化ケイ素単晶成長育成方法。
  2. 上部恒温層の材質が、耐高温黒鉛、固体黒鉛フェルト、ソフト黒鉛フェルトまたはその組み合わせを含む請求項1に記載の炭化ケイ素単結晶成長育成方法。
  3. 恒温層の構造が、柱形恒温層、円台形恒温層、円錐形恒温層或いはその組合せを含む請求項1に記載の炭化ケイ素単結晶成長育成方法。
  4. 自動搬送装置が、自動上昇、自動下降機能を備え、どちらも一定範囲内で走行速度走行距離調整可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化ケイ素単結晶成長育成方法。
  5. 結晶体の転移密度が10 3 /cm 2 以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化ケイ素単結晶成長育成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭化ケイ素単結晶成長育成方法が終了した後の炭化ケイ素の元の位置での焼鈍方法であって、
    1)前述の炭化ケイ素単晶の成長が終わった後に、成長室内の不活性ガスの気圧を10,000Pa以上にして、上部恒温層を成長室に接近させ成長室内の温度バラツキが大きくならないように徐々に降下させて、成長室内の温度を育成時と同じように保持することと、
    2)育成時の温度を10〜40時間保持することと、
    3)成長室内の温度を育成温度から室温まで徐々に下げ、下げる時間を20−50時間にすること
    を含む炭化ケイ素の元の位置での焼鈍方法。
  7. 加熱出力の即時調整により、成長室内の温度を育成時の温度に保持することを含む請求項6に記載の炭化ケイ素の元の位置での焼鈍方法。
  8. 成長室内の温度バラツキを10℃/cm以下にすることを含む請求項7に記載の炭化ケイ素の元の位置での焼鈍方法。
  9. 炭化ケイ素のサイズが2〜8インチ(5.08〜20.32センチ)であり、電気伝導型と半絶縁型の炭化ケイ素結晶を含む請求項6〜8のいずれか1項に記載の元の位置での焼鈍方法。
  10. 炭化ケイ素の結晶構造が4H−SiC、15R−SiC、6H−SiC或いはその組合せである請求項6〜8のいずれか1項に記載の元の位置での焼鈍方法。
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